主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告八開村長が,原告に対し,平成15年4月17日付けでした八開村農村下水施設維持管理分担金納入通知を取り消す。 2 原告が八開村農業集落排水処理施設の設置及び管理に関する条例(平成12年3月27日条例第8号による改正後のもの)2条1号に定められた排水施設を使用しない限り,原告の被告八開村に対する,同条3号の「使用者」たる地位に基づく同条例10条2項所定の維持管理分担金の納付義務が存在しないことを確認する。 第2 事案の概要本件は,愛知県(以下「県」という。)海部郡八開村(以下,地域名としては「八開村」と,権利義務の主体としては「被告村」という。)大字A(以下「A地区」という。)に居住する原告が,八開村農業集落排水事業(以下「本件事業」という。)に基づき,その宅地内に公共汚水ますの設置は受けたものの,いまだこれに住宅からの汚水を導く排水設備を接続させておらず,供用の開始された排水施設を現実に利用していないにもかかわらず,被告村長からその維持管理分担金の納入通知を受けたことを不服として,被告村長に対し,当該納入通知の取消しを,被告村に対し,汚水を排水施設に流入させるまでその納付義務が存在しないことの確認を,それぞれ求めた事案である。 1 前提となる事実(末尾に当該事実を認める根拠となる証拠等を記載する。)(1) A地区における農業集落排水事業の実施の経緯農業集落排水事業は,「農村地域における資源循環の促進を図りつつ,農業用水の水質保全,農業用用排水施設の機能維持または農村生活環境の改善を図り,併せて公共用水域の水質保全に寄与するため,農業集落におけるし尿,生活雑排水等の汚水,汚泥または雨水を処理する施設若しくはそれ 水の水質保全,農業用用排水施設の機能維持または農村生活環境の改善を図り,併せて公共用水域の水質保全に寄与するため,農業集落におけるし尿,生活雑排水等の汚水,汚泥または雨水を処理する施設若しくはそれらの循環利用を目的とした施設を整備し,もって生産性の高い農業の実現,活力ある農村社会の形成及び循環型社会の構築に資する」ことを目的として,国によって,昭和48年度に農村総合整備モデル事業(数市町村の区域にわたる農村生活環境基盤整備事業)のうちの1事業として創設されたものである。農業集落排水事業は,昭和58年度に,一ないし数集落単位で,かつ,単独事業として実施した場合でも,国から50パーセント,都道府県から14パーセントの補助を受けられるように制度化された(乙6)。 そこで,八開村においても,平成3年春ころまでに,村内で最初にA地区を対象として,本件事業を実施することが計画されたが,原告の亡父・F(以下「F」という。)を含むA地区の住民らは,同年4月11日,農業集落排水施設が完成したときには,し尿を含む家庭雑排水の処理のためにこの施設を利用するとともに,本件事業費の3パーセントに当たる工事負担金を負担すること,排水施設の完成後3年以内に,家庭雑排水をこれに流入させるための排水管等を接続させることに同意する旨の同意書を被告村長に提出し(乙1),被告村長は,県知事に対し,平成4年2月12日付け八建発第21号をもって,同地区について,本件事業の実施を申請した(乙2)。 これと並行して,八開村議会において,同年3月26日,「八開村農業集落排水事業分担金に関する条例」(同年4月1日施行。以下「事業分担金条例」という。)が可決,成立し,本件事業の分担金の徴収に関して必要な事項(1条)として,被告村長が指定する事業の施工区域内にある建築物に居住する世帯主 する条例」(同年4月1日施行。以下「事業分担金条例」という。)が可決,成立し,本件事業の分担金の徴収に関して必要な事項(1条)として,被告村長が指定する事業の施工区域内にある建築物に居住する世帯主又はその所有者(事業の完了までに建築物を建築しようとする者を含む。以下同じ。)であって,被告村が設置する公共汚水ますを使用することにより利益を受けようとする者(受益者)は,所定の期日までに被告村長に申告しなければならず(2条1項,2項),事業分担金はこの申告をした受益者から徴収する(3条1項)旨が定められた(乙3)。 被告村長は,A地区における本件事業の実施が採択された旨の県知事からの同年4月9日付け通知(4耕第107号。乙2)を受けて,その実施に着手し,A地区を本件事業の施工区域として指定した上,同年6月ころ,その旨を公告して,平成5年度から同地区の農業集落排水施設(汚水処理場)並びに各世帯の敷地までの管路及び公共汚水ます(以下,まとめて「本件施設」という。)の設置工事を開始した(乙5,弁論の全趣旨)。 (2) 原告宅についての状況本件施設は,A地区内の建築物に居住する世帯主等のうち,事業分担金条例2条2項,同条例施行規則(乙4)2条に基づき受益者申告書を提出し,公共汚水ますの設置を受けた者だけが利用できる施設であるところ,原告は,被告村長に対し,平成4年6月30日,八開村大字A字○○番地所在の建築物の所有者として(弁論の全趣旨。当時の世帯主はFであった。),この受益者申告書を提出する(乙7)とともに,同年8月ころ,自宅の台所,浴室,便所等とともに公共汚水ますの埋設希望場所の位置の概要を記した家屋調査票も提出した(乙8)。その後,被告村の工事発注により平成5年11月25日から平成6年3月22日までに実施された「管路施設その5-4工事」 もに公共汚水ますの埋設希望場所の位置の概要を記した家屋調査票も提出した(乙8)。その後,被告村の工事発注により平成5年11月25日から平成6年3月22日までに実施された「管路施設その5-4工事」の一環として,同所及び同64番地2を含む一体の宅地(以下「原告宅地」という。)内に公共汚水ますと,これと道路に埋設された管路との間を結ぶ取付管が設置された(乙9,10,弁論の全趣旨)。 なお,この間,Fが死亡して原告が世帯主となり,原告宅は,建替えによって,その住所の表示が64番地2となった。 (3) 排水処理施設の供用開始八開村議会において,平成10年4月30日,八開村農業集落排水処理施設の設置及び管理に関する条例(条例第22号。以下「設置管理条例」という。)が可決,成立し,同年5月1日から施行された(乙13)ところ,被告村長は,同日,八開村告示第21号をもって,同条例4条に基づき,排水処理施設であるA地区処理場について,排水区域を「A」として,同日から供用を開始する旨,公告した(乙11)。 (4) 設置管理条例の改正設置管理条例については,平成11年12月24日,10条2項として,「使用者で排水設備を有しない者は,施設の維持管理費に要する費用として,維持管理分担金を納めなければならない。」旨の規定が設けられるなどの一部改正が行われ,平成12年1月1日から施行された(乙13,22,23)。 改正後の設置管理条例の内容は別紙のとおりである。 (5) 原告に対する維持管理分担金の納入通知と本訴提起までの経緯被告村長は,原告に対し,平成15年4月17日付け通知書番号1-4-418をもって,同年2月及び3月分の八開村農村下水施設維持管理分担金(以下「本件維持管理分担金」という。)として,同年4月30日までに4000円(消費税190円を含む。 7日付け通知書番号1-4-418をもって,同年2月及び3月分の八開村農村下水施設維持管理分担金(以下「本件維持管理分担金」という。)として,同年4月30日までに4000円(消費税190円を含む。)を被告村に納付すべき旨の納入通知を行い(以下「本件納入通知」という。甲1),原告は,同月22日ころこれを知った(甲2,弁論の全趣旨)。 原告は,同年5月6日,被告村長に対し,本件納入通知を不服として,これを取り消す旨の決定を求めて異議申立てをしたが,同被告は,原告に対し,同年6月13日付け15八総第440号をもって,同申立てを棄却する旨決定した上,同日付け同第441号をもって,これを原告に通知し(甲3の1・2),原告は,同月14日ころこれを知った。 