18,206 文字
主文 一、 附帯控訴人(被控訴人)Aの本件附帯控訴を棄却する。二、 原判決主文第二項を除きその余を次のとおり変更する。(一) 被控訴人Aは控訴人Bに対し、別紙目録記載の建物を引き渡し、且つ昭和三八年九月一日より同年一二月末日まで一箇月金三、五〇〇円の、昭和三九年一月一日より昭和四一年一二月末日まで一箇月金四、二〇〇円の、昭和四二年一月一日より右建物引渡済に至るまで一箇月金五、一〇〇円の各割合による金員を支払え。(二) 被控訴人Aは控訴人Cに対し金八万二、八七〇円及びこれに対する昭和三八年九月一日以降完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。(三) 被控訴人Dは控訴人Bに対し、別紙目録記載の建物を明け渡し、且つ昭和三八年九月一日より同年一二月末日まで一箇月金一、七五〇円の、昭和三九年一月一日より昭和四一年一二月末日まで一箇月金二、一〇〇円の、昭和四二年一月一日より右建物明渡済に至るまで一箇月金二、五五〇円の各割合による金員を支払え。(四) 被控訴人Dは控訴人Cに対し金四万一、四三五円及びこれに対する昭和三八年九月一日以降完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。(五) 控訴人らのその余の請求を棄却する。(六) 訴訟費用は、第一、二審を通じ控訴人らの請求に関し生じた部分(控訴費用を含む)は被控訴人らの負担とし、被控訴人(附帯控訴人)Aの請求に関し生じた部分(附帯控訴費用を含む)は同被控訴人の負担とする。(七) 右(一)ないし(四)についでは控訴人らにおいて仮に執行することができる。事実 控訴人(附帯被控訴人、以下控訴人という)らの代理人は、「原判決中控訴人ら勝訴部分を除きその余を取り消す。被控訴人A( は控訴人らにおいて仮に執行することができる。事実 控訴人(附帯被控訴人、以下控訴人という)らの代理人は、「原判決中控訴人ら勝訴部分を除きその余を取り消す。被控訴人A(附帯控訴人)は控訴人Bに対し別紙目録記載の建物(以下本件建物という)を引き渡せ。 いて仮に執行することができる。事実 控訴人(附帯被控訴人、以下控訴人という)らの代理人は、「原判決中控訴人ら勝訴部分を除きその余を取り消す。被控訴人A( は控訴人らにおいて仮に執行することができる。事実 控訴人(附帯被控訴人、以下控訴人という)らの代理人は、「原判決中控訴人ら勝訴部分を除きその余を取り消す。被控訴人A(附帯控訴人)は控訴人Bに対し別紙目録記載の建物(以下本件建物という)を引き渡せ。被控訴人Dは控訴人Bに対し本件建物を明け渡せ。被控訴人両名は、控訴人Bに対し連帯して昭和三八年九月一日以降昭和四四年七月三一日までは一箇月金一万円の割合による金員を、同年八月一日以降右引渡及び明渡済に至るまでは一箇月金一万五、〇〇〇円の割合による金員を支払え。被控訴人両名は控訴人Cに対し金二三万六、〇〇〇円及びこれに対する昭和三八年九月一日以降支払済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は第一、二審を通じ全部被控訴人らの負担とする。」との判決並びに仮執行の宣言を求め、被控訴人Aの附帯控訴に対し「本件附帯控訴を棄却する。附帯控訴に関する訴訟費用は同被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人らの代理人は「控訴人らの本件控訴及び控訴人Bが当審で拡張した新請求を棄却する。」との判決を求め、被控訴人Aの代理人は、附帯控訴として「原判決主文第二項を取り消す。控訴人らは被控訴人Aに対し金一〇〇万円及びこれに対する昭和三八年九月二〇日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。附帯控訴費用は控訴人らの負担とする。」との判決を求めた。当事者双方の事実上の陳述、証拠の提出、援用及び書証の認否は左記の外原判決事実摘示と同一であるから、これを引用する。一、 控訴人らの代理人の陳述(一) 本件建物を被控訴人Dにおいて居住占拠することが控訴人らに対する関係で不法行為である理由(1) 被控訴人Aについて(イ) 同被控訴人は、昭和二六年一〇月本件建物(当時の所有 人の陳述(一) 本件建物を被控訴人Dにおいて居住占拠することが控訴人らに対する関係で不法行為である理由(1) 被控訴人Aについて(イ) 同被控訴人は、昭和二六年一〇月本件建物(当時の所有者は控訴人C、同被控訴人は本件建物を控訴人Cより無債で借受けていたものである)をこれに東接する同被控訴人所有建物(以下隣接建物という)と一括して賃料一箇月六、〇〇〇円で被控訴人Dに賃貸したが、本件建物については控訴人Cに無断で転貸したものであるから、民法第五九四条第二項又は同法第六一二条第一項にあたる行為であること明白である。 訴人Aについて(イ) 同被控訴人は、昭和二六年一〇月本件建物(当時の所有者は控訴人C、同被控訴人は本件建物を控訴人Cより無債で借受けていたものである)をこれに東接する同被控訴人所有建物(以下隣接建物という)と一括して賃料一箇月六、〇〇〇円で被控訴人Dに賃貸したが、本件建物については控訴人Cに無断で転貸したものであるから、民法第五九四条第二項又は同法第六一二条第一項にあたる行為であること明白である。