令和5(行ケ)10028 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和5年9月6日 知的財産高等裁判所 3部 判決 請求棄却
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判決文本文17,521 文字)

令和5年9月6日判決言渡 令和5年(行ケ)第10028号審決取消請求事件 口頭弁論終結日令和5年7月10日判決 原告サブ水産株式会社 同訴訟代理人弁理士小林良平 同中村泰弘 同市岡牧子 被告特許庁長官 同指定代理人飯田亜紀 同高野和行 同山田啓之 同清川恵子 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求特許庁が不服2021-13896号事件について令和5年2月14日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 ⑴ 商標登録出願(甲13) 原告は、令和2年11月9日、次のとおり、商標登録出願を行った(商願2020-138036号。以下「本願」という。)。 ア商標登録を受けようとする商標梅水晶(標準文字。以下「本願商標」という。) イ商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務 第29類サメ軟骨の梅肉和え、サメ軟骨及び鶏軟骨の梅肉和え、魚介類又は魚介類の加工品を主材とする惣菜、食肉又は肉製品を主材とする惣菜 ⑵ 拒絶査定等(甲39、44)本願について、令和3年1月22日付けで拒絶理由が通知され、同年3月5日付けで意見書が提出されたが、同年7月8日付けで拒絶 食肉又は肉製品を主材とする惣菜⑵ 拒絶査定等(甲39、44)本願について、令和3年1月22日付けで拒絶理由が通知され、同年3月 5日付けで意見書が提出されたが、同年7月8日付けで拒絶査定(以下「本件拒絶査定」という。)がされた。 本件拒絶査定において、本願商標は、これをその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解するにとど まるというのが相当であり、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する商標のみからなるものにすぎず、商標法3条1項3号に該当し、「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」に照応する商品以外の商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法4条1項16号に該当するものであり、かつ、同法3条2項にいう「使用をされた 結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」に該当しないと判断された。 ⑶ これに対し、原告は、令和3年10月13日、拒絶査定不服審判を請求した(不服2021-13896号)。(甲48)特許庁は、令和4年9月6日付け審尋により、別紙審決書(写し)の別掲 1及び別掲2に掲げる事項を記載した上で、原告に対し、本願商標が商標法 3条1項6号に該当するとの暫定的見解を示し、意見を求めた。 原告は、同年10月24日、特許庁に回答書を提出した。 特許庁は、令和5年2月14日、「本件審判の請求は、成り立たない。」とする審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同月28日に原告に送達された。 ⑷ 原告は、令和5年3月17日、本件審決の取消しを求めて、本件訴えを提起した。 2 本件審決の理由 する審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同月28日に原告に送達された。 ⑷ 原告は、令和5年3月17日、本件審決の取消しを求めて、本件訴えを提起した。 2 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は、別紙審決書(写し)のとおりであり、その理由の要旨は次のとおりである。 「梅水晶」との文字は、辞書類に載録のある既成の語ではないから、特定の意味合いを生ずるものではないが、別紙審決書(写し)別掲1に示すように、本願の指定商品を取り扱う業界において「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」を指称する語として使用されている実情があり、かつ、同別掲2から裏付けられるとおり、居酒屋をはじめとする様々な飲食店において提供される商品の名称(料 理名)として一般に知られている実情がある。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」という商品の名称(料理名)であることを認識、理解させるにとどまり、自他商品の識別標識として認識されることはないというべきであるから、本願商標は商標法3条1項6号に該当す る。 