令和6年8月29日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和2年(行ウ)第71号損害賠償請求行為請求事件口頭弁論終結日令和6年4月17日判決当事者:別紙1記載のとおり 主文 1 本件訴訟のうち原告Aに関する部分は、令和▲年▲月▲日同原告の死亡により終了した。 2 原告Aを除く原告らの請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は同原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求1⑴ 被告は、Bに対し、1億0145万円及びこれに対する令和3年7月21日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払うよう請求せよ。 ⑵ 被告は、Bに対し、5009万0700円及びこれに対する令和3年7月 21日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払うよう請求せよ。 ⑶ 被告は、Bに対し、1億5994万円及びこれに対する令和3年7月21日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払うよう請求せよ。 2 被告は、都市計画事業「神戸国際港都建設道路事業3.3.32号須磨多聞線(西須磨工区)整備事業」に関する契約を締結してはならない。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は、神戸市民である原告らが、都市計画道路である須磨多聞線(西須磨工区)に係る都市計画変更決定が違法であり、①同決定を前提とする神戸市長による以下の財務会計上の行為(下記⑴の支出命令並びに下記⑵及び⑶の支出 負担行為)が違法であると主張し、以下の各請求をする(第1・1)とともに、 ②被告神戸市長に対し、同決定に係る都市計画事業に関する契約の締結の差止めを求める(第1・2)住民訴訟である。 ⑴ 「須磨多聞線(西須磨)道路検討及び詳細設計業務」を業務名とする平成30年10月29日付け請負契約及び同契約に係る令 都市計画事業に関する契約の締結の差止めを求める(第1・2)住民訴訟である。 ⑴ 「須磨多聞線(西須磨)道路検討及び詳細設計業務」を業務名とする平成30年10月29日付け請負契約及び同契約に係る令和元年12月24日付け変更契約の締結はいずれも違法であるから、上記契約のための委託料のう ち1億0145万円の支出命令が違法であると主張して、被告神戸市長に対し、上記違法な支出命令を行った神戸市長Bに対し、損害賠償請求として1億0145万円及びこれに対する不法行為日より後の日(訴状送達の日の翌日)である令和3年7月21日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を請求するよう求めるもの ⑵ 「桜木町2丁目歩道設置工事契約」を業務名とする令和2年1月22日付け請負契約の締結が違法であると主張して、被告神戸市長に対し、上記違法な契約締結行為を行った神戸市長Bに対し、損害賠償請求として5009万0700円及びこれに対する不法行為日より後の日(訴状送達の日の翌日)である令和3年7月21日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による 遅延損害金の支払を請求するよう求めるもの⑶ 「須磨多聞線(西須磨)橋梁下部新設工事(その1)」を業務名とする令和3年2月5日付け請負契約の締結が違法であると主張して、被告神戸市長に対し、上記違法な契約締結行為を行った神戸市長Bに対し、損害賠償請求として1億5994万円及びこれに対する不法行為日より後の日(訴状送達の 日の翌日)である令和3年7月21日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を請求するよう求めるもの 2 関連法令の定め関係法令の定めは、別紙3のとおりである(なお、同別紙中で用いた略語等は本文中においても用いるものとする。)。 割合による遅延損害金の支払を請求するよう求めるもの 2 関連法令の定め関係法令の定めは、別紙3のとおりである(なお、同別紙中で用いた略語等は本文中においても用いるものとする。)。 3 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲各証拠及び弁論の全趣旨に より容易に認められる事実)⑴ 当事者ア原告らは、いずれも神戸市の住民である(ただし、原告Aは令和▲年▲月▲日に死亡して神戸市の住民たる地位を喪失した。)。(弁論の全趣旨)イ Bは、平成25年11月20日以降、神戸市長の地位にある。(甲D1 〔19頁〕)⑵ 神戸市による都市計画決定等ア須磨多聞線は、神戸市が事業主体である、神戸市須磨区天神町5丁目を起点とし、神戸市垂水区小束山6丁目を終点とする路線延長約7.0kmの都市計画道路である(別紙図面1参照)。 中央幹線は、神戸市の既成市街地の東西を結ぶ主要幹線道路であり、神戸市中央区脇浜町3丁目と神戸市須磨区須磨本町2丁目を接続する全長約11kmの道路である。 須磨多聞線のうち西須磨工区(神戸市須磨区天神町5丁目から同区離宮西町1丁目まで)は、須磨多聞線の未整備区間約2.4kmのうち、離宮 公園前交差点と中央幹線を一部高架道路で接続する約0.5kmの道路である(別紙図面2参照。以下、須磨多聞線のうち西須磨工区を「本件道路」という。)。(以上、甲A1~21、82〔2枚目〕、甲B19〔2枚目〕、乙14、37)イ建設大臣は、昭和39年、旧都市計画法(大正8年法律第36号)に基 づき、須磨多聞線の前身となる神戸土山線に係る都市計画を決定した。同決定については、昭和43年に西須磨工区を追加する区間変更がされ、その後、須磨平野線に名称変更された後、多聞平野線と須 に基 づき、須磨多聞線の前身となる神戸土山線に係る都市計画を決定した。同決定については、昭和43年に西須磨工区を追加する区間変更がされ、その後、須磨平野線に名称変更された後、多聞平野線と須磨多聞線に分割された。(甲A1、弁論の全趣旨)ウ神戸市は、平成7年3月31日、同年1月に発生した阪神淡路大震災に 係る震災復興事業計画の一環として、都市計画事業「神戸国際港都建設道 路事業3.3.32号須磨多聞線」(本件道路)(以下「本件事業」という。)の認可を受けた(以下「本件事業認可」という。)。本件事業認可は、その後期間延伸が繰り返され、現在は令和7年度末までの期間延伸が認可されている。(甲A2~16、弁論の全趣旨)エ須磨多聞線は、平成13年に車線数が一括表示された時点で、全線4車 線の計画であったが、須磨多聞線のうち本件道路については、平成27年12月7日、都市計画法21条に基づき、4車線から2車線に変更する旨の事業内容の変更(以下「本件変更決定」という。)が行われ、同日付けでその旨告示された。(甲A17~21、82)⑶ 本件道路周辺の道路等 ア本件道路は、別紙図面2のとおり、離宮公園前交差点から南下し、東西方向に走る市道33号線と交差する。同交差部からは高架橋となり、山陽電鉄を横断する(以下「高架部分」という。)。高架部分は桜木町1丁目付近で東にカーブし、中央幹線に合流する。離宮公園前交差点から市道33号線との交差部までの間には、南西方向から走る千森川筋線が、本件道路 に接続する予定である。(甲B19〔2枚目〕)イ離宮道は、離宮公園前交差点から南下し、行幸町4丁目交差点において中央幹線と交差する道路である。(甲B19〔2枚目〕)ウ天井川左岸線は、別紙図面3のとおり、中 。(甲B19〔2枚目〕)イ離宮道は、離宮公園前交差点から南下し、行幸町4丁目交差点において中央幹線と交差する道路である。(甲B19〔2枚目〕)ウ天井川左岸線は、別紙図面3のとおり、中央幹線の須磨橋東詰交差点から北西方向に分岐する道路である。天井川左岸線は途中、山陽電鉄と交差 する部分に踏切(以下「本件踏切」という。)があり、その後、ほぼ東西方向に走る神戸明石線に接続し、神戸明石線は、離宮公園前交差点に接続している。(甲A82〔8枚目〕、甲B7〔1枚目〕、甲B12、甲C26)⑷ 請求原因に係る契約の締結、支出命令及び支出神戸市は、本件道路の整備のため、以下の各契約を締結し、支出命令及び 支出が行われた。 ア須磨多聞線(西須磨)道路検討及び詳細設計業務委託契約(ア) 契約の締結神戸市は、C株式会社との間で、平成30年10月29日、以下の契約(以下「本件契約1」という。)を締結した。(甲A33)業務名 須磨多聞線(西須磨)道路検討及び詳細設計業務 委託料 1億1664万0000円ただし、上記のうち100分の30以内の額について前金払することができる。 契約期間平成30年10月30日~平成31年3月31日(イ) 前払金に係る支出命令及び支出 神戸市長Bは、平成30年11月15日頃、本件契約1に基づく3499万円の前払金について支出命令をし、同月26日、神戸市建設局道路部管理課課長がC株式会社に対し、上記支出をした。(甲A34)(ウ) 変更契約の締結神戸市は、C株式会社との間で、①令和元年8月28日、本件契約1 のうち完成期限を変更する変更契約を締結し、更に、②同年12月24日、本件契約1のうち委託料を1億3644万00 約の締結神戸市は、C株式会社との間で、①令和元年8月28日、本件契約1 のうち完成期限を変更する変更契約を締結し、更に、②同年12月24日、本件契約1のうち委託料を1億3644万0000円に変更(1980万円増額)する変更契約(以下「本件契約1増額変更契約」という。)を締結した。(甲A35~38)(エ) 残代金に係る支出命令及び支出 神戸市長Bは、令和2年1月16日頃、変更後の本件契約1に基づく1億0145万円の完成払について支出命令(以下「本件支出命令」という。第1・1⑴の請求は本件支出命令に係るものである。)をし、同月23日、神戸市建設局道路部管理課課長がC株式会社に対し、上記支出をした。(甲A39) イ桜木町2丁目歩道設置工事契約 (ア) 契約の締結神戸市は、株式会社Dとの間で、令和2年1月22日、以下の契約(以下「本件契約2」という。)を締結した(第1・1⑵の請求は本件契約2の締結に係るものである。)。(甲A40~44)業務名 桜木町2丁目歩道設置工事 委託料 5009万0700円契約期間令和2年1月23日~令和2年3月31日(イ) 前払金に係る支出命令及び支出神戸市長Bは、令和2年2月4日頃、本件契約2に基づく2000万円の前払金について支出命令をし、同月13日、神戸市建設局道路部管 理課課長が株式会社Dに対し、上記支出をした。(甲A45)(ウ) 変更契約の締結神戸市は、株式会社Dとの間で、①令和2年8月17日、本件契約2のうち委託料を6019万3100円に変更(1010万2400円増額)するとともに、設計仕様及び完成期限を変更する変更契約を締結し、 ②同年11月25日、本件契約2のうち委託料を62 件契約2のうち委託料を6019万3100円に変更(1010万2400円増額)するとともに、設計仕様及び完成期限を変更する変更契約を締結し、 ②同年11月25日、本件契約2のうち委託料を6284万6300円に変更(265万3200円増額)する変更契約を締結した。(甲A47~50、弁論の全趣旨)(エ) 残代金に係る支出命令及び支出神戸市長Bは、令和2年12月14日頃、変更後の本件契約2に基づ く残代金4284万6300円の支払について支出命令をし、同月18日、神戸市建設局道路部管理課課長が株式会社Dに対し、上記支出をした。(甲A46)ウ須磨多聞線(西須磨)橋梁下部工新設工事(その1)(ア) 契約の締結 神戸市は、E株式会社との間で、令和3年2月5日、以下の契約(以 下「本件契約3」という。)を締結した(第1・1⑶の請求は本件契約3の締結に係るものである。以下、第1・1の各請求の根拠となっている本件支出命令、本件契約2の締結、本件契約3の締結を併せて「本件各財務会計行為」という。本件各財務会計行為及び第1・2の差止請求の対象となる財務会計上の行為を併せて「本件対象行為」という。)。(甲A 54~60)業務名 須磨多聞線(西須磨)橋梁下部工新設工事(その1)委託料 1億5994万0000円契約期間令和3年2月6日~令和3年3月31日(イ) 前払金に係る支出命令及び支出 神戸市長Bは、令和3年2月22日頃、本件契約3に基づく6390万円の前払金について支出命令をし、同年3月2日、神戸市建設局道路部管理課課長がE株式会社に対し、上記支出をした。(甲A62、63、乙27の1)(ウ) 変更契約の締結 神戸市は、E株式会社との間で いて支出命令をし、同年3月2日、神戸市建設局道路部管理課課長がE株式会社に対し、上記支出をした。(甲A62、63、乙27の1)(ウ) 変更契約の締結 神戸市は、E株式会社との間で、①令和3年5月20日、本件契約3のうち委託料を1億6989万5000円に変更(995万5000円増額)するとともに、設計仕様を変更する変更契約を締結し、②同年11月1日、本件契約3のうち委託料を1億8933万9700円に変更(1944万4700円増額)するとともに、設計仕様を変更する変更 契約を締結した。(甲A64~74)(エ) 残代金に係る支出命令及び支出神戸市長Bは、令和3年12月20日頃、変更後の本件契約3に基づく残代金1億2973万1790円について支出命令をし、同月27日、神戸市建設局道路部管理課課長がE株式会社に対し、上記支出をした。 (乙27の2) ⑸ 監査請求原告らは、令和2年10月1日又は同年11月4日に、神戸市監査委員に対し、本件事業に関し、住民監査請求を行った(以下「本件監査請求」という。)が、同監査委員は、同年11月18日、これらをいずれも棄却した。(甲D62~64。なお、監査請求前置の有無について当事者間に争いがある。) ⑹ 訴訟提起原告らは、令和2年12月17日、本件訴えを提起した。(当裁判所に顕著な事実) 4 争点⑴ 本案前の争点 ア差止め対象の特定性(第1・2関係)(争点1)イ監査請求前置の有無(争点2)ウ差止めによって公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるか(第1・2関係)(争点3)エ差止め対象が財務会計上の行為に当たるか(第1・2関係)(争点4) ⑵ 本案の争点ア本件対象行為の適法性 の福祉を著しく阻害するおそれがあるか(第1・2関係)(争点3)エ差止め対象が財務会計上の行為に当たるか(第1・2関係)(争点4) ⑵ 本案の争点ア本件対象行為の適法性(争点5)(ア) 本件変更決定の適法性(争点5-1)(イ) 本件変更決定の違法性が本件対象行為の違法事由となるか(争点5-2) (ウ) 本件各財務会計行為に固有の違法事由の有無(争点5-3)イ神戸市の損害(争点6) 5 争点に関する当事者の主張⑴ 争点1(差止め対象の特定性)(第1・2関係)【被告の主張】 差止請求の対象となる行為は、他の財務会計上の行為と区別して認識で きる必要があり、また、それが行われることが相当な確実さをもって予測されるか否かを判断することができる程度に特定されており、さらに、当該行為を差し止めることによって人の生命又は身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるかどうかを判断することが可能な程度の特定がなされていなければならない(地方自治法2 42条1項かっこ書、242条の2第6項)。