主文 1 被告X3は,原告らに対し,別表5「被告X3認容額」欄の各原告の認容額欄に記載された金員及びこれに対する平成23年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員をそれぞれ支払え。 2 被告X2は,原告らに対し,別表5「被告X2認容額」欄の各原告の認容額欄に記載された金員(ただし,この金額の限度で被告X3と連帯して)及びこれに対する平成23年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員をそれぞれ支払え。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,被告X3に生じた費用及び原告らに生じた費用の25分の1は被告X3の負担とし,被告X2に生じた費用の2分の1及び原告らに生じた費用の50分の1は被告X2の負担とし,その余の費用は原告らの負担とする。 5 この判決は,第1及び2項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 被告らは,原告aに対し,連帯して,3300万円及びこれに対する平成23年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告らは,原告bに対し,連帯して,1980万円及びこれに対する平成23年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告らは,原告cに対し,連帯して,1273万8000円及びこれに対する平成23年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告らは,原告dに対し,連帯して,1518万円及びこれに対する平成23年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 被告らは,原告eに対し,連帯して,462万円及びこれに対する平成2 3年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 6 被告らは,原告fに対し,連帯して,1056万円及びこ 告らは,原告eに対し,連帯して,462万円及びこれに対する平成2 3年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 6 被告らは,原告fに対し,連帯して,1056万円及びこれに対する平成23年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 7 被告らは,原告gに対し,連帯して,3300万円及びこれに対する平成23年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 8 被告らは,原告hに対し,連帯して,462万円及びこれに対する平成23年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 9 被告らは,原告iに対し,連帯して,3300万円及びこれに対する平成23年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要(略語は,本文中に特に記載したもののほか,別紙略語目録による。) 1 本件は,原告らが,Xとの間で,Xが所有又は管理する黒毛和種の繁殖牛を購入すると同時にその飼養を委託するという黒毛和種牛・飼養委託契約(牛を購入した顧客を「オーナー」というためこの契約を,以下「オーナー契約」という。)を締結し,一定期間後にXが原告らから同繁殖牛を再売買するという合意のもと,購入及び委託代金を支払ったところ,Xが破綻したために再売買をして代金の支払を受けることができなかったことにつき,①オーナー契約は特定商品預託法4条1項及び出資法2条1項に違反して違法である,又は②Xが原告らに対し,オーナー契約締結時にXが債務超過であることやXが所有又は管理する繁殖牛がオーナー契約頭数を大幅に下回ること等を説明しなかったことが説明義務違反に当たり,①及び②はいずれも不法行為に該当するところ,被告らには,Xの経営に必要不可欠な関連会社として,又はX若しくはその関連会社の 契約頭数を大幅に下回ること等を説明しなかったことが説明義務違反に当たり,①及び②はいずれも不法行為に該当するところ,被告らには,Xの経営に必要不可欠な関連会社として,又はX若しくはその関連会社の役員として,Xの前記不法行為に積極的に加担し,又は援助助長した点に注意義務違反及び任務懈怠があったとして,被告らに対し,共同不法行為(民法719条1項)及び会社法429条1項に基づき(なお,被告K,被告H及び被告Eについては共同不法行為の み。),別表1の「原告」欄記載の原告ごとの「請求額合計」欄記載の損害賠償及びこれに対するXが民事再生手続開始決定を受けた日の翌日である平成23年9月10日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 2 前提事実(当事者間に争いがないか,末尾に掲記する証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定することができる事実)(1) 被告ら被告A1らは,いずれもX又はその関連会社の役員であったか,現在も役員である者であり,X又はその関連会社の役員在任期間及びその時の役員名は,別表2-1及び同2-2の「氏名」「会社名」「役職」「役員在任期間」欄記載のとおりである。 被告K,被告H及び被告Eは,Xの関連会社であり,その設立年月日,会社の目的及び業務の概要,現在の状況,出資者,並びに役員構成は,別表3の「設立年月日」,「会社の目的及び業務の概要」,「現在の状況」,「出資者」及び「役員構成(抜粋)」欄に記載のとおりである。 (2) XXは,別表4の「X」に記載のとおり,昭和56年12月18日に有限会社X´として設立され,主として,直営牧場及び預託牧場において黒毛和種牛の畜産を行い,後記(3)のとおりの黒毛和種牛委託オーナー制度(以下「オーナー制度」という。) ,昭和56年12月18日に有限会社X´として設立され,主として,直営牧場及び預託牧場において黒毛和種牛の畜産を行い,後記(3)のとおりの黒毛和種牛委託オーナー制度(以下「オーナー制度」という。)を運営し,その他食肉加工品の製造販売等を営んできた会社であり,平成18年5月1日に特例有限会社となったが,平成21年4月1日には株式会社Xに商号変更して通常の株式会社に移行した。 Xは,平成23年8月9日に民事再生手続開始申立てを行い,同年9月6日に東京地方裁判所が民事再生手続開始決定をしたが,同年12月9日には破産手続開始決定がされ,平成26年3月12日頃には破産手続が終 了している(甲50)。Xの株主及び役員構成の抜粋は,別表4のXにおける「株主構成又は出資者」,「役員構成(抜粋)」欄に記載のとおりである。 (3) オーナー制度は,次のとおりのオーナー契約に基づくものである。 ア繁殖牛(子牛を出産させ繁殖させるために飼育している牝牛であり,子牛を含まない。)を対象とするオーナー契約(以下「繁殖牛コース」という。)Xが所有する黒毛和種の繁殖牛(以下契約対象の牛を「オーナー牛」という。)を客に対し,一定期間経過後の再売買請求権を付して売却すると同時にその間の牛の飼育を受託し,契約時に客から牛の購入代金及び1年間の飼育料の支払を受け,契約期間中には年に1度オーナーに利益(約定の子牛の買取予定価格(以下「子牛買取予定代金」という。)から翌年分の飼養委託費用を控除した残額(以下「子牛予定売却利益」という。))を分配し,契約期間満了時には原則としてオーナーの購入代金と同額の代金でXがオーナー牛を買い戻すことを内容とする契約であり,契約期間やオーナー牛の価格,子牛買取予定代金,子牛予定売却利益はコースによって異なっていた。