平成13(ネ)2738 ゴルフ会員権名義書換請求控訴

裁判年月日・裁判所
平成13年11月14日 東京高等裁判所
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判決文本文9,114 文字)

(原審・東京地方裁判所平成12年(ワ)第8950号ゴルフ会員権名義書換請求事件(原審言渡日平成13年4月19日)) 主文 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人は控訴人に対し、原判決別紙ゴルフ会員権目録記載の各ゴルフ会員権の名義を控訴人名義に書き換える手続をせよ。 3 訴訟費用は第1、2審とも被控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求める裁判 1 控訴人主文第1ないし3項同旨仮執行宣言 2 被控訴人本件控訴を棄却する。 第2 事案の概要次のとおり付け加えるほかは原判決「事実及び理由」の第2ないし第4に記載のとおりである(ただし、原判決書4頁15行目から16行目にかけての「下院名義」を「会員名義」に改める。)から、これを引用する。 1 控訴人の補充主張本件会員権は金銭債権である預託金返還請求権を含んでおり、一身専属的な権利ではない。 仮に譲渡命令により取得された本件会員権にクラブ会則が適用されるとしても、被控訴人の裁量権は限定されており、被控訴人において控訴人が本件クラブの会員として不適格であることを立証しない限り名義書換を拒むことはできない。 被控訴人は平成元年11月に本件クラブのゴルフ会員権を販売し始めたが、当初発売した会員権が売れ残っているため現在まで名義書換の停止措置を続けており、今後も停止措置が解除される見込みはない。停止措置が著しく長期に及んでいることは被控訴人が名義書換に応ずべき特段の事情であり、被控訴人が名義書換停止措置を理由に控訴人の請求を拒むことは権利の濫用であって信義則に反する。控訴人は訴外会社から名義書換請求権を含む法的地位を承継したのであるから、控訴人のした名義書換請求の時点を基準に期間の長短をいうのは不当である。被控訴人主張 むことは権利の濫用であって信義則に反する。控訴人は訴外会社から名義書換請求権を含む法的地位を承継したのであるから、控訴人のした名義書換請求の時点を基準に期間の長短をいうのは不当である。被控訴人主張の名義書換停止措置の個別的解除を控訴人が得たとしても、被控訴人は控訴人への名義書換を承諾しないことは明らかである。 控訴人は訴外会社が被控訴人に対して有する預託金返還請求権に対する仮差押え及び差押えをしたが、被控訴人は預託金返還請求権は被控訴人の訴外会社に対する求償金債権との相殺及び同社との約定による没収によって消滅し本件会員権も存在しない旨主張したため、控訴人は被控訴人に対し本件会員権の存在確認請求訴訟(以下「別件訴訟」という。)を提起し、控訴人の請求を認容する判決(確定)を得た。被控訴人はその後譲渡命令を得て名義書換を請求したが被控訴人は何らの回答をしなかった。控訴人はこのような経過からやむなく本件訴訟を提起したものであり、控訴人が名義書換停止措置を理由に控訴人の請求を争うことは信義則に反し許されない。 2 被控訴人の補充主張本件訴訟では、控訴人が譲渡命令によって取得した本件会員権につき被控訴人に対して名義書換を訴求し得るか否か(被控訴人は名義書換を義務付けられるのか否か。)が問題であり、被控訴人には控訴人の名義書換請求を承諾すべき義務はない。 名義書換は要するに譲渡入会であり、被控訴人は新規入会と同様にこれを承諾するか否かの裁量権を有している。入会審査の具体的基準を定めているゴルフクラブはなく、審査も非公開の合議体における自由な意見に基づいて行われ、不承諾の場合にもその理由は公表しないのが一般であって、本件クラブも同様の取扱いをしている。 本件クラブの施設は平成4年9月に開場しており名義書換停止措置がいささか長期に 意見に基づいて行われ、不承諾の場合にもその理由は公表しないのが一般であって、本件クラブも同様の取扱いをしている。 本件クラブの施設は平成4年9月に開場しており名義書換停止措置がいささか長期にすぎるが、被控訴人は名義書換の必要性が強い事情があれば申請に基づき上記措置を個別に解除する取扱いをしており、控訴人が申請をすれば上記措置が解除される可能性が高い(名義書換を承諾するかどうかは別論である。)