原告らは、上記事項を判断可能な程度に差止めの対象となる財務会計上の行為を特定していないから、第1・2の訴えは不適法である。 【原告らの主張】争う。 ⑵ 争点2(監査請求前置の有無)【被告の主張】ア第1・1⑶の訴え本件監査請求で監査の対象とされた財務会計行為は、①令和元年12月付「須磨多聞線(西須磨)都市道路検討及び詳細設計業務」契約及び②令 和2年2月12日付「桜木町2丁目歩道設置工事」契約に係る公金の支出に限られる。したがって、第1・1⑶の訴えは、監査請求前置を満たさず不適法である。 路検討及び詳細設計業務」契約及び②令 和2年2月12日付「桜木町2丁目歩道設置工事」契約に係る公金の支出に限られる。したがって、第1・1⑶の訴えは、監査請求前置を満たさず不適法である。 イ第1・2の訴え住民監査請求を前置したといえるためには、住民監査請求における請 求の対象と住民訴訟における請求の対象とが同一であることが必要である。特に、差止訴訟の前置としての監査請求においては、監査請求の時点で、対象となる財務会計上の行為が行われることが相当の確実さをもって予想されなかった場合には、当該行為等の違法又は不当についての実体的判断の機会が監査委員に与えられていないから、その後相当の確実 さが予想されたとしても、改めて適法な住民監査請求を前置しない限り、 当該行為等についての住民訴訟は不適法として却下されるべきである。 【原告らの主張】本件監査請求は、本件事業の違法性を問題としており、同事業に必要な財務会計上の行為の差止めや、これを行った被告への損害賠償請求の義務付けを求めるものであるから、本件監査請求と第1・1⑶及び2の訴えの間には 対象の実質的な同一性が認められる。神戸市の監査委員が原告らの挙げる特定の契約に関する公金支出以外を監査の対象としなかったことは、監査請求前置の訴訟要件の充足とは関係がない。 ⑶ 争点3(差止めによって公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるか)(第1・2関係) 【被告の主張】本件道路の工事を差し止めれば、須磨区南部と垂水区北部・西区方面を結び、都市の骨格となる主要幹線道路ネットワークを形成するという、須磨多聞線建設の目的が達成できないこととなるから、公共の福祉を著しく阻害する。 【原告らの主張】ア地方自治法242条の2第6項は訴 格となる主要幹線道路ネットワークを形成するという、須磨多聞線建設の目的が達成できないこととなるから、公共の福祉を著しく阻害する。 【原告らの主張】ア地方自治法242条の2第6項は訴訟要件を定めたものではなく、財務会計上の行為を差し止めることができない要件、すなわち差止請求に対する実体上の抗弁を定めたものである。 イ第1・2の差止請求が認められることによる不利益は、本件都市計画道 路の工事が差し止められることにより、主要幹線道路ネットワークを形成するという本道路建設の目的が達成できないというものにすぎず、公共の福祉を著しく阻害するとはいえない。 ⑷ 争点4(差止め対象が財務会計上の行為に当たるか)(第1・2関係)【被告の主張】 住民訴訟の対象となる「契約の締結・履行」にいう「契約」とは、地方公 共団体の財務的処理を直接の目的としてなされる具体的な契約であり、それにより地方公共団体の財産に損害が生じ得るものでなければならない。 第1・2の訴えが差止めの対象とするものは、財務的処理を直接の目的としてなされた具体的な契約ではない。 【原告らの主張】 「都市計画道路須磨多聞線(西須磨)整備事業」に関する契約とは、本件都市計画道路の完成に必要となるコンサルティング契約、業務委託契約及び工事請負契約等の契約全般を指すものである。これらの契約は、地方公共団体である神戸市が都市計画道路のために必要な業務を専門業者に外注する契約であるから、いずれも当然有償契約となるはずであり、必然的に財務的処 理を直接の目的とすることになる契約である。 ⑸ 争点5-1(本件変更決定の適法性)【原告らの主張】ア都市計画法13条1項、地方自治法2条14項及び地方財政法4条1項違反 (ア) を直接の目的とすることになる契約である。 ⑸ 争点5-1(本件変更決定の適法性)【原告らの主張】ア都市計画法13条1項、地方自治法2条14項及び地方財政法4条1項違反 (ア) 事実誤認及び事実に対する評価の誤り(緩和すべき渋滞の不存在)a 神戸市が本件変更決定に当たり天井川左岸線の現況交通量の根拠とした平成25年度の調査(1日当たり2万0330台)は、平成27年度に国が実施した全国交通量調査の結果が1日当たり1万4827台であることに照らすと、信用することができない。 また、神戸市の推計を前提としても、天井川左岸線の交通量は、平成28年度以降は1日当たり約1万7千台で推移し、令和元年度は1日当たり1万6045台になっている。 それにもかかわらず、被告は天井川左岸線の交通量を2万台/日であることを前提として本件変更決定をしたから、本件変更決定には重 要な前提事実に誤認がある。 b 神戸市は、本件変更決定に当たり、須磨多聞線が整備されない場合における天井川左岸線の平成37年の交通量を1万6000台と予測しているが、天井川左岸線の交通量は平成27年の時点ですでにこれを下回っている(1万5491台)。 c 天井川左岸線の渋滞は朝夕しか生じておらず、神戸市がいうような 「慢性的な」ものではない。さらに、天井川左岸線の交通量は令和2年に至るまで減少し続けており、仮に渋滞があったとしてもかなり緩和しているし、今後も緩和が継続すると予想される。 (イ) 事業効果に関する評価が過大又は誤認であることa 神戸市の推計によれば、本件道路の整備により西須磨地域内の交通 量の総量は増大し、沿道環境も悪化する。緊急車両の迅速な通行を可能にするという神戸市の主張は定量的な裏付け 誤認であることa 神戸市の推計によれば、本件道路の整備により西須磨地域内の交通 量の総量は増大し、沿道環境も悪化する。緊急車両の迅速な通行を可能にするという神戸市の主張は定量的な裏付けがない。 b 神戸市は、現在の交通量と本件道路が完成した場合の将来の予測交通量とを比較して事業効果を検討しているが、かかる手法では交通量の自然減を本件事業の効果と評価することになり、不合理である。本 件道路を整備する場合・整備しない場合の将来の予測交通量を比較検討すべきである。 c 本件事業により、現状5差路の離宮公園前交差点は6差路となり、信号が複雑化するため、同交差点を起点とする渋滞は悪化する可能性がある。神戸市の交通シミュレーションは、現在の交通量を前提とし ているが、本件道路完成時の交通量を前提としなければ、本件道路の整備による費用対効果を検証することはできない。 (ウ) 代替手段が存在することa 天井川左岸線は、現実には4車線として使用され、機能しており、須磨多聞線が整備されない場合の予測交通量(1日当たり1万600 0台)を賄うことができる。東西に車道を拡幅すれば、天井川左岸線 を完全な4車線にすることも可能である。 b 平成27年に神戸市が行った「天井川左岸線立体化検討業務」の結果や、天井川左岸線の平成30年の交通量(1日当たり1万2503台)によれば、天井川左岸線の本件踏切を立体交差化することは技術的にも法的にも可能である。 (エ) 費用便益分析を実施していないこと自治体の財政について、最小の経費で最大の成果を挙げるべきこと(地方自治法2条14項)及び経費はその目的を達成するための必要かつ最小の限度を超えて支出してはならないこと(地方財政法4条1項)が要求されること 政について、最小の経費で最大の成果を挙げるべきこと(地方自治法2条14項)及び経費はその目的を達成するための必要かつ最小の限度を超えて支出してはならないこと(地方財政法4条1項)が要求されることからすれば、費用便益分析は実施の必要があるし、少なく とも、費用便益分析が適切になされているかどうかは、判断の基礎とされた重要な事実に誤認があるか、また、事実に対する評価が合理性を欠くかといった点を検討するに際して重要な要素となる。国の交付金を受けて実施している事業であることは、費用便益分析を実施しない理由とはならない。 (オ) 小括以上のとおり、本件変更決定は、その基礎とされた重要な事実に誤認があることにより重要な事実の基礎を欠いており、更に、事実に対する評価が明らかに合理性を欠いている上に、判断の過程において考慮すべき事情を考慮していないため、裁量権の範囲を逸脱し又は濫用したもの というべきであって、違法である。 さらに、本件変更決定は、目的に対応する事実(緩和すべき渋滞)が存在しないにもかかわらず、費用をかけて負の影響(渋滞の悪化)を生じさせるものであるから、地方自治法2条14項及び地方財政法4条1項に違反する。 イ都市計画法13条1項(都市計画基準)違反 (ア) 環境基本法、神戸市環境基本計画と整合しないこと本件事業に関して神戸市が実施した環境影響評価(以下「本件環境影響評価」という。)は、その内容が不適切なものであるから、これを根拠として本件事業が環境基本法、神戸市環境基本計画と整合するとはいえないし(下記a)、仮に本件環境影響評価が適切なものであったとしても、 本件道路は環境を悪化させるものであるから、やはり、本件事業が環境基本法等と整合するものとはい 境基本計画と整合するとはいえないし(下記a)、仮に本件環境影響評価が適切なものであったとしても、 本件道路は環境を悪化させるものであるから、やはり、本件事業が環境基本法等と整合するものとはいえない(下記b)。以下詳述する。 a 本件環境影響評価の妥当性本件環境影響評価は、①地域住民と実質的な協議の機会を持たずに実施されたこと、②業務受託業者が紹介した学識経験者からの短時間 のヒアリングしか経ておらず、客観性・中立性を欠くこと、③神戸市の環境部局や環境影響評価審査会の関与も行わず、建設局道路部工務課のみで作業を行っていること、④実施計画書の要約書(環境影響評価条例10条1項)が作成されていないことに照らすと、神戸市建設局道路部工務課が独自の視点で本件事業を評価したものにすぎない。 その内容も、①一酸化炭素、光化学オキシダント、PM2.5(微小粒子状物質。以下同じ。)を調査項目としていないこと、②大気質に関して現況調査を実施せず、既存の資料に基づく調査のみ行ったこと、③騒音に関して現実の居住空間に与える悪影響・負の影響の度合い(インパクト値)を重視していない上、前提とする環境保全措置はいずれ も不十分なものであること、④交通量調査の質・量が不足していること、⑤主観的要素が強く、地元住民に与える影響が広く大きい景観について、住民の意見を把握する調査を実施していないこと、⑥景観への影響についてさしたる根拠もないまま環境保全の目標を満足するという結論を強引に導いていることによれば、不完全なものである。 しかるに、神戸市は、本件環境影響評価の内容や信憑性、地元地域に 与える環境負荷・環境悪化について検討せずに、漫然と本件変更決定を行った。 b 本件道路が環境を悪化させるものであること( るに、神戸市は、本件環境影響評価の内容や信憑性、地元地域に 与える環境負荷・環境悪化について検討せずに、漫然と本件変更決定を行った。 b 本件道路が環境を悪化させるものであること(a) 大気汚染のリスク須磨大気測定局では、平成25年度に環境省の定める基準(15 μg/㎥以下)を上回る16.4μg/㎥のPM2.5を計測しており、交通量を増大させる本件事業は大気汚染のリスクが高い。 (b) 騒音本件環境影響評価によれば、複数地点で環境基準を超過する騒音が予測されている。 (イ) 神戸市民の安全の推進に関する条例に違反すること神戸市民の安全の推進に関する条例の基本理念に鑑みれば、地域住民と通行車両双方の安全性確保のために、本件事業に伴う危険性についての十分な検討が必要不可欠であるが、神戸市は以下の危険性を十分に検討していない。 a 神戸市の計画では、千森川筋線と本件道路との合流部の交差点に南北横断歩道が設置されるが、信号機の設置は予定されていない。高齢者や子どもは同交差点を安全に通行することができなくなる。 b 神戸市の計画では、市道33号線と本件道路との交差点には信号機が設置されない予定であるから、同交差点での交通事故の危険性が高 まる。 c 高架構造物は地震等により倒壊する危険がある。 d 本件道路は、高架部分に急カーブが存在する上、勾配もあるから、急カーブ地点で重大事故が生じる高度の蓋然性がある。 e 近隣住民の生活の要衝である月見山本町2の交差点は、本件事業に より交通量が増え、危険である。 (ウ) 複数のコミュニティを分断し地域住民のライフスタイルを根底から崩壊させることa 本件道路は、桜木町内を南北に走る幅員36~22mの平面道であるから、そ が増え、危険である。 (ウ) 複数のコミュニティを分断し地域住民のライフスタイルを根底から崩壊させることa 本件道路は、桜木町内を南北に走る幅員36~22mの平面道であるから、その完成後は、地域住民が町内を東西に往来するには上記(イ)bのとおり市道33号線と本件道路の危険な交差点を通過することと なる。本件道路は、桜木町を東西に分断することになる。 b 本件道路の整備により、中央幹線に行幸町付近で唯一存在する押ボタン付横断歩道が撤去されることとなる。同所への地下道や歩道橋の設置は、工事の負担等に照らすと困難である。そうすると、行幸町は中央幹線により南北に分断されることとなる。 (エ) 神戸市と地元自治会の間の合意に違反すること神戸市とa町b丁目自治会(以下「本件自治会」という。)は、平成12年12月29日、中央幹線の形状変更につき、事前に本件自治会の同意が必要であることを合意し(以下「本件合意」という。)、確認書を作成した。その後、神戸市は、平成18年1月8日にも本件合意の法的拘束力を 認め、中央幹線の形状変更を行う場合は、自治会へ情報を開示し、事前に協議し、事前の同意を得ることを改めて誓約した。 それにもかかわらず、神戸市は、中央幹線の形状変更を伴う本件変更決定に際し、事前の情報開示、事前協議、事前の同意の有無の確認のいずれも怠っている。 神戸市は自らの裁量を羈束するものとして本件合意に及んでいるから、本件確認書の規定する手続を履践しないことは、本件変更決定の適法性に影響を与える。また、神戸市が本件合意に至ったのは、道路の安全性や景観への影響について地元住民の意見を尊重する趣旨に出たものであるから、本件合意は都市計画法13条1項の「当該都市の特質」に当たる。 る。また、神戸市が本件合意に至ったのは、道路の安全性や景観への影響について地元住民の意見を尊重する趣旨に出たものであるから、本件合意は都市計画法13条1項の「当該都市の特質」に当たる。 【被告の主張】 ア都市計画法13条1項、地方自治法2条14項及び地方財政法4条1項に違反しないこと(ア) 事実誤認又は事実に対する評価の誤りがないこと(緩和すべき渋滞が存在すること)神戸市が平成25年度に実施した交通量調査の結果は実測値であっ て、センサスよりも実態に即した数値であるから信用性を有する。平成27年の本件変更決定に当たって直近の平成25年度の交通量調査の結果を用いることが妥当性を欠くとはいえない。 