原告は,同年7月29日,被告村長等を被告として,本件納入通知の取消し等を求めて,本件訴えを提起した(当裁判所に顕著な事実)。 2 本件の争点(1) 教示義務違反による本件納入通知の違法性の有無(2) 本件事業の違法性の有無(3) 原告の受益の程度と本件維持管理分担金負担の合理性の有無 3 争点に関する当事者の主張(1) 教示義務違反による本件納入通知の違法性の有無(争点(1))について(原告の主張)本件納入通知は,不服申立てをすることができる処分を書面でしたものであるから,被告村長は,行政不服審査法(以下「行服法」という。)57条1項により,不服申立てについて教示しなければならないにもかかわらず,その教示を全くしなかったから,本件納入通知は違法である。 (被告らの主張)原告主張のとおり,本件納入通知は,不服申立てをすることができる処分を書面でしたものであるにもかかわらず,被告村長がその教示を全くしなかった事実は認めるが,本件納入通知が違法であることは争う。 教示義務を怠ったとしても,教 通知は,不服申立てをすることができる処分を書面でしたものであるにもかかわらず,被告村長がその教示を全くしなかった事実は認めるが,本件納入通知が違法であることは争う。 教示義務を怠ったとしても,教示は行政庁の判断過程とは関わりを持たない上に,処分庁が教示を怠った等の場合の救済措置は,行服法58条等において設けられている以上,本件納入通知が取り消されるべき違法性を帯びることはない。 (2) 本件事業の違法性の有無(争点(2))について(原告の主張)ア建設費の比較本件事業の方式は,汚水(し尿及び生活雑排水)を,埋設管路により処理場の浄化槽に集めて処理するコミュニティプラント方式であって,その汚水処理性能は,各家庭に個別に浄化槽を設置する合併処理浄化槽方式とほぼ同等のものであるところ,前者は,管路埋設のための土建工事に多大な費用を要するので,人口密度の低い地域では,後者に比べて工事費が10倍以上とけた違いに多くなり,費用対効果からして著しく非効率な方式である。 この点につき,被告らは,農林水産省の主張を援用して,農業集落排水施設方式の方がコストの点で優れている旨主張するが,建設コストの比較は,合併処理浄化槽の工事費用が世帯人数に関係なく設置基数によって定まること等から,対象戸数分の総工事費用を比較することが妥当というべきところ,被告らは,建設費を1人当たりに換算して比較している上,合併処理浄化槽の耐用年数が26年で農業集落排水施設等のそれより短いとする前提が事実に反して不合理であり,管路施設費も住宅の配置状況及び人口密度の異なる地域の実態を反映して大きく変動するから,その精度は低い。仮に上記両施設の耐用年数が同一であるとして工事費用を比較すると,本件事業の総工事費13億2461万5000円に対して,合併処理浄化槽方式によれば,本体 を反映して大きく変動するから,その精度は低い。仮に上記両施設の耐用年数が同一であるとして工事費用を比較すると,本件事業の総工事費13億2461万5000円に対して,合併処理浄化槽方式によれば,本体1基当たりの平均価格39万9750円に工事費20万円を加え,これにA地区の188戸を乗じて全体で1億1275万3000円と算出でき,その差は約11.7倍である上,合併処理浄化槽の寿命が半永久的であることを考慮すれば,実質的な両者の差は更に拡大する。 また,本件事業のための工事費のうち地元負担金30パーセント分の財源の大半は起債により賄われているところ,被告村と各家庭の負担額合計2億4801万円を188戸で除すると,1世帯当たりの償還費用は131万9000円となり,将来,これが使用料に上乗せされて,大幅に値上がりすることが考えられ,現に,被告村長も,村議会においてその含みを持たせる発言をしている。 なお,両方式を比較検討する際には,地方自治体を含めた国全体での視点から総工事費用の多寡を判断資料とし,これが最少になる方式を選択すべきであって,補助金は,両方式のいずれにおいても存在するから,単に住民1人当たりの負担額の多寡を論ずるべきではない。補助金があるためこれが低廉である旨の被告らの主張は,個人レベルでの経済的損得のみに着目し,税金による補てんを考慮しておらず,税金の無駄遣いを避け,国及び地方自治体の財政悪化に歯止めをかけるという視点を欠いている。 イ維持管理費の比較さらに,維持管理費の比較においても,本件施設の使用料は,1世帯当たり5人として月額5000円,年額6万円であるのに対して,合併処理浄化槽方式では,浄化槽管理会社に委託する場合でも1回当たりの点検費は1万円,年4回点検として年額4万円となるが,世帯主自らが浄化槽管理者として維 月額5000円,年額6万円であるのに対して,合併処理浄化槽方式では,浄化槽管理会社に委託する場合でも1回当たりの点検費は1万円,年4回点検として年額4万円となるが,世帯主自らが浄化槽管理者として維持管理を実施すれば費用は発生しないのであって,合併処理浄化槽方式よりも農業集落排水施設方式の方が高額である。 ウ農業集落排水施設方式の特徴被告らは,合併処理浄化槽による個別処理の場合には,個人に管理が任されているため,管理の程度に応じて放流水質にばらつきが生じ,水質を完全に保全することは困難であるが,農業集落排水施設方式の場合には,地方自治体が放流水を公的に管理するから,農業用水の水質が確実に保全される旨主張するが,これは被告らの一方的な思い込みによる実態とかい離した主張であり,浄化槽は,すべて国土交通大臣(旧建設大臣)の形式認定を経て製造され,その保守点検等の一連の管理業務も浄化槽法に基づいて実施されるから,その管理主体に関係なく所定の能力を発揮して,排水の水質は一定範囲に保たれる。排水の水質が変動するとすれば,浄化槽に流入する汚水の量が一定でなく常に変化していることにより,一時的に想定外の大量の汚水が流入すると浄化槽内部での滞留時間が短くなり,外部へ排出する処理水の水質が変動するためであるが,この現象は,コミュニティプラント及び合併処理浄化槽に固有なものではなく,下水道にも共通するものである。 エまとめ八開村のように人口密度の低い地域での汚水処理には,経済合理性の観点から合併処理浄化槽方式を選択すべきであり,世論はもはや農業集落排水事業のような管路に多大な工事費を要する方式を望んでいないにもかかわらず,コミュニティプラント方式を選択したのは,市場経済の基本理念である経済的合理性に反してまで一部土建工事業者の既得権益を優先し,行 業のような管路に多大な工事費を要する方式を望んでいないにもかかわらず,コミュニティプラント方式を選択したのは,市場経済の基本理念である経済的合理性に反してまで一部土建工事業者の既得権益を優先し,行政側の組織防衛を図るべく農業集落排水施設の設置工事自体が自己目的化したことによるもので,住民に共通の利益を大きく損なわせる反社会的な行為である。その結果,高額な工事費負担が発生したばかりでなく,大量の起債により被告村の財政を悪化させ,使用料値上げにより住民の福祉の増進を著しく妨げるのは,最少の費用で最大の効果を上げようとする地方自治法(以下「地自法」という。)2条14項に違反している。 したがって,本件事業自体が違法であるから,これを前提とする本件納入通知も違法である。 (被告らの主張)原告の主張は否認し又は争う。 ア建設費の比較合併処理浄化槽の建設費が1人当たり29万6000円であるのに対し,本件施設のような農業集落排水施設のそれは1人当たり84万1000円(汚水処理場21万5000円,管路62万6000円)であって,当初の建設費は農業集落排水施設方式の方が高額であるが,原告の主張するように10倍超もの違いはない上に,その耐用年数についても,前者が26年であるのに対し,後者は汚水処理場が35年,管路が85年と圧倒的に長い。 