○ 主文原判決中控訴人敗訴の部分を取消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。○ 事実一当事者の求めた裁判 1 控訴人主文同旨。2 被控訴人控訴棄却。二当事者の主張次に訂正、付加するほか、原判決事実摘示(原判決七枚目裏九行目の「自巳」を「自己」と改める)のとおりであるからこれを引用する。1 控訴人(一) 相続税法三四条一項にいう連帯納付の義務(以下単に連帯納付の義務という)は共同相続人らの共同申告によつて確定するという控訴人の原審における仮定主張(原判決八枚目表五行目から同裏一〇行目までを撤回する。(二) 連帯納付の義務は、次の理由により、各相続人固有の納税義務の確定という事実に照応してその都度法律上当然に確定する義務であり、他に何らの確定手続を要するものではない。(1) 相続税は、相続により財産を取得した者に対し、その取得財産を課税物件とし、その価額を課税標準として納付すべき税額の定められる租税であり、相続財産を引当てとして納付されることを予定しているものであつて、この意味において、実質的財産税といい得るものである。また、相続税は、被相続人が生存中に受けた社会及び経済上の各種の要請に基づく税法上の特典、その他租税の回避等の負担の軽減によつて蓄積した財産を、相続開始の時点で把握し、清算せんとするもので、いわば被相続人の所得税の補完税としての機能を有し、この意味においても相続税は相続開始時における被相続人の財産、すなわち相続財産を引当てとするものであるということができる。さらに相続税は、相続の開始により相続人等が被相続人から承継する財産に応じ課徴するものであるが、その意義は、被相続人に生前に多額の財産が集中していることは、その富の蓄積がその個人の経済的手腕のほか社会一般から受け 、相続の開始により相続人等が被相続人から承継する財産に応じ課徴するものであるが、その意義は、被相続人に生前に多額の財産が集中していることは、その富の蓄積がその個人の経済的手腕のほか社会一般から受ける利益に基因しているものであるとして、その個人の死亡の際にその富の一部を社会に還元し、富の集中を抑制せんとするにある。 の財産が集中していることは、その富の蓄積がその個人の経済的手腕のほか社会一般から受け 、相続の開始により相続人等が被相続人から承継する財産に応じ課徴するものであるが、その意義は、被相続人に生前に多額の財産が集中していることは、その富の蓄積がその個人の経済的手腕のほか社会一般から受ける利益に基因しているものであるとして、その個人の死亡の際にその富の一部を社会に還元し、富の集中を抑制せんとするにある。(2) ところで、現行相続税法は、相続に関して民法が規定するところに順応して、各相続人が各個に相続税を納付する建前をとり、相続税債権が現実化した時点において、相続人中に無資力者がある場合にそなえ、相続により財産を取得したすべての者に対し、相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、自ら負担すべき固有の相続税額を超え他の共同相続人の固有の相続税額についても連帯して納付すべき義務を負わせることとしたものである。すなわち、連帯納付義務の制度は、同一の相続によつて生じた相続税の全額を共同相続人等の連帯責任において清算しようとするものであり、これにより、富の特定人への集中を抑制するとともに所得税の補完税としての機能を果させようとしているのである。(3) さきに述べたような相続税の目的ないし性格に徴すれば、連帯納付義務は、相続による財産の取得に伴なつて各相続人が当然に且つ第一次的に負担する義務なのであり、その内容も民法に規定する連帯債務又は連帯保証債務と同様の性質を有する。従つて、各相続人の固有の納税義務が申告、更正又は決定という事実により確定すれば、それに即応して、相続税法三四条に基づいてその都度法律上当然に確定するものである。国税通則法に連帯納付義務について確定手続に関する規定が全く設けられていないのは、このような理由に基づくのである。(4) 国税通則法は、既に成立している租税債権の額を確定させる権限、すなわち賦課権と 税通則法に連帯納付義務について確定手続に関する規定が全く設けられていないのは、このような理由に基づくのである。(4) 国税通則法は、既に成立している租税債権の額を確定させる権限、すなわち賦課権と、賦課権の行使により確定した租税債権を実現する権限、すなわち徴収権とを截然と区別して規定しており、徴収権の行使に当つて賦課権に関する規定が適用されることはない。一方、相続税法も、二七条ないし三一条(納税申告及びその特則)、三二条(更正の請求の特則)、三三条(納付)、三四条(連帯納付義務)と順序を追つて規定しているのであつて、このような構成からみると、同法三三条及び三四条の規定は納付に関する定め、すなわち徴収権に関する規定であること明らかであり、同法三四条二項の規定は固有の納税義務を負担する者に対する徴収処分の延長あるいは一段階としてとらえられるべきものである。 相続税法も、二七条ないし三一条(納税申告及びその特則)、三二条(更正の請求の特則)、三三条(納付)、三四条(連帯納付義務)と順序を追つて規定しているのであつて、このような構成からみると、同法三三条及び三四条の規定は納付に関する定め、すなわち徴収権に関する規定であること明らかであり、同法三四条二項の規定は固有の納税義務を負担する者に対する徴収処分の延長あるいは一段階としてとらえられるべきものである。したがつて、連帯納付の義務について国税通則法一五条等の賦課権に関する規定が適用されることはない。