平成17(ワ)56 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成18年6月1日 岐阜地方裁判所 棄却
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判決文本文8,639 文字)

平成18年6月1日判決言渡口頭弁論終結日平成18年4月13日平成17年(ワ)第56号損害賠償請求事件主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求被告は,原告に対し,1494万6500円及びこれに対する平成13年2月21日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 第2事案の概要本件は,原告が,弟のAから賃借し耕作していた岐阜県瑞穂市a町b丁目c番の土地(以下「本件土地」という。)について提出された農地転用届出書を被告が受理してしまったため,本件土地が第三者に売却されてしまい,原告の賃借権が侵害されたとして,原告が,被告に対し,国家賠償法1条及び民法709条に基づき,賃借権相当分の損害1494万6500円及びこれに対する不法行為の後である平成13年2月21日から支払済みまで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 争いのない事実等(争いのない事実のほかは,各項に掲記の各証拠により認める。)(1)当事者ア原告の父Bは,戦前から複数の田を所有,耕作する農家であり,長男C,二男原告,四男A及び五男Dの4人の子があった。 イ被告は,農業委員会等に関する法律に基づいて瑞穂市に設置された行政機関であるが(同法3条1項),もと生津村農業委員会であったところ,生津村と穂積町との合併に伴い穂積町農業委員会となり,さらに,平成15年5月の穂積町と巣南町との合併により,瑞穂市農業委員会となったものである。 (2)本件土地の権利関係等の推移アBの所有であった本巣郡d町e町f丁目g番hの土地(穂積町と巣南町の合併前の表示。以下,合併の前後を通じ,同所の土地は地番のみをもって表示する。)は,昭和46年にBが死亡したため,遺産分割協議により,A 有であった本巣郡d町e町f丁目g番hの土地(穂積町と巣南町の合併前の表示。以下,合併の前後を通じ,同所の土地は地番のみをもって表示する。)は,昭和46年にBが死亡したため,遺産分割協議により,AとDとの共有(持分各2分の1)となった(甲16)。 イ昭和56年,g番hの土地からi番jの土地が分筆され,昭和57年7月9日,AとDがそれぞれ持分を相互に移転したことにより,i番jの土地はAの単独所有に,分筆後のg番hの土地はDの単独所有になった。 ウ昭和60年6月5日,土地区画整理が行われ,i番jの土地は本件土地に,分筆後のg番hの土地はk番の土地に,それぞれ換地された(甲1,8)。 (3)本件土地の転用許可及び売却等ア被告は,Aに対し,平成4年11月10日,本件土地について,耕作者をCの子であるEとする農地法3条の許可(使用貸借の許可)をした。 イAは,被告に対し,平成12年12月8日,上記使用貸借を解約した旨の届出をし,被告は,同日,これを受理した。 Aは,被告に対し,同月11日,本件土地についての農地転用届出書を 提出し,被告は,同月13日,この届出を受理した(甲2)。 ウ本件土地は,平成13年2月13日,l番の土地とl番mの土地に分筆され,Aは,同月21日,l番mの土地を第三者に売却した(甲3)。 l番mの土地は,同年3月初め,譲受人によって埋め立てられた(乙7の1)。 (4)原告とA及びEとの間の訴訟原告は,Aが第三者に本件土地を売却したため,原告の有する賃借権が侵害されたとして,A及びEを被告として当庁に対し,損害賠償請求事件(当庁平成13年(ワ)第204号)を提起したが,本件土地について原告の賃借権は認められないとして,請求棄却の判決が言い渡された。 原告は,同判決を不服として控訴したが(名古屋高等裁判所平成15年( 当庁平成13年(ワ)第204号)を提起したが,本件土地について原告の賃借権は認められないとして,請求棄却の判決が言い渡された。 