3 原告が主張する取消事由⑴ 取消事由1商標法3条1項6号該当性に関する判断の誤り⑵ 取消事由2 商標法3条2項該当性に関する判断の誤り 第3 当事者の主張 1 取消事由1(商標法3条1項6号該当性に関する判断の誤り)〔原告の主張〕⑴ 商標法3条1項6号にいう「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」としては、構成自体が商標として の体をなしていないなど、そもそも自他商品識別力を持ち得ないもののほか、同項1号から5号までには該当しないが、一応、その構成自体から自他商品 ることができない商標」としては、構成自体が商標として の体をなしていないなど、そもそも自他商品識別力を持ち得ないもののほか、同項1号から5号までには該当しないが、一応、その構成自体から自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないと推定されるもの、及び、その構成自体から自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものと推定はされないが、取引の実情を考慮すると、自他商品識別力を欠き、 商標としての機能を果たし得ないものがあるといえる。 本願商標は、「構成自体が商標としての体をなしていないなど、そもそも自他商品識別力を持ち得ないもの」及び「その構成自体から自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないと推定されるもの」ではないから、取引の実情を考慮して、自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし 得ないものであるか否かが問題となる。 ⑵ 原告は、平成3年頃、サメの軟骨や梅肉等を原料とする惣菜商品を開発し、その商品名として独自に考案した「梅水晶」を採択し、同年12月から業務用専売品として販売を開始した(以下、原告が販売した同商品を「原告商品」という。)。そして、遅くとも平成6年6月には、原告の商品案内パンフレッ トに「梅水晶」の標章を付した原告商品を掲載し、現在まで25年以上にわたって販売している。原告の取引先は、平成27年当時で1000社を超えており、これら多くの取引先を通じ、「梅水晶」の標章を付した原告商品は、各地のホテル・旅館や飲食店に納入されている。 原告の依頼に基づき、全国の取引先が、「梅水晶」の標章を付した商品の出 所が原告であると認識できることを証明する旨の「証明願」の内容を承諾し、 これに捺印している(甲9、14~18、20~32)。これらの証明者は、各地の中央卸 水晶」の標章を付した商品の出 所が原告であると認識できることを証明する旨の「証明願」の内容を承諾し、 これに捺印している(甲9、14~18、20~32)。これらの証明者は、各地の中央卸売市場において上位の取扱高を誇る大手業者である。 また、原告商品は、複数のテレビ番組で紹介されたが、いずれの放送でも、「梅水晶」の標章を付した原告商品の出所が原告であることが正しく紹介された。 原告商品はいわゆる「珍味」と称される食品分野に属するところ、全国規模の業界団体である「全国珍味商工業協同組合連合会」に加盟している協同組合の一つである「大阪府珍味協同組合」が発行した冊子「食の都大阪五十年の歩み」に、組合の歩みを示す年表が掲載されており、同年表の平成15年の「珍味組合員の売筋商品」の欄に「梅水晶(サブ水産)/TVでの紹 介があり人気商品となる」との記載がある。この記載は、原告商品を取り扱う業界において、「梅水晶」の標章を付した原告商品の出所が原告であると明確に認識されていることを裏付ける。 原告商品と競合する商品を製造し、全国の業務用食品販売業者に販売している株式会社中外フーズ及びあづまフーズ株式会社は、いずれも原告よりも 規模の大きい会社であるが、商品の標章として、前者は「水晶南高梅」、後者は「水晶紅梅」を用いており、「梅水晶」の標章を使用していない。これは、裏を返すと、原告商品を取り扱う主たる取引市場において、「梅水晶」の標章を付した原告商品の出所が上記2社以外の者(原告)であると明確に認識されていることを裏付ける。 以上のとおり、原告は、平成3年から継続的に、「梅水晶」の標章を付した原告商品を製造、宣伝、広告、販売しており、原告商品の取引者、需要者の多くが「梅水晶」の標章を付した原告商品に接して 。 以上のとおり、原告は、平成3年から継続的に、「梅水晶」の標章を付した原告商品を製造、宣伝、広告、販売しており、原告商品の取引者、需要者の多くが「梅水晶」の標章を付した原告商品に接していた。このような取引の実情の下で、本願商標は、本件審決の時点で、原告の業務に係る商品を示すものとして、原告商品を取り扱う業界の取引者、需要者の間に広く知られる に至っていた。 ⑶ 原告商品を選択するのは、ホテルや旅館、居酒屋等の飲食店、又はこれらに原告商品を卸す業務用食品販売業者であり、原告商品の取引者、需要者はこれらの者であって、一般の消費者ではない。仮に、審決が述べるように、「梅水晶」の文字が「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」を指称する語として使用されている実情があり、そのような商品の名称(料理名)として認識され ることがあったとしても、それは飲食店で一般消費者に提供される料理に付された「梅水晶」の文字であり、このような料理は通常、皿や鉢にもって一般消費者に提供されるものであり、一般消費者には選択の余地がなく、そもそも料理に何らかの標章が付されることもない。