平成28(ワ)13003

裁判年月日・裁判所
平成29年12月25日 東京地方裁判所
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判決文本文34,904 文字)

平成29年12月25日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成28年(ワ)第13003号実用新案権侵害差止等請求事件口頭弁論終結日平成29年10月30日判決原告新東化成株式会社 同訴訟代理人弁護士稲元富保同補佐人弁理士山木義明被告ヤマム株式会社同訴訟代理人弁護士野口隆一同補佐人弁理士酒匂禎裕同補佐人弁理士矢野卓哉 主文 1 被告は,別紙1被告製品目録記載のプレハブ式階段を製造し,譲渡し,又は譲渡の申出をしてはならない。 2 被告は,別紙1被告製品目録記載のプレハブ式階段を廃棄せよ。 3 被告は,原告に対し,165万9952円及びこれに対する平成29年4月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 5 訴訟費用はこれを4分し,その3を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 6 この判決は,第1項及び第3項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 主文第1項及び第2項に同旨 2 被告は,原告に対し,1億円及びこれに対する平成29年4月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は,考案の名称を「プレハブ式階段」とする実用新案登録第3159269号(以下「本件実用新案登録」という。)に係る実用新案権(以下「本件実用新案権」)に関するものである。 員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は,考案の名称を「プレハブ式階段」とする実用新案登録第3159269号(以下「本件実用新案登録」という。)に係る実用新案権(以下「本件実用新案権」という。)を有する原告が,被告に対し,別紙1被告製品目録記載のプレハブ式階段(以下「被告製品」という。)は,本件実用新案登録に係る願書に添付 した実用新案登録請求の範囲(平成26年7月7日付け訂正書による訂正後のもの。)の請求項1記載の考案(以下「本件考案」という。)の技術的範囲に属するから,被告が,業として,被告製品を製造し,譲渡し,又は譲渡の申出をすること(以下,これらの行為を併せて「譲渡等」という。)は,本件実用新案権の侵害を構成すると主張して,①実用新案法27条1項に基づき被告製品の譲渡等の差止めを,②同 条2項に基づき被告製品の廃棄をそれぞれ求めるとともに,③被告は,実施料を支払うことなく被告製品を譲渡等したことにより,法律上の原因なく実施料相当額の利得を得ており,原告は,これと同額の損失を受けたとして,不当利得返還請求権(対象期間は平成25年1月1日から平成27年7月31日まで)に基づき,不当利得金2000万円及びこれに対する請求後の日である平成29年4月7日(同月 6日付け訴えの変更申立書送達の日の翌日)から支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,更に,④本件考案に係る実用新案技術評価書を提示して警告した後の被告による被告製品の譲渡につき,実用新案権侵害の不法行為による損害賠償請求権(対象期間は平成27年8月1日から平成29年4月6日まで)に基づき,損害賠償金1億5000万円のうち8000万円及びこれに対 する不法行為後の日である平成29年4月7日(同月6日付け訴えの変更申立書送 平成27年8月1日から平成29年4月6日まで)に基づき,損害賠償金1億5000万円のうち8000万円及びこれに対 する不法行為後の日である平成29年4月7日(同月6日付け訴えの変更申立書送 達の日の翌日)から支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 2 前提事実等(当事者間に争いがないか,後掲の証拠〔証拠番号の掲記に際し,枝番号の標記を省略した。〕及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実等)⑴ 当事者 原告は,合成樹脂製品の製造及び販売などを業とする株式会社である。 被告は,熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂・エンジニア樹脂及びその原料とこれらの製品の製造・販売などを業とする株式会社である。 ⑵ 本件実用新案権原告は,次の内容の本件実用新案権を保有している。 登録番号実用新案登録第3159269号登録日平成22年4月14日出願番号実願2010-1130出願日平成22年2月23日 (以下「本件出願日」という。) 考案の名称プレハブ式階段実用新案登録請求の範囲別紙2訂正明細書等の 【実用新案登録請求の範囲】記載のとおり原告は,平成26年7月7日付け訂正書により,本件実用新案登録につき,実用新案登録請求の範囲及び明細書を別紙2のとおり訂正した(以下,同訂正後の明細 書及び図面〔別紙3登録実用新案公報参照〕を併せて「本件明細書等」という。)。 (以上につき,甲1ないし3)⑶ 本件考案本件考案(実用新案登録請求の範囲の請求項1記載の考案)は,次のとおり分説することができる(以下,分 報参照〕を併せて「本件明細書等」という。)。 (以上につき,甲1ないし3)⑶ 本件考案本件考案(実用新案登録請求の範囲の請求項1記載の考案)は,次のとおり分説することができる(以下,分説に係る各構成要件を符号に対応して「構成要件A」 などという。)。 A:傾斜した設置地面上に互いに略平行に配置された複数の長尺部材と,B:水平に配置された踏み板部と,鉛直に配置され上辺部が前記踏み板部の側辺部に一体的に連続又は接続された蹴上げ部とを有すると共に,前記傾斜した設置地面上に配置された長尺部材上に階段状に並べて配置されたステップ部材と, C:一枚の板状部材が折り曲げされることにより形成され,前記長尺部材に固定された固定部材と,D:下端部が前記設置地面の土中に埋め込まれ,上端部が前記設置地面から突き出して前記固定部材に固定された,大きな剛性を有するアンカー杭とを備え, E:前記固定部材は,平坦な第1の平板部と,前記第1の平板部から前記板状部材の長さ方向に連続して弧を描くように折り曲げられた円弧部と,前記円弧部の前記第1の平板部と反対側の端部が折り曲げられて,前記第1の平板部と間隔を空けて互いに対向するように形成された平坦な第2の平板部とを有し, F:前記第1の平板部及び第2の平板部には,互いに対応する位置に配置された,第1のボルト孔及び第2のボルト孔がそれぞれ形成され,G:前記円弧部の内周面の内径寸法は,前記アンカー杭の上端部が挿通することができる大きさに形成されると共に,互いに対向する前記第1の平板部と前記第2の平板部の間隔が小さくなるにつれて,前記内径寸法が小さく なるように形成され,H:前記円弧部の内周面の内側に,前記アンカー杭の上端部が挿し込 に,互いに対向する前記第1の平板部と前記第2の平板部の間隔が小さくなるにつれて,前記内径寸法が小さく なるように形成され,H:前記円弧部の内周面の内側に,前記アンカー杭の上端部が挿し込まれ,前記第1の平板部の,前記第2の平板部と対向する側とは反対側の面が前記長尺部材に接触して配置され,I:前記第1の平板部の前記第1のボルト孔と,前記第2の平板部の前記第2 のボルト孔と,前記長尺部材の前記第1のボルト孔及び前記第2のボルト 孔に対応する位置に形成されたボルト孔に,頭付ボルトのネジ部が挿通し,その挿通した前記ネジ部にナットがネジ締結することにより,互いに対向する前記第1の平板部と前記第2の平板部の間隔が小さくなり,前記アンカー杭の上端部が前記円弧部の内周面に締め付けられるように,前記固定部材が前記長尺部材に固定された J:ことを特徴とするプレハブ式階段。 ⑷ 被告の行為被告は,業として,被告製品を譲渡等した(別紙4被告売上高参照。なお,同別紙の「納品日」欄の日は,被告が被告製品を取引先に納品するなどした日であり,同別紙の「売上額(円)」欄の金額は,被告製品の売上げにより被告に支払われる などした金額である。)。 被告製品(その具体的構成は,別紙1被告製品目録の「2」以下に示されるとおりである。)は,本件考案の構成要件を全て充足する(被告も,この点につき争っていない。)。 ⑸ 本件考案に係る実用新案技術評価書を提示した警告 原告は,平成27年7月23日付け通告書により,被告に対し,本件考案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をし(甲7,8),同通告書は,遅くとも同月末日までに被告に到達した(争いがない。)。 3 争点⑴ 本件実用新案登録は実用新案登録無効審判に ,本件考案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をし(甲7,8),同通告書は,遅くとも同月末日までに被告に到達した(争いがない。)。 3 争点⑴ 本件実用新案登録は実用新案登録無効審判により無効にされるべきものと認 められるか(争点1)ア無効理由1(乙第2号証を主引例とする進歩性欠如)は認められるか(争点1-1)イ無効理由2(第2東名高速道路東上トンネルでの公然実施による新規性欠如)は認められるか(争点1-2) ⑵ 被告製品の譲渡等の差止め及び廃棄の必要性があるか(争点2) ⑶ 不当利得の額及び損害の額(争点3) 4 争点に対する当事者の主張⑴ 争点1-1(無効理由1〔乙第2号証を主引例とする進歩性欠如〕は認められるか)について【被告の主張】 ア乙2考案本件出願日前に日本国内で頒布された刊行物である実用新案登録第3066483号公報(以下「乙2公報」という。)には,プレハブ式階段に関する次の考案(以下「乙2考案」という。)が記載されている。 