昭和36(オ)1262 約束手形金請求

裁判年月日・裁判所
昭和39年3月6日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄自判 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      上告人は被上告人に対し金三〇万円およびこれに対する昭和三五年四月 二七日以降完済ま      で年五分の割合による金員を支払え。      訴訟費

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判決文本文2,130 文字)

主    文      原判決を破棄する。      上告人は被上告人に対し金三〇万円およびこれに対する昭和三五年四月 二七日以降完済ま      で年五分の割合による金員を支払え。      訴訟費用(貸金債権に関して生じたもの)中第二審の費用は上告人の、 当審の費用は被上      告人の各負担とする。          理    由  上告代理人佐藤思良の上告理由第一点について。  所論は、控訴審においては訴の変更が許されるべきでないのにも拘らず、原審に は訴の変更を許した違法があるという。しかし、控訴審においても訴の変更が許さ れることは当裁判所の判例(昭和二七年(オ)第九七二号・第一〇四一号、昭和二 八年九月一一日第二小法廷判決、民集七巻九号九一八頁参照)とするところであり、 本件においてこれを変更する必要はみとめられない。なお所論引用の判例は、第一 審で全部勝訴の判決を得た原告が控訴審において請求の拡張をなす場合に関する事 案であるが、同判例の趣旨に徴すれば、本件原審において被上告人がなした所論訴 の変更も、実質的には附帯控訴に外ならないものと解することができ、かつ、その 方式においても、民訴法三七四条、三六七条に違反するところのないことが記録上 明らかであるから、右訴の変更につき方式違背を主張する論旨は、理由がない。  同第二点について。  所論は、控訴審において訴の変更が許されるものとしても、本件原審における訴 の変更はいわゆる交替的訴の変更にあたるから、原審は旧訴に対する措置を裁判で 明らかにすべきであるのに、これを怠つたのは違法であるという。 - 1 -  記録によれば、被上告人(原告・被控訴人)は、一審で、上告人(被告・控訴人) が訴外D木材株式会社に対して負担する合計金三〇万円の約束手形金債務を被上告 人において立替え支払つたとして右立替金三〇万円お 記録によれば、被上告人(原告・被控訴人)は、一審で、上告人(被告・控訴人) が訴外D木材株式会社に対して負担する合計金三〇万円の約束手形金債務を被上告 人において立替え支払つたとして右立替金三〇万円およびこれに対する遅延損害金 の償還を求め、一審は右立替金債権の存在を認めて被上告人勝訴の判決を云い渡し たが、上告人がこの判決を不服として原審に控訴の申立をしたところ、被上告人は 原審において訴の変更をなし、上告人が前記約束手形金を弁済するための資金とし て前記金三〇万円を貸し付けたと主張して、右貸金三〇万円およびこれに対する遅 延損害金の支払を求める新訴請求をなし、一審で認容された立替金の請求を撤回し たものであり、上告人は右訴の変更につき異議を述べたが、原審は右訴の変更を許 容すべきものとして、新訴につき右貸金債権の存在を認めて、被上告人の請求を認 容すべき旨判示しただけで、直ちに本件控訴を理由なきものとして棄却する旨の判 決をなしたことが明らかである。  しかし、上告人のなした本件控訴は立替金請求を認容した一審判決に対してなさ れたものであつて、原審において初めて主張され原審で認容した貸金請求とはなん らの係わりもないのであり、原審が本件訴の変更を許すべきものとしまた貸金債権 に基づく新請求を認容すべきものと判断しても、それは右新請求に対しては事実上 一審として裁判をしたものに外ならないから、一審判決の当否従つて本件控訴理由 の有無を判断するものではないのであつて、それ故、原審としては本件控訴を理由 なきものとすべきではなくて、単に新請求たる貸金債権の存在を確定して、上告人 は被上告人に対し金三〇万円およびこれに対する遅延損害金の支払をなすべき旨の 判決をしなければならないのであつて、原審が貸金債権に基づく新訴請求を認容す べき旨判示しながら主文で控訴棄却の判示をしたのは は被上告人に対し金三〇万円およびこれに対する遅延損害金の支払をなすべき旨の 判決をしなければならないのであつて、原審が貸金債権に基づく新訴請求を認容す べき旨判示しながら主文で控訴棄却の判示をしたのは民訴法三八四条の適用を誤ま り理由そごの違法を来したものといわざるを得ないことは、当裁判所の判例(昭和 二九年(オ)第四四四号昭和三二年二月二八日第一小法廷判決、民集一一巻二号三 - 2 - 七四頁参照)に照して明らかなところであり、従つて、原判決はこの点において破 棄を免れない。  しかして本件においては、原審の確定したところに従い、直ちに裁判をなしうる ことが明らかであるから、民訴法四〇八条一号、九五条、九六条、八九条に従い、 裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。      最高裁判所第二小法廷          裁判長裁判官    奥   野   健   一             裁判官    山   田   作 之 助             裁判官    草   鹿   浅 之 介             裁判官    城   戸   芳   彦             裁判官    石   田   和   外 - 3 -

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