昭和29(さ)3 窃盗未遂被告事件につきなした判決に対する非常上告

裁判年月日・裁判所
昭和29年9月17日 最高裁判所第二小法廷 判決 その他 東京簡易裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決が本件につき刑法二五条二項を適用した部分を破棄する。          理    由  検事総長佐藤藤佐の非常上告理由について。  原審東京簡易裁判所は、昭和二九年四月二

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判決文本文1,137 文字)

主    文      原判決が本件につき刑法二五条二項を適用した部分を破棄する。          理    由  検事総長佐藤藤佐の非常上告理由について。  原審東京簡易裁判所は、昭和二九年四月二八日本件被告人が昭和二九年三月一三 日午前九時頃都内国鉄a駅b駅間進行中の電車内に於て乗客A所携のハンドバツク 内より金品を窃取しようとして右ハンドバツクの口金を外したが、被害者が移動し たため其の目的を遂げなかつた犯罪事実を認定した上、相当法条並に刑法二五条二 項等を適用して被告人を懲役一年六月に処し且つ右懲役刑につき五年間その執行を 猶予すべく、右執行猶予期間中被告人を保護観察に付する旨の判決を言渡したこと、 同判決は同年五月一三日確定するに至つたこと、並びに被告人はさきに昭和二六年 四月一一日東京簡易裁判所において窃盗罪により懲役一年、五年間右刑の執行を猶 予する旨の言渡を受け、後に懲役九月に減軽、執行猶予期間を三年九月に短縮され 現在執行猶予中のものであることはいずれも一件記録に徴し明白である。  ところで刑法二五条二項によれば、前に禁錮以上の刑に処せられたことがあつて も、その執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡を受け情状特に憫諒 すべきものであるときは再び執行を猶予することができるのであるが、一年を超え る懲役又は禁錮の言渡を受けたときは、その執行を猶予することはできないのであ る。しかるに原判決は前示の如き執行猶予中の前科があることを認め且つ被告人を 懲役一年六月に処しながら刑法二五条二項を適用し右懲役刑の執行を猶予する旨の 判決を言渡したことは、明らかに右刑法の条項に違反したものであつて、本件非常 上告はその理由がある。そして原判決は被告人のため不利益でないから刑訴四五八 条一号本文の規定に従い、その違反した部分のみを破棄すべきものとし、裁判官全 員 右刑法の条項に違反したものであつて、本件非常 上告はその理由がある。そして原判決は被告人のため不利益でないから刑訴四五八 条一号本文の規定に従い、その違反した部分のみを破棄すべきものとし、裁判官全 員一致の意見で主文のとおり判決する。 - 1 -  検察官 佐藤欽一出席   昭和二九年九月一七日      最高裁判所第二小法廷          裁判長裁判官    霜   山   精   一             裁判官    栗   山       茂             裁判官    小   谷   勝   重             裁判官    藤   田   八   郎             裁判官    谷   村   唯 一 郎 - 2 -

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