「傾斜した設置面上に互いに略平行に配置された複数の枠体6と,水平に配置さ れた踏み板部と,鉛直に配置され上辺部が前記踏み板部の側辺部に一体的に連続又は接続された蹴上げ部を有すると共に,前記傾斜した設置面上に配置された枠体6上に階段状に並べて配置されたステップ1と,下端部が前記設置地面の土中に埋め込まれ,上端部が前記設置地面から突き出してアンカ杭固定釘10を用いて枠体6に固定された,大きな剛性を有するアンカ杭9とを備えることを特徴とするプレハ ブ式階段。」イ本件考案と乙2考案との対比(ア) 乙2考案の「枠体6」が本件考案の「長尺部材」に,乙2考案の「ステップ1」が本件考案の「ステップ部材」に ることを特徴とするプレハ ブ式階段。」イ本件考案と乙2考案との対比(ア) 乙2考案の「枠体6」が本件考案の「長尺部材」に,乙2考案の「ステップ1」が本件考案の「ステップ部材」に,乙2考案の「アンカ杭固定釘10」が本件考案の「固定部材」に,乙2考案の「アンカ杭9」が本件考案の「アンカー杭」に, それぞれ相当する。 (イ) 一致点本件考案と乙2考案は,「傾斜した設置面上に互いに略平行に配置された複数の長尺部材と,水平に配置された踏み板部と,鉛直に配置され上辺部が前記踏み板部の側辺部に一体的に連続又は接続された蹴上げ部を有すると共に,前記傾斜した設 置面上に配置された長尺部材上に階段状に並べて配置されたステップ部材と,下端 部が前記設置地面の土中に埋め込まれ,上端部が前記設置地面から突き出して固定部材に固定された,大きな剛性を有するアンカー杭とを備えることを特徴とするプレハブ式階段。」である点において一致する。 (ウ) 相違点他方,本件考案と乙2考案とは,本件考案が「固定部材」として,構成要件Eな いしGの構成を備えた「b字型」の形状の部材(以下「b字型部材」という。)を用いて,円弧部にアンカー杭の上端部を挿し込んだb字型部材の平板部を長尺部材に接触配置し,長尺部材とb字型部材に形成されたボルト孔にボルトを挿通させ,ナットでネジ締結してアンカー杭の上端部を締め付け固定しているのに対し,乙2考案では,釘(アンカ杭固定釘10)を用いて,長尺部材にアンカー杭の上端部を 固定している点において相違している。 ウ周知技術及び公知技術についてパイプや中実の棒状体を基材に固定する際,b字型部材を使用し,基材とb字型部材に形成されたボルト孔にボルトを挿通させ,ナットでネジ締結して締め 相違している。 ウ周知技術及び公知技術についてパイプや中実の棒状体を基材に固定する際,b字型部材を使用し,基材とb字型部材に形成されたボルト孔にボルトを挿通させ,ナットでネジ締結して締め付け固定する構成,また,かかる構成を採用することにより棒状体に孔を空けることなく, 強固に固定できることは,本件出願日当時,建築分野と否とを問わず広く採用されていた周知技術であり(乙3ないし5),パイプ杭をアンカー杭として用い,その下端部を土中に埋め込み,上端部をクランプを介して設置物に固定することも,本件出願日当時の周知技術であった(乙7,8)。 また,本件出願日当時,設置物を地面に固定するために,一枚の板状部材からな る固定部材の円弧部にアンカー杭を挿入し,ボルトとナットで締め付けて固定する構成は,公知であり(乙14),同固定部材の形状を「b字型」とすることは,設置物や設置状況に応じて当業者が適宜設計できる事項にすぎないものであった。 さらに,「b字型部材」は,本件出願日当時,一般に販売されていたものである(乙18)。 エ相違点に係る容易想到性 乙2考案は,建築分野に属する考案であり,鋼棒の固定力が低下することを課題とするものであるところ,当業者には,固定力を向上させ,更に工程数を削減するため,乙2考案中のアンカー杭として周知技術に係るパイプ杭を想定し,パイプを強固に固定する部材として分野を問わず採用されていた上記周知技術に係るb字型部材を採用し,又は,乙第14号証に開示された板状部材を適宜b字型部材に変更 して乙2考案に適用して,上記相違点に係る構成とする動機付けが認められる。 そもそも鋼棒を基材に固定する方法は,当業者にとって設計的事項というべきであり,乙2考案における「アンカ杭固定釘1 して乙2考案に適用して,上記相違点に係る構成とする動機付けが認められる。 そもそも鋼棒を基材に固定する方法は,当業者にとって設計的事項というべきであり,乙2考案における「アンカ杭固定釘10」に代えて,一般に販売されていた「b字型部材」を採用することには何らの困難もないというべきである。 したがって,当業者において,乙2考案に対して,上述した周知技術又は公知の 構成を適用し,又は鋼棒の固定方法を適宜設計することにより,上記相違点に係る本件考案の構成とすることは,本件出願日当時,極めて容易に想到し得たことである。 オ小括以上によれば,本件考案は,当業者において,乙2考案に基づいて,本件出願日 当時,極めて容易に考案をすることができたものである。よって,本件考案についての実用新案登録には,実用新案法37条1項2号の無効理由があるから,実用新案登録無効審判により無効とされるべきものである。 したがって,原告は,被告に対し,本件実用新案権を行使することができない(実用新案法30条が準用する特許法104条の3第1項)。 【原告の主張】ア乙2考案の認定について被告は,乙2考案の「アンカ杭9」は大きな剛性を有すると主張するが,乙2公報には,「アンカ杭9」が「鋼棒」であるとの記載はなく,かえって「アンカ杭固定釘10」を打ち込むことができるような材質であることがうかがわれる(本件明 細書の段落【0019】)から,被告による乙2考案の認定は誤りである。 イ本件考案と乙2考案の対比について被告は,乙2考案の「アンカ杭固定釘10」が本件考案の「固定部材」に相当すると主張するが,本件考案の「固定部材」は,アンカー杭の上端部がこれに固定される部材であるのに対し,乙2考案の「アンカ杭 被告は,乙2考案の「アンカ杭固定釘10」が本件考案の「固定部材」に相当すると主張するが,本件考案の「固定部材」は,アンカー杭の上端部がこれに固定される部材であるのに対し,乙2考案の「アンカ杭固定釘10」は,「アンカ杭9」を「枠体6」に固定するものであって,「アンカ杭固定釘10」に「アンカ杭9」 が固定されるものではない。したがって,乙2考案の「アンカ杭固定釘10」は,本件考案の「固定部材」には相当しない。 そうすると,本件考案と乙2考案とは,本件考案の「下端部が前記設置地面の土中に埋め込まれ,上端部が前記設置地面から突き出し…た,大きな剛性を有するアンカー杭」は「一枚の板状部材が折り曲げられることにより形成され,前記長尺部 材に固定された固定部材」に固定されているのに対し,乙2考案の「アンカ杭9」は「アンカ杭固定釘10を用いて枠体6に固定」されている点において相違する。 また,乙2考案は上記「固定部材」を有しない点においても,本件考案と相違する。 ウ周知技術等について被告は,本件出願日当時の周知技術を立証する証拠として乙第3ないし第5号証 を提出する。しかし,乙第3号証にはパイプや索等を基材に固定するクリップが,乙第5号証には管,ホース等を支持体に固定するクランプが開示されているにとどまり,いずれも設置地面の土中に埋め込まれて固定される部材を基材に固定する構成については記載も示唆もない。乙第4号証に記載されている「バンド7」は可撓性を有する帯状部材が開示されているにとどまり,本件考案の構成要件C,E,F 及びGに対応する構成は開示されていない。 また,乙第14号証に記載されている板状の固定部材は,保持部材を介して基材に固定されており,直接基材に固定されていないから,乙第14号証に記載された構成 及びGに対応する構成は開示されていない。 また,乙第14号証に記載されている板状の固定部材は,保持部材を介して基材に固定されており,直接基材に固定されていないから,乙第14号証に記載された構成を乙2考案に適用しても,被告が主張する相違点に係る本件考案の構成には至らないというべきである。 エ容易想到性について 乙2考案においては,アンカ杭固定釘10によってアンカ杭9を直接長尺部材に固定する構成が採用され,これによりアンカ杭9の固定力の低下が起こらないとの効果を奏しているのであって,固定力が不足するとの課題は既に解決されているから,アンカ杭固定釘10によってアンカ杭9を直接長尺部材に固定する構成に代えて,被告が主張するところの周知技術や公知の構成を適用する動機付けはないとい うべきである。 被告は,乙第7,第8号証を挙げて,パイプ杭をアンカー杭として用い,その下端部を土中に埋め込み,上端部をクランプを介して設置物に固定することも,本件出願日当時の周知技術であったなどとするが,これらの刊行物には,クランプとして「b字型部材」を採用することについては何らの記載も示唆もないというべきで ある。 以上によれば,当業者において,乙2考案に周知技術又は公知の構成を適用して,被告が主張する相違点に係る本件考案の構成とすることが,本件出願日当時,極めて容易に想到し得たということはできない。被告の主張する無効理由1は成り立たない。 ⑵ 争点1-2(無効理由2〔第2東名高速道路東上トンネルでの公然実施による新規性欠如〕は認められるか)について【被告の主張】ア公然実施品について原告は,本件出願日に先立つ平成21年11月頃,株式会社清水建設(以下「清 水建設」という。)に対して,本 規性欠如〕は認められるか)について【被告の主張】ア公然実施品について原告は,本件出願日に先立つ平成21年11月頃,株式会社清水建設(以下「清 水建設」という。)に対して,本件考案に係る製品(以下「本件公然実施品」という。)を,第2東名高速道路東上トンネル(以下「東上トンネル」という。)工事向けとして販売し納品した(乙9)。本件公然実施品は,本件考案の構成要件を全て備えているから(乙10),本件考案は,本件出願日前に,不特定人に公然と知られ得る状態で実施されていたというべきである。 これに対し,原告は,清水建設に対する販売台帳(甲14)を証拠として提出し, 本件考案に係る構成を有する製品を清水建設に最初に納品したのは平成24年2月25日であると主張するが,同販売台帳は,販売数量等の記載が,原告が自らのカタログ(乙9)で納品した実績として記載している階段ステップ数(1073枚)と符合しないことなどからして,信用できないというべきである。 