したがって、一般消費者の認識、理解をもって本件商標の自他商品識別力を論ずることは失当である。 ⑷ インターネット上の商品販売サイトである「楽天市場」において、「梅水晶」の語で検索を行うと、出てくる117件の商品のうち、本願の指定商品である「サメ軟骨の梅肉和え、サメ軟骨及び鶏軟骨の梅肉和え、魚介類又は魚介類の加工品を主材とする惣菜、食肉又は肉製品を主材とする惣菜」に関連するものが96件あり、このうち原告の出所に係る商品であることが明らかな ものが37件(約38%)に及ぶ。また、商品販売サイトの「アマゾン」で同様の検索を行うと、出てくる110件の商品のうち、 るものが96件あり、このうち原告の出所に係る商品であることが明らかな ものが37件(約38%)に及ぶ。また、商品販売サイトの「アマゾン」で同様の検索を行うと、出てくる110件の商品のうち、前記指定商品に関連するものが26件であり、原告の出所に係る商品であることが明らかなものが13件(50%)に及ぶ。本件審決が別掲1として挙げたもの(甲52~63)は、都合の良い少数のデータを抽出しており、このような恣意的な抽 出によって、一般消費者も対象として販売されているとか、一般消費者の間で「梅水晶」が付された商品が原告の出所に係るものであると理解されていると認められないなどと判断したことは相当性を欠く。 ⑸ 以上によれば、本願商標の自他商品識別力に関する本件審決の判断は誤りであり、本願商標は「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であること を認識することができない商標」には当たらない。 〔被告の主張〕⑴ 本願商標の指定商品は前記第2の1⑴イのとおりであるところ、このような加工された食品や惣菜は、一般の消費者がインターネット上のショッピングサイトやスーパー等で購入するものであるから、当該商品の需要者には一般消費者が含まれる。したがって、本願商標の識別力の有無を判断するに当 たっては、指定商品の需要者に一般消費者を含めて判断すべきである。 ⑵ア 「梅水晶」の文字は、一般的な辞書類に載録はないが、日本の食べ物に関連する言葉や食品用語を説明したウェブサイト「日本の食べ物用語辞典」においては、「梅水晶」の見出しの下、「梅水晶・・は、サメの軟骨を梅肉で和えたもの。サメの軟骨を加熱してから細切りにし、梅肉で和えて作る。 居酒屋などで酒の肴として提供されている。サメの軟骨の代わりに鶏のやげん軟骨を用いたものもある。 ・・は、サメの軟骨を梅肉で和えたもの。サメの軟骨を加熱してから細切りにし、梅肉で和えて作る。 居酒屋などで酒の肴として提供されている。サメの軟骨の代わりに鶏のやげん軟骨を用いたものもある。」と記載されている(乙1)。 イインターネット上のショッピングサイト等のウェブサイトに記載された複数の事例から、本願の指定商品を取り扱う業界において、「梅水晶」の文字が「サメ軟骨等を梅肉で和えたもの」を指称する商品の名称として一般 に使用されている。 また、飲食店等のウェブサイトに記載された複数の事例から、多くの飲食店において「梅水晶」の文字が「サメ軟骨等を梅肉で和えたもの」を指称する料理名としてメニューに掲載され、当該料理が提供されている。 さらに、料理名や原材料等で料理の作り方を検索するウェブサイト(料 理レシピサイト)において「梅水晶」を検索すると、サメ軟骨等を梅肉で和えた「梅水晶」という料理を鶏軟骨等で代用して作るレシピを、広く一般の人が投稿するなどして、当該料理レシピサイトで紹介されている。 ウ以上によれば、「梅水晶」の文字は、一般消費者を含めた本願の指定商品の需要者において、「サメ軟骨等を梅肉で和えたもの」といった商品の名称 又は料理名を表すものとして、認識され、かつ、一般に広く使用されてい るといえる。 このように認識され、かつ、一般に広く使用されている「梅水晶」の文字は、本願の指定商品との関係では、特定人による独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用されるものであって、自他商品の識別力を欠くため、商標としての機能を果たし得ない。 したがって、「梅水晶」の文字からなる本願商標は、本願の指定商品との関係では、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することが 商品の識別力を欠くため、商標としての機能を果たし得ない。 したがって、「梅水晶」の文字からなる本願商標は、本願の指定商品との関係では、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であり、商標法3条1項6号に該当する。 2 取消事由2(商標法3条2項該当性に関する判断の誤り)〔原告の主張〕 原告は全国的規模で「梅水晶」の標章を付した原告商品を出荷し、これにより本願商標が使用された結果、全国の需要者の間で、「梅水晶」の標章を付した原告商品の出所が原告であることを認識することができるものとなっている。 