平成31第53号各損害賠償等請求控訴事件 (原審・東京地方裁判所立川支部平成243042号〔第1事件〕,平成261711号〔第2事件〕)(原審原告らの中には,控訴人兼被控訴人である者ら(訴訟承継により控訴人兼被控訴人となった者らを含む。)と控訴人のみの者らがいるが,以下においては,いずれも「一審原告」といい,被控訴人兼控訴人である原審被告(国)については,「一審被告」という。また,個別の一審原告らについては「原告番号2の一審原告」のように原判決で付された原告番号によって表示し(ただし,一部の承継人については本判決で新たに原告番号を付した。),被承継人らについても同様に原判決で付された原告番号によって表示する。なお,略語は,本判決で新たに定義するほかは,原判決の例による。)主文 1 原告番号21,22,30及び80を除く一審原告らの控訴並びに一審被告の控訴に基づき,原判決主文第5項ないし第7項のうち,同一審原告らに関する部分を次項のとおり変更する。 2⑴ 一審被告は,次の各一審原告らに対し,次の各金員を支払え。 ア別紙3-1「認容額一覧表1」の「氏名」欄記載の各一審原告ら(同欄に「被承継人」と併記された者らを含まない。)に対し,対応する同表の「元金合計」欄記載の金員及びうち「提訴前合計」欄記載の金員に対する平成24年12月21日から,「H24.12.12~H25.1.11」欄から「R1.9.12~R1.9.17」欄までの各欄記載の各金員に対する各期間の最終日の翌月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員イ別紙3-2「認容額一覧表2」の「氏名」欄記載の各一審原告ら(同欄に「被承継人」と併記された者を含まない。)に対し,対応する同表の「元金合計」欄記載の金員及びうち「提訴前合 分の割合による金員イ別紙3-2「認容額一覧表2」の「氏名」欄記載の各一審原告ら(同欄に「被承継人」と併記された者を含まない。)に対し,対応する同表の「元金合計」欄記載の金員及びうち「提訴前合計」欄記載の金員に対する平成26年8月22日から,「H26.8.7~H26.9.6」欄から「R1. 9.7~R1.9.17」欄までの各欄記載の各金員に対する各期間の最 終日の翌月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員ウ別紙3-3「承継人認容額一覧表1」の「承継人」欄記載の各一審原告(訴訟承継人)らに対し,対応する同表の「元金合計」欄記載の金員及びうち「提訴前合計」欄記載の金員に対する平成24年12月21日から,「H24.12.12~H25.1.11」欄から「R1.9.12~R1.9.17」欄までの各欄記載の各金員に対する各期間の最終日の翌月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員エ別紙3-4「承継人認容額一覧表2」の「承継人」欄記載の各一審原告(訴訟承継人)らに対し,対応する同表の「元金合計」欄記載の金員及びうち「提訴前合計」欄記載の金員に対する平成26年8月22日から,「H26.8.7~H26.9.6」欄から「R1.9.7~R1.9.17」欄までの各欄記載の各金員に対する各期間の最終日の翌月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員⑵ 上記1の一審原告らの平成30年7月19日までに発生したその余の損害の賠償請求をいずれも棄却する。 ⑶ 上記1の一審原告らの平成30年7月20日から令和元年9月17日までに発生したその余の損害の賠償請求に係る訴え及び同月18日以降に発生する損害の賠償請求に係る訴えをいずれも却下する。 3 原告番号21,22,30及び80の一審原告らの控訴をいずれも棄却する。 4 原判決主文第 余の損害の賠償請求に係る訴え及び同月18日以降に発生する損害の賠償請求に係る訴えをいずれも却下する。 3 原告番号21,22,30及び80の一審原告らの控訴をいずれも棄却する。 4 原判決主文第8項を次のとおり更正する。 「8 原告番号21,22,30及び80の原告らのその余の請求をいずれも棄却する。」 5 訴訟費用(原告番号21,22,30及び80の一審原告らと一審被告との間に生じた費用を除く。)は,第1,2審を通じ,第1,2事件とも,原告番号9,20,31,36及び133の一審原告らと一審被告との間に生じた費用は,これを4分し,その3を同一審原告らの,その余を一審被告の負担とし, その余の第1項の一審原告らと一審被告との間に生じた費用は,これを2分し,その1を同一審原告らの,その余を一審被告の負担とし,当審における訴訟費用のうち,原告番号21,22,30及び80の一審原告らの控訴によって生じた費用は,同一審原告らの負担とする。 6 この判決は,第2項⑴アないしエに限り,一審被告に送達された日から14日を経過したときは,仮に執行することができる。ただし,一審被告が,別紙3-1「認容額一覧表1」,同3-2「認容額一覧表2」,同3-3「承継人認容額一覧表1」及び同3-4「承継人認容額一覧表2」の各一審原告に対する「担保額」欄記載の各金員の担保を提供するときは,担保を提供した一審原告らとの関係で,その仮執行を免れることができる。 事実 及び理由第1 控訴の趣旨 1 一審原告らの控訴の趣旨⑴ 原判決を次のとおり変更する。 ⑵ 一審被告は,原告番号9,20,30,31,36,80及び133の一審原告ら(以下,一括して「差止一審原告ら」という。)のために,自ら又はアメリカ合衆国軍隊をし 原判決を次のとおり変更する。 ⑵ 一審被告は,原告番号9,20,30,31,36,80及び133の一審原告ら(以下,一括して「差止一審原告ら」という。)のために,自ら又はアメリカ合衆国軍隊をして,ア横田飛行場において,毎日午後7時から翌日午前8時までの間,一切の航空機を離着陸させてはならず,かつ,そのエンジンを作動させてはならない。 イ横田飛行場の使用により,毎日午前8時から午後7時までの間,差止一審原告らの居住地内に70dB(A)(「dB」と表記する。)を超える一切の航空機騒音を到達させてはならない。 ⑶ 一審被告は,アメリカ合衆国軍隊をして,差止一審原告らの居住地の上空において,航空機による旋回,急上昇,急降下の訓練をさせてはならない。 ⑷ア一審被告は,別紙1-1「一審原告目録1」記載の各一審原告ら(以下, 一括して「第1事件一審原告ら」という。)に対し,それぞれ82万8000円及びこれに対する平成24年12月21日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 イ一審被告は,各第1事件一審原告らに対し,平成24年12月12日から前記⑵記載の各行為がなくなるまでの間,それぞれ毎月末日限り,2万3000円及びこれに対する当該月の翌月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑸ア一審被告は,別紙1-2「一審原告目録2」記載の各一審原告ら(以下,一括して「第2事件一審原告ら」という。)に対し,それぞれ82万8000円及びこれに対する平成26年8月22日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 イ一審被告は,各第2事件一審原告らに対し,平成26年8月7日から前記⑵記載の各行為がなくなるまでの間,それぞれ毎月末日限り,2万3000円及びこれに対する当該月の翌月1日から各支払済み 払え。 イ一審被告は,各第2事件一審原告らに対し,平成26年8月7日から前記⑵記載の各行為がなくなるまでの間,それぞれ毎月末日限り,2万3000円及びこれに対する当該月の翌月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑹ア一審被告は,別紙1-3-1-1「承継人目録1」記載の各一審原告ら(以下「第1事件承継人ら」という。)に対し,それぞれ対応する別紙1-3-2-1「承継人請求額一覧表1」(以下「承継人請求額一覧表1」という。)の「提訴前分」欄記載の金員及びこれに対する平成24年12月21日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 イ一審被告は,第1事件承継人らに対し,平成24年12月12日からそれぞれ対応する承継人請求額一覧表1の「終期」欄記載の日まで記載が「-」の第1事件承継人〔原告番号56-3の一審原告〕については,前記⑵記載の各行為がなくなるまで)の間,毎月末日限り1か月当たり,対応する同表の「提訴後分」欄記載の金額及びこれに対する当該月の翌月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑺ア一審被告は,別紙1-3-1-2「承継人目録2」記載の各一審原告ら(以下「第2事件承継人ら」という。)に対し,それぞれ対応する別紙1-3-2-2「承継人請求額一覧表2」(以下「承継人請求額一覧表2」という。)の「提訴前分」欄記載の金員及びこれに対する平成26年8月22日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 イ一審被告は,第2事件承継人らに対し,平成26年8月22日からそれぞれ対応する承継人請求額一覧表2の「終期」欄記載の日まで載が「-」の第2事件承継人ら〔原告番号148-4ないし148-8の一審原告ら〕については平成26年8月22日から前記⑵記載の各行為がなくなるまで) する承継人請求額一覧表2の「終期」欄記載の日まで載が「-」の第2事件承継人ら〔原告番号148-4ないし148-8の一審原告ら〕については平成26年8月22日から前記⑵記載の各行為がなくなるまで)の間,毎月末日限り1か月当たり,対応する同表の「提訴後分」欄記載の金額及びこれに対する当該月の翌月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑻ 訴訟費用は,第1,2審とも,一審被告の負担とする。 ⑼ 仮執行宣言 2 一審被告の控訴の趣旨⑴ 原判決中,一審被告敗訴部分を取り消す。 ⑵ 上記部分につき,一審原告らの請求をいずれも棄却する。 ⑶ 訴訟費用は,第1,2審とも,一審原告ら(ただし,原告番号21,22,30,80の各一審原告らを除く。)の負担とする。 第2 事案の概要 1 本件事案の要旨本件は,横田飛行場の周辺に居住する住民(訴え提起後に死亡した者〔被承継人〕の損害賠償の請求に関してはその訴訟承継人)である一審原告らが,同飛行場を航行する航空機の発する騒音を中心とする侵害によって,生活妨害(睡眠妨害,会話・通話妨害等),身体的被害及び精神的被害を受けているとして,同飛行場をアメリカ合衆国に同国軍隊(米軍)の使用する施設及び区域として 提供するなどしている一審被告に対し,次の⑴及び⑵の請求をする事案である。 ⑴ 差止一審原告らのみの請求人格権,環境権及び平和的生存権に基づき,航空機の離着陸等の差止め(毎日午後7時から翌日午前8時までの間,一切の航空機の離着陸及びエンジンの作動の禁止),航空機の発する騒音の音量規制(毎日午前8時から同日午後7時までの間,各差止一審原告らの居住地に70dBを超える一切の航空機騒音を到達させることの禁止)及び米軍の使用する航空機の訓練の差止め(各差止一審原告らの居住地の上空 制(毎日午前8時から同日午後7時までの間,各差止一審原告らの居住地に70dBを超える一切の航空機騒音を到達させることの禁止)及び米軍の使用する航空機の訓練の差止め(各差止一審原告らの居住地の上空における旋回,急上昇,急降下の訓練の禁止)を求める差止請求(以下,これらを併せて「本件差止請求」という。)⑵ 一審原告ら全員の請求米軍又はその被用者による損害賠償責任については,日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う民事特別法(民事特別法)1条又は2条に基づき,自衛隊機による損害賠償責任については,国家賠償法(国賠法)1条又は2条に基づき,下記①及び②の支払を求める損害賠償請求① 提訴日から遡って過去3年分(第1事件については平成21年12月12日から平成24年12月11日まで,第2事件については平成23年8月7日から平成26年8月6日まで)の損害賠償として,一審原告(承継人の損害賠償請求については,被承継人を意味する。以下同じ。)1名につき損害賠償金82万8000円及びこれに対する訴状送達の日の翌日(第1事件については平成24年12月21日,第2事件については平成26年8月22日)から各支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払② 提訴日(第1事件については平成24年12月12日,第2事件については平成26年8月7日)からそれぞれ本件差止請求の対象行為(ただし,音量規制及び訓練の差止めに関しては,「各差止一審原告らの居住地」を「各 一審原告らの居住地」と読み替える趣旨と解される。)がなくなるまで(一部の承継人の損害賠償請求については,被承継人の死亡日まで)の間の損害賠償として,一審原告1名につき1か月当たり慰謝料 一審原告らの居住地」と読み替える趣旨と解される。)がなくなるまで(一部の承継人の損害賠償請求については,被承継人の死亡日まで)の間の損害賠償として,一審原告1名につき1か月当たり慰謝料2万円と弁護士費用3000円の合計2万3000円の割合による損害賠償金及び当該月の翌月1日から各支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払 2 原審の判断等原審(東京地方裁判所立川支部)は,⑴ 差止一審原告横田飛行場における自衛隊の使用する航空機の離着陸及びエンジン作動の差止め並びに横田飛行場におけるアメリカ合衆国軍隊の使用する航空機の離着陸及びエンジン作動の差止め並びに音量規制差止一審原告らの居住地の上空におけるアメリカ合衆国軍隊の使用する航空機の旋回,急上昇,急降下の訓練の差止めの請求をいずれも棄却し,⑵ 一審原告らの損害賠償請求に係る各訴えのうち,平成30年7月20日(原審口頭弁論終結の日の翌日)以降に生ずべき将来の損害の賠償請求に係る部分をいずれも却下し,⑶ 同月19日(原審口頭弁論終結の日)までに生じた過去の損害の賠償請求につき,防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(環境整備法)に基づき平成17年10月20日にされた防衛施設庁告示第9号(平成17年告示)による区域の指定及び指定の解除後の騒音コンター(告示コンター)により区分される地域(75W地域,80W地域及び85W地域)に居住し又は居住していた一審原告(ただし,承継人による損害賠償の請求に関しては,被承継人を意味する。以下同じ。)らについては,1か月当たり4000円(75W地域),8000円(80W地域)又は1万2000円(85W地域)の割合による慰謝料(ただし,上記区域外〔指定区域外〕に居住している期間や被承継人の死亡日の翌日以降の期間〔ただし,原審 0円(75W地域),8000円(80W地域)又は1万2000円(85W地域)の割合による慰謝料(ただし,上記区域外〔指定区域外〕に居住している期間や被承継人の死亡日の翌日以降の期間〔ただし,原審に死亡の事実が判明していた場合に限る。〕を除く。また,住宅防音工事を受けている一審原告らについては,防音工事を実施した室数が1室のみである 場合には10%を減額し,同室数が2室以上ある場合にはこの10%に加え2室目以降の1室ごとに更に5%を減額するが,合計で6室以上となる場合でも一律に30%を減額し,外郭防音工事を実施した場合も一律に30%を減額する。)とその10%に当たる弁護士費用の支払を求める限度で認容し,上記一審原告らのその余の請求及び指定区域外に居住している一審原告ら(原告番号21,22,30及び80の一審原告ら。以下「指定区域外一審原告ら」という。)の請求をいずれも棄却した。 一審原告ら及び一審被告は,それぞれ敗訴部分を不服として,控訴を提起した(なお,原審は,第1審係属中に死亡した原告番号1〔一審原告A1〕の差止請求につき訴訟終了を宣言する旨の判決をしたが,その承継人である原告番号1-2〔兼2〕の一審原告〔一審原告A2〕は,この点を当審における不服の対象としていない。)。 3 前提となる事実次のとおり補正するほかは,原判決「事実及び理由」欄の「第2部前提となる事実」(原判決15頁4行目から54頁1行目まで〔原判決別紙4-1(同269頁)及び原判決別紙4-2(同270頁)を含む。〕)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (原判決の補正)⑴ 原判決15頁5行目の「括弧内」を削り,同行目から6行目にかけての「弁論の全趣旨」の後に「(当裁判所に顕著な事実を含む。)」を加える。 ⑵ 同19頁26行目の冒頭に「のほ (原判決の補正)⑴ 原判決15頁5行目の「括弧内」を削り,同行目から6行目にかけての「弁論の全趣旨」の後に「(当裁判所に顕著な事実を含む。)」を加える。 ⑵ 同19頁26行目の冒頭に「のほか,CV-22オスプレイ(平成30年10月配備〔甲A82〕)」を加える。 ⑶ 同50頁6行目の冒頭から14行目の末尾までを次のとおり改める。 「第5 一審原告らの訴訟承継及び居住地等別紙4-1「承継関係一覧表1」の「被承継人」欄記載の者らは,提訴後である同「死亡日」欄記載の日に死亡し,対応する同「承継人」 欄記載の一審原告らが,同「相続割合」欄記載の割合で,本件(第1事件に係る損害賠償の請求)に関し相続した。また,別紙4-2「承継関係一覧表2」の「被承継人」欄記載の原告番号148(一審原告A148)は,提訴後である同「死亡日」欄記載の平成30年5月21日に死亡し,同「承継人」欄記載の一審原告ら(ただし,承継人のうち原告番号148-3〔一審原告A148-3〕は,当審口頭弁論終結後,訴えを取り下げ,一審被告は,これに同意したため,同欄に記載していない。)が,同「相続割合」欄記載の割合で,本件(第2事件に係る損害賠償の請求)に関し相続した。なお,原告番号101(一審原告A101)及び148(一審原告A148)は,いずれも原審口頭弁論終結前に死亡していたが,当審係属中にその事実が判明したものであり,原告番号56(一審原告A56)は,当審係属中に死亡したものである。 一審原告らの居住関係(住所,居住期間,居住地に係る区域指定におけるW値等。ただし,承継人の損害賠償請求に関しては,被承継人の居住関係をいう。)は,別紙5「移動経過一覧表」に記載のとおりである。」⑷ 同頁25行目の「棄却した」から26行目の末尾までを「棄却する旨の判決 だし,承継人の損害賠償請求に関しては,被承継人の居住関係をいう。)は,別紙5「移動経過一覧表」に記載のとおりである。」⑷ 同頁25行目の「棄却した」から26行目の末尾までを「棄却する旨の判決(東京地方裁判所八王子支部昭和51年52年第1356号同56年7月13日判決・判例タイムズ445号88頁,判例時報1008号19頁)をした。」に改める。 ⑸ 同51頁7行目の「却下した」から8行目の末尾までを「却下する旨の判決(東京高等裁判所昭和56年第2275号同62年7月15日判決・判例タイムズ641号232頁,判例時報1245号3頁)をした。」に改める。 ⑹ 同頁13行目の「棄却した」から15行目の末尾までを「棄却する旨の判 決(最高裁判所昭和63年第611号平成5年2月25日第一小法廷判決・裁判集民事167号359頁,判例タイムズ816号137頁,判例時報1456号53頁。以下「横田平成5年最高裁判決」という。)をした。」に改める。 ⑺ 同頁24行目の「棄却した」から25行目の末尾までを「棄却する旨の判決(東京地方裁判所八王子支部昭和57年第1253号平成元年3月15日判決・判例タイムズ705号205頁,判例時報1498号44頁)をした。」に改める。 ⑻ 同52頁5行目の「却下し」から7行目の末尾までを「却下する(ただし,不利益変更となる部分は控訴棄却とする)旨の判決(東京高等裁判所平成元年第1019号,第1553号同6年3月30日判決・判例タイムズ855号246頁,判例時報1498号25頁)をし,同判決は確定した。」に改める。 ⑼ 同頁15行目の「棄却し」から16頁の末尾までを「棄却する旨の判決(東第895号同14年5月30日判決・判例タイムズ1164号196頁,判例時報1790号47頁)をした。」に 。」に改める。 ⑼ 同頁15行目の「棄却し」から16頁の末尾までを「棄却する旨の判決(東第895号同14年5月30日判決・判例タイムズ1164号196頁,判例時報1790号47頁)をした。」に改める。 ⑽ 同頁17行目から18行目にかけての「訴えを却下する旨の判決がされ,」を「第1審において訴えを却下する旨の判決(東京地方裁判所八王子支部平成8年第763号同9年3月14日判決・判例タイムズ953号298頁,判例時報1612号101頁)がされ,控訴審でもこれを支持する判決(東京高等裁判所平成9年第2195号同10年12月25日判決・判例タイムズ1061号265頁,判例時報1665号64頁)がされたところ,」に,19行目の「是認した」から20行目の末尾までを「是認する旨の判決(最高裁判所平成11年受)第741号同14年4月12日第二小法廷判決・民集56巻4号729頁,判例タイムズ1092号107頁, 判例時報1786号43頁)をした。」にそれぞれ改める。 ⑾ 同53頁1行目の「却下した」から2行目の末尾までを「却下する旨の判決(東京高等裁判所平成14年平成16年第6001号同17年11月30日判決・判例タイムズ1270号324頁,判例時報1938号61頁〔以下「横田平成17年控訴審判決」という。