また,原告は,本件公然実施品は原告が平成27年に株式会社大林組(以下「大 林組」という。)に納品したものであると主張するが,原告は,自らのカタログ(乙9)で,「東上トンネル工事」として清水建設にプレハブ式階段を納品したと記載しているのであるし,大林組が東上トンネルの工事を施工した事実も認められないから,原告の主張は事実と異なるというべきである。 イ小括 以上のとおり,本件考案は,本件出願日前に日本国内において公然実施をされた考案である。よって,本件実用新案登録は,実用新案法3条1項2号の規定に違反してされたものであり,同法37条1項2号の無効理由があるから,実用新案登録無効審判により無効とされるべきものである。 したがって,原告は,被告に 用新案登録は,実用新案法3条1項2号の規定に違反してされたものであり,同法37条1項2号の無効理由があるから,実用新案登録無効審判により無効とされるべきものである。 したがって,原告は,被告に対し,本件実用新案権を行使することができない(実 用新案法30条が準用する特許法104条の3第1項)。 【原告の主張】原告が,平成21年11月頃,清水建設に対して本件公然実施品を販売し納品した事実はないから,被告の主張する無効理由2は成り立たない。 被告は,乙第9号証を根拠に,原告が本件公然実施品を販売したと主張するが, 乙第9号証は,「リバーザー・ステップ」との名称にて原告が販売しているプレハブ式階段の全てについて記載されたものであり,本件公然実施品の販売実績のみを示すものではない。かえって,清水建設に対する販売台帳(甲14)によれば,本件考案に係る構成を有する製品を清水建設に最初に納品したのは,本件出願日後である平成24年2月25日であることがうかがわれるところである。 被告が本件公然実施品と主張する乙第10号証記載のプレハブ式階段は,大林組 がネクスコ中日本から請け負った工事(甲24,25)に関し,原告が,平成27年5月15日又は同年7月15日に,岡三リビック株式会社を通じて大林組に納品したものであるから(甲26ないし28),本件出願日以前に公然実施されていたものではない。 ⑶ 争点2(被告製品の譲渡等の差止め及び廃棄の必要性があるか)について 【原告の主張】被告は,平成27年8月以降,被告製品の製造及び販売を停止し,被告製品で用いられていたボルト・ナットをコーチボルトに変更した新製品を販売しているとするが,実際の施工現場においては,コーチボルトではなくボルト・ナット施工される蓋 告製品の製造及び販売を停止し,被告製品で用いられていたボルト・ナットをコーチボルトに変更した新製品を販売しているとするが,実際の施工現場においては,コーチボルトではなくボルト・ナット施工される蓋然性があるから,被告は,現在も実質的に被告製品を販売しているに等しいと いえる。 したがって,被告に対して被告製品の譲渡等の差止めを命じ,また被告製品を廃棄させる必要性がある。 【被告の主張】被告は,平成27年8月以降,被告製品の受注を停止し,平成28年1月に既受 注分の納品を終えたことをもって,被告製品の製造販売を終了させた。被告は,平成27年8月以降,被告製品で用いられていたボルト・ナットをコーチボルトに変更した新製品を販売している。 ⑷ 争点3(不当利得の額及び損害の額)について【原告の主張】 ア不当利得返還請求について(ア) 不当利得期間について本件実用新案登録がされたのは平成22年4月14日であるから,被告は,同日以降,実施料を支払うことなく本件考案の技術的範囲に属する被告製品を譲渡等したことにより,法律上の原因なく実施料相当額の利益を受け,これにより原告に同 額の損失を及ぼしたというべきである。 この点について,被告は,被告による被告製品の譲渡等により不当利得が生じるのは,本件考案に係る実用新案技術評価書が発送された平成27年5月21日以降であるとか,本件実用新案登録についての訂正書が受理された平成26年7月7日以降であるなどと主張する。しかし,実用新案法14条の2第11項は,実用新案登録につき訂正があったときは,その訂正後の明細書,実用新案登録請求の範囲又 は図面により実用新案登録出願及び実用新案権の設定の登録があったものとみなすと規定しているから,本 11項は,実用新案登録につき訂正があったときは,その訂正後の明細書,実用新案登録請求の範囲又 は図面により実用新案登録出願及び実用新案権の設定の登録があったものとみなすと規定しているから,本件実用新案登録がされた日以降にされた被告による被告製品の譲渡等は,原告との関係で不当利得の発生原因となるものというべきである。 (イ) 不当利得の額について被告は,平成25年1月1日からから平成27年7月31日までの間に,被告製 品を販売して5億円の売上高を得ているところ,本件考案の実施に係る実施料率は,売上高の4パーセントが相当である。 したがって,原告は,被告に対し,不当利得返還請求権に基づき,不当利得金2000万円の支払を求めることができる。 仮に,別紙4被告売上高の記載を前提としても,原告は,被告に対し,同別紙の 番号1ないし48に対応する売上高合計2709万0327円に実施料率4パーセントを乗じた108万3613円の支払を求めることができる。 イ不法行為による損害賠償請求について(ア) 損害賠償の対象となる取引について前記前提事実等(第2,2⑸)のとおり,原告は,平成27年7月23日付け通 告書により,被告に対し,本件考案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をし,同通告書は,遅くとも同月末日までに被告に到達している。したがって,被告は,平成27年8月1日以降,被告製品の譲渡による本件実用新案権の侵害につき,故意又は過失が認められるから,不法行為による損害賠償義務を免れない。 この点について,被告は,別紙4被告売上高の番号49ないし56に記載された 取引につき,これらの受注日は平成26年10月10日であるから,納品が平成2 7年8月1日以降にされたとしても,不法行為には当た 告は,別紙4被告売上高の番号49ないし56に記載された 取引につき,これらの受注日は平成26年10月10日であるから,納品が平成2 7年8月1日以降にされたとしても,不法行為には当たらないと主張する。しかし,被告が主張の根拠とする発注書(乙28)には「上記数量は暫定数量とし,納入時に各設置箇所より階段数量(幅・傾斜角度)及び部材数量等を算出し都度納入する。」と記載され,現実に納品した売上高と上記発注書に記載された発注額とが一致しないことからしても,発注書の受領をもって被告製品の譲渡が完了したとみるべきで はなく,納品の時に譲渡があったとみるべきであるから,これらの取引も不法行為として損害賠償額算定の基礎とすべきである。 (イ) 損害の額について被告は,平成27年8月1日から平成29年4月6日までの間に,被告製品を譲渡(販売)して5億円の売上高を得ているところ,被告製品の利益率は,売上高の 30パーセントである。したがって,被告は,被告製品の譲渡により,1億5000万円の利益を得ており,同額が原告の受けた損害の額と推定される(実用新案法29条2項)。 したがって,原告は,被告に対し,実用新案権侵害の不法行為による損害賠償請求権に基づき,損害賠償金1億5000万円の支払を求めることができる。 仮に,別紙4被告売上高の記載を前提としても,原告は,被告に対し,同別紙の番号49ないし56に対応する売上高合計745万1050円に利益率30パーセントを乗じた223万5315円の支払を求めることができる。 【被告の主張】ア不当利得返還請求について (ア) 不当利得期間について原告は,被告が,本件実用新案登録がされた平成22年4月14日以降に,原告に実施料を支払うことなく被告製品を 告の主張】ア不当利得返還請求について (ア) 不当利得期間について原告は,被告が,本件実用新案登録がされた平成22年4月14日以降に,原告に実施料を支払うことなく被告製品を譲渡等した行為につき,法律上の原因なく利益を受け,これにより原告に損失を及ぼしたと主張する。 しかし,本件実用新案権は,出願当初の実用新案登録請求の範囲の記載によって は,引用文献の記載からみて進歩性を欠くものと評価され,原告がした平成26年 7月7日付け訂正書により訂正された後の実用新案登録請求の範囲につき,特許庁審査官作成に係る実用新案技術評価書(平成27年5月21日発送)により進歩性がようやく認められたものである。 実用新案権は,実用新案技術評価書を提示して警告した後でなくては行使することができないのであるから,被告製品が本件考案の技術的範囲に含まれるとしても, その譲渡等が実用新案権者との関係で不当利得と評価されるのは,進歩性を認めた実用新案技術評価書が発送された日以降と解される。したがって,本件考案に係る実用新案技術評価書が発送された平成27年5月21日以降にされた被告製品の譲渡等のみが,不当利得金の算定の基礎とされるべきである。 仮に,平成27年5月21日を不当利得金の算定の始期とすべきとの上記主張が 認められないとしても,上記のとおり,本件実用新案権については,原告がした訂正によりはじめて進歩性が肯定されたものであるから,訂正書が受理された平成26年7月7日以降にされた被告製品の譲渡等のみが,不当利得金の算定の基礎とされるべきである。 (イ) 不当利得の額について 被告が被告製品を販売した時期及びこれらによる売上高は,別紙4被告売上高に記載のとおりである。 原告は,本件実用新案権 定の基礎とされるべきである。 (イ) 不当利得の額について 被告が被告製品を販売した時期及びこれらによる売上高は,別紙4被告売上高に記載のとおりである。 原告は,本件実用新案権の実施に係る実施料率として,売上高の4パーセントが相当であると主張するが,一般に建設技術に関する特許権の実施料率は3パーセント程度とされているところ(乙26),実用新案権を登録・維持するための手続・ 費用は,特許権と比べて差があり,その差は実施料率に反映されてしかるべきであるから,本件実用新案権の実施に係る実施料率としては売上高の1パーセント程度とみるのが相当である。 