平成2(オ)1211 貸金

裁判年月日・裁判所
平成6年6月21日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所 平成2(ネ)161
ファイル
hanrei-pdf-52459.txt

判決文本文1,178 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人一井淳治、同光成卓明、同吉岡康祐の上告理由について所論は、要するに、仮差押解放金の供託により仮差押執行が取り消された場合は、仮差押えによる時効中断の効力は将来に向かって消滅し、時効が新たに進行するというべきであるとし、これと異なる原審の判断は、法令の解釈を誤ったものというにある。 しかしながら、仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押解放金の供託により仮差押執行が取り消された場合においてもなお継続するというべきである。けだし、民法一五七条一項は、中断の事由が終了したときは時効中断の効力が将来に向かって消滅する旨規定しているところ、仮差押解放金の供託による仮差押執行の取消しにおいては、供託された解放金が仮差押執行の目的物に代わるものとなり、債務者は、仮差押命令の取消しなどを得なければ供託金を取り戻すことができないばかりでなく、債権者は、本案訴訟で勝訴した場合は、債務者の供託金取戻請求権に対し強制執行をすることができる(大審院大正三年(オ)第七七号同年一〇月二七日判決・民録二〇輯八巻八一〇頁、大審院昭和七年(ク)第七八九号同年七月二六日決定・民集一一巻一六号一六四九頁、最高裁昭和四二年(オ)第三四二号同四五年七月一六日第一小法廷判決・民集二四巻七号九六五頁参照)ものであるから、仮差押えの執行保全の効力は右供託金取戻請求権の上に存続しているのであり、いまだ中断の事由は終了したとはいえないからである。 本件において原審の適法に確定した事実関係によると、被上告人は、昭和五七年九月一七日、上告人の連帯保証の下に、有限会社Dに対し一〇〇万円を弁済期同年- 1 -一〇月一五日の約定で貸し付け、同月二一日、本件連帯保証債 適法に確定した事実関係によると、被上告人は、昭和五七年九月一七日、上告人の連帯保証の下に、有限会社Dに対し一〇〇万円を弁済期同年- 1 -一〇月一五日の約定で貸し付け、同月二一日、本件連帯保証債権を被保全債権として、上告人所有の本件不動産に対する仮差押決定を得て、その執行をしたところ、その後、上告人が仮差押解放金を供託したため、同五八年一二月一日に本件不動産に対する仮差押執行が取り消された、というのであるから、仮差押えによる時効中断の効力は消滅することなくなお継続し、本件連帯保証債権の消滅時効は進行していないというべきである。これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は採用することができない。 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官千種秀夫裁判官園部逸夫裁判官可部恒雄裁判官大野正男裁判官尾崎行信- 2 -

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る