昭和42(し)77 勾留期間延長請求事件についてした決定に対する抗告申立

裁判年月日・裁判所
昭和42年12月14日 最高裁判所第三小法廷 決定 棄却 大阪地方裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件抗告を棄却する。          理    由  抗告趣意第一点について。  所論は、要するに、原裁判所が勾留期間延長の裁判をなすたあには、大阪地方裁 判所裁判官の勾留延

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判決文本文1,715 文字)

主    文      本件抗告を棄却する。          理    由  抗告趣意第一点について。  所論は、要するに、原裁判所が勾留期間延長の裁判をなすたあには、大阪地方裁 判所裁判官の勾留延長却下の裁判を取り消す旨の有効な裁判の存在を前提とすると ころ、本件においては、かような裁判を前提としていないから、原裁判所の勾留期 間延長の裁判は無効である。従つて、被疑者は無効な勾留期間延長の裁判により現 に自由を奪われているものであつて、憲法三一条に違反する、というのである。  そこで、一件記録及び当裁判所の事実取調の結果によれば本件の経過は次のとお りであることが認められる。すなわち、原裁判所の裁判長原田修は昭和四二年一二 月九日午後一〇時三〇分頃合議部を構成し、まもなく合議に入り、同日午後一一時 三〇分ないし四〇分に合議が成立したため、裁判長は検察官に対し、口頭で「前の 裁判を取り消して期間を延長する。」旨告げ、同席していた陪席裁判官高井清次が 「延長期限は昭和四二年一二月一五日までである。」旨補足したが右告知は同月九 日午後一一時四〇分よりは遅かつたが同日午後一二時前であつた。一方裁判長はA、 B両書記官を呼び、勾留期間延長の旨を勾留状裏面に記載するように命じ、両書記 官は手わけして四通の勾留状裏面に所定の記載をした上裁判長の記名押印を得て、 さらに交付年月日及び書記官の記名押印をなし、B書記官がこれを一括して検察官 に手渡したが、それは同月九日午後一二時の二〇秒か一五秒前であつた。以上の事 実が認められる。  右の経過によれば、原裁判所が勾留期間延長の裁判をなすにあたり、その前提で ある勾留延長却下の裁判を取り消す決定を告知するにつき、謄本送達の方法によら ずして単に口頭で告知したにとどまることは、裁判告知の方式に違背し違法である - 1 - ことを免れない。しか り、その前提で ある勾留延長却下の裁判を取り消す決定を告知するにつき、謄本送達の方法によら ずして単に口頭で告知したにとどまることは、裁判告知の方式に違背し違法である - 1 - ことを免れない。しかし、右取消決定の告知は実質上なされているのであるし、原 裁判所の勾留期間延長の決定は当然にこれと矛盾するさきの勾留延長却下の裁判を 取り消す趣旨をおのずから示しているものでもあつて、緊急を要した本件の具体的 事情のもとにおいては、右の方式違背はこれを前提とする勾留期間延長の決定を無 効ならしめるものとはいえない。  従つて、右勾留期間延長の決定の無効を前提とする所論違憲の主張は前提を欠き、 刑訴法四三三条の抗告の理由に当らない。  抗告趣意第二点について。  所論は、要するに、原裁判所が勾留原因、勾留延長事由に関する資料を十分に検 討せず、弁護人の意見を聴くこともなく、勾留期間満了の一〇秒前に違法な勾留期 間延長の裁判をしたのは、捜査当局の自白追及に同調して被疑者の拘束を継続し、 もつて不利益な供述を強制するのに加功するものであつて、憲法三八条一項に違反 する、というのである。しかしながら、原裁判所の勾留期間延長の裁判が、所論の ごとくただちに被疑者の不利益な供述を強制するのに加功するものとは認められな いから、所論違憲の主張は前提を欠き、刑訴法四三三条の抗告の理由に当らない。  よつて、刑訴法四三四条、四二六条一項に従い、裁判官全員一致の意見で主文の とおり決定する。   昭和四二年一二月一四日      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    松   本   正   雄             裁判官    田   中   二   郎             裁判官    下   村   三   郎             裁判官    飯   村     正   雄             裁判官    田   中   二   郎             裁判官    下   村   三   郎             裁判官    飯   村   義   美 - 2 -

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