しかも、被控訴人Aは、昭和三六年九月に本件建物についての使用貸借期間が満了したのであるから、本件建物を控訴人Cへ返還すべきであるのに、自己の背信行為によつて被控訴人Dに本件建物を引き渡したままこれを自己の責任によつて回収することをせず、単に消極的に本件建物と隣接建物についての賃料を受領しないという措置をとつたのみである。(ロ) 仮に、百歩をゆづつて、被控訴人Aが本件建物を被控訴人Dへ転貸するについて控訴人Cの承諾があつたとしでも、その基本たる控訴人Cと被控訴人Aとの間における本件建物についての使用貸借が終了した段階においては、控訴人Cは同被控訴人に対し本件建物の返還を求め得るものである。従つて、同被控訴人は、本件建物を返還しなかつたことについて使用借主としての返還義務を履行していないものとして被控訴人Dの不法占拠による責任と共にいわゆる不真正連帯の関係で損害賠償責任がある。(2) 被控訴人Dについて同被控訴人は、本件建物を訴外亡Eから賃借したというが、訴外Eが控訴人C及び被控訴人Aの代理人であつた事実は存在せず、訴外Eと控訴人C、被控訴人Aとの間には単に養親子関係(特に訴外Eと控訴人Cとの間は利害対立状態にあつ 物を訴外亡Eから賃借したというが、訴外Eが控訴人C及び被控訴人Aの代理人であつた事実は存在せず、訴外Eと控訴人C、被控訴人Aとの間には単に養親子関係(特に訴外Eと控訴人Cとの間は利害対立状態にあつた)があつたに過ぎないから、仮に、被控訴人Dにおいて訴外Eから本件建物を賃借したとしても、そのこと自体控訴人Cには何ら関係のないことである。控訴人Cとしては、昭和三六年九月まては本件建物を被控訴人Aに貸しているのに、更にこれを被控訴人Dに貸すことについて訴外Eに代理権をうえる筈がない。控訴人Cとしでは、これまで被控訴人Dが本件建物の賃料名下に被控訴人A又は訴外Fに対し金銭の支払をなしていることについて、それら行為が非債弁済であることを警告したことはあつても、この分を控訴人Cに対し支払えとか又は被控訴人Dの無断転借を追認するが如き一切の行為をしたことはない。 三六年九月まては本件建物を被控訴人Aに貸しているのに、更にこれを被控訴人Dに貸すことについて訴外Eに代理権をうえる筈がない。控訴人Cとしでは、これまで被控訴人Dが本件建物の賃料名下に被控訴人A又は訴外Fに対し金銭の支払をなしていることについて、それら行為が非債弁済であることを警告したことはあつても、この分を控訴人Cに対し支払えとか又は被控訴人Dの無断転借を追認するが如き一切の行為をしたことはない。いずれにしでも、被控訴人Dは、本件建物を占有するについて控訴人Cとの関係では無権原であり、その占有は不法のものである。(二) 本件建物を収益できないことによる損害(1) 前記のように、被控訴人Aの使用借物の返還義務の懈怠と被控訴人Dによる不法占拠との競合によつて、控訴人ら(昭和三六年九月一〇日から昭和三八年八月三一日までの間は控訴人C、同年九月一日から本件建物が明け渡されるまでは控訴人B)は本件建物について収益することができない。(2) 本件建物を他に賃貸するとすれば、その賃料は一箇月金二万円を下ることなく、控訴人らは、被控訴人らの不法行為により右賃料相当の損害を蒙つている。控訴人らは、右よりはるかに下廻つた一箇月金一万円の割合による賃料相当の損害金の支払を被控訴人らに求めていたのであるが、被控訴人らがいわれもなく抗争している状況に鑑み、控訴人Bは、被控訴人らに対し賃料相当損害金と よりはるかに下廻つた一箇月金一万円の割合による賃料相当の損害金の支払を被控訴人らに求めていたのであるが、被控訴人らがいわれもなく抗争している状況に鑑み、控訴人Bは、被控訴人らに対し賃料相当損害金として、「昭和三八年九月一日以降本件建物引渡及び明渡済に至るまで一箇月金一万円の割合による金員の連帯支払」を求めていたのを拡張して「昭和三八年九月一日以降昭和四四年七月三一日までは一箇月金一万円の割合による金員の、同年八月一日以降本件建物引渡及び明渡済に至るまで一箇月金一万五、〇〇〇円の割合による金員の連帯支払」を求めると変更する。(三) 被控訴人Dの主張に対する反論(1) 同被控訴人は、本件建物と隣接建物とが合して一戸建一五坪の家屋を形成すると主張するが、右は誤である。本件建物は被控訴人A所有の隣接建物と外見上一棟ではあるが、両者は、土壁で区切られ、公道からの占用道路によつてそれぞれ各別の出入口を有して昭和二二年当時岐阜市営住宅として市の基準によつて一棟二戸建として建築されたものである。 金員の連帯支払」を求めると変更する。(三) 被控訴人Dの主張に対する反論(1) 同被控訴人は、本件建物と隣接建物とが合して一戸建一五坪の家屋を形成すると主張するが、右は誤である。本件建物は被控訴人A所有の隣接建物と外見上一棟ではあるが、両者は、土壁で区切られ、公道からの占用道路によつてそれぞれ各別の出入口を有して昭和二二年当時岐阜市営住宅として市の基準によつて一棟二戸建として建築されたものである。従つて、本件建物は隣接建物とは当初から独立した存在で家屋番号も異る。控訴人Cは、本件建物を独立部分として岐阜市より買い受けたものである。(2) もつとも、本件建物と隣接建物との現状は、かつて存した両家屋間の区切りの土壁を取り除きその他炊事場、便所、床の間等に無断で著るしい変更を加え恰も一棟一戸建家屋の如き態で被控訴人Dが使用しているが、これは被控訴人Aないしは被控訴人Dが控訴人らに無断で改修したからに外ならない。