。このような運用の実情及び会員募集未了による名義書換停止措置の必要性からすると、名義書換措置の効力に関する議論は意味がなく上記措置が違法ということもできない。 別件訴訟と本件訴訟とは何ら関連性がなく、被控訴人が別件訴訟で正当に抗争したことが本件訴訟の関係で信義則違反となる余地はない。控訴人は本件会員権を譲渡して換価することができる反面、是非とも本件クラブに入会しなければならない事情はなく、被控訴人が名義書換義務を争うことは信義則違反とならない。 第3 証拠関係本件訴訟記録中の証拠関係目録記載のとおりであるから、これを引用する。 第4 当裁判所の判断 1 名義書換請求の相手方等(1) 当事者間に争いのない事実、証拠(甲1、2の①、②、3の①、②、4の①、②、10、14、乙1、3)及び弁論の全趣旨によると、本件会員権はいわゆる預託金会員制ゴルフ会員権であること、被控訴人は本件クラブを経営する会社であること、控訴人は訴外会社が平成元年12月14日に取得して所有していた本件会員権を差し押さえたこと、控訴人と被控訴人との別件訴訟において訴外会社が本件会員権を有することを確認する判決があり同判決は確定していること、控訴人は本件会員権を訴外会社から控訴人に譲渡する旨の平成11年6月24日付け譲渡命令を得たこと、同命令はそのころ訴外会社及び被控訴 件会員権を有することを確認する判決があり同判決は確定していること、控訴人は本件会員権を訴外会社から控訴人に譲渡する旨の平成11年6月24日付け譲渡命令を得たこと、同命令はそのころ訴外会社及び被控訴人に送達されて確定したこと、控訴人は被控訴人に同年7月22日到達した内容証明郵便により訴外会社から控訴人への本件会員権の名義書換を請求したが被控訴人はこれに回答せず名義書換を拒否したこと、本件クラブの会則は、会員は被控訴人の定める名義書換停止期間経過後において被控訴人が定める手続に従いクラブ理事会の承認を経た上で所定の名義書換料を支払うことによりその会員資格を譲渡することができること(15条1項本文)、この理事会の承認は12条2項に準じて行うこと(15条2項)、会員資格の譲渡に関する細目は別途入退会規定によるものとすること(同条3項)、新規入会申込者に対する理事会の承認は被控訴人の定める基準による入会審査手続を経た上で裁量により決定すること(12条2項)を定めていること、本件クラブの会員権については本件クラブが開場された平成4年9月以降現在に至るまで名義書換停止措置が継続しており、今後も同措置が解除される具体的な予定はないこと、名義書換に関する手続及び会員資格の譲渡に関する細目を定めた規定は存在しないことが認められる。 (2) 上記によると本件会員権につき名義書換及びその前提となる会員資格の譲渡の承認は、被控訴人とは別個のクラブ理事会によって行われるかのように解され、そうであれば被控訴人に対する本訴請求は失当ということになる。 しかし、証拠(乙1、3)によると、本件クラブは会員相互の親睦に寄与することを目的として組織された団体で理事会がその運営を担うものとされているが(会則2条、25条1項)、理事会を構成する理事長及び理事はいずれも (乙1、3)によると、本件クラブは会員相互の親睦に寄与することを目的として組織された団体で理事会がその運営を担うものとされているが(会則2条、25条1項)、理事会を構成する理事長及び理事はいずれも被控訴人の取締役会において推薦され被控訴人が委嘱によってその地位に就くものとされ(同25条2項)、本件クラブの会員には理事の選任及び解任の権限は認められておらず、実際の譲渡承認の審査はクラブ理事会の委嘱を受けた被控訴人の社長、副社長、専務、常務、財務部長、経理部長及び会員管理部長によって構成される推薦委員会において行うものとされていることが認められる。 このような本件クラブの実情及び譲渡承認審査の実態並びに前記認定の本件訴訟に至るまでの経緯に照らすと、本件クラブないしその理事会は権利能力のない社団等独立して権利義務の主体となり得る実体はなく、被控訴人の内部における一機関にすぎないと認められる。そうすると、本件会員権についての譲渡承認及び名義書換の権限も被控訴人に帰属しているというべきである。そこで更に本訴請求の当否につき検討する(なお、以下においては、クラブ会則上本件クラブないしクラブ理事会等の権限とされている規定も上記の趣旨から被控訴人についての規定であると読み替えることとする。)