したがって、本願商標は商標法3条2項の要件を具備するから、本件審決の 判断には誤りがあり、本件審決は違法であって取り消されるべきである。 〔被告の主張〕商標法は全国一律に適用されるものであって、商標権が全国に効力の及ぶ更新登録可能な排他的権利であることからすると、商標が使用による識別性を獲得したというためには、現実に使用された結果、指定商品又は指定役務の需要 者の間で、特定の者の出所表示として我が国において全国的に認識されるに至ったことが必要である。 本願商標については、次の⑴から⑷までの事情によれば、使用をされた結果、全国的に、需要者が原告の業務に係る商品であることを認識できるに至っているものとはいえない。 ⑴ 「梅水晶」と表示されたラベルを付した原告の販売に係るサメの軟骨、梅 肉等を原料とする惣菜商品(原告商品)は、遅くとも平成15年1月6日に販売を開始し(甲30)、令和4年9月29日現在まで、北海道、東京都、大阪府、大分県等17都道府県に所在する業者に一定程度販売されているが、原告商品の売上高、市場シェア等は不明である。 ⑵ 原告商品は、テレビ番組に3回取り上 4年9月29日現在まで、北海道、東京都、大阪府、大分県等17都道府県に所在する業者に一定程度販売されているが、原告商品の売上高、市場シェア等は不明である。 ⑵ 原告商品は、テレビ番組に3回取り上げられ、業界の記念誌に1度掲載さ れたにすぎず、その他の原告による広告宣伝活動は見出せない。 ⑶ 前記1〔被告の主張〕⑵のとおり、本願商標は、原告以外の取扱業者によって「サメ軟骨等を梅肉で和えたもの」の商品の名称として、原告商品と同様の商品に多数使用され、かつ、飲食店事業者及び料理レシピサイトにおける一般消費者において料理名として広く使用されている。 ⑷ 原告が証拠として提出している「証明願」は、原告が作成した定型の書式に取引先が記名押印したものにすぎず、当該取引先がどのような情報に基づいて証明しているのかも不明である。また、本願の指定商品の需要者には一般消費者が含まれるというべきであり、このような一般消費者を含まず、原告の取引先のみに偏った業者からの「証明願」の信用性は極めて低い。 第4 当裁判所の判断 1 取消事由1(商標法3条1項6号該当性に関する判断の誤り)について⑴ 本願商標の構成本願商標は、「梅水晶」の文字を標準文字で表してなるものである。 本願商標の「梅水晶」の語は、「梅」の語と「水晶」の語を組み合わせた語 であるといえるが、それ自体が辞書に掲載されている語であるとは認められず、直ちに特定の意味合いを生ずるものではない。 ⑵ 本願商標の指定商品の需要者本願商標は指定商品を第29類「サメ軟骨の梅肉和え、サメ軟骨及び鶏軟骨の梅肉和え、魚介類又は魚介類の加工品を主材とする惣菜、食肉又は肉製 品を主材とする惣菜」とするものである。 上記指定商品の需要者は、指定商品に含まれる惣菜商品 え、サメ軟骨及び鶏軟骨の梅肉和え、魚介類又は魚介類の加工品を主材とする惣菜、食肉又は肉製 品を主材とする惣菜」とするものである。 上記指定商品の需要者は、指定商品に含まれる惣菜商品を製造者から購入する飲食店やホテルなどの事業者と、飲食店等で惣菜を料理として提供を受け、又は店舗やインターネット上の商品販売サイトで商品を購入する一般消費者であると認められる。 この点に関して、原告は、「梅水晶」の標章を付した原告商品は、業務用の 商品であって、原告が原告商品を納入する相手は飲食店やホテルなどの事業者であるから、本願の指定商品の需要者は事業者のみであり、一般消費者は含まれないと主張する。 しかし、原告が原告商品を販売する相手は飲食店やホテル等の事業者のみであるとしても、購入した事業者はこの惣菜を料理として一般消費者に提供 するものである。また、原告商品はインターネット上の商品販売サイトで販売されており(甲4)、この販売サイトで原告商品を購入する者には一般消費者が含まれるといえる。また、後記⑶のとおり、本願商標である「梅水晶」の語は、インターネット上の商品販売サイト、飲食店及び料理レシピサイトにおいて、本願商標の指定商品のうち、サメ軟骨の梅肉和え、サメ軟骨及び 鶏軟骨の梅肉和えの意味で広く使用されている。 これらの事情によれば、一般消費者も本願商標の指定商品の需要者に含まれると解するのが相当であり、原告の上記主張は採用することができない。 ⑶ 本願商標の指定商品に関する取引の実情各文末に掲記した証拠及び弁論の全趣旨によれば、本件審決がされた令和 5年2月14日の時点における本願商標の指定商品に関する取引の実情として、次の事実が認められる。 アインターネット上の商品販売サイトにおける「梅水 論の全趣旨によれば、本件審決がされた令和 5年2月14日の時点における本願商標の指定商品に関する取引の実情として、次の事実が認められる。 アインターネット上の商品販売サイトにおける「梅水晶」の語の使用状況(ア) インターネット上の商品販売サイトである「楽天市場」内の「越後料亭かも川館」のページには、「料亭の強肴」「こりこり鮫軟骨梅水晶」 の見出しの下に、「ヨシキリザメの軟骨100%使用した(鶏ヤゲン軟骨 等は含まれておりません)梅水晶は大変希少な高級珍味です。」との記載がある。(甲52)(イ) 「楽天市場」内の株式会社山本水産のページには、「梅水晶」の見出しの下、「軟骨のコリコリ感に梅の酸味をブレンドして歯ごたえのある、ちょっと酸っぱい味に仕上げました。」