(3) 登記の点についでは、被控訴人Aが昭和三七年八月一五日付で隣接建物につき保存登記をした後約一年余おくれた昭和三八年九月二〇日に控訴人Cが本件建物につき保存登記を経由したものであるから、右登記に対する被控訴人Dの批難は失当である。三七年八月一五日付で隣接建物につき保存登記をした後約一年余おくれた昭和三八年九月二〇日に控訴人Cが本件建物につき保存登記を経由したものであるから、右登記に対する被控訴人Dの批難は失当である。(4) 控訴人Cは訴外Eに対し本件建物についての管理権を与えたことはない。被控訴人Dは、被控訴人Aから本件建物を転借したものであり、右転貸借は控訴人Cに無断でなされたものである。二、 被控訴人Dの代理人の陳述(一) 本件建物と隣接建物とは一戸建一五坪の家屋(以下一五坪の家屋という)である。右一五坪の家屋は、訴外Eと控訴人Cが共同で一棟一戸の建物として建築したもので、訴外E、控訴人Cの共有に属したが、その後訴外Eにおいてその持分を被控訴人Aに譲渡したので、同被控訴人及び控訴人Cの共有となつた。(二) 一五坪の家屋は、建築後控訴人Cの承諾の下に訴外E、被控訴人Aの居宅として使用された。その際訴外Eは、一五坪の家屋につき所有者である控訴人C及び被控訴人Aより管理をまかされたものである。管理権者である訴外Eは、一五坪の家屋の性質を変えない範囲内で利用改良の権限を有し、右権限に基づき昭和二六年一〇月一日一五坪の家屋を被控訴人Dに賃貸し、同被控訴人においては同日以降賃借権に基づき一五坪の家屋を占有しているのである。 は、建築後控訴人Cの承諾の下に訴外E、被控訴人Aの居宅として使用された。その際訴外Eは、一五坪の家屋につき所有者である控訴人C及び被控訴人Aより管理をまかされたものである。管理権者である訴外Eは、一五坪の家屋の性質を変えない範囲内で利用改良の権限を有し、右権限に基づき昭和二六年一〇月一日一五坪の家屋を被控訴人Dに賃貸し、同被控訴人においては同日以降賃借権に基づき一五坪の家屋を占有しているのである。(三) 仮に、控訴人Cが訴外Eに対し一五坪の家屋の管理の依頼をしたことがないとしても、被控訴人Aは一五坪の家屋の二分の一の持分権者であるから、同被控訴人のみで共有物たる一五坪の家屋を管理する権限を有するところ、被控訴人Dは昭和二六年一〇月一日被控訴人Aより同人の右権限に基づき同人より一五坪の家屋を賃借したものである。(四) 仮に、被控訴人Aが直接の賃貸人でないとしても、訴外Eは被控訴人Aの右管理権を代理して被控訴人Dに一五坪の家屋 被控訴人Aより同人の右権限に基づき同人より一五坪の家屋を賃借したものである。(四) 仮に、被控訴人Aが直接の賃貸人でないとしても、訴外Eは被控訴人Aの右管理権を代理して被控訴人Dに一五坪の家屋を賃貸したものである。(五) 右のとおりであるから、爾後一五坪の家屋の一部につき権利を取得したと主張する控訴人Bに対し被控訴人Dはその賃借権を対抗できること論をまたない。(六) 控訴人Cは、一五坪の家屋(一戸一棟の建物)を共有者である被控訴人Aの同意もなく又分割の方法にもようず昭和三八年九月二〇日に至つて卒然と本件建物を一戸の建物として登記して本来一五坪の家屋であつたものを二戸の家屋の如く変更を加え、その上で本訴請求に至つたものであるが、そもそもこのような変更じたい無効である。三、 被控訴人Aの代理人の陳述本件建物が控訴人Cから控訴人Bへ贈与されたとの控訴人ら主張の事実を否認する。被控訴人Aの請求は、右贈与の事実が認められた場合の予備的請求である。四、 証拠(省略) 理由 一、 先ず控訴人らの被控訴人Aに対する請求について判断する。(一) 成立に争いのない甲第六号証の一、二、甲第八号証の二、三、乙第一一号証、原審及び当審における控訴本人Cの尋問の結果によると、控訴人Cは、昭和二二年項より本件建物を所有していたが、昭和三八年九月一日その子である控訴人Bに対し本件建物を贈与し、同年九月二〇日本件建物につき右贈与を原因とし控訴人Bのために所有権移転登記を経由したことを認めることができる(但し本件建物がもと控訴人Cの所有に属したことは被控訴人Aの認めるところである)。 一、二、甲第八号証の二、三、乙第一一号証、原審及び当審における控訴本人Cの尋問の結果によると、控訴人Cは、昭和二二年項より本件建物を所有していたが、昭和三八年九月一日その子である控訴人Bに対し本件建物を贈与し、同年九月二〇日本件建物につき右贈与を原因とし控訴人Bのために所有権移転登記を経由したことを認めることができる(但し本件建物がもと控訴人Cの所有に属したことは被控訴人Aの認めるところである)。成立に争いのない乙第六号証によると、控訴人Cは、右贈与後である昭和三九年に被控訴人Aに対し、同人が本件建物を不法に占拠して控訴人Cの所有権に基 の所有に属したことは被控訴人Aの認めるところである)。成立に争いのない乙第六号証によると、控訴人Cは、右贈与後である昭和三九年に被控訴人Aに対し、同人が本件建物を不法に占拠して控訴人Cの所有権に基づく本件建物に対する使用収益を妨げて損害を蒙らせているとして損害賠償を求める訴を岐阜地方裁判所へ提起(同裁判所昭和三九年(ワ)第三三三号家屋明渡請求反訴事件)した事実が認めうれるが、同号証及び当審における控訴本人Cの尋問の結果によると、右訴提起(被控訴人Aより控訴人Cに対する同裁判所昭和三八年(ワ)第五七一号損害金請求事件における反訴として提起)は、控訴人Cの訴訟代理人が同控訴人の真意につき充分確かめることをしなかつたため、本件建物の当時の所有者を同控訴人と誤解したことに基づくものと認めうれるので、前記訴の提起の事実は前記認定を左右しない。