オー には原則としてオーナーの購入代金と同額の代金でXがオーナー牛を買い戻すことを内容とする契約であり,契約期間やオーナー牛の価格,子牛買取予定代金,子牛予定売却利益はコースによって異なっていた。オーナー制度は主として繁殖牛を対象とするオーナー契約に基づき運営されていた(甲12,16,21)。 イ肥育牛(繁殖牛から生まれ,肉食用に育てられる牛をいい,雄牛及び繁殖に適さない牝牛をいう。)を対象とするオーナー契約(以下「肥育牛コース」という。)平成23年7月頃に限定的に募集されたオーナー契約である。肥育牛コースの場合には,Xが所有する出荷半年前の黒毛和種の肥育牛をXが指定する価格で顧客(オーナー)が買い取り,半年後,Xがオーナーに対し,当該肥育牛を一定額の売買代金(予め定める売却代金を「予定売 却代金」といい,これから飼養委託費を控除した金額を「予定売買代金」という。)で買い取ることを予定するが,肥育牛の実際の売却代金が約定の予定売却代金を下回る場合には,下回った代金相当額の飼養委託費をXが負担することとした額を支払い,反対に,予定売却代金を上回る場合には,上回った金額の50パーセント相当額を予定売買代金に加算して支払うこととされていた(甲15)。 なお,原告らが締結した別表5の契約の中に肥育牛コースはない。 (4) 原告らが締結したオーナー契約の概要(甲12ないし16,98)原告らは,平成15年6月頃から平成23年7月21日頃までの間,別表5の「コース名」欄記載の各契約を締結し,Xに対し「購入金額」欄記載の各金額を支払った。 原告らがXとの間で締結したオーナー契約の概要は,次のアないしオのとおりである。なお,オーナー契約の契約書には割り当てられたオーナー牛の耳標番号が記載されていた。(甲 欄記載の各金額を支払った。 原告らがXとの間で締結したオーナー契約の概要は,次のアないしオのとおりである。なお,オーナー契約の契約書には割り当てられたオーナー牛の耳標番号が記載されていた。(甲12,56,98)。 ア原告らは,Xから黒毛和種の繁殖牛を購入し,Xに対して購入代金及び1年分の飼養費用を支払い,約定の契約期間中のオーナー牛の飼養を委託する。Xは,占有改定により原告らに対して各オーナー牛を引き渡し,契約期間中の飼養を行う。 イオーナー牛が契約期間中に子牛を出産した場合,年1頭まではオーナーがXに子牛を売り渡し,Xはオーナー契約であらかじめ定めた子牛予定売却利益を毎年約定の支払日にオーナーに支払い,1 年に2頭以上出産した場合には2頭目以降はオーナーがXに子牛を無償譲渡する。 ウ契約期間終了前の一定の間に,オーナーはXに対し,オーナー牛の再売買請求権を行使して再売買代金の支払を受けるか,又はオーナー牛を引き取るか選択することができるが,オーナーが何らの意思表示をしな い場合には,再売買請求権を行使したとみなされる。 エ再売買代金額は,原則オーナー牛の購入代金と同額とするが,牛の市場価格が前年比30パーセント以上下落したとき,又は為替変動等により飼料価格が高騰した時は,協議して決定する。 オ Xの責めに帰すべき事由によりオーナー牛が死亡,滅失した場合には,Xはオーナーに対しこれにより被った損害を賠償するが,その具体的方法(代替牛の提供等)は両者が協議して定める。 (5) もっとも,オーナーは再売買請求権を行使するのが通常であり,Xは,後記(6)のとおり,創業した昭和56年から民事再生申立てをした平成23年8月まで,子牛の市場価格や為替変動に関わりなくオーナーに対して購入代金 ーナーは再売買請求権を行使するのが通常であり,Xは,後記(6)のとおり,創業した昭和56年から民事再生申立てをした平成23年8月まで,子牛の市場価格や為替変動に関わりなくオーナーに対して購入代金と同額の再売買代金を支払ってきたし,子牛の出生及び生存の有無にかかわらず,少なくとも年3ないし4パーセント程度の配当を行っていた。 (6) Xは,平成23年4月27日付け書面により,平成23年4月に契約期間満了を迎えるオーナーに対し,福島原子力発電所事故による風評被害や自粛の影響で牛肉需要が落ち込み価格も下落したことから,再売買代金の支払時期を4月から5月末日に遅らせてほしいこと,1か月分の利益金は4月末日までに支払い,再売買代金の遅延損害金として1パーセント相当額の商品券を5月末に送付すること,5月末には契約期間1年間,契約金額100万円,子牛予定売却利益6万円とする「切り替え特別コース」の募集がある旨通知した(甲17)。そして,Xは,同年5月及び6月にも各月で契約期間満了を迎えるオーナーに対し,同内容の通知を行ったが(甲18,19),6月末の支払も遅滞した(甲20)。 (7) Xは,平成23年8月9日,東京地方裁判所に民事再生手続開始の申立てを行った。東京地方裁判所は同年9月6日に民事再生手続開始決定をしたが,同年11月8日に民事再生手続の廃止を決定し,同年12月 9日に破産手続開始決定を行った(以下「本件破産手続」という。)。 原告らは,本件破産手続において,次表「破産債権額」欄記載のとおり破産債権の届出を行い,「配当額」欄記載のとおりの配当を受けた(甲51ないし52の10)。 氏名破産債権額配当額原告g2億3020万5000円1157万1833円原告h732万9480円36万8434 記載のとおりの配当を受けた(甲51ないし52の10)。 氏名破産債権額配当額原告g2億3020万5000円1157万1833円原告h732万9480円36万8434円原告c1987万9000円99万9267円原告i4568万8740円229万6659円原告e729万0340円36万6467円原告f1648万円82万8408円原告d2397万9430円120万5386円原告b3141万7060円157万9257円原告a6295万3600円316万4520円 3 争点及びこれに対する当事者の主張(1) 本案前の主張(被告C1の主張)本件における原告らの被告C1に対する請求は,法律構成が不明であって,事実的,法律的根拠を欠くものであるのに,被告C1が被告とされたことにより,Xの投資家だった者から「詐欺ないしそれと同等の悪性を有する行為」に加担した者だとのそしりを受けかねず,それらに全国各地から多数の訴訟が提起されるとこれに応訴せざるを得ない。 よって,原告らの被告C1に対する訴えは,訴権を濫用するものとして不適法である。 (2) Xの違法性(原告らの主張) ア特定商品預託法4条1項違反についてXは,繁殖牛が恒常的に不足し顧客が購入した契約数(以下「オーナー契約頭数」という。)に見合わない繁殖牛しか保有していなかったにもかかわらず,原告らに対し,各種広告や営業用書類,契約書などにおいてオーナー契約頭数に見合うだけの繁殖牛を保有しているという虚偽の事実を告げてオーナー契約を締結させた。このことは,特定商品預託法4条1項及び同法施行令3条4号の禁止する不実告知に該当し などにおいてオーナー契約頭数に見合うだけの繁殖牛を保有しているという虚偽の事実を告げてオーナー契約を締結させた。このことは,特定商品預託法4条1項及び同法施行令3条4号の禁止する不実告知に該当し,違法である。 イ出資法2条1項違反についてオーナー契約では当初購入代金での再売買が保証されていたことからすれば,オーナー契約は,Xが業として不特定多数の者から金銭を受け入れるものであって,出資法2条1項の禁止する「預り金」に該当し違法である。そうすると,Xが違法なオーナー契約を募集し,顧客とオーナー契約を締結した行為も違法である。 ウ説明義務違反についてXは,畜産及びオーナー契約について専門的知識を有するのに対し,顧客は必ずしもそのような知識を持っておらず,オーナー契約のリスクを十分検討することができないことからすれば,契約締結の際には,顧客に対し,信義則上,契約のリスクを吟味できるだけの事情を説明すべき義務があった。 