。 2 譲渡命令の効力控訴人は、控訴人の本件会員権の取得が譲渡命令によるものであることにより被控訴人には名義書換の義務がある旨主張する。 いわゆる預託金会員制のゴルフクラブ会員権は、会員によるゴルフ場施設優先的利用権、預託金返還請求権及び年会費支払義務という一体化した債権的権利義務によって構成される財産的価値のある契約上の地位であって、一般的に譲渡性を有するといえるから、民事執行法167条1項所定のその他の財産権として同法145条の差押命令の対象となり、 した債権的権利義務によって構成される財産的価値のある契約上の地位であって、一般的に譲渡性を有するといえるから、民事執行法167条1項所定のその他の財産権として同法145条の差押命令の対象となり、これにつき同法161条1項の譲渡命令を発することができる。本件会員権もこのようなゴルフクラブ会員権であるからこれについて発せられた前記譲渡命令は有効である。そして譲渡命令は強制執行の一手段として条件や期限が付せられた債権あるいは取立てが困難な債権を対象とし、差し押さえられた債権につきこのような権利の実現困難性等を前提として執行裁判所が定めた価額により支払に代えて差押債権者に譲渡するもので、同命令が確定すれば差押債権者の債権は上記価額で同命令が第三債務者に送達された時点において弁済(代物弁済)されたものとみなされる(同法161条1項、6項、160条)。しかし、譲渡命令の効力は以上にとどまるのであって、譲渡命令による権利の移転はそれ以外の方法によるゴルフ会員権の譲渡と何ら異なるものではないから、譲渡命令を得た差押債権者が差押債務者の有していた以上の権利を取得するとする根拠はない(その結果差押債権者が債権の十分な満足を得られないとしても、それは制度的に予定されたものでこの方法による債権の実現を自ら選択した差押債権者が甘受すべきである。)。 したがって、控訴人が本件会員権を譲渡命令によって取得したことから直ちに被控訴人が名義書換に応ずべきことにはならず、上記主張は採用できない。 3 名義書換停止措置等被控訴人は、控訴人の名義書換請求は本件クラブの会則に定める手続を経ていないから、被控訴人はこれに応ずる義務がない旨主張する。 前記のとおり本件クラブの会則は名義書換停止期間経過後に被控訴人の承認を得て会員権を譲渡することができる旨規定してい に定める手続を経ていないから、被控訴人はこれに応ずる義務がない旨主張する。 前記のとおり本件クラブの会則は名義書換停止期間経過後に被控訴人の承認を得て会員権を譲渡することができる旨規定しているが、証拠(乙1、3)によると被控訴人は当初販売しようとしたゴルフ会員権が未だ売れ残っているため、平成元年11月の本件クラブのゴルフ会員権販売開始当初から現在に至るまで名義書換停止措置を続けており、そのため被控訴人には名義書換に関する手続及び会員資格の譲渡に関する細目を定めた規定は存在しないことが認められる。 本件クラブのゴルフクラブ会員権は上記のような財産的価値のある契約上の地位であって会員はこれを取得するためには預託金その他の財産的出捐をしているところ、会員がその投下資本を回収するためには自ら預託金返還請求権を行使し、あるいは会員権をいわゆるゴルフ会員権取引市場を介しあるいは直接取引により他に譲渡するのが一般である。そして後者の方法による会員権の譲渡は当事者間では直ちにその効力を有するが、上記会則によると被控訴人に対し会員権を行使するためにはその譲渡につき被控訴人の承諾(承認)を得て会員権の名義書換をすることが必要であると解される(被控訴人に対する譲渡命令の送達は訴外会社から控訴人に本件会員権が譲渡されたことの通知と同視することができるが、それによって直ちに控訴人が被控訴人に対して会員権を行使することができることになるものでないことは上述のとおりである。)。そして前記のとおり控訴人は譲渡命令によって本件会員権の譲渡を受けた者であるところ、被控訴人は控訴人の名義書換請求に応じないのであるから、このような場合控訴人は訴えによって名義書換手続をすることを求めることができるというべきである。 ところで被控訴人が名義書換停止措置を採っている 人は控訴人の名義書換請求に応じないのであるから、このような場合控訴人は訴えによって名義書換手続をすることを求めることができるというべきである。 