【DRY-RUN】主 文 申請人P1、同P2、同P3が被申請人に対し雇用契約上の権利を有する地位にあるこ とを仮に定める。 申請人P4の申請を棄却する。 申請費用のうち申請人P4と被申請人との間に生じた分は同申請人
主文申請人P1、同P2、同P3が被申請人に対し雇用契約上の権利を有する地位にあることを仮に定める。 申請人P4の申請を棄却する。 申請費用のうち申請人P4と被申請人との間に生じた分は同申請人の負担とし、その余は被申請人の負担とする。 事実第一当事者双方の求めた裁判(申請人ら)申請人らが被申請人に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることを仮に定める。 申請費用は被申請人の負担とする。 (被申請人)申請人らの申請はいずれもこれを棄却する。 申請費用は申請人らの負担とする。 第二 (申請人ら)申請の理由一申請人らは、いずれも被申請人に雇用された職員であり、申請人P1、P2は札幌鉄道管理局(以下「札鉄管理局」という。)追分機関区所属の機関助士として、申請人P3、P4は岩見沢機関区所属の機関士としてそれぞれ勤務していた。 なお、申請人らはいずれも国鉄動力車労働組合(以下「動労」という。)の組合員であり、申請人P1は動労追分支部の青年部長、P2は動労札幌地方本部(以下「札幌地本」又は「地本」という。)の青年副部長、P4は動労岩見沢支部書記長をしていた。 二ところが、被申請人は、昭和四一年一〇月八日日本国有鉄道法(以下「国鉄法」という。)三一条一項一号により申請人らに対しいずれも懲戒免職にする旨の意思表示(以下「本件免職」という。)をした。その理由とするところは、1 申請人P1、P2は、昭和四一年二月一七日夜から一八日朝にかけて、追分機関区区長室において、区長及び助役等に対し、多数の職員とともに不当な抗議を行った際、率先して怒号をあびせるなど威圧を加え、区長及び助役等に身体及び精神的に異常な衝撃と就労を与えるとともに、文書の作成などを強要した。 2 申請人P3、P4は、同年同月一八日以降、北海道鉄道学園(以下「 率先して怒号をあびせるなど威圧を加え、区長及び助役等に身体及び精神的に異常な衝撃と就労を与えるとともに、文書の作成などを強要した。 2 申請人P3、P4は、同年同月一八日以降、北海道鉄道学園(以下「学園」という。)機関士科の入学試験に反対する動労札幌地本の闘争(以下「入園闘争」という。)が行なわれた際、岩見沢機関区等において、この闘争を指導するとともに自らも不当に被申請人の業務を阻害し、もつて同業務の正常な運営に支障を与えた。 3 右の申請人らの行為は、被申請人の職員として著しく不都合な行為である。 三処分の無効理由しかしながら、本件免職は、次の理由により無効である。 1 権利の濫用申請人らは、被申請人が本件免職の理由として主張するような行為をしていない。申請人らがなした行為は、いずれも入園闘争に関するものであり、後記のとおり被申請人が主張する国鉄法三一条一項一号、就業規則六六条一七号に定める懲戒事由である「著るしく不都合な行為」に該当しない。よつて、本件免職は、懲戒権の行使の濫用として、無効である。 2 不当労働行為本件免職の理由とされている申請人らの行為は、すべて正当な組合活動であるから、これを理由とする本件免職は、不当労働行為として無効である。 四仮処分の必要性申請人らは、いずれも被申請人から支給される賃金を唯一の収入として自己及び家族の生計を維持していたが、本件免職後その支給を絶たれ、生活に困窮している。また、申請人らは、被申請人により機関士又は機関助士として処遇されないことにより著るしい精神的苦痛を受けているし、本件免職により蒙る信用、名誉に対する侵害も少なからぬものがある。 五よつて、申請人らは、被申請人に対し雇用契約上の権利を有する地位にあることを仮に定めることを求めるため、本件申請に及んだ。 第三 (被申請人 り蒙る信用、名誉に対する侵害も少なからぬものがある。 五よつて、申請人らは、被申請人に対し雇用契約上の権利を有する地位にあることを仮に定めることを求めるため、本件申請に及んだ。 第三 (被申請人)本案前の答弁並びに本案の答弁及び免職理由一本案前の答弁1 被申請人は、国鉄法一条に規定するように、従前純然たる国家行政機関によつて運営されてきた国有鉄道事業を国から引継ぎ、これを能率的に運営発展せしめ、もつて公共の福祉の増進に寄与することを目的として、特に法律により設立された法人である。そして、被申請人は、行政法上の公共団体たる性格を有するものというべきであり、このことは、国鉄法が二条において宣明していることであり、さらに同法の各条文に規定された、被申請人の資本金は政府が全額出費すること(五条)、その総裁は内閣が任命すること(一九条)、その予算は国会の審議を経なければならないこと(三九条の二等)、その会計は会計検査院が検査すること(五〇条)、その監督は運輸大臣が行うこと(五二条)等からみても疑問の余地がない。 2 公共団体の職員は、憲法一五条二項にいう全体の奉仕者たる公務員としての法的性格を有し、公共団体とその職員との関係は、公法上の関係であるというべきであるから、被申請人とその職員との関係も公法上の関係であることは明らかである。そして、国鉄法には、その職員の身分服務に関し国家公務員法とほぼ同様の規定が存する(二七条、三一条、三二条)が、これは、国家が国家公務員に対し優位な地位を確立するため、国家公務員の勤務身分関係を法律をもつて規定したのと同様の趣旨から、被申請人とその職員との関係を説くに法律をもって規律し、それにより被申請人の総裁に対しその職員よりも優位な地位を与えてその間の秩序維持を計り、被申請人が国家より与えられた目的を達成しよう の趣旨から、被申請人とその職員との関係を説くに法律をもって規律し、それにより被申請人の総裁に対しその職員よりも優位な地位を与えてその間の秩序維持を計り、被申請人が国家より与えられた目的を達成しようとしているのである。このことは、昭和二七年公布になつた公務員等の懲戒免除等に関する法律(同年四月二八日法律第一一七号)二条や日本国との平和条約の効力発生に伴う国家公務員等の懲戒免除に関する政令(同日政令第一三〇号)一条において、被申請人の職員の懲戒の免除等は国家がこれをなす旨規定し、被申請人の職員の身分関係が国家公務員と同様に国家との特別権力関係に服する性格を有することを示していることによつても明らかである。 3 被申請人の職員がその労働条件について団体交渉権を有することや、被申請人とその職員との間の紛争解決のために調停、仲裁の制度があることは、いわゆる五現業の職員である国家公務員の労働関係について被申請人の職員と全く同一の取扱をうけていること(公労法二条)等に鑑みると、それだけでは被申請人とその職員との関係が私法的関係であるということにはならない。また、国鉄法二七条ないし三二条のその職員の身分服務に関する規定が一般私企業における就業規則ないし従業員規則中にもしばしばみられるものを含んでいることは確かであるが、右規定は、被申請人とその職員との右2に述べたような関係及びその表現形式等に鑑み、公共団体たる被申請人の組織規定であると解され、被申請人やその総裁あるいは被申請人とその職員との労働協約をもつてしてもそれを自由に変更改廃できないものであるから、到底一般私企業の就業規則等と同一に論ずることはできない。 更に、国鉄法三一条によれば、その職員に対して懲戒権を有するものは、法人たる被申請人でなく、その総裁とされているが、これは、被申請人とその職員と 一般私企業の就業規則等と同一に論ずることはできない。 更に、国鉄法三一条によれば、その職員に対して懲戒権を有するものは、法人たる被申請人でなく、その総裁とされているが、これは、被申請人とその職員との関係が公法上のものであることを示すもので、この場合、総裁は行政庁としての資格を有し、その懲戒権の行使は、行政行為と観念されるべきものである。 4 以上によれば、被申請人とその職員たる申請人らとの関係は、公法上の関係であつて、本件各処分は、行政庁たる被申請人の総裁が同法三一条一項一号に基づき申請人らに対してなした処分であるから、本件仮処分申請は、行政庁の処分に関し民事訴訟法に規定する仮処分を求めるものであり、結局行政事件訴訟法四四条の規定に抵触して許されないものである。 二本案に対する答弁申請の理由一、二の事実を認める。同三の事実は否認する。 三申請人P1、P2の処分理由被申請人の札鉄管理局長が昭和四一年二月五日付の札鉄管理局報で管下の職員に対し、学園の第二四回機関士科の入園試験を、同月一八日に施行する旨発表したところ、申請人らが所属する札幌地本は、かねてから被申請人の職員である動労組合員らを通常の競争試験によることなく先任願に入学せしめることを札鉄管理局長に対して要求していたが、右発表によりこれが容れられないことを知り、そのころ組合員の右学園受験許否を決定し、後記四の1に述べる如く闘争指令を発するなど傘下の各支部に対して指導するとともに、追分機関区所属の右試験の受験希望者に対しても受験を断念するよう説得を行うに至つた。しかし、同機関区所属の機関助士P5、同P6の両名は、組合側からの受験断念の説得にもかかわらず受験を希望していたので、右両名を確実に受験させようと考えた札鉄管理局長は、右試験施行日の前日である同月一七日両名を乗務途中にお 関助士P5、同P6の両名は、組合側からの受験断念の説得にもかかわらず受験を希望していたので、右両名を確実に受験させようと考えた札鉄管理局長は、右試験施行日の前日である同月一七日両名を乗務途中において代務者と交代させて受験地である札幌市へ赴かせた。この事実を知つた同機関区の職員である動労追分支部の組合員ら多数は、同機関区において同日午後八時四五分ころから翌朝午前八時頃まで追分機関区長室おいて同区長P7、同区首席助役P8外六名の助役に対し暴言を浴びせ辞職届願等の文書を書かせる等して長時間不当な抗議をくりかえしたが、申請人P1、同P2は同日午後九時二五分ころから翌一八日午前八時ころまでの間右抗議についての主導的役割を演じた。すなわち、(1) 抗議が始まつたころ机上のガラスを強く叩きながら組合員に率先して区長らに対し申請人P1が「おいP7、卑怯者それでも血の通つた人間か、貴様くたばれ」などと、申請人P2が「P7の馬鹿野郎」「辞めてしまえ」などとそれぞれ怒号罵声を浴びせ、居合わせた二、三〇名の組合員もこれに追随して口々に罵声を浴びせた。更に、申請人P1は、P5、P6の両名が本人の意思で学園を受験したのに区長らが強制的に受験させたものであると激しくつめ寄り、そのころ、右両名の家族が自宅に不在であつたことから、そのような事実が全くないのに区長らが右家族をかくまつたのではないかと迫り、右両名の家庭では家族が自殺するおそれがあり、かつ離婚問題にまで発展しているといつて、区長らの責任を追及し、区長に対し「P7お前の家族など追分にいられなくするぞ」などと怒号し、P8首席助役に対し「首席立て」と怒鳴り、同人をして恐怖の余り起立させた。かくて喧噪のうちに、午後一〇時二〇分ころに至つて組合員らは区長らに対しP5、P6両名に面会させることを強く迫つた。 (2) P8首席助役に対し「首席立て」と怒鳴り、同人をして恐怖の余り起立させた。かくて喧噪のうちに、午後一〇時二〇分ころに至つて組合員らは区長らに対しP5、P6両名に面会させることを強く迫つた。 (2) 同区長は、組合員らの怒号罵声を交えた執拗な要求に屈し、組合員をP5、P6両名に面会させることとして助役と共に午後一一時四五分ころ札幌市に赴かせたが徒労に終つた。かくするうちに、一八日午前三時ころとなつたが、申請人両名は、他の組合員らと共に区長らに対しものすごい剣幕で人命問題だとして、P5、P6両名の家族をさがすように責め立て、申請人P1が机上のガラスを叩いた際同人の拳が区長の鼻先をかすめたので、区長はのけぞるようにこえれを避けたものの、区長らは申請人ら組合員の気勢をおそれ、右家族をさがすため組合員と共に不本意にも深夜の追分市街へ向かうこととなつた。 (3) 午前四時ころ区長らが右家族をさがせないまま区長室に戻つたところ、組合員四、五〇名が区長室に入り込んで区長らに対し「P5、P6両名を返せ」と迫り、その中にあつて、申請人両名は、机上をはげしく叩きながら「おいP7、お前はわれわれを踏台にして偉くなろうとしているな、そうはさせないぞ」「この野郎、お前の家族はこの町で住めると思つているのか」と怒号し、前記のように区長が組合員を札幌市まで赴かしめながら徒労に終つたことにつき組合員P9と共にP8首席助役に対し執拗に責任を追及し、同助役を起立させ、口々に「辞めてしまえ」と叫び、同助役が申請人らの剣幕に堪え切れなくなつて、不本意にも「辞める」と発言した。すると組合員のひとりが硯箱と和紙綴を持参し、申請人P2がこれをとつて同助役につきつけ申請人P1と共に辞表を書くよう責め立てたので、同助役は事態の悪化をおそれて辞職届を書き、更に周囲の組合員の要求によりこれに 員のひとりが硯箱と和紙綴を持参し、申請人P2がこれをとつて同助役につきつけ申請人P1と共に辞表を書くよう責め立てたので、同助役は事態の悪化をおそれて辞職届を書き、更に周囲の組合員の要求によりこれに捺印せざるを得なかつた。 次いで、組合員らは区長の責任追及に移り、騒然たる雰囲気の中で申請人P2が「お前も辞表を書け」と怒鳴りながら和紙綴を投出し、硯箱を押し出して机上のガラスを叩き、申請人P1もこれに呼応して「責任をとれ」と迫り、区長がこれを拒否し、湯呑茶わんを手に水を飲もうとするや申請人P1が「水を飲むとは何ごとだ、やめろ」と怒号し、更に申請人両名は、他の組合員と共に罵声を浴びせながら辞職届を出すことを迫り、区長も遂にたまりかねて「進退伺を出す」と発言せざるを得なかつた。 このあと、申請人両名は居合せたP10、P11、P12その他の助役らを順次起立させ種々の非難を浴びせて責任を追及し、助役らをして「混乱を起して済まない」旨を謝罪させ、最後には区長をも起立させて同様謝罪させた。 その後も組合員らによる怒号罵声が入乱れる状態が続いた。 (4) 午前六時五〇分ごろ組合員が洋罫紙二枚に「家族に不安を与え職場を騒がせ申しわけない」旨記載した謝罪文なる文書をP8首席助役の前に出したところ、申請人両名は他の多数の組合員と共に口々に右文書に捺印を迫り、同助役はやむなくこれに捺印し、次いで区長も暫時思案していたが、申請人両名及びこれに追随する多数の組合員の騒然たるつきあげに合い昨夜来の疲労も重なりいつ危害を加えられるかもしれないという不安に駆られ、遂に右文書に捺印し、他の助役も申請人両名の強要により捺印せざるを得なかつた。その後組合員らは「自体の収拾について善処せよ。」と言い残して同日午前八時過ぎころ区長室から退去した。 右の結果、P7区長及びP8首席 印し、他の助役も申請人両名の強要により捺印せざるを得なかつた。その後組合員らは「自体の収拾について善処せよ。」と言い残して同日午前八時過ぎころ区長室から退去した。 右の結果、P7区長及びP8首席助役は精神的に異常な衝撃と疲労をうけたため、休業療養するに至つた。 以上に述べた申請人P1、P2の行為は、被申請人の職員として著るしく不都合な行為であつて、懲戒免職事由を規定した就業規則六六条一七号及び国鉄法三一条一項に該当し、懲戒免職に値する。 四申請人P3、P4の処分理由1 札幌地本の闘争指令前記のように札鉄管理局と札幌地本が学園入園問題について係争中、被申請人においてその第二四回機関士科入学試験を予定どおり実施することを知つた札幌地本は傘下各支部に対し昭和四一年二月一六日「二月一七、一八日に全乗務員は特休、祭休、有給の願で二日間のうち必ず一日はとること」を指令し、更に同月一八日頃地本指令第四八号で「(1)現場長に対して再度交渉を行い抗議を強化すること。 (2)全支部は年休、特休、祭休をとる運動を更に接続的に行なうこと。(3)局長に不当性を追求する抗議の行動を集中すること。(4)二一日の集会に最大限の動員を行なうこと。」を指令し、同じころ「全支部は本部特認指令により二月一八日一二時以降入換速度等次の順法闘争を実施すること。(1)入換速度は一〇キロメートル以下に統一規制(2)安全側線引上げは五キロメートル以下。(3)連結は一旦停止してから行なう。(4)合図中断は停止、連絡なき場合は応じられない。(5)急制動は緊急以外は使用しない。(6)飛乗り作業は行なわない。 (7)食事時間の確保、生理現象に対する時間を確保する。」ことを指令した。 2(一) 申請人P3は、岩見沢支部委員長、P4は、同支部書記長であるところ、両名は同月一七日午後四時五〇分 業は行なわない。 (7)食事時間の確保、生理現象に対する時間を確保する。」ことを指令した。 2(一) 申請人P3は、岩見沢支部委員長、P4は、同支部書記長であるところ、両名は同月一七日午後四時五〇分ころ岩見沢機関区長室において、他の組合員と共に同区長に対し「明日正午から無期限の順法闘争を行なう」旨通告したところ、同区長より「順法闘争に対しては指導者は勿論、個々の違法行為に対しては行為者個人に対し責任を追求する」旨警告されたにもかかわらず、次のような違法な闘争を指導した。 (1) 職員服務規程九条、服制及び被服類取扱基準規程に違反して勤務中の組合員に鉢巻、腕章を着用せしめた。 (2) 同月二一日から同月二六日ころまで、前記入換速度規制の指令の実施方法として運転取扱規程第六九条「機関士は車両入換をするときはその速度を一時間二五キロメートル以下にしなければならない」との規制に従い、平常、平均時速二〇キロメートルで行なわれている岩見沢駅構内の車両の入換平均速度を五キロメートル前後に落して車両入換作業を行なわしめ、同駅の作業に支障を生じさせた。 (3) 同機関区建物内外において次のような無許可職場集会等を強行させた。 (イ) 同月二一日午後五時四〇分ころから約五〇分間同機関区乗務員詰所及び同詰所前において組合員約五〇名による集会。 (ロ) 同月二六日午後三時一〇分ころから約四〇分間前局同所において組合員約四〇名による集会。 (ハ) 同月二七日午後三時一五分ころから約一五分間前同所において組合員約四〇名による集会。 (ニ) 同月二八日午後三時一〇分ころから約三〇分間前同所において組合員約四〇名による集会。 (ホ) 同月一九日午後五時三〇分ころから約一時間同機関区講習室において組合員約一〇〇名による集会及び引続き組合員約七〇名を運転助役室に乱入させて約五〇 間前同所において組合員約四〇名による集会。 (ホ) 同月一九日午後五時三〇分ころから約一時間同機関区講習室において組合員約一〇〇名による集会及び引続き組合員約七〇名を運転助役室に乱入させて約五〇分間P13助役に対し個人攻撃する等の抗議活動。 (ヘ) 同年三月六日午後四時四〇分ころから右講習室において組合員約五〇名による集会及び鉄道公安職員により右組合員が排除された後乗務員詰所内外において申請人P4が「当局が講習室の使用を邪魔し、われわれの集会を妨げた」旨演説し、全員が労働歌を高唱する等して午後六時一八分頃まで続行された集会。 (4) 岩見沢機関区においては平常時の一日平均休暇請求件数は約二〇件であるのに二月一八日から三月七日まで同区乗務員をして病気等を理由に最も多い二月一九日は一一三件、最も少なかつた三月五日でも三三件という多数の休暇請求をなさしめ、業務上の都合で同区助役が請求の理由のない者に対してこれを拒否するや多数の組合員で長時間にわたつて抗議し、右助役の平常の義務の執行に支障を生ぜしめた。 なお、右助役は乗務すべき乗務員が一斉に病気を理由に休暇請求をなしたので、休暇を附与せざるを得なかつたが、これに対する代替乗務員の手配が不可能であつたため、二月二五日から同月二七日までの三日間に第七六三貨物列車外一〇本を運休せざるを得なかつた。 (5) 組合員多数が二月二〇出発点呼第四七八列車の代替乗務員P14、同月二一日出発点呼中の第二八八列車の代替乗務員P15、同日出区準備中の第一八五列車の代替乗務員P16を取囲み「こんなのが機関士として乗るんでは危ない」等の罵声を浴びせるなどして右代替乗務員らの業務の執行を妨害せしめた。 (6) 二月二一日入換仕業五番及び同月二二日入換仕業八番の岩見沢構内の入換作業中、許可なく組合員を機関車に乗込ませて所定 ない」等の罵声を浴びせるなどして右代替乗務員らの業務の執行を妨害せしめた。 (6) 二月二一日入換仕業五番及び同月二二日入換仕業八番の岩見沢構内の入換作業中、許可なく組合員を機関車に乗込ませて所定の機関士と無断交代させた。 (7) 二月一八日から同月二二日まで及び同月二八日に被申請人の許可を得ることなく岩見沢機関区乗務員詰所内に前記1で述べた順法闘争の内容等を記載した提示額を提出させた。 (二) 申請人P3は、(1) 前記(一)(3)(ヘ)で述べた三月六日における講習室の集会に際して、同室が施錠してあつたのに自ら戸をはずして組合員等約五〇名を入室させた。 (2) 二月一八日から三月三日までの間公休を除き全期間年次有給休暇を申請し、そのうち二月二一日から三月二日までの間「急性咽頭気管支炎、安静加療を要する。」との診断書を提出して休暇を得ていたにもかかわらず、休養につとめることなく連日前記(一)に述べたような闘争を指導していた。 (三) 申請人P4は、二月二〇日「高血圧症、二月二一日、二二日の両日休業加療を要する。」旨及び同月二四日には「急性腸炎、本態性高血圧症、二月二三日から一週間安静加療を要する。」旨の診断書を提出し、病気欠勤の届をなし、同月二一日から三月一日までの間有給の欠勤扱いを受けたにもかかわらず、療養につとめることなく、連日前記(一)に述べたような闘争を指導していた。 (四) 以上の申請人両名の行為は被申請人の職員として著しく不都合な行為であつて、懲戒免職時由を規程した就業規則六六条一七号及び国鉄法三一条一項に該当し、懲戒免除に値する。 五本件仮処分の必要性についての反論申請人らは、本件免職後いずれも動労より同組合の犠牲者救済規則に基づいて見舞金として金三〇万円を支給されたうえ、申請人らが被申請人より支給される給料と同額の金員 本件仮処分の必要性についての反論申請人らは、本件免職後いずれも動労より同組合の犠牲者救済規則に基づいて見舞金として金三〇万円を支給されたうえ、申請人らが被申請人より支給される給料と同額の金員を毎月支給されている。更に右規則によれば、昇給及び給与改訂についても被申請人の職員と同様に取扱われれうことになつているほか、本件免職によつて失つた福利厚生上の補償も受けられ、また右免職を争う裁判費用も全額動労が負担し、右見舞金については動労に返還する義務はなく、支給される右給料額相当の金員について本案判決の結果申請人らの勝訴が確定し、被申請人の職場に際に返還すればよいことになつている。従つて、申請人らが動労より受けている救済援助は確立しした制度であり、右給料相当額の支給及びその他の補償は今後も確実に期待できるものであり、臨時的応急的なものではない。しかして、申請人らが本件免職により被る損害は主として賃金請求権を喪失することによる財産的損害に限られるものであつて、そのほかに精神的苦痛として具体的にいかなるものが存するのはなはだ疑問である。また本件免職による申請人らの信用名誉の侵害に対する救済については雇用契約上の地位保全とは別個の問題であり、これに対する救済の必要性をもつて本件仮処分の必要性を基礎づけることはできない。 第四 (申請人ら)被申請人の第三の主張に対する反論一本案前の答弁に対する反論被申請人が従前純然たる国家行政機関によつて運営されてきた国有鉄道事業を国から引継ぎ、これを能率的に運営発展せしめ、もつて公共の福祉の増進に寄与する目的をもつて設立された公法上の法人であることは、国鉄法一条、二条に規定されているところであるが、国の行政事務を担当することを本来の任務とする行政機関に属していないことは実定法上明らかである。従つて、被申請人 て設立された公法上の法人であることは、国鉄法一条、二条に規定されているところであるが、国の行政事務を担当することを本来の任務とする行政機関に属していないことは実定法上明らかである。従つて、被申請人とその職員の関係は、私法関係とみるべきであつて、国家公務員の国に対する関係と同一に論ずることはできない。また、被申請人が公法的組織形態を備えているとか、その事業が公益性を有することから直ちに被申請人とその職員との関係が公法関係であるということに結びつくものでもない。これらのことは被申請人と職員との間の労働関係については国家公務員の勤務関係と著しい差を認めている公労性の適用を受け、また、国鉄法の中にも私企業にみられるような職員の身分服務に関する規定がみられることによつてもうかがい知ることができる。被申請人が主張する諸規定もその企業の特殊性に由来するものに過ぎず、そのことから直ちに被申請人と職員との関係をもつて私法関係でないとする根拠とすることはできない。 二処分理由に対する認否1 申請人P1、P2関係第三の三の冒頭の事実のうち、P5、P6の両名が学園の受験を希望していたことは不知、札鉄局長が右両名の乗務途中に代務者と交代させたこと、組合が抗議をした際、区長らに対し暴言を浴びせたこと、申請人P1、P2がその主導権をとつたことは否認し、その余の事実は認める。 同(1)の事実のうち、区長室において組合員二、三〇名が区長らに対し抗議のための団交を行なつたこと、組合員がP5、P6の両名に対し面会を求めたことは認めるが、その余の事実は否認する。同(2)の事実のうち、組合員と助役が札幌市に赴いたこと、申請人両名ら組合員が人命の問題だといつてP5、P6の両名の家族をさがすように述べたこと、その結果助役二名組合員二名が心当たりを捜しに行つたことを認めるが のうち、組合員と助役が札幌市に赴いたこと、申請人両名ら組合員が人命の問題だといつてP5、P6の両名の家族をさがすように述べたこと、その結果助役二名組合員二名が心当たりを捜しに行つたことを認めるが、その余の事実は否認する。同(3)の事実のうち、午前四時ころ申請人両名ら組合員の追求の中でP8首席助役が責任をとつて辞職すると述べ、辞職届を作成したこと、P7区長が進退伺いを出すと述べたこと、申請人両名ら組合員がP10、P11ら居合わせた助役らの責任を追及したたところ、同区長及び各助役が謝罪の意を表したことは認めるが、その余の事実は否認する。同(4)の事実のうち、P7区長及び各助役が謝罪文に捺印したこと、「事態の収拾について善処せよ。」と組合員が述べて団交が終つたことは認めるが、その余の事実は否認する。 2 申請人P3、P4関係第三の四の1の事実は認める。同2(一)の冒頭の事実のうち申請人P4が岩見沢支部書記長であつて、被申請人主張の行為のうち以下の認否において同申請人が争わない限度において組合の抗議行動を指導したことは認めるがその余の事実は否認する。同(一)の(1)の事実のうち組合員が鉢巻腕章を着用したことは認めるが、その余の事実は否認する。同(2)の事実のうち順法闘争として被申請人主張の入換速度規制が行なわれたことは認めるがその余の事実は否認する。同(3)の事実のうち申請人両名が参加して被申請人主張の集会が行なわれたこと、P4が同(ヘ)記載のような演説をしたことは認めるが、その余の事実は否認する。同(4)の事実のうち組合員が休暇請求をなし、申請人両名を含む組合員がこれを拒否した助役に抗議したことは認めるが、その余の事実は否認する。同(5)の事実は否認する。組合員はP14、P15、P4の三名に対し代替乗務としての資格、心得などをたずねたに 両名を含む組合員がこれを拒否した助役に抗議したことは認めるが、その余の事実は否認する。同(5)の事実は否認する。組合員はP14、P15、P4の三名に対し代替乗務としての資格、心得などをたずねたに過ぎない。同(6)の事実は否認する。組合員が入換作業中の他の組合員の闘争支援のため添乗したに過ぎない。同(7)の事実は否認する。同2の(二)の(1)の事実は否認する。同(2)の事実のうち申請人P3が二月一八日から三月三日までの年次有給休暇をとり、被申請人主張のような診断書を提出したことは認めるが、その余の事実は否認する。同2の(三)の事実のうち申請人P4が被申請人主張のような診断書を提出して病気欠勤届をなし、被申請人がその旨の取扱いをしたこと、前記のとおり同申請人が組合の行為を指導したことは認め、その余の事実は否認する。同2の(四)の事実は否認する。 三処分理由に対する申請人らの主張1 動労地本が学園機関士科、気動車運転士科の入園に関して先任順を要求する根拠(一) 被申請人による学園機関士科、気動車運転士科の開設及び機関士等の養成は、被申請人の事業上の必要から生じたものであることはもちろんであるが、被申請人の定める運転関係職員採用規程養成機関教育規程等によると、機関士並びに気動車運転士になることを希望する者は、まず最初に整備掛として採用され、一定期間以上その職務に従事した後入園試験を経て学園普通部機関助士科に入園し一定の教育と試験を経て機関助士となる。しかして、機関士または気動車運転士となるためには、高等学校卒業者は二年九ヶ月以上、中学校卒業者は三年九ヶ月以上機関助士として在籍した者(以下「有資格者」という。)が入園試験によつて学園普通部機関科または軌道運転士科に入園し、一定期間の教育を受けた後終末試験において陸上汽缶士一級の国家試験(機 年九ヶ月以上機関助士として在籍した者(以下「有資格者」という。)が入園試験によつて学園普通部機関科または軌道運転士科に入園し、一定期間の教育を受けた後終末試験において陸上汽缶士一級の国家試験(機関士になる者のみ)に合格し、機関士見習、または気動車運転士見習となり、更に実務見習三ヶ月以上を経験した後、運転に関する学科及び実務試験に合格しなければならない。 (二) しかして、被申請人は、戦後乗務員が過剰になつたため、昭和二四年経歴の新しい機関士を降職し、「副機関士」として機関助士の職務を行なわせ、また機関士見習も機関助士に、機関助士を副機関助士にそれぞれ降職し、副機関助士には整備掛の職務を行なわせ、また新規機関士の養成を同年から二八年まで五年間中止したこと等から、一時は機関助士在職一四年以上の者が多数に上つたこともあつた。 (三) ところで、動力車の安全運転はその職務の性格上乗務員の経験、熟練、責任感により確保されるものであり、その意味で機関助士の経歴の長短は無事故運転に大きな影響を与えているのであり、右乗務員として能力を単に学科試験によつて評価することは不適当である。 (四) しかして、札鉄管理局内においては昭和二八年以降、乗務員の責任事故が著るしく低くなり、現在では全国二八鉄道管理局のうち三位を下らない立派な成績をおさめているが、これは同管理局内において後記の如く機関助士としての経験を重んじた先任順による乗務員の学園入学養成が行なわれた結果であることは明らかである。 2 本件入園闘争の経緯(一) 動労本部は、機関士及び気動車運転士を養成するための機関助士の学園入園試験制度に関して、昭和四〇年第一六回全国大会で被申請人における職業技術教育を達成する意味で、右乗務員希望者全員を入園させるべきことを目的とした組合の方針を確認するとともに、 めの機関助士の学園入園試験制度に関して、昭和四〇年第一六回全国大会で被申請人における職業技術教育を達成する意味で、右乗務員希望者全員を入園させるべきことを目的とした組合の方針を確認するとともに、基本的には右入園試験制度を撤廃し、先任順による入園制度の実現を期するための闘争方針を確認している。 (二) ところで動労札幌地本において機関士及び気動車運転士が経験と熟練を必要と考える立場から昭和三五年度の地本大会で学園機関士科、気動車運転士科入園については、機関助士在職年数一四年以上の者について優先的に入園させるべく方針を決定し、爾来札鉄管理局との団体交渉を通じてその実現をはかつた結果昭和三旧年末には、一四年以上在職の機関助士は大巾に減少するに至つた。 次いで、地本は、昭和四〇年第一四回地本大会で前記動労本部の方針に沿つて当面は学園機関士科及び気動車運転士科入園については在職一〇年以上の機関助士を解消し、それ以降は年次別受験を通じて先任入園制を実現すべく方針を決定し、同年度の右入園について昭和四〇年二月二三日団体交渉を行ない、札鉄管理局との間で次の事項を確認した。 (1) 同年四月の入園者は機関助士在職年数九年以上の者とし、同一〇年以上の者は全員優先入園させる。 (2) 同年一〇月の入園者は同八年以上の者とする。 (3) 昭和四一年一月の入園者は同七年以上の者とする。 (4) 同年二月の入園者は同五年以上の者とする。 (三) しかるに札鉄管理局は、昭和四〇年四月入園の試験において機関助士在職年数一〇年以上の者一一名を、同年一〇月入園の試験において同じく一〇年以上の者四名をそれぞれ不合格としたので地本は直ちに当局に対して抗議し、交渉を行なつた結果、当局は不合格者全員を追加合格させた。ところがその後当局は、それまでの態度を一変して入園問題は当局側の管 年以上の者四名をそれぞれ不合格としたので地本は直ちに当局に対して抗議し、交渉を行なつた結果、当局は不合格者全員を追加合格させた。ところがその後当局は、それまでの態度を一変して入園問題は当局側の管理運営事項であるとして、以後地本との団体交渉に応じない旨を表明し、昭和四〇年一二月以降に行なう入園試験については前記確認事項に拘束されることなく実施することを明らかにした。そこで、地本は、当局の右の態度に対して、昭和四〇年一一月一五日第五二回地方委員会を開いて受験拒否、年休抑制排除、助動拒否等の手段に訴えて入園試験に反対する方針を決定した。 (四) 地本の第一次入園闘争は、札鉄管理局が第二三回入園(昭和四一年一月入園)について地本との協定を無視して一方的に実施することになつたので地本が当局に対して昭和四〇年一二月六日入園の募集人員、そのための要員確保措置について説明を求めたが、結局双方の主張が全面的に対立し決裂したことによつて始つたが、同月九日実施の入園試験に対しては地本の指令により有資格の組合員は願書を提出しなかつた。ただ、札鉄管理局内鷲別機関区においては当局が公安員を介入させて二名の組合員を強引に受験させるという事態が生じた。 (五) 地本の第二次入園闘争も第二四回入園(昭和四一年三月入園)に関して、前回同様に札鉄管理局の一方的な態度が原因となつて始まつた。すなわち、当局は、昭和四一年二月五日右入園について学園機関士科及び気動車運転士科に若干名の入園者を募集すること、同月一一日に入園願書の提出を締切ること、同月一八日入園試験を行なうことを発表した。そこで、地本は、前記の既定方針に従つて闘うこととなつたが、その結果右願書締切日である同月一一日において願書を提出したものは一名もいなかつた。当局は、この間直接組合員に対して、或いは組合員の家族を そこで、地本は、前記の既定方針に従つて闘うこととなつたが、その結果右願書締切日である同月一一日において願書を提出したものは一名もいなかつた。当局は、この間直接組合員に対して、或いは組合員の家族を介して右受験に応ずるべく強要したので、組合側は、当局側に対して再度に及ぶ当局の右不当な行動の中止と組合との団体交渉を要求したが、当局側はこれを拒否して試験を強行し、受験者一九名全員を合格させた。申請人らの行為はこの入園闘争の一環としてなされたものであり、当局側の不信行為に起因するのである。 3 申請人P1、P2の免職事由について(一) 事実関係地本からの前記指令を受けて、動労追分支部においても、昭和四一年一月七日以降学園入園について同機関区所属の有資格の機関助士の全組合員に対して当局募集の第二四回機関士科入園に応じないよう説得活動が行なわれた。その結果大部分の組合員がこれに応じたが、P5、P6の両組合員を含む数名はその態度を明確にしなかつた。そこで、組合員らは、同年二月一七日にも乗務直前のP5、P6両名に対して説得を行なうとともに、乗務終了後も同支部の組事務所において更に話し合うことを両名と約束していた。ところが両名は乗務の中途で同機関区の助役二名と交替し、下車し、所定の乗務終了時に機関区に戻らなかつたので、組合員らはその所在を尋ねるべく同区機関区P7を呼び出したうえ、同日午後九時二五分ころから同区長室において団体交渉を行なつた。この団体交渉には同機関区における当局側からは区長以下助役八名、組合側からは追分支部委員長以下約二〇名(交渉中最も多い時には約五〇名)の組合員が参加して行なわれたが、同刻から翌二月一八日午前八時三〇分ころまでの間、途中六回の休憩を挟み、区長室において以下に述べる如く七回に亘って断続的に行なわれた。 (1) 午後九時二 は約五〇名)の組合員が参加して行なわれたが、同刻から翌二月一八日午前八時三〇分ころまでの間、途中六回の休憩を挟み、区長室において以下に述べる如く七回に亘って断続的に行なわれた。 (1) 午後九時二五分ころから行なわれた一回目の団体交渉では、組合側の追求に対し、区長らはP5らが乗務途中で下車したのは同人らの自由意思に基づくもので、当局側が強制したものではない旨答えたので、組合側は、本人の意思を確かめるために右両名に会わせて欲しい旨主張したところ、区長らは検討をするため休憩を求めた。そこで、組合側もこれに応じて午後一〇時一〇分ころ休憩に入り、組合側は区長室から出た。申請人P1、P2はこの段階の団体交渉には出席していなかつた。 (2) 午後一〇時三〇分ころ団体交渉は再開されたが、区長らは、組合側が本人に会つてその意思を確認することについて、P6一名に対してのみこれを認める旨答えた。しかしながら組合側は、前記主張を変えなかつたため、区長らは再度検討することになり午後一一時一〇分ころ再び休憩に入つた。 申請人P1は、午後一〇時五〇分ころからこの団体交渉に出席したが、P2は、未だ出席していなかつた。 (3) 三回目の団体交渉は午後一一時二〇分ころから始つたが、区長は、組合の要求を容れて、組合側の者が札幌市所在の札鉄管理局内守衛室においてP5、P6両名に会つてその意思を確認することを認め、同機関区指導助役P17が案内する旨回答したので、組合側はこれを了承し、午後一一時四〇分ころ休憩に入り、追分支部委員長長P9、同副委員長P18ら三名とP17の四名が札幌に向つた。申請人P2は、午後一一時三〇分ころからこの団体交渉に出席したが、P1は出席していなかつた。 (4) ところが、札幌に着いたP9らはP5らとの会見が札鉄管理局によつて拒否されたので、組合側は二時 た。申請人P2は、午後一一時三〇分ころからこの団体交渉に出席したが、P1は出席していなかつた。 (4) ところが、札幌に着いたP9らはP5らとの会見が札鉄管理局によつて拒否されたので、組合側は二時四〇分ころ札幌から帰つてきたP9らを中心として区長らの無責任ぶりを追求したが、区長らは、明確な回答をせず何らの責任も感じない態度に終始したため、居合わせた組合員らは強く憤り、区長らに対して口々に抗議の声を浴びせた。 一方、組合側はP6らの家族に事情を連絡しようとしたが、右家族の所在がわからなかつたので、区長らがP5らの家族をも何処かへ連れ去つたのではないかとの強い疑いをもち、右家族の所在について質問したが区長らは「わからない」と答えるのみであつた。そこで、組合側は区長らも組合員らと一緒に右家族の所在を確かめるべきである旨を主張し、区長もこれを容れ、午前三時三〇分ころ休憩に入つた。 申請人P1、P2は当初からこの団体交渉に出席して他の組合員と同様の行動をとつた。 (5) 休憩の間に組合側では協議をした結果、事態を収拾しなければならないとの結論に達したので、P5らの家族を探しに出掛けた者が未だ帰らない段階で午前四時ころから五回目の団体交渉が開かれた。ここにおいて、組合側は、事態を混乱させた原因は区長らの不誠実な態度にある旨主張し、区長らに対してその責任を追及した。その結果、P8首席助役が先ずその非を認めて辞職する旨発言したうえ、自ら辞職届を作成した。次いで、区長及び他の助役らも自らの責任を認めて組合側に対して謝罪するに至つた。 一方、そのころ、P5らの家族を探しに出た者がその所在をつかめぬままに帰つてきたので、警察署に捜索願を出すことになり、区長らと申請人P1を含む数名の組合員が同行して警察署に出向き、この団体交渉は午前五時一〇分に終つた。 ( 家族を探しに出た者がその所在をつかめぬままに帰つてきたので、警察署に捜索願を出すことになり、区長らと申請人P1を含む数名の組合員が同行して警察署に出向き、この団体交渉は午前五時一〇分に終つた。 (6) 午前六時に団体交渉は再開され、組合側は、事態の収拾について区長らの考えを質したが、区長らは何も答えず、その間に作成された謝罪文にためらうことなく捺印した。組合側は、区長に対し前夜来の団体交渉で疲労した組合員に年休を与える配慮を要求し、更に、P5らに対する今後の措置について質したが、区長らの要求により午前六時三〇分ころ休憩に入つた。 (7) 午前七時ころ団体交渉が再開され、席上区長は、P5らについては自己の責任では措置できないが、年休処理については、列車を連休させても手配を確実にする旨回答した。組合側としては、P5らに会えないことは不満であつたが、既に団体交渉が長時間に及んでいたうえ、区長らに対してこれ以上要求しても効果がないと判断し、以後区長らにおいてこのような事態を招くような誤つた措置をとらないように求めたうえ午前八時三〇分ころ団体交渉を打切つた。 (二) 申請人P1、P2らの行為の詳細及びそれに至る事実の経緯は以上に述べたとおりであるが、右行為は、いずれも当局側の不誠実から発した労使紛争において組合側が行なつた正当な組合活動に関連して惹起されたものに過ぎない。従つて、申請人両名の行為は懲戒事由である「著しく不都合な行為」に該当しないし、これに対して被申請人が懲戒免職という不利益な取扱を行なうことは明らかに不当労働行為であつて許されないものである。 (一)(1) 入換速度規制について岩見沢駅構内における車両の入換作業については、一般に規定される以外に、岩見沢機関区長の定めた「入換機関車乗務員作業指針」に基づいて実施されるのであり、これ 。 (一)(1) 入換速度規制について岩見沢駅構内における車両の入換作業については、一般に規定される以外に、岩見沢機関区長の定めた「入換機関車乗務員作業指針」に基づいて実施されるのであり、これによれば、速度を一〇キロメートル以下にする旨が定められている。しかして、作業指針は、運転及び職員の死傷事故防止のため作成されたものであるから、平常時において作業指針を無視した速度で入換作業が行なわれていたとしても、かかる違法不当な状態をもつて業務の正常な運営と認めることはできない。今回の入園闘争においては、前記作業指針に従つた速度規制により入換作業を行なつたに過ぎないから、かかる行為は違法でもなければ業務の正常な運営を阻害するものでもない。 (2) 鉢巻、腕章、集会、提示等について労働組合員が闘争中鉢巻、腕章等をつけ、また、組合が伝達事項を提示することは正当な組合活動であり、これによつて実質的な業務阻害は生じえない。また、組合側が集会に使用し、提示に利用した施設は、平常岩見沢機関区において業務に支障のない限り組合に対して自由にその使用を認めてきたのが慣行であつた。しかし、今回の入園闘争に際しては、当局側はなんらの支障もなかつたのにこれら施設の利用を組合に認めようとしなかつたので、組合としても、情報連絡、団結維持強化の必要上、従来の慣例に従つてこれら施設を利用したに過ぎず、これによつて、被申請人の業務を阻害したことはない。 (3)休暇請求について休暇請求は労働者の権利であり、その使用目的が何であつても、使用者は使用目的いかんを理由に請求を拒否したり後日休暇承認を取消すことはできないのである。従つて、労働者が休暇を請求した上闘争に参加したとしても、それは休暇の一利用法に過ぎないし、また、休暇請求が組合指令に基づいたとしても、権利行使としての 後日休暇承認を取消すことはできないのである。従つて、労働者が休暇を請求した上闘争に参加したとしても、それは休暇の一利用法に過ぎないし、また、休暇請求が組合指令に基づいたとしても、権利行使としての性格が変わるものではない。しかるに、本件においては、当局側は休暇請求の理由の明示を求め、病気を理由とする場合には特定医師の診断書による証明を要求するという不当な態度に出たので、組合としてこれに対し強硬な抗議をしたのはむしろ当然である。また、国鉄乗務員はその職務の特殊性から休暇の消化率が低く、しかも休暇の消化の期限は毎年二月と定められているのであるから、この時期に休暇請求が集中してあえて異とするには当らない。 (4) 以上述べたところによれば、入園闘争において支部組合のとつた行動はすべて正当な組合活動であるか、労働者としての正当な権利の行使であるから、申請人両名が闘争の指導的立場にあつたとしても、なんら懲戒事由である「著しく不都合な行為」をしたものということはできないし、これに対して被申請人が懲戒免職という不利益な取扱をすることは不当労働行為である。 (二) 岩見沢機関区における組合の闘争が被申請人の業務の正当な運営を阻害するものとして争議行為に該当するとすれば、申請人両名は争議行為をなしたことの故に解雇されたことになる。しかし、なんらの合理的な理由もなく、公共企業体職員の争議行為を一律に禁止した公労法十七条は憲法二十八条に違反する無効な規定であるから、申請人両名の行為は正当な組合活動であつて就業規則にいう懲戒事由である「著しく不都合な行為」に該らない。従つて、これを理由とする本件免職は無効である。 (三) 仮に争議行為を禁止した公労法十七条が違憲でないとしても、労働基本権制限違反に伴う法律効果、すなわち違反者に課せられるべき不利益は必要最小限に つて、これを理由とする本件免職は無効である。 (三) 仮に争議行為を禁止した公労法十七条が違憲でないとしても、労働基本権制限違反に伴う法律効果、すなわち違反者に課せられるべき不利益は必要最小限にとどめるべきであるから、単なる債務不履行に対する法律効果とは異なり労働者に対し財産、自由、名誉等につき著しい不利益と苦痛を与える懲戒処分を科することは許されない。すなわち、公労法十七条違反に対する制裁としては同法十八条に定める解雇のみが許されるのであり、平常時の労使関係下における個別的労働関係に適用されるべき国鉄法及び就業規則に定める解雇その他の懲戒処分を争議行為を行つた者に科することは違法である。従つて、申請人両名が同条に違反した争議行為を行つたとしても、国鉄法及び就業規則に基づき右両名に対してなした本件免職は無効である。 (四) 仮に公労法十七条違反者に対し国鉄法及び就業規則の適用があり、かつ、申請人両名の行為が同条に違反するとしても、それは懲戒処分の対象となるような「不都合な行為」ではない。従つて、申請人両名に対する懲戒処分たる本件免職は無効である。 四本件仮処分の必要性についての反論に対する認否及び主張1 第三の(五)のうち、申請人らが国鉄犠牲者救済規定に基づいて被申請人主張の如く動労から見舞金、給料担当額の金員の支給その他の援助を受けている事実は認めるが、その余は争う。 2 右救済規則による金員の支給は、申請人らが被申請人から不当に被解雇者として取扱われることによる生活の困窮を救済するための臨時的、応急的なものである。 