平成22(行コ)4 財産管理を怠る事実の違法確認請求控訴事件(原審・札幌地方裁判所平成16年(行ウ)第8号)

裁判年月日・裁判所
平成22年12月6日 札幌高等裁判所 破棄自判 札幌地方裁判所 平成16(行ウ)8 住民訴訟
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判決文本文26,317 文字)

- 1 -主文 原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。 被控訴人らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用はそのすべてを被控訴人らの負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨主文同旨第2事案の概要 本件は,北海道砂川市(昭和33年7月1日の市制施行前は北海道空知郡砂川町。以下,市制施行前の砂川町を含めて「砂川市」ということがある)が。 その所有する土地を神社施設の敷地として無償で使用させていることは,憲法の定める政教分離原則に違反する行為であって,敷地の使用貸借契約を解除し同施設の撤去及び土地明渡しを請求しないことが違法に財産の管理を怠るものであるとして,砂川市の住民である被控訴人らが,控訴人に対し,地方自治法242条の2第1項3号に基づき上記怠る事実の違法確認を求める事案である。 一審は,砂川市が,その所有する土地を使用貸借契約に基づいて使用させ,その土地上の建物の一角に神社の祠が設置され,建物の外壁に「神社」との表示が設けられ,また,その土地上に鳥居及び地神宮が設置されていること(これらの4物件を併せて「本件神社物件」といい,砂川市がその土地を本件神社物件のために無償で提供していることを「本件利用提供行為」という)は,。 憲法20条3項にいう宗教活動に当たり,また,宗教的施設を維持するために地方公共団体の財産を供するもので憲法89条に反するものというべきであるとした上で,その憲法違反の状態は,上記使用貸借契約を解除しなくても,本件神社物件を収去させることによって解消され得るというべきであるとして,砂川市がその収去請求をしないことは,その所有する財産である上記土地の管- 2 -理を怠るものであると判断し,その範囲で被控訴人らの請求を認容し,その余の請求部分を棄却した。 控訴人は,一審判決認容部分を不服とし 請求をしないことは,その所有する財産である上記土地の管- 2 -理を怠るものであると判断し,その範囲で被控訴人らの請求を認容し,その余の請求部分を棄却した。 控訴人は,一審判決認容部分を不服として控訴した(被控訴人らは敗訴部分について控訴も附帯控訴もしていない)が,差戻前控訴審も,本件利用提供。 行為が憲法20条3項にいう宗教的活動に当たり,同条項の政教分離規定に違反し,また,宗教的施設を維持するために地方公共団体の財産を供するものであり,憲法20条1項後段,89条に規定される政教分離原則に明らかに反するとした上で,原判決と同一の範囲内で被控訴人らの請求には理由があるとして,控訴人の控訴を棄却した。 これに対し,控訴人が,上告を提起するとともに上告受理を申し立てた。上告審は,上告受理申立てには応じなかったが,本件利用提供行為は政教分離を定めた憲法の規定に違反するものではないことを理由とする上告に基づき,差戻前控訴審判決を破棄し,本件を当審に差し戻した。その理由は,本件利用提供行為の現状は憲法89条,20条1項後段に違反するものであるが,その違憲性を解消するための手段としては,一審判決及び差戻前控訴審判決が命ずる,,方法以外にも合理的で現実的な手段が存在する可能性がありにもかかわらず差戻前控訴審は,その存否につき何ら判断することなく,また,その有無に関して当事者に対して釈明権を行使することなく,主文記載の違法を確認したものであるから,上記利用提供行為の違憲性を解消するための他の手段の存否等について審理を尽くさせる必要があるというものである。 前提事実以下の事実は当事者間に争いがないか,又は後掲証拠により明らかに認められる。下記事実は,差戻前控訴審判決における前提事実と同一である。 (1)当事者ア被控訴人らは,いずれも砂川 。 前提事実以下の事実は当事者間に争いがないか,又は後掲証拠により明らかに認められる。下記事実は,差戻前控訴審判決における前提事実と同一である。 (1)当事者ア被控訴人らは,いずれも砂川市に居住する住民である。 イ控訴人は,砂川市の所有する財産につき管理する権限と責任を有する執- 3 -行機関である。 (2)砂川市による土地の所有及び神社建物等の存在等ア砂川市は,別紙第1不動産目録記載1ないし5の各土地(以下,同目録「」,「」,記載1の土地を本件312番土地同2の土地を本件313番土地同3の土地を「本件311番1土地,同4の土地を「本件311番2土」地,同5の土地を「本件316番3土地」といい,これら各土地を併せ」て「本件土地,本件312番土地及び本件313番土地を併せて「本件」両土地」という)を所有している。 。 イ本件土地上には鳥居地神宮正面の外壁の上部にS会館及び神,,,「」「社」と記載された建物(以下,上記鳥居を「本件鳥居,地神宮を「本件」地神宮建物を本件建物又はS会館といいこれらを併せて本」,「」「」,「件施設」という,土俵及び上川道路開削記念碑が存在する。 。)本件鳥居には「S神社」と記された額が取り付けられている。 ,本件建物には入口が2か所あり,本件鳥居の正面にある入口の外壁上部には「神社」と記載され,その左側の入口の外壁上部には「S会館」と記載されている。 本件鳥居の正面にある入口から本件建物に入ると玄関部分と部屋部分があり,その奥には,祠(以下「本件祠」という)が存在する。 。 本件施設等の位置関係の概略は,別紙第2及び第3のとおりであり,本件施設の外観等は,別紙第4(ア)ないし(カ)のとおりである。 (3)監査請求等被控訴 ,祠(以下「本件祠」という)が存在する。 。 本件施設等の位置関係の概略は,別紙第2及び第3のとおりであり,本件施設の外観等は,別紙第4(ア)ないし(カ)のとおりである。 (3)監査請求等被控訴人らは,平成15年12月19日,砂川市監査委員に対し,地方自治法242条1項に基づき,控訴人が本件土地を宗教施設維持のために使用させることは政教分離原則に違反するなどとして住民監査請求をした。同委員は,平成16年2月16日,同監査請求には理由がないと認め,同月17日,被控訴人らにその結果を通知した(甲1,2)。 - 4 -被控訴人らは,同年3月17日,本件訴訟を提起した。 争点 (1)本件利用提供行為の違憲性砂川市が本件両土地を無償で本件建物,本件鳥居及び本件地神宮の敷地としての利用に供し,本件神社物件のために無償で提供していることは憲法が定める政教分離原則に反するか。 (2)違憲状態の解消方法争点(1)につき,本件利用提供行為が違憲であるとされた場合,その解消のためには,砂川市は,本件神社物件を撤去し土地明渡しを請求すべきか。 そうしないことが,違法に財産の管理を怠ることとなるか。 争点に関する当事者双方の主張(1)争点(1)(本件利用提供行為の違憲性)について(被控訴人らの主張)ア本件建物の宗教施設性本件建物は,次のとおり,S神社という宗教的施設にS会館が併設されたものである。 (ア)本件土地には,S神社の施設である本件施設(本件鳥居,本件地神宮,本件建物)と土俵,参道,手水がある。 本件建物には,本件祠と拝殿があり,本件建物内部にはS神社で使用する鈴,賽銭箱,しめ縄等が保管されている。 (イ)S神社の祭神は天照大神であり,本件祠に祀られている。 (ウ)S神社においては,毎年,元旦,春,秋の祭りに宗教法人A神社の神 内部にはS神社で使用する鈴,賽銭箱,しめ縄等が保管されている。 (イ)S神社の祭神は天照大神であり,本件祠に祀られている。 (ウ)S神社においては,毎年,元旦,春,秋の祭りに宗教法人A神社の神官らによる神式の宗教行為が行われている。また,毎年8月には,A神社祭りの儀式様式に従ってS神社祭りが行われ,御輿渡御としてS神社の境内に祭壇が設けられ,雅楽の演奏,巫女の舞,神官の祝詞奏上及びお祓いなどの神式の行事が行われている。 - 5 -イ政教分離原則違反の行為(ア)砂川市は,神社施設の維持の目的で,Bから本件312番土地の寄付を受けて取得し,同土地における本件建物及び本件地神宮の設置並びに本件鳥居の建て替えを許し,その後,期限も定めず,本件土地を無償で宗教施設として利用することを許してきた。 また,砂川市は,北海土地改良区から本件313番土地を買収して取得し,本件建物等の存続目的のために無償の使用を認めてきた。 (イ)砂川市は,本件建物の建設費等を支出し,S神社に対する便宜供与をし続けている。 ,,,(ウ)本件祠の前やS神社の境内では神社役員町内会の会長等の代表砂川市長が参加して,玉串奉奠が行われている。 (エ)本件建物には,固定資産税,都市計画税が賦課されておらず,免税されている。 ウ砂川市は,本件両土地につき,S連合町内会及びS神社との間で使用貸借契約を締結し,神社建物,本件鳥居,本件地神宮等の宗教的施設等を設置させ,神社内外における神式の宗教行事の執行に対する便宜供与を続けており,これは,憲法20条1項,3項,89条に定める政教分離原則及び地方財政法8条,地方自治法138条の2に反する違法な財産管理行為である。 (控訴人の主張)ア政教分離原則違反についての判断基準ある行為が憲法上の政教分離原則に違反するか否か る政教分離原則及び地方財政法8条,地方自治法138条の2に反する違法な財産管理行為である。 (控訴人の主張)ア政教分離原則違反についての判断基準ある行為が憲法上の政教分離原則に違反するか否かは,当該行為の目的,,,,が宗教的意義を持ちその効果が宗教に対する援助助長促進又は圧迫干渉等になるか否かといういわゆる目的効果基準によって判断されるべきである。また,その判断は,外形的側面のみにとらわれることなく,一般人の宗教的評価,行為者の意図,目的,宗教的意識の有無,程度,一般人- 6 -に与える効果,影響等諸般の事情を考慮し,社会通念に従って客観的に行われるべきである。 イ本件土地利用の適法性上記の判断基準に照らせば,次のとおり,砂川市が本件土地の利用を認めていることは,憲法の定める政教分離原則及び地方財政法等の法令に反せず,砂川市に違法な財産管理行為はない。 (ア)目的について①祠等の施設の移設は,砂川町立S小学校の増設及び同小学校の体育館の新設に伴うものであること,②Bは,移設先の土地を無償で提供したこと,③この移設には砂川町の補助等の援助が行われなかったこと,④移設後,Bは提供した土地の固定資産税を個人負担するという理不尽な状況になったこと,⑤Bが本件312番土地の寄付願出をした前提として,祠等の施設の継続利用が求められていたこと,⑥このような経過からすれば,砂川町が,Bから土地を採納し,また,引き続き施設用地として利用させることは相当な判断であり,また,地域の公共的利益にも資するものであること,⑦一連の経過が学校教育の充実という大きな公共目的の実現を図るためのものであったこと,⑧昭和45年のS会館の建設は,町内会活動等の拠点を求める地域住民の要望に基づくものであったこと,⑨同会館の建設に伴って,施設面,組織面 充実という大きな公共目的の実現を図るためのものであったこと,⑧昭和45年のS会館の建設は,町内会活動等の拠点を求める地域住民の要望に基づくものであったこと,⑨同会館の建設に伴って,施設面,組織面,運用面いずれにおいても本件施設の宗教性が失われたこと,⑩同会館自体には地域コミュニティの融和の場以外の意義は認められないこと,⑪資金補助の対象は,いずれも同会館に対するものであり,本件施設に対する援助ではないこと等の経過を踏まえて検討すれば,砂川市が本件土地を本件施設に無償で利用させていることの目的は,専ら世俗的なものといえ,むしろ学校教育の充実という大きな公共目的実現という背景事情が認められる。 - 7 -また,砂川市が本件313番土地を取得した目的は,道路用地の利用,。 や土地区画整理事業の推進等の点にあり専ら世俗的な行政目的である(イ)効果について①本件施設の中核である本件祠は,S会館の一隅に設置されているにとどまり,その施設自体もごく簡易なものであること,②本件祠は,普段は人目に触れない状態であること,③同会館の運営は,S会館運営委員会という宗教性のない団体が行っており,本件施設とは区別されていること,④本件施設には神官等は存在せず,本件施設の維持管理を行っている有志組織の構成員は神道の信徒ではなく,同構成員らに宗教的意識は存在しないこと,⑤本件施設に関連して行われるいくつかの行事等も形式化し,習俗的儀礼の域を出るものではないこと,⑥本件祠が設置されているS会館は,地域コミュニティの融和を図るために建てられたものであり,実際の利用実態からしても,それ以外の意味は全く見出せないこと,⑦これら諸点からして,地域住民の意識としても本件施設を習俗化されたものと捉えていることは明らかであることなどからすれば,特定の宗教を援助,助 用実態からしても,それ以外の意味は全く見出せないこと,⑦これら諸点からして,地域住民の意識としても本件施設を習俗化されたものと捉えていることは明らかであることなどからすれば,特定の宗教を援助,助長,促進し又は他の宗教に圧迫,干渉を加えるものとは認められない。 (ウ)無償使用の根拠等について砂川市は,財産の交換,譲与,無償貸付等に関する条例4条1号に基づいて,本件土地の利用を認めている。 砂川市は,砂川市税条例72条1項4号に基づいて市内にある全ての町内会館について固定資産税を免除しており,S会館だけを免税としているわけではない(地方税法702条の8第1項,砂川市税条例141条により,固定資産税の例によるとされている都市計画税についても同様である。 