昭和29(オ)738 債務不存在確認等請求

裁判年月日・裁判所
昭和31年9月18日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 仙台高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人弁護士菅原秀男の上告理由第一点について。  原判決は要するに、訴外D

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判決文本文1,546 文字)

主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人弁護士菅原秀男の上告理由第一点について。  原判決は要するに、訴外Dは代理権を踰越して、代理権なきに拘わらず上告人の 代理人として本件根抵当権設定契約及び手形の振出をした事実を認定しているので あるから、何等所論のような前後矛盾する事実認定をした違法はない。論旨引用の 判例は本件に適切でない。論旨は採用できない。  同第二点について。  原判決は、前点説示のとおりの事実を認定したのであつて、所論のようにこれに ついて代理権を有した事実を認定していないのであるから、所論は原判示に副わな い主張であつて上告適法の理由とならない。引用の判例は本件に適切でない。  同第三点について。  原判決は、上告人がその成立を否認する乙一号証(上告人名義の約束手形)、乙 二号証(根抵当権設定契約書)、乙三号証(上告人名義の印鑑証明願)及び乙四号 証(上告人名義の所得税確定申告書)を同判決挙示の他の証拠と綜合して、判示事 情(上告人が訴外Dに判示のような委任をして自己の印章をも同人に託しDが判示 のような事情から右印章を使用して本件根抵当権設定契約書及び約束手形を作成し た顛末)を認めたが、右乙各号証が真正に成立したものである理由を判示するとこ ろがないこと所論のとおりである。けれども、原審は私文書である右乙各号証の思 想内容を右判示事情認定の証拠としたものではなく、単に右乙各号証の存在自体を 証拠としたものであつて、すなわち、右乙各号証における記載文字や上告人名下の 印影等の形状を相互に、又、原審におけるDの証言とも対照して右乙各号証が上告 - 1 - 人よりDに預けてあつた印章により作成された事実を認めた上、この事実と挙示の 諸証拠とを綜合して前記判示事情を認め 印影等の形状を相互に、又、原審におけるDの証言とも対照して右乙各号証が上告 - 1 - 人よりDに預けてあつた印章により作成された事実を認めた上、この事実と挙示の 諸証拠とを綜合して前記判示事情を認めたものである趣旨は判文上明瞭である。そ して、かように、文書の存在自体を証拠とする場合には、その文書が真正に成立し た事実は必しも証明せられることを要しないから、その真正に成立したというよう な理由を判決中に判示するを要しないと解すべきである。従つてこの点についての 原判示には所論のような違法はない。引用の判例は本件に適切でなく、論旨は採用 できない。  同第四点について。  所論は違憲をいうけれども、その実質は民法の解釈適用を非難するに帰する。原 審は上告人が相続によりE活版所の経営権を取得しその経営に関して訴外Dに判示 の委任をしたのにDが上告人の代理人(表見代理人)として判示契約及び手形振出 をした事実を認めているのであるから、上告人の外に民法上共同相続人があつたか 否かは右表見代理の成否に影響しない。論旨は採用できない。  同第五点について。  原判決挙示の証拠によれば原判決の認定事実を認めることができる。所論は証拠 の取捨、事実認定を非難するものに過ぎず、引用の判例は本件に適切でない。  よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと おり判決する。      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    垂   水   克   己             裁判官    島           保             裁判官    小   林   俊   三 - 2 -   小   林   俊   三 - 2 -

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