第五 (被申請人)申請人らの処分理由に関する主張に対する反論一申請人P1、P2の処分理由に関する主張について1 第四の三の1(一)(二)の事実は認める。同(三)の事実は否認する。同(四)の事実のうち、札鉄管理局内 請人らの処分理由に関する主張に対する反論一申請人P1、P2の処分理由に関する主張について1 第四の三の1(一)(二)の事実は認める。同(三)の事実は否認する。同(四)の事実のうち、札鉄管理局内の事故率が低いのは同局内において先任順の入園が行われた結果であることを否認し、その余の事実を認める。同2(一)の事実は不知。同(二)の事実のうち、札幌地本が申請人ら主張の如き各方針を決定したことは不知、三九年度末には、一四年以上在職の機関助士が大巾に減少していることは認める、その余の事実は否認する。同(三)の事実のうち、札幌地本が第五二回地方委員会を開いて主張の如き方針を決定したことは不知、その余の事実は否認する。同(四)の事実のうち、地本が十二月七日願書提出の拒否について闘争指令を発したことは認める、その余の事実は否認する。同(五)の事実のうち、札鉄管理局が昭和四一年二月五日、主張の如く入園者募集を発表したことは認める、同月一一日までに願書提出者が一名もいなかつたことは不知、その余の事実は否認する。同3の事実は否認する。二月十七日夜から十八日朝までの経緯については既に第三の三に述べたとおりである。 なお、被申請人と動労の間に締結された団体交渉に関する協約によれば、札幌地本の場合は札鉄管理局と団体交渉を行なう旨定められており下部機構に過ぎない動労追分支部と追分機関区が団体交渉を行うことは協約上できないことになつているのである。 2 入園試験をしなければならない理由機関士の主たる職務は、蒸気機関車の運転及びその運転整備であり、また、気動車運転士の主たる職務は、いわゆるデイーゼルカーといわれる気動車の運転及びその運転整備であり、機関助士の主たる職務は、蒸気機関車の焚火及び注油、暖房用気かんの取扱、機関士の職務補助である。機関士及び気動車運転士 たる職務は、いわゆるデイーゼルカーといわれる気動車の運転及びその運転整備であり、機関助士の主たる職務は、蒸気機関車の焚火及び注油、暖房用気かんの取扱、機関士の職務補助である。機関士及び気動車運転士はいわゆる動力車を操縦して多数の人命、財産を乗せた列車を安全、迅速かつ正確に輸送する作業に従事する者であるから、単に機関助手としての経歴が長いというだけでは足らず、機関助手に要求される以上の高度の専門的知識と技能を必要とすることはその職務の性質上当然のことである。そのため被申請人は学園を設置し機関士養成のためこれら知識と技能習得の教育を実施しているが、その教育を受ける者が一定の経歴のほかに所定の教科を理解するに必要な基礎学力をそなえなければならないのはいうまでもないところであり、古手の機関助士のすべてが所定教科を履習する能力があるものということはできない。それ故、機関士としての適格者を選ぶたため入園試験を実施しているのである。 二申請人P3、P4の処分理由に関する主張について1 第四の三の4の(一)の(1)事実のうち申請人ら主張の作業指針に速度一〇キロメートル以下にするとの定めがあることは認めるが、その余の事実は否認する。同(2)及び(3)の事実は否認する。 2 入換速度規制について作業指針の規定は岩見沢駅構内入換前線の規制ではなく、操東入換線(引上線)上での車両の引上げ作業、操北第一信号扱所前での引上げ作業等極めて限られた場合における規制であつて、同駅構内における入換作業のほとんどが前記運転取扱基準規程第六九条の規制に従えば足るのである。岩見沢駅構内における入換速度は右規制に従つた平常二〇キロメートル平均であるのが慣行であるから、本件闘争においてとられた一〇キロメートル以下の速度規制は右慣行に反するもので、これにより被申請人の業務の正当な 構内における入換速度は右規制に従つた平常二〇キロメートル平均であるのが慣行であるから、本件闘争においてとられた一〇キロメートル以下の速度規制は右慣行に反するもので、これにより被申請人の業務の正当な運営を阻害したことは明らかである。しかして、右にいう業務の正常な運営とは必ずしも厳格な法律的形式的意味での適法性を考えるべきではなく、労使関係における慣行的事実をも考慮して慣行的に期待されている平常の業務の運営をいうものと解すべきであつて、かかる意味における業務を阻害することは許されないものというべきである。 3 休暇請求について労働者の休暇請求に対し、使用者が事業の正常な運営を阻害されると認めた場合には承認を与えないことができるし、その請求が組合の指令に基づき闘争目的貫徹の手段としてなされる場合にはかかる請求は労働基準法の有給休暇制度の本旨にもとるから、使用者がこれを承認しなくてもなんら違法ではない。 4 公労法十七条と憲法二十八条、国鉄法三十一条との関係について公労法十七条が憲法二十八条に違反するものでないことは既に最高裁判所の判例の示すところであるし、公労法一八条は、同法一七条に違反して争議行為を行なつた者を解雇しても不当労働行為とならないことを意味するにとどまり、右争議行為参加者がその争議行為中に懲戒事由を定めた国鉄法三一条及び就業規則六六条に該当する行為をした場合に右諸規定により懲戒処分を課することを禁ずるものではない。 第六証拠(省略) 理由(本案前の主張について)国鉄法一条、二条の規定によれば、被申請人が従前純然たる国家行政機関によつて運営されてきた国有鉄道事業を国から引き継ぎ、これを能率的に運営発展せしめもつて公共の福祉の増進に寄与する目的をもつて設立された公法上の法人であることは明らかであるが、 純然たる国家行政機関によつて運営されてきた国有鉄道事業を国から引き継ぎ、これを能率的に運営発展せしめもつて公共の福祉の増進に寄与する目的をもつて設立された公法上の法人であることは明らかであるが、その事業の本質が一般私企業によつて経営され得る性質のものにあることに鑑みると、被申請人が右のような公法人であることをもつて、直ちに被申請人とその職員の公法関係であるとか、本件免職が行政庁の処分であるとかの判断を下しえないことは明らかである。そして、被申請人とその職員との雇用関係等の性質は、結局実定法の規律に仕方によつて定まると解されるから、以下において、右に関する実定法の規定について、検討する。 まず、被申請人の職員が憲法一五条二項にいう全体の奉仕者としての公務員に該当すると考えることができるとしても、同条項は国民主権主義のもとにおける公務員の基本的な立場を宣言したものであつて、被申請人とその職員との雇用関係の法的性質について直接規定したものと解することはできないから、同条項により右関係が公法上の関係であるとの結論を導きうるものではない。 次に国鉄法、公労法の規定をみるに、国鉄法二七条ないし三二条において、職員の任免の基準、給与、分限、懲戒、職務専念義務等に関する事項につき国家公務員に関するものと類似の規定をし、同法三四条一項で職員を法令により公務に従事する者とみなす旨規定し、公労法一七条で職員及びその組合に争議行為を禁止しているが他方、国鉄法三四条二項において役員及び職員には国家公務員法は適用されない旨規定し、同法三五条において、職員の労働関係に関しては公労法の定めるところによるとされ、公労法八条はその職員に対し、賃金、労働時間等昇職、降職、免職、懲戒の基準に関する事項、その他労働条件に関する事項について広範囲な団体交渉権を認め、被申請人 しては公労法の定めるところによるとされ、公労法八条はその職員に対し、賃金、労働時間等昇職、降職、免職、懲戒の基準に関する事項、その他労働条件に関する事項について広範囲な団体交渉権を認め、被申請人と対等な立場で自由に労働協約を締結し得る地位を保障し、同法二六条ないし三五条には被申請人と職員との間に発生した紛争について、あつせん、調停、仲裁の制度を規定しており、また、前記国家公務員に関する規律に類似する国鉄法二七条ないし三二条の規定は、性質上同一のものが一般私企業の就業規則等の中にもしばしば見うけられるところである。これらを綜合して考えてみると、被申請人とその職員との関係は、権力関係たる公法関係の性質を有するものと認めるわけにはいかず、実定法上、基本的には、対等当事者関係たる私法関係の性質を有するものとして規律されていると考えざるをえない。なお、被申請人の職員の勤務身分関係がいわゆる五現業の国家公務員のそれに類似しているけれど、右現業公務員は国の行政機関に雇われ一部の規定を除き国家公務員法の適用をうけるのであるから、実定法上両者を同一に取扱つていないことは明らかである。また、被申請人の職員が一般私企業の従業員と異なつた扱を受ける面(争議行為の禁止等)があるのは、被申請人の事業が高度の公共性を有することによるものであつて、このことは、被申請人とその職員との関係が基本的に私法関係であるとの前記判断と相容れないものではない。更に、公務員等の懲戒免職等に関する法律(昭和二七年法律第一一七号)二条及び日本国との平和条約の効力発生に伴う国家公務員等の懲戒免職等に関する政令(昭和二七年政令第一三〇号)一条において、昭和二七年四月二八日以前の事由に基づく被申請人職員の懲戒の免職について政府がこれを行なう旨規定しているのは、被申請人職員の大部分が国鉄法施 職等に関する政令(昭和二七年政令第一三〇号)一条において、昭和二七年四月二八日以前の事由に基づく被申請人職員の懲戒の免職について政府がこれを行なう旨規定しているのは、被申請人職員の大部分が国鉄法施行の際国家公務員から移行した事実に鑑み、法律が特に右事項に限り被申請人の職員を国家公務員と同様に取扱おうとしたものと解され、また、国鉄法三一条がその職員に懲戒を行なう者を被申請人の総裁と規定したのは、懲戒処分の性質に鑑み、被申請人の代表者である総裁に対し法律が特にその決定権を与えたもので、懲戒権の行使の主体は被申請人であると考えられるから、これらのことも被申請人とその職員の雇用関係についての前記判断に影響を与えるものではない。 以上によれば、被申請人とその職員との雇用関係の本質は私法的関係であり、国鉄法三一条一項一号に基づいてなされた本件免職は、行政庁の処分ではないから、被申請人の本案前の主張は採用することができない。 (本案について)第一申請人らがいずれも被申請人に採用された職員であり、申請人P1、P2が札鉄管理局内追分機関区に、申請人P3、P4が同局区内岩見沢機関区に勤務していたこと、申請人らがいずれも動労の組合員であり、申請人P1が動労追分支部の青年部長を、P2が動労地本青年部の副部長を、P4が動労岩見沢支部の書記長をしていたこと、しかして、被申請人が申請人らに対して昭和四一年一〇月八日付で国鉄法三一条に基づき本件免職の意志表示をしたことは当事者間に争いがない。 第二入園闘争について一学園の設置、機関士及び気動車運転士の養成経過等に関する事実適示第四の三の1の(一)の事実及び乗員過剰による機関士等の降職等による在職一四年以上の機関助士が多数に上つたことなどに関するどう(二)の事実はすべて当事者間に争いがない。 二成立に争いのな 事実適示第四の三の1の(一)の事実及び乗員過剰による機関士等の降職等による在職一四年以上の機関助士が多数に上つたことなどに関するどう(二)の事実はすべて当事者間に争いがない。 二成立に争いのない乙第四、六、八、九七、九八、一〇四、一〇九、一一〇、一一一号証、証人P19の証言により真正に成立したものと認められる甲第八ないし一一号証の各一、二、証人P20の証言により真正に成立したものと認められる乙第五号証、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる乙第七、九三号証および証人P21、P22、P23、P24、P9、P18、P25、P19の証言に弁論の全趣旨を総合すると以下の事実が疎明される。すなわち、1 被申請人は前記のように機関士等の養成をさしひかえていたが、その後列車の走行距離の伸長、列車本数の増加により、昭和二九年四月から再び機関士等乗務員の養成を始めることになつたが、動労の要求も容れて先ず前記の副機関士を優先的に入園させ、昭和三三年ころは副機関士のほぼ全員が機関士に復職した。ところで、学園入園者数或いは入園受験者数は被申請人の乗務員需給計画ないし試験当日の現場要員数の確保に密接な関係があることから、被申請人の北海道支社、札鉄管理局と地本との間では、昭和三四年ころから毎年団体交渉により入園者数が決められてきた。しかして、昭和三四年ころは、機関助士としての在職年数が長く、また高年令の機関士(以下「古年者」という。)が多く存在する実状にあつて、入園試験がペーパーテストによつて行われるため、それらの者にとつては受験準備のために相当の努力を要するうえ、新制の高等学校を卒業した者に比べると必ずしも有利とはいえなかった。そこで、地本は、このような古年の機関助士は既に身体検査、適性検査、脳波検査に合格しているのであり、かつ長年の実務経験によ するうえ、新制の高等学校を卒業した者に比べると必ずしも有利とはいえなかった。そこで、地本は、このような古年の機関助士は既に身体検査、適性検査、脳波検査に合格しているのであり、かつ長年の実務経験により、機関士としての職務の安全な遂行が可能であるのに、机上のテストによる試験制度のためいつまでも機関士に比して低い労働条件に甘んじなければならないのは不当であるとの立場から、札鉄管理局に対して昭和三四年ころから古年者を優先的に学園機関士科、気動車運転士科に入園させるべく要求するに至つた。これに対し北海道支社はもちろん、札鉄管理局も地本の右要求は専ら被申請人の管理運営事項に属するとして、これについて地本と正式な団体交渉をする事を拒否したが、受験当日及び入園中の現場要員の確保、年休計画、助勤等について組合側に協力を求めなければならない立場等もあつて、右入園者数を決定した後札鉄管理局の運転部(運転部長機関車課長、総務課長ら)或いは総務部(主として労働課長)を通して同年ころから毎年一月から二月ころにかけて非公式ではあるが古年者優先入園に関し地本の役員らとの間で事実上の団体交渉に応じその結果、昭和三四ないし三六年の機関士科入園試験(年二回施行)のうち昭和三五年三月施行の試験を除き受験有資格者の中で年令三四才以上で機関助士在職年数一五年以上の者を優先的に合格させることを約し、そのとおり実行した。そして、昭和三六年五月二六日被申請人本社と勤労本部との間でも昭和三七年度の機関士科入園について、年令三五才以上、機関助士経歴一五年以上、高等小学校卒業者で昭和二〇年以前に採用された者の条件に該当する者に限り特別な試験を行なつて入園させるべき合意が成立し、翌昭和三七年実施されるに至つた。 ところで、地本は、札鉄管理局との間で事前に右の如き先任順に優先合格させるべく 用された者の条件に該当する者に限り特別な試験を行なつて入園させるべき合意が成立し、翌昭和三七年実施されるに至つた。 ところで、地本は、札鉄管理局との間で事前に右の如き先任順に優先合格させるべく合意が成立すると、予め作成されている札鉄管理局内の各機関区の機関助士の名簿からその都度該当する入園優先者を拾い上げて、その氏名を組合支部に伝え、各支部において右該当者は、事実上組合の指示を受けて当局側(機関区長)から入園試験願書の交付を受け、かつこれを提出し、支部によつては、機関区長から組合が一括して右該当者の願書の交付を受け、かつこれを提出していた。そして、該当する受験者が入園予定者数を上回つたときは不合格者が出たが、そうでない場合でも当局側は、常に試験の点数を重視し、合格点(全科目四〇点以上平均六〇点以上)に達しない受験者がいると、その名前を予め地本に知らせたが、地本は、当局に対して極力その者を合格させるよう交渉し、右の者がそれでも不合格とされた場合は次回に必ず入園させるべく更に交渉を続けていたため、結局当局も右要求を受け入れる結果になる場合が多かつた。