イ不法行為による損害賠償請求について(ア) 不法行為の対象となる取引について 被告が平成27年8月1日以降被告製品を販売した事実はない。 別紙4被告売上高の番号49ないし56の各取引について,被告が被告製品を取引先に納品したのは平成27年8月1日以降であるが,被告は,これらの取引に係る発注を平成26年10月10日付けで受けているところ(乙28),発注を受けた時点で受注者である被告としては特定の製品を納入すべき義務を負うのであるから,この時点で被告製品の譲渡は完了しているというべきである。 (イ) 損害の額について仮に,別紙4被告売上高の番号49ないし56の各取引に係る譲渡が,不法行為による損害賠償の対象となるとしても,別紙5被告利益率に記載のとおり,これらの取引に係る売上高合計745万1050円に対して,仕入額は660万3808円であり,また,被告製品を販売するために要した販売管理費として売上高の5パ ーセント相当額も控除されるべきであるから,被告が得た利益の額は,合計47万4690円にとどまる。 第3 当裁判所の判断 り,また,被告製品を販売するために要した販売管理費として売上高の5パ ーセント相当額も控除されるべきであるから,被告が得た利益の額は,合計47万4690円にとどまる。 第3 当裁判所の判断 1 本件考案について⑴ 実用新案登録請求の範囲の記載 本件考案に係る実用新案登録請求の範囲の記載は,前記前提事実等(第2,2⑶)のとおりである。 ⑵ 本件明細書等の記載本件明細書等には,次の記載がある(前記前提事実等〔第2,2⑵〕。各項目末尾の【】は,考案の詳細な説明の段落番号を指す。)。 ア技術分野「本考案は,プレハブ式階段に関するものである。」【0001】イ背景技術「プレハブ式階段は,例えば山間部における登山道や,工事現場等の傾斜のある設置地面に簡単に取付けることができる階段として使用されるものである。」【0 002】 「図7及び図8に示すように,従来のプレハブ式階段2は,複数のステップ部材4が,釘や木ネジ等の連結部材12により互いに連結されて,階段状に構成されていた。そして,これらのステップ部材4同士の連結部が,釘や木ネジ等の固定部材14を打ち込んだり,ネジ込んだりすることにより,一対の長尺部材16上に強固に固定されていた。」【0003】 「さらに,この一対の長尺部材16のそれぞれが,アンカー杭22,頭付ボルト24,ナット26により,地盤が土砂等で形成された傾斜のある設置地面11上に強固に固定されていた。」【0004】「これらの長尺部材16は,設置地面11に打ち込まれたアンカー杭22の上端部に,頭付ボルト24とナット26によりネジ締結されて固定されていた。また, このアンカー杭22にも,その素材として再生プラスチックが使用されていた。」 面11に打ち込まれたアンカー杭22の上端部に,頭付ボルト24とナット26によりネジ締結されて固定されていた。また, このアンカー杭22にも,その素材として再生プラスチックが使用されていた。」【0013】ウ考案が解決しようとする課題 「しかしながら,前記従来のプレハブ式階段2においては,再生プラスチック製のアンカー杭22を設置地面11の土中に打ち込むことにより,プレハブ式階段2を設置地面11上に固定させる構造となっているために,次のような問題があった。」【0018】「すなわち,再生プラスチック製のアンカー杭22において,設置地面11の地 盤が,それほど硬くない土砂等により形成されている場合には,アンカー杭22を設置地面11から土中に深く打ち込んで,プレハブ式階段2を設置地面11上に固定させることが可能となっていた。」【0019】「しかしながら,設置地面11の地盤が著しく硬い土砂等で形成されている場合,例えば,土砂の硬さがコンクリートまではいかなくともそれに近い状態で固まって いる場合や,土中に大きな石の塊が混在している場合,或は土中に大きくて丈夫な樹木の根が隙間無く張り巡らされている場合等には,再生プラスチック製のアンカー杭22では剛性が不足するため,そのアンカー杭22を設置地面11の地盤の土中に打ち込むことが困難になるという問題があった。」【0020】「このように設置地面11の地盤が硬い土砂等で形成されている場合において, 再生プラスチック製のアンカー杭22を設置地面11の土中に深く埋め込むためには,アンカー杭22を埋め込む場所の地盤を崩して,アンカー杭22の断面積より大きな面積の孔を掘り,その孔の中にアンカー杭22の下端部を挿し込んだ後で,地盤を崩すことにより生じた残土を埋め 込むためには,アンカー杭22を埋め込む場所の地盤を崩して,アンカー杭22の断面積より大きな面積の孔を掘り,その孔の中にアンカー杭22の下端部を挿し込んだ後で,地盤を崩すことにより生じた残土を埋め戻すことにより,アンカー杭22を埋め込んで固定するという一連の作業を行う必要があった。このため,そのような一連の 作業を行うための労力と時間がかかるという問題があった。」【0021】「また,上記一連の作業によるアンカー杭22の埋め込みによる固定によっては,従来のようにアンカー杭22を設置地面11から土中に打ち込む場合と異なり,上記掘った孔にアンカー杭22の下端部を挿し込んだ後に,地盤を崩すことにより柔らかくなった残土を埋め戻すだけであるため,アンカー杭22がぐらついてしまい, アンカー杭22を設置地面11の土中に強固に固定することができないという問題 もあった。」【0022】「そこで本考案は,上記問題点に鑑みて,プレハブ式階段が設けられる設置地面の地盤が硬い土砂等で形成されている場合であっても,アンカー杭を容易かつ強固に土中に固定することができると共に,プレハブ式階段を設置地面上に強固に固定することができるプレハブ式階段を提供することを課題とするものである。」【0 023】エ課題を解決するための手段「上記課題を解決するために,本考案によるプレハブ式階段は,傾斜した設置地面上に互いに略平行に配置された複数の長尺部材と,水平に配置された踏み板部と,鉛直に配置され上辺部が前記踏み板部の側辺部に 一体的に連続又は接続された蹴上げ部とを有すると共に,前記傾斜した設置地面上に配置された長尺部材上に階段状に並べて配置されたステップ部材と,一枚の板状部材が折り曲げられることにより形成され,前記長 体的に連続又は接続された蹴上げ部とを有すると共に,前記傾斜した設置地面上に配置された長尺部材上に階段状に並べて配置されたステップ部材と,一枚の板状部材が折り曲げられることにより形成され,前記長尺部材に固定された固定部材と,下端部が前記設置地面の土中に埋め込まれ,上端部が前記設置地面から突き出し て前記固定部材に固定された,大きな剛性を有するアンカー杭とを備え,前記固定部材は,平坦な第1の平板部と,前記第1の平板部から前記板状部材の長さ方向に連続して弧を描くように折り曲げられた円弧部と,前記円弧部の前記第1の平板部と反対側の端部が折り曲げられて,前記第1の平板部と間隔を空けて互いに対向するように形成された平坦な第2の平板部とを有し, 前記第1の平板部及び前記第2の平板部には,互いに対応する位置に配置された,第1のボルト孔及び第2のボルト孔がそれぞれ形成され,前記円弧部の内周面の内径寸法は,前記アンカー杭の上端部が挿通することができる大きさに形成されると共に,互いに対向する前記第1の平板部と前記第2の平板部の間隔が小さくなるにつれて,前記内径寸法が小さくなるように形成され, 前記円弧部の内周面の内側に,前記アンカー杭の上端部が挿し込まれ,前記第1 の平板部の,前記第2の平板部と対向する側とは反対側の面が前記長尺部材に接触して配置され,前記第1の平板部の前記第1のボルト孔と,前記第2の平板部の前記第2のボルト孔と,前記長尺部材の前記第1のボルト孔及び前記第2のボルト孔に対応する位置に形成されたボルト孔に,頭付ボルトのネジ部が挿通し,その挿通した前記ネジ 部にナットがネジ締結することにより,互いに対向する前記第1の平板部と前記第2の平板部の間隔が小さくなり,前記アンカー杭の上端部が たボルト孔に,頭付ボルトのネジ部が挿通し,その挿通した前記ネジ 部にナットがネジ締結することにより,互いに対向する前記第1の平板部と前記第2の平板部の間隔が小さくなり,前記アンカー杭の上端部が前記円弧部の内周面に締め付けられるように,前記固定部材が前記長尺部材に固定されたことを特徴とするものである。」【0024】オ考案の効果 「このような本考案のプレハブ式階段によれば,…プレハブ式階段が設けられる設置地面の地盤が硬い土砂等で形成されている場合であっても,アンカー杭を容易かつ強固に土中に固定することができると共に,プレハブ式階段を設置地面上に強固に固定することができる。」【0028】カ考案を実施するための形態 「以下,本考案に係るプレハブ式階段の実施の形態について,図面に基づいて具体的に説明する。」【0030】「図1ないし図4は,本考案の第1の実施の形態に係るプレハブ式階段30について説明するために参照する図である。」【0031】 「本実施の形態に係るプレハブ式階段30においては,図1及び図2に示すように,階段状に構成された複数のステップ部材4が固定された長尺部材16は,アンカー杭32,固定部材34,頭付ボルト36,及びナット38により,設置地面11上に固定される。」【0032】「アンカー杭32は,その表面に溶融亜鉛メッキ処理が施された金属製の棒状の 部材であり,その外周に,このアンカー杭32の素材として用いた異形鉄筋としての形状を有している。」【0033】「アンカー杭32は,鋼製の異形鉄筋であるため,前記従来のプレハブ式階段2における再生プラスチック製のアンカー杭22に比べて,剛性が大きいために,例え設置地面11の地盤が硬い土砂等で形成されていても,ハンマ ー杭32は,鋼製の異形鉄筋であるため,前記従来のプレハブ式階段2における再生プラスチック製のアンカー杭22に比べて,剛性が大きいために,例え設置地面11の地盤が硬い土砂等で形成されていても,ハンマー等の道具を用い てその上端面に,下側に向って大きな力を加える作業を行なうだけで,アンカー杭32を設置地面11から土中に打ち込むことができる。」