具体的には,Xは,原告らがオーナー契約を締結するに際し,原告らに対し,肥育牛の販売価格が損益分岐点に達しない常況にあり,X及び関連牧場の畜産事業が赤字続きとなっていたこと,Xとしても債務超過であったこと,及びそのような状況下で高配当が継続されていたが,これは子牛の売却利益で賄っていたわけではなく,新規オーナーの購入代金を配当に回していたものであって,オーナー制度自体も自転車操業状 態だったことを説明すべきであったのに,これを怠っており,このことは説明義務違反となる。 (被告Mらの主張)ア特定商品預託法4条1項違反について否認する。 Xが民事再生手続を申し立てた時点における,Xが所有又は管理する和牛の数は,総頭数14万 (被告Mらの主張)ア特定商品預託法4条1項違反について否認する。 Xが民事再生手続を申し立てた時点における,Xが所有又は管理する和牛の数は,総頭数14万5916頭であり,その内訳は,肥育牛5万1636頭,繁殖牛6万5677頭,種牛40頭,子牛2万8563頭であった。このうち,肥育牛の中の一部の牝牛と牝の子牛は,オーナー所有とされていたものの,和牛の絶対数が不足していたわけではない。 また,これらの事実は,Xの経営陣のみが知り得た事情であり,被告Mらは全く知ることができなかった。 イ出資法2条1項違反について以下のとおり,オーナー契約においてXが顧客から受け取る代金等は「預り金」には当たらない。 (ア) Xとオーナーとの取引は,売買契約・飼養委託契約に基づくものであって,特定商品預託法に則って行われた取引であるから,出資法違反の問題は生じない。 (イ) オーナーが,Xに対し,オーナー契約に基づき支払うのは,和牛の購入代金であるし,オーナー契約上,再売買代金額が購入代金額と同額であることは保証されていないから,「預り金」には該当しない。 ウ説明義務違反について否認ないし争う。 Xの肥育牛の販売価格が損益分岐点に達しておらず,Xのビジネスモデルが破たん必至であったとか,Xが赤字続きだったとはいえない。オーナーから支払われた金員は,売上(売却代金)及び預託料(育成管理費)と して会計上適切に処理されており,再売買代金は期限未到来であるから直ちに負債に計上になければならないものでもないから,Xは常に債務超過であったとはいえない。 (被告C1の主張)否認ないし争う。 (被告X1の主張)否認ないし争う。 負債に計上になければならないものでもないから,Xは常に債務超過であったとはいえない。 (被告C1の主張)否認ないし争う。 (被告X1の主張)否認ないし争う。 (被告C2の主張)否認ないし争う。 (3) 被告らの注意義務違反及び任務懈怠の有無(原告らの主張)別表2-1,2-2及び3「原告らの主張」欄記載のとおり。 (被告らの主張)いずれも否認ないし争う。 (4) 損害の有無及び額(原告らの主張)原告らは,被告らの上記特定商品預託法違反,出資法違反又は説明義務違反による共同不法行為若しくは任務懈怠により,別表1「購入金額合計」欄記載の出資相当額及びそれに応じた弁護士費用の損害を被った。 なお,原告らは,「購入金額合計」記載の損害のうち,「一部請求額」欄記載の各金額(3000万円を超える損害を被っている場合には3000万円を,3000万円以下の損害を被っている場合にはその6割の金額)に「弁護士費用」欄記載の相当な金額を加算した「請求額合計」欄記載の各金額の損害賠償を求める。 (被告らの主張)否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本案前の主張)について被告C1は,本件における原告らの被告C1に対する請求は,訴権を濫用するものとして不適法であるから却下されるべき旨の主張をする。 しかし,原告らの被告C1に対する請求は,オーナー制度が違法であることを前提に,被告C1は,関連会社の代表取締役として,オーナー制度が違法であることを認識し,又は認識することができたのに取引を継続したことが違法であるとして,共同不法行為及び会社法429条1項に基づき損害賠償を求めるものであると の代表取締役として,オーナー制度が違法であることを認識し,又は認識することができたのに取引を継続したことが違法であるとして,共同不法行為及び会社法429条1項に基づき損害賠償を求めるものであると特定されおり,事実的及び法律的根拠が全く欠けるとまでいうことはできない。 よって,原告らの被告C1に対する請求が訴権を濫用するものとして不適法であるとはいえない。 2 認定事実前記前提事実に加え,証拠(乙B1,乙C9ないし28,乙D1,乙E1,乙F1,乙G1,乙H1,被告X1本人,被告Q本人,被告X3本人,被告X2本人,被告C1本人,被告B1本人,被告A1本人,被告D1本人,被告R本人,被告S本人,被告N本人,被告E代表者兼被告E1本人,被告K代表者兼被告K1本人のほか末尾掲記のとおり)及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実を認めることができる。 (1) Xは,栃木県那須郡●●町内の本店所在地に社長室,オーナー営業部,まきば営業部,経理部,総務部,食品本部及び畜産部を設置し,畜産部が全国40か所の直営牧場と約350か所の預託畜産牧場(以下単に「預託牧場」ということがある。)を統括していた。 A,C及びBは,別表4の「株主構成又は出資者」欄記載のとおり,Xが実質的に全株式を有する関連会社で,同表の「業務内容」欄記載のとおり,直営農業と同様に現地の牧場地にてXから委託された黒毛和種牛の飼 養を行い,また,被告Eは預託牧場を経営していたものである。 I,O,F及びGは,別表4の「株主構成又は出資者」欄記載のとおり,XやIが実質的に全株式を有し,被告H及びJとともにXに関わりを持つ関連会社であり,被告KはIの取引先であった(甲1,2,71,弁論の全趣旨)。 (2) 牛及びオーナー契約の管理体制(甲56) が実質的に全株式を有し,被告H及びJとともにXに関わりを持つ関連会社であり,被告KはIの取引先であった(甲1,2,71,弁論の全趣旨)。 (2) 牛及びオーナー契約の管理体制(甲56)ア直営牧場又は預託牧場では,Xが所有又は管理する牛から子牛が生まれると,アルファベット2文字と4桁の数字からなる独自の耳標番号札を子牛の耳に装着し,X,直営牧場及び預託牧場は,この耳標番号によって牛の個体管理及びオーナー制度の管理を行ってきた(なお,平成15年12月1日に牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法が施行された後は同法に基づく耳標番号も併用されたが,オーナー制度の管理は専らX独自の耳標番号が使用されたので,以下では「耳標番号」はX独自の耳標番号を指すこととする。甲77)。 イ直営牧場及び預託牧場は,毎月1回,耳標番号による個体管理データに基づき,肥育牛,繁殖牛及び育成牛(繁殖牛や肥育牛に振り分けられていない概ね月齢8か月程度までの子牛をいう。)の頭数,性別,出生した子牛の数及び性別,肥育牛又は繁殖牛に移行した頭数及び性別,廃用又は死亡した頭数及び性別等の実地棚卸作業を行い,その結果をXの畜産部に報告し,また畜産部では,毎月1回全国の実地棚卸の結果を集計した棚卸表(在庫表)を作成し,牛管理システムにより前記の情報を管理していた(甲69)。 ウオーナー管理部は,オーナー契約の契約者の氏名,契約番号,契約コース,契約頭数等のオーナー契約情報をオーナー管理システムにより管理していた部署であり,オーナーに牛を割り当てる作業も担当していた。具体的には,毎月1回,オーナー管理部が契約期間満了及び中途解 約により契約が終了した牛の耳標番号のデータを畜産部に送信すると,畜産部が新たにオーナーに割 を割り当てる作業も担当していた。