2 被控訴人(一) 控訴人の当審主張は争う。控訴人の主張によると、連帯納付の義務者は、制度的には滞納処分を受けたとき始めて連帯納付の義務の有無、数額について知ることとなるが、滞納処分に対する争訟において課税処分の違法を主張することは、定説では許されない。もしこれと反対に、右争訟で連帯納付の義務を確定させた他人の相続申告(更正、決定)を争わせることになれば、当の他人がすでにこれを争いえない場合にまでこれを許すことになつて適当でなく、また自己の全く関知しない他人の行為を争わせることは、証拠関係からみて極めて困難であつて、控訴人の主張は行政的ないし司法的救済制度上不合理、不公正である。(二) 課税要件事実と税額が客観的に明白な税目については、国税通則法が列挙的に納税義務の成立と同時に特別の手続を めて困難であつて、控訴人の主張は行政的ないし司法的救済制度上不合理、不公正である。(二) 課税要件事実と税額が客観的に明白な税目については、国税通則法が列挙的に納税義務の成立と同時に特別の手続を要せずに納付すべき税額が確定する旨定めている(同法一五条三項)。そして、これらの税目でさえも、性質上税額が本税完納まで予じめ定まらず、延滞期間に応じて自動的に定まる延滞税及び利子税を除いて、すべて通知ないし告知の手続を徴収手続に先行させているのである。さらに、原判決も指摘するように、法律は第二次納税義務についても当然確定主義をとつていないのであつて、これとの対比に加え、譲渡担保権者の物的納税責任の場合及び保証人の納税責任の場合に納付通知書により納付すべき税額が確定されることをも考えると、相続税の連帯納付の義務の確定について行政庁の処分を要しないという解釈はとうていバランスのとれた解釈ということはできない。 手続を徴収手続に先行させているのである。さらに、原判決も指摘するように、法律は第二次納税義務についても当然確定主義をとつていないのであつて、これとの対比に加え、譲渡担保権者の物的納税責任の場合及び保証人の納税責任の場合に納付通知書により納付すべき税額が確定されることをも考えると、相続税の連帯納付の義務の確定について行政庁の処分を要しないという解釈はとうていバランスのとれた解釈ということはできない。(三) 国税の連帯納付義務については、民法が当然に適用されるわけのものではなく、国税通則法八条が国税の性質に反するものを除いて民法の連帯債務の効力に関する規定を準用する旨定めているからこそ連帯の効果があるのである。ところで、相続税法三四条の連帯納付の義務については、これが法定の特別責任であることにより、国税通則法八条の適用はなく、固有の納税義務と連帯納付の義務との関係は連帯債務ではなくして不真正連帯債務の関係にあると解せられているのであつて、連帯納付の義務が連帯債務ないし連帯保証と同様のものであることを前提とする控訴人の主張は失当である。三証拠(省略)○ 理由一請求原因一項の事実はすべてこれを認めることができるが、その理由は原判決理由一項記載と同一であるからこれを引用する。二そこで、本件連帯納付の義務が確定していない旨の被控訴人の 省略)○ 理由一請求原因一項の事実はすべてこれを認めることができるが、その理由は原判決理由一項記載と同一であるからこれを引用する。二そこで、本件連帯納付の義務が確定していない旨の被控訴人の主張について判断する。相続税法三四条一項は連帯納付の義務を規定するが、同法の法文の構成、配列よりみると、この規定は相続税債務が確定した後における納付についての規定、即ち徴収に関する定めであると解することができ、従つて法は連帯納付義務について本来の租税債務と別箇に確定手続をとることを予想しているようには見えない。実質的にみても、連帯納付の義務者とされている者は、本来の納税義務者と同じ原因に基き税義務者となる共同相続人という身分関係者に限られ、かつ、その者の責任は相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度とするばかりでなく、そもそも相続税は、相続財産の無償移転による相続人の担税力の増加を課税根拠とするとはいえ、一面被相続人の蓄積した財産に着目して課される租税で、いわば被相続人の一生の税負担の清算という面も持つているのであるから、右相続税法の規定による連帯納付義務者に民法上の連帯保証類似の責任を負わせ、相続税債権の満足をはかつても、必ずしも不合理、不公平とはいえない。 た利益の価額に相当する金額を限度とするばかりでなく、そもそも相続税は、相続財産の無償移転による相続人の担税力の増加を課税根拠とするとはいえ、一面被相続人の蓄積した財産に着目して課される租税で、いわば被相続人の一生の税負担の清算という面も持つているのであるから、右相続税法の規定による連帯納付義務者に民法上の連帯保証類似の責任を負わせ、相続税債権の満足をはかつても、必ずしも不合理、不公平とはいえない。従つて、右連帯納付の義務は法が相続税徴収の確保を図るため、共同相続人中無資力の者があることに備え、他の共同相続人に課した特別の履行責任であつて、その義務履行の前提条件をなす租税債権債務関係の確定は、各相続人の本来の納税義務の確定という事実に照応して、その都度法律上当然に生ずるものであり、本来の納税義務につき申告納税の方式により租税債務が確定するときは、その他に何らの確定手続を要するものではないと解するのが相当である。それゆえ、税務行政庁は、本来の納税義務者との間で確定した租税債 本来の納税義務につき申告納税の方式により租税債務が確定するときは、その他に何らの確定手続を要するものではないと解するのが相当である。