昭和27(オ)823 不当利得返還請求

裁判年月日・裁判所
昭和33年6月3日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人三枝重太郎の上告理由について。  論旨は上告人が法律上の原因なくして

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判決文本文1,629 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人三枝重太郎の上告理由について。 論旨は上告人が法律上の原因なくして係争小切手金の支払を受けたものではないと主張し此の点に関する原審の判断を非難する。けれども、係争の小切手が被上告人所持の当座小切手帳から訴外Dにより窃取された小切手用紙に恰も被上告人の真正に作成振出したかの如く偽造され、その偽造者たる同訴外人から上告人に直接引渡された(裏書のない)持参人払式のものであつた旨の原審事実認定によれば、振出名義人たる被上告人に何等小切手上の義務の存しないことが明らかであり、仮令上告人がこれを所論の通り善意無過失で取得し小切手法二一条によつて何人に対してもその返還義務を負担するものでないとしても、被上告人に対して小切手上の権利を取得するいわれはない。而して上告人被上告人間の右法律関係は、上告人が右小切手を前記訴外人Dから有償的に取得したものとしても何等影響を受くべき筋合でないこと明らかであるから、右点につき同旨の判断を明示し上告人が係争の小切手金の支払を受けたについて法律上の原因を缺いたものであると為した原審の判断は相当であつて所論違法なく、論旨は理由がない。 論旨は更に、係争の小切手金支払を受けたことにより上告人は何等の利益を得たものではなく然らずとしてもその利得は残存しないと主張しこの点に関する原審の認定判断を争い且原判決に理由不備の違法もある、というけれども、原審が小切手の有償取得その他右点に関する上告人主張の事実を、これを確認するに足る措信し得べき証拠資料はないとして否定したものであることが原判決の行文上容易に看取し得られるから、上告人において法律上の原因なく係争の小切手金支払を受けたも- 1 -のである これを確認するに足る措信し得べき証拠資料はないとして否定したものであることが原判決の行文上容易に看取し得られるから、上告人において法律上の原因なく係争の小切手金支払を受けたも- 1 -のであること原審の認定判断するとおりである以上は、上告人において右小切手金の所有権を取得しその所有財産を増加して利益を取得したにほかならず、しかもその利得は右小切手金全額につき残存すると推認すべきであり(大審院明治三九年一〇月一一日第一民事部判決、民録一二輯一二三六頁以下参照)、これと同旨にいでたことの明らかな原審に右点につき所論違法はなく論旨は理由がない。 論旨はまた因果関係に関する原審の判断を非難する。けれども原審は、係争の小切手の支払人である訴外株式会社E銀行(F支店)が上告人に小切手金二四八〇〇〇円を支払つた所為は一面において振出名義人たる被上告人との関係において被上告人の損失に帰すると共に他面上告人との関係において上告人に利得を与えたものであつたとし、右損失と利得との間の因果関係が直接であつた旨を判断した趣旨であることが原判決の行文上看取できるのであり、その判断の相当であることを肯認するに足るのであつて、右は所論大審院大正八年一〇月二〇日第二民事部判決(民録二五輯一八九〇頁以下所載)と牴触するものでもなく、右点に関する論旨は理由がない。 その余の論旨は結局原審の事実認定、証拠の取捨判断を単に非難し、或は原審の否定した事実、原判示に副わない事実に基いて原審の判断を争い、更に独自の見解を主張し法令の適用を非難するに帰着し、採用に由ない。 されば、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 裁判官井上登、同本村善太郎は退官につき評議に関与しない。 最高裁判所第三小法廷裁 三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 裁判官井上登、同本村善太郎は退官につき評議に関与しない。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官河村又介裁判官島保裁判官小林俊三- 2 -

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