平成30年12月21日宣告号,同第482号,同第483号,同第606号,同第607号判決 主文 被告人甲を懲役5年に,被告人乙を懲役6年に,被告人丙を懲役5年に処する。 未決勾留日数中,被告人甲に対しては150日を,被告人乙及び被告人丙に対しては各80日を,それぞれその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人3名は,第1 A及びBと共謀の上 1 平成29年11月27日午前0時28分頃から同日午前0時38分頃までの間に,北海道a郡b町c町・・・番地付近路上において,同所に駐車中の自動車前部から,C株式会社代表取締役D管理のナンバープレート1枚(時価約860円相当)を窃取し 2 前記日時頃,同郡b町d町・・・号「eアパート」敷地内において,同所に駐車中の自動車前部から,E管理のナンバープレート1枚(時価約860円相当)を窃取し第2 F,G,H,前記A及び前記Bと共謀の上,北海道f郡g町・・・番地I方に侵入して金品を強奪しようと企て,同日午前2時8分頃,同人方玄関ドアから侵入し,その頃,同人方において,同人(当時74歳)に対し,左足等を持っていたバールで数回殴るなどの暴行を加え,同人の反抗を抑圧して金品を強奪しようとしたが,同人に抵抗されるなどしたためその目的を遂げず,その際,前記暴行により,同人に加療約2週間を要する左大腿挫創等の傷害 を負わせたものである。 (法令の適用)罰条 【被告人3名について】判示第1の1及び第1の2の各行為についてそれぞれ刑法60条,235条判示第2の行為について住居侵入の点それぞれ刑法60条,130条前段強盗致傷の点それぞれ刑法60条,240 条,235条判示第2の行為について住居侵入の点それぞれ刑法60条,130条前段強盗致傷の点それぞれ刑法60条,240条前段科刑上一罪の処理 【被告人3名について】判示第2の行為についてそれぞれ刑法54条1項後段,10条(一罪として重い強盗致傷罪の刑で処断)刑種の選択 【被告人3名について】判示第1の1及び第1の2の各罪についてそれぞれ懲役刑を選択判示第2の罪についてそれぞれ有期懲役刑を選択併合罪の処理 【被告人3名について】それぞれ刑法45条前段,47条本文,10条(最も重い判示第2の罪の刑に法定の加重)酌量減軽 【被告人甲及び被告人丙について】それぞれ刑法66条,71条,68条3号 未決勾留日数の算入 【被告人3名について】それぞれ刑法21条訴訟費用の不負担 【被告人3名について】それぞれ刑事訴訟法181条1項ただし書(量刑の理由) 1 本件犯行の悪質性等本件は,被告人3名が,他の共犯者らと共謀の上,民家への侵入強盗を企て,途中,逃走用車両に付け替えるため,駐車中の自動車2台からナンバープレート合計2枚を窃取した上,未明に民家に侵入し,家人のうち1名をバールで殴って傷害を負わせたが,財物の奪取には至らなかったという事案である。 量刑の中心となる住居侵入,強盗致傷についてみると,被告人3名及び共犯者らは,被害者宅に2億円が入った金庫があるなどの情報を得たことから,多額の現金を取得しようとして犯行を決意し,暴力団組長であるFを中心に,事前に暴力団組員以外の3名を実行役にし,実行役に対する 犯者らは,被害者宅に2億円が入った金庫があるなどの情報を得たことから,多額の現金を取得しようとして犯行を決意し,暴力団組長であるFを中心に,事前に暴力団組員以外の3名を実行役にし,実行役に対する指示内容を決める指示役やその指示を実行役に伝える連絡役といった役割分担を決めるなどし,犯行に用いるバールや結束バンド等の道具を準備した上で犯行に及んだものである。その計画には綿密さを欠く点があるものの,本件は,暴力団組織を背景とした組織的かつ計画的な犯行である。そして,実行役は,未明に玄関ドアをたたき割って,被害者宅に侵入し,バールで被害者の足を数回殴るなどの暴行を加えたものであり,犯行態様が危険かつ悪質である。被害者は,就寝中に自宅に押し入られ,いきなり上記暴行を受けたことにより,軽くない傷害を負ったほか,強い恐怖感を抱いたものであり,本件の結果は重い。 2 各被告人が本件犯行で果たした役割等被告人乙は,本件犯行において,当初の計画段階から犯行に関与し,被告人丙に対し,バール等の犯行道具の準備や実行役の手配などを指示し,自らも実行役の被告人甲を手配した上,犯行当日は,指示役の1人として,被害者宅に明か りが点いていることを認識しながら,実行役に犯行を決行させる最終決断を下したものであり,犯行全体で重要な役割を果たしたといえ,被告人3名の中ではその果たした役割は最も大きい。その上で,被告人3名及びFが強盗致傷の被害者に合計38万円を支払い,被害者が被告人らを許していること,被告人乙が事実関係を認めた上,今後は暴力団と絶縁し,二度と犯罪を行わない旨述べて反省の態度を示していること,同被告人には前科がないこと,父親が更生を支援する旨述べていることなどの事情を考慮すると,主文の刑が相当である。 次に,被告人丙は,当初の計画段階から本件 ない旨述べて反省の態度を示していること,同被告人には前科がないこと,父親が更生を支援する旨述べていることなどの事情を考慮すると,主文の刑が相当である。 次に,被告人丙は,当初の計画段階から本件犯行に関与し,被告人乙らの指示を受けて実行役のBとAを手配し,犯行道具を準備したほか,犯行当日は,指示役からの指示を実行役に伝える連絡役を務めたものであり,被告人3名の中では,被告人乙に次ぐ重要な役割を果たした。その上で,前記の示談金の支払と被害者の許しという事情のほか,被告人丙が事実関係を認めた上,暴力団と絶縁する意思を示し,二度と犯罪を繰り返さない旨述べて反省の態度を示していること,犯行時未成年であり,前科がないこと,父親が更生を支援する旨述べていることなどの事情を考慮すると,主文の刑が相当である。 被告人甲は,本件犯行の計画立案等には関与しておらず,犯行前日に実行役の1人として加わり,運転手役等を務めたものであり,自らの提案で実行役2名が逃走できる準備をし,首尾よく現場から逃走するなど相応に重要な役割を果たしたといえるが,被告人3名の中ではその果たした役割は比較的小さい。ただし,被告人甲は,窃盗罪等の複数の前科を有し,平成24年11月に刑務所を出所した後,5年余りで本件犯行に及んだものであり,強く非難すべき事情がある。その上で,前記の示談金の支払と被害者の許しという事情のほか,被告人甲が事実関係を認めた上,今後は暴力団と関わらず,二度と犯罪を繰り返さない旨述べて反省の態度を示していること,妻が更生を支援する旨述べていることなどの事情を考慮すると,主文の刑が相当である。 (求刑被告人甲につき懲役6年,被告人乙につき懲役7年,被告人丙につき懲役 6年)平成30年12月21日札幌地方裁判所刑事第2部 裁判長裁判官 主文 と,主文の刑が相当である。 (求刑被告人甲につき懲役6年,被告人乙につき懲役7年,被告人丙につき懲役6年) 理由 平成30年12月21日札幌地方裁判所刑事第2部 裁判長裁判官中桐圭一 裁判官向井志穂 裁判官川口 寧
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