また,合併処理浄化槽についての国及び県からの補助金は少ないのに対し,農業集落排水施設の建設費用については,国庫補助対象事業は70パーセント以内(国から50パーセント,県から20パーセント以内),単県補助対象事業は50パーセント以内の補助金が交付されるほか,被告村による事業費ねん出のための起債についても,起債額のおおむね50パーセントについて地方交付税措置が受けられるところ,上記の各建設費用についてはこれらが反 パーセント以内の補助金が交付されるほか,被告村による事業費ねん出のための起債についても,起債額のおおむね50パーセントについて地方交付税措置が受けられるところ,上記の各建設費用についてはこれらが反映されていないから,農業集落排水施設における個人の実際の建設費用負担額は更に少額となり,結論としては住民1人当たりの建設費負担額は安くなる(本件施設の場合,1人当たり約25万1000円であり,耐用年数で除すると約4000円となるのに対し,合併処理浄化槽の場合,1人当たり約23万3000円であり,耐用年数で除すると約9000円となる。)。 イ維持管理費の比較また,合併処理浄化槽の場合,各戸ごとの維持管理が必要であるところ,その費用は1人当たり年間2万2000円であるのに対し,本件施設と同規模の処理人口の農業集落排水施設の維持管理費用は1人当たり年間7000円,本件施設についても1人当たり約9000円であり,この点においても農業集落排水施設の方が安い。 なお,原告は,合併処理浄化槽の場合,住民自ら維持管理を行えば,費用を要しない旨主張するが,浄化槽法上,その保守点検及び清掃については,浄化槽管理者が技術上の規準に従って行わなければならず,かつ同管理者は,原則として環境省令で定める資格を有する技術管理者を置かねばならないから,これらの専門的知識,技能を有さない住民によって維持管理を行うことは許されていない。 ウ農業集落排水施設方式の特徴施設からの放流水については,農業集落排水施設方式の場合,市町村において公的に管理されるため,十分な水質が確実に確保されるが,合併処理浄化槽方式の場合は,個人に管理がゆだねられているため,その程度により各施設ごとの水質にばらつきが生じ,十分な水質が確保されない可能性が高い。 エまとめ年間に要する1人当 確保されるが,合併処理浄化槽方式の場合は,個人に管理がゆだねられているため,その程度により各施設ごとの水質にばらつきが生じ,十分な水質が確保されない可能性が高い。 エまとめ年間に要する1人当たりの建設費(建設費を耐用年数と処理人口で除した額)に維持管理費用を加えた金額は,合併処理浄化槽が約3万3000円(補助金を考慮すると約3万1000円)であるのに対し,農業集落排水施設は約2万0500円(同じく約1万3000円)であり,総合コストの点においても,後者の方が優れていることは明らかである。 よって,本件事業の方式が妥当なものであることは明らかであり,裁量を逸脱したものとは到底認められないから,違法でないことは明らかである。 (3) 原告の受益の程度と本件維持管理分担金負担の合理性の有無(争点(3))について(原告の主張)ア受益の不存在(ア) 分担金については,地自法224条において,「特に利益を受ける者から,その受益の限度において」,「徴収することができる」ものとされているところ,設置管理条例2条1号に規定する排水施設の運用目的は,汚水(し尿及び生活雑排水)を浄化槽により処理し排水路に放流することであるから,これにより「特に利益を受ける者」とは,汚水を排水施設に流入させることにより現にこれを使用する者に限られ,これが供用開始された区域に居住しているだけでは何ら利益を受ける者には該当しない(なお,八開村では,村内全域にわたって排水施設を設置済みであり,処理区域外の住民は存在しない。)。 しかるところ,原告は,住宅からの汚水を公共汚水ますに導く排水設備を設置せず,汚水を本件施設に流入させていないから,これを使用しているとはいえない。したがって,原告は,「特に利益を受ける者」に該当せず,受益は存在しないから,このような者から本 ますに導く排水設備を設置せず,汚水を本件施設に流入させていないから,これを使用しているとはいえない。したがって,原告は,「特に利益を受ける者」に該当せず,受益は存在しないから,このような者から本件維持管理分担金を徴収しようとする本件納入通知は違法である。 (イ) 被告らは,本件施設を利用すれば,原告宅地における汚水が,完全,迅速に排水される利便性,及び水洗式便所を利用することによって生じる快適性等の確保が可能となる旨主張するが,このような仮定に基づくだけで現実には存在しない利便性や快適性を主張したところで意味を持たないし,そのような利便性,快適性は,原告宅地内に存在する浄化槽及び関連の給排水配管等によって既にもたらされており,本件施設の供用開始とは関係がない。 また,本件事業が,生活排水の流入による農業用水の水質悪化,及び用水路でのごみのたい積等による農業被害の発生を防止する旨の被告らの主張についても,八開村においては,用水路と排水路は完全に分離されており,農業用水はすべて木曽川水系より取水され,用水路によって農地に供給されており,その水質が悪化することなどあり得ないし,人口密度が低いことから,河川の自然浄化能力によって水質汚濁,ヘドロ,悪臭,土壌悪化等は発生しておらず,仮に生活排水を用水路に流す事態が発生しても町内会組織等の住民相互の監視が機能し是正されているのが実態である。用水路に流入する排水があるとすれば,降雨時の道路排水のみであるが,本件事業は雨水処理のための整備を欠くものであり,汚水処理施設のみを整備すれば雨水処理施設の整備は不要であるとの誤った判断の結果,農業集落排水事業方式が採られたものの,降雨時の排水路法面の土砂流失と底部へのたい積,道路の冠水等の問題は,本件施設の設置によっても改善されていない。 (ウ) 確か 不要であるとの誤った判断の結果,農業集落排水事業方式が採られたものの,降雨時の排水路法面の土砂流失と底部へのたい積,道路の冠水等の問題は,本件施設の設置によっても改善されていない。 (ウ) 確かに,宅地内に公共汚水ますが設置された住民は,その設置のための工事費負担が新たに発生しないという受益事項が存在し,その限りにおいて原告は利益を受けているが,この利益は,本件維持管理分担金の納付によりもたらされるものではなく,事業分担金条例に基づき申告受益者として事業分担金を納付したことによりもたらされた利益である。 本件施設の供用開始後に発生する経費はすべて運用に要するものであり,接続可能な状態を維持する経費など当初から存在しない。運用に要する経費が発生するとすれば,それは一部住民が本件施設を使用することによるもので,原告にとって本件施設に基づく利益が一切存在しないことは明らかであるから,その費用は,すべて使用者が支払う使用料により賄われるべきである。本件施設を使用していない住民から本件維持管理分担金を徴収し,その運用に要する費用に充当することは,地自法224条に違反している。 イ本件施設の「使用者」に該当しないこと(ア) 分担金に関する事項は,地自法228条1項において条例で定めるべきこととされ,これを受けていると思われる設置管理条例10条2項によって維持管理分担金の納付義務があるとされているのは「使用者で排水設備を有しない者」であるところ,原告は,本件施設を現に使用していないから,同条例2条3号にいう使用者には該当しない。 したがって,設置管理条例上の使用者でない者から本件維持管理分担金を徴収しようとする本件納入通知は違法である。 (イ) 被告らは,「使用者」が現に排水施設を使用している者に限定されるとすれば,「使用者で排水設備を有し 理条例上の使用者でない者から本件維持管理分担金を徴収しようとする本件納入通知は違法である。 (イ) 被告らは,「使用者」が現に排水施設を使用している者に限定されるとすれば,「使用者で排水設備を有しない者」が存在する余地がなくなって,設置管理条例10条2項等が完全に死文化する著しく不合理な結果となる旨主張するが,「使用者」とは,排水施設を現に使用している者に限定されるとするのが社会通念上正当な解釈であり,この解釈により同条項が死文化するとすれば,それは条例に記述された内容が実態とかい離しているという潜在的矛盾が表面化したものであって,同条項の内容自体が不合理というべきである。 「排水施設の供用を受けている」とは,汚水を流入させることにより排水施設を使用し,排水施設により宅地内から汚水が排出される利益を供与されていることであり,いつでも利用できるためには,排水設備を設置し,排水配管により便所等からの排水が排水施設内の浄化槽まで流れる状態になることが必要である。排水施設の供用が開始されたことをもって,その供用を受けていると言い換えたにすぎない被告らの主張は,法解釈以前の言語学上の誤りを犯すものであって,排水施設を現に使用しておらず,全く利用できない者が,排水施設の供用を受けていることなどあり得ない。被告らの主張を基礎付ける記述は,設置管理条例のみならず,他のいかなる法令等にも存在せず,同条例改正の意図も,外形上は適正な条例であるかのごとく装いながら,本件施設を使用しない者に対して,恣意的な条例運用により懲罰的に本件維持管理分担金を徴収しようとしたものであることは明らかである。 (ウ) 被告らの主張は,浄化槽法により合法的に認められ,各家庭内に個別に設置された浄化槽を不当に駆逐してまで,その供用開始後一定期限までに使用を開始する義務のな たものであることは明らかである。 (ウ) 被告らの主張は,浄化槽法により合法的に認められ,各家庭内に個別に設置された浄化槽を不当に駆逐してまで,その供用開始後一定期限までに使用を開始する義務のない本件施設を使用させようとする意図によるものであり,個人の財産権を侵害し著しく社会正義に反するのみならず,法治主義とも相容れない。 (被告らの主張)ア本件施設の設置による原告の利益の存在原告の主張アのうち,原告が排水設備を設置していないことは認めるが,その余は否認し又は争う。 (ア) 本件事業を計画した当時,A地区の住民は,くみ取式便所か,し尿のみを処理する単独処理浄化槽を使用しており,悪臭が漂ったり,生活雑排水を処理できないなど,衛生面及び環境面に多大の問題を生じていた。また,同地区の排水路には,家庭からの未処理の生活雑排水がそのまま流入する結果となり,排水路のごみのたい積,水質汚濁が進行し,周辺の土壌が悪化するなど,環境は悪化する一方であった上,一部の農地では,未処理の生活雑排水等を含んだ排水路の水を農業用水として使用している状況にあった(八開村においては,用水路と排水路は分離されているが,生活雑排水は自動的には処理されないから,個々の住民次第で,近辺を排水路が通っていない等の理由から,実際には生活雑排水等を用水路に流す住民がいた。)。これに対し,本件施設を利用することにより,完全,迅速かつ衛生的にし尿及び家庭雑排水が排出され,かつ均質に処理される利益をもたらしている。 また,浄化槽は,原則としてこれを利用する住民の所有土地内に設置され,その上にマンホールが設置される等の構造上の理由から,その上の土地はせいぜい駐車場とするか物干しを設置する等,その利用方法が限られていたところ,本件施設の場合,土地内には公共汚水ますと管路しか設置 その上にマンホールが設置される等の構造上の理由から,その上の土地はせいぜい駐車場とするか物干しを設置する等,その利用方法が限られていたところ,本件施設の場合,土地内には公共汚水ますと管路しか設置されないことから,土地を有効利用することができ,その資産価値は増加する。 現在,原告が現実に本件施設を使用していないとしても,必要なときにはいつでも容易にこれを利用できる立場にあり,これを利用すれば,上記のとおり,原告宅地における汚水(生活雑排水,し尿等)が,完全,迅速かつ衛生的に排除処理される利便性,及び水洗式便所を利用することによって生じる快適性等を確保できる。 (イ) これに対し,本件施設の処理区域外の住民は,本件施設の使用ができないから,土地の資産価値の増加等の利益や水質保全等の利益を受けていないし,本件施設の処理区域内であっても,本件事業の施行に同意せず,受益者申告書を提出していないため公共汚水ますが設置されていない住民も,同様である。したがって,健全な社会通念に照らせば,本件施設の処理区域内に土地を所有して居住し,その宅地内に公共汚水ますが設置されている原告を含む住民は,本件施設を現実に使用しているか否かに関わらず,処理区域外又は公共汚水ますを設置していない住民から明らかに区別し得る程度に利益を受けていることは明らかであり,にもかかわらず,本件施設の維持管理費等をすべて本件施設の使用料と税金とで賄うことにすれば,処理区域外の本件施設を利用できない住民にまで負担をかけることになり,著しく衡平を欠く結果となる。 なお,八開村の村内全域にわたって排水処理区域を設定済みであるのは,各地区に順次農業集落排水処理施設を設置していったことの結果にすぎず,各地区の処理施設を利用できるのは飽くまで当該地区に居住する住民だけである。本件施設を わたって排水処理区域を設定済みであるのは,各地区に順次農業集落排水処理施設を設置していったことの結果にすぎず,各地区の処理施設を利用できるのは飽くまで当該地区に居住する住民だけである。本件施設を利用できるのはA地区内の住民に限定され,本件施設の処理区域外の住民はこれを利用できないから,他の地区も農業集落排水処理区域に設定されていることは,原告等が本件施設から「特に利益を受け」ていることに影響するものではない。 (ウ) 地自法224条の「特に利益を受ける」とは,一般の住民から明らかに区別し得る程度に利益を受けることをいうところ,利益を受けるとは,必ずしも現実に公の施設を利用している者に限らず,その者が必要なときに同施設を利用できる地位にあれば足りる。 しかるところ,前記のとおり,原告が,地自法224条に規定する「特に利益を受ける者」に該当することは明らかであり,原告宅地内の公共汚水ます及びそのための管路を設置し,これを維持するためには,当然そのための維持管理費用が発生するのであるから,条例に規定されれば,原告が,本件施設の建設費等の分担金(事業分担金)だけでなく,同施設の維持管理に要する費用(維持管理分担金)も負担すべきであって,設置管理条例により本件維持管理分担金を負担させることが同条に反するものではない。 イ本件施設の「使用者」該当性原告の主張イは,否認し又は争う。 (ア) 設置管理条例5条1項及び10条2項は,同条例にいう「使用者」について,公共汚水ますの設置を受けるとともに自ら排水設備を設置して現に排水施設を利用する者に限定せず,排水設備を有しない者であっても「使用者」に該当することを前提として,公共汚水ますの設置により排水施設の供用を受けている者が「使用者」に該当すると規定している。 (イ) 確かに,設置管理条例2条3号 排水設備を有しない者であっても「使用者」に該当することを前提として,公共汚水ますの設置により排水施設の供用を受けている者が「使用者」に該当すると規定している。 (イ) 確かに,設置管理条例2条3号だけを見れば,「使用者」とは,排水施設の処理区域内で現に排水施設を使用している世帯主又は事業を営む者に限られるとも思えるが,そのような理解では,同条例の予定する排水施設が,その構造上排水設備を設置しなければ現に利用することができない以上,同条例10条2項にいう「使用者で排水設備を有さない者」が存在する余地がなくなって,同条項等が完全に死文化する著しく不合理な解釈となる。 