〕)をした。」に改める。 ⑿ 同頁6行目の「棄却した」から8行目の末尾までを「棄却する旨の判決(最高裁判所平成18年(受)第882号同19年5月29日第三小法廷判決・裁判集民事224号391頁,判例タイムズ1248号117頁,判例時報1978号7頁〔以下「横田平成19年最高裁判決」という。〕)をした。」に改める。 ⒀ 同頁9行目の「この間の平成6年12月と平成12年8月も,」を「平成6年12月と平成12年8月にも,」 例時報1978号7頁〔以下「横田平成19年最高裁判決」という。〕)をした。」に改める。 ⒀ 同頁9行目の「この間の平成6年12月と平成12年8月も,」を「平成6年12月と平成12年8月にも,」に改める。 ⒁ 同頁行目16行目の「基本的に支持する判決」の後に「(東京高等裁判所平20年7月17日判決・公刊物未登載・判例秘書登載〔以下「横田平成20年控訴審判決」という。〕)」を加える。 ⒂ 同頁26行目の冒頭から末尾までを次のとおり改める。 「認容する旨の判決(東京地方裁判所立川支部平成25年第658号,第1757号同29年10月11日判決・公刊物未登載・判例秘書登載)をした。 上記判決に対し,双方が控訴し,東京高等裁判所(第21民事部)は,令和元年6月6日,第1審口頭弁論終結の日の翌日から控訴審口頭弁論終結日までの損害を加算するなどしたものの,上記①ないし③の判断を基本的に是認する旨の判決(東京高等裁判所平成29年第5065号令和元年6月16日判決・公刊物等未登載)をした。」 4 当事者の主張次のとおり補正し,後記第3の3のとおり当審における当事者の主張を加えるほかは,原判決「事実及び理由」欄の「第3部当事者の主張」(原判決54頁2行目から122頁6行目まで〔原判決別紙7-1(同284頁),原判決別紙7-2(同285頁から289頁まで)及び原判決別紙8(同291頁から299頁まで)を含む。〕)に記載のとおりであるから,これを引用する(なお,引用に係る原判決における「差止原告ら」は「差止一審原告ら」に読み替える。 以下同じ。)。 (原判決の補正)⑴ 原判決56頁17行目「厚木飛行場」から18行目の末尾までを「厚木飛行場に関する最高裁判所昭和62年第58号平成5年2月25日第一小法廷判決(民集47巻2号6 同じ。)。 (原判決の補正)⑴ 原判決56頁17行目「厚木飛行場」から18行目の末尾までを「厚木飛行場に関する最高裁判所昭和62年第58号平成5年2月25日第一小法廷判決(民集47巻2号643頁,判例タイムズ816号113頁,判例時報1456号32頁。以下「厚木平成5年最高裁判決」という。)」に改める。 ⑵ 同58頁3行目から4行目にかけての「小松飛行場に関する平成14年3月6日金沢地方裁判所判決(以下「小松平成14年一審判決」という。)」を「小松飛行場に関する金沢地方裁判所平成7年平成8年第300号同14年3月6日判決(判例時報1798号21頁。以下「小松平成14年一審判決」という。)」に改める。 ⑶ 同60頁14行目の末尾に行を改めて次のとおり加える。 「⑴ 米軍又はその被用者による損害賠償責任について」⑷ 同頁15行目の「⑴ 」を「ア 」に,24行目の「⑵ 」を「イ 」に,61頁13行目の「⑶ 」を「ウ 」にそれぞれ改め,同行目の「被告は,」の後に「米軍又はその被用者による損害賠償責任について,」を加える。 ⑸ 同頁1行目の「大阪国際空港」から3行目の「という。)」までを「大阪国際空港に関する大法廷判決(民集35巻10号1369頁,判例タイムズ455号171頁, 判例時報1025号39頁。以下「大阪空港訴訟最高裁判決」という。)」に改める。 ⑹ 同頁14行目の末尾に行を改めて次のとおり加える。 「⑵ 自衛隊機による損害賠償責任についてまた,一審被告は,自衛隊機による損害賠償責任について,国賠法1条又は2条によって,一審原告らの損害を賠償する責任を負う。」⑺ 同70頁4行目から5行目にかけての「以下,一括して「指定区域外原告ら」という。」を「指定区域外一審原告ら」に改める。 ⑻ 同75頁4行目 条によって,一審原告らの損害を賠償する責任を負う。」⑺ 同70頁4行目から5行目にかけての「以下,一括して「指定区域外原告ら」という。」を「指定区域外一審原告ら」に改める。 ⑻ 同75頁4行目の「普天間飛行場」から7行目の「判決は,」までを「普天間飛行場に関する福岡高等裁判所那覇支部平成20年第125号同22年7月29日判決(判例タイムズ1365号174頁,判例時報2091号162頁。以下「普天間平成22年控訴審判決」という。)及び那覇地方裁判所沖縄支部平成24年第121号,第443号同28年11月17日判決(判例時報2341号3頁)は,」に改める。 ⑼ 同88頁4行目,111頁15行目及び120頁6行目の各「別紙6防音工事一覧表」を「別紙6「一審原告居住地のW値及び住宅防音工事実績」」にそれぞれ改める。 ⑽ 同88頁5行目の「とおりであるとすること」の後に「(ただし,当審〔控訴審〕で新たに主張された同別紙の赤字部分を除く。)」を加える。 ⑾ 同93頁4行目の「福岡空港」から6行目の「という。)」までを「福岡空港に関する最高裁判所平成4年第1180号同6年1月20日第一小法廷判決(裁判集民事171号15頁,判例タイムズ855号103頁,判例時報1502号98頁。以下「福岡空港平成6年最高裁判決」という。)」に改める。 ⑿ 同94頁1行目の「適用法条として,」の後に「米軍又はその被用者による損害賠償責任につき,」を加える。 5 争点原判決122頁10行目の「等」を削るほかは,原判決「事実及び理由」欄の「第4部争点」(原判決122頁7行目から22行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,原審と同様に,差止一審原告らの自衛隊機の離着陸及びエンジン作動の差 点」(原判決122頁7行目から22行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,原審と同様に,差止一審原告らの自衛隊機の離着陸及びエンジン作動の差止め並びに音量規制を求める訴えは不適法であり,米軍機の離着陸及びエンジン作動の差止め,音量規制並びに訓練の差止めの請求は理由がなく,当審口頭弁論終結の日の翌日以降に発生する損害の賠償請求に係る訴えは不適法であると判断するが,当審口頭弁論終結の日までに発生した損害の賠償請求は,原審と一部異なり,主文第2項⑴の限度で認容し,その余を棄却すべきものと判断する(ただし,原審口頭弁論終結の日の翌日から当審口頭弁論終結の日までに発生した損害の賠償請求を棄却すべき部分は,不利益変更禁止の原則に従い,同部分に係る各一審原告の控訴を棄却するにとどめる。)。その理由は,次の2のとおり原判決を補正し,3のとおり当審における当事者の主張に対する判断を加えるほかは,原判決「事実及び理由」欄の「第5部当裁判所の判断」(原判決122頁23行目から236頁1行目まで〔原判決別紙7-1(同284頁),原判決別紙7-2(同285頁から289頁まで),原判決別紙7-3(同290頁)及び原判決別紙8(同291頁から299頁まで)を含む。〕)に記載のとおりであるから,これを引用する。 2 原判決の補正⑴ 原判決122頁25行目の「等」を削る。 ⑵ 同頁26行目の冒頭から末尾までを削る。 ⑶ 同123頁1行目の「(ただし,」から「以下同じ。)」までを削る。 ⑷ 同頁9行目の冒頭から15行目の末尾までを削る。 ⑸ 同125頁11行目の「名古屋高裁金沢支部」を「名古屋高等裁判所金沢 支部」に改める。 ⑹ 同126頁7行目の「管理運営の権限は,」の後に「少なくとも米軍機の 行目の末尾までを削る。 ⑸ 同125頁11行目の「名古屋高裁金沢支部」を「名古屋高等裁判所金沢 支部」に改める。 ⑹ 同126頁7行目の「管理運営の権限は,」の後に「少なくとも米軍機の運航等に関しては」を加える。 ⑺ 同128頁5行目の冒頭から130頁5行目の末尾までを次のとおり改める。 「⑴ 適用法条についてア一審原告らは,損害賠償請求についての適用法条として,米軍又はその被用者による損害賠償責任につき,民事特別法1条又は2条を挙げる。 前記「前提となる事実」の「第1 横田飛行場の設置・管理の経緯等」によれば,横田飛行場は,もともとは我が国が設置したものであるが,アメリカ合衆国が日米安保条約及び地位協定に基づき使用を許可され,米軍を駐留させ,使用,管理していると認められるから,同法2条にいう「合衆国軍隊の占有し,所有し,又は管理する土地の工作物」に当たるというべきであるし,そもそも,一審原告らは,横田飛行場が多数の住民が居住する地域に極めて近接しているなどその立地条件が劣悪であることに起因して航空機騒音等の被害を受けているというのであるから,同条により端的に横田飛行場の設置,管理の瑕疵に対する責任を追及するのが最も良く実態に合致し,かつ,それで十分であると考えられる(なお,同法1条にいう「合衆国軍隊の構成員又は被用者が,その職務を行うについて日本国内において違法に他人に損害を加えたとき」については,国賠法1条1項の解釈が妥当し,一審原告らは,米軍機の飛行に関与するなどした合衆国軍隊の構成員又は被用者を個別具体的に特定するまでの必要がないとしても,これらの者の加害行為及び故意過失について具体的に主張することが必要であると解されるが,一審原告らはかかる主張を全くしていないから, 一審原告らの民事特 特定するまでの必要がないとしても,これらの者の加害行為及び故意過失について具体的に主張することが必要であると解されるが,一審原告らはかかる主張を全くしていないから, 一審原告らの民事特別法1条を適用法条とする主張は失当というほかはない。)。 イ一審原告らは,損害賠償請求についての適用法条として,自衛隊機による損害賠償責任につき,国賠法1条又は2条を挙げる。 上記アのとおり,横田飛行場は,もともとは我が国が設置したものであるところ,アメリカ合衆国が日米安保条約及び地位協定に基づき使用を許可され,米軍を駐留させ,使用,管理しているものであるが,前記「前提となる事実」の「第1 横田飛行場の設置・管理の経緯等」(特に,1,3⑴オ,6⑷,7)及び弁論の全趣旨によれば,同飛行場には,平成24年3月以降,航空自衛隊航空総隊司令部と関連部隊の施設も設置され,自衛隊機は常駐しないものの,飛来することがあり,その運航は,前記「本件差止請求について」の「2 自衛隊機に係る差止請求に係る訴えの適否」において説示したとおり,防衛大臣の権限の下に行われるものであるから,同飛行場は,自衛隊機の運航に関しては,アメリカ合衆国ないし米軍の全面的な設置管理下にあるものではなく,少なくとも一定程度は一審被告の設置管理下にあるというべきであり,その限度で同法2条1項にいう「営造物」に当たる。 