主文 被告人を拘禁刑6月に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 和歌山地方検察庁田辺支部で保管中の大麻4点(令和7年領第93号符号1-1、2-1、3-1、4-1)を没収する。 理由 【罪となるべき事実】被告人は、みだりに、令和7年6月4日、和歌山県田辺市(住所省略)北側路上に停車中の自動車内において、麻薬である大麻の植物片約4.743グラムを所持したものである。 【証拠の標目】(省略)【法令の適用】罰条麻薬及び向精神薬取締法66条1項宣告刑の決定拘禁刑6月 刑の全部執行猶予刑法25条1項没収麻薬及び向精神薬取締法69条の3第1項本文(犯人が所持)訴訟費用(不負担) 刑事訴訟法181条1項ただし書【量刑の理由】 本件は、大麻の植物片を所持していた事案である。 被告人は、上記で認定された量の大麻の植物片のみならず、かつて大麻の植物片が中に入っていたことがうかがえる合成樹脂製袋16袋、巻紙、クラッシャー等を所持しており、高校在学時から大麻を吸っていた旨を警察官等に対して認める供述をしていることを踏まえると、被告人の大麻に対する常習性・親和性・依存性は顕 著である。 被告人が、大麻施用の影響下で、ふらつくような、道路交通上に具体的な危険を惹起する態様で乗用自動車(軽四)を運転していたことを原因として、警察官から職務質問を受けたことを契機に本件が発覚したという経緯からしても、被告人による大麻施用が社会に対して具体的に悪影響を及ぼし始めていたものといわざるを得ない。 してみると、被告人の刑責は小さくなく、拘禁刑でもって、実際に社会から一定期間隔離した らしても、被告人による大麻施用が社会に対して具体的に悪影響を及ぼし始めていたものといわざるを得ない。 してみると、被告人の刑責は小さくなく、拘禁刑でもって、実際に社会から一定期間隔離した上で、新制度の趣旨に沿った環境下にて徹底した矯正教育を受けさせて、違法薬物の問題点を被告人に認識させて、更生させる方途を選択することも、十分に考慮に値するところである。 しかしながら、被告人は、本件で逮捕勾留されたことをきっかけとして、保釈後 専門医に通って薬物依存症の治療を受け始めるなど、拘禁刑の趣旨に沿った形での更生のための行動を起こしており、自己の自堕落だった生活を見直し、違法薬物を断ち切るとの観点から、交友関係についても整理するとの文書を作成し、公判廷でも同様の供述を行うに至った。また、被告人は、自ら違法薬物から遠ざかる選択として仕事を改め、本件前の時点で素直には受け入れなかった実母からの監督につい ても、今後は受ける意思を明らかにしているなど、反省の姿勢を行動で示していることは否定できない。 そこで、被告人には、前科がなく、正式裁判を受けるのが今回初めてであり、未だ一定以上の可塑性が残っている年齢といえることも考慮し、今回に限り、一旦、拘禁刑の執行を猶予した上で、自力による更生に失敗すれば、結局、刑事施設にて 矯正教育を受けることになるかもしれないとの心理的な強制下に被告人をおいて、社会内で違法薬物による誘惑を自ら断ち切って、更生させる機会を与えることが相当と判断し、主文のとおり、刑を量定した。 (求刑拘禁刑6月大麻4点没収)令和7年8月7日 和歌山地方裁判所田辺支部 裁判官廣瀬一平 令和7年8月7日 和歌山地方裁判所田辺支部 裁判官廣瀬一平
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