との記載及び「さめ軟骨・やげん軟 骨入り梅水晶ミックス 700g」との記載がある。(甲53)(ウ) 「楽天市場」内の株式会社食文化のページには、「商品説明」の見出しの下、「高級珍味『梅水晶』 梅肉のさわやかさとサメの軟骨のコリコリ感がクセになる美味しさです。(中略)小田原で創業430年、実に戦国時代から続く『鮑屋』が新たなチャレンジとして作りました。」との記載 がある。(甲54)(エ) 「楽天市場」内の株式会社U-MOREのページには、「高級珍味梅水晶」の見出しの下、「梅水晶とは、サメの軟骨を加熱処理して、千切りに刻んだものに梅肉と調味料を和えた高級珍味です。」との記載がある。 (甲55) (オ) 「楽天市場」内の静岡県伊東市のふるさと納税に関するページには、「信海手間いらず!家呑みおつまみ5種セット」の見出しの下、「梅水晶のご案内」の項に「サメ軟骨と魚卵の触感がやみつきに。梅肉でさっぱりとした一品です。」との記 のふるさと納税に関するページには、「信海手間いらず!家呑みおつまみ5種セット」の見出しの下、「梅水晶のご案内」の項に「サメ軟骨と魚卵の触感がやみつきに。梅肉でさっぱりとした一品です。」との記載がある。(甲57)(カ) 「楽天市場」内の「沖縄お土産通販・かまどばぁばの店」のページに は、「ミミガー梅水晶」の見出しの下に「軟骨のコリコリと梅のさっぱりが共演」との記載が、「人気居酒屋の全面協力」の見出しの下に「お酒好きの通の方の間ではよく知られている『サメ軟骨の梅肉和え』通称『梅水晶』」との記載がある。(甲59)(キ) 商品販売サイトである「アマゾン」内の「尾張まるはち」のページに は、「尾張まるはち梅水晶さめ軟骨ミックス 600g(300g× 2)」の見出しの下、「【コリコリ感と甘酸っぱさでお酒が止まらない】梅のほどよいすっぱさと、さめ軟骨のこりこりした食感がおいしい梅水晶は、お酒のおつまみにぴったりです。」との記載、及び「居酒屋の定番メニューとしても人気の高い梅水晶」との記載がある。(甲60)(ク) 「小田原六左衛門」の商品販売サイトには、「【冷蔵】梅水晶」の見出 しの下、「ヨシキリザメの軟骨と独自調味を施した小田原産曽我の十郎梅をブレンドしたオリジナルの梅水晶です。」との記載がある。(甲61)(ケ) 「竹いち」の商品販売サイトには、「【二幸】梅水晶-サメの軟骨‐」との記載がある。(甲62)(コ) 「まぐろや」の商品販売サイトには、「【曽我の梅使用】梅水晶【10 0g】」の見出しの下、「聞きなれない方も多い、梅水晶その気になる中身は… 「サメの軟骨」「飛魚の卵とびっこ」「曽我の梅」 コリコリ軟骨、プチプチ卵、そして鰹出汁の効いた梅最強トリオが合体したおつまみです!」との記載があ れない方も多い、梅水晶その気になる中身は… 「サメの軟骨」「飛魚の卵とびっこ」「曽我の梅」 コリコリ軟骨、プチプチ卵、そして鰹出汁の効いた梅最強トリオが合体したおつまみです!」との記載がある。(甲63)イ飲食店における「梅水晶」の語の使用状況 (ア) 「やまの」という名称の飲食店のウェブサイトには、「一品料理」の見出しの下、「梅水晶サメ軟骨の梅肉和え」との記載がある。(甲64)(イ) 「北かつまぐろ屋」という名称の飲食店のウェブサイトには、「一品料理」の見出しの下、「梅水晶(サメ軟骨の梅肉和え)」との記載がある(甲65) (ウ) 「地元酒場あじと」という名称の飲食店のウェブサイトには、「FoodMenu」中、「アラカルト」の見出しの下、「梅水晶(サメの軟骨梅肉和え)¥440」との記載がある。(甲67)(エ) 「極家」という名称の飲食店のウェブサイトには、「極家おすすめメニュー」の見出しの下、「★梅水晶(サメ軟骨の梅和え) 500円」と の記載がある。(甲68) (オ) 「くんぺい」という名称の飲食店のウェブサイトには、「まずは!お酒のおつまみ」との見出しの下、「サメの軟骨のコリコリ食感と梅肉の爽やかな酸味が絶妙! 梅水晶 550円」との記載がある。(甲69)(カ) 「恵比寿夜ノ森河口湖」という名称の飲食店のウェブサイトには、「Menu」の見出しの下、「肴・珍味」の項に「梅水晶鮫ナンコツの梅和 え 650円」との記載がある。(甲70)(キ) 「炭道楽とり井」という名称の飲食店のウェブサイトには、「おつまみ」の見出しの下、「梅水晶(サメ軟骨の梅肉和え)500円」との記載がある。(甲70)(ク) 「GourmetBiz」というウェブサイトには、「『まるで』と『本 のウェブサイトには、「おつまみ」の見出しの下、「梅水晶(サメ軟骨の梅肉和え)500円」との記載がある。(甲70)(ク) 「GourmetBiz」というウェブサイトには、「『まるで』と『本 物』の6品が登場元気寿司『あなたは分かる?本物!?まるで!?フェア』を開催」との見出しの下、「『夏の厳選メニュー第1弾』商品概要」の項に「コリコリのサメの軟骨と梅の酸っぱさが特徴!」「梅水晶110円(税込)」との記載がある。(甲72)(ケ) 「食べ歩きが趣味の青森市民が青森市にある美味しいお店を紹介する ブログ」と題するインターネット上のブログには、「青森県青森市ダイニングたか志の梅水晶のスパゲティ」の見出しの下、メニューの「ランチパスタ」の項に「梅水晶のスパゲティ」「カツオ風味のオイルベースに梅が合わさり絶品です。