【0039】「本実施の形態においては,上記従来のプレハブ式階段2におけるような,地盤 を崩したり埋め戻したりという一連の作業を行わずに,アンカー杭32をいきなり設置地面11の土中に打ち込むことができるため,アンカー杭32を打ち込む場所の周りの地盤は,硬い状態のまま維持されるために,アンカー杭32はぐらつくことなく,設置地面11の土中に強固に固定することができる。」【0041】「次に,図5は,本考案の第2の実施の形態に係るプレハブ式階段に用いられる 固定部材44について説明するために参照する図である。」【0047】 「前記第1の実施の形態に係るプレハブ式階段30においては,図1及び図2に示すように,階段状に構成された複数のステップ部材4が固定された長尺部材16は,アンカー杭32,固定部材34,頭付ボルト36,ナット38により,設置地面11上に固定されていたが,この第2の実施の形態に係るプレハブ式階段におい ては,階段状に構成された複数のステップ部材4が固定された長尺部材16は,上記固定部材34の代わりに固定部材44を用いて設置地面11上に固定されるようになっている。」【0048】「第2の実施の形態に係るプレハブ式階段における固定部材44は,図5(a) 及び(b)に示すように,金属製の一枚の長い平板(板状部材)が折り曲げられて形成されているものであり,平 48】「第2の実施の形態に係るプレハブ式階段における固定部材44は,図5(a) 及び(b)に示すように,金属製の一枚の長い平板(板状部材)が折り曲げられて形成されているものであり,平らな平板部44a(第1の平板部)と,平板部44aから長さ方向に連続して弧を描くように270度程度折り曲げられた円弧部44bと,その円弧部44bの平板部44aと反対側の平板部44c(第2の平板部)が,平板部44aにぶつからないように90度程度折り曲げられて,平板部44a と間隔をおいて互いに対向するように構成されている。」【0049】「この固定部材44の円弧部44bの内周面44dの内径寸法は,アンカー杭32の上端部が緩く挿通することができる程度の大きさに形成されており,互いに対向する平板部44aと平板部44cの間隔が小さくなるにつれて,徐々にその径が小さくなるようになっている。」【0050】 「また,固定部材44の平板部44a,44cには,頭付ボルト36のネジ部が緩く貫通するような寸法に設定された,ボルト孔44f(第1のボルト孔),44e(第2のボルト孔)が,互いに対応する位置に形成されている。」【0051】「この固定部材44の円弧部44bの内周面44dの内側に,図5(b)中の下側から上側に向って,アンカー杭32の上端部(図3中の上端部)が挿し込まれた 状態で,平板部44aの,平板部44cと反対側の面が長尺部材16に接触して配置されるようになっている。」【0052】「そして,平板部44cのボルト孔44eと,平板部44aのボルト孔44fと,長尺部材16のボルト孔44e,44fと対応する位置に頭付ボルト36のネジ部が緩く貫通するよう形成されたボルト孔に,頭付ボルト36のネジ部が挿通し,ナ ット38により締め付 ボルト孔44fと,長尺部材16のボルト孔44e,44fと対応する位置に頭付ボルト36のネジ部が緩く貫通するよう形成されたボルト孔に,頭付ボルト36のネジ部が挿通し,ナ ット38により締め付けられるようネジ締結することにより,長尺部材16に固定部材44が固定されるようになっている。」【0053】「このとき,互いに対抗する平板部44aと平板部44cの間隔が小さくなって互いに近付くので,円弧部44bの内周面44dの内径寸法も併せて小さくなるために,アンカー杭32の上端部が円弧部44bの内周面44dによりきつく締め付 けられて,アンカー杭32と固定部材44は互いに強固に固定される。」【005 4】「このため,階段状に構成された複数のステップ部材4が固定された長尺部材16は,アンカー杭32,固定部材44,頭付ボルト36,ナット38により,接置地面11上に固定される。」【0055】「このような本考案の第2の実施の形態に係るプレハブ式階段によっても,第1 の実施の形態に係るプレハブ式階段30と同様に,プレハブ式階段が設けられる設置地面11の地盤が硬い土砂等で形成されている場合であっても,アンカー杭32を容易かつ強固に土中に固定することができると共に,プレハブ式階段を設置地面11上に強固に固定することができる。」【0056】⑶ 本件考案の概要 実用新案登録請求の範囲の記載(前記⑴)及び本件明細書等の記載(上記⑵)によれば,本件考案の概要は,次のとおりと認められる。 ア本件考案は,プレハブ式階段に関する。(【0001】)従来のプレハブ式階段は,ステップ部材を固定した長尺部材を設置地面上に固定するに際して,再生プラスチック製のアンカー杭を地中に埋め込み,当該アンカー 杭の上端部と長尺 る。(【0001】)従来のプレハブ式階段は,ステップ部材を固定した長尺部材を設置地面上に固定するに際して,再生プラスチック製のアンカー杭を地中に埋め込み,当該アンカー 杭の上端部と長尺部材とをボルト・ナットによりネジ固定していたところ,アンカー杭が剛性の不足する再生プラスチック製であったために,地盤が硬い土砂等で形成されている場合には,アンカー杭を埋め込み固定するのに労力と時間がかかり,またアンカー杭を設置地面の土中に強固に固定できないとの問題点があった。(【0003】,【0004】,【0013】,【0018】ないし【0022】) イ本件考案は,このような問題点に鑑みされたものであり,設置地面の地盤が硬い土砂等で形成される場合であっても,アンカー杭を容易かつ強固に土中に固定でき,これにより設置地面上に強固に固定することができるプレハブ式階段を提供することを課題とする。(【0023】)上記課題を解決するため,本件考案は,アンカー杭を大きな剛性を有するものと することにより,地盤を崩したり埋め戻したりという一連の作業を行わずにアンカ ー杭を設置地面上に打ち込み,アンカー杭を設置地面の土中に強固に固定できるようにするとともに,構成要件EないしGの形状を備える固定部材を用いてアンカー杭の上端部を長尺部材に固定することにより,長尺部材とアンカー杭とを固定部材を介して強固に固定できるようにしたものである。(【0024】,【0028】,【0030】ないし【0033】,【0039】,【0041】,【0047】ない し【0056】) 2 争点1-1(無効理由1〔乙第2号証を主引例とする進歩性欠如〕は認められるか)について⑴ 乙2公報の記載本件出願日前に日本国内で頒布された刊行物である乙2公報に し【0056】) 2 争点1-1(無効理由1〔乙第2号証を主引例とする進歩性欠如〕は認められるか)について⑴ 乙2公報の記載本件出願日前に日本国内で頒布された刊行物である乙2公報には,次の記載があ る(乙2。各項目末尾の【】は,考案の詳細な説明の段落番号を指す。)。 「本考案は,プレハブ階段の改良に関する。」【0001】「プレハブ式階段は,例えば山間部における登山道とか,工事現場とかの斜面に簡単に取り付けできる階段として使用される。従来のプレハブ式階段…の概略を図7に示して説明すると,各ステップ1をステップ連結釘2で連結しながら,鋼棒3 にて,ステップ1を設置面4に直に固定するようにしている。」【0002】 「上記従来例において,ステップ1を鋼棒にて直に設置面に固定するようにしていたので,次のような改良すべき課題がある。すなわち,…設置面が自然の傾斜地である場合には,通常設置面が凹凸面になっている。このような凹凸面に各ステッ プをステップ連結釘で連結して設置した場合に,各ステップの着地状態が一定ではなく,時には地面から浮き上がったステップもあり,かつ,凹凸面にそって捻れたりする。その結果,鋼棒の固定力が十分でない部分があり,また,捻れた状態のステップを繰り返し踏むことにより,鋼棒の固定力が低下するという課題がある。」【0003】 「また,このような課題をなくすために予め整地すればよいのであるが,その整地に多くの労力がかかり,納期や価格の点で課題があり,…大きな凹凸(例えば谷など)の場合には大がかりな整地工事となり,さらに納期や価格の点で改良すべき課題がある。」【0004】「また,ステップを直に設置面に固定する場合には,ステップを現地に搬入し, ステップ連結釘で連結し には大がかりな整地工事となり,さらに納期や価格の点で改良すべき課題がある。」【0004】「また,ステップを直に設置面に固定する場合には,ステップを現地に搬入し, ステップ連結釘で連結しながら鋼棒で固定することになるので,作業環境が悪い場所で作業をしなければならず,作業能率の点で課題がある。また,各ステップを設置面に固定する場合に,一つ一つのステップを鋼棒で固定しなければならないので,鋼棒の数が多くなり,それだけ現場での作業工数が多くなって,納期や価格の点で改良すべき課題がある。」【0005】 「本考案はステップの設置面が凹凸であっても,整地することなくステップを確実に固定すると共に,繰り返しステップを踏んでも鋼棒の固定力が低下せず,更に現地作業を少なくしたプレハブ式階段を提供するものである。」【0006】「以下,本考案の実施例について説明する。図6において,ステップ1はステップ連結釘2にて互いに連結され,この連結部を枠体固定釘5にて枠体6に固定する。 したがって,各ステップ1は,ステップ連結釘2と枠体固定釘5によって,実質的にステップ1の両端が枠体6に固定されることになる。」【0015】 「枠体6は,図2の平面を示す図3において,二本平行に設けた部材をステップ1で連結したものである。本実施例では,二本の部材を平行に設けているが,ステップ1の幅が広い場合や,…枠体6を掛け渡す距離が長い場合には,枠体6の強度を持たせるために,例えば三本の部材を平行に設け,これをステップで繋ぐようにする。また,枠体6として,…4本以上の部材を平行に設けてステップを繋ぐよう にしても良い。」【0017】 「次に,作用について説明する。図1および図2において,枠体6の長さL1を定尺物とする。各ステ 体6として,…4本以上の部材を平行に設けてステップを繋ぐよう にしても良い。」【0017】 「次に,作用について説明する。図1および図2において,枠体6の長さL1を定尺物とする。