さらに、天井川左岸線の道路構造令上の設計基準交通量は1日当たり1万2000台であるところ、平成28年度以降の調査結果では、天 井川左岸線の交通量は1日当たり約1万7千台で推移しており、朝夕を中心に慢性的な渋滞が実際に発生している。 (イ) 事業効果に関する評価に誤りがないことa 本件道路の整備により、局地的には交通量が増えることになるが、天井川左岸線や離宮道など、これまで過度に集中していた交通を西 須磨地域全体に分散させようとするものであり、原告らが主張するような交通量の総量を議論することには意味がない。また、本件道路を含む須磨多聞線には、上記のような周辺道路の渋滞の緩和に加え、沿道環境の改善、垂水区北部と須磨区南部市街地の間の移動時間の短縮、災害時の避難路や緊急輸送道路としての役割などの効果も見込 まれる。 b 本件道路を整備しない場合、交通量の自然減しか期待できず、離宮公園前交差点での滞留長を解消することはできない。 c 本件事業により、離宮公園前交差点 ての役割などの効果も見込 まれる。 b 本件道路を整備しない場合、交通量の自然減しか期待できず、離宮公園前交差点での滞留長を解消することはできない。 c 本件事業により、離宮公園前交差点は須磨多聞線の南北を主動線とする経路に切り替わるため、実質的には、神戸明石線と須磨多聞線 が交差するだけの十字路に近いものとなる。平成30年度に実施し た交通シミュレーションでは、朝の通勤時間帯における離宮公園前交差点の北側の滞留長は、約700mから約260mに改善されると見込まれている。 (ウ) 原告らの主張する代替手段が現実的ではないことa 天井川左岸線の4車線化 道路構造令上の4種1級に位置付けられる天井川左岸線は、4車線化するには道幅が15m必要となるので、現状の幅員(11~12m)で4車線化することはできない。天井川左岸線は現状1車線しかない道路を事実上2列で通行しているが、法令を無視して1車線を2列で通行することを前提に都市計画を作成することはできない。 b 本件踏切の立体交差化天井川左岸線は交通量が多いため、本件踏切の立体交差化工事には長期かつ大規模な交通規制が必要となる。また、工事中の通行を確保するための仮設道路や東側民地の沿道利用を確保するための側道も整備する必要がある。さらに、西側には河川が近接していることか ら、仮設道路や側道の整備を行うには東側に拡幅する必要もあり、新たに多くの用地買収も必要となる。このように多数の問題が発生するため、立体交差化は現実的ではない。 (エ) 費用便益分析都市計画法に費用便益分析を実施しなければならないとする規定は 存在しないし、本件道路は国の交付金を受けて実施している事業であるからといって費用便益分析が必要となるものではない。 益分析都市計画法に費用便益分析を実施しなければならないとする規定は 存在しないし、本件道路は国の交付金を受けて実施している事業であるからといって費用便益分析が必要となるものではない。 イ都市計画法13条1項(都市計画基準)に違反しないこと(ア) 環境基本法、神戸市環境基本計画に違反しないことa 本件環境影響評価の妥当性 本件道路は、環境影響評価条例及びその施行規則において環境影響 評価の実施が要求されていないが、神戸市は、同条例に準じた環境影響評価(本件環境影響評価)を実施した。 神戸市は、平成25年8月30日から同年10月15日までの間に環境影響評価の実施計画書の意見募集を行い、平成26年2月28日から同年4月14日までの間に環境影響評価書(案)の意見募集 を行い、その間の平成25年9月20日及び平成26年3月18日には環境影響評価の実施計画書及び環境影響評価書(案)の説明会を開催し、住民らの意見を聞き入れる機会を設けた。 神戸市建設局道路部工務課は、同市環境局と調整を行ったうえで、神戸市環境影響評価審査会の審査委員を含む学識経験者に意見を聞 いている。 本件環境影響評価の内容に関する原告らの主張は以下のとおり理由がない。①PM2.5は予測手法が確立されておらず、神戸市環境影響評価等技術指針にも予測評価に関する記載がないため、神戸市はPM2.5を本件環境影響評価の項目に含めなかった。また、神戸 市は、有識者の意見を受け、PM2.5に係る環境基準を載せ、環境の概況として一酸化炭素、光化学オキシダント、PM2.5に言及している。②大気質について既存の資料に基づく調査のみを行った点は環境影響評価条例に沿う適正なものである。③原告らが主張するインパク 境の概況として一酸化炭素、光化学オキシダント、PM2.5に言及している。②大気質について既存の資料に基づく調査のみを行った点は環境影響評価条例に沿う適正なものである。③原告らが主張するインパクト値は一般的な指標ではない。本件環境影響評価が前提と する環境保全措置は、一般的に採用されているものである。④神戸市は24時間の交通量調査を実施している。⑤景観につき、本件道路が複数地点で一定程度の圧迫感を与えるものと予測した上で、具体的な環境保全措置を検討し、景観への影響の低減を図っている。 b(a) 大気汚染のリスク PM2.5については、近隣の一般環境大気測定局及び自動車排 出ガス測定局が実施した調査において、平成28年度以降はいずれも環境基準を満足している。 (b) 騒音本件道路沿線の事業実施区域内では全ての地点で環境基準値を満たしているし、基準値を超える地点についても現況騒音値を下回 る上、排水性舗装の整備や遮音壁の設置といった対策を講ずるなどして、騒音の低減を図る予定である。 c 神戸市環境基本計画の「基本方針4:公害のない健全で快適な地域環境の確保」は、法令で定められ、かつ、神戸市が自ら定める基準(大気質、水質、土壌、騒音等)の達成を定量目標としている。本件環境 影響評価において評価を行った大気質の項目は、全て環境基準を満たしており、本件変更決定は神戸市環境基本計画に反しない。 d 神戸市は、本件道路が周辺の景観との調和を損なわないために環境保全措置を実施することとしており、本件環境影響評価の結果は都市計画審議会の承認を得ている。本件変更決定は、神戸市都市景観条例 の趣旨に反しない。 (イ) 神戸市民の安全の推進に関する条例に違反しないこと神戸 ており、本件環境影響評価の結果は都市計画審議会の承認を得ている。本件変更決定は、神戸市都市景観条例 の趣旨に反しない。 (イ) 神戸市民の安全の推進に関する条例に違反しないこと神戸市は都市計画法にのっとって適正な手続を経ている。また、本件道路は、基本的には、道路構造令に基づき設計を行っているし、信号機の設置についても歩行者の安全性確保に関する地元の意向を神戸市か ら警察に伝え、交差点の安全性、円滑化の観点から協議している。 a 神戸市は、須磨多聞線と千森川筋線との交差点に信号機を設置するよう警察に働きかけているし、桜木町2丁目付近において本件道路を東側へ横断すれば上記交差点を横断することを回避できる。 b 神戸市は、市道33号線と本件道路の交差点に信号機を設置するよ う警察に働きかけている。本件道路の南北の勾配は、上記交差点付近 では緩やか(2.5%)になるよう設計している。 c 神戸市は、本件道路の線形や幅員、防護柵等について、道路構造令に基づき、道路の設計速度等を踏まえ、最新の技術基準に沿って設計をしている。原告らは抽象的な危険性を主張するにすぎない。 d 本件道路は、道路構造令に基づいた曲線線形を採用している。高架 カーブ手前の縦断勾配は約0.6%(L=約120m)でカーブの区間も同様の勾配で設計しており、カーブ手前で減速することができる延長を確保している。 e 月見山本町2の交差点計画については、交通の安全性と円滑化の観点から警察と協議しており、中央幹線の既存施設と須磨多聞線の 計画の整合を図り、安全性が確保できる設計を進めている。 (ウ) コミュニティの分断は生じないことa 市道33号線は引き続き利用できる上、本件道路と市道33号線の交差点に信号機が設置さ 計画の整合を図り、安全性が確保できる設計を進めている。 (ウ) コミュニティの分断は生じないことa 市道33号線は引き続き利用できる上、本件道路と市道33号線の交差点に信号機が設置されるよう警察と協議を行っている。さらに、南に位置する市道(市道32号)や高架下の区間でも東西の往来 が可能である。 b 中央幹線の押ボタン付信号の横断歩道は物理的に設置できなくなるが、当該箇所にバリアフリーや照明設備、防犯対策に配慮した地下道を設置することを検討しているから、原告らの指摘は当たらない。 (エ) 神戸市と本件自治会の間の合意に関する主張について a 本件変更決定が確認書に反しないこと確認書の主眼は、中央幹線を地元提案の暫定2車線ではなく、都市計画どおり4車線で整備する場合に、本件自治会と事前協議を行い、同意を得ることにある。これに対し、本件変更決定は、本件道路(須磨多聞線)の車線数を4車線から2車線に変更しただけであり、a町 b丁目内の区間の中央幹線の道路形状の変更や、車線数の増加を伴 うものではない。したがって、本件変更決定は、確認書に反しない。 b 確認書の法的性質原告ら主張の本件合意に係る確認書は、文書番号が記載されておらず、神戸市内部で決裁がされたものではないから、署名者の判断でなされたものにすぎない。そして、都市計画決定の変更は法に定めら れた手続を経る必要があり、担当職員の判断で変化を与えられるものではない。確認書は、法的な効力を生じさせない紳士協定にすぎない。 ⑹ 本件変更決定の違法性が本件対象行為の違法事由となるか(争点5-2)【原告らの主張】 「財務会計上の行為に先行する原因行為に非財務会計法規上の違法事由が存する場合、例外的に原因 ⑹ 本件変更決定の違法性が本件対象行為の違法事由となるか(争点5-2)【原告らの主張】 「財務会計上の行為に先行する原因行為に非財務会計法規上の違法事由が存する場合、例外的に原因行為に存する違法事由の内容及び程度が予算執行の適正確保の見地から看過し得ないものであると認めるときでなければその違法性を問うことができない」旨を判示した最高裁平成4年12月15日第三小法廷判決・民集46巻9号2753頁(以下「平成4年最判」 という。)は、教育委員会と地方公共団体の首長との権限分配を理由として上記規範を導いている。本件事業では、神戸市長が事業認可の申請を行い、神戸市長が同事業の執行として各財務会計行為を行うのであるから、権限分配の問題は生じず、平成4年最判は妥当しない。 本件変更決定を行った神戸市の判断には裁量権の範囲の著しい逸脱又は 濫用があり、本件各契約を無効としなければ、都市計画法13条1項、地方自治法2条14項及び地方財政法4条1項の各趣旨を没却する結果となるから、本件各契約は私法上無効である。無効な本件各契約に基づく支出命令及び支出は違法である。 【被告の主張】 財務会計上の行為に先行する原因行為に非財務会計法規上の違法事由 が存する場合であっても、当然にその違法性が承継されて後行の財務会計上の行為も違法となると解するのは相当ではなく、例外的に原因行為に存する違法事由の内容及び程度が予算執行の適正確保の見地から看過し得ないものであると認められるときに限って、その違法性を問うことができる。本件変更決定についてかかる例外的な事由はない。 ⑺ 本件各財務会計行為に固有の違法事由の有無(争点5-3)【原告らの主張】ア本件支出命令固有の違法事由(第1・1⑴の請求関連) 。本件変更決定についてかかる例外的な事由はない。 ⑺ 本件各財務会計行為に固有の違法事由の有無(争点5-3)【原告らの主張】ア本件支出命令固有の違法事由(第1・1⑴の請求関連)本件契約1増額変更契約は、以下のとおり変更理由がいずれも不明確であり、不当な契約締結行為であるから、これに基づく委託料の支出命 令(本件支出命令)も違法である。 (ア) 市道33号線交差部における交差点計画の修正は、同交差部の交差点に信号機を設置するものであるが、これは渋滞緩和という事業目的を破綻させる修正である。 (イ) 橋梁施工計画策定における土留工設計、特殊支保工設計が、契約締 結後に必要となるのは不自然である。また、上記設計変更は、中央幹線(行幸町)の押ボタン式信号付横断歩道の地下道化に関連するものであるが、これは非現実的な構想であり、不当かつ不要な支出である。 (ウ) 「その他、現場精査により数量の増減が生じる。」という増額理由は、増額理由になっていない。 イ本件契約2固有の違法事由(第1・1⑵の請求関連)本件契約2は随意契約によっているが、①実績の裏付けがない業者に受注させていること、②安全面から歩道の設置を急ぐ必要性があるとは考え難いことに照らすと、随意契約によった点が違法である。また、一般競争入札における入札金額よりも800万円以上安い金額かつ神戸市 の予定価格と同額で契約が締結され、その後増額変更された経緯に照ら すと、契約締結段階から追加料金の支払を予定して契約を締結した可能性がある。 【被告の主張】ア本件支出命令固有の違法事由がないこと(第1・1⑴の請求関連)本件契約1増額変更契約を締結した理由は以下のとおりであり、違 法はない。 (ア) 市道 ある。 【被告の主張】ア本件支出命令固有の違法事由がないこと(第1・1⑴の請求関連)本件契約1増額変更契約を締結した理由は以下のとおりであり、違 法はない。 (ア) 市道33号線との交差部の交差点に信号機を設置することは、交通の円滑化と安全性の観点から交通シミュレーション等を用いて検討をし、問題がないことを確認した上で警察と協議を行っており、事業の目的を破綻させるものではない。 (イ) 土留工設計の増工は、橋梁の施工計画を策定するに当たり、橋台や橋脚の施工時に中央幹線の現道交通車両が近接走行するため、交通安全性と土留内の施工性向上の観点から新たに必要となり、変更したものである。この設計変更は、原告らが主張する中央幹線の押しボタン式信号付横断歩道とは無関係な事項である。 (ウ) 現地精査による数量の増減は、設計を進める中で取付道路の設計延長や橋梁設計延長等が当初想定していた数量より変更になったため生じたものである。変更に際しては設計図書で変更内容を確認した上で、決裁権者の承認を得て、変更契約を締結している。 イ本件契約2固有の違法事由がないこと(第1・1⑵の請求関連) 本件契約2の締結に当たっては、当初競争入札に付したが、第1回入札で予定価格の超過により落札者がなく、再入札を行うも応札者がなく、不調打切りとなった。本件道路は神戸市の骨格となる主要幹線道路であり、早期に整備を進めていく必要があることから、地方自治法施行令167条の2第1項8号に基づき、随意契約を行った。この際、随意 契約業者は、相手方が本工事の初回入札に応じた唯一の業者であり、街 路築造工事の実績も確認する形で選定を行った。加えて、神戸市請負契約審査会に付議し、承認を受けた上で契約手続 随意 契約業者は、相手方が本工事の初回入札に応じた唯一の業者であり、街 路築造工事の実績も確認する形で選定を行った。加えて、神戸市請負契約審査会に付議し、承認を受けた上で契約手続を行っている。以上より、随意契約の理由と業者選定は妥当である。 上記のとおり、請負業者が第1回入札に参加していることから、予定価格と同額での契約締結になるのは不自然ではない。