サメ軟骨のコリッコリの食感がたまりません。」との記載がある。(甲73) (コ) 「居酒屋かぼちゃ」という名称の飲食店のウェブサイトにおいて、「とりあえず即菜」の見出しの下、「さわやかな酸味と食感サメの軟骨の梅水晶 390円」との記載がある。(甲74)(サ) 「TAKEOUT かつやま」という名称のウェブサイトにおいて、「居酒屋まさぼー」の紹介の箇所で「一品」の見出しの下に「梅水晶 50円」との記載がある。(甲75) (シ) 「居酒屋酔っ手羽」という名称の飲食店のウェブサイトにおいて、「スピード」の見出しの下、「不動の人気梅水晶 490円」との記載がある。(甲76)(ス) 「だるま木太店」という名称の飲食店のウェブサイトにおいて、「だるま木太店グランドメニュー」の見出しの下、「しょっぱな」の項に「梅 水晶 300円」との記載がある。(甲77)(セ) 「Beer&G 木太店」という名称の飲食店のウェブサイトにおいて、「だるま木太店グランドメニュー」の見出しの下、「しょっぱな」の項に「梅 水晶 300円」との記載がある。(甲77)(セ) 「Beer&Grill『RYUGUDINER』」という名称の飲食店のウェブサイトにおいて、「ディナーメニュー、ドリンクメニューをリニューアルしました。」との見出しの下、「簡単なの」の項に「梅水晶¥450」との記載がある。(甲78) (ソ) 「大衆食堂みなみ」という名称の飲食店のウェブサイトにおいて、「ディナーメニュー」の見出しの下、「梅水晶 390円」との記載がある。 (甲79)(タ) 「もつ焼大将川口店」という名称の飲食店のウェブサイトにおいて、「メニュー」の見出しの下、「梅水晶 380円」との記載がある。(甲 80)(チ) 「すし処善」という名称の飲食店のウェブサイトにおいて、「一品料理」の見出しの下、「珍味三種盛り」の項に「ほやの塩辛梅水晶まぐろの酒盗」との記載がある。(甲81)(ツ) 「にぎり屋本舗和の職人」という名称の飲食店のウェブサイトにお いて、「【店内メニュー一部紹介】」の見出しの下、「【肴】」の項に「梅水晶 460円」との記載がある。(甲82)(テ) 「割烹かさ原」という名称の飲食店のウェブサイトにおいて、「酒の肴」の見出しの下、「梅水晶六八〇」との記載がある。(甲83)(ト) 「やきとり絶好調」という名称の飲食店のウェブサイトにおいて、 「お手軽系」の見出しの下、「梅水晶 390えん」との記載がある。(甲 84)(ナ) 「おはしどころ菜でしこ」という名称の飲食店のウェブサイトにおいて、「酒肴」の見出しの下、「梅水晶 490円」との記載がある。(甲86)(ニ) との記載がある。(甲 84)(ナ) 「おはしどころ菜でしこ」という名称の飲食店のウェブサイトにおいて、「酒肴」の見出しの下、「梅水晶 490円」との記載がある。(甲86)(ニ) 平成29年11月26日の下野新聞における飲食店の紹介記事にお いて、「全てひと手間掛けており、マグロの赤身だけでも、本わさびのしょうゆ漬け、ニラじょうゆ、梅水晶(サメ軟骨の梅肉あえ)と味わいが違う。」との記載がある。(乙12)(ヌ) 平成29年6月2日の朝日新聞におけるテレビ番組(「ワカコ酒」)の紹介記事において、「おつまみに選んだのは梅水晶。鮫(さめ)の軟骨の 梅肉和(あ)えだ。冷えたお酒に、梅の酸味と軟骨のコリコリ感がぴったりあって、おもわず『ぷしゅ~』」。との記載がある。(乙13)(ネ) 平成18年5月8日の北國新聞における「バスは楽し Aと仲間達。 ランチコンサートinあえの風歌、美食に夢見心地」の見出しの記事において、「●特別会席味わう湯上りに待っていたのは、調理長いち押 しの特別会席。和倉の源泉を使った湯の香豆腐や金時草を練りこんだうどん入り鳥味噌(みそ)鍋、サメの軟骨と梅肉をあえた梅水晶などがずらり。」との記載がある。(乙14)(ノ) 平成14年9月12日のスポーツ報知における「[飲んで食べて満腹3000円]新宿『世代屋』和風創作料理」の見出しの記事において、 「サメの軟骨を梅肉であえた『梅水晶』(480円)は、コリコリとした食感とさっぱりとした後味で、酒肴(しゅこう)にも最適だ。」との記載がある。(乙15)ウ料理レシピサイトにおける「梅水晶」の語の使用状況(ア) 「Nadia」という名称のウェブサイトにおいて、「スタメンおつま み決定!ヤゲン軟骨の梅水晶」の見出しの下、「梅水晶を 15)ウ料理レシピサイトにおける「梅水晶」の語の使用状況(ア) 「Nadia」という名称のウェブサイトにおいて、「スタメンおつま み決定!ヤゲン軟骨の梅水晶」の見出しの下、「梅水晶を、お安い鶏のヤ ゲン軟骨で作りました!」との記載がある。(乙30)(イ) 「Rakutenレシピ」という名称のウェブサイトにおいて、「薬研軟骨♪梅水晶!!レシピ・作り方」という見出しの下、「鮫軟骨の梅水晶もいいけど!!薬研軟骨もコリコリ食感ヤミツキー♪♪」との記載がある。(乙31) (ウ) 料理レシピを掲載するウェブサイトである「クックパッド」において、同サイトの利用者が投稿した、鶏軟骨やミミガー等に梅肉を和えて作る料理のレシピに関する記事として、以下のものが存在する。(乙16~27)a 「1人前36円、鶏軟骨でつくる梅水晶」の見出しの下、「居酒屋定番 の梅水晶、日本酒と良く合うおつまみです。