又成立に争、いのない甲第一号証によると、昭和三八年九月二〇日に控訴人Cが被控訴人Aに対し本件建物につき所有権を有している旨主張していた事実が認めうれるが、右事実も、控訴人らは親子の関係にあること及び控訴人Cより控訴人Bへの本件建物の贈与について登記を経由したのが同日であること等の前記事実を考えると、必ずしも前記認定をなすについて支障となるものではない(控訴人らが右贈与につき登記を経ていることを重視するのが相当と考える)。又乙第一号証によつて、本件建物の所有権が控訴人Cから訴外Eへ移転したものと認め難いこと後記被控訴人Aの反訴に対する判断において説示するとおりであるから、同号証も前記認定をなすにつき妨げとなるものではなく、他に前記認定を覆すに足る確証はない。前記認定によると、本件建物は、昭和二二年頃より昭和三八年九月一日(同日控訴人Cが控訴人Bに贈与するまで)までは控訴人Cの所有に属し、同日(控訴人Bが右贈 る)。又乙第一号証によつて、本件建物の所有権が控訴人Cから訴外Eへ移転したものと認め難いこと後記被控訴人Aの反訴に対する判断において説示するとおりであるから、同号証も前記認定をなすにつき妨げとなるものではなく、他に前記認定を覆すに足る確証はない。前記認定によると、本件建物は、昭和二二年頃より昭和三八年九月一日(同日控訴人Cが控訴人Bに贈与するまで)までは控訴人Cの所有に属し、同日(控訴人Bが右贈 なく、他に前記認定を覆すに足る確証はない。前記認定によると、本件建物は、昭和二二年頃より昭和三八年九月一日(同日控訴人Cが控訴人Bに贈与するまで)までは控訴人Cの所有に属し、同日(控訴人Bが右贈与を受けた後)以降は控訴人Bの所有に属したものというべきである。(二) 昭和二三年九月九月控訴人Cが被控訴人Aに対し本件建物を無償(但し公租公課は同被控訴人の負担)で貸与したことは当事者間に争いがない。そして、成立に争いのない乙第二、第三号証、原審における被控訴本人Aの尋問の結果、原審及び当審における控訴本人Cの尋問の結果を総合すれば、昭和二二年頃控訴人Cは、岐阜市より本件建物を買い受けこれを所有したこと、同控訴人は営業により生計の資を得る考えでいたが本件建物が営業に適さなかつたので営業に適する土地を物色していたところ、たまたま同控訴人の姪であり義妹の関係にある被控訴人A(同控訴人及び同被控訴人はいずれも訴外Eの養子であつた)の所有する岐阜市a町b丁目c番宅地二〇坪が営業に適する土地であつたので同被控訴人に対し右土地の借用方を懇請し、その結果その頃控訴人Cは、被控訴人Aに本件建物を無償で貸与するのと交換的に同被控訴人より右土地を無償で借り受けることになり、控訴人Aより右土地の引渡を受け同時に本件建物を同被控訴人に引き渡したこと、昭和二三年に被控訴人Aは控訴人Cが右土地に相当堅ろうな建物を建築しようと企図しているのは違約であるとして同控訴人に右土地明渡を求め両者の間に紛争を生じたこと、同被控訴人は右紛争解決のため岐阜地方裁判所へ訴提起前の和解を申し立て、同裁判所において同年九月九日同控訴人と同被控訴人との間に「同被控訴人は同控訴人に対し右土地を同日より向う一三ヶ年間無償で使用させる。右期間満了の後は同控訴人は右上地上物件一切を収去してその土 て、同裁判所において同年九月九日同控訴人と同被控訴人との間に「同被控訴人は同控訴人に対し右土地を同日より向う一三ヶ年間無償で使用させる。 、同被控訴人は右紛争解決のため岐阜地方裁判所へ訴提起前の和解を申し立て、同裁判所において同年九月九日同控訴人と同被控訴人との間に「同被控訴人は同控訴人に対し右土地を同日より向う一三ヶ年間無償で使用させる。右期間満了の後は同控訴人は右上地上物件一切を収去してその土 て、同裁判所において同年九月九日同控訴人と同被控訴人との間に「同被控訴人は同控訴人に対し右土地を同日より向う一三ヶ年間無償で使用させる。右期間満了の後は同控訴人は右上地上物件一切を収去してその土地を同被控訴人に明け渡さねばならない。但し、右期間満了後同控訴人より更に右土地の使用方申込があつたときは同被控訴人は支障のない限り引き続き同控訴人に使用させる。」旨の和解が成立したこと(同日同控訴人と同被控訴人との間に右土地につき期間を一三ヶ年とする使用貸借が成立したことは当事者間に争いがない)、右和解の際同控訴人及び同被控訴人は、本件建物の貸借が前記のように右土地の貸借と交換的になされた関係から本件建物の貸借も右和解条項と同旨の内容とする旨の暗黙の合意がなされていたこと、そのため前記和解の条項中には「右土地に対する爾後の公課は同控訴人において負担し、同控訴人より同被控訴人に対し使用を許している本件建物に対する公課は同被控訴人において負担する。」旨の一項が記載されたこと、その後昭和三二年頃同控訴人が右土地に有した建物をGに使用させたことから、再び同控訴人と同被控訴人との間に紛争を生じ、同被控訴人が岐阜簡易裁判所へ訴提起前の和解を申し立て、同裁判所において同年三月一八日同被控訴人と同控訴人との間で和解が成立したが、右和解において、同控訴人は、右土地上の建物を昭和三六年九月九日限り収去し、右土地を無条件で同被控訴人に明渡すことを確約したこと、この和解の際も本件建物の貸借についでも昭和三六年九月九日限りをもつてその貸借を終了させることを同控訴人及び同被控訴人の間で暗黙に合意されていたことを認めることができる。