工期延長は、歩道 の舗装の変更、民地内復旧等に伴う擁壁工及び防護柵工の増工、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言発令により土地所有者との協議に時間を要し、擁壁の着工が想定より遅れたことが理由であり、原告らの主張に根拠はない。工事代金の増額についても、適正な手続を経て工事の変更契約を行っている。 ⑻ 神戸市の損害(争点6)【原告らの主張】神戸市には、本件支出命令により1億0145万円、本件契約2の締結により5009万0700円、本件契約3の締結により1億5994万円の損害が生じた。 【被告の主張】否認する。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(差止め対象の特定性)(第1・2関係)⑴ 判断の枠組み 地方自治法242条の2第1項1号の規定による住民訴訟の制度は、普通地方公共団体の執行機関又は職員による同法242条1項所定の財務会計上の違法な行為を予防するため、一定の要件の下に、住民に対し当該行為の全部又は一部の事前の差止めを裁判所に請求する権能を与え、もって地方財務行政の適正な運営を確保することを目的としたものである。このような事前 の差止請求において、複数の行為を包括的にとらえて差止請求の対象とする 場合、その一つ一つの行為を他の行為と区別して特定し認識することができるように個別、 のである。このような事前 の差止請求において、複数の行為を包括的にとらえて差止請求の対象とする 場合、その一つ一つの行為を他の行為と区別して特定し認識することができるように個別、具体的に摘示することまでが常に必要とされるものではない。 この場合においては、差止請求の対象となる行為とそうでない行為とが識別できる程度に特定されていることが必要であることはいうまでもないが、事前の差止請求にあっては、当該行為の適否の判断のほか、さらに、当該行為 が行われることが相当の確実さをもって予測されるか否かの点に対する判断が必要となることからすれば、これらの点について判断することが可能な程度に、その対象となる行為の範囲等が特定されていることが必要であり、かつ、これをもって足りるものというべきである(最高裁平成5年9月7日第三小法廷判決・民集47巻7号4755頁参照)。 そして、地方公共団体が特定の事業を実施する場合に、当該事業の実施が違法であり、これに関わる財務会計上の行為全てが違法であるとして事前の差止請求をするときは、通常、当該事業を特定することにより、これに関わる複数の財務会計上の行為を個別に摘示しなくても、対象となる当該行為とそうでない行為との識別は可能であるし、当該事業に関わる財務会計上の行 為が全て違法であるという以上、これらを一体として違法性を判断することが可能かつ相当ということができる。また、当該行為を防止するために必要な措置を求める場合には、これに加えて、当該行為が行われることが相当の確実さをもって予測されるか否かの点についての判断が可能である程度に特定されていることも必要になるが、上記のような事案においては、当該事業 を特定することによって、この点を判断することも可能である場合が多い。 されるか否かの点についての判断が可能である程度に特定されていることも必要になるが、上記のような事案においては、当該事業 を特定することによって、この点を判断することも可能である場合が多い。 したがって、そのような場合に、当該事業に関わる個々の支出を個別具体的に摘示しなくても、差止請求の対象の特定が欠けることにはならないというべきである(最高裁平成18年4月25日第三小法廷判決・民集60巻4号1841頁参照)。 ⑵ 検討 原告らは、本件事業の実施が違法であるから、これに関わる契約締結行為は違法であるとして、契約締結行為の差止めを求めている(第1・2)。原告らは、本件事業に関するものであるか否かという基準をもって、包括的に差止請求の対象とすべき財務会計上の行為の範囲を明らかにしているところ、今後、被告が行うことが想定される契約の締結が、本件事業に関するもので あるか否かは、その契約の内容から判断することが可能である(事業評価を行う観点からも、神戸市は本件事業に関する契約か否かを区別していると考えられる。)。 そうすると、第1・2の訴えは、差止請求の対象となる行為とそうでない行為とを識別することは可能であるし、差止請求の対象となる行為が行われ ることが相当の確実さをもって予測されるか否かの点についての判断を行うことも可能であるといえる。さらに、上記のような原告らの主張内容に照らせば、差止対象となる財務会計上の行為を一体としてその違法性を判断することが可能かつ相当な場合に当たるというべきである。 ⑶ 小括 したがって、第1・2の訴えは、差止請求に係る対象の特定に欠けるところはない。 2 争点2(監査請求前置の有無)⑴ 認定事実前提事実⑸及び証拠(甲D62~64)によれ 小括 したがって、第1・2の訴えは、差止請求に係る対象の特定に欠けるところはない。 2 争点2(監査請求前置の有無)⑴ 認定事実前提事実⑸及び証拠(甲D62~64)によれば、以下の事実が認められ る。 ア原告らは、令和2年10月1日又は同年11月4日に、神戸市監査委員に対し、「請求の要旨」を以下のとおり表示した監査請求を行った。 神戸市の実施する「都市計画道路須磨多聞線(西須磨)整備事業」は違法無効であり、この事業の遂行によって神戸市に損害が生じることから、 神戸市長、建設局長、同局道路部管理課課長、同局道路部工務課担当課長 及び行財政局財政部契約監理課課長に対し、本件事業に関する2本の契約(①令和元年12月付け「須磨多聞線(西須磨)都市道路検討及び詳細設計業務」契約、②令和2年2月12日付け「桜木町2丁目歩道設置工事」契約)に基づく支出をはじめとする一切の公金の支出を差し止め、既に支出した金額の損害賠償請求を求める。 イ神戸市監査委員は、本件監査請求について、「本件事業にかかる、本件都市計画変更決定の手続き、並びに2本の各契約の締結及び支出について、違法または不当な点があるか否か、当該行為を防止するべきか否か及び補填するべき損害があるか否か」を監査の対象とした。 ⑵ 検討 ア原告らの行った本件監査請求は、本件事業(都市計画道路須磨多聞線(西須磨)整備事業)に関する一切の契約締結行為、支出命令及び支出の差止めを求めるものと解される(「支出を差し止め」という文言を用いているが、これは講学上の支出に限られず、支出負担行為及び支出命令も広く含む趣旨であると解される。)。本件監査請求は、監査請求の対象を「本件事 業に関する」という文言により特定しており、 用いているが、これは講学上の支出に限られず、支出負担行為及び支出命令も広く含む趣旨であると解される。)。本件監査請求は、監査請求の対象を「本件事 業に関する」という文言により特定しており、上記1と同様に、かかる形での特定は監査請求においても許される。 しかるに、神戸市監査委員は、本件契約1増額変更契約及び本件契約2の締結並びに支出のみを監査の対象としている。 そうすると、第1・1⑶の訴え及び第1・2の訴えは、「監査委員が地方 自治法242条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき」(地方自治法242条の2第1項柱書)に当たる。 イなお、第1・1⑶の訴えは、本件監査請求の時点(令和2年10月1日、同年11月4日)では未だ行われていなかった財務会計上の行為(本件契約3の締結)に係る請求であるため、第1・1⑶の訴えとそれに先立つ本 件監査請求は、求める行為が賠償か差止めかという違いがある。そして、 住民訴訟について監査請求が前置されているというためには、原則として、監査請求の対象となった財務会計上の行為又は怠る事実(財務事項)と住民訴訟の対象となった財務事項との間に同一性があることが必要である。 本件監査請求は、上記アのとおり、本件事業に関する一切の契約締結行 為、支出命令及び支出の差止めを求めたものである。他方、第1・1⑶の訴えは、本件事業に関する本件契約3の締結が違法であるとして、代金相当額の賠償を求めるものである。そうすると、第1・1⑶の訴えとそれに先立つ本件監査請求は、いずれも本件事業に関する本件契約3の締結の違法性を問題とするものであるから、求める行為が賠償か差止めかの違いは あるものの、対象につき同一性があるというべきである。 ⑶ つ本件監査請求は、いずれも本件事業に関する本件契約3の締結の違法性を問題とするものであるから、求める行為が賠償か差止めかの違いは あるものの、対象につき同一性があるというべきである。 ⑶ 小括したがって、本件訴えは、監査請求前置の要件を満たす。 3 争点3(差止めによって公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるか)(第1・2関係) 被告は、本件道路の工事を差し止めれば、主要幹線道路ネットワークを形成するという須磨多聞線建設の目的が達成できないことになると主張する。しかし、仮に緊急車両の通行が容易になることで傷病者の病院への搬送、消防車の火災現場等への到着が早まる可能性があるとしても、現時点において、西須磨地域において緊急車両の通行に時間がかかることにより多くの人の生命が 失われたり身体に重大な障害が発生したりしたと認めるに足りる証拠はなく、上記の可能性は抽象的なものであるといわざるを得ない。そうすると、被告が主張する事情が「人の生命又は身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害する」ものに当たると評価するのは相当でない。したがって、第1・2の訴えが公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるとは認 められない。 4 争点4(差止め対象が財務会計上の行為に当たるか)(第1・2関係)第1・2の訴えの差止対象となる契約は、本件道路を整備する都市計画事業(本件事業)に関するものであるから、財産的処理を直接の目的とした契約に当たるというべきである。したがって、第1・2の訴えの対象は、財務会計上の行為に当たる。 5 本案前の争点に係る判断のまとめ上記1~4で検討したところによれば、原告らの訴えはいずれも適法である。 6 争点5(本件対象行為の適法性)⑴ は 、財務会計上の行為に当たる。 5 本案前の争点に係る判断のまとめ上記1~4で検討したところによれば、原告らの訴えはいずれも適法である。 6 争点5(本件対象行為の適法性)⑴ はじめに原告らは、①本件変更決定が違法である以上、本件対象行為は違法である し、②本件各財務会計行為には固有の違法事由も存在する旨主張する。これに対し、被告は、①本件変更決定は適法であるし、仮に本件変更決定が違法であるとしても、本件変更決定の適法性は本件各財務会計行為の適法性に影響せず、②本件各財務会計行為固有の違法事由は認められない旨主張する。 当裁判所は、①本件変更決定は適法であり(下記⑵~⑼)、②本件各財務会 計行為固有の違法事由は認められない(下記⑽)から、本件対象行為はいずれも適法であると判断した。以下、理由を詳述する。 ⑵ ①本件変更決定の適法性に関する判断枠組み裁判所が都市施設に関する都市計画の決定又は変更の内容の適否を審査するに当たっては、当該決定又は変更が裁量権の行使としてされたことを前提 として、その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合、又は、事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとすべ きものと解するのが相当である(最高裁平成18年11月2日第一小法廷判 決・民集60巻9号3249頁)。 原告らは、本件変更決定が、地域の特質を考慮して都市施設を適切な位置に配置することを要求する都市計画法13条1項に違反することを、独立の違法事由と 決・民集60巻9号3249頁)。 原告らは、本件変更決定が、地域の特質を考慮して都市施設を適切な位置に配置することを要求する都市計画法13条1項に違反することを、独立の違法事由として主張する。しかし、配置の適切性について同法が一義的、客観的な判断基準を与えていないことからすれば、同法は上記の配置に当たっ て被告に裁量を与えているというべきであり、原告らが主張する点は、原告らが主張するその他の考慮事項と併せて、裁量権の範囲の逸脱又は濫用を審査する上で考慮するのが相当である。 そして、原告らは、本件変更決定の違法事由として、㋐神戸市が主張する主要幹線道路ネットワークの形成の必要性に関し、基礎とされた事実や事業 効果の評価について誤りがあること、㋑神戸市が実施した環境影響評価は妥当性を欠き、本件道路の周辺環境への影響について事実に対する評価が合理性を欠くこと、㋒周辺住民の生活の安全を脅かす(交通事故等の危険性)こと、㋓地域コミュニティを分断すること、㋔神戸市と本件自治会の間の合意に違反すること、㋕費用便益分析を実施していないことを主張する。以下で は上記の判断枠組みに沿って、㋐~㋕の点をそれぞれ検討する。 ⑶ ㋐主要幹線道路ネットワークの形成の必要性ア認定事実前提事実並びに後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 (ア) 神戸市が実施した交通量調査の結果a 平成25年度調査平成25年10月30日午後0時から同月31日午後0時までの間の、須磨橋東詰交差点で計測した天井川左岸線の交通量は、2万0330台であった。 平成25年10月30日午後0時から同月31日午前0時までの間 の、須磨橋東詰交差点で計測した天井川左岸線の交通量 差点で計測した天井川左岸線の交通量は、2万0330台であった。 平成25年10月30日午後0時から同月31日午前0時までの間 の、須磨橋東詰交差点で計測した天井川左岸線の交通量は、1万4434台であった。(以上、乙7〔3、4枚目〕。なお、乙第7号証4枚目の調査日時の表記は誤りと認める。)b 平成26年度調査平成26年7月16日の日中12時間の、須磨橋東詰交差点で計測 した天井川左岸線の交通量は、1万2874台であった。(乙7〔5枚目〕)(イ) 国土交通省が実施した全国道路・街路交通情勢調査(以下「センサス」という。)の結果a 平成22年10月13日午前7時から同日午後7時までの間の、神 戸市須磨区若木町2丁目で計測した天井川左岸線を走行する自動車の台数の合計は、1万4000台であった。(甲A78、乙7〔1、2枚目〕)b 平成27年11月19日午前7時から同日午後7時までの間の、須磨橋東詰交差点で計測した天井川左岸線の交通量は、1万1065台 であった。(乙7〔6~8枚目〕)(ウ) 神戸市が本件変更決定の基礎とした天井川左岸線の交通量a 現況交通量について神戸市は、①平成27年9月4日、本件変更決定に係る都市計画変更案の縦覧に関する公告を行い、同月18日まで縦覧に供し、②同年 11月25日に神戸市都市計画審議会の承認を得て、③同年12月7日に本件変更決定を告示した。神戸市は、上記②の際に出席委員に配布した資料において、天井川左岸線の現況交通量を1日当たり2万台としている。(前提事実⑵、甲A17~21、82〔8枚目〕、乙13の1~3、弁論の全趣旨) b 予測交通量について 神戸市は本件道路の建設予定地付近の住民に配 当たり2万台としている。