そもそも,当初の設置管理条例10条1項は,単に「使用者は,施設の維持管理及び使用に要する費用として,使用料を納めなければならない」と規定していたにすぎず,その所有地内に公共汚水ますの設置を受けているが,これと住宅を結ぶ排水設備を設置しておらず,現実には排水処理施設を利用していない住民から,その維持管理に要する費用を徴収できるか否かが明確にされていなかった。しかしながら,アに述べたとおり,かかる住民からも維持管理に要する費用を徴収することが実質的な衡平に資することから,平成11年12月24日にこれを改正して,かかる住民についても「使用者で排水設備を有さない者」として維持管理分担金を徴収できるよう条例上も明確にされ,平成12年1月1日から施行されたのである。 (ウ) したがって,公共汚水ますの設置を受け本件施設の供用を受けている原告は設置管理条例上の「使用者」に該当し,原告に本件維持管理分担金の納入義務があることは明らかである。 第3 当裁判所の判断 1 教示義務違反による本件納入通知の違法性の有無(争点(1))について原告は,本件納入通知が不服申立てについての教示を欠いてい 理分担金の納入義務があることは明らかである。 第3 当裁判所の判断 1 教示義務違反による本件納入通知の違法性の有無(争点(1))について原告は,本件納入通知が不服申立てについての教示を欠いていることを理由に,本件納入通知が違法である旨主張するところ,なるほど行服法57条1項は,行政庁が不服申立てをすることができる処分を書面でする場合には,処分の相手方に対し,当該処分について不服申立てをすることができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間を教示しなければならないと規定しており,かつ,本件納入通知は,不服申立てをすることができる処分を書面でしたものであるにもかかわらず,被告村長がその教示を全くしなかった事実は当事者間に争いがない。 しかしながら,上記規定は,公権力の行使に当たる行為に関し,国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによって,簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図ることなどを目的とする行政不服審査制度を,より実効的なものにすべく,国民に手続上の便宜を与える趣旨のものである。したがって,行政庁が同条の規定による教示をしなかったときは,当該処分について不服がある者は,当該処分庁に不服申立書を提出することができるものとされている(同法58条1項)とおり,教示をしなかったことによって不服申立てそれ自体が妨げられるわけではなく,処分の相手方において同条項等により手続的に救済が受けられるという効果をもたらすにとどまる(そのほか,例えば審査請求前置主義の適用がある場合に,教示をしなかったことが行政事件訴訟法8条2項3号の「正当な理由」となることもあり得る。)から,処分を書面でするに際し教示を欠いたことが,当該処分について,内容的な瑕疵があることに直結するものではなく,そのことをもっ とが行政事件訴訟法8条2項3号の「正当な理由」となることもあり得る。)から,処分を書面でするに際し教示を欠いたことが,当該処分について,内容的な瑕疵があることに直結するものではなく,そのことをもって当該処分の取消事由とすることはできないというべきである。 そうすると,教示義務違反をもって本件納入通知の取消事由とする原告の上記主張は,それ自体失当というほかない。 2 本件事業の違法性の有無(争点(2))について(1) 問題の所在そこで,本件納入通知の内容上の適否を検討するに,原告は,まず,同通知の前提たる本件事業自体が地自法2条14項所定のいわゆる最少経費原則に違反する違法なものである旨主張するから,これにつき判断する。 (2) 地自法2条14項適合性の判断枠組み地自法2条14項は,「地方公共団体は,その事務を処理するに当っては,住民の福祉の増進に努めるとともに,最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」と規定するところ,地自法は,「地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに,地方公共団体の健全な発達を保障することを目的とする」ものであり(同法1条),「地方公共団体は,住民の福祉の増進を図ることを基本として,地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う」ものである(同法1条の2第1項)から,地方公共団体は,その財政面における能率性という意味での費用対効果を常に意識しながら住民の福祉の増進等の目的の達成を図らなければならないとしても,会社等の私企業とは異なり,専ら費用の節減と収入の増加のみを目標とすべきものではないこともまた明らかであり,財政上の収入の増加には必ずしもつながらない費用の投下であっても,広く地方公共団体の健全な発達又は住民の福祉の増進に寄与するものであれば,同法2条 を目標とすべきものではないこともまた明らかであり,財政上の収入の増加には必ずしもつながらない費用の投下であっても,広く地方公共団体の健全な発達又は住民の福祉の増進に寄与するものであれば,同法2条14項にいう「効果を挙げ」たと評価し得るというべきである。 そして,同項の趣旨は,地方公共団体に対して,この意味における「効果」が同一であると見込まれる事業方式が複数ある場合には経費が最少となる方式を,同じ経費を投下する場合にはより多くの「効果」を挙げることが期待できる方式を選択すべきことを要求することにあると解される。また,経費額と「効果」の両方が異なる複数の事業方式が存在するときは,経費の増差に対応する「効果」の増差を考慮して,同項の趣旨を没却するような不当な選択を行った場合には違法性を帯びるというべきであるが,上記のとおり,「効果」が必ずしも金銭に還元することのできない様々な価値を含むものである以上,いわば1つの尺度で経費と効果のそれぞれの増差を比較することは困難を伴うものであって,一般的には,そのような判断については,専門的,技術的な観点から行政に広範な裁量が付与されていることは否定できないから,この裁量権を逸脱ないし濫用したものと評価できる特段の事情が存する場合に限り,当該行政庁の判断が違法となると解すべきである。 以下,この見地に立って本件事業が同項に違反するか否かを検討する。 (3) 認定できる事実前記前提となる事実及び証拠等によれば,本件事業について以下の各事実が認められる。 ア汚水処理の方式(乙6,12,24,弁論の全趣旨)一般家庭からの汚水(し尿及び生活雑排水)を処理するための施設としては,一般の下水道,農業集落排水施設,合併処理浄化槽等があり,これら3つの代表的な施設の特徴,長所・短所等は,以下のとおりである。 一般家庭からの汚水(し尿及び生活雑排水)を処理するための施設としては,一般の下水道,農業集落排水施設,合併処理浄化槽等があり,これら3つの代表的な施設の特徴,長所・短所等は,以下のとおりである。 (ア) 一般の下水道広範囲な地域から排出される汚水を,国又は公共団体の管理する1か所の大規模な集合処理施設に集めて処理するもので,多数の世帯からの汚水を1か所に集めるための管路の設置を要する。同じ世帯数のために設置すべき管路の長さが相対的に短くて済む住宅の密集した都市部に適した施設であり,処理水の水質も安定しているが,その再利用等は困難である。 (イ) 農業集落排水施設(ア)よりも小規模の集合処理施設で,相対的に狭い範囲の地区から排出される汚水を処理するもので,処理区域内の各世帯から汚水を集めるための管路の敷設を要するため,小・中規模な集落が散在する地域において,集落ごとに処理施設を設置するのに適する。