。)地方財政法8条は,訓示的規定であって個別事案における具体的効果- 8 -を持つものではない。また,地方自治法138条の2は,個別事案における具体的効果を持つものでない上,執行機関は議会の議決に従わなければならないところ,本件土地の貸借は議会の議決に基づくものであるから,これについて同条の趣旨がそのまま妥当するものではない。 (2)争点(2)(違憲状態の解消方法)について(控訴人の主張)ア本件利用提供行為の現状が違憲であるとしても,その状態の解消のためにとり得る他に選択できる合理的で現実的な手段が存在する場合には,本件施設の撤去・明渡しを求めなくとも,財産管理上直ちに違法との評価を受けるものではない。そして,その手段の選択に当たっては,控訴人の裁量権が認められるべきである。 イ控訴人は,本件施設の利用状況につき,次の手段を検討している。 (ア)本件建物外壁の「神社」の表示を撤去する。 (イ)本件地神宮の表面を削り「地神宮」という文字を消して「開拓,,記念碑」等の宗教 訴人は,本件施設の利用状況につき,次の手段を検討している。 (ア)本件建物外壁の「神社」の表示を撤去する。 (イ)本件地神宮の表面を削り「地神宮」という文字を消して「開拓,,記念碑」等の宗教的色彩のない文字を掘り直す。 (ウ)本件建物内にある本件祠を取り出し,別紙第6の図面のとおり,本件鳥居付近に設置し直す。 (エ)本件鳥居及び本件祠の敷地として,本件312番土地の一部(別紙第6の図面斜線部分)を適正価格にて賃貸する。 (オ)上記賃貸部分については,ロープを張るなどその範囲が外見的にも明確になるような措置を施す。 ウ上記手段は,①外壁の「神社」の表示を撤去し,本件祠を取り出せば,本件建物の宗教的側面は完全に払拭され,②本件地神宮の「地神宮」という文字を削れば,本件地神宮の有する宗教的色彩は払拭され,③本件祠を本件鳥居と近接した場所に設置することによって,宗教的施設の敷地とそうでない場所を明確に区分することができ,④本件両土地の一部を賃貸す- 9 -ることによって,地域の負担を軽減し,地域住民の意識に応えることができ,⑤賃貸という手段を採用することで,登記・測量・分筆や議会の承認等の手続を要せず,関係者の理解が得やすくなる。よって,上記手段は,本件施設の撤去・明渡し以外に選択できる合理的で現実的な手段ということができる。 エ他方,本件施設の撤去・明渡しは,施設移設先の土地の確保が難しいこと,費用についても大きな負担が必要となることから,現実性・合理性を全く欠くものである。 オなお,貸付けの場合の借主は,町内会名義とするのは,町内会が宗教性がない組織であることから相当でなく,また,純粋な個人とするのも実態にそぐわないことから,氏子総代長名義での契約を考えている。 (被控訴人らの主張)ア本件施設の撤去・明渡し以外に合理的 会が宗教性がない組織であることから相当でなく,また,純粋な個人とするのも実態にそぐわないことから,氏子総代長名義での契約を考えている。 (被控訴人らの主張)ア本件施設の撤去・明渡し以外に合理的で現実的な手段が存在するかどうかの判断について,控訴人に認められる裁量権は無制約でなく,宗教団体への特権付与を認定した最高裁判所の違憲判決や政教分離原則の趣旨を踏まえて,違憲状態を解消するという義務がある。特に,これまで控訴人が率先して特権化してきた市政のあり方や財産管理のあり方などについての真摯な反省,原状回復の誠実な追及を行う必要があり,政教分離原則に従って,市政と神社,氏子団体との切り離しを徹底する必要がある。 イかかる観点から,控訴人の提案する他の手段を検討するに,①控訴人の主張は,氏子団体が砂川市に対してこれまで多額の不利益を与えてきたことを考慮せずに,氏子団体に最大限度の便益を与えようとするものであり妥当でない,②控訴人は他の部分と明確に区別された土地の一部を貸与するというが,一般の人から見ても,背後にある会館とS神社が一体のものとして存在することになる,③本件両土地は控訴人が所有する土地であるから,その全体を譲渡することは可能であり,土地の一部を賃貸すると,- 10 -将来的に土地の返還を求めても直ちに返還されない可能性があり,控訴人が新たな損失を被る蓋然性が高い,④控訴人の提案は,議会の承認を不要とし,議会による民主的コントロールをあからさまに潜脱するような提案であり不当である,⑤控訴人の提案について,本件施設の所有権者である町内会との間で十分に交渉がなされその了解が得られたとは認められず,控訴人が協議の窓口とし,かつ,賃貸借の相手方と予定している氏子総代長であるC氏の権限には疑義がある,⑥控訴人の提案は,賃貸借契約の手 内会との間で十分に交渉がなされその了解が得られたとは認められず,控訴人が協議の窓口とし,かつ,賃貸借の相手方と予定している氏子総代長であるC氏の権限には疑義がある,⑥控訴人の提案は,賃貸借契約の手続において,他の宗教団体の参加の余地を認めていない点で,信教の自由に反する,⑦本件地神宮の「地神宮」という文字を削り取るなど,氏子集団の構成員の信教の自由の保障に対していかなる配慮をしたのか不明である,⑧控訴人の提案の作成過程において,氏子集団及び控訴人が,双方の,,間に距離を置くためにいかなる配慮をしたのかその実態が全くみえない⑨控訴人は,これまで政教分離原則に従った土地管理を適正に行ってこなかったのであるから,今後適正な管理を行えるとするためには,過去の使用料相当分の徴求等,過去の不適切な管理状態を精算した上で,いかなる疑義も挟まないような状態を作出する必要がある。 ,,控訴人が主張する違憲状態の解消策には上記のとおり種々問題があり他方,S神社の祭神をA神社に合祀するという方法や,控訴人が主張するのと同程度の面積の土地を氏子集団の構成員のいずれかが提供しそこに本件祠と本件鳥居を移設するという方法も,合理的で現実的な違憲状態の解消策であることからすれば,控訴人が主張する上記解消策が,合理的で現実的な解消策とはいえない。 ウ一審判決及び差戻前控訴審判決のいうような4神社物件の撤去が最も適切であり,違憲状態を解消するためのかかる措置が氏子集団に対して過大な負担を負わせることとはならない。控訴人は,長期にわたり,違憲,違法な状態を形成し継続してきたのであるから,安易に例外を拡大すべきで- 11 -はない。控訴人による違憲状態解消案は,例外を認めるような事情とは到底いえない。 第3当裁判所の判断 認定事実前記前提事実並びに証拠 てきたのであるから,安易に例外を拡大すべきで- 11 -はない。控訴人による違憲状態解消案は,例外を認めるような事情とは到底いえない。 