それゆえ、税務行政庁は、本来の納税義務者との間で確定した租税債権に基づいて、直ちに連帯納付義務者に対し徴収手続を執ることができるものといわなければならない。被控訴人は、右見解によれば、連帯納付の義務者は徴収手続の段階で突如他の共同相続人の負担する具体的租税債務を知ることになり、その課税処分について適切な争訟手段を欠くこととなつて不都合である旨主張するが、さきにも述べた本来の納税義務者と連帯納付義務者の特別の身分関係、税負担の原因となる事実(相続)の同一性、連帯納付義務者の責任の限度、相続税の特質等に照せば、ある相続人の申告等に基づき確定した相続税債務について、ことあらためて確定手続をとることなく、直ちに他の共同相続人に連帯納付の義務を課したとしても、さして不当であるとは考えられず、また、連帯納付の義務者は、本来の租税債務の不存在・無効、自己の納付責任の限度については、連帯納付の徴収手続の段階において違法の主張をして争い得るから、被控訴人の右主張は失当である。而して、本件において、本来の納税義務者訴外A、同B関係で申告により相続税債務が確定していることは請求原因一項の事実としてさきに認定したとおりであるから、本件相続税の連帯納付の義務が存在しないという被控訴人の主張は理由がない。 、連帯納付の義務者は、本来の租税債務の不存在・無効、自己の納付責任の限度については、連帯納付の徴収手続の段階において違法の主張をして争い得るから、被控訴人の右主張は失当である。而して、本件において、本来の納税義務者訴外A、同B関係で申告により相続税債務が確定していることは請求原因一項の事実としてさきに認定したとおりであるから、本件相続税の連帯納付の義務が存在しないという被控訴人の主張は理由がない。三つぎに時効消滅の主張について判断する。請求原因二項2アイウ記載の事実は当事者間に争いがなく、成立に争いがない乙第一一号証、乙第一四号証の三、証人Cの証言により成立を認める乙第一二ないし第一四号証の各一、二、証人Dの証言により成立を認める乙第一六号証及び右各証言によれば、税務署長のした公示送達に関し次の事実が認められる。芦 四号証の三、証人Cの証言により成立を認める乙第一二ないし第一四号証の各一、二、証人Dの証言により成立を認める乙第一六号証及び右各証言によれば、税務署長のした公示送達に関し次の事実が認められる。芦屋税務署長は、昭和四五年五月二〇日ころ訴外A、同Bに対する延納許可申請却下の通知が転居先不明の理由で返送されてきたため、直ちに右訴外人の住居、隣家付近の酒類販売商、米穀商、芦屋市役所、芦屋警察山芦屋派出所、訴外人の取引銀行、訴外人の子弟の通学学校などについて調査したところ、右訴外人らは同年四月ころ居住建物を債権者に対し代物弁済で明渡す必要にせまられたためか、右米穀店に対する買掛金の支払もせず、近隣の人や学校の先生にも転居先を明らかにしないままいずこかへ立去つたことが判明し、転居届などの手続もとられていなかつたため、芦屋税務署長は同年六月二六日右延納却下通知書を訴外人らに公示送達するため、同税務署掲示場に掲示をした。証人Bの証言中転居先を知人などに告げておいた旨述べる部分は前掲各証拠と対比して信用することができず、他に右認定を妨げる証拠はない。右事実によれば、芦屋税務署長が公示送達に際し、訴外人らの所在が明らかでないとしてなした調査は相当な調査をつくしたものというべきであり、同税務署長に過失の存在を窺わせるような事情も認められないから、公示送達は掲示を始めた日から起算して七日を経過した同七月三日送達があつたものと看做される(国税通則法一四条三項)。そうすると、その後の督促の事実(前認定の請求原因二2イ)により本件相続税債務について時効中断の効力が生じているから(同法七三条一項四号)、その余の点にふれるまでもなく被控訴人の時効の主張は理由がない。 たものというべきであり、同税務署長に過失の存在を窺わせるような事情も認められないから、公示送達は掲示を始めた日から起算して七日を経過した同七月三日送達があつたものと看做される(国税通則法一四条三項)。そうすると、その後の督促の事実(前認定の請求原因二2イ)により本件相続税債務について時効中断の効力が生じているから(同法七三条一項四号)、その余の点にふれるまでもなく被控訴人の時効の主張は理由がない。四被控訴人は、税務行政庁が本来の納税義務者からの徴収を怠つたから、信義則上被控訴人から徴収するこ ているから(同法七三条一項四号)、その余の点にふれるまでもなく被控訴人の時効の主張は理由がない。四被控訴人は、税務行政庁が本来の納税義務者からの徴収を怠つたから、信義則上被控訴人から徴収することができない旨主張するが、本件の記録を検討してもその主張を認めるに足る事情を窺うことはできないから、被控訴人の右主張は理由がない。五被控訴人は、連帯納付の義務は延滞税に及ばないと主張する。延滞税はその額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税とする旨規定され(同法六〇条四項)、これはその計算の基礎となる税が相続税であるときはその延滞税も相続税として取扱われることを意味するから、連帯納付の義務を負う者は本税及び延滞税についても連帯納付の責に任ずるものと解せられ、被控訴人の右主張は理由がない。六そうすると、被控訴人主張の過誤納金は存在しないことになるから、被控訴人の本訴請求は理由がない。よつて、右と結論を異にする原判決を取消し、被控訴人の請求を棄却し、訴訟費用の負担につき民訴法九六条、八九条を適用して主文のとおり判決する。(原裁判等の表示)○ 主文 1 被告は原告に対し、金一五、一七九、七七一円、及びこれに対する昭和四八年四月二〇日以降年七・三パーセントの割合による金員を支払え。