次いで、地本は昭和昭和三七、八年度中に年令三四才以上、機関助士在職一四年以上の者を解消すべく当局側と交渉した結果、未だ入園できない該当者も順次減少し、昭和三八年四月施行の入園試験の際には優先入園者の基準を機関助士在職一〇年まで引下げるに至つた。 2 昭和三九年に入るころから当局側は入園交渉の中で地本に対して昭和四〇年以降はこれまでの入園方法をやめるべき旨主張し始めたが、地本はとりあえず昭和三九年内に機関助士在職一〇年以上の者を解消すべく当局に強く要求し、一応これら該当者を優先入園させる旨の了解を得た結果、同年四月から昭和四〇年二月までの入園者一四四名のうち在職一〇年以上の者が一五〇名、同七年 機関助士在職一〇年以上の者を解消すべく当局に強く要求し、一応これら該当者を優先入園させる旨の了解を得た結果、同年四月から昭和四〇年二月までの入園者一四四名のうち在職一〇年以上の者が一五〇名、同七年以上一〇年未満の者が二〇名を占めた。しかしながら、その間、昭和四〇年二月施行の入園の試験の際は組合側が譲歩したため若年者も相当数入園した。そして、そのころから同年度分の入園についての交渉が行われたが、当局側は、乗務要員不足を理由に同年四月入園の試験以降は優先入園の方法をとらず、通常の競争試験による選抜を行なう旨強く主張した。これに対し地本は、強硬に反対し、結局同年二月二三日両者間に(1)同年四月の機関士科入園の際は機関助士在職九年以上の者を優先入園させ、この段階で在職一〇年以上の者を全員合格させる、(2)同年一〇月の機関士科入園の際は同八年以上の者を、(3)昭和四一年一月機関士科入園の際は同七年以上の者を、(4)同年二月機関士科入園の際は同五年以上の者をそれぞれ優先的に入園させるべき旨の合意が成立した。 3 しかしながら、昭和四〇年四月入園の試験(合格者五〇名)において機関助士在職一〇年以上の者が一一名不合格とされたため、地本は札鉄管理局運転部を相手に右の者を追加合格させるべく交渉を進めたが、運転部長はこれら不合格者については同年一〇月に行われる入園試験(一一月入園者)まで待つようにとの回答をしていたのに、同年夏の臨時列車増発等についての団体交渉の席上で地本から出された前記二月二三日の合意事項についての質問に対し同局総務部長は当局としてはそのような合意をしたことはないとの態度を打出し、次いで、当局側は札鉄管理局長、総務部長の発言を通して、地本の組合員のみに特別な入園方法を認めるのは不当であるから、今後規程通り先任順などにとらわれない試験をしな 意をしたことはないとの態度を打出し、次いで、当局側は札鉄管理局長、総務部長の発言を通して、地本の組合員のみに特別な入園方法を認めるのは不当であるから、今後規程通り先任順などにとらわれない試験をしなければならないとの見解を表明するようになつた。一方、地本は同年九月一四日一五回地本大会において、入園試験制度の撤廃、当面は先任順による入園と年次別受験制度の確立、在職一〇年以上の者を全員入園させること等を運動方針として決定した。しかして、同年一〇月に行なわれた機関士科入園試験(合格者三〇名)においても当局は右一一名のうち、再び四名を不合格とする旨を示したので、地本は当局に強硬に迫つてようやく右四名の追加合格を認めさせ前記合意事項(1)(2)の目的をほぼ達成することができたが、その交渉の中で、当局側は労働課を通して入園問題は被申請人側の管理運営事項であるから今後一切団体交渉の対象にしないし優先入園の取扱いをしないことを明らかにした。これに対し、地本は昭和四一年四月以降の入園問題については話合う余地はあるが、それ以前に施行される入園試験については前記合意事項(3)(4)に従つて古年者を優先入園させるべきことを主張し、結局双方の主張は平行線をたどつたままであつた。 4 かくするうちに、札鉄当局は、従前の例に反し優先入園者数等具体的実施方法につき組合側に連絡をしないまま、昭和四〇年一一月一三日昭和四一年一月機関士科及び気動車運転士科入園の試験を昭和四〇年一二月九日に行なう旨局報に掲載して発表した。そこで地本は、昭和四〇年一一月一五日、一六日に第五二回地方委員会を開いて、入園問題について当局が従前同様団体交渉に応じなければ、入園拒否闘争をするほか年休抑制排除、助勤反対等の運動も行なう旨を決めるとともに、右入園には先の合意のとおり、機関士科については在職 会を開いて、入園問題について当局が従前同様団体交渉に応じなければ、入園拒否闘争をするほか年休抑制排除、助勤反対等の運動も行なう旨を決めるとともに、右入園には先の合意のとおり、機関士科については在職七年以上の者を優先入園させるべきであるとの方針を再確認し、該当する者四〇名から願書を組合に提出させたうえ、同年一二月六日地本委員長P21らから札鉄管理局総務部に対して右四〇名を優先入園されるべきことを申し入れた。しかしながら、当局側は、昭和四一年一月以降の入園については通常の競争試験の方法をとるから、組合側の示す四〇名の者について合格は約束できないこと及び今後は組合による受験者規制をやめるべきことを回答し前記昭和四〇年二月二三日の合意の存在を否定する態度に出た。これに対し、地本は、昭和四〇年一二月七、八日執行委員会を開き、右四〇名の願書提出者を含めて全員受験拒否で臨み、この闘争と年休抑制排除の運動と結合させることなどを決定し、その旨の指令を各支部に発した。一二月九日の試験当日当局は鷲別機関区において鉄道公安官を出動させて同機関区内において二名に対し試験を行なつたほか、受験拒否により試験を施行することができなかつた。 5 昭和四一年になると、札鉄管理局では運転部や総務部の課長らが各機関区を巡廻して機関区長や助役らを督励し、同年一月二九日ころから局内の機関助士に宛て運転部長、総務部長名で、組合側の要求する先任順の入園制は不当であること、前回は組合の反対で三八名の入園不足が生じているから次回にはすすんで受験して欲しいことなどを記載したパンフレツトを送り、これと平行して北海道支社からも同様のパンフレツトが送られていた。右の事情等から地本は入園者の再募集が行なわれるであろうことは察知していたが、同年二月五日に至り札鉄管理局は、従前の例に反し組合との何ら と平行して北海道支社からも同様のパンフレツトが送られていた。右の事情等から地本は入園者の再募集が行なわれるであろうことは察知していたが、同年二月五日に至り札鉄管理局は、従前の例に反し組合との何らの事前交渉もなく同日付の局報で同年三月の入園者を募集する旨(願書提出締切日同年二月一一日、試験日同月一八日)発表した。そこで、地本は、役員を通して札鉄管理局総務部長らに対して組合に何らの事前通知もなくしてなされた右発表について抗議を申し入れたが、同部長らは「局長の命令である」との答えに終始した。そこで、地本は、今回は組合側の指示する以外の者に対しても願書が交付されるおそれがあるとの考えに立って全員願書提出を拒否して闘うことに方針を定め、二月七日その旨各支部に指令を出した。しかして、願書締切日である二月一一日に至つても願書提出者は僅か数名であつたため、そのころから各機関区では区長や助役らが機関助士の自宅を訪問して入園受験に応ずべき旨の説得活動が行なわれ始めた。これに対し、地本では同月一四日支部代表者会議を開いて、これに抗議するため特休、祭休、年休を一斉に取るべき方針を決定し、同月一六日闘争指令(事実適示第三の四の1)を発するに至つた。(この指令が発せられた事実は当事者間に争いがない。)そして、同日P26地本副委員長は、追分機関区にオルグのために赴いていた。 以上の事実が疎明され、右事実に反する乙第九二、一〇八号証及び証人P20、P24の証言は措信し難く、他に右認定を覆するに足る証拠はない。 第三申請人P1、P2の申請に対する判断一当事者間に争いのない事実に前掲甲第一一号証の一、二、成立に争いのない乙第六、九、一三号証、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる乙第一一号証、証人P7の証言により真正に成立したものと認められる乙第一〇、一 い事実に前掲甲第一一号証の一、二、成立に争いのない乙第六、九、一三号証、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる乙第一一号証、証人P7の証言により真正に成立したものと認められる乙第一〇、一五号証、証人P27の証言により真正に成立したものと認められる乙第一二号証ないし八並びに証人P23、P24、P9、P18、P25、P7、P27の証言及び申請人P2、P1本人尋問の結果に弁論の全趣旨を総合すると以下の事実が疎明される。 1 動労追分支部(昭和四一年当時の組合員は追分本区約五〇〇名苫小牧支区約二〇〇名)においても学園入学については毎年地本の前記方針を受けて、受験資格のある機関助士のうちから先任順に従つて、受験をさせ、昭和四〇年一二月九日に行なわれた前記入園試験の際も、当時願書を提出していた四名を含む資格者全員が受験を拒否するなど入園に関する地本の指示に従つた行動をとっていた。しかし、同月から昭和四一年一月にかけて、札鉄管理局から前記の如き受験勧告により組合の方針に従わずに受験を志す組合員も数名みられるに至つたため、組合側もそれらの者の意思を確認して説得すべく努力を重ねるとともに、他方昭和四〇年一二月ころ追分機関区長P7らに対して、職制の力を利用するなど無理な方法で有資格の組合員らを受験に勧誘するようなことのないよう申し込み、これを約束させていた。しかして、昭和四一年二月五日当局側の局報掲示により同年三月の入園者募集が行われていることを知つた組合側は、直ちに区長らに対して右募集についての交渉を開始し、組合側の指示のない者に対して隠密裡に願書を交付することのないように申し入れた。区長らは、これに対して職場で有資格者に説得を試みることはあるが無理な受験勧誘をするなど積極的な切り崩しや前回(昭和四〇年一二月九日)特別機関区において当局側が行 付することのないように申し入れた。区長らは、これに対して職場で有資格者に説得を試みることはあるが無理な受験勧誘をするなど積極的な切り崩しや前回(昭和四〇年一二月九日)特別機関区において当局側が行なつたような強引な措置はしない旨約束した。そして、受験については、あくまで資格者本人の自由意志を尊重すべき旨が双方によつて確認された。しかして、同月七日ころ、地本から支部組合に対して今回の受験は一切拒否する旨の指令が伝えられたため、支部組合側は、同月八日ころ区長に対して再び交渉し、組合の右方針に反して受験希望者が出た場合は、願書締切日である同月一一日その氏名を教えて欲しいと申し込み、区長も一応これを了承したので、追分支部委員長P9らは、同月一二日(願書締切日が一日延びていた。)再び区長に対して受験希望者名を教えて欲しい旨申し入れた。しかし、区長は、願書を提出した者は若干名いるが、今回の入園問題については札鉄管理局と地本との間で現在行なわれている交渉が進展する余地もあるので右氏名を明らかにするのは同月一七日まで待つて欲しい旨回答した。 2 しかして、P7区長は、同月一五日ころ札鉄管理局の総務部、運転部の各課長と相談した結果、そのころ同区長から受験を勧められ、また自らも受験を希望しているP5、P6の両名を同月一七日乗務途中でそれぞれ検査助役P10、整備助役P11と交代のうえ下車させて札幌の受験場へ送ることを決め、同月一六日両名にその旨を伝えた。区長は、右の方法により組合側から当然激しい抗議行動を受けることを予想したので、同日朝点呼の際同機関区の助役全員に対して右趣旨を伝えるとともに、組合側の抗議等に備えて翌一七日は待機すべきことを指示し、また、同日夕刻から一八日朝までの間は三名の、その後は一〇名の公安職員を同機関区に待機させるべく手配した。 一 して右趣旨を伝えるとともに、組合側の抗議等に備えて翌一七日は待機すべきことを指示し、また、同日夕刻から一八日朝までの間は三名の、その後は一〇名の公安職員を同機関区に待機させるべく手配した。 一方、組合側は、P9委員長を中心に同月一六、一七日の両日にかけて数回に亘つて区長らと願書提出者を受験させないよう交渉すると共にその氏名を明らかにするよう申し入れたが、区長らはこれを明らかにしなかった。しかし、そのころになると、組合役員らは、態度の曖昧なP5、P6ら数名の者が、あるいは受験するのではないかとの推測を深め、両名に対して問い質したところ、両名とも確たる回答はしなかつたが、同月一七日に至り、乗務直前それぞれP18らに対して乗務後にもう一度話し合うことを約束して追分機関区を出発していつた。しかし、当局側は右両名の受験意思を改めて確認した上当初の予定どおり両名を乗務途中でP11及びP10の両助役と交代させ、札幌に赴かせた。 3 一方、追分支部組合員らは、P5らを乗務終了後直ちに説得すべく追分駅ホームで待機していたが、午後八時四〇分頃P5が前記のようにP11助役と乗務を交代し受験のため札幌へ赴いたことを知り、かかる措置は強行なやり方をしないとの区長の前記約束に反するものであると憤慨し、区長らに対して直ちに抗議と責任を行なうことを決め、区長ら当局側の者(区長のほか、P8、P27、P11、P28、P17、P12、P29の各助役)を呼出し、同日午後九時二五分ころから日頃団体交渉に使用されている区長室において、組合側の者約二〇名(P9委員長、P18副委員長、P25書記長、P26地本副委員長、P30乗務員会長、P31同副会長申請人P1、P2らのほか支部青年部の役員、その他一般組合員)が参集し、中央のテーブル(約四平方メートル)を挟み、P9、P18、P25 5書記長、P26地本副委員長、P30乗務員会長、P31同副会長申請人P1、P2らのほか支部青年部の役員、その他一般組合員)が参集し、中央のテーブル(約四平方メートル)を挟み、P9、P18、P25ら組合役員と区長らとが向い合つて座り、申請人P1、同P2は区長らに近い座に座り、その他の組合員はそのまわりをとり囲む形となつて交渉が開始された。なお、そのころ、P6もP5と同様乗務途中でP10助役と交代して受験のため札幌に赴いた旨の連絡が入つていた。 4 席に着くや、P9がまず最初に「区長酷いことをやつてくれたな、追分の町をメチヤクチヤにするのか」、「P6の奥さんが組合にP6の受験をやめさせてくれと泣いて頼んだ、俺は、あれほど区長に受験をやめろと言つたのに、こんなことをしてしまつて、責任はどうする」と発言し、続いて他の組合員らも同調して口々に区長に対し「嘘つき、馬鹿野郎追分の特殊性(追分町民には国鉄職員が多く、互に連帯感が強いこと)を知つているか、労組の言うことを聞かないと村八分になるぞ」などと罵声を浴びせ始めた。申請人P1も、時にはテーブルを叩きながら「おい、P7、卑怯者、馬鹿者、それでも血の通つた人間か、貴様みたいな奴はくたばつてしまえ」「家族は自殺するかもしれないのだぞ」「助役も助役だ、無能な助役ども」などと発言した。そして、組合側は、区長らに対してP11助役の常務交代は、区長が数日前組合に約束した「強引なやり方はしない」との趣旨に反するものであり、またP11助役のような路線の状況にうとい者を突然交代乗務に就かせることは、当局の日頃強調する運転保安に反するのではないかと激しい抗議と責任追及を始めた。 区長らは、右の措置はすべて札鉄当局の命令に従つたものであり、また本人の意思を確認の上常務交代し本人の希望に従つて受験に赴かしたもので、受験を強 安に反するのではないかと激しい抗議と責任追及を始めた。 