第3当裁判所の判断 認定事実前記前提事実並びに証拠(甲1ないし5,7の1,甲9の4ないし11,甲10の5,甲11の1ないし6,甲12の1ないし3,5,6,甲13の1な,,,,いし10甲15ないし20甲25の1ないし15甲26の1ないし20甲27の1ないし8,甲28の1ないし44,甲30ないし33,39ないし41,乙1の1ないし3,乙2ないし9,13,14,乙15の1,2,乙16の1,2,乙17の1,2,乙18の1,2,乙19の1,2,乙25の1,,,,,,,ないし3乙26 33ないし38乙39の1ないし7乙40ないし48,証人C,証人D,被控訴人X2,被控訴人X1(後記認定に反する部分を除く,検証の結果)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事。)実が認められ,又は当裁判所に顕著である(括弧内の証拠番号等は,掲記事実を認めた主要証拠である。 。)(1)神社及び神道等についてア神社を中心とする信仰は,神社神道と呼ばれ,先人らが集団生活をする中で自然に生まれてきた信仰であって,特定の者が作った信仰ではないとされている。したがって,神道は,教祖という特定の者の体験をもとにして説かれた宗教とは異なり,教義や教典はない。 神道における神は天照大神を中心とし,それをとりまく八百万神が天照大神を助け,人々の生活を守っているとされている。また,神道においては,祖先や国又は社会の発展に献身した者が神社に祀られることがある。 (甲31)イ鳥居について鳥居は,神社の門の一種として用いられ,神域を表示するものであり,- 12 -鳥居が神社の参道や境内の入口,玉 国又は社会の発展に献身した者が神社に祀られることがある。 (甲31)イ鳥居について鳥居は,神社の門の一種として用いられ,神域を表示するものであり,- 12 -鳥居が神社の参道や境内の入口,玉垣,透塀の入口などにあるのは,神域の関門として,その中が神聖で汚れのないところを表すためであるとされている。鳥居は,寺と神社を区別する最も簡単な見分け方とされている。 (甲31)ウ神社における祭り神社における祭りは,氏子が日頃の感謝の気持ちから氏神に対して身も心も清めた上で真心を込めて奉仕することを意味し,年に1度の最も重要な祭りは例大祭又は例祭といわれる(甲4,31)。 (2)S神社の沿革等について本件訴訟に関する事実の経過等は別紙第5事実経過一覧表のとおりであり,このうちS神社の沿革等は次のとおりである。 アS地区の住民らは,明治25年ころ,五穀豊穣を祈願して,現在の砂川()。 市立S小学校の所在地砂川市ab条c丁目d番e号付近に祠を建てたEほかの神社創設発願者らは,明治30年,S神社の祠等の施設に用いる上記土地付近の3120坪の土地について,北海道庁に御貸下願を提出して認められ,上記住民らは,同所に神社施設を建立した。同施設には同年9月に天照大神の分霊が祀られ,札幌神社から宮司を迎えて鎮座祭が行われ,地区住民の有志団体であるS青年会が同施設の維持,管理に当たった(甲3ないし5,15,41,乙2)。 イ公立空知郡F尋常小学校は,明治36年5月5日,上記施設に隣接して建設された(なお,上記小学校は,昭和10年9月1日に公立空知郡S尋常高等小学校,昭和16年4月1日に空知郡S国民学校,昭和22年5月1日に砂川町立S小学校,昭和33年7月1日に砂川市立S小学校とそれ,「」。)。 ぞれ改称されたが以下においては時期を問わず 常高等小学校,昭和16年4月1日に空知郡S国民学校,昭和22年5月1日に砂川町立S小学校,昭和33年7月1日に砂川市立S小学校とそれ,「」。)。 ぞれ改称されたが以下においては時期を問わずにS小学校という(甲3,乙2,証人C)ウS小学校においては,昭和23年ころ,校舎の増設及び体育館新設の計- 13 -画が持ち上がり,その敷地となる土地からS神社の祠等の神社施設を移転する必要が生じた。そこで,S地区の住民であるBが,校舎増設等に協力すべく,本件312番土地及び本件311番2土地を上記神社施設の敷地として提供した。 上記神社施設は,そのころ,本件312番土地及び本件311番2土地上に移転され,また,昭和25年9月15日には同所に地神宮も建てられた。 Bは,昭和28年,砂川町に対し,祠等の施設のために本件312番土地及び本件311番2土地の寄付願出をし,砂川町は,同年3月の町議会において上記両土地の採納の議決及び上記両土地を祠等の施設のために無償で使用させるとの議決をし,同月29日,Bから上記両土地の寄付を受けてその所有権を取得した。また,砂川町は,同日,Bから砂川市ab条c丁目f番の土地1229㎡(地目は学校用地)についても寄付を受け,同土地は現在も学校用地として利用されている。砂川市(市制開始は昭和33年7月)は,以上の土地について,昭和34年2月21日に所有権移転登記を受けた(甲3,4,41,乙2,14,乙17の1,2,乙1。 8の1,2,証人D)エS部落連合会(後記S連合町内会の前身)は,昭和45年ころ,本件311番2土地及び本件312番土地とそれらの隣接地において,かねて地域の住民から設置の要望のあった集会場等となる建物としてS会館を建築することを計画し,同年8月にS部落連合会会長名で本件311番1土地及び 土地及び本件312番土地とそれらの隣接地において,かねて地域の住民から設置の要望のあった集会場等となる建物としてS会館を建築することを計画し,同年8月にS部落連合会会長名で本件311番1土地及び本件311番2土地を敷地とする本件建物の建築確認を受け,同年10月に本件建物を新築したが,本件建物の表示登記及び所有権保存登記はされなかった。 本件建物は,床面積約99㎡の平家建建物であり,後記のとおり,建築時からS会館運営委員会(以下「運営委員会」という)によって運営が。 - 14 -されている。 砂川市は,本件建物の建築に際し,砂川市会館建設補助規則に基づき,,,S部落連合会に対して84万8000円の補助金を交付し同年9月3日。 ,G及びHから上記隣接地である本件311番1土地の寄付を受けたまた上記隣接地である本件313番土地及び本件316番土地は,北海土地改良区が所有していたが,運営委員会はこれらの土地を無償で借用することとされた。 そして,本件建物の建築に伴い,本件311番2土地及び本件312番土地上にあった従来のS神社のかなり傷んでいた祠や木製の鳥居等の神社施設は取り壊され,本件建物内に本件祠が設置され,本件312番土地に本件鳥居が新たに設置された。なお,本件311番1土地についての砂川市に対する共有者全員持分全部移転登記は昭和59年12月12日にされた。その結果,本件311番2土地上には祠や鳥居等のS神社関係の施設,,,はなくなり同土地上には昭和44年に上川道路開削記念碑が建てられ現在その敷地として利用されている(甲3,40,乙3ないし5,16。 の1,2,乙25の1,乙26,証人C,検証の結果)オ本件建物については,①昭和61年に南東側1階の部屋及び地下1階の収蔵庫(各床面積約26㎡)の増築工事,②平成6年に水 ,乙3ないし5,16。 