公共団体が管理するため,処理水の水質は安定しており(本件施設もこの例にもれないことにつき乙21の1ないし10参照),これを地域の農業用水路に戻して循環利用したり,コンポスト化施設と組み合わせて処理汚泥を肥料として活用したりすることも可能であるが,同一人口の地域の汚水を処理するために設置すべき処理施設の数は一般の下水道の場合に比べて多くなるため,人口の密集した地域には適さない。 (ウ) 合併処理浄化槽各世帯ごとに発生する汚水を個別に処理するための施設で,管路の設置は不要であるが,維持管理は各戸ごとに行われるため,処理水の水質にばらつきがあり,放流水質基準に満たない処理水が放流されることもあり得る(乙12の8頁)。 なお,し尿及び生活雑排水を併せて処理する合併処理浄化槽に対して,し尿のみを処理するものを単独処理浄化槽というが,これは, 放流水質基準に満たない処理水が放流されることもあり得る(乙12の8頁)。 なお,し尿及び生活雑排水を併せて処理する合併処理浄化槽に対して,し尿のみを処理するものを単独処理浄化槽というが,これは,浄化槽法を改正する平成12年法律第106号の施行された平成13年4月1日現在,現に設置され若しくは設置の工事が行われているもの,又は現に建築の工事が行われている建築物に設置されるもの(既存単独処理浄化槽)を除いて,浄化槽法に適合しないものとされ,これら既存単独処理浄化槽を使用する者も,生活雑排水が公共用水域等に放流される前に処理されるようにするため,合併処理浄化槽の設置等に努めなければならないものとされた(同改正附則1条ないし3条)。 イ費用及び耐用年数の比較(乙12,20)汚水処理施設整備関係3省による「統一的な経済比較を行うための建設費等の統一」(平成12年10月11日付け3省課長通知)に基づく試算例によれば,アに掲げた3種の施設について,平均的なものの建設及び維持管理に要する費用並びに耐用年数は,以下のとおりである。 (ア) 一般の下水道1万人の人口分の汚水処理能力を有する汚水処理場の建設費は11億1000万円,管路の建設費は52億1000万円で,維持管理費は年間3000万円である。 耐用年数は,汚水処理場が35年,管路が85年であるため,年間に要する1人当たりの費用は,下記(100円未満四捨五入。以下,1人当たりの費用の算出について同じ。)の合計1万2300円である。 記汚水処理場:11億1000万円÷1万人÷35年=3200円管路:52億1000万円÷1万人÷85年=6100円維持管理費:3000万円/年÷1万人=3000円(イ) 農業集落排水施設1000人の人口分の汚水処理能力を有する汚水処理場の建設費は2億15 路:52億1000万円÷1万人÷85年=6100円維持管理費:3000万円/年÷1万人=3000円(イ) 農業集落排水施設1000人の人口分の汚水処理能力を有する汚水処理場の建設費は2億1500万円,管路の建設費は6億2600万円で,維持管理費は年間700万円である。 耐用年数は,汚水処理場が35年,管路が85年であるため,年間に要する1人当たりの費用は,下記の合計2万0500円である。 記汚水処理場:2億1500万円÷1000人÷35年=6100円管路:6億2600万円÷1000人÷85年=7400円維持管理費:700万円/年÷1000人=7000円(ウ) 合併処理浄化槽5人分の汚水処理能力を有する浄化槽1基の建設費は88万8000円で,維持管理費は年間6万5000円である。 耐用年数は,く体が30年,機器が11年で,全体の建設に要する費用を再度支出することを要する期間に引き直すと26年に相当する。 a 平成10年度の日本の平均世帯人数2.81人を参考にして,1世帯の人数を3人として計算した場合の年間に要する1人当たりの費用は,下記の合計3万3100円である。 記浄化槽:88万8000円÷3人÷26年=1万1400円維持管理費:6万5000円/年÷3人=2万1700円b また,1世帯の人数を処理能力に相当する5人として計算した場合の年間に要する1人当たりの費用は,下記の合計1万9800円である。 記浄化槽:88万8000円÷5人÷26年=6800円維持管理費:6万5000円/年÷5人=1万3000円ウ A地区の汚水処理のために要する費用(乙14,19,20)(ア) 農業集落排水施設方式イの金額は飽くまで一試算例にすぎず,実際に要する経費は,地域の状況に応じて敷設を要する管路の実長等によって左右されるところ,A地区 に要する費用(乙14,19,20)(ア) 農業集落排水施設方式イの金額は飽くまで一試算例にすぎず,実際に要する経費は,地域の状況に応じて敷設を要する管路の実長等によって左右されるところ,A地区(188戸,処理人口990人。乙5,6)における本件事業のために実際に要した経費は,本件施設(汚水処理場)の建設費が4億6200万円,全長10.6キロメートルの管路(乙5)の建設費が8億6300万円で(いずれも100万円未満四捨五入),維持管理費は平成14年度の実績で900万円(10万円未満四捨五入)である。 これを年間に要する1人当たりの費用に換算すると,下記の合計3万2700円である。 記汚水処理場:4億6200万円÷990人÷35年=1万3300円管路:8億6300万円÷990人÷85年=1万0300円維持管理費:900万円/年÷990人=9100円(イ) 合併処理浄化槽方式これに対し,同地区の汚水処理を合併処理浄化槽方式によった場合には,188戸で990人が居住するから1世帯当たりの人数は約5.27人であり,年間に要する1人当たりの費用は,5人槽より大きな槽の設置を要する世帯もあるため,前記イ(ウ)bの1万9800円をいくらか上回る程度の金額であると認められる。 この点につき,原告は,合併処理浄化槽1基の価格を約40万円,1基当たりの建設費はこれに据付工事費20万円を加えた約60万円と主張し,これに沿うかのごとき証拠(甲7)も存在するが,同証拠記載の価格は1次店から工事業者(大口需要者)への荷渡し価格であり,工事業者が各世帯に据付工事をする際の価格より相当に低いと考えられるから,比較の対象として適当でなく,他に前記イ(ウ)認定の1基当たり建設費の金額を覆すに足りる証拠はない。 また,原告は,合併処理浄化槽の耐用年数が半永 工事をする際の価格より相当に低いと考えられるから,比較の対象として適当でなく,他に前記イ(ウ)認定の1基当たり建設費の金額を覆すに足りる証拠はない。 また,原告は,合併処理浄化槽の耐用年数が半永久的である旨主張するが,イ(ウ)認定の耐用年数を覆すに足りる証拠はない上,堅固な建物等ですら,朽廃することを前提に減価償却する会計原則等が採られていることなどからすれば,汚水処理のために設置される浄化槽の耐用年数が半永久的であるとの主張は経験則に反するものといわざるを得ず,農業集落排水施設と合併処理浄化槽の耐用年数が同一であると仮定しての原告主張の試算も含め,採用することができない。 さらに,原告は,浄化槽の維持管理費用について,管理者である世帯主自ら保守点検を行えば要しない旨主張するが,全188戸のすべての世帯主自身が保守点検を行った上,発生した廃棄物を処理する能力,知識を有していると想定することは現実的でない上,仮に世帯主自身が保守点検を行う場合でも,その労力等を金銭に換算すれば,上記認定に係る費用を上回ることはあっても,下回ることは考え難い。 (4) 検討以上によれば,A地区と同規模の1000人程度の人口分の汚水処理能力を有する平均的な農業集落排水施設を設ける場合と,5人の1世帯ごとに合併処理浄化槽を設置する場合とでは,年間に要する1人当たりの費用にはほとんど差異がないこと,もっとも,実際の本件施設の建設及び維持管理に要する経費は,平均的な農業集落排水施設のそれを上回っているため,平均的な合併処理浄化槽方式のそれを上回っていることが認められる。 