右認定を左右するに足る証拠はない。右認定によれば、本件建物の貸借については期間を昭和二三年九月九日より一三ヶ年と約定されていたものであり、当 人の間で暗黙に合意されていたことを認めることができる。右認定を左右するに足る証拠はない。右認定によれば、本件建物の貸借については期間を昭和二三年九月九日より一三ヶ年と約定されていたものであり、当初は右期間満了後も事情によつては引き続き貸借することに約定されていたがその後合意の上右期間満了後は貸借しないことに約定を変更したものといわなければならない。 月九日より一三ヶ年と約定されていたものであり、当 人の間で暗黙に合意されていたことを認めることができる。右認定を左右するに足る証拠はない。右認定によれば、本件建物の貸借については期間を昭和二三年九月九日より一三ヶ年と約定されていたものであり、当初は右期間満了後も事情によつては引き続き貸借することに約定されていたがその後合意の上右期間満了後は貸借しないことに約定を変更したものといわなければならない。そうとすると、控訴人Cと被控訴人Aとの間の本件建物の使用貸借は、約定期間満了により昭和三六年九月九日の経過と共に終了したものであり、同被控訴人は右終了と同時に控訴人Cに対し本件建物を返還すべき義務を負うこと明らかである。そして、弁論の全趣旨によると、同控訴人は、昭和三八年九月二〇日本件建物を控訴人Bに譲渡する際、被控訴人Aに対し有する右本件建物の返還請求権を譲渡したことが認められる。(三) 被控訴人Aは、「同被控訴人が本件建物を被控訴人Dに賃貸するについて、その当時控訴人Cの承諾を得た。」と主張し、原審における同被控訴本人尋問の結果中には右に添う部分があるが、右部分は、原審及び当審における控訴本人C、被控訴本人Dの各尋問の結果に照し採用できず、他に右主張事実を認めるに足る証拠がない。又被控訴人Aの訴訟代理人が原審における昭和四一年五月二四日午後二時の第三回口頭弁論期日において控訴人らの訴訟代理人に対し「本件建物の間接占有権を同日限り放棄する。」旨陳述したことは当裁判所に明らかなところであるが、被控訴人Aの右間接占有権放棄の意思表示によつて控訴人らが本件建物につき現実の占有を取得するものではなく、又同被控訴人が本件建物を被控訴人Dに賃貸し右賃貸により同被控訴人をして本件建物を占有使用させていること(このことは被控訴人Aの自認するところである)が右意思表示によつて改まるものでもないから、右 又同被控訴人が本件建物を被控訴人Dに賃貸し右賃貸により同被控訴人をして本件建物を占有使用させていること(このことは被控訴人Aの自認するところである)が右意思表示によつて改まるものでもないから、右意思表示によつて同被控訴人が控訴人らに対し本件建物の返還義務を免れるものでないこと多言を要しない。(四) 被控訴人Aは、他に控訴人Bの本件建物返還請求を免れるに足る主張をしていない(本件建物がもと一棟二戸建のうちの一戸であつたのがその後一戸としての独立性を失つたということは被控訴人Dにおいて主張しているが被控訴人Aは右のことを自ら主張していないし、被控訴人Dの主張を援用することもしていないので、右のことについて判断をしない)ので、被控訴人Aは控訴人Bに対し本件建物を引き渡すべき義務(返還義務)があること明らかである。 に控訴人Bの本件建物返還請求を免れるに足る主張をしていない(本件建物がもと一棟二戸建のうちの一戸であつたのがその後一戸としての独立性を失つたということは被控訴人Dにおいて主張しているが被控訴人Aは右のことを自ら主張していないし、被控訴人Dの主張を援用することもしていないので、右のことについて判断をしない)ので、被控訴人Aは控訴人Bに対し本件建物を引き渡すべき義務(返還義務)があること明らかである。(五) 被控訴人Aが右義務に違背し、本件建物の使用貸借が終了した後も本件建物を被控訴人Dに賃貸して同人をして占有させていることは、控訴人らの本件建物の所有権を侵害している不法行為にあたること疑がなく、右不法行為によつて控訴人らが本件建物の賃料相当の損害を蒙つていることは明らかである。しこうして、原審における鑑定人Hの鑑定の結果(第二回)に建物を賃貸した場合毎年賃料の増減をすることは稀であるという一般的な事実を併せ考えると、本件建物の賃料は、昭和三六年より昭和三八年までは一箇月金三、五〇〇円、昭和三九年より昭和四一年までは一箇月金四、二〇〇円、昭和四二年以降は一箇月金五、一〇〇円であると認めうれる(右認定を左右するに足る証拠はない)から、被控訴人Aにおいて右損害の賠償として、控訴人Cに対し金八万二、八七〇円(昭和三六年九月一〇日より昭和三八年八月三一日まで一箇月金三、五〇〇円の割合、(3,500円×23)十(3,500円×21 、被控訴人Aにおいて右損害の賠償として、控訴人Cに対し金八万二、八七〇円(昭和三六年九月一〇日より昭和三八年八月三一日まで一箇月金三、五〇〇円の割合、(3,500円×23)十(3,500円×21/31)円未満切捨の計算)及びこれに対する昭和三八年九月一日以降完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を支払うべき義務があり、控訴人Bに対し同日以降同年一二月末日までは一箇月金三、五〇〇円の、昭和三九年一月一日より昭和四一年一二月末日までは一箇月金四、二〇〇円の、昭和四二年一月一日より本件建物引渡済に至るまでは一箇月金五、一〇〇円の各割合による金員を支払うべき義務がある。