(前提事実⑵、甲A17~21、82〔8枚目〕、乙13の1~3、弁論の全趣旨) b 予測交通量について 神戸市は本件道路の建設予定地付近の住民に配布した「としけいかくミニニュースNo.6」(平成26年8月発行)において、本件道路がない場合の天井川左岸線の平成37年における予測交通量を1日当たり1万6000台、本件道路がある場合の天井川左岸線の平成37年における予測交通量を1日当たり1万2000台とした上で、将来 的に自動車交通量の総量が減少するが、自然減少のみでは天井川左岸線の交通混雑が解消されないため、本件道路を整備する必要がある旨を記載した。(甲B7〔4枚目〕)(エ) 天井川左岸線は、道路構造令上の第四種第一級道路とされており、車線数が2とされている。(弁論の全趣旨) (オ) 外部機関による天井川左岸線の渋滞に係る調査結果等国土交通省近畿地方整備局は、平成25年2月15日、パブリックコメント及び最新データ等の検証に基づき、兵庫県内の一般道路について202箇所を「主要渋滞箇所」に選定し、その中には、須磨橋東詰交差点、山陽電車天井川踏切(本件踏切)、離宮公園前交差点が含まれている。 (乙8、9〔1、8枚目〕)イ検討(ア) 神戸市が本件変更決定の基礎とした交通量の妥当性a 現況交通量平成25年度に神戸市が実施した交通量調査において、天井川左岸 線の24時間交通量が2万0330台であったこと(上記ア(ア)a)に照らすと、神戸市が1日当たり2万台を本件変更決定の基礎としたことは合理的である。 これに対し、原告らは、上記調査は、国土交通省が平成27年度に実施した交通量調査の結果(1日当たり1万4827台)と懸け離れ たり2万台を本件変更決定の基礎としたことは合理的である。 これに対し、原告らは、上記調査は、国土交通省が平成27年度に実施した交通量調査の結果(1日当たり1万4827台)と懸け離れ た数値となっており信用性がないと主張する。しかし、実施日時が異 なれば調査結果が異なることは不自然ではない上に、上記数値は12時間調査の結果に原告らの主張する昼夜率(係数)を乗じたものであって地域の実態を正確に反映したものとはいえないから、原告らの上記主張を採用することはできない。 また、原告らは、神戸市は本件変更決定に際し、国土交通省が平成 27年度に実施した交通量調査の結果(日中交通量1万1065台)を採用すべきであったと主張する。しかし、同調査は本件変更決定の直前である平成27年11月19日に実施されており、同調査の結果を本件変更決定の基礎とすることは事務処理上現実的でない。加えて、同調査は神戸市とは異なる行政機関が実施したものであって、本件事 業に関して実施されたものではないから、上記調査の結果を反映させるために神戸市が本件変更決定を当面控えなければならない義務を負っていたということもできない。そうすると、神戸市が同調査を本件変更決定の基礎としなかったことは不合理ではない。 したがって、神戸市が天井川左岸線の現況交通量を1日当たり2万 台としたことが不合理であるということはできない。 b 予測交通量証拠(乙7)によれば、天井川左岸線の交通量は、1日当たり1万7048台(平成28年度)、1万6960台(平成29年度)、1万7504台(平成30年度)、1万6045台(令和元年度)、1万6 430台(令和2年度)であったことが認められる。なお、原告らは日中交通量から2 年度)、1万6960台(平成29年度)、1万7504台(平成30年度)、1万6045台(令和元年度)、1万6 430台(令和2年度)であったことが認められる。なお、原告らは日中交通量から24時間交通量を推計する場合に平成25年度調査における日中交通量と24時間交通量の比を用いることは妥当でないと主張するが、平成25年度調査の時点から日中交通量と24時間交通量の比率が変わったとする具体的な裏付けはなく、他に適切な24時 間交通量調査の結果がないことからすれば、上記主張は採用すること ができない。 神戸市は、本件道路を整備しない場合の天井川左岸線の平成37年における交通量を1日当たり1万6000台と予測したが、上記調査結果によれば、この予測結果は合理的なものといえる。 (イ) 本件変更決定に裁量権の範囲の逸脱又は濫用が認められるか 上記(ア)のとおり、天井川左岸線の現況交通量及び平成37年における予測交通量は、いずれも設計基準交通量(1万2000台以下)を大きく上回っている。外部機関からも、天井川左岸線沿線の須磨橋東詰交差点、本件踏切及び離宮公園前交差点が渋滞の発生箇所と認定されている(上記ア(オ))。以上の事情に照らすと、本件変更決定当時、天井川左 岸線の交通量が将来的に減少すると予想されていたことを考慮しても、天井川左岸線の渋滞を解消する必要性があったと認められる。 上記渋滞を解消する方策としては、本件道路の整備以外に、①本件踏切を立体交差化すること、②天井川左岸線を拡幅し、車線数を現状の2から4に増やすことが想定される。しかし、天井川左岸線は、西側に河 川及び阪神高速道路の橋脚、東側に民地が近接し(甲C26、甲D65、66、弁論の全趣旨)、日中交通量は平成27年度 を現状の2から4に増やすことが想定される。しかし、天井川左岸線は、西側に河 川及び阪神高速道路の橋脚、東側に民地が近接し(甲C26、甲D65、66、弁論の全趣旨)、日中交通量は平成27年度調査においてすら1万1065台(上記ア(イ)b)と少なくなく、立体交差化工事や拡幅工事を行おうとすれば、用地買収、長期かつ大規模な交通規制、工事に必要な仮設道路の整備等を要し、そのためには相応の経済的負担及び時間を 要するものと考えられる(甲A75、乙15、16)。 他方、本件事業の用地買収が99%完了していること(弁論の全趣旨)を踏まえると、少なくとも本件道路の整備に要する費用及び時間が、天井川左岸線の立体交差化や拡幅工事に比べて有意に大きいとは考え難い。さらに、中央幹線が主要幹線道路であること及び本件道路が離宮公 園前交差点と中央幹線の間を接続するものであること(前提事実⑵)に 照らすと、本件道路の整備は、他の都市計画道路と併せて主要幹線道路のネットワークを一体的かつ総合的に形成すること、具体的には、垂水区北部と須磨区南部市街地の間の移動時間を短縮するとともに、災害時の避難路や緊急輸送道路としての役割を果たすといった、天井川左岸線の立体交差化や拡幅工事では達成することのできない利点を有するも のと考えられる(乙4~6、14、弁論の全趣旨)。 以上検討したところによれば、神戸市が、本件道路を整備する方針を維持した本件変更決定に、裁量権の逸脱又は濫用があるとは認められない。 (ウ) 原告らのその余の主張について a 原告らは、本件道路の整備により西須磨地域内の交通量の総量が増大し、沿道環境も悪化すると主張する。しかし、個別の道路の混雑は各道路の幅員及び交通量に応じて決まるものであり、 ついて a 原告らは、本件道路の整備により西須磨地域内の交通量の総量が増大し、沿道環境も悪化すると主張する。しかし、個別の道路の混雑は各道路の幅員及び交通量に応じて決まるものであり、交通量の総量が増大することから直ちに各道路が混雑するということはできない。沿道環境の悪化の点は、後記⑷で検討する。 b 原告らは、神戸市は、本件変更決定に際し、本件道路を整備した場合の将来の予測交通量と本件道路を整備しない場合の将来の予測交通量を比較検討すべきであると主張する。しかし、神戸市は、そもそも、本件道路を整備しない場合の将来の予測交通量(1万6000台)が天井川左岸線の設計基準交通量を上回り、交通渋滞が解消されない可 能性が高いことを本件事業の必要性の根拠としているのであるから、原告らの上記主張は本件道路の整備の必要性を否定する事情には当たらない。 c 原告らは、本件道路の整備により離宮公園前交差点の信号が複雑化することで、天井川左岸線の渋滞はかえって悪化すると主張する。し かし、中央幹線が主要幹線道路であること、本件道路が離宮公園前交 差点と中央幹線の間を高架道路で接続するものであること(前提事実⑵)、離宮道は片側1車線の道路であること(甲C26、乙11)を踏まえると、本件道路の整備により自動車交通の流れが変動し、離宮公園前交差点が実質的には須磨多聞線と神戸明石線が交差する十字路になるという神戸市の予測(乙29)が不合理であるとはいえない。原 告らの上記主張を採用することはできない。 d 原告らは、原告Fが撮影した天井川左岸線の写真(甲C26)を根拠に、天井川左岸線に渋滞はないと主張し、同原告はこれに沿う供述をする。しかし、これらの証拠から認められる事実は特定の日時に天井川左 d 原告らは、原告Fが撮影した天井川左岸線の写真(甲C26)を根拠に、天井川左岸線に渋滞はないと主張し、同原告はこれに沿う供述をする。しかし、これらの証拠から認められる事実は特定の日時に天井川左岸線の通行量が少なかったというものにとどまり、天井川左岸 線の渋滞傾向が原告らの主張のとおりであると推認することまではできない。 (エ) 小括したがって、主要幹線道路ネットワークの形成の必要性の点について、神戸市が行った本件変更決定にその裁量権の範囲の逸脱又は濫用があっ たとは認められない。 ⑷ ㋑周辺環境への影響ア検討すべき事項(ア) 都市計画法13条1項11号は、都市施設に係る都市計画は、土地利用、交通等の現状及び将来の見通しを勘案して、適切な規模で必要な位 置に配置することにより、円滑な都市活動を確保し、良好な都市環境を保持するように定めることを規定し、環境基本法8条1項は、事業者は、事業に伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有することを規定する。 環境基本法36条は、地方公共団体は、同法第五節に定める国の施策 に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた環境の保全のために必要な施策を、これらの総合的かつ計画的な推進を図りつつ実施するものと規定する。そして、神戸市は、神戸市民の環境をまもる条例を制定し、同条例に基づいて、平成23年2月に神戸市環境基本計画(現・神戸市環境マスタープラン)を策定している。 神戸市環境基本計画は、二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、光化学オキシダント、浮遊粒子状物質、PM2.5、騒音について常時環境基準を達成することを定めている( スタープラン)を策定している。 神戸市環境基本計画は、二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、光化学オキシダント、浮遊粒子状物質、PM2.5、騒音について常時環境基準を達成することを定めている(乙42〔55、56頁〕)。 以上のような法令等の定めに照らすと、本件道路に係る本件変更決定は、神戸市環境基本計画に適合することが要請されるというべきである。 (イ) なお、本件変更決定前の本件道路は、4車線・521mの道路であるから、環境影響評価法ないし環境影響評価条例により環境影響評価の実施が義務付けられるものではない(環境影響評価法2条2項1号、同法施行令1条、別表第一1号ホ、環境影響評価条例2条、同施行規則3条、別表1号)。 イ検討(ア) 本件環境影響評価の手続の適正上記ア(イ)のとおり、本件道路は環境影響評価の実施が法令上義務付けられるものではないため、神戸市が行った環境影響評価の手続に仮に瑕疵があったとしても、そのことが直ちに本件変更決定の違法性を基礎 付けるものとはいえない。 しかし、神戸市は環境影響評価条例に沿った環境影響評価を実施したと主張しており、実質的に適正な手続によって行われた環境影響評価に基づいて本件変更決定がされたことは、その違法性に係る原告らの主張を積極的に否定し得る事情といえることから、本件環境影響評価が環境 影響評価条例の規定する手続に従って行われているか否かを検討する。 a 認定事実後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 (a) 環境影響評価実施計画書(以下「実施計画書」という。)神戸市は、平成25年8月30日までに実施計画書を作成し、神戸市長に提出した。神戸市長は、同日から同年 が認められる。 (a) 環境影響評価実施計画書(以下「実施計画書」という。)神戸市は、平成25年8月30日までに実施計画書を作成し、神戸市長に提出した。神戸市長は、同日から同年10月15日までの 間、実施計画書を縦覧に供した。(甲B5)神戸市は、平成25年9月20日、現地相談所を開設する形で、実施計画書の説明会を開催した。(甲B5、甲D1〔19頁〕、甲D2〔54頁〕)神戸市は、神戸市長から実施計画書に関する住民からの意見書 の送付を受け、これに対する神戸市の見解を記載した書類を作成した。(甲B29〔4-5~4-10〕)神戸市長は、学識経験者から意見を聴いた上で、実施計画書に係る市長意見書を作成した。(甲B29〔4-1、4-2〕)(b) 環境影響評価書案(以下「評価書案」という。) 神戸市は、平成26年2月28日までに評価書案を作成し、神戸市長に提出した。神戸市長は、同日から同年4月14日までの間、評価書案を縦覧に供した。(甲B6)神戸市は、平成26年3月18日、評価書案の説明会を開催した。(甲B6、甲D1〔19頁〕、甲D2〔55頁〕) 神戸市は、神戸市長から評価書案に関する住民からの意見書の送付を受け、これに対する神戸市の見解を記載した書類を作成した。(甲B29〔4-11~4-16〕)神戸市長は、学識経験者から意見を聴いた上で、評価書案に係る市長意見書を作成した。(甲B29〔4-3~4-5〕) (c) 神戸市は、平成26年8月、評価書案に係る市長意見書の送付を 受け、環境影響評価書(以下「本件評価書」という。)を作成した。 (甲B29)b 検討(a) 神 (c) 神戸市は、平成26年8月、評価書案に係る市長意見書の送付を 受け、環境影響評価書(以下「本件評価書」という。)を作成した。 (甲B29)b 検討(a) 神戸市及び神戸市長は、本件環境影響評価に当たり、実施計画書の作成(環境影響評価条例9条)、縦覧(同10条2項)、説明会の 開催(同10条の2)、住民から提出された意見に係る見解書の作成(同11条の2)、市長意見書の作成(同12条)、評価書案の作成(同14条)、縦覧(同15条)、説明会の開催(同16条)、住民から提出された意見に係る見解書の作成(同20条)、市長意見書の作成(同21条)を行っており、環境影響評価条例が定める手 続を概ね履践しているということができる。 (b) これに対し、原告らは、本件環境影響評価は、住民と実質的な協議を経ずに行われていると主張する。しかし、神戸市は環境影響評価条例の定める縦覧、説明会の実施、住民からの意見の提出等の手続を取っていることからすれば、原告らの主張は採用することが できない。 原告らは、神戸市は実施計画書の要約書(環境影響評価条例10条1項)を作成していないと主張し、確かに上記要約書は作成されていない。しかし、要約書は縦覧の際に閲覧する者の理解の便宜のために作成されるものにすぎないから、要約書を作成していない ことから本件評価書の内容が不当であると推認することはできない。