具体的には,毎月1回,オーナー管理部が契約期間満了及び中途解 約により契約が終了した牛の耳標番号のデータを畜産部に送信すると,畜産部が新たにオーナーに割り当てることができる牛(新たに繁殖牛に登録された牛,契約が終了した牛のうち繁殖牛として飼育を継続する牛)の耳標番号のデータを作成してオーナー管理部に送信し,オーナー管理部は畜産部作成の前記データに基づき新契約のオーナーに牛を割り当てるという手順である(甲56)。このように,牛管理システムとオーナー管理システムは,管理システムとしては別個のもので,従業員が介在して初めて連動するものとなっていた。 (3) オーナー契約頭数に占める繁殖牛の頭数の割合及びその推移Xでは,遅くとも平成7年頃から,繁殖牛の死亡や繁殖に適さないと判断した繁殖牛を肥育牛としたこと等によりオーナーに割り当てる繁殖牛が不足していたため,牝の子牛及び肥育牛,近い将来生まれる見込みがある子牛をオーナーに割り当てることを始めた(甲75)。オーナー契約頭数は平成8年度以降も右肩上がりで増え続け,平成22年4月の口蹄疫問題発生後は11万頭前後で推移していた(甲61)。 X5がXの常務取締役となった頃である平成8年3月末,平成9年3月末の期末決算でも,繁殖牛数はオーナー契約頭数に不足しており,Xは繁殖牛以外の牝牛をオーナーに割り当て続けていた(甲59,62)。 Xのオーナー管理部は,平成19年11月,オーナー管理システムを変更し,畜産部から送られてきたオーナーに割り当てることが可能な牛の耳標番号に「000」又は「002」という下3桁を加えてオーナーに割り当てることを始めた。このことは,X4,X5,X6,オーナー管理部のうち牛の割当てを担当する特定の従業員,畜産部の一部の従業 牛の耳標番号に「000」又は「002」という下3桁を加えてオーナーに割り当てることを始めた。このことは,X4,X5,X6,オーナー管理部のうち牛の割当てを担当する特定の従業員,畜産部の一部の従業員など限られた者にしか知らされていなかった(甲57,58,62,63,74,77)。平成22年10月以降は,畜産部からオーナー管理部に対し,育成牛から繁殖牛に新たに登録された牛の耳標番号データが送られてくるこ ともなくなった(甲56)。 平成19年3月末から平成23年3月末までの間で,オーナー契約頭数に占めるXが所有又は管理する繁殖牛頭数の割合は,多くて69.5パーセント,少ないときは55.9パーセントであった(甲27)。 (4) 牛の総数平成14年3月から平成23年3月までの繁殖牛頭数は次表のとおりである(甲28。なお,被告Mらは,有限責任監査法人U作成の調査報告書(甲28。以下「U報告書」という。)記載の牛の頭数などの正確性を争うが,U報告書はXの担当者から入手した資料及びヒアリング結果に基づき作成されたものであること,X5は農林水産省及び消費者庁に対する報告書及びオーナーに送付するための事業報告書等の内容は改ざんしたが,オーナー管理システム及び牛管理システム内のデータは改ざんしていない旨述べていたこと(後記認定事実(7))からすれば,U報告書に記載された牛の頭数は正確なものであると認めることができる。)。 H14H15H16H17H18H19H20H21H22H2335,62548,89854,25658,37654,67561,18173,46774,10781,63877,407(5) 増頭計画の概要及び修正X4は 48,89854,25658,37654,67561,18173,46774,10781,63877,407(5) 増頭計画の概要及び修正X4は,平成22年頃,平成25年度までに繁殖牛頭数を25万頭にする増頭計画を立案したが,平成22年4月にいわゆる口蹄疫問題が発生し(約1万5000頭を殺処分したが,うち6000頭は繁殖牛であった。 乙C1),同年8月から10月頃には達成時期を平成27年に修正し,また目標頭数も23万頭に修正した(甲65,75)。 (6) オーナー契約書,事業報告書,オーナー制度案内の内容及び再売買に関するX4の認識等ア平成7年頃及び平成13年頃のオーナー契約書(和牛(黒毛和種)売買委託契約書(こすもすコース),和牛(黒毛和種)売買・飼養委託契 約書(夏祭りコース2001))によれば,Xは飼養期間満了後に売却代金と同額の再売買代金を支払ってオーナー牛を買い受けることとなっていた(甲16,甲98)。 また,Xは,創業から民事再生申立てまで,子牛の市場価格や為替変動に関わりなくオーナーに対して購入代金と同額の再売買代金を支払ってきた上,子牛の出生及び生存の有無にかかわらず,少なくとも年3ないし4パーセント程度の配当を行っていた。 イ Xは,オーナーに対し,毎年オーナー向けの事業報告書(以下「事業報告書」という。)を作成して郵送していたが,そこに記載されたオーナー所有頭数は,繁殖牛に加え,繁殖牛ではないXの自社所有牛の一部,すなわち牝の子牛及び肥育牛,近い将来出生する可能性のある牛が含まれており,更にX5により,繁殖牛頭数をオーナー契約頭数が上回らないように改ざんが加えられたものとなっていた(甲10,62)。 その結果,繁殖牛が 牛及び肥育牛,近い将来出生する可能性のある牛が含まれており,更にX5により,繁殖牛頭数をオーナー契約頭数が上回らないように改ざんが加えられたものとなっていた(甲10,62)。 その結果,繁殖牛が1年に1回ないし2回子牛を出産し,その子牛をXが取得すること,子牛からの肥育牛は約30か月程度肥育されてから出荷されることを前提とすると,事業報告書に記載されたXの自社所有頭数(基本的には肥育牛及びその他の子牛の合計を指す。)は,繁殖牛頭数と比較して自社所有頭数が不自然に少なくなっていた(甲10)。 また,Xにおいて作成されていた平成21年7月末から平成23年7月末までの間の棚卸表の繁殖牛頭数とその当時のオーナー契約頭数を比較すると,一貫して,繁殖牛頭数がオーナー牛頭数よりも,およそ3万9000頭から4万9000頭少ないということを知ることは可能であった(甲55)。 ウ平成19年4月以降にXが作成したオーナー制度に関するパンフレット(甲13)には,「Q.『私の牛』は本当にいるのですか?」「A. います。」,「『子牛予定売却利益』ならびに『売買・飼養委託契約金 (委託牛買取り金)』の金額は,制度上あらかじめ保証されたものではありませんのでご注意ください。ただし当社におきましては,本制度の運用実績において,これらの支払いを減額あるいは遅滞した過去の事例はありません。」と記載がある。 エ X4自身も,オーナー契約は,契約期間満了後にオーナーに対し,オーナーによる牛の購入代金と同額を再売買代金として返還することになっていた旨述べていた(甲68)。 (7) 決算報告書などの会計書類Xの会計書類の原案は,畜産部から提供される棚卸表,オーナー管理部から提供される契約件数,契約頭数,契約金額に関する情報その他必要な いた(甲68)。 (7) 決算報告書などの会計書類Xの会計書類の原案は,畜産部から提供される棚卸表,オーナー管理部から提供される契約件数,契約頭数,契約金額に関する情報その他必要な資料に基づき,Xの経理部が作成することとなっていた(甲59)。関連会社の会計書類もXが作成していた。 Xの会計書類には,契約期間終了前の買戻代金支払債務は負債に計上されていなかった。 X5は,オーナー管理システム及び牛管理システム内のデータは改ざんしていないが,農林水産省及び消費者庁に対する報告書及びオーナーに送付するための事業報告書等の内容は改ざんした旨述べていた(甲62)。 (8) 決算報告書に記載された平成14年度ないし平成23年度期末の資産合計額及び負債合計は次表のとおりである(甲3の1ないし3,11の1ないし3)。なお,前記(7)のとおり,この負債合計には将来の再売買代金支払債務は含まれていないが,Xが民事再生手続を申し立てた平成23年8月9日時点における再売買予定金額は総計約4200億円であった(甲1)。 