昭和25(オ)81 仮処分請求

裁判年月日・裁判所
昭和28年9月8日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を東京高等裁判所に差戻す。          理    由  上告理由第三点について。  原審において被上告人等(被控訴人等)が「本件は所有権

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判決文本文1,448 文字)

主文 原判決を破棄する。 本件を東京高等裁判所に差戻す。 理由 上告理由第三点について。 原審において被上告人等(被控訴人等)が「本件は所有権に基くもので、本件土地は元Dの所有であつたところ、明治三九年一〇月三〇日附売買により亡Eがその所有権を取得し、その翌四日これが登記を了し、次いでFにおいて昭和八年八月一七日右Eの死亡による家督相続によりその所有権を取得し昭和九年一月二四日これが登記を了し、更にFは昭和一〇年一〇月一八日これを亡Gに売渡しその翌一九日これが登記手続を了し、被控訴人等は昭和二一年二月一六日右Gの死亡による遺産相続によりこれが所有権を取得し同年四月四日その旨の登記を了したものである」と主張し、上告人等(控訴人等)が「被控訴人等主張のDとEとの間の売買はその実存在しないものである。即ち本件土地は元Dの所有であつたが、同人が罪を犯して入獄不在中その長男Eが父Dの印章を盗用して売買証書を偽造行使し売買名義による所有権移転登記をなしたものであるから、Eはこれにより本件土地の所有権を取得する謂れなく、従つてその後の所有権取得行為も亦無効である」と主張していることは、原判決事実摘示により明らかである。そして原判決がこの点に関し「Dが罪を犯し入獄中の明治三九年一〇月頃、その長男であるEは父Dの印判を不正使用して本件土地を含む十数町歩の土地につき売買名義の下に所有権移転登記を受けたが大正二年中Dが出獄してこれを知り告訴沙汰にまでなつたが、親戚等の配慮によりDは右売買による所有権移転を認め、本件土地はDの隠居面としてあらためてEよりDに贈与することとなつたが、登録税金に差支えこれが登録未了のまま時日を経過し来つた事実が窺われ、右認定を左右するに足る他に何等の疏明資料もない」- 1 本件土地はDの隠居面としてあらためてEよりDに贈与することとなつたが、登録税金に差支えこれが登録未了のまま時日を経過し来つた事実が窺われ、右認定を左右するに足る他に何等の疏明資料もない」- 1 -と判示していることは所論のとおりである。 右原審の認定によればDE間の売買なるものは、只EがDの印を盗用して所有権移転の登記をしただけであつて、当事者に何等の意思表示もなく、実は売買契約は全然存在しなかつたのである。全然契約は無かつたのであつて無効の行為があつたのでもない。それ故これが追認ということも有り得ない。 されば原判決が「Dは右売買に因る所有権移転を認め」といつて居るのは何の意味かわからない。「右売買」なるものは全く存在しないのであるから存在しないものの効力を認めるというのは意味を為さない。原審は或は何等か新な行為をしたものと認めた趣旨かも知れないけれども、それとしても如何なる行為であるのかわからない。しかのみならず「Dが右売買による所有権移転を認めた」という事実は原審において何人もこれを主張した形跡がない。 されば原審の前記判示はそれ自体意義不明(理由不備)であるのみならず、当事者の主張しない事実に基いて判決をした違法あるものというの外ない。そして右違法は原判決主文に影響する可能性あること勿論であるから原判決は此の点において破棄を免れない。 よつて民事訴訟法第四〇七条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官井上登裁判官島保裁判官河村又介裁判官小林俊三 裁判官島保裁判官河村又介裁判官小林俊三裁判官本村善太郎- 2 -

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