そうすると、上記要約書が作成されていないことをもって、環境影響評価が実質的に適正な手続によって行われていないと評価することはできない。 原告らは、神戸市が中立性を欠く学識経験者からしか意見を聴 取しておらず、環境部局や環境影響評価審査会の関与もないと主 張する。し れていないと評価することはできない。 原告らは、神戸市が中立性を欠く学識経験者からしか意見を聴 取しておらず、環境部局や環境影響評価審査会の関与もないと主 張する。しかし、神戸市は複数の大学の学識者から意見を聴取しており(甲B32)、これらの意見が中立性を欠くとする具体的裏付けはない。また、神戸市が環境影響評価を実施するに当たりノウハウを有する環境部局が関与しなかったとは考え難いところ、環境部局が関与しなかったことを示す的確な証拠はないことからすれ ば、原告らの上記主張は採用することができない。 (イ) 本件環境影響評価の評価手法の妥当性本件環境影響評価は、専門家が環境保全の見地から神戸市が作成した実施計画書及び評価書案について意見を述べ、神戸市はこれを踏まえる形で同評価を実施するとともに評価書を作成するという方法で行われた と認められる(甲29〔4-1~4-4〕)。そして、上記専門家の意見は合理的なものと認められ、これを否定する原告らの主張は下記のとおりいずれも採用することができないから、本件環境影響評価の評価手法は妥当ということができる。 a 原告らは、本件環境影響評価が一酸化炭素、光化学オキシダント、 PM2.5を調査項目としていない点が不適切であると主張する。しかし、本件環境影響評価の実施計画書及び評価書案に付された学識経験者の意見は、大気汚染に係る環境基準にPM2.5の基準値を追記すること、環境の概況を記した部分に一酸化炭素、光化学オキシダントに関する記載を追加することを指摘するにすぎず(甲B29〔4- 1〕)、環境影響評価においてこれらの項目を調査項目に追加することが必要不可欠であると認めるに足りる証拠はない。したがって、原告らの上記主張は採用するこ とを指摘するにすぎず(甲B29〔4- 1〕)、環境影響評価においてこれらの項目を調査項目に追加することが必要不可欠であると認めるに足りる証拠はない。したがって、原告らの上記主張は採用することができない。 b 原告らは、本件環境影響評価が大気質に関する現況調査を実施していない点が不適切であると主張する。しかし、実施計画書及び評価書 案に対して学識経験者からかかる指摘はなされておらず(甲B29〔4 -1、4-3〕)、環境影響評価において大気質の項目を調査項目に追加することが必要不可欠であると認めるに足りる証拠はない。したがって、原告らの上記主張は採用することができない。 c 原告らは、本件環境影響評価が騒音に関し、現実の居住空間に与える悪影響・負の影響の度合い(インパクト値)を検討していない点が 不適切であると主張する。しかし、実施計画書及び評価書案に対して学識経験者からかかる指摘はなされておらず(甲B29〔4-1~4-4〕)、環境影響評価においてインパクト値を検討することが必要不可欠であると認めるに足りる証拠はない。したがって、原告らの上記主張は採用することができない。 d 原告らは、本件環境影響評価は騒音に関し、信頼性を有しない環境保全措置を採用したものであると主張する。しかし、本件環境影響評価の採用する環境保全措置(排水性舗装、遮音壁の設置)(甲B29〔7-2-20〕)は、国土交通省国土技術政策総合研究所及び独立行政法人土木研究所が作成した資料にも騒音に対する環境保全措置の例とし て記載があり(乙26)、本件事業における騒音の環境保全措置として不適切なものであると認めるに足りる証拠はないから、原告らの主張を採用することはできない。 e 原告らは、本件環境影響評価が交 て記載があり(乙26)、本件事業における騒音の環境保全措置として不適切なものであると認めるに足りる証拠はないから、原告らの主張を採用することはできない。 e 原告らは、本件環境影響評価が交通事故の危険性を検討するに当たって、十分な交通量調査を実施していない点が不適切であると主張す る。しかし、学識経験者からは「過去に推計した交通量が、供用後の交通量と比較して大きな差がないことを確認すること」が指摘されるにとどまり(甲B29〔4-2〕)、平成22年度のセンサスを利用すること(甲B29〔3-30〕)が不合理であるという指摘はなされておらず、別の交通量調査を実施し、これに基づいて検討することが必 要不可欠であると認めるに足りる証拠はない。したがって、原告らの 上記主張は採用することができない。 f 原告らは、本件環境影響評価が景観への影響を検討するに当たって、住民の意見を把握する調査を実施していない点が不適切であると主張する。しかし、学識経験者からかかる指摘はなされておらず(甲B29〔4-4〕)、環境影響評価において景観に関する住民の意見を 把握する調査を実施することが必要不可欠であると認めるに足りる証拠はない。したがって、原告らの上記主張は採用することができない。 (ウ) 本件評価書の内容後掲各証拠によれば、本件評価書の内容は以下のとおりであると認められる。 a 大気汚染本件道路の工事実施時(建設機械の稼働、工事用車両の運行)と本件道路の完成後(平成37年予測)の両方について、本件道路周辺全ての予測地点において二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の数値が環境保全目標と整合し、粉塵による環境への影響も回避又は低減が図られて いることが確認された。(甲B29〔6-1 ついて、本件道路周辺全ての予測地点において二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の数値が環境保全目標と整合し、粉塵による環境への影響も回避又は低減が図られて いることが確認された。(甲B29〔6-1-31~33、51、67、77、105、106、7-1-22~37〕)b 騒音本件道路の工事実施時(建設機械の稼働、工事用車両の運行)については騒音値が全予測地点で環境保全目標と整合し、本件道路の完成 後については騒音値が①昼間は72地点中8地点で環境保全目標を超え、最大で3dB(環境保全目標60dBに対して63dB)目標を上回り、②夜間は73地点中4地点で環境保全目標を超え、最大で4dB(環境保全目標55dBに対して59dB)目標を上回ることが確認された。(甲B29〔6-2-27、28、41、77~79、7 -2-34~44〕) c 景観本件道路付近の8地点について景観の変化を予測・評価したところ、5地点について本件道路が景観に一定程度又は若干の圧迫感を与えるものと予測されたことから、景観に配慮したデザインを採用する環境保全措置を実施し、その結果、「可能な限り、施設の存在による影響の 低減に努めること。また、周辺景観との調和を損なわないこと。」という環境保全目標を満足するものと確認された。 (甲B29〔6-7―3、17~20、32、33〕)d その他①本件道路の工事実施時(建設機械の稼働、工事用車両の運行)及 び本件道路の完成後両方について、発生する振動レベルが全予測地点で環境保全目標に整合すること、②本件道路の完成により発生する低周波音が、大部分の地域住民の日常生活に支障を来さないことが、確認された。(甲B29〔6-3-26、27、41、56、57 が全予測地点で環境保全目標に整合すること、②本件道路の完成により発生する低周波音が、大部分の地域住民の日常生活に支障を来さないことが、確認された。(甲B29〔6-3-26、27、41、56、57、6-4-10、7-3-10・11〕) (エ) 本件変更決定の適法性以上検討したところによれば、①神戸市は、本件変更決定に先立ち、本件環境影響評価を実施したこと(上記(ア))、②本件環境影響評価は、環境影響評価条例、神戸市環境影響評価等技術指針が定める手法にのっとり、一般に確立された科学的な評価方法に基づき行われたこと(上記 (イ)、乙33、弁論の全趣旨)、③本件評価書は、本件道路整備後の二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の数値が環境保全目標と整合し、粉塵による環境への影響も回避又は低減が図られているとし、その他の大気汚染物質について問題があるとはしていないこと(上記(ウ)a)、④本件評価書は、本件道路整備後の騒音の予測値が一部地点で環境保全目標を満たさ ないものの、上回る幅は4dB以内に抑えられるとしていること(上記 (ウ)b)、⑤本件評価書は、本件道路が環境保全措置により周辺景観との調和を損なわないことを確認していること(上記(ウ)c)、⑥本件評価書は、低周波音及び振動による影響もないとしていること(上記(ウ)d)、⑦神戸市は、本件環境影響評価の結果を踏まえ、都市計画法所定の手続を経た上で、本件変更決定をしたこと(前提事実⑵エ)が認められる。 そうすると、本件変更決定は、本件道路の整備により事業地の周辺地域の生活環境に悪影響が生じることを防止するという観点から、本件評価書の内容にも十分配慮し、環境の保全について適切な配慮をしたものであり、神戸市環境基本計画にも適合するものであって、都市計 の周辺地域の生活環境に悪影響が生じることを防止するという観点から、本件評価書の内容にも十分配慮し、環境の保全について適切な配慮をしたものであり、神戸市環境基本計画にも適合するものであって、都市計画法をはじめとする関係法令(上記ア参照)の要請に反するものではない。本 件変更決定が考慮すべき事情を考慮せずにされたものということはできず、また、その判断内容に明らかに合理性を欠く点があるということもできない。 原告らは、平成25年度の須磨一般環境大気測定局におけるPM2. 5の測定結果(年平均値16.4μg/㎥)が環境省の定める環境基準 (年平均値15μg/㎥)を超過すること(甲B8〔2枚目〕、甲B29〔3-51〕、乙24)を指摘するが、上記事情は本件道路の造成による影響と無関係であり、このような高いPM2.5の測定結果をもたらした要因がその後も継続するか定かではない。さらに、原告らは、本件道路を造成した場合にPM2.5による大気汚染のリスクが増大すると主 張するが、上記データの存在をもって、本件道路の完成後に本件道路周辺においてPM2.5が環境基準を超過することになると認めることはできない(なお、本件環境影響評価がPM2.5を調査項目としていない点に瑕疵がないことは、上記(イ)aのとおりである。)。 ⑸ ㋒周辺住民の生活の安全 本件全証拠によっても、本件道路が道路法や道路構造令の定める技術的基 準に反するとは認められない。原告らは、①本件道路と千森川筋線、市道33号線との各交差部には信号機が設けられない予定となっているから、上記各交差点における交通事故の危険性が高まる旨主張するが、本件道路の整備が具体化した段階において兵庫県公安委員会が各交差点に信号機を設置する可能性は十分に考えられるか れない予定となっているから、上記各交差点における交通事故の危険性が高まる旨主張するが、本件道路の整備が具体化した段階において兵庫県公安委員会が各交差点に信号機を設置する可能性は十分に考えられるから、原告らの上記主張を採用することはできな い。原告らは、②本件道路の高架部分は地震等による倒壊の危険があるし、高架部分に勾配を伴った急カーブが存在するから重大事故が生じる高度の蓋然性があると主張するが、いずれも抽象的な可能性を主張するものにすぎない。原告らは、③本件道路の整備により、月見山本町2の交差点における交通事故の危険性が増大すると主張するが、これも抽象的な交通事故の危険性 を主張するものにすぎない。 そうすると、本件変更決定は、周辺住民の生活の安全に関し、重要な事実の基礎を欠くとも、その内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くとも認められないし、神戸市民の安全の推進に関する条例に反するとも認められない。 ⑹ ㋓地域コミュニティに与える影響原告らは、①本件道路により、本件道路の東側と西側で住民の往来が妨げられ、地域のコミュニティが分断され、また、②本件道路の整備により、中央幹線の押ボタン付横断歩道が撤去されれば(甲B20)、中央幹線の北側と南側で住民の往来が妨げられ、地域のコミュニティが分断されると主張する。 確かに、地域が通行量の多い道路で隔てられた場合、それがない場合に比べて往来が困難となり、心理的な距離感も生じ得ることは否定することができない。しかし、本件道路が整備されたとしても、①前提事実⑶によれば、市道33号線の通行により住民の東西の往来は可能であるし、②神戸市は撤去見込みの横断歩道の箇所への地下道の設置を具体的なものとして検討して おり(甲B21〔2枚目〕)、地下道には一 によれば、市道33号線の通行により住民の東西の往来は可能であるし、②神戸市は撤去見込みの横断歩道の箇所への地下道の設置を具体的なものとして検討して おり(甲B21〔2枚目〕)、地下道には一定の安全対策を講じることも可能 であると考えられるから、本件道路の整備により中央幹線の南北の住民の往来が直ちに妨げられるとはいえない。コミュニティはその構成員が交流することで維持されるところ、上記の事情からすれば、本件道路の東西及び中央幹線の南北の人々が望めば引き続き交流を維持することができる状況であるから、本件道路の整備がコミュニティの分断を招来するものとはいえず、原 告らの主張は採用することができない。 ⑺ ㋔神戸市と本件自治会の間の本件合意の主張についてア認定事実後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 (ア) 神戸市都市計画局工務課課長(当時)のGと、本件自治会会長(当時) の原告Hは、平成12年12月29日、以下の内容が記載された確認書と題する書面(以下「本件確認書」という。)を作成、署名し、個人名の印章で押印をした。 「今般、a町b丁目自治会より、神戸市長 I様宛、提出します「a町b丁目自治会内中央幹線恒久整備案・基本構想」のうち『⑤神戸市と 当自治会住民との協働によって整備された道路が完成した後、将来、状況の変化により、道路等の形状を変更する必要が生じたときは、事前に当自治会と話し合いを行い、理解と協力を得ることとする』の意味するところについては、『本案が実施され整備が完成した後は、当自治会と事前協議を行い同意を得ることなしに道路等の形状を変更しないこと』と 解釈することを、a町b丁目自治会と神戸市都市計画局工務課との事務折衝での議事の中で、双方が認めたことを た後は、当自治会と事前協議を行い同意を得ることなしに道路等の形状を変更しないこと』と 解釈することを、a町b丁目自治会と神戸市都市計画局工務課との事務折衝での議事の中で、双方が認めたことを、ここに確認します。」(甲B22)(イ) 本件自治会は、平成13年2月18日開催の臨時総会において、a町b丁目自治会内中央幹線恒久整備案・基本構想(以下「本件基本構想」 という。)を機関決定し、同日、その旨を神戸市長に通知し、本件基本構 想に基づく「協働のまちづくり」の実践を求めた。本件基本構想のうち、①は「当自治会内の中央幹線恒久整備案を『2車線で、緑とうるおいのある道』として策定するものとする。」というもの、⑤は本件確認書が引用するとおりの内容である。