上記アのとおり,一審原告らは,横田飛行場が多数の住民が居住する地域に極めて近接しているなどその立地条件が劣悪であることに起因して航空機騒音等の被害を受けているというのであるから,同条により端的に横田飛行場の設置,管理の瑕疵に対する責任を追及するのが最も良く実態に合致し,かつ,それで十分であると考えられる(なお,同法1条1項は,公務員の職務上の故意過失を要件とするから ら,同条により端的に横田飛行場の設置,管理の瑕疵に対する責任を追及するのが最も良く実態に合致し,かつ,それで十分であると考えられる(なお,同法1条1項は,公務員の職務上の故意過失を要件とするから,一審原告らは,自衛隊機の飛行に関与するなどした公務員を個別具体的に特定するまでの必要がないとしても,これらの者の加害行為及び故意過失について具体的に主張することが必要であると解されるが,一審 原告らは,かかる主張を全くしていないから,一審原告らの同法1条を適用法条とする主張は失当というほかはない。)。 ⑵ 民事特別法2条及び国賠法2条についてア設置又は管理の瑕疵の意義国賠法2条1項の営造物の設置又は管理の瑕疵とは,営造物が有すべき安全性を欠いている状態をいい,当該営造物を構成する物的施設自体に存する物理的,外形的な欠陥ないし不備によって他人に危害を生ぜしめる危険性がある場合のみならず,その営造物が供用目的に沿って利用されることとの関連において危害を生ぜしめる危険性がある場合をも含み,また,その危害は,営造物の利用者に対してのみならず,利用者以外の第三者に対するそれをも含むものと解される。すなわち,当該物件の利用の態様及び程度が一定の限度にとどまる限りにおいてはその施設に危害を生ぜしめる危険性がなくても,これを超える利用によって危害を生ぜしめる危険性がある状況にある場合には,そのような利用に供される限りにおいて同物件の設置又は管理には瑕疵があるというを妨げず,したがって,同物件の設置・管理者において,かかる危険性があるにもかかわらず,これにつき特段の措置を講ずることなく,また,適切な制限を加えないままこれを利用に供し,その結果利用者又は第三者に対して現実に危害を生ぜしめたときは,それが設置・管理者の予測し得ない事由に わらず,これにつき特段の措置を講ずることなく,また,適切な制限を加えないままこれを利用に供し,その結果利用者又は第三者に対して現実に危害を生ぜしめたときは,それが設置・管理者の予測し得ない事由によるものでない限り,同条の規定による責任を免れることができないと解され,民事特別法2条にいう設置又は管理の瑕疵については,国賠法2条1項の営造物の設置又は管理の瑕疵についての解釈が妥当するから,民事特別法2条の責任についても同様と解される(大阪空港訴訟最高裁判決,横田平成5年最高裁判決,厚木平成5年最高裁判決参照)。 一審原告らの主張する横田飛行場の設置又は管理の瑕疵は,横田飛 行場に離着陸等する米軍機及び自衛隊機が発する航空機騒音等が一審原告らに被害を生ぜしめているという点にあるところ,上記のとおり,利用者以外の第三者に対する危害も民事特別法2条及び国賠法2条1項の設置又は管理の瑕疵に含まれ,また,工作物ないし営造物がその供用目的に沿って利用されている状況のもとにおいてこの利用から危害が生ずるような場合もこれに含まれるというべきであるから,横田飛行場の供用が第三者に対する関係において違法な権利侵害ないし法益侵害となる限り,横田飛行場に民事特別法2条及び国賠法2条1項の設置又は管理の瑕疵があるというべきである。 イ違法性の意義土地の工作物その他の物件ないし営造物の使用又は供用が第三者に対する関係において違法な権利侵害ないし法益侵害となり,一審被告が民事特別法2条ないし国賠法2条1項に基づく賠償義務を負うかどうかを判断するに当たっては,侵害行為の態様と侵害の程度,被侵害利益の性質と内容,侵害行為の持つ公共性ないし公益上の必要性の内容と程度等を比較検討するほか,侵害行為の開始とその後の継続の経過及び状況,その間に採られた被 ては,侵害行為の態様と侵害の程度,被侵害利益の性質と内容,侵害行為の持つ公共性ないし公益上の必要性の内容と程度等を比較検討するほか,侵害行為の開始とその後の継続の経過及び状況,その間に採られた被害の防止に関する措置の有無及びその内容,効果等の事情をも考慮し,これらを総合的に考察してこれを決すべきである(大阪空港訴訟最高裁判決,厚木平成5年最高裁判決参照)。」⑻ 同130頁6行目の「上記⑵ウ」を「補正後の上記⑵ウ」に改める。 ⑼ 同頁15行目の「A70,」の後に「A82,」を加える。 ⑽ 同頁17行目の末尾に「(オスプレイについては後述する。)」を加える。 ⑾ 同133頁4行目の「平成30年夏に」から5行目の末尾までを「同年夏に横田飛行場に配備することを決定した。同決定に基づき,同年10月1日,CV-22オスプレイ5機が横田飛行場に配備された。今後,令和6年頃ま でに更に5機が追加配備され,合計10機が配備される予定となっている。」に改める。 ⑿ 同138頁23行目から24行目にかけての「当審口頭弁論終結の時点で更に7年ないし9年近くが経過しているところ,」を「当審(控訴審)口頭弁論終結の時点で更に8年ないし10年近くが経過しているところ,」に改める。 ⒀ 同141頁5行目の「できないため」の後に「(当審〔控訴審〕で提出された甲A99の1,A99の2も同様。)」を加える。 ⒁ 同142頁15行目の末尾に行を改めて次のとおり加える。 「 なお,拝島第二小地点については平成29年度及び平成30年度の測定結果も公表されているが(甲A93,A94),これらについて検討しても,上記検討結果とは異なる傾向が顕著であるとは認められない。また,その余の証拠(当審〔控訴審〕で提出されたものを含む。)を検討しても,上記検討結果を覆す 甲A93,A94),これらについて検討しても,上記検討結果とは異なる傾向が顕著であるとは認められない。また,その余の証拠(当審〔控訴審〕で提出されたものを含む。)を検討しても,上記検討結果を覆すものではない。」⒂ 同148頁4行目の「陳述者全体(143名)」を「陳述者全体(144名)」に改める。 ⒃ 同152頁4行目から5行目にかけての「横田飛行場に飛来し,同飛行場への配備も予定されているオスプレイ」を「横田飛行場に平成26年7月以降飛来していたMB-22オスプレイや平成30年10月に配備されたCV-22オスプレイ」に改める。 ⒄ 同頁19行目の「他の米軍機」から153頁1行目の末尾までを次のとおり改める。 「他の米軍機と比較して高い数字ではかったが,その後,平成28年12月から平成29年9月までの間にクラスAに該当する事故が3件発生したことから,同月末時点では3.26に上昇し,平成24年9月に公表された海兵隊機平均を上回るに至ったことが認められ,また,横田飛行場に配備 されたCV-22オスプレイ(機体構造,エンジン,飛行システムの基礎など基本性能は,海兵隊仕様のMV-22オスプレイと変わらないが,空軍仕様であって,従事する任務が異なるため,地形追従装置など搭載する装備品が異なる。)については,10万飛行時間に達していないことから,有意な事故率が算定されていないものの,今後,これが算定されれば,MV-22オスプレイよりも高くなる可能性が高いことがうかがわれるから(甲A71,A82,A83,乙A167,弁論の全趣旨),一審原告らがオスプレイの飛行について強い不安感や恐怖感を抱くことには,理解できないわけではない。しかしながら,他方で,防衛省はオスプレイの機体の安全性には問題がないという見解を公表しており(乙A233 告らがオスプレイの飛行について強い不安感や恐怖感を抱くことには,理解できないわけではない。しかしながら,他方で,防衛省はオスプレイの機体の安全性には問題がないという見解を公表しており(乙A233),ほかに機体自体に欠陥があると認めるに足りる的確な証拠はない上,少なくとも一審原告らに被害が発生したわけではなく,具体的な危険性があったともいい難いから,航空機事故の危険性に係る上記判断を覆す事情とまでは認められない(なお,一審原告ら〔ただし,原告番号56-3,148-4ないし148-8の一審原告らを除く。〕は,オスプレイが機体後方から銃口を露出して地面に向ける訓練をしており〔甲A91〕,機銃の的とされる不安があるなどとも主張するが,ハッチを開けた飛行が標準的なものではなく,銃弾が込められた上での訓練であることなどを認めるに足りる証拠もなく,そのような不安感は共通損害とは認められない。)。」⒅ 同158頁6行目から7行目にかけての「琉球大学工学部環境建設工学科准教授である渡嘉敷健」を「渡嘉敷健琉球大学工学部環境建設工学科准教授(以下「渡嘉敷准教授」という。)」に改める。 ⒆ 同160頁26行目の「であって」の後に「(なお,上記の点に関する後者の判決の判断は,控訴審判決では支持されていない〔乙A232〕。)」を加える。 ⒇ 同162頁5行目の「民事特別法2条」の後に「及び国賠法2条1項」を 加える。 同209頁4行目から5行目にかけての「乙A170の1,A170の2,A226の1,A226の2,甲B2の10,B4の21,B4の32」を「乙A170の1,A170の2,A226の1,A226の2,A236の1,A236の2,A236の3,甲B2の10,B4の21,B4の32,B30~B34」に,6行目の「別紙6防音工事一覧表 」を「乙A170の1,A170の2,A226の1,A226の2,A236の1,A236の2,A236の3,甲B2の10,B4の21,B4の32,B30~B34」に,6行目の「別紙6防音工事一覧表」を「別紙6「一審原告居住地のW値及び住宅防音工事実績」(ただし,原告番号13及び14については,「備考」欄〔各1行目〕の冒頭に「H16建替後防音工事なし,」を加え,原告番号43については,「工事室数合計」及び「施工割合%」の各欄を「3」及び「60」に読み替え,原告番号57ないし59については,「工事室数合計」及び「施工割合%」の各欄を「5」及び「63」に読み替える。)」にそれぞれ改める。 同220頁15行目の「97~99,101,」を「98(被承継人),99(被承継人),101(被承継人),」に改める。 同227頁10行目の「行った」から12行目の「ところである。」までを「原審が実施した現地進行協議期日に関しても,全体的に航空機の飛行回数が少なかったと報告されている(乙A183)。」に改める。 同231頁26行目の「当審口頭弁論終結日前」から232頁2行目の末尾までを「当審(控訴審)口頭弁論終結日前の最後の慰謝料算定の基準期間(第1事件では令和元年9月12日から同月17日,第2事件では同月7日から同月17日)についても同様とする。」に改める。 同頁5行目の冒頭から23行目の末尾までを次のとおり改める。 