昭和36(う)1165 公職選挙法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和37年1月18日 東京高等裁判所
ファイル
hanrei-pdf-21202.txt
🤖 AI生成要約2026/3/13

【DRY-RUN】主    文      原判決中被告人A、同B、同C、同D、同E、同Fに関する部分を破棄 する。      右被告人六名を各罰金二、〇〇〇円に処する。      被告人等において右罰金を完納できないと

タグ

キーワード(AI生成)

判決文本文3,700 文字)

主文原判決中被告人A、同B、同C、同D、同E、同Fに関する部分を破棄する。 右被告人六名を各罰金二、〇〇〇円に処する。 被告人等において右罰金を完納できないときは、金五〇〇円を一日に換算した期間、当該被告人を労役場に留置する。 右被告人六名より各金五三〇円を追徴する。 但し、被告人等に対しては公職選挙法第二五二条に規定する選挙権、被選挙権停止の規定を適用しない。 原審訴訟費用中証人G、同Hに支給した分は、右被告人等六名及び原審相被告人Iの負担とする。 被告人Iの本件控訴を棄却する。 当審の訴訟費用は被告人等七名の負担とする。 理由本件控訴の趣意は、弁護人渡辺治湟の控訴趣意書記載のとおりであるから、これをここに引用し、これに対し次のとおり判断する。 本件控訴趣意は原判決の事実誤認を主張するものであるから、所論に基き本件記録を精査して審按するに、原判示第一の事実は原判決挙示の証拠により優にこれを証明することができ、所論の総べてを参酌し、且つ、当審における事実取調べの結果に照らしても、原判決は正当であつて、いささかも事実を誤認した違法は認められない。それ故この点の論旨は理由がないから刑事訴訟法第三九六条に則り、被告人Iの本件控訴はこれを棄却する。 次に、原判示第二の事実につき職権を以て本件記録を精査し、原判決を仔細に検討してみると、原判決はその証拠として、一、証人J、K、L、M、Nの当公判廷の各供述二、 Oの検事に対する昭和三三年七月二九日附供述調書謄本三、 Pの検事に対する供述調書四、 Iの昭和三三年八月六日附検事に対する供述調書を掲記しており、右の各証拠なくしては原判示第二の事実を確証することができないことが 七月二九日附供述調書謄本三、 Pの検事に対する供述調書四、 Iの昭和三三年八月六日附検事に対する供述調書を掲記しており、右の各証拠なくしては原判示第二の事実を確証することができないことが認められる。然しながら、右一、四、の各証拠は原審において、原判示第二の被告人であるA外五名についてはその取調べのなかつたものであり、二、三の各証拠は右被告人等に付てはこれを証拠となし得ないものであるに拘らず、その証拠調べをした上証拠として採用した違法の存することが明らかである。 即ち、本件記録によると、一、 JはI外五名に対する公職選挙法違反被告事件の第六回公判廷において証人として取調べられたのであるが、その後Iに対する右被告事件の第一五回公判廷において右被告事件は被告人A外五名に対する本件公職選挙法違反被告事件と併合審理されるに至つたけれとも、同被告人等に対する関係で前記証人Jの証言記載のある第六回公判調書は取調べられていない。(第一五回公判調書参照)また、その後被告人A外五名の関係において、Jが改めて証人として取調べられた事跡も存しない。更に、K、L、M、Nは、本件においては原審公判廷において証人として取調べられた形跡がなく、只併合前のIの被告事件の第七回公判において証人として取調べられ本件第一五回公判廷でその公判調書の取調べが行われたに過ぎないことが明らかである。それ故原判決が右K等の当公廷の供述を証拠としたのは、結局取調べのない証拠を採用したものといわなければならない。 二、 Iの検察官に対する昭和三三年八月六日附供述調書は、前記両被告事件の併合後である第一六回公判廷において、検察官の刑事訴訟法第三二二条第一項による取調請求により取調べられたものであつて、被告人I以外の関係では証拠調べはなされていない。 三、 Oの検察官に対する の併合後である第一六回公判廷において、検察官の刑事訴訟法第三二二条第一項による取調請求により取調べられたものであつて、被告人I以外の関係では証拠調べはなされていない。 三、 Oの検察官に対する昭和三三年七月二九日附供述調書謄本二通、及びPの検察官に対する供述調書は、第一五回公判廷において、検察官の刑事訴訟法第三二一条第一項第二号による取調請求により、被告人A外五名の原判示第二の本件被告人等の関係において取調べられたものであるが、右条項により検察官の面前調書を証拠とするためには供述者死亡等の場合か、供述者が公判準備、若しくは公判期日においてこれと相反するか若しくは実質的に異つた供述をした場合において、検察官の面前における供述を信用すべき特別の情況の存することを要件とするところ、本件においては右の如き事情はいずれもこれを認めることができない。