本物はサメ軟骨ですが、鶏軟骨で作ってみました。」との記載がある記事。 b 「ヤゲン軟骨de梅水晶(肉付き)」との見出しの下、材料の欄に「ヤゲン軟骨」及び「梅干し」との記載がある記事。 c 「簡単美味・ヤゲン軟骨の梅紫蘇和え」との見出しの下、「鮫軟骨を使 わず、鶏のヤゲン軟骨を使った梅水晶です。」との記載がある記事。 d 「牛丼の付け合せ3種」との見出しの下、「もやしと鶏軟骨の梅水晶風」との記載、及び作り方の項の中に「ボウルで軟骨ともやしを合わせ、梅肉を適当に和える。」との記載がある記事。 e 「鳥軟骨で梅水晶」との見出しの下、「このレシピの生い立ち」の項に 「梅水晶が好きすぎて作ってみました。サメは手に入らないので鳥で代用しています」との記載がある記事。 f 「やげん軟骨で梅水晶風」との見出しの下、作り方の項 、「このレシピの生い立ち」の項に 「梅水晶が好きすぎて作ってみました。サメは手に入らないので鳥で代用しています」との記載がある記事。 f 「やげん軟骨で梅水晶風」との見出しの下、作り方の項の中に「軟骨、梅、かつお節和えたら」との記載がある記事。 g 「ヤゲン軟骨で簡単梅水晶」との見出しの下、「旦那さんが大好きな梅 水晶サメ軟骨は手に入らないのですぐ手に入るヤゲン軟骨で再現し てみました」との記載がある記事。 h 「ヤゲン軟骨で梅水晶」との見出しの下、作り方の項の中に「千切りした軟骨は梅肉と和える」との記載がある記事。 i 「やげん軟骨で梅水晶」との見出しの下、「白馬産の梅を使って梅水晶を作りました。」との記載、及び「このレシピの生い立ち」の項に「珍 味の梅水晶はもともと鮫の軟骨で作られるそうですが、ここら辺では手に入らないので、鶏のやげん軟骨で代用しました。」との記載がある記事。 j 「やげん軟骨で!梅水晶」との見出しの下、作り方の項の中に「麺つゆ、味の素、梅干しときゅうり、やげんなんこつを合わせ、完成!」 との記載がある記事。 k 「♪やげんなんこつ♪梅水晶もどき!!」との見出しの下、「やげんなんこつのコリコリ食感と梅干しのしょっぱさが絶妙に美味い!!」との記載、及び「このレシピの生い立ち」の項に「鮫なんこつの代わりに!!」との記載がある記事。 l 「ミミガーで梅水晶」との見出しの下、「梅水晶の軟骨等をミミガーで代用してみました」との記載がある記事。 ⑷ 検討前記⑶に挙げた各事実によれば、本件審決がされた当時、①インターネット上の商品販売サイトにおいて、原告以外の者が製造したサメ軟骨(又はそ の代替として用いられる鶏軟骨等)を梅肉で和えた惣菜商品に、「梅水晶」の名称が付さ 、本件審決がされた当時、①インターネット上の商品販売サイトにおいて、原告以外の者が製造したサメ軟骨(又はそ の代替として用いられる鶏軟骨等)を梅肉で和えた惣菜商品に、「梅水晶」の名称が付されて販売されていたこと、②多数の飲食店において、サメ軟骨を梅肉で和えた料理の名称として「梅水晶」の語が用いられ、客に提供されていたこと、③料理レシピを掲載しているウェブサイトにおいて、サメ軟骨の代わりに鶏軟骨等を用い、これを梅肉で和えた料理が「梅水晶」の名称で複 数紹介されていたことが認められる。 これらの事実によれば、本願の指定商品の需要者は、「梅水晶」の語が本願商標の指定商品に使用された場合には、サメ軟骨又はその代替として用いられる鶏軟骨等を梅肉で和えた惣菜の料理名又はこのような惣菜の商品を一般的に指す名称であると認識するものといえ、原告の製造販売する商品を認識するとは認められない。 したがって、本願商標は、本願の指定商品との関係において、自他識別力を有しておらず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であると認められる。 ⑸ 原告の主張に対する判断ア原告は、前記第3の1〔原告の主張〕⑵のとおり、①原告が原告商品の 商品名として独自に考案した「梅水晶」の名称を付し、現在まで25年以上にわたって販売しており、原告の取引先は平成27年当時で1000社を超え、これら多くの取引先を通じ、「梅水晶」標章を付した原告商品が全国のホテルや飲食店に納入されていること、②全国の原告の取引先が、「梅水晶」の標章を付した原告商品の出所が原告であると認識できることを証 明する旨の書面に押印していること、③原告商品を紹介した複数のテレビ番組において、「梅水晶」の標章を付した原告商品の出所が原告 晶」の標章を付した原告商品の出所が原告であると認識できることを証 明する旨の書面に押印していること、③原告商品を紹介した複数のテレビ番組において、「梅水晶」の標章を付した原告商品の出所が原告であることが紹介されたこと、④「大阪府珍味協同組合」が発行した冊子「食の都大阪五十年の歩み」に掲載された年表において、平成15年の「珍味組合員の売筋商品」の欄に「梅水晶(サブ水産)/TVでの紹介があり人気商 品となる」との記載があること、⑤原告よりも規模の大きい会社で、原告商品と競合商品を販売する二つの会社が、「梅水晶」とは異なる標章を付して商品を販売していることから、本願商標は、本件審決の時点で、原告の業務に係る商品を示すものとして、原告商品を取り扱う業界の取引者、需要者の間に広く知られるに至っていたと主張する。 