「 一審被告の助成により防音工事が実施されたことは,同工事が実施された住居に居住する一審原告らの被害を一定程度軽減する事情として,慰謝料算定の際に考慮するのが相当であるが,その減額割合については,同工事が航空機騒音の被害を根本的に解消するものとはいえないこと,防音効 果を享受するためには工事実施部分を密閉する必要がある 料算定の際に考慮するのが相当であるが,その減額割合については,同工事が航空機騒音の被害を根本的に解消するものとはいえないこと,防音効 果を享受するためには工事実施部分を密閉する必要があるが,そのことによる弊害もあり,日常生活で常時密閉して防音効果を十全に得ることは困難であることなどに照らせば,一審被告からの助成を受けて防音工事を実施した一審原告ら及びその同居者らにつき,防音工事を実施した居室の数や工事の種別に関わりなく,最初の防音工事の実施後の慰謝料の額を一律に10%減額するのが相当である。 減額の計算については,1か月を単位とし,慰謝料算定の基準期間の途中で住宅防音工事が施工された場合には,W値の異なる区域への転居があった場合に準じて,当該月も減額計算の対象とする。」同233頁8行目の「1か月当たりの」を削る。 同頁10行目の冒頭から234頁13行目の末尾までを次のとおり改める。 「⑷ 別紙3-1「認容額一覧表1」及び別紙3-2「認容額一覧表2」について以上の考え方をもとに,第1事件一審原告らについては認容額一覧表1において平成21年12月12日から,第2事件一審原告らについては認容額一覧表2において平成23年8月7日から,それぞれ当審(控訴審)口頭弁論終結日までの各一審原告に対応する慰謝料算定の基準期間ごとに慰謝料及び弁護士費用の合計額を記載し,その総額を「元金合計」欄に記載したほか,訴え提起前3年分の合計額を「提訴前合計」欄に記載した(便宜上,被承継人についても併せて記載した。)。 ⑸ 別紙3-3「承継人認容額一覧表1」及び別紙3-4「承継人認容額一覧表2」について承継人認容額一覧表1の「被承継人」欄記載の被承継人らについては,同「承継人」欄記載の承継人らが「相続割合」欄記載の割合で被承継人の死亡 一覧表1」及び別紙3-4「承継人認容額一覧表2」について承継人認容額一覧表1の「被承継人」欄記載の被承継人らについては,同「承継人」欄記載の承継人らが「相続割合」欄記載の割合で被承継人の死亡日までに生じた損害賠償請求権を取得しているところ,被承継人らに生じた損害額は,認容額一覧表1の,当該被承継人らに対応する「提 訴前合計」欄及び「H24.12.12~H25.1.11」欄以降の欄に記載のとおりである。もともと自らも一審原告として損害賠償請求をし,その後,親族の分を承継取得した一審原告らについては,認容額一覧表1記載の当該一審原告欄の金額と承継人認容額一覧表1の同一審原告を承継人とする部分の金額を合算した金額が当該一審原告兼訴訟承継人らに対する認容額合計ということになる。 承継人認容額一覧表2の「被承継人」欄記載の被承継人については,同「承継人」欄記載の承継人らが「相続割合」欄記載の割合で被承継人の死亡日までに生じた損害賠償請求権を取得しているところ,被承継人らに生じた損害額は,認容額一覧表2の,当該被承継人に対応する「提訴前合計」欄及び「H26.8.7~H26.9.6」欄以降の欄に記載のとおりである。もともと自らも一審原告として損害賠償請求をし,その後,親族の分を承継取得した一審原告については,認容額一覧表2記載の当該一審原告欄の金額と承継人認容額一覧表2の同一審原告を承継人とする部分の金額を合算した金額が当該一審原告兼訴訟承継人らに対する認容額合計ということになる。 ⑹ 遅延損害金について提訴日前日までに生じた損害については,認容額一覧表1記載の第1事件一審原告ら及び承継人認容額一覧表1記載の訴訟承継人らについては,各人に対応する「提訴前合計」欄の額に対する第1事件の訴状送達日の翌日である平成24年12月2 ついては,認容額一覧表1記載の第1事件一審原告ら及び承継人認容額一覧表1記載の訴訟承継人らについては,各人に対応する「提訴前合計」欄の額に対する第1事件の訴状送達日の翌日である平成24年12月21日から,認容額一覧表2記載の第2事件一審原告ら及び承継人認容額一覧表2記載の訴訟承継人らについては第2事件の訴状送達日の翌日である平成26年8月22日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を認める。 提訴日以降に生じた損害については,提訴前に生じた損害に対する遅延損害金との重複を避けつつ,一審原告らが1か月当たりの損害につい て翌月1日を遅延損害金の起算日として請求していることに照らし,認容額一覧表1及び同2記載の各一審原告並びに承継人認容額一覧表1及び同2記載の各訴訟承継人らに対応する各慰謝料算定の基準期間欄記載の各金員に対する同期間の最終日の翌月1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を認める。」同235頁6行目の「厚木平成28年最高裁判決」を「最高裁判所平成27年(受)第2309号同28年12月8日第一小法廷判決・裁判集民事254号35頁,判例タイムズ1434号57頁,判例時報2325号37頁」に改める。 3 当審における当事者の主張に対する判断⑴ 一審原告ら(ただし,原告番号56-3及び148-4ないし148-8の一審原告らを除く。下記ア,ウ及びエにおいて,同じ。)の主張に対する判断ア差止請求について差止一審原告らは,① 自衛隊機の運航は単なる事実行為であり,防衛大臣の自衛隊機の運航に関する訓令は,行政機関内部の命令にすぎず,国民に対し具体的法的効果を生じるものではないから行政処分ではない,自衛隊法に基づく防衛大臣の権限行使は,基地周辺の住民らに対する騒音の受忍 衛隊機の運航に関する訓令は,行政機関内部の命令にすぎず,国民に対し具体的法的効果を生じるものではないから行政処分ではない,自衛隊法に基づく防衛大臣の権限行使は,基地周辺の住民らに対する騒音の受忍義務を課すことの根拠にはならないなどとして,横田飛行場における自衛隊の使用する航空機の離着陸及びエンジン作動の差止め並びに音量規制を求める訴えは,民事上の訴えとして適法である,② 一審被告自身が横田基地を米軍に提供し,基地の拡張や機能強化に助力し,様々な便宜を図っており,それらを中止し得る立場にあるから,横田飛行場における米軍の使用する航空機の離着陸及びエンジン作動の差止め並びに音量規制の請求と差止一審原告らの居住地の上空における米軍の使用する航空機の旋回,急上昇,急降下の訓練の差止請求は,その差止めの対象が第三 者の行為であるというだけの理由で棄却されるべきではない旨主張する。 しかしながら,自衛隊機の離発着等の差止め等に係る訴えは,防衛大臣に委ねられた自衛隊機の運航に関する権限の行使の取消変更ないしその発動を求める請求を包含するものであって,民事上の請求としては不適法であることは,引用に係る補正後の原判決が説示するとおりである。また,米軍の使用する航空機の離発着等の差止め等に係る訴えは,一審原告らが主張する被害を直接生じさせている者が米軍であることを前提とするものであるところ,横田飛行場に係る一審被告と米軍との法律関係は,条約に基づくものであるが,条約ないしそれに基づく国内法令に米軍の管理運営の権限を制約し,その活動を制限し得るような定めはないから,主張自体失当であることは,引用に係る補正後の原判決が説示するとおりである。 差止一審原告らが差止請求を認めるべきであるとしてるる主張するところは,いずれも厚木平成5年最高裁判決及び 定めはないから,主張自体失当であることは,引用に係る補正後の原判決が説示するとおりである。 差止一審原告らが差止請求を認めるべきであるとしてるる主張するところは,いずれも厚木平成5年最高裁判決及び横田平成5年最高裁判決の基本的な考え方に明らかに反する独自の見解であって,採用することはできない。 イ侵害行為等について一審原告らは,航空機騒音(航空機の離発着に伴い発生する騒音)に関し,原審で主張したところに加え,当審で提出した書証(甲A93ないしA96,A89の1,A89の2,A97ないしA99)に基づき,平成30年以降も,C-17等が飛来し,C-130J-30スーパーハーキュリーズが配置され,受忍し難い騒音が続いていることは明白である上,同年6月にCV-22オスプレイが飛来して以降,特に同年10月に正式配備されて以降は,航空機騒音が増加している旨主張する。 確かに,告示コンター内地域(75W以上の地域)において,平成30年以降も受忍限度を超える航空機騒音が生じていると認められることは,引用に係る補正後の原判決が説示するとおりであるが,一審原告ら が当審において追加提出した上記証拠によっても,直ちに平成30年6月あるいは同年10月以降の航空機騒音の増加が顕著であると即断することはできない。 一審原告らは,航空機騒音とは別の侵害として,① 平成21年頃から現在に至るまで,着陸機の接地後のリバース音,タクシーイング音,整備に伴うエンジン試運転音及び離陸前のエンジン調整音等といった地上騒音が発生している,② 平成27年9月に実施した本件低周波音測定報告書(甲A59)に加え,平成31年4月に実施した「横田基地北側瑞穂地区騒音測定結果」(甲A88)によれば,通常騒音とは異なる低周波音による侵害がある,③ 横田基地に配備さ 施した本件低周波音測定報告書(甲A59)に加え,平成31年4月に実施した「横田基地北側瑞穂地区騒音測定結果」(甲A88)によれば,通常騒音とは異なる低周波音による侵害がある,③ 横田基地に配備されたオスプレイはMV-22ではなくCV-22であるところ,CV-22の事故率は非常に高く,オスプレイによる事故は,その構造的欠陥に起因するものであるから,横田基地周辺住民にとって墜落の危険性は具体化し,その程度も高まっている,④ 空港周辺の大気汚染の汚染濃度の分布については,拡散濃度の推定法が確立しており,空港を離発着する航空機の種類,搭載されているエンジンとその基数及び離発着数,運転4モードの所要時間及び機種別モード別の排出量が分かれば,計算可能であるところ,原審は,釈明ないし文書提出命令などによって上記のデータを一審被告に提出させることをせずに,一審原告らが,航空機の排気ガス中の汚染物質の量について客観的資料による主張,立証をしていない旨の判断をしたことは,立証責任に関する法則の適用を誤っている,また,一審原告らは,有害物質の吸入による健康被害への不安を抱え,実際,横田基地周辺ではPM2.5の高い濃度が記録されているから,その不安は根拠がないものとはいえない,⑤ 横田基地に飛来した米軍機のうち,平成26年から平成27年にかけて,3機(MV-22オスプレイ,F/A-18,CH-53E)が墜落炎上し,墜落は避けられたものの,UH -1N,C-130が不時着あるいは緊急着陸した事故も多発している,落下物事故も,明確に部品の落下事故と考えられるもののほか,部品喪失事故もあるから(これも上空のどこかで部品が落下したものである。),横田基地の存在及び運用によって,事件・事故の発生及びその危険性があり,一審原告らは,その不安感や恐怖感を れるもののほか,部品喪失事故もあるから(これも上空のどこかで部品が落下したものである。),横田基地の存在及び運用によって,事件・事故の発生及びその危険性があり,一審原告らは,その不安感や恐怖感を抱いているなどと主張する。 