原告は,同判決を不服として控訴したが(名古屋高等裁判所平成15年(ネ)第355号損害賠償請求控訴事件。以下,当庁における損害賠償請求事件と併せて「別件訴訟」という。),控訴審においても同様に原告の賃借権が認められないとして,控訴棄却の判決が言い渡された。 争点 (1)本件の争点は以下のとおりである。 ア原告は本件土地の賃借権を有するか(争点①)イ被告が本件土地についての農地転用届出を受理したことは,不法行為等となるか(争点②)ウ原告の被った損害額(争点③)(2)争点①(原告は本件土地の賃借権を有するか)について(原告の主張) 原告は,本件土地について賃借権を有していたものであり,その経緯及び根拠は以下のとおりである。 ア原告は,父Bとともに農地を耕作していたが,結婚して分家するに当たり,父親名義のg番hの土地を婚姻後も耕作することとし,昭和28年,Bとの間で,g番hの土地について,賃料を1反当たり年2000円(その後,徐々に増額され,平成12年ころには,年1万円となった。)として,賃貸借契約を締結し,当時の生津村農業委員会から農地法上の許可を得た。 イ原告は,その後,g番hの土地の耕作を続け,Bの死後も,A及びDとの間で賃貸借契約を継続し,g番hの土地が分筆されてからは,分筆した後のi番jの土地及び換地後の本件土地について,Aとの間で賃貸借契約を継続し,賃料を支払い続けた。 ウなお,上記アの農地法上の許可手続はBが行ったが,原告が上記許可を受けたことを証する記録は,昭和36年水害のため廃棄され,現存しない。 しかしながら,分筆後のg番hの土地は換地後k番の土地となったが,これについて 農地法上の許可手続はBが行ったが,原告が上記許可を受けたことを証する記録は,昭和36年水害のため廃棄され,現存しない。 しかしながら,分筆後のg番hの土地は換地後k番の土地となったが,これについては,平成11年3月に所有者であるDと賃借権者である原告が共同で売却し,穂積町農業委員会にその旨届け出ており,このことは,本件土地についても原告が賃借権を有していたことの裏付けといえる。 (被告の主張)原告の主張事実はいずれも不知。 (3)争点②(被告が本件土地についての農地転用届出を受理したことは,不法行為等となるか)について (原告の主張)ア被告は,管轄区域内の農地について農地法上の許可を行い,農地の適正な維持・発展を行うべき機関であるにもかかわらず,原告が本件土地を賃借権に基づいて耕作し続けてきたことを知りながら,あるいは,これを容易に知り得たにもかかわらず,過失により,本件土地についての農地転用届出を受理した。これによって,原告は,本件土地に関する賃借権を侵害された。 イ被告は,瑞穂市役所巣南庁舎内の瑞穂市産業課と同じ場所にあり,被告の日常業務は,同課の職員が行っており,このような業務体制は,穂積町,生津村当時も同様であった。また,同課は,本巣郡農業共済組合(以下「共済組合」という。)の事務も行っていたが,共済組合作成の平成10年度から平成12年度の「生産調整実施計画兼水稲共済細目書異動申告票」(甲9の1~3。以下「異動申告票」という。)には,原告が本件土地を耕作していることが記載されているのであるから,被告も,原告が本件土地を耕作していたことを当然知っていたか,少なくとも容易に知り得たはずである。 また,本件土地の耕作者が原告であることは,本件土地のある地域の農家には公知の事実で,生津地区選出の農業委員も知っていたのである していたことを当然知っていたか,少なくとも容易に知り得たはずである。 また,本件土地の耕作者が原告であることは,本件土地のある地域の農家には公知の事実で,生津地区選出の農業委員も知っていたのであるから,被告も,原告が耕作者であることを当然に知っていたか,少なくとも容易に知り得たはずである。 ウ本来,農業委員会としては,毎年8月1日現在における小作地の状況を調査するため,市町村内の土地所有者又は耕作者から所有地及び耕作地に 関する申告書を徴すること,そして,そのために7月上旬に土地の所有者又は耕作者に申告用紙を配布し,その記載要領についての説明をして記載が正確にされるように指導しなければならない(昭和27年12月8日農林省農地局長通知。