各ステップ1をステップ連結釘2で連結し,枠体固定釘5でステップ1を枠体6に固定するようにしているので,現場合わせにて枠体6の繋ぎ部分にステップ1aのように取り付けることができ,ステップ1の数を任意に選択するこ とができる。また,枠体6に予め工場等の作業しやすい場所で,ステップ1を取り付け,現場ではステップ1aを取り付けるようにすることができ,現場での作業を少なくすることができる。」【0018】「図1に示すように,設置面がコンクリート設置面8である場合には,枠体6をアンカボルト7で固定する。このように,枠体6をアンカボルト7で固定すること により,アンカボルト7の数を少なくすることができ,現場での作業性を向上する ことができる。また,図2に示すように,設置面4が自然の傾斜地である場合には,設置表面GLが凹凸になっている。しかしながら,枠体6をこの凹凸面に掛け渡すようにしてアンカ杭9にて固定することができるので,整地をすることなく,枠体6を固定することができる。また,アンカ杭固定釘10により,アンカ杭9を枠体6の側面に固定するようにすれば,設置表面GLの凹凸面に応じて,任意の位置に アンカ杭9を打ち込むことができ,枠体6を設置面4に確実に固定することができる。」【0019】 「このように,枠体6を設置面4に固定することにより,ステップ1を登り降りする体重を枠体6で受けることができ,設置面4にかかる単位面積当たりの荷重を少なくし,未整地の地面でも崩れることはなく,アンカ杭9の固定力の低下は起こ らない。また,ステ ステップ1を登り降りする体重を枠体6で受けることができ,設置面4にかかる単位面積当たりの荷重を少なくし,未整地の地面でも崩れることはなく,アンカ杭9の固定力の低下は起こ らない。また,ステップ1の捻れも少なくなるので,ステップ連結釘2および枠体固定釘5の緩みも起こらない。」【0020】⑵ 引用考案上記⑴に認定した乙2公報の記載によれば,乙2公報には,次の考案(以下「引用考案」という。)が記載されているものと認められる。 「傾斜した設置地面上に互いに略平行に配置された複数の部材により構成された枠体6と,水平に配置された板状部と鉛直に配置された板状部とを有し,前記傾斜 した設置地面上に配置された枠体6上に階段状に並べて配置されたステップ1と,アンカ杭固定釘10と,下端部が前記設置地面の土中に埋め込まれ,上端部が前記設置地面から突き出して前記枠体6に固定されたアンカ杭9とを備え,前記アンカ杭固定釘10により前記アンカ杭9が枠体6の側面に固定されたことを特徴とするプレハブ式階段。」 ⑶ 本件考案と引用考案の対比ア一致点引用考案の「複数の部材により構成された枠体6」は本件考案の「複数の長尺部材」に,引用考案の「水平に配置された板状部と鉛直に配置された板状部とを有し,前記傾斜した設置地面上に配置された枠体6上に階段状に並べて配置されたステッ プ1」は本件考案の「水平に配置された踏み板部と,鉛直に配置され上辺部が前記踏み板部の側辺部に一体的に連続又は接続された蹴上げ部とを有すると共に,前記傾斜した設置地面上に配置された長尺部材上に階段状に並べて配置されたステップ部材」に,引用考案の「アンカ杭9」は本件考案の「アンカー杭」に,それぞれ相当すると認められる。 したがって,本件考 した設置地面上に配置された長尺部材上に階段状に並べて配置されたステップ部材」に,引用考案の「アンカ杭9」は本件考案の「アンカー杭」に,それぞれ相当すると認められる。 したがって,本件考案と引用考案とは,「傾斜した設置地面上に互いに略平行に配置された複数の長尺部材と,水平に配置された踏み板部と,鉛直に配置され上辺部が前記踏み板部の側辺部に一体的に連続又は接続された蹴上げ部とを有すると共に,前記傾斜した設置地面上に配置された長尺部材上に階段状に並べて配置されたステップ部材と,下端部が前記設置地面の土中に埋め込まれ,上端部が前記設置地 面から突き出して前記固定部材に固定されたアンカー杭とを備えたことを特徴とするプレハブ式階段」である点において一致する。 イ相違点他方で,本件考案と引用考案とは,次の点において相違する。 (ア) 本件考案の「アンカー杭」が「大きな剛性を有する」(構成要件D)のに対 し,引用考案の「アンカ杭9」の剛性は特定されていない点(以下「相違点1」と いう。)(イ) 本件考案のプレハブ式階段は,「平坦な第1の平板部と,前記第1の平板部から前記板状部材の長さ方向に連続して弧を描くように折り曲げられた円弧部と,前記円弧部の前記第1の平板部と反対側の端部が折り曲げられて,前記第1の平板部と間隔を空けて互いに対向するように形成された平坦な第2の平板部とを有し, 前記第1の平板部及び第2の平板部には,互いに対応する位置に配置された,第1のボルト孔及び第2のボルト孔がそれぞれ形成され,前記円弧部の内周面の内径寸法は,前記アンカー杭の上端部が挿通することができる大きさに形成されると共に,互いに対向する前記第1の平板部と前記第2の平板部の間隔が小さくなるにつれて,前記内径寸法が小さくな 弧部の内周面の内径寸法は,前記アンカー杭の上端部が挿通することができる大きさに形成されると共に,互いに対向する前記第1の平板部と前記第2の平板部の間隔が小さくなるにつれて,前記内径寸法が小さくなるように形成され」(構成要件EないしG),「一枚の板 状部材が折り曲げされることにより形成され,前記長尺部材に固定された固定部材」(構成要件C)を備えるのに対し,引用考案のプレハブ式階段はそのような固定部材を備えない点(以下「相違点2」という。)(ウ) 本件考案の「アンカー杭」は,その上端部が固定部材の円弧部の内周面の内側に挿し込まれ,それぞれボルト孔を有する固定部材と長尺部材とがボルト・ナッ トにてネジ締結されることにより,上記内周面に締め付けられるように固定されるのに対し,引用考案の「アンカ杭9」は,「アンカ杭固定釘10」により「枠体6」の側面に固定される点(以下「相違点3」という。)ウ被告の主張についてこの点について,被告は,乙2公報には「大きな剛性を有するアンカ杭」が開示 されていると主張する。しかしながら,乙2公報には,従来のプレハブ式階段の概略を説明する箇所において「鋼棒3」に言及する部分はあるが(段落【0002】,【0003】),被告は,同部分に記載された考案を本件考案と対比すべき先行技術として主張するものではなく,乙2公報の実施例として開示された考案を問題にしているところ,当該考案が有する「アンカ杭9」については,その剛性は特定さ れておらず,むしろ「アンカ杭固定釘10により…枠体6の側面に固定」できるも のでなければならないことからすれば,「大きな剛性を有する」ものではないことが示唆されているというべきであるから,被告の主張は採用することができない。 ⑷ 相違点に係る容易想到 できるも のでなければならないことからすれば,「大きな剛性を有する」ものではないことが示唆されているというべきであるから,被告の主張は採用することができない。 ⑷ 相違点に係る容易想到性の検討ア相違点2及び同3について(ア) 被告は,乙2公報に記載された考案(引用考案)について,鋼棒の固定力が 低下することを課題とするものであるところ,固定力を向上させ,更に工程数を削減するため,引用考案中のアンカー杭として周知技術(乙7,8)に係るパイプ杭を想定し,パイプを強固に固定する部材として分野を問わず採用されていた周知技術(乙3ないし5)に係るb字型部材を採用する動機付けがあると主張する。 しかしながら,まず,アンカー杭としてパイプ杭を用い,その下端部を地中に埋 め込み,上端部をクランプを介して設置物を地面に固定することが本件出願日当時の周知技術であったとしても,引用考案における「アンカ杭9」をあえて「パイプ杭」に置き換える動機付けとなるべき積極的な事情は見当たらない。 また,前記⑴のとおり,乙2公報には,「上記従来例において,ステップ1を鋼棒にて直に設置面に固定するようにしていたので,次のような改良すべき課題があ る。すなわち,…設置面が自然の傾斜地である場合には,通常設置面が凹凸面になっている。このような凹凸面に各ステップをステップ連結釘で連結して設置した場合に,各ステップの着地状態が一定ではなく,時には地面から浮き上がったステップもあり,かつ,凹凸面にそって捻れたりする。その結果,鋼棒の固定力が十分でない部分があり,また,捻れた状態のステップを繰り返し踏むことにより,鋼棒の 固定力が低下するという課題がある。」との記載があり(段落【0003】),従来のプレハブ式階段において,設置面に凹凸 ない部分があり,また,捻れた状態のステップを繰り返し踏むことにより,鋼棒の 固定力が低下するという課題がある。」との記載があり(段落【0003】),従来のプレハブ式階段において,設置面に凹凸があるために,ステップと設置面とを直接固定する鋼棒の固定力が低下する課題が存した旨の記載はあるが,引用考案において「アンカ杭固定釘10」により「アンカ杭9」を「枠体6」に固定した場合にもなお「アンカ杭9」の固定力が低下するとの課題が存することについては,乙 2公報には記載も示唆もない。また,かかる課題が自明のものと認めるべき事情も 見いだせない。かえって,引用考案によれば,「アンカ杭固定釘10により,アンカ杭9を枠体6の側面に固定するようにすれば,設置表面GLの凹凸面に応じて,任意の位置にアンカ杭9を打ち込むことができ,枠体6を設置面4に確実に固定することができる。」(下線を付した。)とされ(段落【0019】),アンカ杭固定釘10による固定方法であれば設置面の凹凸に応じて任意の位置にアンカ杭9を打 つことができるのに対して,本件考案では「前記長尺部材の前記第1のボルト孔と前記第2のボルト孔に対応する位置に形成されたボルト孔」(下線を付した。)と規定されており(構成要件I),長尺部材にあらかじめボルト孔を形成しておくのであれば,出荷前の工程数が増加する上に必ずしも任意の位置にアンカ杭を打つことができなくなるし,あらかじめボルト孔を形成しないとしても,施工時にボルト 孔を形成する工程が増加すると共に,固定部材とボルト・ナットを要するために引用考案より部材数が増加することになるから,アンカ杭固定釘に代えて,「b字型部材」を採用する動機付けを阻害する要因があるというべきである。 (イ) 次に,被告は,本件出願日当時,設置物 ために引用考案より部材数が増加することになるから,アンカ杭固定釘に代えて,「b字型部材」を採用する動機付けを阻害する要因があるというべきである。 (イ) 次に,被告は,本件出願日当時,設置物を地面に固定するために,一枚の板状部材からなる固定部材の円弧部にアンカー杭を挿入し,ボルトとナットで締め付 ける構成が公知であり(乙14),この固定部材の形状を「b字型」とすることは,設置物や設置状況に応じて当業者が適宜設計できる事項にすぎないとして,乙第14号証に開示された板状部材を適宜b字型部材に変更して引用考案に適用することにより,相違点2及び同3に係る本件考案の構成に容易に想到できるとも主張する。 しかし,引用考案において「アンカ杭固定釘10」により「アンカ杭9」を「枠 体6」に固定した場合にもなお「アンカ杭9」の固定力が低下するとの課題が存することにつき乙2公報には記載も示唆もなく,また,同課題が自明であったと認めることもできないことは,既に述べたとおりであるから,乙第14号証に開示された構成を引用考案に適用する動機付けは認め難いというほかない。 加えて,乙第14号証(実用新案登録第3140137号公報)に開示されてい る略C字形状の部材(「締付部材43」)は,物置Sの壁面や脚部に固定される保 持部材33と,この保持部材33に固定され,杭35が通される案内部材37とを主要部に備える杭打ち設置用具1Bを構成する保持部材33の一部を構成する部材であって(段落【0024】,【0027】),それのみで杭35を固定するものではないところ,そのような杭打ち設置用具1Bから「締付部材43」のみを取り出して,その形状をすすんで適宜「b字型」に変更する動機付けを認めることは, より困難というほかない。 (ウ) さ ではないところ,そのような杭打ち設置用具1Bから「締付部材43」のみを取り出して,その形状をすすんで適宜「b字型」に変更する動機付けを認めることは, より困難というほかない。 (ウ) さらに,被告は,そもそも鋼棒を基材に固定する方法は,当業者にとって設計的事項というべきであって,引用考案における「アンカ杭固定釘10」に代えて,一般に販売されていた「b字型部材」を採用することには何らの困難もないと主張する。 しかし,建設現場に設置される設置物を設置地面に固定する杭と設置物との固定方法が当業者にとって設計的事項にすぎないことをうかがわせるような事情は何ら認められない。被告が一般に販売されていると主張する「ワニグチ片サドル」(乙18)や「ユニクロ片サドル」「ステン片サドル」(乙19)が,設置物を設置地面に固定する杭を設置物に固定する方法として当業者が適宜採用できるものかは判 然としないというべきである。 (エ) したがって,当業者といえども,本件出願日当時,引用考案に周知技術又は公知の構成を適用して,又は鋼棒の固定方法を適宜設計することにより,相違点2及び同3に係る本件考案の構成に想到することが極めて容易であったと認めることはできない。 イ相違点1について被告は,引用考案における「アンカー杭9」を相違点1に係る本件考案の構成(「大きな剛性を有する」)とすることが極めて容易であるとみるべき事情を主張しておらず,かえって,引用考案における「アンカー杭9」が「アンカ杭固定釘10により…枠体6の側面に固定」できるものでなければならないことからすれば,引用考 案における「アンカー杭9」を「大きな剛性を有する」ようにすることは,むしろ 容易ではなかったことがうかがわれるところである。 ⑸ きるものでなければならないことからすれば,引用考 案における「アンカー杭9」を「大きな剛性を有する」ようにすることは,むしろ 容易ではなかったことがうかがわれるところである。 ⑸ 小括以上によれば,本件考案は,当業者が本件出願日当時引用考案に基づいて極めて容易に考案をすることができたものとは認められないから,被告の主張する無効理由1は成り立たない。 3 争点1-2(無効理由2〔第2東名高速道路東上トンネルでの公然実施による新規性欠如〕は認められるか)について⑴ 被告は,原告が本件出願日に先立つ平成21年11月頃,清水建設に対して,東上トンネル工事向けとして本件公然実施品を販売し納品したから,本件考案は,本件出願日前に日本国内において公然実施をされた考案であって,新規性欠如の無 効理由があると主張する。 ⑵ そこで検討するに,証拠(乙10)によれば,平成28年7月19日時点で,第2東名高速道路上り東上トンネル入口の脇付近に,本件考案の実施品(以下「本件実施品」という。)が設置されていることが認められ,原告は,本件実施品につき,原告が製造販売した製品であることを争っていない。 しかし,本件全証拠によっても,清水建設が本件実施品を設置したことや,原告が本件出願日前に本件実施品を清水建設又はその関連会社に納品した事実を認めるには至らない。 この点について,被告は,原告のカタログ(乙9)に「NEXCO様リバーザー・ステップ納入実績(抜粋)」「平成21年11月愛知県第二東名道東上 トンネル工事清水建設(株) 1073枚」との記載があることを指摘するが,証拠(甲29,乙23)によれば,「リバーザー・ステップ」とは,原告が製造販売するプレハブ式階段の総称であって,必ずしも本件 トンネル工事清水建設(株) 1073枚」との記載があることを指摘するが,証拠(甲29,乙23)によれば,「リバーザー・ステップ」とは,原告が製造販売するプレハブ式階段の総称であって,必ずしも本件考案の実施品のみを示すものではなく,「リバーザー・ステップ納入実績」との記載も,本件考案の実施品のみの納入実績を示すものではないことが認められる。原告の売上帳簿(甲14)上も 伝票(甲37)上も,原告が本件出願日以前に本件実施品を清水建設に納品したこ とをうかがわせる記載はない。 かえって,証拠(甲24ないし28)によれば,NEXCO中日本名古屋支社は,平成22年4月30日頃,大林組に対し,「第二東名高速道路稲城トンネル工事他1トンネル工事」を発注し,同工事に係る雑工平面図には,「東上トンネル(上り線」の入り口付近に「階段工A2-14.6」との記載があること,原告は,大 林組にも「リバーザー・ステップ」を継続的に納品していることがそれぞれ認められるから,本件実施品は,本件出願日後に原告が大林組に納品し,その後施工された可能性が相応に認められるというべきである。 ⑶ 以上によれば,本件考案が,本件出願日より前に,日本国内において公然実施をされた考案であるとは認められないから,被告の主張する無効理由2は成り立 たない。 4 争点2(被告製品の譲渡等の差止め及び廃棄の必要性があるか)について前記前提事実等(第2,2⑷)のとおり,被告製品は,本件考案の構成要件を全て充足するから,その技術的範囲に含まれ,また,上記2及び3のとおり本件考案についての実用新案登録につき被告の主張する無効理由は成り立たないから,被告 が業として被告製品を譲渡等することは,本件実用新案権を侵害する行為である。 したがって,被告に のとおり本件考案についての実用新案登録につき被告の主張する無効理由は成り立たないから,被告 が業として被告製品を譲渡等することは,本件実用新案権を侵害する行為である。 したがって,被告による被告製品の譲渡等を差し止める必要があるというべきであるし,被告が保有する被告製品を廃棄させる必要がある。 この点について,被告は,被告が平成28年1月には被告製品の製造販売を終了させ,被告製品で用いられていたボルト・ナットをコーチボルトに変更した新製品 を譲渡等していると主張するが,被告の主張によっても,新製品は,被告製品におけるボルト・ナットをコーチボルトに変更したにとどまるものであり,被告においてコーチボルトをボルト・ナットに再度変更して譲渡等することは容易であるから,なお被告が被告製品を譲渡等するおそれが認められるというべきである。 5 争点3(不当利得の額及び損害の額)について ⑴ 不当利得について ア不当利得金の算定の対象となる期間について原告は,被告が,本件実用新案登録がされた後の日である平成25年1月1日から平成27年7月31日までの間に,実施料を支払うことなく被告製品を譲渡等して,法律上の原因なく実施料相当額の利得を得ており,これと同額の損失を原告に及ぼした旨主張する。これに対し,被告は,不当利得金の算定の基礎とされるべき 被告製品の譲渡等は,本件考案に係る実用新案技術評価書が発送された平成27年5月21日以降にされたものに限られるべきとか,原告が提出した訂正書が受理された平成26年7月7日以降にされたものに限られるべき旨主張している。 実用新案法14条の2第11項は,同条1項に規定する実用新案権者による訂正があったときは,その訂正後における明細書,実用新案登録請求の範囲又は図 7日以降にされたものに限られるべき旨主張している。 実用新案法14条の2第11項は,同条1項に規定する実用新案権者による訂正があったときは,その訂正後における明細書,実用新案登録請求の範囲又は図面に より実用新案登録出願及び実用新案権の設定の登録がされたものとみなす旨規定しているから,原告が平成26年7月7日付け訂正書によってした実用新案登録請求の範囲の訂正の効力は,本件実用新案登録の日である平成22年4月14日に遡及することとなる。したがって,被告製品が上記訂正後の実用新案登録請求の範囲の構成要件を全て充足し,本件考案の技術的範囲に含まれる以上,被告は,原告に実 施料を支払うことなく,平成22年4月14日以降に被告製品を譲渡等したことにより,実施料相当額の利得を得ており,原告は,これと同額の損失を受けたものというべきである。 この点について,被告は,実用新案技術評価書を提示して警告した後でなくては実用新案権を行使できないことから,進歩性を認める旨の実用新案技術評価書が発 送された日や,当該進歩性を認める旨の実用新案技術評価書の基礎とされた訂正書が受理された日が,不当利得金の算定の対象となる期間の始期とされるべき旨主張するが,実用新案技術評価書の提示は,権利を行使するための手続的要件にすぎず,実用新案技術評価書を請求する以前には実用新案権が実体的に存在しないということにはならないから,被告の主張は採用することができない。 