2 原告のその余の請求を棄却する。3 訴訟費用は被告の負担とする。○ 事実第一当事者の求めた裁判一原告 1 被告は原告に対し、金一五、一七九、七七一円、及びこれに対する昭和四八年三月二〇日以降年七・三パーセントの割合による金員を支払え。2 訴訟費用は被告の負担とする。との判決及び仮執行宣言。二被告原告の請求を棄却する、訴訟費用は原告の負担とするとの判決。仮執行免脱宣言。第二原告の請求原因一 1Eは昭和四〇年四月二六日死亡し、その長男である原告 被告の負担とする。○ 事実第一当事者の求めた裁判一原告 1 被告は原告に対し、金一五、一七九、七七一円、及びこれに対する昭和四八年三月二〇日以降年七・三パーセントの割合による金員を支払え。2 訴訟費用は被告の負担とする。との判決及び仮執行宣言。二被告原告の請求を棄却する、訴訟費用は原告の負担とするとの判決。仮執行免脱宣言。第二原告の請求原因一 1Eは昭和四〇年四月二六日死亡し、その長男である原告 担とする。との判決及び仮執行宣言。二被告原告の請求を棄却する、訴訟費用は原告の負担とするとの判決。仮執行免脱宣言。第二原告の請求原因一 1Eは昭和四〇年四月二六日死亡し、その長男である原告、長女A、養子Bが同人を相続したので、原告、A及びBは昭和四〇年一〇月二六日芦屋税務署長に対して共同して次のとおりの相続税申告書を提出した。2 A及びBは右相続税を完納しなかつたので、大阪国税局長は、原告が相続税法三四条一項により右相続税及びそれに対する延滞税を連帯して納付する義務があるとして、これを徴収するため、昭和四六年一〇月六日付で原告所有の芦屋市<地名略>宅地一九・五四平方メートルを、昭和四七年二月二一日付で原告所有の同市<地名略>宅地七一一・三七平方メートルを差押えた。3 ア原告は昭和四八年三月一九日右五二番の土地を株式会社ダイエーに売却した。イ株式会社ダイエーは右同日大阪国税局長に対し、前記差押の原因とされている原告の連帯納付の義務の代位弁済として次の額を支払つた。ウ株式会社ダイエーは右代位弁済の求償債権をもつて右アの売買代金債務と対等額で相殺した。二しかしながら、原告の右の相続税等の連帯納付の義務はつぎのとおり不存在であつた。1 右連帯納付の義務は確定されていない。ア原告は請求原因一1のとおりA、Bと共同して相続税申告書を提出したものであるが、芦屋税務署長は、昭和四五年九月一日付でA及びBの相続税につき原告に相続税法三四条二項による連帯納付の義務があるとしてA分相続税本税五、四四九、三五七円、B分相続税本税五、四四九、三五八円について納税告知書を原告に送達し、引続き同年一〇月九日付で右連帯納付の義務につき督促状を送達した。しかし原告が右納税告知につき異議申立、審査請求をしたところ、芦屋税務署長は昭和四七年二月 三五八円について納税告知書を原告に送達し、引続き同年一〇月九日付で右連帯納付の義務につき督促状を送達した。 二項による連帯納付の義務があるとしてA分相続税本税五、四四九、三五七円、B分相続税本税五、四四九、三五八円について納税告知書を原告に送達し、引続き同年一〇月九日付で右連帯納付の義務につき督促状を送達した。しかし原告が右納税告知につき異議申立、審査請求をしたところ、芦屋税務署長は昭和四七年二月 三五八円について納税告知書を原告に送達し、引続き同年一〇月九日付で右連帯納付の義務につき督促状を送達した。しかし原告が右納税告知につき異議申立、審査請求をしたところ、芦屋税務署長は昭和四七年二月七日右納税告知を取消し、そのころこれを原告に通知した。なお原告にはその相続税の連帯納付の義務につき賦課決定通知書が送達されたことはない。イ相続税法三四条一項の連帯納付の義務は第二次納税義務、譲渡担保権者の物的納税責任及び保証人の納税責任の場合と同様、他人の納付すべき税額を納付する場合に該当するから、これらの場合と同じく連帯納付責任者に対して税額確定のための特別の手続が法定されていなければならないところ、これが欠けているため手続上共同相続人に連帯納付の義務を追及することができない。かりに右連帯納付の義務が国税通則法一五条一項にいう「国税を納付する義務」であると解しうるとしても、それは「納税義務の成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税」(同法一五条三項)には含まれていないし、「納付すべき税額を申告すべきもの」(同法一六条二項一号)ともされていないから、結局賦課課税方式により確定されるもの(同法一六条二項二号)と解する外はない。そしてその決定は同法三二条三項により納付すべき税額等を記載した賦課決定通知書を送達してすべきものであつて、このような決定通知書の送達のない場合には、連帯納付税額の確定はされていないことになる。他の共同相続人が相続税申告書を提出して各人固有の相続税額が確定すると同時に連帯納付義務者として納付すべき税額が特別の手続を要することなく確定するとの考え及び数人の共同相続人の相続税の共同申告は連帯納付の義務の額をも確定することになるとの考えは、共同相続人の全員について同時かつ合一的に相続税額が確定することを前 手続を要することなく確定するとの考え及び数人の共同相続人の相続税の共同申告は連帯納付の義務の額をも確定することになるとの考えは、共同相続人の全員について同時かつ合一的に相続税額が確定することを前提としている。 