の1,2,乙25の1,乙26,証人C,検証の結果)オ本件建物については,①昭和61年に南東側1階の部屋及び地下1階の収蔵庫(各床面積約26㎡)の増築工事,②平成6年に水洗化工事が行われた。砂川市は,砂川市会館建設補助規則に基づき,上記①の工事についてS連合町内会に対し160万円の補助金を交付し,同②の工事について。(,運営委員会に対し40万6541円の補助金を交付した乙5ないし725の2,3,乙29,証人D)カ北海土地改良区は,地域開発に伴い同改良区の管理するS支線の全域が地区除外されて用途廃止されることになったため,所有地を処分することとし,平成3年ころから砂川市に買受けを打診してしていた。 同改良区は,平成4年12月16日付け文書により,砂川市に対し,本- 15 -件313番土地及び本件316番3土地ほかの土地に関する正式の買受け要請をした。上記文書には「前略)当区管理施設のS支線(略)全域,(が地区除外され,用途廃止に至りました。この程,この用地の地先関係者より払い下げの申し出があり(略)この内(略)貴市管理の道路及び公,共施設等に使用されている部分があり,この用地を買い受けしていただきたく,協議いたします。ご検討のうえ,回答願います(後略」と記載。 )されていた。 砂川市は,平成6年1月17日,上記要請に基づき,同改良区から本件313番土地を500万2321円,本件316番3土地を143万8296円で買い受け,上記両土地について,平成6年1月20日に所有権移転登記を受けた(乙13,15の1,2,19の1,2)。 (3)S神社についてア由緒等S神社は,上記認定のとおり,明治25年に祠が建てられたことに始まり,明治30年には天照大神が祀られ,昭和23年には現在地近辺に移転した ,2,19の1,2)。 (3)S神社についてア由緒等S神社は,上記認定のとおり,明治25年に祠が建てられたことに始まり,明治30年には天照大神が祀られ,昭和23年には現在地近辺に移転した空知地方では最古に属する神社である(同じく札幌神社(現在の北海道神宮)の系列にあるA神社よりも先にできた)が,宗教法人法に定め。 る宗教法人ではない(甲3ないし5,41,証人C,被控訴人X1)。 イS神社における行事(ア)S神社においては,初詣,春祭り,秋祭りという年3回の行事が行われている(甲7の1,甲10の5,甲11の4ないし6,甲12の。 1,2,5,6,甲13の1ないし7,10,甲28の1ないし44,証人C)(イ)初詣においては,おみくじ,交通安全の札,熊手,当たり矢が販売されている。これらは,A神社から借りたものであり,代金及び売れ残ったおみくじ等は,A神社に戻される(甲7の1,証人C)。 - 16 -(ウ)S神社の春祭りと秋祭りの際には,A神社から宮司の派遣を受けている。春祭り,秋祭り,毎年8月のA神社祭りの際には「S神社「地,」神宮」などと書かれた幟が本件鳥居の両脇に立てられる。秋祭りの際には,本件地神宮の両脇に「奉納地神宮氏子中」等と書かれた幟が立てられて,神事が行われ「秋季祭典奉納S神社」あるいは「S神,社奉納秋まつり」などと書かれた看板がS神社の地域に掲げられる。 また,A神社祭りの際,S神社に,A神社の御輿がS神社を訪れ,テープによる雅楽の演奏が行われ,巫女が舞を舞っていたことがある(甲。 9の4ないし11,甲10の5,甲11の1ないし6,甲12の1ないし6,甲13の1ないし10,甲27の1ないし8,甲28の1ないし44,証人C)ウS神社の組織等(ア)総代等S神社には,総代(氏子総 いし11,甲10の5,甲11の1ないし6,甲12の1ないし6,甲13の1ないし10,甲27の1ないし8,甲28の1ないし44,証人C)ウS神社の組織等(ア)総代等S神社には,総代(氏子総代)及び世話役が各10名ずついる。組織の規約などはなく,総代又は世話役の選出や解任について決まった手続もなく,実際には,年1回の総会において,欠員が生じた地域から新しい役員を話し合いで選んでいる。また,総代の中から総代を代表する総,,代長が協議で決められるが現在の総代長はI町内会長であるCでありその前の総代長はJ町内会の者であった。なお,現在の総代や世話役に神道の者はおらず,全員宗教としては仏教を信仰している。 総代及び世話役などの役員は,S神社における上記年3回の行事(初詣,春祭り,秋祭り)の手伝いをしており,祭りの際には寄付集めも行うが,J町内会,I町内会,K町内会では,町内会財政から寄付が直接出されることもあった。 本件建物の使用については,氏子総代がS神社として年6万円を支払っている。上記使用料は,祭礼での使用の対価であり,本件祠を本件建- 17 -物に設置していることの対価ではない(乙26,証人C,被控訴人X。 1)(イ)氏子等氏子は,もともと生まれ暮らす地に神を祭り五穀豊穣や安全を祈願をするという一種の宗教的行為の中から始まったもので,時代による多少の変化はあるものの,現在までその制度が続いていると考えられる。 S神社の氏子とされる者には神道以外の宗教の者もおり,また,S神社のある地域の者のすべてが同神社の氏子というわけではない(証人。 C,被控訴人X1)(4)本件建物等についてア本件建物の位置等本件建物は,別紙第2のとおり,本件土地上に存するが,昭和45年にされた本件建物の建築確認申請には,本件311番1土地 (証人。 C,被控訴人X1)(4)本件建物等についてア本件建物の位置等本件建物は,別紙第2のとおり,本件土地上に存するが,昭和45年にされた本件建物の建築確認申請には,本件311番1土地及び本件311番2土地のみが敷地として記載されていた。また,昭和61年の本件建物の増築の際の建築計画概要書においては,建築主が「S連合会長M」とされ,敷地が本件311番1土地,本件311番2土地,本件312番土地及び本件313番土地の一部とされていた。 なお,本件建物は登記されていないが,平成17年1月1日現在で課税台帳に登録された(乙3,5,30)。 イ本件建物内部の状況本件建物の2か所の入口のうち本件鳥居の正面にあって外壁上部に神,「」,(),社と記載された入口から本件建物内に入ると玄関部分別紙第3(A)部屋部分(同)及び本件祠(同)がほぼ本件鳥居からの直線上に存(B)(C)在する。 上記玄関部分の天井には,S神社の鈴をつける金具が取り付けられている。 - 18 -本件祠の形状等は別紙第4ないしのとおりであり,その中には天(エ)(カ)照大神を御神体とする鏡が存在する。本件祠は,普段は扉が閉められているが,鍵はなく,祭りのときなどは扉が開かれる。 本件建物の保管棚(別紙第3(D))には,暗幕,垂れ幕,鈴等が保管され,本件建物の地下室(収蔵庫。別紙第3(E))には,賽銭箱,しめ縄などが保管されている。 本件建物内部の壁(別紙第3(F)の箇所)には「S神社役員」と書かれ,た紙が貼ってあり,その紙には「総代長「副総代長「総代総務「総代」」」会計「総代「世話役「関係町内会長」の氏名が記されている。