(甲C9、甲D17)(ウ) 神戸市長(当時)のIは、平成13年2月23日、上記(イ)に対し、「別 紙要望書⑤について将来、道路管理上緊急的な対応が必要な場合を除き、状況の変化等により道路の形状を変更する必要が生じた際には、関係自治会等に説明を行い、ご理解とご協力を得て実施します。」と書面で回答した。同書面には、「神戸市長之印」という印影があり、「神都計工第1542号」との記載がある。(甲B23、甲D17) (エ) 神戸市都市計画総局計画部工務課課長(当時)のJは、本件自治会会長兼K協議会会長(当時)のLに対し、平成18年1月8日、「誓約書」と題する書面(以下「本件誓約書」という。)を作成し、差し入れた。本件誓約書には「私ども、神戸市都市計画総局計画部工務課職員は、平成13年2月23日付、神都計工第1542号による、神戸市長から貴自 治会会長への文書の内容を遵守し、貴自治会・協議会が神戸市長に提出・合意した、中央幹線整備計画の内容を、貴自治会・協議 、平成13年2月23日付、神都計工第1542号による、神戸市長から貴自 治会会長への文書の内容を遵守し、貴自治会・協議会が神戸市長に提出・合意した、中央幹線整備計画の内容を、貴自治会・協議会に正確な情報を提供することなく無断で変更等しないこと、並びに、やむを得ず、変更の必要性があるときは、必ず事前に貴自治会・協議会と誠意を持って協議することをここに誓約いたします。また、今回既に施工された、中 央幹線離宮道交差点の道路形状変更部分については、早急に施工以前の状態に復することも、併せて誓約いたします。」と記載されている。(甲B25)(オ) 神戸市は、平成19年11月12日、原告Fらが申し立てた公害紛争処理法に基づく調停の期日において、須磨多聞線に関し、「基本的な姿勢 は4車線整備で変わっていないが、地元の理解と協力を得て進めていく のは当然であり、理解と協力が得られなければ整備しない。」と発言した(以下「本件発言」という。)。(甲D3〔99、100頁〕、甲D34)イ検討(ア) 上記ア(イ)のとおり、本件基本構想は、本件自治会が機関決定し、神戸市に対してこれに基づいてまちづくりを行うよう求める内容を記載した 文書であるところ、本件確認書は、その文言(上記ア(ア))に照らせば、神戸市都市計画局工務課課長と本件自治会の間で、同自治会の神戸市に対する上記要求内容をどのように解釈するかという点について合意したものと解される。そうすると、本件確認書を基に、神戸市と本件自治会との間に、中央幹線の形状変更につき事前に本件自治会の同意が必要で ある旨の合意が成立したと認めることはできない。 (イ) 上記ア(エ)のとおり、本件誓約書は、①神戸市が、中央幹線整備計画の内容を変更する場合、本件自治会に情報を に本件自治会の同意が必要で ある旨の合意が成立したと認めることはできない。 (イ) 上記ア(エ)のとおり、本件誓約書は、①神戸市が、中央幹線整備計画の内容を変更する場合、本件自治会に情報を提供し、本件自治会と協議すること、②神戸市が行った中央幹線と離宮道の交差点の形状変更について、施工以前の状態に復することを誓約する内容である。そうすると、 神戸市都市計画総局計画部工務課課長は、本件誓約書によって、中央幹線の形状変更をする場合に本件自治会と事前に協議することを誓約したにすぎず、事前に本件自治会の同意を得ることまでも誓約したと認めることはできない。 (ウ) 本件発言は、本件道路を4車線で整備するか否かというやり取りの中 で出た発言であるから(甲D34)、「地元住民の理解と協力が得られない限り、本件道路を4車線で整備しない」という趣旨の発言と理解することもできる。そうすると、本件発言は、本件変更決定の適法性を左右するものではない。 ウ小括 以上によれば、神戸市が本件自治会との間で、本件自治会から事前に同 意を得ることなく中央幹線の形状変更をすることができないという合意をしたと認めることはできないから(なお、神戸市は、本件変更決定に先立ち、都市計画変更案を縦覧に供し、説明会を開催している(甲B9)。)、原告らの主張は前提を欠き、採用することができない。 ⑻ ㋕費用便益分析 神戸市は、本件道路を建設することについての費用便益分析を、平成20年に実施している(甲A23)が、その後は実施していない(弁論の全趣旨)。 この点について原告らは、M大学のN教授の意見書(甲D74、以下「N意見書」という。)を根拠に、神戸市が本件変更決定に際して費用便益分析を実施していないことは、本件変更決定の ない(弁論の全趣旨)。 この点について原告らは、M大学のN教授の意見書(甲D74、以下「N意見書」という。)を根拠に、神戸市が本件変更決定に際して費用便益分析を実施していないことは、本件変更決定の違法事由に当たると主張する。 N意見書は、①費用便益分析は、社会的な便益と費用を貨幣価値として算定・評価することにより、両者を比較し、両者の差である社会的純便益がプラスになるかを可視化できる点で、重要な意義を持つが、観察することのできない満足・不満足を金額に置き換えて算定・評価するという事柄の性質上、分析が多くの前提や仮定に依存せざるを得ないし、社会的な便益・費用の全 てを分析対象に含めることも困難であるとした上で(甲D24〔1、2頁〕)、②神戸市が平成20年に実施した費用便益分析は、その後の人口動態や交通量の変化といった実態を反映しておらず、当時想定していた将来人口や将来交通量の予測がどこまで現実を反映できていたのか、事後検証があってしかるべきであると指摘している(甲D74{8頁})。 そうすると、N意見書を前提としても、本件道路を建設することによる便益と費用を適切に考慮することが要請されるにとどまり、費用便益分析を実施していないこと自体が本件変更決定の違法事由になると考えることはできない。そして、上記にいう便益と費用の適切な考慮とは、結局のところ、本件変更決定が、その基礎とされた重要な事実に誤認があるか否か、事実に対 する評価が明らかに合理性を欠くか否か、判断の過程において考慮すべき事 情を考慮したか否かといった観点から、神戸市の裁量権行使が著しく妥当性を欠くものと認められるかを検討すること(上記⑵)と異ならないというべきである。 ⑼ ①本件変更決定の適法性まとめ以上より、本件変更 か否かといった観点から、神戸市の裁量権行使が著しく妥当性を欠くものと認められるかを検討すること(上記⑵)と異ならないというべきである。 ⑼ ①本件変更決定の適法性まとめ以上より、本件変更決定が重要な事実の基礎を欠く、又は、内容が社会通 念に照らし著しく妥当性を欠くとは認められないから、本件変更決定は適法である。 なお、原告らは、本件変更決定に先行する公害紛争調停の事実経過を本件変更決定の違法性を基礎付ける事情として主張する。しかし、本件変更決定の適法性は、上記⑵の説示のとおり、重要な事実の基礎を欠く又はその内容 が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くといえるか否かで決すべきものであるから、公害紛争調停に係る事情が本件変更決定の適法性を左右するということはできない。 ⑽ ②本件各財務会計行為固有の違法事由の有無ア本件支出命令の適法性について(第1・1⑴の請求関連) (ア) 本件契約1は、本件道路と市道33号線との交差部に信号機を設置することになったこと(弁論の全趣旨)を受け、「交差点計画の修正が生じたことから交差点詳細設計が増工となる」ことを理由に変更契約が締結されている(甲A36)。原告らは、かかる変更は、渋滞の解消という本件道路を建設する目的に反するものであると主張するが、信号機の設置 が直ちに交差点の渋滞を引き起こすとはいえないから、原告らの上記主張を採用することはできない。 (イ) 本件契約1は、「橋梁施工計画策定において中央幹線現道の通行確保のため、土留め工設計、特殊支保工設計が増工となる」ことを理由に変更契約が締結されている(甲A36)。原告らは、契約締結後にかかる変 更が必要となるのは不自然であると主張するが、橋台や橋脚の建設工事 について細部を検討する中 なる」ことを理由に変更契約が締結されている(甲A36)。原告らは、契約締結後にかかる変 更が必要となるのは不自然であると主張するが、橋台や橋脚の建設工事 について細部を検討する中で変更が必要となることは十分あり得るといえるから、原告らの上記主張を採用することはできない。 (ウ) 原告らは、「その他、現場精査により数量の増減が生じる。」こと(甲A36)は本件契約1増額変更契約を締結する理由にならないと主張する。しかし、上記記載のある文書は、西部建設事務所の副所長が神戸市 道路部工務課長に宛てて本件契約1の設計変更を依頼した書面であり、設計変更の理由の全てを記載する必要のある文書とは認められない。上記記載は主要な変更理由5項目に続けて記載されているものにすぎない(甲A36)から、原告らの上記主張を前提としても、他の理由により本件契約1増額変更契約の締結の合理性が基礎付けられている以上、 同契約の締結が違法であるということはできない。 (エ) したがって、本件契約1増額変更契約の締結が違法であるとは認められないから、原告らの主張を採用することはできない。 イ本件契約2の締結の適法性について(第1・1⑵の請求関連)(ア) 認定事実 a 神戸市長は、令和元年11月27日、本件契約2の締結に係る一般競争入札につき、必要事項の公告を実施した。予定価格が4553万7000円、最低価格が4031万6900円に設定された。(甲A40)b 令和元年12月11日から12日までの間、上記入札が行われ、同 月13日に開札したところ、予定価格内で入札したものがおらず、応札者なしのため入札中止となった。なお、株式会社Dは、5884万円で入札していた。(甲A40)c 神戸市長は、令和元年12 月13日に開札したところ、予定価格内で入札したものがおらず、応札者なしのため入札中止となった。なお、株式会社Dは、5884万円で入札していた。(甲A40)c 神戸市長は、令和元年12月13日、再度の入札を実施し、同月16日に開札したが、応札者なしのため入札中止となった。(甲A40) d 神戸市は、令和2年1月22日、随意契約により、株式会社Dと本 件契約2を請負代金額5009万0700円(消費税等込み。消費税等を控除した額は4553万7000円。)で締結した。(甲A41~44)(イ) 検討上記(ア)の事実によれば、神戸市は、本件契約2の締結に当たり、一般 競争入札を適法に実施したものの、再度の入札に対し落札者がなかったことから、本件契約2を随意契約により締結しており、これは、地方自治法234条2項、地方自治法施行令167条の2第1項8号に基づく適法なものである。 原告らは、一般競争入札における入札金額よりも800万円以上安い 金額かつ神戸市の予定価格と同額で契約が締結され、その後増額変更された経緯(前提事実⑷イ)に照らすと、契約締結段階から追加料金の支払を予定して契約を締結した可能性があると主張する。しかし、本件契約2の変更理由とされている、歩道の舗装の変更、民地内復旧等に伴う擁壁工及び防護柵工の増工、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急 事態宣言発令により土地所有者との協議に時間を要し、擁壁の着工が想定より遅れたこと(甲A49)が、着工後に生じたこと、これらによる増額が落札価格の約5分の1に上ることはいずれも不合理であるとまではいえないから、原告らの主張を採用することはできない。 ⑾ まとめ 上記⑵~⑼のとおり、本件変更決定は適法であり、上 増額が落札価格の約5分の1に上ることはいずれも不合理であるとまではいえないから、原告らの主張を採用することはできない。 ⑾ まとめ 上記⑵~⑼のとおり、本件変更決定は適法であり、上記⑽のとおり、本件各財務会計行為に固有の違法事由も認められないから、その余の点を検討するまでもなく、本件対象行為はいずれも適法である。 7 原告A及び別紙4記載の者について⑴ 記録によれば、原告A(別紙2記載45)は、令和▲年▲月▲日に死亡し たことが明らかである。住民訴訟である本件訴訟は、原告が死亡した場合に おいてこれを承継する余地がなく当然に終了するものと解すべきであるから、同原告に関する部分は同原告の死亡により終了したことを宣言することとする。 ⑵ 記録によれば、別紙4記載の者は、原告として本件訴えを提起したが、訴状送達前である令和2年12月19日に訴えの取下書を当裁判所に提出した ことが認められる。これらの者はその後取下書を撤回する旨の書面を提出しているものの、上記訴えの取下げが錯誤や詐欺等によるものであるとは認められない以上、上記訴えの取下げについて撤回や取消しは認められない(これらの者が当事者目録に記載されている訴状訂正申立書が期日で陳述されたことあるいは裁判所がその陳述を訂正することなく認めたことにより、上記 訴えの取下げの撤回あるいは取消しが認められるものではない。)。したがって、本件訴訟のうち別紙4記載の者に関する部分は上記訴えの取下げにより終了したものであるが、記録上上記訴状訂正申立書の陳述が存在することから、念のため、以上の点を付記する。 8 結論 以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、原告Aにつき訴訟終了宣言をし、その余の原告らの請求はいずれも理 述が存在することから、念のため、以上の点を付記する。 8 結論 以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、原告Aにつき訴訟終了宣言をし、その余の原告らの請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとして、主文のとおり判決する。 神戸地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官野上あや 裁判官鈴鹿祥吾 裁判官関根隆朗 別紙3関係法令の定め 1 都市計画法(平成29年法律第26号による改正前のもの)(都市計画基準) 第13条都市計画区域について定められる都市計画(区域外都市施設に関するものを含む。次項において同じ。)は、国土形成計画、首都圏整備計画、近畿圏整備計画、中部圏開発整備計画、北海道総合開発計画、沖縄振興計画その他の国土計画又は地方計画に関する法律に基づく計画(当該都市について公害防止計画が定められているときは、当該公害防止計画を 含む。第3項において同じ。)及び道路、河川、鉄道、港湾、空港等の施設に関する国の計画に適合するとともに、当該都市の特質を考慮して、次に掲げるところに従つて、土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを、一体的かつ総合的に定めなければならない。この場合にお いては、当該都市における自然的環境の整備又は保全に配慮しなければならない。 一~十 (略)十一都市施設は、土地 要なものを、一体的かつ総合的に定めなければならない。この場合にお いては、当該都市における自然的環境の整備又は保全に配慮しなければならない。 一~十 (略)十一都市施設は、土地利用、交通等の現状及び将来の見通しを勘案して、適切な規模で必要な位置に配置することにより、円滑な都市活動を確 保し、良好な都市環境を保持するように定めること。