資産合計負債合計平成14年度期末313億3404万8000円 301億4579万円 平成15年度期末318億3362万6000円 305億7059万2000円平成16年度期末413億6602万5000円 400億3602万7000円平成17年度期末384億8575万5000円 370億2908万円平成18年度期末470億2275万3000円 452万7757万1000円平成19年度期末571億9059万9000円 551億3931万6000円平成20年度期末621億2860万7000円 596億7658万4000円平成21年度期末688億8771万 成19年度期末571億9059万9000円 551億3931万6000円平成20年度期末621億2860万7000円 596億7658万4000円平成21年度期末688億8771万2899円 662億1352万9838円平成22年度期末729万2910万6732円 699億0467万6629円平成23年度期末655億1155万9366円 619億8705万1514円(9) X4及びX5は,平成22年9月頃から平成23年7月頃までの間,オーナー契約を希望する顧客192名に対し,繁殖牛が存在しないにもかかわらず,購入する繁殖牛が実在する旨記載したオーナー制度案内や,実在しない繁殖牛の耳標番号(下三桁が002のもの)を記載した契約書用紙を送付するなどして顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要な特定商品の保有の状況につき不実の事実を告げたという特定商品預託法違反で起訴され,有罪判決を受けた(甲96,107)。 3 争点(2)(Xの違法性)について(1) 特定商品預託法違反について原告らは,Xが原告らに対し,オーナー契約締結に際し,各種広告や営業用書類,契約書などにおいて顧客が購入した契約数に見合うだけの繁殖牛を保有しているという真実と異なる事実を告げてオーナー契約を締結させたことは,特定商品預託法4条1項及び同法施行令3条4号の禁止する不実告知に該当して違法である旨主張するところ,被告らはこれを争うので以下検討する。 前提事実(3),(4)及び認定事実(3),(4)のとおり,原告らは,Xとの間で平成15年6月頃から平成23年7月21日頃までの間にオーナー契約 を締結したものであるところ,Xでは平成7年頃からオーナーに割り当てる繁殖牛が不足していたため繁殖牛以外の牝牛をオー 間で平成15年6月頃から平成23年7月21日頃までの間にオーナー契約 を締結したものであるところ,Xでは平成7年頃からオーナーに割り当てる繁殖牛が不足していたため繁殖牛以外の牝牛をオーナーに割り当てるようになり,その後も繁殖牛数がオーナー契約頭数に不足した状態が続き,その間オーナー契約頭数は増え続けたこと,平成19年3月末から平成23年3月末までの間,X又は関連牧場が飼養する黒毛和種牛は,多くてもオーナー契約頭数の69.5パーセント,少ないときは55.9パーセントしか存在しなかったこと等を考慮すると,原告らがオーナー契約を締結しようとした際に,オーナーに割り当てるべき繁殖牛数が,オーナー契約頭数に足りない状態が継続していたものと認めることができる。 そして,前提事実(4)及び認定事実(6)のとおり,X作成のパンフレットではオーナー牛が存在すると回答していたり,契約書に耳標番号が表示されたりしていることからして,Xは,原告らがオーナー契約を締結する際に,原告らに対し,オーナー牛が実在すると説明していたことが認められる。 そうすると,Xのパンフレットや契約書の内容は,特定商品預託法4条1項の不実告知に該当すると認めることができる。 この点,被告Mらは,①Xは子牛及び肥育牛の牝牛をオーナーに割り当てており,Xの所有又は管理する牛の絶対数が不足していたわけではない,②Xが25万頭まで増頭する計画を立案し,実行しようとしていたところ,東日本大震災に起因する風評被害等によりこれが難しくなっただけであり,これがなければ増頭計画が達成されていたはずである旨を主張する。 しかし,①オーナー契約の対象となるのは繁殖牛であるから,契約時点で繁殖能力を持っていない子牛や肥育牛がこれに含まれないことは明らかであり,X4及びX5も繁 成されていたはずである旨を主張する。 しかし,①オーナー契約の対象となるのは繁殖牛であるから,契約時点で繁殖能力を持っていない子牛や肥育牛がこれに含まれないことは明らかであり,X4及びX5も繁殖牛に肥育牛や子牛が含まれないことは認めているところである(甲59,75)し,また,②現にXが所有管理する繁 殖牛が,オーナー契約数に大幅に不足する常況にあった以上,契約締結に際し,オーナー契約頭数を満たす繁殖牛がいると告げることは不実告知にほかならず,増頭計画があったことはその認定を妨げる理由にならない。 よって,被告Mらの主張はいずれも採用できない。 以上のとおり,Xのパンフレットや契約書の内容は特定商品預託法4条1項違反の不実告知に当たるとの原告らの主張は理由がある。 (2) 出資法違反について原告らは,オーナー契約に基づく牛の購入代金等の払込は出資法2条1項が禁止する「預り金」に該当する旨主張し,被告らはこれを争うので,以下検討する。 この点,出資法2条1項は「業として預り金をするにつき他の法律に特別の規定のある者を除く外,何人も業として預り金をしてはならない」と定め,「預り金」とは,同条2項に列挙されている預金等と同様の経済的性質を有するものをいうこととされているのであるが,これら預金等は,いずれも元本額の返還が保証されており,金銭の価額が主として当該金銭の拠出者の利便のために保管されるという性質を持つ点で共通することに加え,同条の趣旨が,元本額の返還保証を信頼し,零細な資金を拠出する一般大衆に不測の損害を被らせることを防ぎ,このような金銭の保管を業とする者を厳重に規制しようとする点にあることからすれば,「預り金」は預金等に共通するこのような性質を有するものを指すと解すべきである。 損害を被らせることを防ぎ,このような金銭の保管を業とする者を厳重に規制しようとする点にあることからすれば,「預り金」は預金等に共通するこのような性質を有するものを指すと解すべきである。 認定事実(6)ア,ウ及びエのとおり,X4は,オーナー契約においては,飼養期間満了後には購入代金と同額の再売買代金を支払って,オーナー牛を買い受けると認識しており,実際に,Xは,創業から民事再生手続申立てまでの間,牛の市場価格等に関わりなく購入代金と同額の再売買代金を支払ってきたという実態を認めることができる。 しかし,証拠(各掲記のとおり)によれば,平成7年頃及び平成13年頃のオーナー契約書によれば,Xは飼養期間満了後に売却代金と同額の再売買代金を支払ってオーナー牛を買い受けることとなっていたが(認定事実(6)ア),原告らが締結したオーナー契約書(満了専用コースAの平成15年7月23付けオーナー契約書,カントリーメイトコースの平成16年4月8日付けオーナー契約書,新まきばD2006コースの平成18年8月21日付けオーナー契約書等)には,オーナーが再売買請求をした場合,Xは,原則として,売却代金と同額の再売買代金を支払ってオーナー牛を買い受けるが,牛の市場価格が30パーセント以上下落したとき,又は為替変動等により飼料価格が高騰したときには,オーナーとXが協議して再売買代金額を定める旨の記載になっていること(前提事実エ),平成19年4月以降にXが作成したパンフレットにも「『子牛予定売却利益』ならびに『売買・飼養委託契約金(委託牛買取り金)』の金額は制度上あらかじめ保証されたもの」ではない旨の注意書きがあること(前記認定事実(6)ウ)を認めることができる。