平成20(わ)651 自動車運転過失致死傷

裁判年月日・裁判所
平成20年9月9日 神戸地方裁判所
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判決文本文1,990 文字)

- 1 -平成20年9月9日宣告平成20年(わ)第651号自動車運転過失致死傷被告事件判決主文被告人を禁錮5年に処する。 未決勾留日数中30日をその刑に算入する。 理由 (犯罪事実),,,被告人は平成20年6月5日午前9時10分ころ大型貨物自動車を運転し神戸市区町付近道路を神戸市区方面から神戸市区方面に向かい自車のabcde前方を同方向へ進行中の(当時61歳)運転の普通乗用自動車(軽四)に時速A約50キロメートルで追従するに当たり,同所は左右に湾曲して見通しが悪く,傾斜の強い下り坂であった上,自車には危険物であるテトラヒドロフランを入れたドラム缶等を過積載しており,急激なブレーキ操作によってはドラム缶の転倒や引火,落下等のおそれがあったのであるから,適宜速度を調節した上,先行する上記運転車両等の動静を注視し,ハンドル・ブレーキを的確に操作して進行Aすべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,適宜速度の調節をせず,漫然上記速度で進行した上,道路進行方向右側の山の斜面に視線を向けて同車の動静を注意せず,同車の前車である(当時52歳)運転の普通乗用自動車が信B号に従って停止しようとしているのを自車前方約56.5メートルの地点に認めたが,上記危険物を入れたドラム缶が倒れることなどを恐れ,道路左側に設置されたコンクリート側壁に自車を接触させ減速・停止させようとして,ほとんどブレーキ操作をしなかった過失により,自車前部を上記運転車両後部に追突させA- 2 -た上,同車前部を停止中の上記運転車両後部に衝突させ,よって,上記及びBA(),同人運転車両の同乗者当時61歳にいずれも前胸部打撲等の傷害を負わせCそのころ,同所において,両名をいずれも前胸部打撲に基づく心臓 運転車両後部に衝突させ,よって,上記及びBA(),同人運転車両の同乗者当時61歳にいずれも前胸部打撲等の傷害を負わせCそのころ,同所において,両名をいずれも前胸部打撲に基づく心臓破裂,胸部大動脈断裂により死亡させるとともに,上記に安静加療約1週間を要する見込みBの前胸部打撲傷,右下腿打撲傷の傷害を負わせたものである。 (量刑の理由)本件は,自動車運転過失致死傷の事案である。 トラック運転に従事していた被告人が,危険物を過積載した貨物自動車を運転中に,傾斜の強い下り坂をギアを6速に入れたままで走行していたところ,山の景色に気を取られて,信号で停止しようとしている先行車両の動静に気付くのが遅れ,衝突の危険を感じたにもかかわらず,運搬中に積載物が転倒等で毀損すればその賠償責任を問われることになるのでこれを避けたいと思い,徐々に減速停止させようとハンドル操作でもって道路側壁に自車を接触させる処置を講じたのみに止まって,停止に有効かつ必要な措置である,ギアを落としてエンジンブレーキを効かせたり,急ブレーキを踏むといった適切なブレーキ操作等をしなかった過失により,結局,自車を各被害車両に順次衝突させて,2名を死亡させ,1名に判示の傷害を負わせたものである。 被告人の不注意な運転態度と危険回避のための運転操作方法の選択の誤りが重なったものであり,被告人が貨物トラックの職業運転手であったことに照らしても,その注意義務違反の程度ははなはだしく,過失は極めて大きい。もちろん,,,被害者らは予期し難い貨物トラックの暴走追突事故に巻き込まれたものであり全く落ち度はない。 その生じた結果たるや,被害者は3名に上り,特に,軽四の乗用車に乗っていた被害者夫婦の二人は,後ろから迫る6トントラックに追突され,車ごと押しつぶされ,かつ,炎上によ ものであり全く落ち度はない。 その生じた結果たるや,被害者は3名に上り,特に,軽四の乗用車に乗っていた被害者夫婦の二人は,後ろから迫る6トントラックに追突され,車ごと押しつぶされ,かつ,炎上によってその命を絶たれたものであり,丸まった車内から黒こげとなって発見された遺体の姿は痛ましく,悲惨であり,遺族の述べる生前の- 3 -被害者らの幸福な日々の話からはその心残りや無念さもひとしおのことであろう,,,と思われ結果は重大であって適切な慰謝の措置もとられていないこともあり遺族感情の峻烈さもまた了解できるものである。 以上によれば,被告人の刑事責任は重いというべきである。 他方,被告人は事実を認めて反省していること,限度額無制限の任意保険による被害弁償が見込まれること,前科はなく,複数の交通違反歴はあるがいずれも比較的軽い違反行為であったこと,今後は別の仕事に就くつもりであることなど被告人にも酌むべき事情があるので,これらを総合考慮して主文のとおり量刑した次第である。 (求刑禁錮6年)平成20年9月9日神戸地方裁判所第4刑事部14乙係裁判官森岡孝介

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