を要することなく確定するとの考え及び数人の共同相続人の相続税の共同申告は連帯納付の義務の額をも確定することになるとの考えは、共同相続人の全員について同時かつ合一的に相続税額が確定することを前 手続を要することなく確定するとの考え及び数人の共同相続人の相続税の共同申告は連帯納付の義務の額をも確定することになるとの考えは、共同相続人の全員について同時かつ合一的に相続税額が確定することを前提としている。しかし、数人の相続人は各別に申告書を提出するのが原則であり、共同して申告する義務はなく、各申告者により相続人、課税価格等について申告内容が異なる可能性もあり、その場合は各人固有の税額や相続税の総額が共同相続人全員について合一的に確定しない。以上のとおり原告の連帯納付税額は確定していなかつたから、これを徴収することはできなかつたものである。2 本件相続税連帯納付の義務は時効により消滅していた。ア本件連帯納付の義務の法定納期限は昭和四〇年一〇月二六日である。イ芦屋税務署長は昭和四五年七月二〇日ころA及びBに対し前記相続税を督促しその督促状はそのころ同人らに到着した。ウ A及びBは昭和四〇年一〇月二六日その相続税につぎ物納許可申請をし、ついで昭和四四年四月一五日これを延納許可申請に変更して担保提供申出をしたが、同税務署長は昭和四五年五月二〇日右延納許可申請を却下し、これを公示送達の方法により右両名に送達した。エしかしながら右公示送達は、右両名の所在を確認するため通常必要と認められる調査をすることなくその住所、居所が明らかでないと即断してされたものであるから、その要件を欠き違法である。オ右のように送達が違法である以上、右両名の物納申請が却下されていない状態であつたことになる。そして右物納申請により弁済が提供されており、右両名は履行遅滞の状態にはなかつたから、この状態でされた督促は違法であり時効中断の効力を有しない。したがつて原告の連帯納付の義務も法定納期限より五年を経過した昭和四五年一〇月二六日に時効により消滅した。3 遅滞の状態にはなかつたから、この状態でされた督促は違法であり時効中断の効力を有しない。したがつて原告の連帯納付の義務も法定納期限より五年を経過した昭和四五年一〇月二六日に時効により消滅した。3 被告はA、Bからの徴収を怠つたから、信義則上原告より徴収することはできない。 中断の効力を有しない。したがつて原告の連帯納付の義務も法定納期限より五年を経過した昭和四五年一〇月二六日に時効により消滅した。3 遅滞の状態にはなかつたから、この状態でされた督促は違法であり時効中断の効力を有しない。したがつて原告の連帯納付の義務も法定納期限より五年を経過した昭和四五年一〇月二六日に時効により消滅した。3 被告はA、Bからの徴収を怠つたから、信義則上原告より徴収することはできない。ア A、Bは当初相続財産その他その相続税を納付するに充分の財産を有していたから、被告(芦屋税務署長又は大阪国税局長)は右両名の前記2ウの物納申請を許可し、又は延納申請を許可して担保を提供させ、あるいは速やかに右両名に滞納処分を行うことにより、その相続税を右両名から徴収することが可能であつた。ところが被告は右のような徴収を怠つたためこの間に右両名の資力は低下し、前記一3の代位弁済の時点では右両名は無資力となつてしまつていた。イところで、共同相続人の連帯納付の義務は補充的なものであるから、国はまず本来の納税者からこれを徴収するよう努力する義務を負つている。そしてこの義務を著しく怠つて本来の納税義務者が無資力になつてしまつてから、連帯納付義務者より徴収することは信義則上許されないところである。4 共同相続人の連帯納付の義務は延滞税に及ばない。相続税法三四条一項の「相続税」とは相続税本税のみを意味しこれに対する延滞税を含まないから、延滞税を共同相続人より徴収することはできない。5 以上のとおり前記一3の納付は原告にその納付義務がないのにされたものであるから過誤納金に該当する。三被告は昭和四八年七月三〇日前記一3の納付金のうちAの延滞税五一四、七〇〇円、Bの延滞税一、七七四、〇〇〇円を免除し、これを原告に還付した。四よつて、原告は被告に対し、国税通則法五六条にもとづき、前記一3の納付金より右三の還付金を差引いた金一五、一七九、七七一円の過誤納金、及びこれに対する納付 〇〇円を免除し、これを原告に還付した。四よつて、原告は被告に対し、国税通則法五六条にもとづき、前記一3の納付金より右三の還付金を差引いた金一五、一七九、七七一円の過誤納金、及びこれに対する納付の日の翌日である昭和四八年三月二〇日以降年七・三パーセントの割合による同法五八条の還付加算金の支払を求める。第三請求原因に対する被告の認否一請求原因一1、2及び3イの事実は認める。 納金、及びこれに対する納付 〇〇円を免除し、これを原告に還付した。四よつて、原告は被告に対し、国税通則法五六条にもとづき、前記一3の納付金より右三の還付金を差引いた金一五、一七九、七七一円の過誤納金、及びこれに対する納付の日の翌日である昭和四八年三月二〇日以降年七・三パーセントの割合による同法五八条の還付加算金の支払を求める。第三請求原因に対する被告の認否一請求原因一1、2及び3イの事実は認める。同一3ア、ウの事実は知らない。二 1 請求原因二1アの事実は認める。同イの主張は争う。相続税法三四条一項の連帯納付の義務は他の共同相続人の相続税申告によつて当然確定する。この連帯納付の義務は申告によつて確定した自己の相続税額を超えて他の共同相続人の相続税債務額まで納付すべき義務を特に法が定めた共同相続人に対する特別の義務である。この点で国税通則法九条等のいわゆる連帯納税義務とは異なるもので、民法における連帯保証債務に似た法律関係であるといえる。それゆえ申告によつて各共同相続人の相続税が確定すると当然に他の共同相続人の連帯納付の義務も確定するものであり、国税通則法による確定手続を必要としないのである。