(六) 右によれば、控訴人らの被控訴人Aに対する請求は、同被控訴人に対し、控訴人Cにおいて前記金員の支払義務の履行を求める範囲で、控訴人Bにおいて本件建物の引渡義務及び前記金員の支払義務の履行を求める範囲で、それぞれ正当として認容すべきも、その余を失当として棄却すべきものである。 〇〇円の、昭和四二年一月一日より本件建物引渡済に至るまでは一箇月金五、一〇〇円の各割合による金員を支払うべき義務がある。(六) 右によれば、控訴人らの被控訴人Aに対する請求は、同被控訴人に対し、控訴人Cにおいて前記金員の支払義務の履行を求める範囲で、控訴人Bにおいて本件建物の引渡義務及び前記金員の支払義務の履行を求める範囲で、それぞれ正当として認容すべきも、その余を失当として棄却すべきものである。二、 次に、控訴人らの被控訴人Dに対する請求について判断する。(一) 成立に争いのない甲第八号証の二、三、乙第二、第三号証、第一一号証、丙第四号証、原審における被控訴本人Aの尋問の結果、原審及び当審における控訴本人C、被控訴本人Dの各尋問の結果及び弁論の全趣旨を総合すると、昭和二二年八月頃岐阜市は戦災者引揚者救済住宅として、控訴人C(引揚者)及び被控訴人A(戦災者)がその養母である訴外Eの承諾を得て提供した同人所有の土地上に一棟二戸建の家屋を建築したこと、右建築後間もなく右一棟二戸建の家屋のうち西側の一戸を控訴人Cが、東側の一戸(七坪五合)を被控訴人Aが、岐阜市より各買い受け所有したこと、控訴人Cが買受所有した右西側の一戸が本件建物であること、右二戸は、土壁をもつて仕切られ、各戸 のうち西側の一戸を控訴人Cが、東側の一戸(七坪五合)を被控訴人Aが、岐阜市より各買い受け所有したこと、控訴人Cが買受所有した右西側の一戸が本件建物であること、右二戸は、土壁をもつて仕切られ、各戸に便所、玄関があり、それぞれ独立した住宅用家屋として利用できるものであつたこと、控訴人Cは営業により生計の資を得る考えでいたが、本件建物が営業に適さなかつたので、被控訴人Aに懇請して同人所有の岐阜市a町b丁目c番宅地二〇坪を無償で借り受けることになつたが右借受と交換的に本件建物を同被控訴人に無償で貸与することにし、本件建物買受後間もなくこれを同被控訴人に引き渡して同被控訴人をして使用させたこと、昭和二三年九月九日同控訴人と同被控訴人との間であらためて本件建物につき期間を同日より一三ヶ年(但し期間満了後同被控訴人より更に本件建物の使用方申込があつたときは同控訴人は支障ない限り引き続き同被控訴人をして使用させる特約があつたが後にこの特約を合意の上なくした)とする使用貸借契約が締結され、被控訴人Aは、引き続き本件建物を占有使用していたが、昭和二六年一〇月頃本件建物及び隣接建物(同被控訴人が買受所有した前記東側の一戸)を被控訴人Dに賃貸したこと(右賃貸契約は訴外Eが被控訴人Aの代理人として被控訴人Dと締結)、被控訴人Dが右賃借により被控訴人Aより本件建物及び隣接建物の引渡を受けた時は、本件建物と隣接建物との間の仕切壁は一部取り払われて片開戸がつけられて両者自由に出入できるようになつており、又本件建物の便所、隣接建物の玄関が取りこわされ、本件建物と隣接建物とが一戸の住宅として利用される状態を呈しており(右のような改造は被控訴人Aにおいて控訴人Cの承諾なくして行つたものである)、被控訴人らの間の右賃貸借は、本件建物と隣接建物とを一戸の住宅としてなされたも 接建物の引渡を受けた時は、本件建物と隣接建物との間の仕切壁は一部取り払われて片開戸がつけられて両者自由に出入できるようになつており、又本件建物の便所、隣接建物の玄関が取りこわされ、本件建物と隣接建物とが一戸の住宅として利用される状態を呈しており(右のような改造は被控訴人Aにおいて控訴人Cの承諾なくして行つたものである)、被控訴人らの間の右賃貸借は、本件建物と隣接建物とを一戸の住宅としてなされたも 一戸の住宅として利用される状態を呈しており(右のような改造は被控訴人Aにおいて控訴人Cの承諾なくして行つたものである)、被控訴人らの間の右賃貸借は、本件建物と隣接建物とを一戸の住宅としてなされたものであること、本件建物については、昭和三一年九月一日家屋台張に一箇の建物として登載され、次いで昭和三八年九月二〇日控訴人Cにおいて所有権保存登記を、同日控訴人Bにおいて所有権移転登記を各経由していることが認めうれる。右認定を左右するに足る証拠はない。<要旨>(二) 右認定によれば、控訴人Cは昭和二二年頃本件建物の所有権を取得したことになる。しかし、右所</要旨>有権は、当時施行の民法第二〇八条に定める「数人にて一棟の建物を区分し各其一部を所有する」にあたるもので、いわゆる建物の区分所有権である。しこうして、建物の部分が区分所有権の客体となり得るには、当該部分が構造上の独立性と利用上の独立性とを有することを要するものであり、若し当該部分が右各独立性を失えば区分所有は解消するものと解すべきである。