ところで被控訴人が名義書換停止措置を採っている理由は前記のとおりであり、上記市場における本件クラブのゴルフ会員権の取引価格が被控訴人が未だ保有している会員権の代金よりも安い場合、被控訴人が市場を介する等して譲渡された会員権の名義書換に無条件に応ずるとすれば被控訴人の保有する会員権がより販売しにくくなることは自明であることからすると、被控訴人が同措置を採ること自体を直ちに不当とすることはできない。しかし、被控訴人は長期にわたって無利息で預託金は自由に活用できる上に会員権の譲渡承認までも拒絶し被控訴人において未売却の会員権の売却の機会を独占的に享受するに等しい利益を確保できる反面、会員は自己の会員権の処分が困難になることからすると、上記措置は会員の一方的な犠牲の上に成り立っているものともいえるのであって、このような観点からすると同措置はそもそも被控訴人と会員との間の衡平に反するものであると考えられる。したがって、同措置が著しく長期に及び会員がその投下資本の回収の途を事実上閉ざされるような事態が生じているにもかかわらず同措置の効力を肯定することは両者間の衡平を失することは明らかであり、同措置が合理的な期間を超えてなお継続されている場合には被控訴人は同措置の存在を理由に名義書換を拒むことは許されないというべきである。これを本件についてみるに、本件会員権についていわゆる預託金据置期間が20年間とされており(甲4の①、②、乙1)、したがって会員がそれ以前に投下資本を回収するためには本件会員権を他に譲渡する以外に方法はないが、名義書換の停止措置により譲受人が名義書換を受けられないとすればその方法による投 甲4の①、②、乙1)、したがって会員がそれ以前に投下資本を回収するためには本件会員権を他に譲渡する以外に方法はないが、名義書換の停止措置により譲受人が名義書換を受けられないとすればその方法による投下資本の回収も不可能又は著しく困難となる。ところが、前記のとおり被控訴人における名義書換停止措置の期間はゴルフ会員権販売当初から現在に足るまで約12年間に及んでいる上、今後も同措置が解除される具体的な予定はないことからすると、被控訴人が同措置の継続中であることを理由に名義書換を拒絶することは許されないというべきである。 したがって、被控訴人の上記主張は採用することができない。なお、控訴人は譲渡命令によって本件会員権を取得したのであって訴外会社の任意の譲渡によってこれを取得したものではないが、譲渡命令の効力は上述のとおりであって訴外会社が本件会員権を任意に譲渡してその換価代金を控訴人に対する債務の弁済に充てた場合とその効果において変わるところはないから、譲渡命令による取得であることは上記結論に影響を及ぼさない。被控訴人は名義書換の必要性が強い事情があれば申請に基づき同措置を個別に解除する取扱いをしているが控訴人はその申請をしていないとも主張するが、被控訴人は前記内容証明郵便による控訴人の名義書換請求に対し何らの回答もしておらず、上記のような運用は事実上のものであってそれを控訴人が知っていたとも認められないのであって、控訴人が個別的解除の申請をしていないことは上記判断を左右するものではない。また名義書換の停止措置期間の長短は当該会員権が当初の会員に取得された時点から論ずべきであって、会員権の譲渡があった場合にその譲渡の時を基準とすべき合理的根拠はないから、これに反する被控訴人の主張は失当である。 4 名義書換義務の存否前記のとおりゴル された時点から論ずべきであって、会員権の譲渡があった場合にその譲渡の時を基準とすべき合理的根拠はないから、これに反する被控訴人の主張は失当である。 4 名義書換義務の存否前記のとおりゴルフ会員権はゴルフ場施設の優先的利用権を含むものであるが、ゴルフ場にはそれぞれの雰囲気や個性があり、ゴルフ場の運営主体はゴルフ会員権の譲渡を受けて会員となろうとする者がその人物や資力及び技術水準等に照らして当該ゴルフ場の会員としての適格性を欠くと認められる場合、その会員権譲渡に対する承認を拒否することができると解すべきであり、このような譲渡承認の権限は同時に既存の会員に対する責務であると考えることができる。本件クラブのゴルフ会員権についても、会則において本件クラブの目的が会員相互の親睦に寄与することとされ、会員権の譲渡につき理事会の承認を得ることが必要とされているのはこのような趣旨に基づくものであると解される。