区長らは、右の措置はすべて札鉄当局の命令に従つたものであり、また本人の意思を確認の上常務交代し本人の希望に従つて受験に赴かしたもので、受験を強制したことはない旨応答したが、組合側は納得しなかつた。そして、P9がP6らの家族にこのことを知らせてあるのか問い質したのに対して区長が知らせていない旨答えたため、更に室区は騒然として組合員らの抗議も強まつた。そして、組合側は、ともかくP5らに会つて本人の意思を確認したいので、両名に会わせて欲しい旨強硬に要求した。その中で申請人P1は、「P6の家族ではP6が受験することで離婚話まで出ているのを知つているのか、P6を連れ戻せ、局へ電話しろ」「くたばれ鬼、お前らを村八分にするぞ」などと発言し、更に申請人P1、P2は、それぞれテーブルを叩きながら「こんな計画、誰がした」と発言するに至つた。当局はこれに対し、検討するため休憩を申し入れたので組合側はこれを容れて午前一〇時一〇分ころ組合事務所へ引揚げた。 5 休憩中、P9ら組合役員は、協議した結果、P5らの意思を変えることは殆んど期待できないが、ともかく、一度会って説得を試みることで組合側としては事態に収拾をつけることとした。一方、区長らは、札鉄管理局からの連絡により、P6らが札幌に着いたことを知つたが、組合側がP6の家族のことを強調することなどから、とりあえず組合側にP6の家族を会わせることにし、約二〇分後に再会された席上でその旨を組合側に伝えた。しかし、組合側は、本人に会わせることを要求して譲らず、当局側と押し問答を繰り返したが、その間も先刻の交渉の場でなされたと同様組合員から激しい非難、抗議の発言がなされ、申請人P1も区長に対して「手前の言うことなんかあてにならない。死んでしまえ」などと発言した。と し問答を繰り返したが、その間も先刻の交渉の場でなされたと同様組合員から激しい非難、抗議の発言がなされ、申請人P1も区長に対して「手前の言うことなんかあてにならない。死んでしまえ」などと発言した。ところで、午後一〇時四五分ころに至り、札鉄管理局P24機関車課長から区長室に追分機関区の様子を尋ねた電話がかかり、P8主席助役がこれを受けたのであるが、P5らと組合員を会わせることはできないとの内容であつた。電話が終ると組合員はP8に対してその内容を知らせるようはげしくつめ寄つたが、P8は組合側の強硬な態度から判断して、そのまま電話の内容を伝えると更に混乱が生ずると判断し、その場を切り抜ける手段として、組合員らに対し、「P5らの件は区長に一任するとのことであつた。」と故意に事実に反した報告をした。 6 そこで、区長らは午後一一時過ぎころ協議のため休憩を申入れ、検討した結果P17指導助役が付添の上組合側からP9委員長一人を札幌に赴かせて札鉄管理局守衛室において、P6らに面会させることとし、その旨を組合側に伝えた。そこで、P17、P9は札幌に出発した。この間申請人P2は「おいP7追分の特殊事情を知つているか、追分というところはおそろしいぞ」などと発言していた。 7 ところで、P9らが出発した後区長らは、午前○時一五分ころ、札鉄管理局のP5労働課長とP24機関車課長に意向を確かめるべく電話したところ、いずれも組合員らをP6らに会わせることはできないとの返答を受けた。 一方、P9らは、午前一時過ぎころ札鉄管理局に着いたものの、運転部からP6らとの面会を拒絶され、やむなく追分機関区へ引返すことになり、P9は、追分に残つているP26地本副委員長にその旨連絡した。 8 P9からの右報告を知った組合員ら五、六〇名は、早速区長室へ詰めかけ、P26地本副委員長、P2 やむなく追分機関区へ引返すことになり、P9は、追分に残つているP26地本副委員長にその旨連絡した。 8 P9からの右報告を知った組合員ら五、六〇名は、早速区長室へ詰めかけ、P26地本副委員長、P25書記長ら残つた組合役員らを中心として区長らに対し組合側をだましたとして激しく抗議し、午前二時三〇分ころからは札幌から戻つたP9も加わつてきびしい言葉で非難を浴びせ責任を追及したが、これに対する当局側の回答は明確さを欠き「結果的にはそうなつたが、初めから騙していたわけではない、局の了解はとつていなかつたが、後で電話をすれば会わしてもらえると思つていたが、判断が甘かつたとか」、「P8助役が電話を聞き違えた」と説明したが、組合側は納得せず、その場は混乱の度を加えていつた。しかして、午前三時ころP5らの家族を訪ねに出掛けていたP32、P31の両組合員が帰つてきて右家族が不在であつたと報告した。組合員らは、当局側が右家族をどこかに隠しているのではないかとの疑念も有していた上、家族が入園問題で当局や組合側の間に立たされ、苦しんだ末家出でもしたのではないかとの不安も生じたため、右報告後は専ら家族の問題に移行し、区長らに対してその居場所を明らかにするよう追及した。そして、申請人P1は、「俺達がこれ程心配しているのに、そこら辺の奴、よくも平気でいられるな、もう一度本人に聞いて家族の居場所を捜せ」「人命の問題だ」などと言いながらテーブルを叩いた。他の組合員も同様の発言をしていたが、申請人P2も区長らに対し「労働課へ電話せよ」と要求した。そこで、区長は他の助役に命じて札鉄管理局労働課へ問い合わせたところ「本人に聞いたら心配ないと言つている」との返答を受けた。しかし、組合側は、P5ら本人からの直接の返答が得られなかつたため、未だ不安を拭い切れないとして、「家族が首 管理局労働課へ問い合わせたところ「本人に聞いたら心配ないと言つている」との返答を受けた。しかし、組合側は、P5ら本人からの直接の返答が得られなかつたため、未だ不安を拭い切れないとして、「家族が首吊りでもしたらどうする」などの発言を繰り返し、結局当局側二名(P11、P28助役)と組合側二名(P33、P34)が家族を捜しに出掛けることとなり、午前三時一〇分ころ休憩に入つた。そして、区長自身も組合側から執拗に要求されてP27助役らとともに追分の派出所へ赴いて右家族の捜査を依頼した。 9 そのころ、地本では、先にP6に面会するべく札幌に出てきたP9から得た追分の状況をもとにP23書記長、P35、P36執行委員らが協議した結果追分機関区長らの措置は極めて不当であると判断し、午前三時三〇分ころ、追分にいるP26副委員長に対し電話で、区長らの責任を追求し謝罪文をとることを指示した。そこで組合側は、午前四時ころから区長らの申し入れにより再開された交渉の席でP23からの右指示に従い区長らに対し札幌でP6らに会わせなかつたこと、P6らの家族に当局側から何の連絡もなされていなかったこと及びP11助役らの交代乗務が運転保安に反することなどについて責任を追及した。しかしながら、区長らは、組合側を納得させるような応答をしなかつたため、組合員らの語調は再び激しさを加え、申請人P1、P2は、時折机を叩きながら区長に対し「P5、P6の家族がいなくなつたのに、よくも平気でいられるものだ、どこかに隠したのだろう、このろくでなし」などと、更にP8助役に対しても「首席、椅子に腰をかけているとは生意気だ、何をとぼけているのだ、お前、唖か、つんぼか、その態度はなんだ、能なし野郎、馬鹿野郎」などと発言し、他の組合員も同様の発言をした。P8助役は、「騒がしくて電話がよく聞こえなかっ ているとは生意気だ、何をとぼけているのだ、お前、唖か、つんぼか、その態度はなんだ、能なし野郎、馬鹿野郎」などと発言し、他の組合員も同様の発言をした。P8助役は、「騒がしくて電話がよく聞こえなかった」などと答えていたが組合側はやはり納得せず、更に同人を激しく追及した。その結果、P8は、「この混乱を招いた責任をとる」と言いだした。すると、申請人P1、P2ら組合員は「責任をとるとはどういうことだ」「辞めてしまえ」などの言葉を浴びせて詰問した。そして、P8は、「助役を辞める」と答え、間もなく申請人P2らから差し出された用紙に辞職届を作成し、組合側に差し出した。組合側はこれを受け取らなかつたが、しばらく押し問答の末写しをとつてから右辞職届を同助役に返した。組合側は、続いて区長らに対する追求を始め、口々に「主席助役一人に責任を負わせるのか」「お前も辞表を書け」などと発言したが、申請人P2も「お前の女房役が責任をとつてやめると言つている、お前はどうする、責任をとれ」などと区長を追及した。区長は、「そんなもの書く必要もないし、書くつもりもない」と拒否していたが、薬缶の水を飲もうとしたところ、申請人P1は、大声で「水を飲むとは不謹慎だ」と怒鳴つたので、区長はその気勢に押されて水を飲むのをやめる場面も生じた。更に、区長が「事態が納まつたら進退伺を出す」と発言すると申請人P1、P2は「今すぐ出せ」などと要求し、「首席に責任を負つかせて自分だけよい子になりたいのか、それほど出世したいのか」などと言い、更に申請人P1は「貴様みたいな奴はくたばれ」などと言いながら机を叩いた。 しかして、午前五時ころに至り、P6らの家族を捜しに出掛けていた助役らが帰り、右家族がいなかつた旨報告したので、組合側の追及は一段と激しくなつた。そして、組合側は区長に続いてP11、P10、 いた。 しかして、午前五時ころに至り、P6らの家族を捜しに出掛けていた助役らが帰り、右家族がいなかつた旨報告したので、組合側の追及は一段と激しくなつた。そして、組合側は区長に続いてP11、P10、P17、P12、P27らに対して一人づつ順番に次々に激しい言葉を使つて責任を追及したため、右助役らもやむなく「力の足りなかった自分たちにも責任がある」との発言をするに至り、区長も追求され続けた末助役らと同様の発言をするに至つた。しばらくして組合側は、P6らの家族の心当たりをもう一度捜すということになり五時過ぎ休憩に入つた。 10 右の如くP6らの家族の居場所は依然として判明しなかつたが、組合側は、この段階で事態を収拾しようと考え、午前六時ころから再び交渉が開始すると、区長らに対して休憩中に先刻の区長らの発言をもとにして作成した謝罪文に捺印するよう強硬に要求し、まず区長が続いて他の助役らもそれぞれ捺印した(但し、P27は印鑑を持ち合わせておらず、翌日捺印した。)。続いて組合側は、P6らの家族の所在を明らかにすべきこと、徹夜の交渉で疲れの出ている組合員に対して年休を与えること、なおP6らに併せるべく努力することなど要求し、当局側は、収拾に応ずることを明らかにした。かくて前夜来の交渉は終り、午前八時頃双方とも区長室を引揚げた。 11 区長、P8助役らはそのまま当日の勤務に就いたが午後一時頃になつて休暇請求者が続出したためその処理と対策にあたつたが、組合員ら三、四〇名が外勤助役らを取り囲む騒ぎが生じ、公安職員を三〇名動員してこれを排除するなど区長らは一日勤務に追われ、午後八時ころ区長とP8は帰宅した。区長は翌二月一九日激しい疲労感を覚えたため診察を受けた結果疲労の他主として慢性腸炎と診断され同日から同年三月三〇日まで入院し、P8は、二月一九日にも出勤し 追われ、午後八時ころ区長とP8は帰宅した。区長は翌二月一九日激しい疲労感を覚えたため診察を受けた結果疲労の他主として慢性腸炎と診断され同日から同年三月三〇日まで入院し、P8は、二月一九日にも出勤したが、疲労を覚え同月二八日まで自宅で休養した後診察を受け、自律神経失調症及び急性腸炎と診断されて通院加療することとなつた。 前掲証拠のうち以上の認定に反する部分は措信することができない。 二そこで、被申請人両名に対する懲戒権行使の相当性について検討する。 1 機関士養成の学園制度は、前記のとおり一定の経歴を有する機関助士のうちから被申請人が試験の方法によつて選抜し、合格した者に一定の教育を施した後被申請人の運輸業務を担当する機関士としての資格を与えるものであるから、事業経営上の必要に基づくものであり、受験資格、受験科目・方法・時期、定員など入園に関する事項は管理運営事項に該る反面機関士としての資格の有無によつて、賃金、将来への昇進等に差異が生ずることも当然予測できるから労働条件と無関係であるとはいえず、これについて組合が団体交渉を要求しても違法ということはできない。札鉄管理局もそれが本来管理運営事項に関するものであるとして、協約上の団体交渉の形式をとることはさけつつも、入園による稼働人員不足を現有人員で補うためには、組合の協力があつたため、運転部又は総務部を通じ毎年地本との間で実質的交渉により入園者の選抜に関し、古年者優先、先任順位尊重の取決めをなし、これに応じた入園者選抜を行つていて、これが慣行化していたことに徹すれば、一旦取決めがなされた以上、組合としてこれがその実行されることを強く期待するのは当然であるし、当局側としても、実行を困窮ならしめるような特段の事情がない限りこれを実行すべきものである。しかるに、本件では昭和三九年ころから順次古 としてこれがその実行されることを強く期待するのは当然であるし、当局側としても、実行を困窮ならしめるような特段の事情がない限りこれを実行すべきものである。しかるに、本件では昭和三九年ころから順次古年者が減少し先任順を尊重する必要が以前に比して少くなったとはいえ、昭和四〇年二月二三日の合意の実行につき当局側はあるときはかかる合意の存在を否定し、あるときは管理運営事項の故をもつて白紙に戻すという態度を示し、入園に関する取決め、慣行を無視し競争試験による選抜を強行しようとしたことが、組合側を本件闘争に走らせた発端となつたことは明らかである。 もつとも、機関助士の中から機関士としての適性を有する者を選抜するという学園制度本来の姿からみれば、組合側の主張する先任順による優先入園ということは、少なくとも、戦後の特殊事情により生じた古年者が減少した段階においては、年功序列的色彩が強く、それ程合理性を有する者とは思われない。この意味で、当局側がこれを是正しようとしたこと自体誤つたことではない。一方、前記事実によれば、地本は、右主張を貫くため受験希望者の意思を尊重することなく、説得に名をかりて受験資格者を組合の統制下におき、一律に受験拒否の闘争手段に訴えたものと認めざるを得ないのであつて、かかる組合側の態度にも反省すべきものがあるといわざるを得ない。しかし、当局側としては、とにかく長年にわたつて慣行化し、しかも一旦当面の当局側責任者と組合との間で取決めまでした事項を白紙に戻すためには、組合側に対し十分な了解を求めるなどそれ相当の手段を踏むべきであるのに、前記のような一方的態度で臨んだため、これが組合側の入園闘争を誘発する大きな原因となつたことは否定することができない。この間の事情は、本件免職の努力を判断するにあたつて、無視することができないものというべ ような一方的態度で臨んだため、これが組合側の入園闘争を誘発する大きな原因となつたことは否定することができない。この間の事情は、本件免職の努力を判断するにあたつて、無視することができないものというべきである。 2 ところで、前記認定によれば、二月一七日から一八日にかけての組合側の抗議行動の中で申請人両名の言動は参集した他の一般組合員に比べると激しいものであり、節度を欠いたものがあると認められてもやむを得ないものがある。従つて、その原因が何であるにせよ、申請人両名の行為が懲戒事由を定めた被申請人の就業規則(成立に争いのない乙第二三号証の一)六六条一七号にいう「職員として著しく不都合な行為」に該当するものであることは、敢えて多言を要しないところであり、申請人両名が何らかの懲戒処分を受けるのもまた当然であるといわなければならない。 3 しかしながら、申請人両名が参加した区長らに対する組合側の抗議は徹夜に及んだとはいえ、その間当局側の申出により数度休憩の時間が挟まれ、その都度組合員らは組合事務所へ引揚げており、従つて、外部との連絡も自由な状態にあつたと認められるばかりでなく、区長が予め待機させることを考慮していた公安職員に対してなんらかの具体的要請をしたことを認めるに足る疎明もないから、結局組合側の抗議行動の雰囲気も極度に緊迫していたとまでは認められない。