役員の」」」氏名は,毎年,本件建物内部の壁に張り出される(甲26の1,甲28。 の25,26,28 総代長「総代総務「総代」」」会計「総代「世話役「関係町内会長」の氏名が記されている。役員の」」」氏名は,毎年,本件建物内部の壁に張り出される(甲26の1,甲28。 の25,26,28ないし38,証人C,検証の結果)(5)S連合町内会及び運営委員会等アS連合町内会等についてS地区には,開拓以来,IないしL部落会があり,地区における行事等,,の際にはこれらの部落会によって部落連合会が組織されていたがその後部落会は町内会と名称が変更され,部落連合会もS連合町内会に名称が変更された。 S地区の世帯数は現在約1300ほどで,I町内会,J町内会,K町内会,N町内会,O町内会,P町内会の6つの町内会があり,これらの町内会によってS連合町内会が組織されている。 ,,,上記各町内会ではS神社の祭りの際に寄付を集めておりその寄付は町内会の議事録において毎年報告される。被控訴人X1は,N町内会に属しており,7年ほど前に町内会長になった際にはS神社に対する寄付を止めさせたことがあった。Cは,現在,I町内会の町内会長であり,かつ,S神社の総代長であり,S連合町内会の会長をしたこともある。また,Cは,昭和46年から平成11年まで砂川市議会の議員を務め,議長であっ- 19 -。(,,,,)たこともある甲28の38甲30証人D証人C被控訴人X1イ運営委員会等について本件建物内には,机,いす,黒板やカラオケ機器が置かれ,普段はS会館として学習塾や英語塾等の会場に使用されており,その使用料は1300円(冬期は2000円)程度である。上記認定のとおり,S神社も,祭礼の際の建物使用の対価として,年間6万円の使用料を支払っている。 本件建物は,S地区の町内会の者が運営委員となる運営委員会によって管理運営がされている。同 程度である。上記認定のとおり,S神社も,祭礼の際の建物使用の対価として,年間6万円の使用料を支払っている。 本件建物は,S地区の町内会の者が運営委員となる運営委員会によって管理運営がされている。同委員会は,本件建物の貸出し,使用料の徴収,,,光熱費の支払年2回程度の草刈りなどの建物内外の維持管理をしており年2回の役員会を行っている(甲40,乙26,証人D,証人C,検証。 の結果)(6)砂川市の対応等についてア本件土地は,上記のとおり,いずれも砂川市が所有するに至っており,その土地上には本件施設(本件建物,本件鳥居,本件地神宮)その他の構造物が存在する。砂川市は,本件土地の使用及び本件土地上にこれらの構造物が存在することを容認しているが,本件建物に対する本件土地の貸借。(,,契約等の存在を示す契約書その他の書類は一切存在しない甲2 乙29,証人D)イD(現在の砂川市総務部長)は,平成10年ころ,A神社の御輿を市役所の中に1晩置いておくことがあったり,市役所前に神輿がきて玉串奉奠をすることがあったため,当時の市長に対し,疑惑を招くのでなるべく避けた方がよく,市長が毎年各祭りを回るのもやめたほうがよいとの進言をした(証人D)。 ウ当時の市長は,平成10年第3回砂川市議会定例会において「市役所,。 ,の前の参拝は取りやめるべきだというようなことがございましたこれは従来からの習慣なのです(略)みこしが来て,それに参拝をして,市民。 - 20 -の安寧を考え,そして地域の安全をお参りするということは何ら差し支えない,そういうふうに私は考えている(略)私は宗教に基づいておみこ。 しと一緒になって歩いているわけではございません。各地域の無災害,安全,そして豊穣を祈願するということは市長として当然の役割である。 ( そういうふうに私は考えている(略)私は宗教に基づいておみこ。 しと一緒になって歩いているわけではございません。各地域の無災害,安全,そして豊穣を祈願するということは市長として当然の役割である。 (略)この地域が,そういう意味では,皆さん方とともに協力し合って発展してほしいと,そういうことを神にお願いをしている,むしろそういうことなのです。それは,神の力をかりてでもそういう考え方をやはりお願いするという気持ちにならざるを得ないのです」と答弁した(甲17)。 。 (7)被控訴人らは,前記前提事実(3)のとおり,住民監査請求を行った後本件訴訟を提起した。本件訴訟は,前記「第2事案の概要」の1記載のとおりの経過をたどって,当審に差し戻された。 上告審は,本件利用提供行為は,砂川市が,何らの対価を得ることなくその所有する土地上に宗教的施設を設置させ,氏子集団においてこれを利用して宗教的活動を行うことを容易にさせているものといわざるを得ず,一般人の目から見て,砂川市が特定の宗教に対して特別の便益を提供し,これを援助していると評価されてもやむを得ないから,砂川市とS神社ないし神道とのかかわり合いが我が国の社会的,文化的諸条件に照らし,信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものとして,憲法89条の禁止する公の財産の利用提供に当たり,ひいては憲法20条1項後段の禁止する宗教団体に対する特権の付与にも該当すると判断した。しかし,上告審は,本件利用提供行為の現状の違憲状態の解消には,神社施設を撤去し土地を明け渡す以外にも適切な手段があり得るとし,その方法として,本件両土地の全部又は一部を譲与し,有償で譲渡し,又は適正な時価で貸し付ける等の方法がある旨説示し,その方法の選択に当たり,控訴人には裁量権があると解した上 切な手段があり得るとし,その方法として,本件両土地の全部又は一部を譲与し,有償で譲渡し,又は適正な時価で貸し付ける等の方法がある旨説示し,その方法の選択に当たり,控訴人には裁量権があると解した上で,上記撤去・明渡し以外の他に選択することのできる合理的で現実的な手段が存在する場合には,控訴人が上記撤去・- 21 -明渡しという手段を講じていないことは,財産管理上直ちに違法との評価を受けるものではないから,本件利用提供行為の違憲性を解消するための他の特段の手段の存否等について審理を尽くさせるため,本件訴訟を当審に差し戻した(顕著)。 (8)上告審判決を受けて,平成22年1月22日,控訴人をはじめとする砂川市の担当者が,氏子総代長であるCと面談し,砂川市としては,上告審判決によって示された方法により解決を図りたい旨申し入れ,Cに対し,地域としての意見のとりまとめを依頼した。Cは,その後,S神社の役員及びS連合町内会に属する各町内会長と打ち合わせを行い,その際,本件地神宮の「地神宮」の文字を「開拓記念碑」に彫り直せば問題がないのではないかとの意見を述べる者もいた。同年2月4日の砂川市担当者とCほか1名との面談の際には,砂川市から,全部売却や全部賃貸には多額の費用を要する旨の説明がなされ,本件祠を移設し,貸付面積を少なくするなど,地域負担を軽減する工夫も考えられると説明した。その後も,何度か面談が行われ,その間,Cは,神社の役員会や各町内会長と協議を重ねた。