また、資力の点は会員としての会費納入義務の履行能力及びいわゆる名義書換料の支払能力を判断する要素ともなるものである。他方、ゴルフ会員権の譲渡に伴い預託金返還請求権の主体も移転することになるが、預託金返還請求権自体は金銭債権であって、移転の前後で債権者の取立ての有無やその権利実行方法が相違することがあってもそれは事実上の問題にすぎず、そのことを理由にゴルフ場の運営主体が譲渡に対する承認を拒むことはできないと考えられる。 本件会員権は前記のように譲渡命令によって訴外会社から控訴人に譲渡されたものであり、控訴人の被控訴人に対する名義書換の請求はその前提となる被控訴人の譲渡についての承認を求めることも含まれているが、被控訴人は控訴人が上記の観点からみて本件クラブの会員としての適格性を有しない者でなければその承認を拒否することはできないと解すべ 提となる被控訴人の譲渡についての承認を求めることも含まれているが、被控訴人は控訴人が上記の観点からみて本件クラブの会員としての適格性を有しない者でなければその承認を拒否することはできないと解すべきである。したがって、被控訴人は自由な裁量によって譲渡を承認するか否かを決し得るとする被控訴人の主張は採用することができない。 前記のように本件クラブのゴルフ会員権の名義書換に関する手続及び会員資格の譲渡に関する細目を定めた規定は存在しない。証拠(甲3の①、乙2、3)及び弁論の全趣旨によると、被控訴人において名義書換停止措置が個別的に解除された場合における名義書換申請の手続は被控訴人経営の他のゴルフクラブの入退会規程に準じた取扱いがされていること、それが確定した譲渡命令によるときは譲受人の単独申請で足りること、審査は前記選考委員会で行われ、譲受人が暴力団関係者、街金業者、風俗営業者、ゴルフクラブ経営者、ゴルフ会員権等取引業者等でないことが必要であること、名義書換料は100万円であること、前記内容証明郵便において控訴人は被控訴人に対し名義書換を求め、名義書換料の金額を照会し訴外会社の未払会費等があればその支払もする旨申し出ていること、控訴人は昭和57年1月に設立された木材の販売等を目的とする資本の額1000万円の株式会社(本件記録中の控訴人の商業登記簿謄本)であって上記不適格とされる業種等を営むものではないことが認められ、反面、控訴人が本件クラブの会費や名義書換料の支払能力に欠けている等控訴人が本件クラブの会員として不適格であるとすべき事情は認められない。なお、クラブ会則15条1項ただし書は会員権を入会を目的としない者又は単に預託金返還請求をする目的の者に譲渡することはできない旨規定しているが、ゴルフ会員権が預託金返還請求権を含むものである以 ない。なお、クラブ会則15条1項ただし書は会員権を入会を目的としない者又は単に預託金返還請求をする目的の者に譲渡することはできない旨規定しているが、ゴルフ会員権が預託金返還請求権を含むものである以上その返還請求を目的とする譲渡一般が許容されないとすべき合理的根拠はない(このような譲渡が否定されるのは弁護士法73条に違反するような場合に限られるというべきである。)。また控訴人は訴外会社に対する債権者であり、前記のとおりその債権回収のために本件会員権に対する差押えをし、被控訴人に対する別件訴訟を経て本件会員権に対する譲渡命令を得た者であるが、上記のとおり被控訴人に対し名義書換を求めていることからして控訴人が入会を目的としない者であるということもできない。 以上によると、被控訴人が訴外会社から控訴人に対する本件会員権の譲渡承認及び名義書換を拒否する理由はないことになる。 5 まとめ以上によると、被控訴人は控訴人の請求に基づき本件会員権につきその名義を訴外会社から控訴人に書き換える手続をすべきであるから、本訴請求は理由がある。 第5 結論よって、原判決を取り消して控訴人の請求を認容することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法67条2項、61条を適用して、主文のとおり判決する。なお、仮執行宣言は相当でないのでこれを付さないこととする。 東京高等裁判所第17民事部裁判長裁判官新村正人裁判官藤村啓裁判官笠井勝彦

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