裁判所
昭和30年12月26日 最高裁判所第三小法廷 決定 棄却 岡山地方裁判所
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主文 本件特別抗告を棄却する。理由 本件特別抗告の趣旨は末尾添附の書面記載のとおりである。特別抗告の趣意一について。所論は刑訴法四三三条所定の特別抗告適法の事由に当らない。同二について。所論は原審において主張も判断もなされなかつた事由を新に主張するものであつて、特別抗告適法の事由とならない。同三について。所論は、原裁判所が昭和三〇年八月二九日に準抗告棄却決定をなしたことは、迅速な裁判を受ける権利を侵害したものである旨を主張するを以て、昭和三〇年(む)第五一〇号被疑者Aに対する準抗告申立事件記録、同年(わ)第五一三号背任、商法違反事件記録及びその他の関係記録について調査するに、被告人Aは背任被疑事件の被疑者として、昭和三〇年八月一八日逮捕状によつて逮捕され、同月二〇日岡山地方裁判所裁判官辻川利正の発した勾留状によつて、勾留され、同月二九日右勾留期間は、関係者多数、事件複雑等の理由によつて九月八日まで延長されたが、九月八日に背任、商法違反の事実につき公訴の提起があり、翌九日発せられた保釈許可決定によつて同日釈放されたものであること、その間、八月二三日には、弁護人笠原房夫、同岸本静雄は、同月二〇日になされた前記勾留処分に対し、準抗告の申立をなすと共に、立証資料を提出し、更に同月二六日には、立証資料を追加提出し、かつ、同月二九日には、弁護人笠原房夫において、準抗告に関する上申書を提出したのであるが、同日岡山地方裁判所第二刑事部は右準抗告を棄却する旨の決定をなしたこと、他方、被疑者Aに対する勾留についてなされた勾留理由開示の請求によ- 1 -り、裁判官藤井章によつて、同月二六日公開の法廷において勾留の理由の開示がなされ、また、右同日には、弁護人笠原房夫、同岸本静雄は、本件準抗告と る勾留についてなされた勾留理由開示の請求によ- 1 -り、裁判官藤井章によつて、同月二六日公開の法廷において勾留の理由の開示がなされ、また、右同日には、弁護人笠原房夫、同岸本静雄は、本件準抗告とは別に、勾留取消の請求をなし同月二九日に岡山地方裁判所裁判官三宅卓一は、右勾留取消の請求を却下する旨の決定をなしていること等の事実を認めることができる。 同日には、弁護人笠原房夫、同岸本静雄は、本件準抗告と る勾留についてなされた勾留理由開示の請求によ- 1 -り、裁判官藤井章によつて、同月二六日公開の法廷において勾留の理由の開示がなされ、また、右同日には、弁護人笠原房夫、同岸本静雄は、本件準抗告とは別に、勾留取消の請求をなし同月二九日に岡山地方裁判所裁判官三宅卓一は、右勾留取消の請求を却下する旨の決定をなしていること等の事実を認めることができる。以上の事実に徴すれば、八月二〇日より同月二九日までの間において被疑者Aに対しなされた勾留に関しては、一件記録に基いて同一裁判官により、又は、裁判官を異にして幾多の手続が相前後して迅速に履践されていることが判るのである。従つて、同年八月二三日弁護人笠原房夫、同岸本静雄のなした準抗告の申立に対し、同月二九日原裁判所がなした右準抗告棄却決定は、洵に迅速になされたものであること明らかであつて、遅延した事実は毫も認められないから、所論の迅速なる裁判を受ける権利を侵害したとの主張はその前提を欠き、採用し難く、その余の所論は、違憲を云う点もあるけれども、その実質は単なる訴訟法違反の主張に過ぎないから、特別抗告適法の事由とならない。よつて、刑訴法四三四条、四二六条一項により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。昭和三〇年一二月二六日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官河村又介裁判官島保裁判官小林俊三裁判官本村善太郎裁判官垂水克己- 2 - 善太郎裁判官 垂水克己
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