他方,平成15年以降のオーナー契約において,購入代金等と同額の再売買代金を支 』の金額は制度上あらかじめ保証されたもの」ではない旨の注意書きがあること(前記認定事実(6)ウ)を認めることができる。他方,平成15年以降のオーナー契約において,購入代金等と同額の再売買代金を支払う旨記載された契約があると認めるに足りる証拠はない。これらの事実によれば,Xは,遅くとも平成15年以降のオーナー契約においては,購入代金と同額で再売買を行うことを合意していたとは認めることはできない。そして,原告らが主張する損害の前提となるオーナー契約がいずれも平成15年以降のものであることからすれば,原告らの主張するオーナー契約について,Xが元本保証をしていたとはいえず,預金等と共通する性質を有すると認めることはできない。 従って,オーナー契約に基づく牛の購入代金等の払込は出資法2条1項が禁止する「預り金」に該当するとは認められないから,この点に関する原告らの主張は理由がない。 (3) 説明義務違反についてア原告らは,本件では,将来の再売買代金支払債務を負債として会計書類に計上しなければならないことを前提に,Xが債務超過の常況となっていたとして,Xは,債務超過の常況にあったことを説明すべきだった旨主張している。 しかし,XはT税務会計事務所に税務申告事務を依頼していること,同会計事務所において,オーナーが支払った牛の購入代金を売上と計上し,再売買代金支払債務を負債に計上していない点について特段指摘はされていないこと,日本公認会計士協会作成の平成21年7月9日付け「我が国の収益認識に関する研究報告(中間報告)」は,収益認識に関しこれまでの実現主義の解釈のもとで認められてきた会計処理から本研究報告に記載された会計処理への変更が強制されることはないし,同一の取引及び事象について特定の会計処理の採用を強制 」は,収益認識に関しこれまでの実現主義の解釈のもとで認められてきた会計処理から本研究報告に記載された会計処理への変更が強制されることはないし,同一の取引及び事象について特定の会計処理の採用を強制するものでもないとしていること(乙C2)からすれば,再売買代金支払債務を負債に計上しなければならなかったとまではいえない。そして,再売買代金支払債務を負債総額に計上しなければ,決算報告書上,Xは債務超過の常況にはない(認定事実(8))。 以上によれば,Xが債務超過の常況にあったという事実について説明義務があったと認めることはできない。 イもっとも,原告らは,肥育牛の販売価格が損益分岐点に達しない常況にあること,関連会社が赤字であること,及び利益配当は子牛の売却代金で賄われていたわけではなく,他のオーナーが支払った購入代金が充てられており,オーナー制度自体も自転車操業状態だったことを説明すべきであったとも主張しており,これを合理的に解釈すれば,再売買代金額が返還されないリスクを判断するに足りる事情を説明すべきであったという主張を含むものと解される。 本件では,Xは,飼養期間満了後,原則として購入代金と同額の再売買代金でオーナー牛を買い受けることとされていたと認められるが,仮にXが支払不能となった場合であっても,契約上は,オーナー牛はオーナーの所有となっているから,少なくともオーナー牛の売却代金から費用を控除した部分を回収することが保証される仕組みになっている。しかしながら,実際には,原告らがオーナー契約を締結した時点では,繁殖牛ではない牛が割り振られたり,オーナー所有牛が二重に割り振られたりしており,自分に割り振られた牛が死亡したとしても,新たに繁殖牛を割り当てることが困難な状況になっていたのであり,原告ら では,繁殖牛ではない牛が割り振られたり,オーナー所有牛が二重に割り振られたりしており,自分に割り振られた牛が死亡したとしても,新たに繁殖牛を割り当てることが困難な状況になっていたのであり,原告らがオーナー契約を締結する前にXが所有又は管理する繁殖牛頭数及び既存のオーナー契約頭数について正確な情報が説明されていれば,原告らはオーナー契約を締結しなかったものと考えられる。 そうすると,Xは,原告らとオーナー契約を締結するに際し,再売買代金額が返還されないリスクを判断するに足りる事情として,Xが所有又は管理する繁殖牛頭数及び既存のオーナー契約頭数の正確な情報を説明すべき義務があったのに,これを怠り,水増しした繁殖牛頭数及び実際より少ないオーナー契約頭数を説明していた点に説明義務違反があったと認めることができる。 この点,被告Mらは,X4らが,平成27年までに繁殖牛数を25万頭に増頭する契約を立案していたなどと主張するが,認定事実(5)のとおり増頭計画は何度か修正されていること,原告らが主張する契約時点において繁殖牛数がオーナー契約頭数に満たないことは前記3(1)で説示したとおりであることからすれば,被告Mらのこの点の主張は失当である。 4 争点(3)(被告らの注意義務違反及び任務懈怠の有無)について(1) 被告X1について ア証拠(甲30の3,乙D1,被告X1)及び弁論の全趣旨によれば,被告X1は,平成6年2月Xの総務部部長として入社し,平成7年8月1日から平成11年4月15日までの間,Xの取締役を務めていたが,平成9年5月から平成10年10月まではDに出向し,平成11年3月からは被告Hの代表取締役として平成14年6月に退職するまで勤務したこと,Xの取締役会に参加したことはなく,平成9年頃ま めていたが,平成9年5月から平成10年10月まではDに出向し,平成11年3月からは被告Hの代表取締役として平成14年6月に退職するまで勤務したこと,Xの取締役会に参加したことはなく,平成9年頃まで,年に2回直営牧場の場長が本社に集まる会議(以下「場長会議」という。)には出席し,飼育牛の現状報告や増頭計画の検討には参加していたことを認めることができる。 イ前記3(1)で認定したとおり,平成7年頃からXでは所有又は管理する繁殖牛頭数がオーナー契約頭数を下回る事態になっていたことが認められ,前記アのとおり,Xの総務部部長及び取締役であり,場長会議に参加して繁殖牛の頭数を把握していた被告X1としては,オーナー契約による契約頭数を把握すれば,オーナー契約頭数が繁殖牛を上回っていたことを認識できた可能性は否定できない。 しかしながら,被告X1は平成9年5月にはDに出向となっていること,平成13年にはいわゆるBSE感染牛問題が発生し,平成14年には企業による食肉偽装事件が発覚,平成19年には和牛預託商法に警視庁の家宅捜索が入るなど,被告X1がXの取締役を退任した後にオーナー制度の持続可能性に影響しうる出来事が発生していること,被告X1がXの取締役を退任した平成11年4月15日までに繁殖牛の頭数不足がどの程度であったかは明らかではなく,これを解消する可能性がなくなっていたとまで認めるに足る証拠はないこと,被告X1がXの取締役を退任してから原告らがオーナー契約を締結するまで4年(原告b,同i)から12年余りが経過していることからすれば,仮に被告X1において原告らが主張するような注意義務違反又は任務懈怠があったとして も,これと原告らの損害との間に相当因果関係があると認めることはできない。 ウよって,原告らの被告X1に対する請求 おいて原告らが主張するような注意義務違反又は任務懈怠があったとして も,これと原告らの損害との間に相当因果関係があると認めることはできない。 ウよって,原告らの被告X1に対する請求は理由がない。 (2) 被告X2についてア被告X2は,平成15年頃から税理士業務を行い,平成21年9月5日からXの監査役を務めたものである(前提事実(1))。また,Xは,監査役を置く旨の定款の定めのある特例有限会社であり,監査役の監査の範囲は会計に関するものに限定されていたが(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律24条),平成21年4月1日に,商号の変更により株式会社となったもの(同法45条)であり(前提事実(2)),証拠(乙C28)によれば,商号変更により通常の株式会社に移行した後も,Xの定款では,監査役の監査の範囲は会計に関するものに限定されていたこと,Xと被告X2との間では監査の範囲は会計監査に限定することが前提とされていたことを認めることができる。 