乙6)。 そして,被告が上記調査を毎年行っていれば,原告の農家基本台帳(乙2)にも,本件土地が記載されたはずである。しかるに,被告は,小作地の所有状況を記載した書類を縦覧に供して異議のある者が自主申告で訂正を申し立てるという手続にとどめ,不十分な調査しか行わなかった。 エ以上のとおり,被告は,本件土地には原告の賃借権が設定されていることを当然に知っていたか,又は容易に知り得たのであるから,被告が,漫然とAらの使用貸借の許可やその解約の許可を行い,本件土地の転用届出を受理したことには,少なくとも重大な過失がある。 (被告の主張)ア原告の主張は争う。 イ被告の日常業務を,同じ場所にある瑞穂市産業調査課の職員が行っていること,穂積町でも同様の事務の取扱いをしていたことは認める。 しかしながら,瑞穂市は共済組合の業務の委託を受けているわけではなく,農家へのサービスとして取り次いでいるだけであるし,異動申告票にかかる業務の担当者は,被告の事務担当者とは別人であったから,異動申告票に原告が本件土地を耕作して 業務の委託を受けているわけではなく,農家へのサービスとして取り次いでいるだけであるし,異動申告票にかかる業務の担当者は,被告の事務担当者とは別人であったから,異動申告票に原告が本件土地を耕作している旨記載されていても,被告がこれを知っていたとはいえない。 そもそも,被告が作成管理している農家基本台帳は,昭和40年代末か 昭和50年代初めに作成され,その後,農地法に基づく許可等がなされるごとに,加除訂正がなされてきたものであって,被告はこれによって農地法及び農業経営基盤強化促進法に基づく許可,届出による現状を把握しているが,原告の農家基本台帳(乙2)には原告の賃借権についての記載はない。 仮に,事実上,農地を耕作している者がいたとしても,被告は,正式な書類で確認することができない限り,農地法上の許可を得た耕作者なのか闇耕作なのか判断することはできない。異動申告票には,本件土地の耕作者として原告が記載されているが,これは産業経済課の所管事業であり,被告の職員がこれを見る機会があったとしても,他官庁保管の書類の記載から被告が原告の賃借権が農地法に基づいた許可・受理のあるものであることを認定することはできない。 ウ被告は,平成9年から農業改良組合(農家により町内ごとに組織さている団体)を通じ,調査書を30日間縦覧に供し異議を受け付けるという方法による小作所有状況調査を実施してきたが,原告からは一度も異議の申し立てはない(乙4ないし6)。 なお,原告は,上記調査は不十分であると主張するが,被告は原告の挙げる通達に基づいて十分な調査を実施してきたものである。 エ以上のとおり,仮に原告が本件土地に賃借権を有していたとしても,被告がこれを知らなかったことに過失はない。 (4)争点③(原告の被った損害額)について(原告の主張) 本件土地の のである。 エ以上のとおり,仮に原告が本件土地に賃借権を有していたとしても,被告がこれを知らなかったことに過失はない。 (4)争点③(原告の被った損害額)について(原告の主張) 本件土地の賃借権の価値は本件土地の価格2989万3000円の半額であり,賃借権を侵害されたことによる原告の損害は1494万6500円である。 (被告の主張)不知又は争う。 第3当裁判所の判断 争点①(原告は本件土地の賃借権を有するか)について(1)原告は,Bから,昭和28年,g番hの土地を賃借し,その賃貸借契約が本件土地の転用許可がされた平成12年ころまで継続していた旨主張するので,以下,検討する。 (2)まず,原告は,昭和28年に,g番hの土地に関する原告とB間の賃貸借契約書を作成し,農業委員会の許可も受けたと主張するところ,証人Fは,別件訴訟(甲42)及び本件訴訟において,昭和28年当時,原告とBの間で,賃貸借契約書が作成され,生津村農業委員会も農地法上の許可を与えていた旨の上記主張に沿う供述をする。 