しかし、原告の主張は、本願の指定商品の需要者が、ホテルや飲食店等 の事業者のみであることを前提としているところ、上記需要者には一般消費者が含まれると解すべきことは前記⑵のとおりであり、原告の主張にはその前提に誤りがある。 また、前記①については、「梅水晶」の名称は原告が考案し、原告がサメ軟骨に梅肉を和えた惣菜商品に本願商標を付して販売を開始した事実が 認められるが(甲93、弁論の全趣旨)、当初は特定の商品の名称として使用されていた語が、一定期間使用され、当該商品と同種の商品等を指す一般名称となり、自他商品を識別する標章としての機能を喪失することはあり得るのであって、上記事実があることをもって、本願商標が商標法3条1項6号に該当すると解し得ないことにはならない。 前記②については、原告が証拠として提出している「証明願」は、一般消費者を含まず、原告の取引先である業者のみの「証明願」にすぎないか 法3条1項6号に該当すると解し得ないことにはならない。 前記②については、原告が証拠として提出している「証明願」は、一般消費者を含まず、原告の取引先である業者のみの「証明願」にすぎないから、これをもって、「梅水晶」の名称が、原告の商品の出所表示として本願の指定商品の需要者の間で、全国的に認識されるに至ったことを示すものとは認められない。 前記③から⑤についても、本願の指定商品の需要者の一部の認識を窺わせる事情にすぎず、一般消費者を含む本願の指定商品の需要者において、「梅水晶」の名称が原告の商品を表示するものと一般的に認識していたことを示すものとはいえない。 イ原告は、前記第3の1〔原告の主張〕⑷のとおり、「楽天市場」や「アマ ゾン」において「梅水晶」の語で検索して出てくる商品で、本願の指定商品と関連するもののうち、原告の出所に係る商品であることが明らかなものが、「楽天市場」については約38%、「アマゾン」については50%に及んでおり、本件審決が別掲1として挙げた事例は少数のデータを恣意的に抽出したものであって、これらの事例によって一般消費者の間で「梅水 晶」の名称が付された商品が原告の出所に係るものであると理解されてい るとは認められないと本件審決が判断したのは不当である旨主張する。 しかし、原告の主張を前提としても、「楽天市場」及び「アマゾン」において「梅水晶」の語で検索して出てくる本願の指定商品と関連する商品のうち、原告の商品でないものが半数又はそれ以上を占めるのであって、このことからすれば、本件審決が少数のデータを恣意的に抽出して不当な判 断をしたとは解されない。同様に、本判決の前記⑶において挙げた事例も、少数のデータを恣意的に抽出したものであるとはいえず、これらの事例に照らし、 件審決が少数のデータを恣意的に抽出して不当な判 断をしたとは解されない。同様に、本判決の前記⑶において挙げた事例も、少数のデータを恣意的に抽出したものであるとはいえず、これらの事例に照らし、本願商標が本願の指定商品との関係において自他識別力を有していないと判断できることは、前記⑷のとおりである。 ウ以上のとおり、原告の主張はいずれも採用することができない。 その他、原告がるる主張する事情を考慮しても、本願商標は、本願の指定商品との関係において自他識別力を有しないとの結論は左右されない。 2 取消事由2(商標法3条2項該当性に関する判断の誤り)について原告は、全国的規模で「梅水晶」の標章を付した原告商品を出荷し、これにより本願商標が使用された結果、全国の需要者の間で、「梅水晶」の標章を付し た原告商品の出所が原告であると認識することができるようになっているから、本願商標は商標法3条2項の要件を具備すると主張する。 しかし、商標法3条2項は、同条1項3号から5号までに該当する商標であっても、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては、商標登録を受けることができると する規定であり、同項6号に該当すると判断される商標が同条2項によって商標登録が可能となることはない。 また、前記1で認定した事実によれば、本願商標について、商標法3条2項にいう「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品・・であることを認識することができるもの」に当たると認めるに足りない。 したがって、取消事由2に関する原告の主張は採用することができない。 3 結論以上検討したところによれば、本願商標は、商標法3条1項6号に該当するものと認められ、かつ、同条2項 したがって、取消事由2に関する原告の主張は採用することができない。 3 結論以上検討したところによれば、本願商標は、商標法3条1項6号に該当するものと認められ、かつ、同条2項により商標登録を受けることができるとは認められない。したがって、本件審決の判断に誤りはないから、取消事由1及び2は、いずれも理由がない。 よって、原告の請求は、理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第3部 裁判長裁判官東海林保 裁判官今井弘晃 裁判官水野正則(別紙審決書写し省略)

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