仮に連帯納付の義務が右のような性格のものでないとしても、連帯納付の義務は共同相続人らの共同申告によつて確定するというべきである。相続税法三四条一項にいう「納付の責」には申告義務も含まれていると解せられるから、同条項の連帯納付の義務は申告納税方式により確定すると解すべきである(国税通則法一六条二項一号)。相続税法二七条は、相続に因り財産を取得した者は、課税価格、相続税額その他政令で定める事項を記載した申告書を提出し、この申告書には、被相続人の死亡の時における財産及び債務、当該被相続人から相続に因り財産を取得したすべての者が取得した財産又は承継した債務の各人ごとの明細 他政令で定める事項を記載した申告書を提出し、この申告書には、被相続人の死亡の時における財産及び債務、当該被相続人から相続に因り財産を取得したすべての者が取得した財産又は承継した債務の各人ごとの明細その他政令で定める事項を記載した明細書を提出しなければならない旨を定めている。しかも共同相続人らの共同申告の場合には右各事項を申告者各人が共通に確認し共同して申立てるものである。従つて右申告書には相続税法三四条一項の納付義務額の記載こそないが、その申告をも含むものとみうるから、共同申告書の提出によりその申告人の連帯納付の義務も確定すると解するべきである。 取得した財産又は承継した債務の各人ごとの明細その他政令で定める事項を記載した明細書を提出しなければならない旨を定めている。しかも共同相続人らの共同申告の場合には右各事項を申告者各人が共通に確認し共同して申立てるものである。従つて右申告書には相続税法三四条一項の納付義務額の記載こそないが、その申告をも含むものとみうるから、共同申告書の提出によりその申告人の連帯納付の義務も確定すると解するべきである。2 請求原因二2アイウの事実は認める。同エの事実は否認し、同オの主張は争う。芦屋税務署長が延納申請却下通知書を公示送達に付したことは適法である。同署長は右通知書を郵便に付したが転居先不明として返送されて来たので、部下徴収職員をして住民登録上の住所が右郵便宛先と同一であることを確認させ、被送達者の兄である原告、並びに被送達者の従前の住居地の近隣の居住者、商店、警察官派出所及び小学校に被送達者の所在を間合わさせる等可能な限りの手段をつくしたが、被送達者の所在を確認することができなかつた。そこでやむなく同署長は昭和四五年六月二六日前記通知書を同税務署掲示板に掲出して公示し、その送達の効力は同年七月三日発生した。かりに、右公示送達にかしがあるため無効である場合には、延納許可申請が未だ却下されていない状態にあるから、徴収猶予である状態が継続していることになる(相続税法二七条、三三条、三八条一項、三九条二項、四〇条参照)。したがつてこの間は時効の進行が停止していることになり(国税通則法七三条三項)、消滅時効は完成していないことになる。3 請求原因二3アの事実のうち被告がA、Bからその相続税を徴収する 四〇条参照)。したがつてこの間は時効の進行が停止していることになり(国税通則法七三条三項)、消滅時効は完成していないことになる。3 請求原因二3アの事実のうち被告がA、Bからその相続税を徴収する努力を怠つたとの点は否認する。同イの主張は争う。芦屋税務署長はA、Bの物納申請を審査して延納申請に変更するよう指導し、その物納申請にかかる担保提供につき再三に亘り増担保の要求をするなど徴収の職責を果している。もともと私法の分野において発展して来た信義誠実の原則が租税法律関係に適用されるかは問題であるが、これが適用されるとしても、それは何らかの事実が表示されこれによつて誤信を生じて行動した結果損害が発生した場合で、信義誠実の原則を適用しても違法な結果を生ぜしめないときに限ると解すべきであるが、本件の場合右の要件を充すものではない。 かる担保提供につき再三に亘り増担保の要求をするなど徴収の職責を果している。もともと私法の分野において発展して来た信義誠実の原則が租税法律関係に適用されるかは問題であるが、これが適用されるとしても、それは何らかの事実が表示されこれによつて誤信を生じて行動した結果損害が発生した場合で、信義誠実の原則を適用しても違法な結果を生ぜしめないときに限ると解すべきであるが、本件の場合右の要件を充すものではない。相続税については本来の納税者のほか共同相続人も連帯納付義務を負い、国としてはその何れからでも徴収することができるのであるから、本来の納税者から徴収することを怠つたことは、連帯納付義務者から徴収することの妨げとなるものではない。4 請求原因二4の主張は争う。国税通則法六〇条四項は、「延滞税は、その額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税とする。」としているから、相続税についての延滞税は相続税とみなされることになり、相続税法三四条一項の連帯納付の義務は相続税についての延滞税にも及ぶことになる。第四証拠(省略)○ 理由一請求原因一の事実は3ア及びウの部分を除き当事者間に争いがなく、右3ア及びウの事実は原告本人尋問の結果により成立の認められる甲四、八号証により認めることができ、この認定を覆すに足る証拠はない。二そこで、本件連帯納付の義務が確定していない旨の原告の主張について判断する。1 まず、相続税法三 結果により成立の認められる甲四、八号証により認めることができ、この認定を覆すに足る証拠はない。二そこで、本件連帯納付の義務が確定していない旨の原告の主張について判断する。1 まず、相続税法三四条一項の連帯納付の義務も国税通則法一五条一項にいう「国税を納付する義務(納税義務)」に当ると解すべきである。