また、前記事実によれば、当夜の組合側の抗議行動は全般的にみる限りP9追分支部委員長ら支部組合三役、地本からオルグとして派遣されたP26地本副委員長ら組合幹部を中心としてその指導により行なわれたものであつて、申請人両名の言動も他の一般組合員同様その場の雰囲気に同調し、概ねP9ら幹部の行動に追随したに過ぎないものということができ、ただ、たまたま両名が当局側の者に最も近い位置に座していたことにより、 て、申請人両名の言動も他の一般組合員同様その場の雰囲気に同調し、概ねP9ら幹部の行動に追随したに過ぎないものということができ、ただ、たまたま両名が当局側の者に最も近い位置に座していたことにより、その存在が他の一般組合員より注目をひいたものと推測することができる。 一方、当日の右抗議行動の直接の発端は当局がP5、P6両名を乗務途中で交代させ組合が反対する受験に赴かしめたということにあることは明らかであるが、これは当局側が組合との取決めにもかかわらず入園試験を強行しようとする態度のあらわれであり、また、当日のP8助役のその場しのぎ的な判断により予め徒労に終ることを知りながらP9らを札幌まで赴かせたこと及びその後の区長らの示した曖昧な言動が組合側の抗議を大きくしたものと認められ、区長らにかかる不手際がなければ、或いは抗議行動がかくも長時間にわたらず、また、辞職届、謝罪文の作成という異例の事態を招かなかつたであろうと推測することさえできるのである。もつとも、区長及びP8助役は右抗議行動を受けた後入院又は通院しているが、右両名は抗議行動の終つた一八日午前八時ころから終日勤務し、年休処理に忙殺されていたのであるから、これによる疲労蓄積も考えられ、右入院等の責を申請人両名にのみ負わせるのは相当ではない。 更に、申請人両名の場合は後記認定のように列車運行に影響を及ぼすような闘争を指導した申請人P4とは異なり、その行為が直接被申請人の業務運営に著しい対外的支障を与えたものと認むべき資料もない。 4 以上の諸事情を考えると、被申請人が懲戒権の行使として免職を選択することは、自己の非を顧ることなく、いたずらに申請人両名のみを責めることに帰し、その行為の態様等からみて均衡を失した処分といわざるを得ないから、申請人両名に対する本件免職は懲戒権の濫用として無効 することは、自己の非を顧ることなく、いたずらに申請人両名のみを責めることに帰し、その行為の態様等からみて均衡を失した処分といわざるを得ないから、申請人両名に対する本件免職は懲戒権の濫用として無効であるといわざるを得ない。 第四申請人P3、同P4の申請に対する判断一当事者間に争いのない事実及び成立に争いのない乙第一九、二一、三一、四二、四三、五八、六二号証第六五号証の二、三、第六八ないし七二号証、証人P37の証言により真正に成立したものと認められる乙第二二号証の二、証人P38の証言により真正に成立したものと認められる乙第二二号証の四、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる乙第二二号証の一、三、五ないし一七、第二五、二六号証、第三二ないし三七号証、第三八号証の一ないし九、第三九ないし四一号証、第四四ないし四六号証、第四七号証の一、二、第四八ないし五二号証、第五四ないし五七号証、第五九、六○号証、第六一号証の一、二、第六三、六四号証、第六五号証の一、第六六、六七号証、第七号証の一ないし一七、証人P39、P40、P37、P38の証言、申請人P3、P4の本人尋問の結果によれば、以下の事実が疎明される。 1 札幌地本は被申請人が札幌地本との取決めにより慣行化していた先任者優先による学園入園の方法を一方的に改め、通常の競争試験を採用するに至つたとして、これに対する抗議のための行動を傘下各支部に行なわせる目的で闘争指令(事実摘示第三の四の1)を発したもので、これを受けた岩見沢支部では昭和四一年二月一六日執行委員長代行(副執行委員長)P39、書記長申請人P4その他執行委員により構成される執行委員会が同支部も右指令に従つて闘争を行うことを決定し、以後連日右指令の具体的実施方法、当局側からの分裂工作に対する対策等を討譲した後集会を開きその結 長申請人P4その他執行委員により構成される執行委員会が同支部も右指令に従つて闘争を行うことを決定し、以後連日右指令の具体的実施方法、当局側からの分裂工作に対する対策等を討譲した後集会を開きその結果を支部所属組合員に伝達してこれを実行させて組合員の闘争を指導した。この闘争は以後同年三月七日まで続けられたが、この間同支部の指導の下に行なわれた行動は次のとおりである。 (一) 勤務中の組合員が「団結」と書かれた鉢巻、「動力車岩見沢支部」と書かれた腕章を着用した。 (二) 組合員は同年二月二一日から同月二六日まで平常、平均時速二○キロメートルの速度で行なわれている岩見沢駅構内の車両入換作業を平均時速五キロメートルで行なつた。この間支部組合幹部は組合員による入換作業を看視していたこともあつた。このため、右期間入換作業が遅れ貨車の組成ができなくなり未仕訳車を出すなど次のような列車運行上の支障が生じた。 二月一九日未仕訳貨車一一九両二○日一○便の本屋操車場間小運送中止二一日未仕訳貨車一○両二二日未仕訳貨車一○六両二三日未仕訳貨車八一両二七二列車の後方増車両函館二○両増結予定中止二六日未仕訳貨車四両岩見沢機関区で仕訳作業が進まないため七七二列車美唄駅にて三五両残し四両のみで岩見沢駅に到着一六六列車を未仕訳車のまま三二七八列車に継送して発車させた。 (三) 被申請人主張のような申請人が参加した無許可の集会(事実摘示第三の四の2の(一)の(3)の(イ)ないし(へ)が岩三沢機間区乗務員詰所、同詰所前及び講習室において開かれた。また、同年二月一九日講習室での集会終了後、組合員約七○名が運転助役室に入りP13助役をとりかこみ同助役が前日自宅待機を命ぜられ出勤しなかつたこと、同助役のとつた勤務変更の措置が不当であつたこと等を取上げて机を叩 九日講習室での集会終了後、組合員約七○名が運転助役室に入りP13助役をとりかこみ同助役が前日自宅待機を命ぜられ出勤しなかつたこと、同助役のとつた勤務変更の措置が不当であつたこと等を取上げて机を叩く等して大声で非難し、吊上げを行つた。 (四) 二月一八日から三月七日までの間、少なくとも、別表一記載の数以上の組合員が年次有給休暇、祝日代休、年末年始特別休暇、祭日休暇(以下総称して「有給休暇」という。)を請求したが、右請求に際し一組合員に数名くらいの組合員がつきそい、担当助役が業務上の支障を理由に右請求の一部を拒否すると、つきそいの組合員が長時間にわたつて助役に抗議した。岩見沢機関区当局は、集中的に数多くなされた右の有給休暇請求について、その拒否を決める資料とするため二月二○日以降病気を理由として右請求をする者に対して診断書を要求し、更に同月二四日以降被申請人の指定する医師の診断書の提出を要求した。これに対し組合は、有給休暇請求に理由を述べさせたり資料の提出を求めたりすることは不当であるとして、多数の組合員を動員して抗議し、また、同月二○日以降の請求者の多くは組合の指示により診断書を添付して病気を理由に有給休暇請求をしたため、担当助役としても、結局右請求を全部承認せざるを得なかつた。この結果右請求に対して岩見沢機関区当局として承認を与えた数は別表一記載のとおりであるが連日多数の休暇者が出たため、当局においては、代替要員の手配ができなくなり二月二五日から同月二七日までの三日間貨物列車一一本(運休距離三○八・三キロメートル以上)を運休させざるを得なかつた。 (五) 組合幹部を含む組合員約二、三○名が同年二月二○日代替乗務員P14を、同月二一日代替乗務員P16を取囲み「こんなのが機関士で乗るのではとても危くて乗れない。」「ターピンのつけ方もわから た。 (五) 組合幹部を含む組合員約二、三○名が同年二月二○日代替乗務員P14を、同月二一日代替乗務員P16を取囲み「こんなのが機関士で乗るのではとても危くて乗れない。」「ターピンのつけ方もわからない者と一緒に乗務できない。」等と口々に野次ついていやがらせをした。 (六) 二月二一日入換仕業五番及び二二日入換仕業八番の岩見沢駅構内の入換作業中の機関車に組合の規制する速度で作業するため許可なく組合員が乗込み、被申請人に無断で所定の機関士と交代した。 (七) 組合は、二月一八日から同月二二日まで及び同月二八日に被申請人の許可を受けることなく岩見沢機関区乗務員詰所内に冒頭に述べた順法闘争等の内容等を記載した掲示類を掲出した。 2 申請人P4は、支部書記長として本件闘争全般の指導にあたつた。すなわち、同申請人は執行委員会の決定に参画しただけでなく、組合員に対し地本指令を忠実に実行させるべくその伝達にあたり、所定日数の有給休暇を消化しないでいながらこれを請求しようとしない個々の組合員に対して右指令の趣旨にそつてこれを請求すべき旨説得し、有給休暇を申請する組合員に同道して担当助役に対し右請求を承認すべきことを強く迫り、担当助役が病気を理由とする休暇申請者に診断書の提出を要求したことを不当しとて再三抗議し、また、前記1の(三)記載の無許可集会に参加し、三月六日の乗務員詰所内外での集会で「当局が講習室の使用を邪魔し、われわれの集会を妨げた。」旨演説し、同日行なわれたP13助役に対する抗議行動においては中心的役割を果し、更に前記の1の(五)に記載の代替乗務員P14にするいやがらせにも参加し吊上げ行為を行つた。 更に、同申請人は、二月二○日「高血圧症、二月二一日、二二日の両日休業加療を要する」旨及び同月二四日には「急性腸炎、本態性高血圧症、二月二三日から一週 にするいやがらせにも参加し吊上げ行為を行つた。 更に、同申請人は、二月二○日「高血圧症、二月二一日、二二日の両日休業加療を要する」旨及び同月二四日には「急性腸炎、本態性高血圧症、二月二三日から一週間安静加療を要する。」旨の病気欠勤の届をなし、同月二一日から三月一日までの間有給の欠勤扱いを受けたのに右有給欠勤扱いの趣旨に反し療養につとめず、その期間中書記長として前記1の(一)ないし(七)の行動を指導し、かつ(二)、(六)及び(五)の一部の行動を除き自からもこれに参加し実行していた。 3 申請人P3は二月一六日まで支部執行委員長であつたが、同日辞任し本件闘争には一組合員として行動したが、具体的には前記1の(三)の集会に参加し、このうち三月六日おける講習室の集会に際しては、他の組合員と共に施錠してあつた同室の戸をはずして、組合員を入室させ、有給休暇請求者に同道して右請求が拒否されると担当助役に抗議し、二月一八日から三月三日まで公休を除き自らも有給休暇を請求し、そのうち二月二一日から三月二日までの間「急性喉頭気管支炎、安静加療を要する。」との診断書を提出して休暇を得たにもかかわらず本件闘争に参加していた。 前掲証拠中以上の認定に反する部分は措信することができない。 二ところで被申請人は本件免職の理由として、前記一の1の(一)ないし(七)の行為を申請人両名が指導しこれに参加した旨主張しているが、もしこれらの行為が全体として争議行為としての実体を有するとすれば、個々の行為が争議行為であること以外の理由で法令、就業規則にふれ違法性を帯びれば格別、そうでない限り結局申請人両名は争議行為を理由に解雇されたことに帰する。しかして、公労法一七条一項は公共企業体の職員及び組合に対し業務の正常な運営を阻害する一切の行為及びかかる行為を共謀し、そそのかし、あお 限り結局申請人両名は争議行為を理由に解雇されたことに帰する。しかして、公労法一七条一項は公共企業体の職員及び組合に対し業務の正常な運営を阻害する一切の行為及びかかる行為を共謀し、そそのかし、あおつたりすることを禁止しているが、申請人両名は、右規定が憲法二八条に違反して無効である旨主張するので、本件免職の適否を判断するに先立つてこの点から検討する。公労法一七条一項が右のように規定した趣旨は、公共企業体そのものを保護するというものではなく、一般に公共企業体は他の私企業に比し公共性が強く、その職員及び組合の争議行為が国民生活に重大な影響を及ぼすおそれが多いことに由来するものと解され、かかる趣旨に立脚する限り右規定そのものを直ちに遺憾であるとなすことはできない(最高裁判所昭和二六年(あ)第一六八八号同三○年六月二二日大法廷判決。)しかし、右の趣旨はあくまでも一般論であつて、ひとえに公共企業体といつてもその公共性には強弱の差があり、どの企業体においても職員又は組合が争議行為をすれば直ちに国民生活に重大な支障を及ぼすおそれがあるとは限らないし、公共性が強いとみられる企業体であつてもその争議の方法のいかんによつては国民生活にさして重大な影響を与えない場合もあり得ることは容易に推測されるところである。しかして、公共企業体の職員も憲法二八条により労働基本権を保障された労働者であるし解せられる以上、公労法一七条一項がかかる行為までをも禁じ、その違反者に対し同法一八条により解雇等の不利益処分を課することまでをも許容しているとまでは考えられない。すなわち、勤労者たる公共企業体の職員の労働基本権と国民生活全体の利益の調和との観点から考えるならば、同条にいう業務の正常な運営の阻害とは、当該企業体の職員又は組合の業務停廃を伴なう具体的行為によつて国民生活に重大な る公共企業体の職員の労働基本権と国民生活全体の利益の調和との観点から考えるならば、同条にいう業務の正常な運営の阻害とは、当該企業体の職員又は組合の業務停廃を伴なう具体的行為によつて国民生活に重大な影響がもたらされるおそれある場合を指すものと解するのが相当であり、従つて、かかる行為が同条によつて禁ぜられている争議行為であるということができるのである。 三本件入園闘争のうち組合が特に闘争の中心として推進したのはその行為の態様からみて被申請人の業務を停廃させる目的の下になされた前記一の(二)の入換速度規制闘争及び(四)有給休暇闘争であると推察することができる。そこで、本件闘争におけるこれらの業務停廃を生ずべき行為と公労法一七条の関係について検討を進める。 1 成立に争いのない乙第八四号証の被申請人運転取扱基準規程六九条によれば、機関士が車両入換するときの速度(時速)につき機関車のみのとき四五キロメートル以下、旅客が乗込んでいる車両により貨物車を入換するとき一五キロメートル以下、それ以外の場合二五キロメートル以下と定められていることが認められるが、右規定は安全の見地から各種の場合における入換速度の最高限を規制したもので、右規制をこえない限度でいかなる速度で入換作業を行うべきかは各機関区の実情に応じて定むべきことが許容されているものと解すべきところ、岩見沢機関区では前記のとおり平常右規制の範囲内の速度である二○キロメートル以下で機関車の入換作業が行なわれており、右速度による作業のため特に事故が発生したとか、その危険があると認むべき疎明もないから、平常時における二○キロメートルの速度は適正なものであると認めて差支えない。しかして、組合の指導下になされた入換速度規制闘争の結果岩見沢駅では貨車の仕訳が遅れ、貨物の輸送業務に支障を来したことは既に認 時における二○キロメートルの速度は適正なものであると認めて差支えない。しかして、組合の指導下になされた入換速度規制闘争の結果岩見沢駅では貨車の仕訳が遅れ、貨物の輸送業務に支障を来したことは既に認定したとおりであるが、貨物輸送は全国的規模を有する被申請人の重要業務のひとつであるから、これに支障を及ぼすような業務停廃行為は国民生活に対し重大な影響を及ぼすおそれがある行為というべきであり、組合の指導下になされた前記入換速度規制闘争は、岩見沢機関内において運転基準取扱規程の定めに従つてなされている平常の入換速度に明白に反する怠業行為であるから、これによつて前記のような支障が発生した以上、これを公労法一七条一項により禁止された争議行為と認めて差支えないものというべきである。