尤も、Pは前記の如く本件をIの被告事件に併合するに先立ちIに対する公職選挙法違反被告事件の第八回公判廷で証人として取調べを受け、Oは同第一〇回公判廷で証人として取調べを受け、右二回の公判調書は、併合後の第一五回公判廷で被告人A外五名及びその弁護人において、これを証拠とすることに同意したため、被告人A外五名の本件被告人等のためにも取調べられては<要旨>いるのであるが、刑事訴訟法第三二一条第一項第二号に謂う公判準備、若しくは公判期日における供述とは、</要旨>当該被告人に対する被告事件の公判準備、若しくは公判期日における供述を指称するものと解するのが相当である。蓋し、同号の規定は証人の検察官に対する供述調書についても反対尋問の機会の与えられる当該被告人の被告事件の公判準備若しくは公判期日においてなされた当該証人の供述を、同人の検察官に対する供述と対比し、前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限り ついても反対尋問の機会の与えられる当該被告人の被告事件の公判準備若しくは公判期日においてなされた当該証人の供述を、同人の検察官に対する供述と対比し、前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限り、検察官に対する供述調書を証拠となし得るものとする趣旨に出でたものと解せられるからである。従つて、併合前の他の被告人の被告事件の公判期日における証人の供述を記載した公判調書の前説示の事由により書証として取調べられた場合においても、右証人の供述が検察官の面前調書の記載と相反することを事由として、直ちに同人の検察官の面前調書を証拠とはなし得ないものといわねばならない。 以上の如くであつて、原判決は証拠調べを経ない証拠を採証し、また、違法な証拠調べに基く証拠を採証した訴訟手続法上の違背があり、右は固より判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、原判決中判示第二の点は到底破棄を免かれない。 よつてその他の論旨に対する判断を省略し、刑事訴訟法第三九七条第一項第三七九条第四〇〇条但書に則り、原判決中被告人A、同B、同C、同D、同E、同Fに関する部分を破棄し、当裁判所において自から次のとおり判決する。 (罪となるべき事実)被告人A、同B、同C、同D、同E、同Fは、いずれも昭和三三年七月六日施行の逗子市議会議員一般選挙に際し、その選挙人であるが、同年二月二三日頃藤沢市ab番地「Qヘルスセンター」において、右選挙に立候補予定のOから、同人がIと共謀の上、自己の当選を得る目的を以て投票並に投票取纏等の選挙運動を依頼し、その報酬として供与するものであることを知りながら、一人当り金五三〇円相当の酒食の饗応接待を受けたものである。 (証拠の標目)一、被告人等の当審公廷における供述一、原審第六回公判調書中証人Jの供述記載一、原審第七回公判調書中証人K 一人当り金五三〇円相当の酒食の饗応接待を受けたものである。 (証拠の標目)一、被告人等の当審公廷における供述一、原審第六回公判調書中証人Jの供述記載一、原審第七回公判調書中証人K、同L、同M、同Nの各供述記載一、 Pの検察官に対する供述調書一、 Iの検察官に対する昭和三三年八月六日附供述調書一、逗子市選挙管理委員会委員長R作成の「調査事項回答について」と題する書面の謄本一、 Sの答申書謄本一、当審証人Oの当公廷の供述一、被告人Aの昭和三三年七月二八日附、同Bの同月二六日附、同Cの同月二八日附、同Dの同月二八日附、同Eの同月三〇日附、同Fの同月二八日附各検察官に対する供述調書(法令の適用)被告人A外五名の右所為は、各公職選挙法第二二一条第一項第四号罰金等臨時措置法第二条に該当するので、所定刑中いずれも罰金刑を選択し、その所定金額の範囲内で各罰金二、〇〇〇円に処し、罰金不完納の場合につき刑法第一八条を適用し、金五〇〇円を一日に換算した期間、当該被告人を労役場に留置し、被告人等に対してに公職選挙法第二二四条により、本件饗応を受けた利益の価額として、それぞれ金五三〇円を追徴すべく、なお情状により、被告人等に対しては同法第二五二条第三項に則り、選挙権及び被選挙権を有しない旨の規定を適用しないこととする。 なお、訴訟費用については刑事訴訟法第一八一条第一項本文を適用し、主文第六項第八項記載のとおりその負担を定める。 よつて主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官山本謹吾裁判官目黒太郎裁判官深谷真也) 也)

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る