相続税法三四条一項は、共同相続人は他の相続人の相続税につき「連帯納付の責に任ずる」旨を規定し、この義務を「連帯納付の義務」と名付け、また国税徴収法はこの連帯納付の義務を負う共同相続人も同法二条六号の「国税を納める義務がある者」、「納税者」にあたり、同条九号の「滞納者」として滞納処分を受けることあるものとしていると解されることを考慮すると、右の連帯納付の義務は国税通則法一五条一項にいう「国税を納付する義務」に当るものと解するほかはない。右の連帯納付の義務は、本来は他の相続人の負つている納税義務の支払確保、担保としての目的を有しその点で民法の連帯保証と類似するところがあることは被告の主張するとおりであるが、このことは国税通則法などの実定法上右の連帯納付の義務を「国税を納付する義務」と構成することを妨げるものではない。 ことを考慮すると、右の連帯納付の義務は国税通則法一五条一項にいう「国税を納付する義務」に当るものと解するほかはない。右の連帯納付の義務は、本来は他の相続人の負つている納税義務の支払確保、担保としての目的を有しその点で民法の連帯保証と類似するところがあることは被告の主張するとおりであるが、このことは国税通則法などの実定法上右の連帯納付の義務を「国税を納付する義務」と構成することを妨げるものではない。2 相続税の連帯納付の義務については、特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定するものと解することはできない。特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税は国税通則法一五条三項に列挙されているところであるが、相続税の連帯納付の義務はここに挙げられていない。そして租税関係法規は特に理由のない限りみだりに拡張解釈すべきものではないのである(最高裁判所昭和四三年(行ツ)第九〇号同四八年一一月一六日第二小法廷判決、民集二七巻一〇号一三三三頁参照)から、相続税の連帯納付の義務がここに含まれると解することはできない。実質的に考 いのである(最高裁判所昭和四三年(行ツ)第九〇号同四八年一一月一六日第二小法廷判決、民集二七巻一〇号一三三三頁参照)から、相続税の連帯納付の義務がここに含まれると解することはできない。実質的に考えても、同条項に列挙する国税はいずれも課税要件事実と税額とが客観的に明白なものに限られているが、相続税の連帯納付の義務がこのような性格のものということはできない。少なくとも連帯納付の義務の限度を定める「相続に因り受けた利益の価額」の判断は遺産分割や遺贈の有無、効力、相続財産の範囲、取得財産の内容、評価について慎重に検討したうえでせねばならないものであるが、このような判断は容易にすることができるものではない。更に、その目的及び要件の点で相続税の連帯納付の義務と類似したところの存する国税徴収法三章の第二次納税義務についても、当然確定の方式をとらず行政庁の処分によつて確定させることとなつている(同法三二条一項)のであつて、これとの対比から見ても、相続税の連帯納付の義務の確定につき行政庁の処分を要しないとの解釈はバランスのとれたものということができない。3 相続税法三四条一項の連帯納付の義務は申告納税方式により確定するものと解することはできない。申告納税方式により確定すべき国税は納税者が国税に関する法律の規定により納付すべき税額を申告すべきものとされている国税に限られる(国税通則法一六条二項一号)のであるが、相続税法三四条一項の連帯納付の義務につき税額を申告すべきものとしている法律の規定は存しない。 解釈はバランスのとれたものということができない。3 相続税法三四条一項の連帯納付の義務は申告納税方式により確定するものと解することはできない。申告納税方式により確定すべき国税は納税者が国税に関する法律の規定により納付すべき税額を申告すべきものとされている国税に限られる(国税通則法一六条二項一号)のであるが、相続税法三四条一項の連帯納付の義務につき税額を申告すべきものとしている法律の規定は存しない。相続税法二七条一項は相続税の申告について規定しているが、同項はその者に係る相続税額がないときは、他の相続人に係る相続税額の存するときでも申告書を提出する必要がないとしているのであつて、このことは同項が自己固有の相続税の申告に関する規定であつてその者の連帯 項はその者に係る相続税額がないときは、他の相続人に係る相続税額の存するときでも申告書を提出する必要がないとしているのであつて、このことは同項が自己固有の相続税の申告に関する規定であつてその者の連帯納付の義務の申告に関する規定ではないことを示している。なお、同法二七条一項、同法施行令五条二号は、相続税の課税価格、即ちその者が相続に因り取得した財産の価額の合計額(同法一一条の二)及びその者に係る相続税額(同法施行令五条一号)のほか、被相続人から相続に因り財産を取得したすべての者に係る相続税の課税価格の合計額及び当該合計額を基礎として算出したこれらの者に係る相続税の総額を申告書に記載すべきものとしているが、右の課税価格の合計額及び相続税の総額についてはこれらを更正できる旨の規定もなく(同法三五条、国税通則法二四条、一六条一項一号参照)、相続税法施行令五条二号も課税価格の合計額及び相続税の総額「その他相続税額の計算の基礎となる事項」を申告書に記載すべきものとしていることから考えると、右の課税価格の合計額及び相続税の総額は同令五条六号以下の事項とあいまつて申告者の相続税額を判断するための参考事項として記載を要求したものにすぎず、これによつて課税価格の合計額や相続税の総額ひいては連帯納付の義務の税額について確定させようとの趣旨に出たものではないと解される。