しかしながら,農業集落排水施設方式は,合併処理浄化槽によった場合と比較して,処理水の水質が安定する長所がある上,これを循環利用したり,コンポスト化施設と組み合わせて処理汚泥を肥料として活 れる。 しかしながら,農業集落排水施設方式は,合併処理浄化槽によった場合と比較して,処理水の水質が安定する長所がある上,これを循環利用したり,コンポスト化施設と組み合わせて処理汚泥を肥料として活用するなどの付随的効果も期待することができる。また,証拠(乙15ないし20)によれば,八開村においては,合併処理浄化槽について,各世帯主がこれを建設する際に,その費用の4割程度を被告村が補助金の形で負担するにすぎず(「八開村合併処理浄化槽等設置整備事業補助金交付要綱」),その更に半分余りが国及び県からの補助金により賄われる(「浄化槽整備事業費国庫補助金交付要綱」及び「愛知県合併処理浄化槽設置費補助金交付要綱」)から,建設費のうち被告村が最終的に実負担する分は2割弱にとどまるが,他方,農業集落排水施設(管路を含む。)の建設費についても,8割以上が国及び県からの補助金並びに地方交付税により賄われ,さらに残負担額の一部も受益者から分担金を徴収することができ(地自法224条),現にそのための事業分担金条例,設置管理条例も存在するから,被告村が(受益者負担分も差し引いた上で)最終的に実負担する金額の割合は,むしろ後者の方が低いと認められる。 これらを考慮すると,農村地域である八開村(甲11,弁論の全趣旨)が,汚水処理の方式として農業集落排水施設方式を採用したことは,前記(2)に判示したところに照らし,行政にゆだねられた裁量権を逸脱ないし濫用したものとはいえず,結局,本件事業は,地自法2条14項に違反する違法なものではないと判断するのが相当である。 3 原告の受益の程度と本件維持管理分担金負担の合理性の有無(争点(3))について(1) 問題の所在次に,本件事業に基づき公共汚水ますの設置を受けながら,これに住宅からの汚水を導く排水設備を接続させてお 受益の程度と本件維持管理分担金負担の合理性の有無(争点(3))について(1) 問題の所在次に,本件事業に基づき公共汚水ますの設置を受けながら,これに住宅からの汚水を導く排水設備を接続させておらず,農業集落排水処理施設を実際には利用していない者に対し,1世帯当たり月額2000円の維持管理分担金の負担を求めることの適法性について検討する。 (2) 公共汚水ますの設置による受益の有無ア地自法224条は,「普通地方公共団体は,…数人又は普通地方公共団体の一部に対し利益のある事件に関し,その必要な費用に充てるため,当該事件により特に利益を受ける者から,その受益の限度において,分担金を徴収することができる。」旨規定しているから,本件事業が,普通地方公共団体である被告村の「一部に対し利益のある」ものであり,住宅からの汚水を導く排水設備を設けていない者でも公共汚水ますの設置を受けていれば,本件事業「により特に利益を受ける者」に当たるか否かが,まず問題となる。 イ前記前提となる事実によれば,本件事業は,八開村の中でも地区ごとに施工区域が指定され,しかも,その施工区域内に自宅を所有する等の者のうち,同事業に賛同して受益者申告書を提出して,自宅のために公共汚水ますの設置を受けた者のみが,これを使用する利益を受けられるものであるから,本件事業が,被告村の一部に対し利益のあるものであることは明らかである。 そして,設置を受けた公共汚水ますに排水設備を現に接続させて,住宅から本件施設に汚水を流入させている者が,本件事業(A地区)により特に利益を受けていることは論をまたないとしても,問題は,公共汚水ますに排水設備を接続させず,現実には本件施設に汚水を流入させていない者が同事業「により特に利益を受ける者」に当たるかであるが,公共汚水ますの設置を受けた後 は論をまたないとしても,問題は,公共汚水ますに排水設備を接続させず,現実には本件施設に汚水を流入させていない者が同事業「により特に利益を受ける者」に当たるかであるが,公共汚水ますの設置を受けた後に排水設備を接続させるか否かは,専らその設置を受けた世帯主等の側の事情にすぎないものであって(設置管理条例5条参照),いつでもこれに接続させてその利益を享受することが可能であることを考慮すると,このような者についても本件事業により特に利益を受ける者に当たるというべきである。 ウこの点につき,原告は,公共汚水ますの設置を受けたのは,本件事業の開始時に納付した事業分担金に対応する利益であり,現実に汚水を本件施設に流入させていない以上,本件維持管理分担金に対応する利益は享受していない旨主張するところ,確かに,事業分担金は,本件事業を立ち上げるための建設費用を受益者に分担させるものであって,当初の汚水処理場(本件施設)及び管路の建設費はこれにより賄われるべき性質のものである。 しかしながら,いったん立ち上げた本件事業を永続的に維持させていくためには,現実の汚水処理に要する費用のみならず,汚水処理場,管路等の排水施設の保守・点検費用を要することが明らかである。さらにはそれらの耐用年数が経過した後に同等のものを再建設するのに要する費用も将来的に必要になるところ,その費用が将来必要になった時期にまとめて分担金として徴収するのではなく,耐用年数に相当する期間の全体にならして積立金的に徴収することも不相当ではなく,むしろ耐用年数の途中で使用者が交替した場合などを考えると,実際に排水施設を利用することのできる期間の長さに対応して均等に徴収する方法がより衡平にかなうと考えられる。そして,現実に公共汚水ますの設置を受けた者が,排水設備をこれに接続させることによって ると,実際に排水施設を利用することのできる期間の長さに対応して均等に徴収する方法がより衡平にかなうと考えられる。そして,現実に公共汚水ますの設置を受けた者が,排水設備をこれに接続させることによって直ちに汚水処理の利益を享受できるのは,まさに被告村が,いつでもかかる利益を提供できるよう,排水施設を維持管理していることによるものであるから,その保守・点検費用や再建設費を耐用年数でならした積立金的な費用を,本件維持管理分担金として徴収することは地自法224条に反するものではないと判断するのが相当であり,原告の上記主張は採用することができない。 (3) 条例に基づく徴収の有無ア前記のとおり,公共汚水ますの設置を受けながらこれに接続する排水設備を設けず,農業集落排水処理施設を実際には利用していない者に対して本件維持管理分担金を負担させること自体は地自法224条に反するものではないとしても,同法228条1項前段が「分担金…に関する事項については,条例でこれを定めなければならない」と規定し,その徴収は条例に基づくものでなければならないことを明らかにしているから,原告に対して本件維持管理分担金の負担を求める本件納入通知が,条例に基づいたものといえるか否かを,次に検討する。 イ設置管理条例(平成11年12月24日改正後のもの)上,「使用者で排水設備を有しない者」は,施設の維持管理に要する費用として維持管理分担金の納入義務を負い(10条2項),他方,排水設備を有し,現実に排水施設を利用している「使用者」は,「施設の維持管理及び使用に要する費用として,使用料の納入義務を負うとされ(10条1項),その金額は,維持管理分担金と同額の均等割分月額2000円に人員割分(世帯員1人当たり月額600円)を加えた金額とされている(11条1項,2項,別表第2)。そう の納入義務を負うとされ(10条1項),その金額は,維持管理分担金と同額の均等割分月額2000円に人員割分(世帯員1人当たり月額600円)を加えた金額とされている(11条1項,2項,別表第2)。