イ不当利得発生の原因となる取引について 証拠(乙27)及び弁論の全趣旨によれば,平成25年1月1日から平成27年7月31日までの間における被告による被告製品の販売実績は,別紙4被告売上高の番号1から48のとおりであり(後述するとおり,番号49から56までの販売分につい れば,平成25年1月1日から平成27年7月31日までの間における被告による被告製品の販売実績は,別紙4被告売上高の番号1から48のとおりであり(後述するとおり,番号49から56までの販売分については,平成27年8月1日以後にされたものと認められる。),その売上高の合計は2709万0327円と認められる。 ウ相当な実施料率について証拠(乙26)によれば,発明協会研究センター(当時)が実施した調査の結果,建設技術の外国技術導入契約における平成4年度から平成10年度までの実施料率の平均値が3.1パーセントであったことが認められる。このことに加え,本件考案は原告が自ら出願した引用考案の改良に係る考案と位置付けられることなどの事 情を考慮し,本件考案の実施に係る実施料率としては,被告製品の譲渡等により被告が得た売上高の3パーセントと認めるのが相当である。 エ小括以上によれば,被告は,平成25年1月1日から平成27年7月31日までの間に,実施料を支払うことなく被告製品を譲渡等したことにより,法律上の原因なく, 81万2710円(2709万0327円×3パーセント)の利得を得たものであり,原告は,これと同額の損失を受けたものと認められる。 ⑵ 不法行為についてア平成27年8月1日以降の譲渡行為について証拠(乙27)及び弁論の全趣旨によれば,被告は,平成27年8月1日以降, 別紙4被告売上高の番号49ないし56のとおり,本件考案の技術的範囲に属する被告製品を取引先に納品して譲渡したものと認められる。 これに対し,被告は,上記各取引に関し,被告が被告製品を取引先に納品したのは平成27年8月1日以降であるが,被告は,これらの取引に係る発注を平成26年10月10日付けで受けており(乙28),発注 これに対し,被告は,上記各取引に関し,被告が被告製品を取引先に納品したのは平成27年8月1日以降であるが,被告は,これらの取引に係る発注を平成26年10月10日付けで受けており(乙28),発注を受けた時点で受注者である被 告としては特定の製品を納入すべき義務を負うから,この時点で被告製品の譲渡は 完了したと主張する。しかし,平成26年10月10日付け発注書(乙28)には,「納期:都度お打合せ」「期間:H26年10月~工事完了まで」「<条件>上記数量は暫定数量とし,納入時に各設置箇所より階段段数(幅・傾斜角度)及び部材数量等を算出し都度納入する。」との各記載があり,同日時点においては被告製品がいつ,どの程度の数量納品されるべきかについては確定されていなかったという ほかはないから,現実に被告製品を取引先に納品した日に「譲渡」があったと認めるのが相当である。被告の主張は採用することができない。 イ不法行為の成立について被告が本件考案の技術的範囲に含まれる被告製品を譲渡することは,本件実用新案権を侵害する行為となるところ,前記前提事実等(第2,2⑸)のとおり,被告 は,遅くとも平成27年7月31日までに,本件考案に係る実用新案技術評価書と共に送付された同月23日付け通告書による警告を受けているから,同年8月1日以降の被告製品の譲渡による本件実用新案権の侵害につき,被告には,少なくとも過失が認められるというべきである。 ウ実用新案法29条2項の適用について 証拠(甲13,乙9,23)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,遅くとも平成24年から現在に至るまで,本件考案の実施品であるプレハブ式階段を販売していることが認められるから,原告には,被告による本件実用新案権の侵害がなかったならば利益が得ら によれば,原告は,遅くとも平成24年から現在に至るまで,本件考案の実施品であるプレハブ式階段を販売していることが認められるから,原告には,被告による本件実用新案権の侵害がなかったならば利益が得られたであろうという事情が存在するといえる。したがって,本件実用新案権の侵害による原告の損害を判断するに際し,実用新案法29条2項を適 用することができるというべきである。 エ被告が得た利益の額について証拠(乙27,33ないし36)及び弁論の全趣旨によれば,被告が,別紙4被告売上高の番号49ないし56の取引により得た売上高は,合計745万1050円であり,他方,これらの取引に対応する仕入額の合計額は,別紙5被告利益率の 「仕入額(円)」欄の合計値である660万3808円と認められる。 したがって,本件実用新案権を侵害する行為である被告製品の譲渡により被告が得た利益の額は,84万7242円(745万1050円-660万3808円)と認められる。 これに対し,原告は,被告の利益率が30パーセントであると主張するが,これを認めるに足りる的確な証拠はないから,原告の主張は採用することができない。 他方,被告は,被告製品の売上高から,仕入額のほか,販売管理費として売上高の5パーセント相当額を控除すべき旨主張するが,上記5パーセント相当額が被告製品の販売数量に応じて増加する経費であるとは認められないから,被告の主張は採用することができない。 オ小括 以上によれば,平成27年8月1日以降に被告が被告製品を譲渡したことにより得た利益の額は,84万7242円と認められるから,同額が,被告による本件実用新案権の侵害行為により原告が受けた損害の額と推定され(実用新案法29条2項),同推定を覆すべき事情の主張立 たことにより得た利益の額は、84万7242円と認められるから、同額が、被告による本件実用新案権の侵害行為により原告が受けた損害の額と推定され(実用新案法29条2項)、同推定を覆すべき事情の主張立証はない。したがって、原告が受けた損害の額は、84万7242円と認められる。 結論以上によれば、原告の請求は、被告に対し、被告製品の譲渡等の差止め及び廃棄を求め、また、165万9952円及びこれに対する平成29年4月7日から支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度において理由があり、その余は理由がない。 よって、主文のとおり判決する(なお、原告は、被告製品の廃棄を命ずる主文第2項については、仮執行宣言の申立てをしていない。)。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 嶋末和秀 裁判官 天野研司 裁判官 西山芳樹 (別紙1)被告製品目録 1 製品名プレハブ式階段(ジオ・ステップ(Type-C)) 2 図面等の説明図1は、被告製品の側面図。図2は、同平面図。図3は、図1のA部詳細図。 図4は、ブラケットの平面説明図。図5は、ブラケットを第1の平板部側から見た正面図。図6は、ブラケットを第2の平板部側から 図2は,同平面図。 図3は,図1のA部詳細図。 図4は,ブラケットの平面説明図。 図5は,ブラケットを第1の平板部側から見た正面図。 図6は,ブラケットを第2の平板部側から見た正面図。 図7は,ブラケットを角材に固定した状態の説明図。 3 符号の説明 1 角材(長尺部材) 2 ステップ部材 3 ブラケット(固定部材) 4 異形鉄筋杭(アンカー杭) 5 頭付きボルト 6 ナット 11 ボルト孔 21 踏み板部 22 蹴上げ部 31 第1の平板部 32 円弧部 33 第2の平板部 34 第1のボルト孔 35 第2のボルト孔 51 ネジ部 4 構造の説明 被告製品は,傾斜した設置地面100上に互いに略平行に配置された複数の角材1と,水平に配置された踏み板部21と,鉛直に配置され上辺部が前記踏み板部の側辺部に一体的に連続又は接続された蹴上げ部22とを有すると共に,前記傾斜した設置地面100上に配置された角材1上に階段状に並べて配置されたステップ部材2と,一枚の板状部材が折り曲げられることにより形成され,角材1に固定されたブラケット3と,下端部が設置地面100の土中に埋め込まれ,上端部が設置地面100から突き出してブラケット3に固定された,大きな剛性を有する異形鉄筋杭4とを備え,ブラケット3は,平坦な第1の平板部31と,第1の平板部31から板状部材の長さ方向に連続して弧を描くように折り曲げられた円弧部32と,円弧部32の第1の平板部31と反対側の端部が折り曲げられて,第1の平板部31と間隔を空けて互いに対向するように形成された平坦な第2の平板部33とを有し,第1の 曲げられた円弧部32と,円弧部32の第1の平板部31と反対側の端部が折り曲げられて,第1の平板部31と間隔を空け て互いに対向するように形成された平坦な第2の平板部33とを有し,第1の平板部31及び第2の平板部33には,互いに対応する位置に配置された,第1のボルト孔34及び第2のボルト孔35がそれぞれ形成され,円弧部32の内周面の内径寸法は,異形鉄筋杭4の上端部が挿通することができる大きさに形成されると共に,互いに対向する第1の平板部31と第2の平板部3 3の間隔が小さくなるにつれて,内径寸法が小さくなるように形成され, 円弧部32の内周面の内側に,異形鉄筋杭4の上端部が挿し込まれ,第1の平板部31の,第2の平板部33と対向する側とは反対側の面が角材1に接触して配置され,第1の平板部31の第1のボルト孔34と,第2の平板部32の第2のボルト孔35と,角材1の第1のボルト孔34及び第2のボルト孔35に対応する位置に形 成されたボルト孔11に,頭付ボルト5のネジ部51が挿通し,その挿通したネジ部51にナット6がネジ締結することにより,互いに対向する第1の平板部31と第2の平板部33の間隔が小さくなり,異形鉄筋杭4の上端部が円弧部32の内周面に締め付けられるように,ブラケット3が角材1に固定されたことを特徴とするプレハブ式階段。 【第1図】 【第2図】 【第3図】 【第4図】 【第5図】 【第 図】 第4図 第5図 第6図 第7図 (別紙2)省略(別紙3)省略

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