この場合において、市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、公園及び下水道を定めるものとし、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域及 び準住居地域については、義務教育施設をも定めるものとする。 十二~十九 (略)2~6 (略) 2 環境基本法(地方公共団体の責務)第7条地方公共団体は、基本理念にのっとり、環境の保全に関し、国の施策に 準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (事業者の責務)第8条事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、 又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。 2~4 (略)(国の施策の策定等に当たっての配慮)第19条国は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境の保全について配慮しなければならない。 (環境影響評価の推進)第20条国は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業 全について配慮しなければならない。 (環境影響評価の推進)第20条国は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進す るため、必要な措置を講ずるものとする。 第36条地方公共団体は、第五節(註:第19条~第31条)に定める国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた環境の保全のために必要な施策を、これらの総合的かつ計画的な推進を図りつつ実施するものとする。この場合において、都道府県 は、主として、広域にわたる施策の実施及び市町村が行う施策の総合調 整を行うものとする。 3 神戸市環境影響評価等に関する条例(神戸市平成9年条例第29号、乙38)(以下「環境影響評価条例」という。)(定義)第2条この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定める ところによる。 ⑴ (略)⑵ 第1類事業次に掲げる事業の種類のいずれかに該当する1の事業であって、環境に影響を及ぼすおそれがあるものとして規則で定めるものをいう。(略) ア道路の建設イ~チ (略)⑶~⑺ (略)(事前配慮に係る市長意見書の作成等)第8条の7 (略) 2 市長は、前項の規定により事前配慮に係る市長意見書を作成するに当たっては、必要に応じ、審査会の意見を聴くものとする。 3~5 (略)(実施計画書の作成)第9条事業者(略)は、対象事業に係る環境影響評価を行うに当たっては、環境 影響評価等技術指針に基づき、次に掲げる 、審査会の意見を聴くものとする。 3~5 (略)(実施計画書の作成)第9条事業者(略)は、対象事業に係る環境影響評価を行うに当たっては、環境 影響評価等技術指針に基づき、次に掲げる事項を記載した環境影響評価実施計画書(以下「実施計画書」という。)を作成しなければならない。 ⑴~⑹ (略) 2 (略)(実施計画書の提出等) 第10条事業者は、前条第1項の規定により実施計画書を作成したときは、当 該実施計画書及びこれを要約し平易に記載した書類(次項において「要約書」という。)を市長に提出しなければならない。 2 市長は、前項の規定による提出があったときは、速やかに関係地域を定め、当該実施計画書の提出があった旨及び当該関係地域の範囲を公告し、当該実施計画書及び要約書の写しを当該公告の日から起算して45 日間公衆の縦覧に供するものとする。 3 (略)(実施計画書についての説明会の開催等)第10条の2 事業者は、実施計画書の周知を図るため、前条第2項の公告の日から起算して30日以内に、同項の規定により定められた関係地域 の住民に対し、説明会を開催しなければならない。 2 (略)(実施計画書についての意見の提出等)第11条実施計画書について環境の保全の見地からの意見を有する者は、第10条第2項の縦覧期間内に、規則で定めるところにより、その氏名及び 住所(法人にあってはその名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)並びに当該意見を市長に提出することができる。 2 市長は、前項の規定による提出があったときは、速やかに、その写しを当該事業者に送付するものとする。 (実施計画書に係る見解書の作成等) 第11条の2 事業者は、前条第2項の規定により写しの送付 は、前項の規定による提出があったときは、速やかに、その写しを当該事業者に送付するものとする。 (実施計画書に係る見解書の作成等) 第11条の2 事業者は、前条第2項の規定により写しの送付を受けたときは、これらの意見に配意して実施計画書の記載事項について検討を加え、次に掲げる事項を記載した事業者の見解を記載した書類(次項において「実施計画書に係る見解書」という。)を作成しなければならない。 ⑴~⑷ (略) 2 (略)(実施計画書に係る市長意見書の作成等)第12条市長は、第10条第1項の規定による実施計画書の提出があった日から規則で定める期間内に、第11条第1項の意見に配意し、実施計画書について環境の保全の見地からの意見を記載した書類(以下この条及び 次条において「実施計画書に係る市長意見書」という。)を作成するものとする。 2 第8条の7第2項から第5項までの規定は、前項の実施計画書に係る市長意見書について準用する。この場合において、これらの規定中「事前配慮」とあるのは、「第12条第1項の実施計画書」と読み替えるもの とする。 (評価書案の作成)第14条事業者は、前条第2項の規定により対象事業に係る環境影響評価を行った後、環境影響評価等技術指針に基づき、当該環境影響評価の結果に係る次に掲げる事項を記載した環境影響評価書案(以下「評価書案」とい う。)を作成しなければならない。 ⑴~⑼ (略)(評価書案の提出等)第15条事業者は、前条の規定により評価書案を作成したときは、速やかに、当該評価書案及びこれを要約し平易に記載した書類(次項において「要約 書」という。)を市長に提出しなければならない。 2 市長は、前項の規定による提出があ 評価書案を作成したときは、速やかに、当該評価書案及びこれを要約し平易に記載した書類(次項において「要約 書」という。)を市長に提出しなければならない。 2 市長は、前項の規定による提出があったときは、速やかに、関係地域を定め、当該評価書案の提出があった旨及び当該関係地域の範囲を公告し、当該評価書案及び要約書の写しを当該公告の日から起算して45日間公衆の縦覧に供するものとする。 3 (略) (評価書案についての説明会の開催等)第16条事業者は、評価書案の周知を図るため、前条第2項の公告の日から起算して30日以内に、同項の規定により定められた関係地域の住民に対し、説明会を開催しなければならない。 2 (略) (評価書案についての意見の提出等)第17条評価書案について環境の保全の見地からの意見を有する者は、第15条第2項の縦覧期間内に、規則で定めるところにより、その氏名及び住所(法人にあってはその名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)並びに当該意見を市長に提出することができる。 2 第11条第2項の規定は、前項の規定による提出について準用する。 (評価書案に係る見解書の作成等)第20条事業者は、第17条第2項又は前条第2項において準用する第11条第2項の規定により写しの送付を受けたときは、これらの意見に配意して評価書案の記載事項について検討を加え、次に掲げる事項を記載した 事業者の見解を記載した書類(次項において「評価書案に係る見解書」という。)を作成しなければならない。 ⑴~⑸ (略) 2 (略)(評価書案に係る市長意見書の作成等) 第21条市長は、第15条第1項の規定による評価書案の提出があった日から規則で定める期間内に、第17条第1項の意見及 ⑴~⑸ (略) 2 (略)(評価書案に係る市長意見書の作成等) 第21条市長は、第15条第1項の規定による評価書案の提出があった日から規則で定める期間内に、第17条第1項の意見及び第19条第1項の公述の内容に配意し、評価書案について環境の保全の見地からの意見を記載した書類(以下この条及び次条において「評価書案に係る市長意見書」という。)を作成するものとする。 2 市長は、前項の規定により評価書案に係る市長意見書を作成するに当 たっては、審査会に諮問して、その答申を得るものとする。 3 市長は、前項の規定による答申を得たときは、当該答申を尊重して評価書案に係る市長意見書を作成しなければならない。 4 (略)(審査会の設置等) 第35条市長の附属機関として、審査会を置く。 2 審査会は、市長の諮問に応じ、事前配慮、環境影響評価及び事後調査に関する基本的事項又は重要事項を調査審議するものとする。 3 審査会は、事前配慮、環境影響評価及び事後調査に関する事項に関し、市長に意見を述べることができる。 4 審査会の委員は、学識経験者のうちから市長が委嘱する。 5 (略) 4 神戸市環境影響評価等に関する条例施行規則(神戸市平成10年規則第64号、乙35)(対象事業) 第3条条例第2条第2号の規則で定める事業は、別表の左欄に掲げる事業の種類ごとにそれぞれ同表の中欄に掲げる要件に該当する1の事業とする。 2、3 (略)別表(第3条関係)事業の種類第1類事業の要件(略)⑴ 条例第2条第2号アに掲げる道路の建設 道路交通法(昭和35 年法律第105 号)第2 条第1 項第1 号に規定する道路(以下「道路」という。)の新設又は改築(車線(道路構造令 略)⑴ 条例第2条第2号アに掲げる道路の建設 道路交通法(昭和35 年法律第105 号)第2 条第1 項第1 号に規定する道路(以下「道路」という。)の新設又は改築(車線(道路構造令(昭和年政令第320 号)第2 条第7 号に規定する登坂車線、同条第8 号に規定する屈折車線及び同条第9 号に規定する変速車線を除く。以下 同じ。)の数の増加に伴う道路に係るものに限る。)であって、次のいずれかに該当するものア高速自動車国道法(昭和32 年法律第79 号)第4 条第1 項に規定する高速自動車国道(以下「高速自動車国道」という。)の新設又は改築イ道路法(昭和27 年法律第180 号)第48 条の2 第1 項又は第2 項の規定により道路管理者(道路法第18 条第1 項に規定する道路管理者をいう。以下同じ。)が指定しようとし、又は指定した道路(以下「自動車専用道路」という。)の新設(車線の数が2 以上である道路を設けるものに限る。)又は改築ウ道路整備特別措置法(昭和31 年法律第7 号)第3 条第1 項、第10条第1 項又は第18 条第1 項の規定により同法第2 条第4 項に規定する会社、地方道路公社又は道路管理者が設ける道路(高速自動車国道及び自動車専用道路を除く。)の新設(車線の数が2 以上である道路を設けるものに限る。)又は改築エ道路運送法(昭和26 年法律第183 号)第2 条第8 項に規定する自動車道の新設(車線の数が2 以上である道路を設けるものに限る。)又は改築オアからエまでに規定する道路以外の道路の新設(車線の数が4 以上であり、かつ、長さが3 キロメートル以上である道路を設けるものに限る。)又は改築(改築後の車線の数が4 以上であり、かつ、改築に係る部分の長さが3 規定する道路以外の道路の新設(車線の数が4 以上であり、かつ、長さが3 キロメートル以上である道路を設けるものに限る。)又は改築(改築後の車線の数が4 以上であり、かつ、改築に係る部分の長さが3 キロメートル以上である道路に係るものに限る。)カ (略)⑵~⒅(略) 5 神戸市民の安全の推進に関する条例(神戸市平成10年条例第49号、乙39) (基本理念)第2条市、事業者及び市民は、その能力を生かし、それぞれの役割を果たしつつ相互に補い合い、協働することにより、すべての人が安心して暮らすことができる安全なまちづくりを推進するように努めなければならない。 2、3 (略) (市の基本的責務)第3条市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、市民の安全を推進するために必要な施策を策定し、及び体制を整備する責務を有する。 2 (略) 6 道路構造令(平成31年政令第157号による改正前のもの)(車線等)第5条車道(副道、停車帯その他国土交通省令で定める部分を除く。)は、車線により構成されるものとする。ただし、第三種第五級の道路にあつては、この限りでない。 2 道路の区分及び地方部に存する道路にあつては地形の状況に応じ、計画交通量が次の表の設計基準交通量(自動車の最大許容交通量をいう。以下同じ。)の欄に掲げる値以下である道路の車線(付加追越車線、登坂車線、屈折車線及び変速車線を除く。次項において同じ。)の数は、二とする。 第四種第一級 12、000 3 前項に規定する道路以外の道路(第二種の道路で対向車線を設けないもの及び第三種第五級の道路を除く。)の車線の数は四以上(略)、第二種の道路で対向車線を設けないものの車線の数は 、000 3 前項に規定する道路以外の道路(第二種の道路で対向車線を設けないもの及び第三種第五級の道路を除く。)の車線の数は四以上(略)、第二種の道路で対向車線を設けないものの車線の数は二以上とし、当該道路の区分及び地方部に存する道路にあつては地形の状況に応じ、次の表に掲げる一車線当たりの設計基準交通量に対する当該道路の計画交通量の割合によつ て定めるものとする。 7 地方自治法施行令(随意契約)第167条の2 地方自治法第234条第2項の規定により随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。 一~七 (略) 八競争入札に付し入札者がないとき、又は再度の入札に付し落札者がないとき。 九 (略)2~4 (略)(一般競争入札の開札及び再度入札) 第167条の8 一般競争入札の開札は、第167条の6第1項の規定により公告した入札の場所において、入札の終了後直ちに、入札者を立ち会わせてしなければならない。この場合において、入札者が立ち会わないときは、当該入札事務に関係のない職員を立ち会わせなければならない。 2、3 (略) 4 普通地方公共団体の長は、第1項の規定により開札をした場合において、各人の入札のうち予定価格の制限の範囲内の価格の入札がないとき(第167条の10第2項の規定により最低制限価格を設けた場合にあつては、予定価格の制限の範囲内の価格で最 低制限価格以上の価格の入札がないとき)は、直ちに、再度の入札をすることができる。 以上 別紙1(当事者目録)、別紙2(原告目録)、別紙4、別紙図面1~3は掲載省略 することができる。 以上 別紙1(当事者目録) 別紙2(原告目録) 別紙4 別紙図面1~3は掲載省略
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