そうすると,文理上,条例にいう「使用者」は,排水設備を有すると有しないとに関わらず,施設の「維持管理に要する費用」として,すべからく月額2000円を納めなければならず,さらに,排水設備を有する現実の「使用者」は,これに上乗せして,施設の「使用に要する費用」として人員割分の額を納めなければならないことが明らかである。そして,ここにいう「使用者」の意義については,設置管理条例2条3号によって,「排水施設の処理区域内で,排水施設を使用する世帯主又は事業を営む者をいう。」と定義されているところ,さらにここにいう「排水施設」とは,「…排水管その他の排水施設及び…汚水を処理するために設けられる施設で村が管理するもの」を指し(同条1号),また,「排水設備」とは,「汚水を排水施設に流入させるために必要な排水管」等で,「使用者が管理するもの」をいうとされている(同条4号)。 以上の規定を総合すると,設置管理条例は,「使用者」概念のうちに,排水設備を有する者(10条1項)と,排水設備を有しない者(同条2項)とが併存することを想定しており,その区別は,使用者自らが管理する排水管等の施設(排水設備)を設けているか,村が管理する排水管等のみがあるにすぎないかによっているものと解される。実際には,排水設備を排水施設に接続させない限りは,これに汚水を流入させ,処理してもらうという意味において現実に利用することはできないにもかかわらず,「排水設備を有しない者」が「使用者」とされているのは,ここにいう「使用」が,現実の利用ではなく,自宅のために排水施設の設置を受け,いつでも利 味において現実に利用することはできないにもかかわらず,「排水設備を有しない者」が「使用者」とされているのは,ここにいう「使用」が,現実の利用ではなく,自宅のために排水施設の設置を受け,いつでも利用可能な状態にあること自体を指すと考えられるからであって,仮に,この「使用」が現実の利用を指すと解するならば,10条2項の「使用者で排水設備を有しない者」は,概念矛盾に陥らざるを得ないから,規定を無意味なものにするこのような解釈は採用することができない。以上の趣旨は,証拠(乙22,23)によって認められる設置管理条例の改正経緯に照らしても明らかというべきである。 この点につき,原告は,受益と分担の関係についての自己の主張を前提とした上で,「使用」を現実の利用と解することによって設置管理条例10条2項が死文化するのは,その内容自体が不合理なためである旨主張するが,受益と分担の関係については前記(2)で判示したとおりであって,これに関する原告の主張を採用することができない以上,それを前提とする原告の上記主張も失当である。 ウ以上の設置管理条例の解釈を前提として判断すると,前記前提となる事実(2)及び弁論の全趣旨によれば,公共汚水ますは被告村が管理するもので,設置管理条例上の「排水施設」に含まれ,その設置を受けながら,これに排水設備を接続させていない原告は,「使用者で排水設備を有しない者」に当たり,本件納入通知は,同条例10条2項に基づく維持管理分担金の徴収のために行われたことが明らかである。 (4) 受益の限度と維持管理分担金の額について最後に,1世帯当たり月額2000円の維持管理分担金(設置管理条例11条2項)が地自法224条の「その受益の限度」内といえるかについて判断するに,同金額は,下記のとおり,2(3)ウ(ア)認定に係る汚水処理場再 世帯当たり月額2000円の維持管理分担金(設置管理条例11条2項)が地自法224条の「その受益の限度」内といえるかについて判断するに,同金額は,下記のとおり,2(3)ウ(ア)認定に係る汚水処理場再建設費4億6200万円及び管路再建設費8億6300万円をそれぞれ188戸及び耐用年数で除して算出した年間の1世帯当たりの再建設費相当額(100円未満四捨五入)の合計12万4200円を,更に月額に換算した額の5分の1以下にすぎず,これに加えて保守・点検のために相当額の費用が見込まれることをも考慮すれば,上記の金額は,原告世帯の受益の限度内の金額であると判断するのが相当である。 記汚水処理場:4億6200万円÷188戸÷35年=7万0200円管路:8億6300万円÷188戸÷85年=5万4000円 4 結論以上の次第で,本件納入通知は適法であり,原告の本訴請求はいずれも理由がないから,これらを棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部裁判長裁判官加藤幸雄裁判官舟橋恭子裁判官平山馨(別紙)八開村農業集落排水処理施設の設置及び管理に関する条例(趣旨)第1条この条例は,地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第1項の規定に基づき,八開村農業集落排水処理施設の設置及び管理について必要な事項を定めるものとする。 (用語の定義)第2条この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号の定めるところによる。 一排水施設農業集落排水事業により汚水を排出するために設けられる排水管その他の排水施設及びこれに接続して,汚水を処理す いて,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号の定めるところによる。 一排水施設農業集落排水事業により汚水を排出するために設けられる排水管その他の排水施設及びこれに接続して,汚水を処理するために設けられる施設で村が管理するものをいう。 二汚水住宅,事業所等から排出される生活若しくは事業に起因するし尿,家庭雑排水をいう。 三使用者排水施設の処理区域内で,排水施設を使用する世帯主又は事業を営む者をいう。 四排水設備汚水を排水施設に流入させるために必要な排水管その他の排水施設で,使用者が管理するものをいう。 五 (略)第3条及び第4条 (略)(排水設備の設置義務等)第5条使用者は,供用開始の日から3年以内に排水設備を設置しなければならない。 ただし,村長が特別の事情があると認めたときは,この限りでない。 2 (略)第6条ないし第8条 (略)(使用開始等の届出)第9条使用者は,排水設備の使用を開始し,休止し,若しくは廃止し,又は現に休止している排水設備の使用を再開しようとするときは,あらかじめ,その旨を村長に届け出なければならない。また,届け出をした事項を変更しようとするときも,同様とする。 (使用料及び維持管理分担金の徴収)第10条使用者は,施設の維持管理及び使用に要する費用として,使用料を納めなければならない。 2 使用者で排水設備を有しない者は,施設の維持管理費に要する費用として,維持管理分担金を納めなければならない。 3 前2項の使用料及び維持管理分担金は,納入通知書により隔月ごとに徴収するものとする。ただし,村長が,特に必要があると認めたときは,この限りでない。 4ないし6 (略)(使用料及び維持管理分担金の額)第11条使用料は別表第2に定めるところにより算定した額とする。 2 維持管理分担 し,村長が,特に必要があると認めたときは,この限りでない。 4ないし6 (略)(使用料及び維持管理分担金の額)第11条使用料は別表第2に定めるところにより算定した額とする。 2 維持管理分担金は,1か月2000円とする。 (使用料及び維持管理分担金の徴収方法)第12条使用料及び維持管理分担金は,2月,4月,6月,8月,10月及び12月に,それぞれの前月分及び前々月分を徴収する。 第13条ないし第15条 (略)(加入分担金)第16条施設の供用開始後において,新規加入者となる場合にあっては,加入分担金として30万円を八開村に納付しなければならない。 第17条,第18条及び附則並びに別表 (略)なお,別表第2は,住宅に適用される一般用の使用料月額を,均等割分1世帯当たり2000円,人員割分世帯員1人当たり600円としている。
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