しかしながら,証人Fの上記供述は,上記賃貸借契約書を直接見たというものではなく,当時の生津村の運用では賃貸借契約があれば当事者に契約書を作成させていたから,原告とBの間でも契約書が作成されていたはずであるとの推測であるにすぎないこと,そして,証人Fは,昭和28年当時,税務担当の生津村書記であり,生津村農業委員会の事務を取り扱う書記の職についておらず,農地法上の許可を取り扱う職員ではなかったと認められること(甲43)などによれば,証人Fの上記供述はにわかに信用することがで きない。 また,原告は,本人尋問において,農地に関する手続は父であるB任せであったもので,契約書を作ったかどうかは知らない旨供述するにすぎず,これだけでは,昭和28年当 わかに信用することがで きない。 また,原告は,本人尋問において,農地に関する手続は父であるB任せであったもので,契約書を作ったかどうかは知らない旨供述するにすぎず,これだけでは,昭和28年当時賃貸借契約が作成され,農地法上の許可がされたことを認めるに足りない。 そして,他にこの点を認めるに足りる証拠はない。 (3)次に,原告は,g番hの土地,i番jの土地及び本件土地について,当初は1反当たり2000円,その後,徐々に増額し,最終的には,年1万円の賃料を支払っていたと主張する。 しかしながら,原告本人の供述によっても,原告とBやAとの間で,賃料額について取決めをしたことを認めるに足りない。 もっとも,原告本人尋問によれば原告は,Bに対し,分家した当初から,g番hの土地を耕作することに関して年貢代と称して金員を毎年支払うようになり,その後の相続,分筆,換地を経た後も本件土地の所有者となったAに対しても同様に年貢代を支払い続けてきたことが窺われる。 しかしながら,その支払額については,原告は,別件訴訟において,当初毎年2000円ずつをBに渡していたが,その後,具体的な時期や額は分からないものの,徐々に年貢代を増額し,昭和47,8年ころには1万円となり,最後にAが年貢代を受け取った平成11年まで,この額が維持された旨供述した(甲35)のに対し,本件訴訟においては,当初の年貢代は4000円弱で,最後の5,6年はAに1万円ずつ支払っており,その前は5000円か6000円であったと供述している。このように,いわゆる年貢代の 支払額についての原告の供述は,曖昧であり,かつ,別件訴訟と本件訴訟とで一貫しておらず,しかもその裏付となる客観的な証拠が何ら提出されていないことからすると,いわゆる年貢代の支払額についての原告の上記供述は信用することが 述は,曖昧であり,かつ,別件訴訟と本件訴訟とで一貫しておらず,しかもその裏付となる客観的な証拠が何ら提出されていないことからすると,いわゆる年貢代の支払額についての原告の上記供述は信用することができない。 そして,原告が,本人尋問において,自分が適当であると思う額を年貢代などと表書きされた茶封筒にいれてAに渡していた旨を供述していることも考え合わせると,原告がg番hの土地,i番jの土地及び本件土地について年貢代と称して支払って金員は,土地を耕作して収穫を得ることに対する社交上の儀礼としての謝礼に過ぎないと解するのが相当である。 (4)さらに,原告は,g番hの土地の賃貸借についての農地法上の許可を証する記録は,昭和36年水害のため廃棄され,現存しないが,分筆後のg番hの土地について,換地後k番の土地となった後,平成11年3月に所有者であるDと賃借権者である原告が共同で売却し,被告にその旨届け出ていることは,その裏付けとなる旨を主張する。 なるほど,証拠(甲11,12)によれば,k番の土地の売却について,原告が賃借権者として関与していることは認められるものの,それだけでは,本件土地についても原告が賃借権を有していたと推認するに足りない。 (5)以上によれば,昭和28年当時,原告とBの間で賃貸借の契約書は作成されておらず,その後も作成されていないこと,賃料等の賃貸借契約の具体的内容も取り決めていなかったこと,原告は,B及びAに対し,昭和28年から平成12年ころまで,年貢代と称して金員を支払ってきたものの,これは,定期的かつ定額のものではなく,土地を耕作して収穫を得ることに対す る社交上の儀礼としての謝礼に過ぎなかったことなどが認められにすぎず,以上によっては,原告とBの間に,昭和28年ころ,g番hの土地に関する賃貸借契約が成立したこ を耕作して収穫を得ることに対す る社交上の儀礼としての謝礼に過ぎなかったことなどが認められにすぎず,以上によっては,原告とBの間に,昭和28年ころ,g番hの土地に関する賃貸借契約が成立したこと,また,その後,原告とAとの間で本件土地に関する賃貸借契約が成立したことを認めるに足りず,他に原告が本件土地の賃借権を有していたことを認めるに足りる的確な証拠はない。 