しかしながら,上記①については,引用に係る原判決の説示するとおり,平成15年度調査の結果によれば,地上騒音が発生していることがうかがわれないわけではないが,上記調査の結果から直ちに平成21年頃以降も,航空機騒音とは別の侵害として評価すべき地上騒音による侵害があることを認めるに足りる的確な証拠があるとはいえない(一審原告ら自身,地上騒音には,暗騒音との区別が容易でなく,飛行騒音と重畳することも多く,正確な状況の把握は容易でないという特性があるとしているところである。)。 ②については,本件低周波音測定報告書(甲A59)は,引用に係る補正後の原判決の説示するとおり,1か所の測定地点における5日間というごく短期間の測定・分析の結果を示すものにすぎないこと,あえて環境庁マニュアル(乙A171)とは異なる測定方法を採用していること,風雑音による影響がどの程度排除されているか明らかでないこと,測定された低周波音の発生音源が特定されていないことなどから,上記報告書によって,通常騒音とは別の低周波音による侵害があると認めることはできない(なお,立川市の風向・風速記録等〔甲A79,A80の1及び2〕も,この判断を覆すものではない。)。一審原告らの中には,原審で提出した陳述書において「窓枠やガラスが共鳴して振動する」,「家全体が振動する」などといった物的苦情を訴える者がいるが,物的苦情をもって直ちに低周波音被害であると認めることはできない。また,原審において平成29年9月に実施された現地進行協議の際の測定結果 〔甲 る」などといった物的苦情を訴える者がいるが,物的苦情をもって直ちに低周波音被害であると認めることはできない。また,原審において平成29年9月に実施された現地進行協議の際の測定結果 〔甲A65,A66,A67〕は,測定場所により測定の条件が相違するなどの問題があり,上記判断を覆すに足りるものではない。一審原告らは,当審において,渡嘉敷准教授が,平成31年4月24日に,横田飛行場滑走路北端からほぼ北へ0.2km強の位置にあるみずほエコパーク(東京都西多摩郡瑞穂町大字箱根ヶ崎1723番地)の南東側地点(第三種区域とみなされる地域)で,地上約1.5mの高さからリオン製精密騒音計(型式NA-28)を三脚に固定し,CV-22オスプレイが北から南に着陸態勢で通過する間(同日21時15分から21時23分まで)に,騒音を測定した結果等を記載した「横田基地北側瑞穂地区騒音測定結果」(甲A88)を提出するが,1か所の測定地点における数分という短時間の測定・分析の結果を示すものにすぎず,横田飛行場周辺の低周波音の発生状況の全体像を明らかにするものとはいえないこと,周波数補正特性についてC特性及びA特性を用いるなど環境庁マニュアルとはあえて異なる測定方法が採用され,環境省手引書において低周波音測定時の測定項目とされる風速や風向など気象条件の記載もなく,風雑音による影響がどの程度排除されているか明らかでないし,測定場所に近接する線路や道路を走る鉄道や自動車の影響が排除されているかも明らかでないなど,その測定結果の客観性には疑問がある。そして,一部の一審原告らのアンケート結果(甲B21,B22,B23の1ないしB23の70)の存在を考慮しても,横田飛行場を離着陸するCV-22オスプレイにより,一審原告らの主張のとおり低周波音が発生していると認定す 告らのアンケート結果(甲B21,B22,B23の1ないしB23の70)の存在を考慮しても,横田飛行場を離着陸するCV-22オスプレイにより,一審原告らの主張のとおり低周波音が発生していると認定することはできない。 ③については,航空機騒音の関係は引用に係る補正後の原判決の説示であり,低周波音の関係は上記②のとおりであり,事故の関係は引用に係る補正後の原判決の説示するところ及び⑤について後述するとおりであって,一審原告らが訴えるCV-22 オスプレイの訓練飛行で感じる恐怖を含め,少なくとも現時点においては,航空機騒音に伴う一審原告らの心理的・情緒的被害の一環として考慮すれば足りるものというべきである。 ④については,引用に係る補正後の原判決が説示するとおり,横田飛行場周辺の一審原告らの居住地域において同飛行場を離発着する航空機の排気ガスによる侵害が生じていると認めるに足りる証拠は提出されていない。一審原告らは,裁判所が釈明や文書提出命令などによって上記航空機の種類・離発着のデータ等を一審被告に提出させるべきであると主張するが,一審原告らが横田基地を離発着する航空機により被っているとする被害の内容であり,損害賠償請求をする一審原告らが主張,立証すべき事項であるから,裁判所が職権により釈明処分として文書の提出を命じるべきものではない(実際,一審原告らは,文書提出命令の申立てもしていない。)。また,大気汚染(PM2.5を含む。)は,航空機の排気ガスのみにより生ずるものではなく,自動車の排気ガス,工場から排出される気体,火山活動,外国からの汚染物質の飛来など多様な原因によって引き起こされる性質のものであるから,一審原告らがるる主張するところは,十分な根拠を持った推論とはいえないものというべきである。 ⑤については,引用に係 からの汚染物質の飛来など多様な原因によって引き起こされる性質のものであるから,一審原告らがるる主張するところは,十分な根拠を持った推論とはいえないものというべきである。 ⑤については,引用に係る補正後の原判決が説示するとおり,横田飛行場を離発着する米軍機の墜落事故及び横田飛行場周辺における航空機の墜落事故は昭和59年10月の事故以降は発生していないのであって,一審原告らの指摘するその後の墜落事故は,オスプレイを含め,いずれも同飛行場の所属機によるものではなく,墜落事故が発生したのも同飛行場からは遠く離れた場所であるし,不時着事故や部品喪失事故が発生していることは確かであるが,一審原告らに被害が発生したわけではなく,具体的な危険性があったともいい難い。一審原告らが主張する不安 感や恐怖感は,航空機騒音に伴う心理的・情緒的被害の一環として考慮すれば足りるものというべきである。 一審原告らの上記主張は,採用できない。 一審原告らは,原審は,一審原告らが主張する共通損害の一部しか認めていない旨批判するところ,その趣旨は,頭痛やめまい,耳鳴り等の健康被害,精神障害等を陳述書で訴える一審原告らについて,診断書等の証拠が存在しないとしてこれらの被害を否定した原審の判断が不当であるとするものと解される。 しかしながら,引用に係る補正後の原判決が説示するとおり,WHO環境騒音ガイドラインや欧州夜間騒音ガイドラインが指摘する騒音と精神的疾患との関係に係る知見は,法的因果関係が認められる程度にまで確立したものとは認められず,診断書等による客観的かつ個別具体的な立証のないまま,一部の一審原告らの陳述書の記載をもって,健康被害や精神障害等について,航空機騒音との相当因果関係を肯定することはできない。 一審原告らの上記主張は,採用できな 的かつ個別具体的な立証のないまま,一部の一審原告らの陳述書の記載をもって,健康被害や精神障害等について,航空機騒音との相当因果関係を肯定することはできない。 一審原告らの上記主張は,採用できない。 ウ損害賠償請求について指定区域外一審原告らの被害について指定区域外一審原告らは,告示コンターの外側(指定区域外)においても,実際には,告示コンター内地域と同様の被害(生活妨害を含む。)が発生している旨主張し,その根拠として,① 告示コンターが,横田基地周辺の航空機騒音を相当制度正確に反映しているものであることは争わないとしても,告示コンターは万能ではなく,基本的に,滑走路の延長線上に沿う形で南北に伸びる形状となっているが,実際に横田飛行場を発着する航空機は,滑走路の延長線上のみを飛ぶのではなく,東西にずれたり,旋回したりすることが頻繁に起こっているし,地上騒音は 滑走路やその延長線上とは関係なく拡散されるものであるから,騒音被害の実態を十分には反映していない点がある,② 一審原告らが3地点で行った指定区域外測定結果(甲B13の1~7,B18)に関し,測定期間は「航空機騒音測定・評価マニュアル」(乙A182,A182の2)の記載に照らし相当であり,測定方法も「騒音に係る環境基準の評価マニュアル一般地域編」(甲A85)の記載や生活実態に照らし相当であるし,早い時間重み付け特性(Fast)に設定することも,告示コンターを作成するための騒音測定(突発的な音を繰り返す騒音の平均化した値の把握が求められるため,遅い時間重み付け特性(Slow)に設定することが適していると考えられている〔甲A86〕。)とは異なり,一定以上の大きさ(値)の騒音の回数を取り出すという目的に照らし,妥当なものであり,実際に原告番号21(甲B6の1) Slow)に設定することが適していると考えられている〔甲A86〕。)とは異なり,一定以上の大きさ(値)の騒音の回数を取り出すという目的に照らし,妥当なものであり,実際に原告番号21(甲B6の1),22(甲B6の2),30(甲B3の8,原審における一審原告A30本人)及び80(甲B4の33,原審における一審原告A80本人)の一審原告らは,告示コンター内の一審原告ら同様に騒音被害を被っている上,当審で新たに提出する書証(甲B24,B25,B26の1,B26の2,B26の3)によっても,指定区域外にある原告番号80の一審原告の自宅において,告示コンター内地域にある原告番号69の一審原告の自宅と同程度の騒音被害があることが裏付けられている,③ 航空機騒音に係る環境基準は70Wであり,欧州WHO環境騒音ガイドラインにおける勧告値は旧W値に引き直すと58Wであるから,そもそも75Wを基準とすることが不当であるところ,当審で新たに提出する書証(甲B24)のとおり,指定区域外(昭島市民会館)における平成23年から平成30年までの騒音測定値は,平成30年10月にWHO欧州事務所が出した新勧告における住宅地の基準値(Lden45db)に相当する58Wを超える程度の数値となっている,などと主張する。 しかしながら,上記①及び②については,引用に係る補正後の原判決が説示するとおり,平成15年度調査は,調査当時の航空機騒音の実態に合致したものであり,本件請求対象期間において,告示コンターを不合理とする程度にまで航空機騒音の実態に変動があったとはいい難いのに対し,指定区域外測定結果は,測定地点や測定期間だけとってみても平成15年度調査に匹敵するものとはいえないばかりか,環境庁の公表する「航空機騒音測定・評価マニュアル」(乙A182,A182の いのに対し,指定区域外測定結果は,測定地点や測定期間だけとってみても平成15年度調査に匹敵するものとはいえないばかりか,環境庁の公表する「航空機騒音測定・評価マニュアル」(乙A182,A182の2)に反する測定方法が採用されていて,測定結果の客観性に疑問があり,これらの点に関する一審原告らの説明が合理的であるとは認められない。 