そして,同年3月19日,Cは,控訴人を含む砂川市の担当者との面談の席で,神社施設を存続する方向でまとまりつつある旨伝え,買取りは神社の財政上不可能であり,借地にする場合でも極力小面積となるよう配慮して欲しい旨述べ,本件地神宮については「開拓記念碑」に彫り直す旨告げた。砂川市の担当者 する方向でまとまりつつある旨伝え,買取りは神社の財政上不可能であり,借地にする場合でも極力小面積となるよう配慮して欲しい旨述べ,本件地神宮については「開拓記念碑」に彫り直す旨告げた。砂川市の担当者は,そ,の場で,本件祠を本件鳥居の北側に移設した場合,最小で20坪くらいにはでき,そうであれば,借地料として4万6000円程度に圧縮できる旨告げた。この協議を受けて,同月26日,Cは,砂川市担当者に対し,神社役員会を開いて話し合ったところ,同月19日の上記面談で砂川市と協議した方法により神社を存続したいということで意思確認がなされた旨告げた乙,。(39の1ないし7)(9)控訴人は,上記(8)の地域住民との協議結果を受けて,平成22年4月2- 22 -8日付準備書面において,前記第2の4の(2)「争点(2)(違憲状態の解消方法)について」の「控訴人の主張」のイの(ア)ないし(オ)記載の提案を()行った(顕著)。 (10)本件両土地について,不動産鑑定士が鑑定した正常価格としての評価額,()()。 は1350万円1平方メートル当たり1万4657円である乙33また,本件両土地を所有することに基づく固定資産税の価格を算定するに当たり基準となる価格は1平方メートル当たり9359円であり,本件両土地の固定資産税額は,次のとおり,本件両土地の合計面積921平方メートルを乗じこれに100分の17の税率を乗じた14万6533円となる乙,. (34ないし36。 )9,359×921×0.017=146,533(11)現行の砂川市公有財産規則によれば,砂川市が本件両土地全体を適正価格で貸し付けるとすると,次のとおり年額約61万5000円となる(乙。 34,35,37)13,370(固定資産評価額)×921(面積)×0.05( 財産規則によれば,砂川市が本件両土地全体を適正価格で貸し付けるとすると,次のとおり年額約61万5000円となる(乙。 34,35,37)13,370(固定資産評価額)×921(面積)×0.05(貸付料)=615,688(12)控訴人が本件祠を本件鳥居の付近に設置し直すことにより賃貸しようとしている別紙第6図面記載の土地(以下「本件賃貸予定地」という)の範。 囲は52平方メートルであるところ,これを上記(10)の正常価格で有償譲渡するとなると,次のとおり,76万2164円となる。これに対し,上記(11)の適正賃料額で貸し付けるとなると,次のとおり,年額3万4762円程度となる(乙44の1ないし4,弁論の全趣旨)。 14,657×52=762,16413,370×52×0.05=34,762(13)本件鳥居及び本件地神宮を本件両土地から移設することとなると,210万円以上の費用を要することとなる(乙38)。 (14)控訴人が主張する計画どおりに本件祠を移設するに必要な費用は50万- 23 -8567円,本件地神宮の「地神宮」の文字の削除と新たな文字(開拓之「碑)の刻印に要する費用は合計12万6000円で合計63万4567円」となる(乙45ないし47)。 (15)Cは,砂川市の担当者と,平成22年7月16日に協議を行った。その場では,①Cにおいて,神社関連物品は本件建物から移動し今後本件建物に置かない方向で,神社役員会を開いて話し合うとされ,②Cから,祠を移設した場合にこれを納める上屋の建築費用及び地神宮の文字の彫り直し費用については,神社側が負担するものであり,了解済みである旨の話があった。 その後,氏子総代長のCは,本件建物内にある神社関連物品や,祭礼で用い,,。 るポールを地域住民らと協力してC宅ほか地域住民宅 ついては,神社側が負担するものであり,了解済みである旨の話があった。 その後,氏子総代長のCは,本件建物内にある神社関連物品や,祭礼で用い,,。 るポールを地域住民らと協力してC宅ほか地域住民宅にすべて移動したなお,上記神社関連物品を運び出した際,併せて,本件建物外壁の「神社」表示も,地域住民らの手によって撤去され,撤去後,表示があった箇所の色合いを周囲の色合いにあわせて塗装した(乙40の1ないし18,乙41。 ないし43,48,弁論の全趣旨) 争点(1)(本件利用提供行為の違憲性)について上告審は,上記1(7)のとおり,本件利用提供行為は憲法に違反すると判断したが,上記判断が前提とする事実は,上記1において当裁判所が認定した事実とほぼ同一であり,当審における認定事実には,上記判断に変更をもたらすような変更はない。 よって,差戻審である当審は,本件利用提供行為は違憲であるとした上告審の上記判断に拘束されるので(民事訴訟法325条3項,これを前提に,争)点(2)(違憲状態の解消方法)について検討することとする。 争点(2)(違憲状態の解消方法)について前記1で認定したところに基づき,控訴人が主張する違憲状態解消のための方法が,裁量権を逸脱又は濫用するものと評価されるか否か,以下検討する。 (1)上告審は,差戻前控訴審判決を破棄して差し戻すに当たって,本件利用- 24 -提供行為を違憲とする理由は,本件施設において一定の宗教行事を行う氏子集団に対して,長期にわたって無償で土地を提供していることによるものであるとし,本件両土地の全部又は一部を譲与し,有償で譲渡し,又は適正な時価で貸し付ける等の方法で違憲性を解消することができると明言する。以上によれば,上告審判決は,本件両土地の一部を適正な時価で貸し付けることを容認しているも は一部を譲与し,有償で譲渡し,又は適正な時価で貸し付ける等の方法で違憲性を解消することができると明言する。以上によれば,上告審判決は,本件両土地の一部を適正な時価で貸し付けることを容認しているものであり,その点で,A神社への合祀や氏子集団に属する者の土地への移設が可能である以上,控訴人が提案する方法が上告審が述べる現実的かつ合理的な手段たり得ないとの被控訴人らの主張は採用できない。 (2)また,上告審が,本件利用提供行為を違憲とした理由は,本件神社物件を管理し祭事を行い社会的に実在する宗教団体たる氏子集団が,祭事に伴う建物使用の対価を支払うのみであり,本件神社物件の設置に通常必要とされる対価を何ら支払うことなく,その設置に伴う便益を享受していることが,本件利用提供行為の直接の効果として,氏子集団が神社を利用して宗教的活。 ,,動を行うことを容易にしていると評価したからである他方上告審判決は前記認定事実に基づき,本件利用提供行為が,もともと小学校敷地の拡張に協力した提供者に報いるという世俗的,公共的な目的から始まったものであるとし,かかる,本件利用提供行為に至った事情は,それが違憲であることを否定するような事情として評価することまではできないとしても,解消手段の選択においては十分に考慮されるべきであるとも述べる。