そうすると,その余の争点につき判断するまでもなく,原告の請求は理由のないことが明らかである。 争点②(被告が本件土地についての農地転用届出を受理したことは,不法行為等となるか)について(1)なお,原告は,原告が本件土地の賃借権を有することを前提として,被告が本件土地についての農地転用届出を受理したことは不法行為にあたる旨主張するので,以下,この点についても付言することとする。 (2)前記争いのない事実等及び証拠(乙1の1・2,2)に弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。 ア農業委員会等に関する法律6条1項1号によれば,農業委員会は,農地法等の法令によりその権限に属させた農地等の利用関係の調整及び自作農の創設維持に関する事項の処理を行うものとされており,被告は,これに基づき,昭和40年代末か昭和50年代初めごろに,農家基本台帳を作成し,農地法に基づく許可等がなされるごとに,記載の加除訂正を行ってきたもので,被告は,この農家基本台帳により各農地の権利関係を把握し,各種の届出や許可申請によりその変動について把握していた。 イまた,被告は,農地法84条に基づき,毎年9月1日から同月30日ま での間,農家基本台帳を縦覧に供していた。 ウCの農家基本台帳には本件土地についての記載があるものの,この中には原告の権利に関する記載はなく,原告の農家基本台帳には本件土地 日から同月30日ま での間,農家基本台帳を縦覧に供していた。 ウCの農家基本台帳には本件土地についての記載があるものの,この中には原告の権利に関する記載はなく,原告の農家基本台帳には本件土地についての記載はない。 エ平成12年12月11日,Aは被告に対し,本件土地の農地転用届出書を提出し,同月13日,被告はこの届出を受理した。 (3)農業委員会は,農地法上の届出や許可の申請があった場合,農家基本台帳に記載された権利関係を前提に,当該申請が農地法の要件を満たしていれば,これを許可ないし受理しなければならないというべきであり,逆に,農地法上の届出や許可の申請もない権利関係を農家基本台帳に記載したり,偶々,農業委員会の職員が知った農家基本台帳に記載されていない権利関係を前提に当該許可ないし受理をすれば,自作農の創設維持の妨げともなる農地法上の許可を受けない,いわゆる闇耕作を追認することにもなり,また,恣意的な許可や受理の運用が行われるという事態を招きかねないのであるから,このような扱いをすることは許されないというべきである。 本件においてこれを見るに,上記認定事実によれば,仮に原告の主張するように,原告が本件土地について賃借権を有しており,異動申告票の記載等から,被告職員において,原告が本件土地を耕作していたことを知っており,又は容易に知り得たものであるとしても,被告は,Aの農地転用届出については,農家基本台帳に記載された権利関係を前提に,当該申請が農地法の要件を満たすものとして,これを受理しなければならないのであって,この点に何ら過失は認められない。 以上によれば,原告の請求は理由がないから,これを棄却することとし,訴訟費用の負担について,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 岐阜地方裁判所民事第1部裁判 認められない。 以上によれば,原告の請求は理由がないから,これを棄却することとし,訴訟費用の負担について,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 岐阜地方裁判所民事第1部裁判長裁判官筏津順子裁判官岩井直幸裁判官木博巳髙

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