昭和25(あ)812 偽造有価証券行使、詐欺未遂

裁判年月日・裁判所
昭和25年11月16日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      当審における未決勾留日数中六〇日を本刑に通算する。      当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。          理    由  

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判決文本文2,110 文字)

主文 本件上告を棄却する。 当審における未決勾留日数中六〇日を本刑に通算する。 当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。 理由 弁護人日比野幸一上告趣意第一点及び第二点について。 被告人が他数名と共謀の上偽造小切手を行使したとなす所論第一審判決の事実認定は、その挙示する証拠に照らしこれを肯認するに難くないのであり、この事実認定を是認した原判決にも所論のような違法はない。論旨は唯「原判決ハ誤判ノ憲法違反ノ誹ヲ免カレナイ」と主張するだけで、いずれもその実質は、事実審がその裁量権の範囲内で適法になした事実認定を非難するに帰着し上告適法の理由とならない。 同第三点について。 記録を精査しても所論証人Aの証言が任意になされたものでないことを認むべき何等の証跡もない。また、その証言内容が、同人に対する別件の嫌疑により勾留中偶々本件事実につき同房の被告人から聞知したに過ぎないものであるからとて、この一事によりその証言の信憑力を皆無と即断することはできない。所論違憲の主張はその前提を欠き、畢竟事実審の裁量に属する証拠の取捨判断乃至事実の認定を非難するに帰着し、上告適法の理由とならない。 被告人本人の上告趣意について。 まず趣意書(一)の(イ)所論につき按ずるに、原判決が弁護人植田広の控訴趣意についてのみ判断をなし、被告人提出の控訴趣意に対しては別段判示するところなかつたことは、論旨の指摘する通りである。被告人の控訴趣意書は被告人のこれに基ずく陳述の有無に拘わらず当然控訴審における訴訟資料となるのであるから、- 1 -苟くも被告人においてこれを撤回しない限り、控訴審はその趣意書に対して判断を下さねばならないこと勿論である。しかし、本件において所論被告人の控訴趣意の内容は要するに となるのであるから、- 1 -苟くも被告人においてこれを撤回しない限り、控訴審はその趣意書に対して判断を下さねばならないこと勿論である。しかし、本件において所論被告人の控訴趣意の内容は要するに第一審が被告人の弁解を容れず判示事実を認定したことを非難するものであり、弁護人植田広の控訴趣意書に内含されていることが明らかである。それ故原判決が右弁護人の趣意書を添付し、これについて理由なき旨の判断を下している以上、形式的に被告人の趣意書の添付を欠いているとしても実質的には被告人の控訴趣意に対してもまた同様の判断がなされているものといゝ得ないわけではない。従つて原判決の形式的瑕疵は実質的判断の結論に影響するところはなく、原判決を破棄する理由となすに足りない。その他の上告趣意の中(一)の(ロ)(ハ)(ニ)(二)(三)(三は前後二箇所に重複しあるも、その双方とも)(四)(五)等の所論は、第一審判決及び原判決の引用する各証人の証言に関する公判調書の記載が、実際の供述内容と相違し虚偽であること、右証人の証言はいずれも信用し得ないものであること、他に有力な反証あるに拘らず採用されなかつたこと、被告人等が真実不法所持物資の摘発を目的としていたか否かにつき審理されなかつたこと等を云存して、事実審の裁量権に属する証拠調の限度又は証拠の取捨判断を争い、結局事実誤認を非難するに帰着し、上告適法の理由とならない。次に(弐)(二も前後に重複している)の(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)の論旨は所論の各機会に被告人をして反対尋問及び陳述をなす等、いわゆる防禦権を行使せしめなかつたと主張するのであるが、各公判調書の記載によれば、これを認むべき証跡はない。また同(へ)の所論上申書は単に第一審第三回公判の最終陳述の際、これが提出を予告し、判決言渡当日裁判官に通読を求めたに過ぎないも するのであるが、各公判調書の記載によれば、これを認むべき証跡はない。また同(へ)の所論上申書は単に第一審第三回公判の最終陳述の際、これが提出を予告し、判決言渡当日裁判官に通読を求めたに過ぎないものであり、第一審がこれに対し判示するところなかつたのは当然である。そして原審においても、この点に関しては何等の主張もなされなかつたのであり、従つてまた何等の判断も示されなかつたところなのである。その他(貳)の(イ)(ヌ)(ル)の所論は実質上単なる訴訟法- 2 -違反の主張であり、同(ト)(チ)(リ)(ヲ)及び(六)の所論は原判決の当否に影響なき事項を主張するものたるに過ぎない。これを要するに、所論は名を憲法違反に藉口して、或は存在するとは認められない事実を前提として立論し、或は原判決の当否とは無関係な事項を主張し、或は単なる訴訟法違反を主張するものでなければ結局事実審の裁量権に属する事実認定を非難するに帰着し、すべて刑訴四〇五条所定の上告適法の理由とならない。しかも本件は同四一一条により職権を発動すべき場合とも認められない。 よつて刑訴四一四条三八六条一項三号一八一条一項刑法二一条に従い主文の通り決定する。 この決定は裁判官全員の一致した意見である。 昭和二五年一一月一六日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官岩松三郎裁判官澤田竹治郎裁判官齋藤悠輔- 3 -

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