前記認定によれば、被控訴人Dが昭和二六年一〇月頃被控訴人Aより本件建物及び隣接建物を賃借した時には、既に本件建物と隣接建物との境界をなしていた土壁の一部が除去されて本件建物の構造上の独立性が失われ、又本件建物及び隣接建物について内部の改造が行われて本件建物及び隣接建物が一戸の住宅として使用される状態を呈していて本件建物の利用上の独立性も失われていたものというべきである。従つて、おそくとも被控訴人Dが本件建物及び隣接建物を被控訴人Aより賃借した時には、控訴人Cの本件建物に対する区分所有権は消減しており、本件建物及び隣接建物は一箇の不動産(以下一五坪の家屋という)として所有権の客体となり、控訴人C及び被控訴人Aは民法の附合に関する規定の類推により右一五坪 の本件建物に対する区分所有権は消減しており、本件建物及び隣接建物は一箇の不動産(以下一五坪の家屋という)として所有権の客体となり、控訴人C及び被控訴人Aは民法の附合に関する規定の類推により右一五坪の家屋を共有(各持分についてこれを定める証拠がないので各二分の一と推認する)するに至つたものというべきである。 として所有権の客体となり、控訴人C及び被控訴人Aは民法の附合に関する規定の類推により右一五坪 の本件建物に対する区分所有権は消減しており、本件建物及び隣接建物は一箇の不動産(以下一五坪の家屋という)として所有権の客体となり、控訴人C及び被控訴人Aは民法の附合に関する規定の類推により右一五坪の家屋を共有(各持分についてこれを定める証拠がないので各二分の一と推認する)するに至つたものというべきである。本件建物について前記のように家屋台帳に記載され、又控訴人C及び控訴人Bにおいて本件建物について前記のように各登記を経ているが、右家屋台帳の記載及び右各登記によつて所有権が生ずるものでないから、右記載及び各登記の存在は右判断の支障とならない。(三) 本件建物についての控訴人らの右各登記の事実に原審及び当審における控訴本人Cの尋問の結果を総合すると、控訴人Cは昭和三八年九月一日その子である控訴人Bとの間で本件建物を贈うする旨の契約をしたことが認めうれる。成立に争いのない乙第一、第六号証、甲第一号証が右認定の支障となるものでないこと控訴人らの被控訴人Aに対する請求についての判断において説示するとおり(前記一の(一)であり、他に右認定を覆すに足る証拠はない。しこうして、右贈与契約当時控訴人Cの本件建物の所有権は一五坪の家屋の共有権(持分二分の一)に変つていたのであるから、右契約は右共有権を贈与するものとして効力を有するものとなすべく、従つて控訴人Bは一五坪の家屋について共有権(持分二分の一)を有するものである(本件建物が現在構造上及び利用上の独立性を有しないことは控訴人らの自認するところである)。(四) 控訴人らの被控訴人Dに対する請求は、本件建物が建築以来現在まで独立して所有権の客体となるものであるとし、本件建物の所有権が控訴人C次いで控訴人Bに帰属したことを前提とするものであり、控訴人らが一五坪の家屋の共有権を有することを前提とす 建物が建築以来現在まで独立して所有権の客体となるものであるとし、本件建物の所有権が控訴人C次いで控訴人Bに帰属したことを前提とするものであり、控訴人らが一五坪の家屋の共有権を有することを前提とするものでないが、共有権は単独所有権とその性質内容を同じくし、ただその分量、範囲において狭いものに過ぎないから、右請求は控訴人らの一五坪の家屋の共有権に基づくものを包含するものと解するのが相当である。 提とす 建物が建築以来現在まで独立して所有権の客体となるものであるとし、本件建物の所有権が控訴人C次いで控訴人Bに帰属したことを前提とするものであり、控訴人らが一五坪の家屋の共有権を有することを前提とするものでないが、共有権は単独所有権とその性質内容を同じくし、ただその分量、範囲において狭いものに過ぎないから、右請求は控訴人らの一五坪の家屋の共有権に基づくものを包含するものと解するのが相当である。そして、共有者の一人は、共有建物の不法占有による妨害を排除しその明渡を単独で訴求できるものである。(五) そこで、被控訴人Dの抗弁について考えてみる。(1) 同被控訴人は、「訴外Eが、一五坪の家屋について管理権を有し、右管理権に基づき一五坪の家屋を同被控訴人に賃貸した。」旨主張するが、右事実を認めるに足る証拠はなく、却つて前記認定のとおり、同被控訴人は被控訴人A(但し訴外Eが代理)より一五坪の家屋を賃借したものであるから、右主張事実を前提とする被控訴人Dの抗弁は採用できない。(2) 被控訴人Aが、一五坪の家屋を被控訴人Dに賃貸した当時、控訴人Cと一五坪の家屋を共有(持分各二分の一)していたことは、前認定のとおりであるが、一五坪の家屋を被控訴人Dに賃貸することは共有物の保存行為に該らないから、被控訴人A単独で右賃貸をなす権限を有しないこと明らかで、右権限があることを前提とする被控訴人Dの抗弁も採用できない。(3) 被控訴人Dが被控訴人Aより賃借したのは一五坪の家屋即ち本件建物と隣接建物とを一棟一戸として住宅の用に供するためであつたこと前認定のとおりである。従つて、若し本件建物部分を明け渡すことになれば、被控訴人Dにおいて隣接建物だけで生活することを余儀なくされ生活上の不便を覚えることは疑いがないが、控訴人Cが本件建物を被控訴人Aに貸与する である。