相続税法二七条四項は数人の共同相続人が申告書を共同して提出できる旨を定めており、被告は本件において右の共同申告書が提出されていることを理由として賦課決定等を要せずに連帯納付の義務を追及できる旨を主張している(なお、国税庁長官の国税通則法基本通達(徴収部関係)第八条関係4参照)。 よつて課税価格の合計額や相続税の総額ひいては連帯納付の義務の税額について確定させようとの趣旨に出たものではないと解される。相続税法二七条四項は数人の共同相続人が申告書を共同して提出できる旨を定めており、被告は本件において右の共同申告書が提出されていることを理由として賦課決定等を要せずに連帯納付の義務を追及できる旨を主張している(なお、国税庁長官の国税通則法基本通達(徴収部関係)第八条関係4参照)。しかしながら、同項は「共同して提出することができる」と規定するだけであつて、共同して提出すべきことを義務づけているも ている(なお、国税庁長官の国税通則法基本通達(徴収部関係)第八条関係4参照)。しかしながら、同項は「共同して提出することができる」と規定するだけであつて、共同して提出すべきことを義務づけているものではない。被告は相続税法三四条一項にいう「納付の責」には申告義務も含まれていると主張するが、租税法の他の規定と対比して考えても、この規定は連帯納付の実体的義務を規定したものであつて、申告の手続義務まで規定したものではないと解するほかはない。更に同法二七条四項の共同申告書の内容、効力についてみると、その記載事項については法令に特別の規定がなく(同法施行令七条の二参照)、同法二七条四項の申告書も「当該申告書」すなわち「第一項又は第二項の規定による申告書」とされていることを考慮すると、同条四項は数人の相続人の連署した共同申告書によつて申告書記載事項についての相続人間の申告の相違を事実上避けようとする目的を持つにとどまり、第一項又は第二項の規定による申告書以上の効力、すなわち相続税の連帯納付の義務を確定させる効力を持つものではないと解される。被告の前記主張は理由がない。4 相続税法三四条一項の連帯納付の義務については賦課決定がなければこれを徴収することができないと解される。前記判断のように右連帯納付の義務が「特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税」でも「納税者が納付すべき税額を申告すべきものとされている国税」でもない以上、これは賦課課税方式により確定されるべきものである(国税通則法一六条二項二号)。一般に賦課決定のような行政処分をするには法律の根拠を要するものであるが、右連帯納付の義務の賦課決定については同法三二条が適用されるから、税額の確定についての手続上の規定がないとの原告の主張は理由がない。 続を要しないで納付すべき税額が確定する国税」でも「納税者が納付すべき税額を申告すべきものとされている国税」でもない以上、これは賦課課税方式により確定されるべきものである(国税通則法一六条二項二号)。一般に賦課決定のような行政処分をするには法律の根拠を要するものであるが、右連帯納付の義務の賦課決定については同法三二条が適用されるから、税額の確定についての手続上の規定がないとの原告の主張は理由がない。三ところで、原告は他の共同相続人と 根拠を要するものであるが、右連帯納付の義務の賦課決定については同法三二条が適用されるから、税額の確定についての手続上の規定がないとの原告の主張は理由がない。三ところで、原告は他の共同相続人と共同して相続税の申告書を提出し、税務署長は原告の相続税の連帯納付の義務につき一度は納税告知書を送達したがその後その連帯納付の義務の税額の納付前に納税告知を取消し、他に右義務につき賦課決定通知書が送達されていないことは当事者間に争いのないところである。そうすると、前記判断のとおり国税局長は原告の相続税の連帯納付の義務税額及びこの徴収のための滞納処分費を徴収することはできなかつたものと言わねばならない。したがつて、その弁済として納付された金一五、一七九、七七一円は、国税通則法五六条一項(うち滞納処分費については更に同法五条一項)により、被告はこれを納税者である原告に還付する義務がある。また被告は右の過誤納金を還付するにつき国税通則法五八条一項三号、同法施行令二四条二項五号によりその納付の日の翌日から起算して一月を経過した日である昭和四八年四月二〇日以降年七・三パーセントの割合による還付加算金を加算して支払う義務がある。しかしながら右過誤納金につき同年三月二〇日以降同年四月一九日までの期間に対応する部分の還付加算金の支払を求める部分の原告の請求は国税通則法五八条一項三号、同法施行令二四条二項五号に照らし理由がない。よつて、原告の請求のうち過誤納金一五、一七九、七七一円、及びこれに対し昭和四八年四月二〇日以降年七・三パーセントの割合による還付加算金の支払を求める部分は理由があるからこれを認容し、その余は理由がないから棄却することとし、訴訟費用は行政事件訴訟法七条、民訴法八九条、九二条但書により被告の負担とすることとし、仮執行宣言申立は理由がないから める部分は理由があるからこれを認容し、その余は理由がないから棄却することとし、訴訟費用は行政事件訴訟法七条、民訴法八九条、九二条但書により被告の負担とすることとし、仮執行宣言申立は理由がないからこれを付さないこととし、主文のとおり判決する。
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