しかし,認定事実(8)のとおりXは,平成14年度期末から負債合計は300億円を超えており,平成21年度期末以降は655億円を超える負債額となっていることからすれば,通常の株式会社に移行した後は,会社法上の大会社にあたる株式会社として会計監査人設置会社(会社法2条6号,同条24号,同法328条,同法2条11号)に当たるので,定款の規定によっても監査役の監査の範囲を会計監査に限定することはできなくなくなったものと解され,そうすると,平成21年4月1日以降のXの監査役は,会計監査のみならず業務監査まで行う任務があったといえる(会社法389条1項)。 そして,被告X2は,平成22年4月から5月頃にXの税務申告を担当したT会計事務所と決算の打ち合わせをした際,Xが 監査のみならず業務監査まで行う任務があったといえる(会社法389条1項)。 そして,被告X2は,平成22年4月から5月頃にXの税務申告を担当したT会計事務所と決算の打ち合わせをした際,Xが会計監査を導入しなければならないと気付いたと述べていることからすれば(乙C2 8),その頃には,Xの監査役の監査の範囲が会計監査に限られないことを認識し,又は少なくとも認識することができたものと認めることができる。 イ以上を前提として,被告X2について注意義務違反及び重過失による任務懈怠があったかを検討する。 (ア) 原告らは,被告X2が,再売買代金支払債務を貸借対照表上に負債として計上すべきことを認識しながら,その旨を取締役に報告しなかったことが注意義務違反及び任務懈怠にあたる旨主張するが,前記3(3)アのとおり,再売買代金債務を貸借対照表上に負債として計上しなければならなかったとまで認めることはできないから,この点に関する原告らの主張は採用できない。 (イ) 原告らは,被告X2が適切な業務監査を行っていれば,Xが巨額の負債を抱えており,近い将来に破綻必至であったことや,オーナー契約頭数よりも繁殖牛が不足することが常態化していたことをXが秘匿してオーナーを募集していることを認識し又は,極めて容易に認識することができたにもかかわらず,新規オーナーの募集を取りやめるよう進言する等して取締役による新規募集を止める注意義務及び任務があったのにこれを怠り,漫然と取締役らに新規オーナーの募集を続けさせた点に注意義務違反及び任務懈怠がある旨主張する。 本件では,平成22年4月又は5月頃の時点においてXが所有する牛の数がオーナー契約頭数を大幅に下回る常況になっていたこと,平成14年度期末から平成22年度期末の決算を比 がある旨主張する。 本件では,平成22年4月又は5月頃の時点においてXが所有する牛の数がオーナー契約頭数を大幅に下回る常況になっていたこと,平成14年度期末から平成22年度期末の決算を比較すると,資産合計及び負債合計ともに倍増していること(認定事実(8)),被告X2は決算の負債総額に将来の再売買代金支払債務が含まれていないことを認識していたこと,被告X2はXがオーナー制度を行っており,その業務がXにおいて大きな割合を占めていることを認識していたこと, 被告X2が平成21年度決算の会計監査を行っていることからすれば,将来の再売買代金支払債務を考慮した場合にXが大幅な債務超過の常況にあり,関連会社への未払金,貸付金も多額に上ることを認識することは可能であったのであり,そうである以上,被告X2は,監査役として,取締役が株主総会に提出しようとする議案,計算書類(貸借対照表,損益計算等)及び事業報告書並びにこれらの附属明細書を調査し,その結果を必要に応じて株主総会に報告しなければならず(会社法384条,438条),計算書類及事業報告書並びにこれらの附属明細書の記載内容,会計帳簿を調査するときには会計監査の場合より厳密な調査を行うべき注意義務及び任務があったといえる。 そして,Xでは,X5は,平成21年6月末頃まではXの税務及び会計を担当するものとして,農林水産省及び消費者庁に対する報告書及びオーナーに送付するための事業報告書等の内容は改ざんしたが,オーナー管理システム及び牛管理システム内のデータは改ざんしていない旨述べていたこと(認定事実(7)),Xは平成19年11月以降オーナー管理システムを変更して繁殖牛を二重に割り当て始めていること(認定事実(3)),Xの会計書類の原案は,畜産部から提供される棚卸表,オーナー管理部 (認定事実(7)),Xは平成19年11月以降オーナー管理システムを変更して繁殖牛を二重に割り当て始めていること(認定事実(3)),Xの会計書類の原案は,畜産部から提供される棚卸表,オーナー管理部から提供される契約件数,契約頭数,契約金額に関する情報その他必要な資料に基づき,Xの経理部が作成していたことからすれば(認定事実(7)),被告X2が計算書類の原資料に遡って調査を行っていた場合には,オーナー契約頭数よりも繁殖牛が不足することが常態化しているのに,Xがこれを秘匿してオーナーを募集していることを認識し又は認識することができ,その際に取締役に新たなオーナーの募集を止めるよう進言するなどしていたとすれば,遅くとも平成22年6月以降新たなオーナー契約が締結されることを防ぐことができた可能性があると認められるところ,被告X2は これを怠り,何ら業務監査を行っていない点に注意義務及び任務懈怠があったといえる。 ウ従って,被告X2が遅くとも平成22年6月以降に締結されたオーナー契約に関する限りで,原告らの被告X2に対する共同不法行為及び会社法429条1項に基づく損害賠償請求は理由がある。 (3) 被告X3について被告X3は,別表2-2のとおり,平成13年4月2日から平成15年5月15日までの間Xの取締役を務めたものであり,平成17年7月1日以降は執行役員(会社法上の執行役ではなく,事実上の執行役員であると認められる。)を務め,その間も役員会に出席していたものである。そして,平成8年頃にはXが所有又は管理する繁殖牛頭数がオーナー契約頭数を下回る事態になっていたこと(認定事実(3)),平成14年2月から同年12月末まではオーナー営業本部統括として売上管理に携わっていること,継続的に事業報告書を目にしていること(被告 ーナー契約頭数を下回る事態になっていたこと(認定事実(3)),平成14年2月から同年12月末まではオーナー営業本部統括として売上管理に携わっていること,継続的に事業報告書を目にしていること(被告X3本人),事業報告書のオーナー所有頭数とXが所有する頭数の比率が不自然であること(認定事実(6)イ),取締役会において増頭計画が議題に上っていたという事情が認められることからすれば,Xがオーナーに対し繁殖牛以外の牛を割り当てている可能性を認識すべきであったといえる。そうすると,被告X3は,Xの取締役及び役員会に出席した執行役員として,取締役に就任した平成13年4月2日以降,繁殖牛頭数及び契約頭数に関する調査を行い,その結果,繁殖牛頭数がオーナー契約頭数に不足することが判明した場合,新たなオーナー契約の募集を差し控えるよう代表取締役に申し入れるなどの措置を講じるべき注意義務があったといえ,被告X3はこれを行った点に注意義務違反があったと認めることができる。そして,取締役在任期間については,重過失による任務懈怠があったと認めることができる。 従って,原告らの被告X3に対する共同不法行為及び会社法429条1項に基づく損害賠償請求には理由がある。 (4) 被告A1ら,被告K,被告E及び被告Hについて原告らは,①被告A1らが関連会社の役員に就任していた期間,Xの代表取締役及び取締役を務めていたX4,X5,X6又はX7が関連会社の役員にも就任していたこと,②被告M,被告N,被告L,被告E1,被告E2,被告E3,及び被告K1はXの役員の親族であり,被告NについてはX4と同居していたこと,③別表4のとおり,Xから関連会社に対し多額の貸付金,未収金があること,④Xと関連会社は客観的に見て一体となってオーナー制度を運営している 役員の親族であり,被告NについてはX4と同居していたこと,③別表4のとおり,Xから関連会社に対し多額の貸付金,未収金があること,④Xと関連会社は客観的に見て一体となってオーナー制度を運営していることからすれば,被告A1らは,役員就任時において,実際にXが所有又は管理するする繁殖牛頭数がオーナー契約頭数に不足すること,Xが債務超過の常況にあったこと等を認識し,又は認識し得た旨主張するものと解される。 しかしながら,認定事実(2)のとおり,Xにおいては,オーナー契約頭数はオーナー管理部が一括管理しており,Xが所有又は管理する繁殖牛頭数がオーナー契約頭数に不足することは,X4,X5,X6及びオーナー管理部と畜産部の一部の従業員しか把握していなかったことからすれば,被告A1ら,被告K,被告E及び被告Hにおいて実際にX所有又は管理する繁殖牛頭数がオーナー契約頭数に不足することを認識し,又は認識し得たと認めることはできない。このことは,被告M,被告N,被告L,被告E1,被告E2,被告E3,及び被告K1らXの役員の親族についても同様であり,これらの者の本人尋問によっても,親族であることにより,上記事情を認識し,又は認識し得たことを認めるに足りる証拠はない。 原告らは,Xのビジネスモデルが破綻必至であることは畜産業者であれば容易に認識することができた,平成8年に和牛預託商法が社会問題化したことがあったことからして,Xのオーナー制度の違法性も認識すること ができたはずである旨主張する。しかし,オーナー制度の利益率は,肥育牛の市場価格,オーナーに対する利益分配の割合,肥育牛と繁殖牛の比率等により変わりうるものであり,U報告書も,検討した期間の範囲内であっても,「オーナー制度を採用せず配当負担がなければ,…理論上では黒字化 価格,オーナーに対する利益分配の割合,肥育牛と繁殖牛の比率等により変わりうるものであり,U報告書も,検討した期間の範囲内であっても,「オーナー制度を採用せず配当負担がなければ,…理論上では黒字化を達成することは不可能ではない」旨留保を設けていることからすれば,Xのオーナー制度が本来的に破綻必至であるとも,被告らがXのオーナー制度が破綻必至であることを容易に認識することができたとも認めるに足りる証拠はない。 また,平成8年に問題となった和牛預託商法は牛が全く実在しないものであったという点で,Xのオーナー制度とは大きく異なることからして,このような事実があるからといって,被告A1ら,被告K,被告E及び被告HがXの違法性を認識することができたはずであると認めることもできない。なお,被告A1らが役員を務めていた関連会社がXに対し多額の借入金や未払金があることが認められるが(甲1),牧場を有する関連会社については牧場を建設するための資金や飼育費等をXが負担したものが相応の金額になるとみられるし(被告C1,被告B1),関連会社全体について,これらの資金の流れはもっぱらXの意向によって行われたものであり,関連会社が関与したとまで認めることができないことからすると,多額の借入金や未払金があるからといって,被告A1らがXの違法性を認識することができたと認めることはできないし,これによりXの資金が違法に関連会社に移転したと認めることもできない。 以上によれば,被告A1らが前記3について認定したXの違法性を予見することが可能であったと認めることはできないから,原告らが主張するような注意義務違反及び任務懈怠があったと認めることはできず,原告らの被告A1らに対する共同不法行為及び会社法429条1項に基づく損害賠償請求は理由がない。 とはできないから,原告らが主張するような注意義務違反及び任務懈怠があったと認めることはできず,原告らの被告A1らに対する共同不法行為及び会社法429条1項に基づく損害賠償請求は理由がない。 また,被告K,被告E及び被告Hが,被告A1らが前記3について認定したXの違法性を予見することが可能であったと認めることはできないから,原告らの被告K,被告E及び被告Hに対する共同不法行為責任に基づく損害賠償請求も理由はない。 4 争点(3)(損害の有無及び額)について被告X3については別表5「被告X3認容額」,被告X2については同表「被告X2認容額」のとおりである。なお,平成22年6月より前に締結されたオーナー契約については,被告X2の責任とはいえないから,平成22年6月以後に締結されたオーナー契約についてのみ損害と認める。 5 結論以上によれば,原告らの請求は,共同不法行為に基づくものとして,被告X3に対し別表5「被告X3認容額」欄記載の各原告の認容額欄記載の金額及びこれに対する平成23年9月10日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で,被告X2に対し別表5「被告X2認容額」欄の各原告の認容額欄記載の金額(この金額の限度で被告X3と連帯して)及びこれらに対するいずれの不法行為よりも後の日である平成23年9月10日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し,その余の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第18民事部 裁判官池田聡介 裁判官中井裕美 裁判長裁判官 大阪地方裁判所第18民事部 裁判官池田聡介 裁判官中井裕美 裁判長裁判官佐藤哲治は転補のため署名押印することができない。 別表1請求額一覧表 原告購入金額合計一部請求額弁護士費用請求額合計 原告a 6050万円 3000万円 300万円 3300万円 原告b 3000万円 1800万円 180万円 1980万円 原告c 1930万円 1158万円 115万8000円 1273万8000円 原告d 2300万円 1380万円 138万円 1518万円 原告e 700万円 420万円 42万円 462万円 原告f 1600万円 960万円 96万円 1056万円 原告g 2億2300万円 3000万円 300万円 3300万円 原告h 700万円 420万円 42万円 462万円 原告i 4400万円 3000万円 300万円 3300万円 別紙略語目録 番号 略語 意味 1 原告ら 原告9名全員 2 被告ら 被告25名全員 3 被告A1ら 被告A1,被告A2,被告A3,被告B1,被告B2,被告B3,被告C1,被告C2,被告C3,被告D1,被告D2,被告D3,被告E1,被告E2,被告E3,被告L,被告M,被告N,被告K1 4 被告Mら 被告C1,被告X1及び被告C2を除く,その余の被告22名 被告C2 被告C3 被告D1 被告D2 被告D3 被告E1 被告E2 被告E3 被告L 被告M 被告N 被告K1 被告Mら被告C1、被告X1及び被告C2を除く、その余の被告22名 X株式会社X(旧商号・有限会社X) X4X4 X5X5 X6X6 X7X7X8X8 J株式会社J A有限会社A B有限会社B(旧商号・有限会社B) C有限会社C(旧商号・有限会社C)C牧場地としてのC D有限会社D I有限会社I O株式会社O F株式会社F(旧商号・F株式会社) G株式会社G(旧商号・株式会社G) 関連会社被告K,被告E,被告H,J,A,B,C,D,I,O,F及びGの12社全部またはその一部 特定商品預託法特定商品等の預託等取引契約に関する法律 出資法出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律
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