平成20(行コ)333 不当利得返還(住民訴訟)請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成19年(行ウ)第462号)

裁判年月日・裁判所
平成21年5月27日 東京高等裁判所 住民訴訟
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判決文本文2,170 文字)

- 1 -主文本件控訴をいずれも棄却する。 控訴費用(補助参加によって生じた費用を含む。)は,控訴人らの 負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨原判決を取り消す。 被控訴人は,被控訴人補助参加人に対し,512万2875円及びこれに対 する平成18年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を請求せよ。 第2事案の概要等 (本件会派)本件は,墨田区の住民である控訴人らが,被控訴人補助参加人が平成17年度(平成17年4月1日から平成18年3月31日まで)に交付を受けた政務調査費の一部を区政に関する調査研究に資するために必要な経費以外の経費として支出し,当該経費に係る金額につき墨田区の損失において不当に利得したとして,被控訴人に対し,本件会派に対して不当利得返還請求権に基づいて512万2875円の支払を請求することを求める住民訴訟である。 原審は,控訴人らの請求をいずれも棄却した。 当裁判所も,控訴人らの請求はいずれも棄却すべきものと判断した。 関係法令等の定め,前提事実,争点及び当事者の主張は,原判決の事実及び 理由の「第2事案の概要」2から5(原判決3頁7行目から19頁5行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 第3当裁判所の判断当裁判所の判断は,原判決23頁12行目「360号」を「361号」に改 めるほかは,原判決の事実及び理由の「第3当裁判所の判断」(原判決19頁6行目から32頁17行目まで及び別紙1から5)に記載のとおりであるから,これ- 2 -を引用する(ただし,別紙1の17年4月の電話料2欄「¥4,008」を「¥4,009」に,電話料2欄の合計額欄「¥45,596」を「¥45,597」に,合計額欄の合計額欄「¥1,020,932」を「¥1,020,933 別紙1の17年4月の電話料2欄「¥4,008」を「¥4,009」に,電話料2欄の合計額欄「¥45,596」を「¥45,597」に,合計額欄の合計額欄「¥1,020,932」を「¥1,020,933」にそれぞれ改める。)。 控訴人らは,本件会派が発行している区議団ニュースに掲載されたAの新会 長のインタビュー,「医療と健康シリーズ」と題するコラムは,区政に関わりのないものであり,「視点」と題するコラムは,国政レベルの政党活動に関する記事であって,いずれも区政に関する調査研究に資するものとはいえないから,そのような記事に係る印刷経費等の支出及び執筆料の支出は政務調査費としては目的外の支出に当たると主張する。 しかし,会派が行う議会活動及び区政に関する政策等に対する区民の関心を集めるために,直接には区政とは関連しないコラムやエッセイを広報誌に掲載することも,墨田区議会政務調査費の交付に関する条例,同条例施行規則別表の広報活動に当たるというべきであり,また,国政に関する事柄であっても,それが区政との関わりを持つものである限り,これを必要かつ合理的な範囲で広報誌に掲載することが許されないわけではないと解される。そして,上記各記事は,会派の広報活動として許される合理的な範囲を超えないものであることは,前記引用にかかる原判決が説示するとおりである。 また,原告らは,生活相談会の経費は,本件会派の経費ではなく,各議員の経費として発生している上,B区議については平成17年10月度において生活相談会の実態がないにもかかわらず,経費としての支出がされていること,調査報告書の作成がされていなければ会派としての調査活動が行われたとはいえないこと等から,上記経費の支出は墨田区議会政務調査費の交付に関する条例及び同条例施行規則に違反すると主張する。 しかし,本件 査報告書の作成がされていなければ会派としての調査活動が行われたとはいえないこと等から,上記経費の支出は墨田区議会政務調査費の交付に関する条例及び同条例施行規則に違反すると主張する。 しかし,本件会派が主体となって生活相談会の開催がされていると認められること,本件会派の活動というためには,調査報告書の作成が不可欠とする控訴人らの- 3 -主張が失当なことは,前記引用に係る原判決が説示するとおりである。 また,確かに,B区議の事務所における生活相談会開催の回数は各月で一定したものではなく,平成17年10月には全く開催されていないのに,各月定額でその経費が支出されている。しかし,本件会派は,原則として毎週水曜日に所属区議の事務所で開催することとしたものであり,B区議も含めて本件会派に所属する区議の事務所においては,その申し合わせに従ってこれを開催することが可能な状態にあるから,これを開催しない月においても,本件会派が自ら行う生活相談会の場所としてB区議の事務所が確保されているものであり,そのための経費を観念し得るものである。そして,B区議の事務所に係る生活相談会の経費とされた額(30万円)は,B区議の事務所の経費の総額(72万2664円)からみて,過大なものではなく,条例に違反する経費の支出とはいえない。 第4 結論 よって,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第1民事部裁判長裁判官一宮なほみ裁判官田川直之裁判官石垣陽介

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