また,原告番号80の一審原告の自宅における騒音と原告番号69の一審原告の自宅における騒音とを比較するための測定方法や測定条件の詳細が明らかではなく,測定した期間も令和元年5月28日から同年6月5日までと短期間であり,これら点の妥当性を措き,得られた測定結果を検討したとしても,告示コンター内地域に存する原告番号69の一審原告の自宅における騒音が指定区域外に存する原告番号80の一審原告の自宅における騒音よりも深刻であるとみることができるのであって,指定区域外一審原告らの住居において,告示コンター内の住居と同様の被害が発生していると評価し得るものではない。 ③については,そのような測定結果があることをもって,その測定地点である昭島市民会館はもとより,指定区域外一審原告らの住居において,告示コンター内と同様の被害が発生していると評価し得るものではない。 したがって,指定区域外一審原告らの上記主張は,採用できない。 損害額についてa 基準となるべき1か月当たりの慰謝料額について一審原告らは,横田基地周辺における航空機騒音により生活妨害・ 睡眠妨害及びこれらに伴う精神的苦痛が認められ,墜落事故,航空機部品の落下・紛失事故などが頻発し,オスプレイの配備により墜落事故への恐怖が増しているところ,昭和58年以来,騒音被害の違法性を認める判決がされたにもかかわらず,抜本的な解決が図られることなく約35 品の落下・紛失事故などが頻発し,オスプレイの配備により墜落事故への恐怖が増しているところ,昭和58年以来,騒音被害の違法性を認める判決がされたにもかかわらず,抜本的な解決が図られることなく約35年が経過しており,平成5年の日米合同委員会の合意に反し,夜間の時間帯の騒音が確認されていることなどの事情を考慮すれば,基準となるべき1か月当たりの慰謝料額を75W地域に居住する者4000円,80W地域に居住する者8000円,85W地域に居住する者1万2000円とする原審の判断は,低額にすぎる旨主張する。 しかしながら,引用に係る補正後の原判決の説示するとおり,本件における侵害行為の態様と侵害の程度,被侵害利益の性質と内容,侵害行為の持つ公共性の内容と程度,侵害行為の継続の経過及び状況,その間に採られた被害の防止に関する措置等の一切の事情を考慮すると,基準となるべき1か月当たりの慰謝料額は,75W地域に居住する者4000円,80W地域に居住する者8000円,85W地域に居住する者1万2000円と定めることが相当であり,一審原告らの上記主張は採用できない。 なお,上記一切の事情には,社会生活上受忍すべき限度を超える違法な権利侵害ないし法益侵害に対する社会的関心の高まりや,最高裁判所において告示コンター内地域(75W以上の地域)における騒音被害につき受忍限度を超えて違法である旨の判断が示されて久しいにもかかわらず,基地の整理・縮小・返還など同被害を根本的に解消する対策については実現の目途がなく,同被害に対する補償のための制度すら未だに設けられておらず,一審原告らの中には救済を求めて再度の提訴を余儀なくされた者もいることなどが含まれるものであり, このような事情をも十分しん酌した上で,上記の慰謝料額が相当であると判断するものである ず,一審原告らの中には救済を求めて再度の提訴を余儀なくされた者もいることなどが含まれるものであり, このような事情をも十分しん酌した上で,上記の慰謝料額が相当であると判断するものである。 b 防音工事による減額について一審原告らは,防音工事を理由とする慰謝料の減額は相当ではないとし,その理由として,① 防音工事による遮音効果が立証されておらず,むしろ,当審で提出する原告番号139及び140の一審原告らの自宅での測定結果等に関する書証(甲B27,B28)によれば,防音工事には有意な効果がないことが裏付けられている,② 一審原告らの自宅において施工された防音工事には,実施されてから既に長期間が経過しており,ゴムパッキンの劣化や建付けの悪化等の経年劣化が生じ,防音効果が得られていないものがある,③ 防音工事による遮音効果があるとしても,近年は建物自体の遮音性能も向上しているから,防音工事による遮音効果は相対的なものにすぎない,④ 日常生活で,防音工事実施部分の内部開口部の建具を逐一完全に閉め切ることは非常に煩雑であること,密閉された部屋の中で人が1日中過ごすということはあり得ないこと,窓の開け閉めに力を要すること,冷房の使用による電気料金の負担が大きいこと,換気が悪くなり,部屋を密閉することで閉塞感,圧迫感を感じるなどの弊害がある(外郭防音工事であっても,開口部をすべて締め切り,居宅内にいなければ効果は得られない。)ことから,一審原告らの精神的苦痛の緩和に寄与しない,などと主張する。 防音工事については,個別の住居における防音効果を具体的に測定した上で,その結果を参酌するのではなく,一審被告が航空機騒音を低減する目的で,同工事の実施のため多額の資金を投入するなどの努力をしたことにつき信義則ないしこれに類する観点から一 効果を具体的に測定した上で,その結果を参酌するのではなく,一審被告が航空機騒音を低減する目的で,同工事の実施のため多額の資金を投入するなどの努力をしたことにつき信義則ないしこれに類する観点から一定の評価をすることとし,これを慰謝料算定に当たり考慮すべきであるから,引 用に係る補正後の原判決の説示するとおり,一審被告の助成により防音工事が実施されたことは,同工事が実施された住居に居住する一審原告らの被害を一定程度軽減する事情として,慰謝料算定の際に考慮するのが相当であるが,その減額割合については,同工事が航空機騒音の被害を根本的に解消するものとはいえないこと,防音効果を享受するためには工事実施部分を密閉する必要があるが,そのことによる弊害もあり,日常生活で常時そのような行動をとって防音効果を十全に得ることは困難であることなどに照らせば,一審被告からの助成を受けて防音工事を実施した一審原告及びその同居者につき,防音工事を実施した居室の数や工事の種別に関わりなく,最初の防音工事の実施後の慰謝料の額を一律に10%減額するのが相当である。 なお,原告番号43の一審原告は,平成20年11月頃,その母が足を骨折し,車椅子での生活を余儀なくされたため,自宅における防音工事済であった4室のうちの1室である1階のリビングと防音工事未施工であったキッチンを隔てる防音襖をアコーディオンカーテンに換え,敷居も段差のないよう変更したことから,上記リビングはもはや防音工事のある部屋ということはできない旨主張し(甲B30ないしB32),原告番号57ないし59の一審原告らは,子供部屋とするため2階のバルコニーを洋室に変え,同室に続く廊下を設けるため従前の壁を撤去したため,防音工事を施工してもらえなかったことから,自宅は外郭防音工事済にはなっておらず 9の一審原告らは,子供部屋とするため2階のバルコニーを洋室に変え,同室に続く廊下を設けるため従前の壁を撤去したため,防音工事を施工してもらえなかったことから,自宅は外郭防音工事済にはなっておらず,開口部に通じる2回の洋室2室と1階の洋室は防音工事がされておらず,防音工事ありの部屋は5室である旨主張するが(甲B33,B34),これらの事実は,補正後の原判決において認定済みであるし,結論に影響しない。 c 弁護士費用について一審原告らは,本件がいわゆる基地訴訟であって,膨大な主張立証 を尽くすため長期間の審理を要すること,専門的知見を必要とすること,集団訴訟としての煩雑もあることなどから,弁護士費用としては慰謝料請求額の15%とすべきである旨主張する。 しかしながら,一審原告らの主張する上記事情を含め,本件訴訟における立証の難易度や本件訴訟の経過等の諸般の事情を総合的に考慮すれば,補正後の原判決の説示するとおり,認容されるべき慰謝料額の10%に相当する額をもって,賠償の対象となる弁護士費用とするのが相当である。 一審原告らの上記主張は,採用できない。 将来の損害賠償請求について一審原告らは,将来の損害賠償請求が認容されるべきであるとし,その理由として,① 横田基地に関しても数次にわたる訴訟が提起され,周辺住民らから基地の縮小に向けての種々の要請がされているにもかかわらず,一審被告は米軍に対する施設の提供を取り止める気配がないから,このような実態の固定化がある以上,損害賠償請求の結論が複雑多様な因子によって左右されることはない,② 慰謝料額の基準も固定化し,少なくとも共通損害に係る損害については増減額が予定されず,改めて訴訟により要件の存在を立証することを要しないから,具体的な給付義務の成立が将来における一定の はない,② 慰謝料額の基準も固定化し,少なくとも共通損害に係る損害については増減額が予定されず,改めて訴訟により要件の存在を立証することを要しないから,具体的な給付義務の成立が将来における一定の時期の到来にかかっているといえる,③ 国と被害住民らの負担を天秤にかけると,将来請求を認めた上で,一審被告に請求異議訴訟等の起訴責任を負わせても,不当であるとはいえない,④ 一審原告らが救済を求めて再度の提訴を余儀なくされることは不当であるし,訴訟経済にも反する,などと主張する。 しかしながら,引用に係る原判決が説示するとおり,本件において,将来の侵害行為の違法性の有無及びこれによる損害の有無・程度は,一審被告の実施する被害対策や一審原告らの各自の生活事情の変動等複雑 多様な因子によって左右されるべき性質のものであって,当審口頭弁論終結後における将来の変動を予め把握することはできないし(現に,一審原告らは,本件において基準となるべき1か月当たりの慰謝料額として,第5ないし7次訴訟の確定判決〔横田平成17年控訴審判決〕や第4,8次訴訟の確定判決〔横田平成20年控訴審判決〕において採用された慰謝料額の約2.3倍から約7.0倍を主張している。),仮に,比較的短期間のうちは騒音被害が変化する可能性を想定し難いとして,終期を定めた上で将来請求を認容した場合には,一審被告が債務を免れるためには,請求異議訴訟を提起することを余儀なくさせた上,一審原告の転居や死亡など一審被告が本来立証責任を負わない事実(これらの事実については,一審原告ら訴訟代理人においてすら,把握するまでに相当の期間を要したことは,当裁判所に顕著な事実である。)を立証する負担を負わせることとなるが,このような立証責任の転換は相当でない。 一審原告らの上記主張は,採用できない いてすら,把握するまでに相当の期間を要したことは,当裁判所に顕著な事実である。)を立証する負担を負わせることとなるが,このような立証責任の転換は相当でない。 一審原告らの上記主張は,採用できないエその他の主張について一審原告らは,原判決中の一審原告ら敗訴部分の変更を求めて,その他にもるる主張するが,いずれも補正後の原判決の判断を左右するものとは認められず,採用できない。 ⑵ 当審における一審被告の主張に対する判断ア基準となるべき1か月当たりの慰謝料額について一審被告は,原審が基準となるべき1か月当たりの慰謝料額を75W地域に居住する者4000円,80W地域に居住する者8000円,85W地域に居住する者1万2000円とするのは,高きに失するものであると批判し,その理由として,① 騒音と高血圧や心循環器系疾患発症の危険性との間に因果関係はなく,高血圧や心循環器系疾患発症に対する不安感があるとしても,客観的根拠のない漠然としたものに止まるから,原判決 が,一部の一審原告らの訴えに基づいて,かかる不安感を一審原告らに共通する被害として慰謝料額算定に当たり考慮したことは,誤りである,②平成27年「日米防衛協力のための指針」(乙A229),「日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援,物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(日米ACSA)」(乙A230)が予定しているように,横田基地に駐留する米軍は,災害時における支援活動を行っており,実際,東日本大震災や熊本地震の際には大規模な支援活動が実施されているから,原審はこのような横田飛行場の公共性を過小評価している,③ 横田飛行場周辺地域における航空機騒音は,第5ないし7次訴訟や第4,8次訴訟当時と比べても全体として 大規模な支援活動が実施されているから,原審はこのような横田飛行場の公共性を過小評価している,③ 横田飛行場周辺地域における航空機騒音は,第5ないし7次訴訟や第4,8次訴訟当時と比べても全体として減少しており,消費者物価指数にもほとんど変動がないことから,同訴訟等において採用されたW値が75を超える区域に居住する住民について月額3000円を基礎とし,W値が5を超えるごとに月額3000円を加算するという慰謝料基準額を増額すべき理由はない,などと主張する。 しかしながら,上記①については,引用に係る補正後の原判決は,航空機騒音と健康被害との間の因果関係を肯定したものではなく,あくまでも,航空機騒音による心理的・情緒的被害の一環として,このような不安感を共通の被害を構成する一つの要素として考慮したものにすぎない。 ②については,引用に係る補正後の原判決も,横田飛行場について公共性を認めており,このような公共性を違法性ないし受忍限度の判断に当たって考慮しても,一審原告らに特別の犠牲を強いるという不公平を生じさせていると判断しているものである。そして,米軍が我が国における災害の被災地支援等のために活動しているという事情があるとしても,上記判断を左右するものではないから,横田飛行場の公共性を過小評価しているとの一審被告の上記批判は当たらない。 ③については,引用に係る補正後の原判決の説示するとおり,本件にお ける侵害行為の態様と侵害の程度,被侵害利益の性質と内容,侵害行為の持つ公共性の内容と程度,侵害行為の継続の経過及び状況,その間に採られた被害の防止に関する措置等の一切の事情(これには,前記のとおり,社会生活上受忍すべき限度を超える違法な権利侵害ないし法益侵害に対する社会的関心の高まりや,最高裁判所において告示コンター内地域〔7 た被害の防止に関する措置等の一切の事情(これには,前記のとおり,社会生活上受忍すべき限度を超える違法な権利侵害ないし法益侵害に対する社会的関心の高まりや,最高裁判所において告示コンター内地域〔75W以上の地域〕における騒音被害につき受忍限度を超えて違法である旨の判断が示されて久しいにもかかわらず,基地の整理・縮小・返還など同被害を根本的に解消する対策については実現の目途がなく,同被害に対する補償のための制度すら未だに設けられておらず,一審原告らの中には救済を求めて再度の提訴を余儀なくされた者もいることなどを含むものである。なお,横田飛行場周辺地域における航空機騒音が明らかに減少していると認めるべき的確な証拠はない。)を考慮すると,基準となるべき1か月当たりの慰謝料額は,75W地域に居住する者4000円,80W地域に居住する者8000円,85W地域に居住する者1万2000円と定めることが相当であって,一審被告がるる主張する事情を考慮しても,第5ないし7次訴訟の確定判決(横田平成17年控訴審判決)や第4,8次訴訟の確定判決(横田平成20年控訴審判決)において採用された慰謝料額をそのまま適用することが相当であるとは認められない。一審被告の上記主張は,採用できない。 イ周辺対策の効果について一審被告は,原判決が住宅防音工事等の周辺対策の効果について正当な評価をせず,一部の一審原告らの訴えに基づいてその弊害を認定したことは誤りである旨主張する。 しかしながら,前記⑴ウbにおいて説示したとおり,住宅防音工事については,同工事を実施した住居に居住する一審原告らの慰謝料算定に当たり考慮すべきであるが,航空機騒音の被害を根本的に解消するものとは いえないことなど,補正後の原判決の説示するところによれば,考慮の程度は,一律10% 居住する一審原告らの慰謝料算定に当たり考慮すべきであるが,航空機騒音の被害を根本的に解消するものとは いえないことなど,補正後の原判決の説示するところによれば,考慮の程度は,一律10%の減額にとどめるべきであるし,その余の周辺対策については,直接に一審原告らの被っている航空機騒音そのものを軽減させるものではないのであるから,原判決の説示するとおり,慰謝料算定に当たっての一要素として限られた範囲で考慮するにとどめるのが相当である。 この点,一審被告は,居室数にかかわらず一律の減額率を採用すること(第5ないし7次訴訟の確定判決である横田平成17年控訴審判決が採用した方法である。),1室当たり10%を減額するとした上で上限を定めること(原判決や第4,8次訴訟の確定判決である横田平成20年控訴審判決が採用した方法である。なお,前者は上限を30%,後者は上限を50%とした。)には,理論的な誤りがあるとか,外郭防音工事がされた住居については,他の防音工事がされた住居よりも減額率を上げるべきであるなどとも主張するが,そもそも防音工事については,個別の住居における防音効果を具体的に測定した上で,その結果を参酌するのではなく,一審被告が航空機騒音を低減する目的で,同工事の実施のため多額の資金を投入するなどの努力をしたことにつき信義則ないしこれに類する観点から一定の評価をすることとし,これを慰謝料算定に当たり考慮するものにすぎないから,工事の方法や工事が完了した居室の数によらず,一律の減額率を採用することが誤りであるということはできない。 一審被告の上記主張は,採用できない。 ウその他の主張について一審被告は,原判決中の一審被告敗訴部分が取り消されるべきであるとして,その他にもるる主張するが,いずれも補正後の原判決の判断を左右する 告の上記主張は,採用できない。 ウその他の主張について一審被告は,原判決中の一審被告敗訴部分が取り消されるべきであるとして,その他にもるる主張するが,いずれも補正後の原判決の判断を左右するものとは認められず,採用できない。 第4 結論 1 以上によれば,本件の結論は,次のとおりとなる。 2 差止一審原告らの自衛隊機の離着陸及びエンジン作動の差止め並びに音量規制を求める訴えは不適法であるから却下すべきであり,米軍機の離着陸及びエンジン作動の差止め,音量規制並びに訓練の差止めの請求は理由がないから棄却すべきである。 原判決主文第1項ないし第3項は,上記と同旨であり,正当である(なお,原判決主文第4項は,当審における不服の対象とされていない。)。 3⑴ 一審原告らの当審口頭弁論終結の日の翌日(令和元年9月18日)以降に発生する損害の賠償請求に係る訴えは不適法であるから却下すべきである。 原判決主文第5項のうち令和元年9月18日以降に係る部分(ただし,訴えが全て取り下げられ又は請求が減縮された部分を除く。)は,上記と同旨であり,正当である。 ⑵ア一審原告らの当審口頭弁論終結の日(令和元年9月17日)までに発生した損害の賠償請求については,次のとおりとすべきである。 イ原告番号21,22,30及び80の一審原告ら(指定区域外一審原告ら)については,受忍限度を超える損害の発生を認めることができないから,これらの一審原告らの請求はいずれも棄却すべきである。 これらの一審原告らの原審口頭弁論終結の日(平成30年7月19日)までに発生した損害の賠償請求については,原判決主文第8項(ただし,本判決主文第4項のとおり更正する〔「原告番号21及び22の原告らの請求」とあるのは「原告番号21及び22の原告らのその余の請求」の明 に発生した損害の賠償請求については,原判決主文第8項(ただし,本判決主文第4項のとおり更正する〔「原告番号21及び22の原告らの請求」とあるのは「原告番号21及び22の原告らのその余の請求」の明らかな誤記と認められる。〕)は,上記と同旨であり,正当である。 これらの一審原告らの原審口頭弁論終結の日の翌日(同月20日)から当審口頭弁論終結の日(令和元年9月17日)までに発生した損害の賠償請求については,上記のとおり棄却すべきであるが,不利益変更禁止の原則(民訴法304条)に従い,同部分に係る上記各一審原告の控訴を棄却する(原判決主文第5項のうち令和元年9月17日までに係る部分であっ て,これらの一審原告に関する部分を維持する。)にとどめる。 ウ一審原告ら(指定区域外一審原告らを除く。)の当審口頭弁論終結の日(令和元年9月17日)までに発生した損害の賠償請求は,本判決主文第2項⑴の限度で認容し,その余を棄却すべきであるから,これと異なる限度で原判決主文第5項ないし第7項を変更する。 ただし,これらの一審原告らの原審口頭弁論終結の日の翌日(平成30年7月20日)から当審口頭弁論終結の日(令和元年9月17日)までに発生した損害の賠償請求のうち,棄却すべき部分については,不利益変更禁止の原則(民訴法304条)に従い,訴えを却下した原判決を維持するにとどめる。 4 一審原告らの請求のうち,過去の損害賠償請求を認容した部分(本判決主文2項⑴)については,仮執行宣言を付した上で,仮執行免脱の宣言をするのが相当である。また,仮執行宣言の開始時期については,本判決の正本が一審被告に送達された日から14日を経過したときと定めるのが相当である。 5 よって,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第8民事部 裁判長裁判官 期については,本判決の正本が一審被告に送達された日から14日を経過したときと定めるのが相当である。 主文 よって,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第8民事部 裁判長裁判官阿部潤 裁判官嶋末和秀 裁判官畑佳秀
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