従つて、若し本件建物部分を明け渡すことになれば、被控訴人Dにおいて隣接建物だけで生活することを余儀なくされ生活上の不便を覚えることは疑いがないが、控訴人Cが本件建物を被控訴人Aに貸与するに至つた事情及び右貸与は使用貸借関係である上既に期間満了によりその関係が消滅していること、被控訴人Aが同控訴人に無断で、本件建物と隣接建物との境界である土壁を取り除き、且つこれらを一棟一戸の建物として被控訴人Dに賃貸したこと、元来本件建物と隣接建物とはそれぞれ独立して居住の用に供することができる構造にあつたものであること(両建物に当初と同様の境界たる土壁を設けることによつて一戸の建物内に複数の家族が居住する不都合を避けられるし、隣接建物に当初と同様に出入口を設ければ被控訴人Dがいう袋の中にとじ込められたと同様の状態を免れ得る)、更に控訴人Cと控訴人Bとは親子関係にあること等前記認定の各事実を考えると、控訴人Bがその共有権に基づいて被控訴人Dに対し本件建物の明渡を求めること(前認定の事実から控訴人Bは被控訴人Dを困惑させることのみを目的として右明渡を求めているものとは認め難い)が権利の乱用として許れないものとはなし難い。 、隣接建物に当初と同様に出入口を設ければ被控訴人Dがいう袋の中にとじ込められたと同様の状態を免れ得る)、更に控訴人Cと控訴人Bとは親子関係にあること等前記認定の各事実を考えると、控訴人Bがその共有権に基づいて被控訴人Dに対し本件建物の明渡を求めること(前認定の事実から控訴人Bは被控訴人Dを困惑させることのみを目的として右明渡を求めているものとは認め難い)が権利の乱用として許れないものとはなし難い。(六) そうとすると、被控訴人Dが昭和二六年一〇月頃より一五坪の家屋を占有使用していることは控訴人らに対する関係では権原に基づかない不法のものというの外なく、同被控訴人は控訴人Bに対し一五坪の家屋の一部である本件建物を明け渡すべき義務を負うこと明らかである。又控訴人らは、被控訴人Dの本件建物不法占有によつて賃料の二分の一(控訴人らは本件建物について持分二分の一の共有権を有するに過ぎない相当の損害を蒙つているといわなければならず、同被控訴人は控訴人らに対し右損害を賠償すべき義務がある。しこらして、本件建物の賃料が、昭和三六年よ 件建物について持分二分の一の共有権を有するに過ぎない相当の損害を蒙つているといわなければならず、同被控訴人は控訴人らに対し右損害を賠償すべき義務がある。しこらして、本件建物の賃料が、昭和三六年より昭和三八年まで一箇月金三、五〇〇円、昭和三九年より昭和四一年までは一箇月金四、二〇〇円、昭和四二年以降は一箇月金五、一〇〇円と認定すべきであること控訴人らの被控訴人Aに対する請求についての判断において説示(前記一の(五))するとおりであるから、被控訴人Dは、控訴人Cに対し金四万一、四三五円(昭和三六年九月一〇日より昭和三八年八月三一日まで一箇月金一、七五〇円の割合、)(1,750円×23)十(1,750円×21/31)円未満切捨)及びこれに対する昭和三八年九月一日以降完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を、控訴人Bに対し同日以降同年一二月末日までは一箇月金一、七五〇円の、昭和三九年一月一日より昭和四一年一二月末日までは一箇月金二、一〇〇円の、昭和四二年一月一日より本件建物明渡済に至るまでは一箇月金二、五五〇円の各割合による金員を支払うべき義務がある。(七) 右によれば、控訴人らの被控訴人Dに対する請求は、同被控訴人に対し、控訴人Cにおいて前記金員の支払義務の履行を求め、控訴人Bにおいて本件建物の明渡義務及び前記金員の支払義務の履行を求める各範囲で正当として認容すべきも、その余は失当として棄却すべきである。 までは一箇月金二、一〇〇円の、昭和四二年一月一日より本件建物明渡済に至るまでは一箇月金二、五五〇円の各割合による金員を支払うべき義務がある。(七) 右によれば、控訴人らの被控訴人Dに対する請求は、同被控訴人に対し、控訴人Cにおいて前記金員の支払義務の履行を求め、控訴人Bにおいて本件建物の明渡義務及び前記金員の支払義務の履行を求める各範囲で正当として認容すべきも、その余は失当として棄却すべきである。三、 次に、被控訴人Aの控訴人らに対する反訴について判断する。当裁判所も同被控訴人の請求は失当として棄却すべきものと考える。その理由は、原判決理由の第二反訴についての判断に説示するとおりであるから、これを引用する。四、 よつて、原判決中控訴人らの被控訴人らに対する請求に関する部分は前記と一部趣旨を異にし、これを維 その理由は、原判決理由の第二反訴についての判断に説示するとおりであるから、これを引用する。四、 よつて、原判決中控訴人らの被控訴人らに対する請求に関する部分は前記と一部趣旨を異にし、これを維持できないからこれを主文二のとおり変更することとし、原判決中被控訴人Aの控訴人らに対する反訴に関する部分は正当であつて同被控訴人の本件附帯控訴は理由がないからこれを棄却すべく、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第九六条、第九二条、第九三条、第八九条を適用し、仮執行の宣言につき同法第一九六条を適用し、主文のとおり判決する。(裁判長裁判官布谷憲治裁判官福田健次裁判官杉田寛)別紙目録岐阜市d町e番地家屋番号同所○×番木造瓦葺平屋建居宅建坪七坪五合(二四・七九平方米)
▼ クリックして全文を表示