もつとも、成立に争いのない甲第二号証によれば、同機関区作成の入換機関車乗務員作業指針によれば、同機関区では同駅操東仕業入換引上げの速度及び操北第一仕業における操北第一信号所地点での速度に関しては一○キロメートル以下と定めており、平常これに従つて入換作業がさなれていることが認められるが、地点のいかんを問わず一律に五キロメートル以下速度規制をするならば、これは、闘争行為と認められる状況に至つているものといわざるを得ない。 2 次に有給休暇闘争についても、前記のような大量の集中的な休暇申請は、これにより列車業務に支障を与える目的でなされたものであることは明らかであり、しかもその結果前記のとおり運休貨物列車まで生ぜしめ、貨物輸送業務に支障を及ぼしたのであるから、右闘争も公労法一七条一項により禁ぜられた争議行為というべきである。もつとも、前記乙第二二号証の一ないし一七、証人P39、P40の証言によれば、本件の場合、使用者の承認の有無にかかわらず請求者がいつせいに休暇をとるいわゆるいつ 禁ぜられた争議行為というべきである。もつとも、前記乙第二二号証の一ないし一七、証人P39、P40の証言によれば、本件の場合、使用者の承認の有無にかかわらず請求者がいつせいに休暇をとるいわゆるいつせい休暇戦術とは異なり、休暇請求に対し承認を得られなかつた者は若干の例外を除いては殆ど乗務していることが疎明されるが、このように、当局側が右休暇請求を承認している以上、休暇者多数により運休列車が出たとしても、これと休暇請求との間に因果関係がないのではないかとの疑問が生ずる。しかし、本件闘争では、前記のとおり組合としては列車業務に支障を与える目的でできるだけ多くの休暇承認者を得るべく二月二○日以降は殆ど全員に病気を理由に休暇請求をさせているが、前掲乙第四四ないし四六号証により疎明される昭和三九年ないし四一年における毎年二月の休暇使用実績の比較は別表二のとおりであり、厳寒期であることを考慮に入れても、昭和四一年に限つてかかる大量の職員が罹病するとは常識上考えられないところであるし、現に前掲乙第二二号証の二、四、八、一五によれば、休暇請求が不承認となつたのに乗務を拒否した者のほか、申請人両名のように休暇承認を得ながら本件闘争に参加し組合活動をしているところを現認されている者もいることが疎明されることからみても、右請求の大部分は闘争の目的を秘匿した虚偽請求と認めざるを得ない。しかし、担当助役としてはかかる虚偽請求であつても病気を理由とされる以上直ちにその真偽の判別はつきがたいし、かつ前記のように一人の組合員に数名の組合員がつきそつて長時間にわたり承認を迫られるので、結局病気を理由とする請求を全部承認せざるを得なかつたものである。 そして、かかる事情によつて列車運行業務に支障が生じたものと認めるべきであるから、これと組合の指導下になされた有給休暇請求との るので、結局病気を理由とする請求を全部承認せざるを得なかつたものである。 そして、かかる事情によつて列車運行業務に支障が生じたものと認めるべきであるから、これと組合の指導下になされた有給休暇請求との間に因果関係が存するものということができる。 申請人両名はいかなる目的に有給休暇を利用するもそれは労働者の自由であることを理由に使用者が労働者に対し休暇請求の理由を示すことを求めることは許されない旨主張する。しかし、申請人両名のような公共企業体職員が有給休暇を違法な争議行為に利用することが許されないのはいうまでもないことであつて、被申請人はかかる目的の下になされた休暇請求に対しては時季変更権を行使することなくこれを拒否できるものと解すべきところ、前記事実関係によれば、支部組合員による前記有給休暇申請は業務停廃を目的とするものでこれを認めれば被申請人の列車運行業務に支障を生じることが当然予測できる事態であつたから、被申請人としても右請求の許否を決する資料として病気を理由とするものについて診断書を要求することはなんら違法ではないし、その際、信頼度の高い診断書を得るため特定の医師を指定することもゆるされるものというべきである。 3 以上のとおり本件闘争の中心となつた入換速度規制闘争及び有給休暇闘争がいずれも公労法一七条一項により禁ぜられた争議行為と認められる以上、本件闘争も全体として違法な討議行為として評価され、被申請人がその行為者に対し、国鉄法、就業規則を適用し懲戒権を行使することは許されるものというべきである。もつとも、申請人両名は公労法一七条一項違反者に対しては懲戒処分に関する国鉄法及び就業規則の適用なく、同法一八条による解雇をすることのみが許される旨主張する。しかし、右一八条は一七条違反の争議行為者について各種身分保障に関する規定にかかわ 者に対しては懲戒処分に関する国鉄法及び就業規則の適用なく、同法一八条による解雇をすることのみが許される旨主張する。しかし、右一八条は一七条違反の争議行為者について各種身分保障に関する規定にかかわらず解雇してもこれら諸規定に反しないことを意味するものであり、使用者が違反者に対していかなる措置をとるかについてはその合理的裁量に委ねたものと解すべきであるから、右違法争議行為の態様、対外的影響等諸般の事情からみてそれが懲戒事由を定めた国鉄法及び就業規則にも該当すると認められる場合には使用者はこれに対し懲戒権を行使することが許されると解するのが相当である。 よつて、申請人両名の右主張は採用の限りではない。 四そこで、被申請人の申請人両名に対する懲戒権行使の相当性について検討する。 1 前記のとおり、入園問題についても組合として団体交渉を求め得るとすれば、法の許容する限度で団体行動をすることもまた違法ということはできない。しかし、入園問題はあくまで被申請人内部の固有の問題であり、本来被申請人の労使がその責任において解決すべき事項に属するから、これをめぐり組合側が違法な闘争をなし、これにより、列車運行に支障をもたらし、第三者たる国民にまで影響を及ぼすことは許されないものというべきである。申請人P2、P4に対する本件免職の効力を判断するにあたつては、その行為の態様からみて、申請人P1、P2について述べた前記第三の二の1に述べた事情のほかこの点をも考慮に入れなければならない。すなわち、対外的影響の少ない単なる内部規律違反、内部的業務支障、施設管理権の侵害等のみを理由に重い懲戒権を行使することは前記のような入園をめぐる紛争の責任を一方的に組合側に押付けることになり許されないが、紛争が列車運行に支障をもたらし、対外的にも重大な影響を及ぼすに至つた場合につい を理由に重い懲戒権を行使することは前記のような入園をめぐる紛争の責任を一方的に組合側に押付けることになり許されないが、紛争が列車運行に支障をもたらし、対外的にも重大な影響を及ぼすに至つた場合についての責任は看過し得ず、ただその場合でも行為者の役割に応じてその責任の軽重を論ずべきである。 2 このことを前提に、申請人両名が前記認定の諸行為を指導し、自らこれを行なつたことが懲戒事由を定めた就業規則六六条一七号にいう「著しく不都合な行為」に該当し、かつ懲戒免職に値するかどうかについての考察を進める。前記の一の1の(一)の腕章、鉢巻の着用及びその指導については、労働組合が闘争時にその主張貫徹の意思表明の方法として腕章、鉢巻を所属組合員に着用させることは通常のことであるし、本件においてはそのこと自体によりなんら被申請人の業務が影響されたものでないこと及び組合員の大部分が主として貨物列車に乗務する機関士等で一般乗客に接する業務に従事しているわけではないら第三者に与える感情についてはさして考慮しなくてもよいことなどを考えると、右腕章、鉢巻の着用は、職員服務規程(成立に争いいのない乙第二四号証の一、二)九条「服制の定めのある職員は、定められた服装を整えて作業しなければならない」との規定及び安全の確保に関する規定(前掲乙第八四号証)一四条「従業員は定められた服装を整えて作業しなければならない」との規定にふれるとはいえ、前記懲戒事由にいう「著しく不都合な行為」には該当しないものというべきである。1の(三)の行為のうち業務員詰所及び講習室における無許可集会の指導及び参加並びに三月六日の紹介の際の施錠した戸のとりはずし行為は被申請人の施設管理権を侵害するものといわざるを得ない。もつとも、証人P39、P40の証言及び申請人両名の本人尋問の結果によれば、平常時 び参加並びに三月六日の紹介の際の施錠した戸のとりはずし行為は被申請人の施設管理権を侵害するものといわざるを得ない。もつとも、証人P39、P40の証言及び申請人両名の本人尋問の結果によれば、平常時は被申請人も特段の業務上の支障がない限り組合が集会のため講習室を使用することを許可していたが本件闘争が始まるや急拠その使用を認めない態度に出たためやむなく組合が集会のため右のような無許可使用の挙に出たものであることが疎明されるから、被申請人の態度も闘争対策の感は免れないが、組合は当初から本件闘争の中心として、前記のとおり公労法により禁ぜられている紛争行為と認められる入換速度規制闘争及び有給休暇闘争を企画し、これを実行していたのであるから、かかる違法行為を企図する組合に対し申請人が集会のための施設の利用を許可しなかつたからといつて、被申請人を強く非難することはできない。従つて、かかる集会を主催し、参加し、かつ集会において指導的立場にあつた組合書記長である申請人P4及び右集会に参加し、かつ講習室の施錠した戸をとりはずした申請人P3が懲戒事由にいう「著しく不都合な行為」をしたものと認められてもやむを得ない。しかし、右集会によつて直接列車運行に支障を生じなかつたことは推測できるし、他に被申請人の業務を具体的に阻害したか否かについてはこれを認むべき資料はなく、また、闘争時という異常事態の下にあつたことを考えれば、これのみをもつて、懲戒免職に相当するとまでは認めることはできない。(三)の行為のうちP13助役に対する抗議行動及び(五)の行為もその態様からみて懲戒事由にいう「著しく不都合な行為」に該当するとはいえ、列車運行業務上いかなる支障が生じたかは明らかでなく、これのみを取上げて懲戒免職事由に該当するとなすことはできない。(七)の無許可の掲示等も一応被申 にいう「著しく不都合な行為」に該当するとはいえ、列車運行業務上いかなる支障が生じたかは明らかでなく、これのみを取上げて懲戒免職事由に該当するとなすことはできない。(七)の無許可の掲示等も一応被申請人の施設や管理権を侵害するものであるが、平常時は被申請人も組合が所定掲示板以外の場所に組合関係物を掲示してもこれを黙認しており、闘争時において特にこれを問題視して取上げることは闘争対策の感は拭えないし、前掲乙第七三号証の一ないし一○、同号証の一七によつて認められるように、掲示内容も主として組合の主張貫徹を内容とするものである上、整備助役室裏に横断幕を張つた以外は第三者の目にふれることのない乗務員控室内部に容易にはがし得る状態でビラ類を掲示したもので、建物としての美観を著しく損なうものではないことなどほを考えると、本件における無許可掲示等もつて、懲戒事由にいう「著しく不都合な行為」に該当するとはいえない。 3 しかしながら前記の一の1の(二)の入換速度規制、これに附随してなされた(六)の組合員の機関車への無断乗込み及び(四)有給休暇闘争についてはこれによる列車連行業務への支障は前記のとおり相当広範にわたつており、一方札幌地本及び傘下組合が入園問題について主張する先任順位による選抜制度は少なくとも古年者が減少してきている段階においてはすでに述べたとおり年功序列を重んずるさして合理性を有しないものであると思われるのに、これを貫徹するため、前記のように国民生活に重大な影響を与えるおそれのある争議行為としての入換速度規制及び有給休暇闘争に訴えたことは、その有する企業の公共性からみて黙遇しがたいものがあるといわなければならない。そして、病気欠勤届が認められる有給休暇扱いを受けながら、その間かかる行為について前記のように書記長として指導的役割を果した申請 る企業の公共性からみて黙遇しがたいものがあるといわなければならない。そして、病気欠勤届が認められる有給休暇扱いを受けながら、その間かかる行為について前記のように書記長として指導的役割を果した申請人P4の責任は重大であり、その行為は懲戒事由にいう「著しく不都合な行為」に該当し、かつ懲戒免職に値するものといわなければならない。また、病気欠勤届が認められ有給休暇の扱いを受けながら、その間有給休暇闘争に参加した申請人P3も同様右懲戒事由に該当するものといわなければならないが、同申請人は前記のように本件闘争開始直前に支部委員長を解任され一組合員として参加したに過ぎず、特に指導的役割にあつたと認むべき疎明が存しない以上、既に認定した無許可集会への参加等の事実を考慮に入れても、解雇としての懲戒責任を追求するには重きに失するものと認めざるを得ないから、同人に対する本件免職は懲戒権の行使を謝ったものとして無効とすべきである。 4 なお、申請人P4は本件免職が不当労働行為である旨主張するが、既に述べたことから明らかなように、本件闘争における同申請人の行為は正当な組合活動と認めることはできないから、これを理由とする本件免職は不当労働行為ではない。他に、被申請人が同申請人を組合活動の故に嫌悪して本件免職に及んだものと認むべき資料もない。 第五本件仮処分の必要性そこで、申請人P1、P2、P3について本件仮処分の必要性について判断するに、申請人P1、P2、P3の各本人尋問の結果及び弁論の前趣旨によると、右申請人らはいずれも従前被申請人から支払われる賃金により生計をたてていたところ、本件免職処分により被申請人からの賃金の支給を受けられなくなつたほか、従前の仕事につくことができないため、以後現在に至るまでやむなく専従の身で動労の組合業務に従事していることが認め てていたところ、本件免職処分により被申請人からの賃金の支給を受けられなくなつたほか、従前の仕事につくことができないため、以後現在に至るまでやむなく専従の身で動労の組合業務に従事していることが認められるところ、本件免職処分後右申請人らがいずれも勤労から犠牲者救済規制に基づいて見舞金三○万円を支給され、本来被申請人から毎月支給を受ける給料と同額の金員を支給されており、また右救済規制によれば昇給及び給与改定分も含めて被申請人の職員と同様に取扱われることになつていること、その他裁判費用も全額援助されるほか右処分により失つた福利厚生上の補償を受けていることは当事者に争いがない。しかしながら他方、右証拠に成立に争いのない乙第一、三号証を加えると、右救済規則による毎月の支給は、右申請人らが復職または再就職するまでの間行なわれるものとされ、本案において勝訴し、申請人らが再び被申請人より賃金の支給を受るようになつた場合は払戻をすべき暫定的、臨時的な制度であることが認められるから、申請人らが右のような金員の支給を受けているとの一事をもつて、本件仮処分申請の必要性が欠けるものと断ずることは相当でない。 第六結論よつて、申請人らが被申請人らに対し雇傭契約上の地位にあることを仮に定めることを求める本件仮処分申請のうち、申請人P1、P2、P3の申請は、理由があるので、事案の性質に鑑み無保証で、これを認容するが、申請人P4の申請は理由がなく、また、保証をもつて疎明に代えることも相当でないのでこれを棄却することとし、申請費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。 <17916-001> とおり判決する。 <17916-001>
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