さらに,上告審判決は,氏子集団による本件神社物件を利用した祭事がごく平穏な手段で行われていることをも合わせ考慮すると,本件神社物件を撤去させるべきものとすることは,神社敷地として使用することを前提に土地を借り受けているS連合町内会の信頼を害するのみならず,地域住民らによって守り伝えられてきた宗教的活動を著しく困難なものにし,氏子集団の構成員の信教の自由に重大な不利益を及ぼすことは自明である旨を指摘している。 - 25 内会の信頼を害するのみならず,地域住民らによって守り伝えられてきた宗教的活動を著しく困難なものにし,氏子集団の構成員の信教の自由に重大な不利益を及ぼすことは自明である旨を指摘している。 - 25 -以上によれば,上告審が,神社施設の撤去以外の適切な手段の存否について審理させるために本件差し戻した趣旨は,砂川市が,市有地たる本件両土地において氏子集団が本件神社物件を設置して宗教的活動を行っているのを容認すること自体は,本件利用提供行為が始まった経緯や氏子集団の活動の平穏性から否定しないものの,宗教団体たる氏子集団から市有地使用の対価を一切得ていないことが政教分離原則に反するから,その設置の適切な対価を得るための現実的かつ合理的な手段の存否を審理することを求め,その手段が存在する場合には,砂川市が本件神社物件の撤去を求めないことも違法ではないとするものというべきである。 ,,,(3)上記の観点から控訴人が当審において示した提案を検討するにまず本件神社物件のうち,本件建物の外壁の「神社」については,控訴人が提案するように,これを撤去することによって問題は解決するところ,前記認定したところによれば,既に上記表示は撤去されていることが認められる。 また,本件地神宮についても,控訴人が提案するように「地神宮」の文,字を消して「開拓記念碑」と彫り直すことによって,本件地神宮の宗教的側面は払拭され,本件地神宮の設置に関する対価の徴収はそもそも問題とならなくなる。 残るのは,本件祠と本件鳥居であるが,本件鳥居は,砂川市がS連合町内会に無償で貸与している本件312番土地上に直接設置されており,また,本件祠は,砂川市がS連合町内会に無償で貸与している本件土地上の同町内会所有の本件建物内に存在するところ,控訴人の提案は,本件祠を本件建物内から ている本件312番土地上に直接設置されており,また,本件祠は,砂川市がS連合町内会に無償で貸与している本件土地上の同町内会所有の本件建物内に存在するところ,控訴人の提案は,本件祠を本件建物内から取り出して本件鳥居の付近に設置するととともに,本件鳥居と本件祠の敷地として,本件312番土地のうち,別紙第6図面のとおり,国道に接する6.5メートルを間口とし,奥行きを8.0メートルとする面積52平方メートルの本件賃貸予定地を,砂川市が,氏子集団に賃貸する(権利能力を有さないため,賃借名義は氏子総代長名義)というものである。こうすれ- 26 -ば,本件祠と本件鳥居設置のための敷地を無償で利用させているという違憲状態は解消されることとなる。 もっとも,本件祠と本件鳥居を氏子集団が宗教活動のために用いるに当た,,り本件賃貸予定地以外の市有地や本件建物の使用が必然的に伴う場合には実質的には上告審が指摘する違憲状態は解消されていないというべきである。しかし,本件賃貸予定地が国道に接していることからすれば,本件鳥居,,,及び本件祠へは公道から直接行くことができるしまた前記認定のとおり氏子集団は,これまで本件建物内に保管していた祭礼用具等をすべて,氏子総代長であるC宅や他の氏子宅に移動している。したがって,氏子集団が本件鳥居及び本件祠で宗教的行為に及ぼうとする場合に,本件賃貸予定地以外の市有地や本件建物を使用する必要はない。 また,前記認定したところによれば,本件賃貸予定地の地代として砂川市が氏子集団から徴収しようとしている賃料額は,砂川市公有財産規則に基づく適正賃料額である。 以上によれば,控訴人の上記提案は,本件利用提供行為の違憲性を解消するための手段として,合理的な手段であると認められる。 (4)ただし,いかに,控訴人の提案が上記の意味 に基づく適正賃料額である。 以上によれば,控訴人の上記提案は,本件利用提供行為の違憲性を解消するための手段として,合理的な手段であると認められる。 (4)ただし,いかに,控訴人の提案が上記の意味で合理的な手段であるとしても,それが実現可能な現実的な手段でなければ,本件利用提供行為の違憲性は解消されないことはいうまでもないので,以下この点を検討する。 まず,本件建物の外壁の「神社」表示については,上述のとおり,既に撤去されており,この点を検討する必要はない。 次に,本件地神宮の文字の彫り直しと本件祠の移設には費用を要するところ,前記認定したところによれば,これらに要する費用は合計63万4567円と認められ,氏子集団が負担することが不可能な金額とはいえず,前記認定のとおり,氏子集団は,その費用を負担することについて了解済みである。したがって,彫り直しや移設費用の負担という点では,控訴人の提案の- 27 -実現可能性に問題はない。 ,,,また本件賃貸予定地の賃料の支払能力という点でも前記認定のとおりその適正賃料額は年額3万4762円と少額であるから,氏子集団がこれを負担することは可能であり,また,その負担についても,移設費用同様に氏子集団の了承が得られており,この点でも,控訴人の提案の実現可能性に問題はない。 さらに,上告審判決は,市議会の議決を要件とする解消策については,その議決が適法に得られる見込みの有無も考慮する必要がある旨説示するが,貸付けの場合は,譲与の場合と異なり,適正な対価をもってすれば,議会の承認は不要であり,議会承認に関しても,控訴人の提案の実現可能性に問題はない。 なお,一筆の土地の一部の賃貸の場合,一部を譲与する場合と異なり,測量・分筆・登記の必要がない点も,控訴人の提案の実現可能性を高めるものである。 また ても,控訴人の提案の実現可能性に問題はない。 なお,一筆の土地の一部の賃貸の場合,一部を譲与する場合と異なり,測量・分筆・登記の必要がない点も,控訴人の提案の実現可能性を高めるものである。 また,前記認定したところによれば,控訴人の上記提案を受けた氏子総代長であるCは,S神社の役員のみならず,本件神社物件の法的な所有者であるS連合町内会を構成する町内会長らとも相談を重ねた上で,控訴人の提案を受け入れることを了承しており,その点でも,上記提案は,関係者の意向にも沿うものと認められ,実現可能性が高い。 (5)被控訴人らは,控訴人の上記提案につき,控訴人がこれまで政教分離原則に基づく適正な土地管理を行ってこなかったにもかかわらず,過去の不適切な管理行為の精算を行わないばかりか,これにより砂川市に多額の不利益を及ぼしてきた氏子集団に最大限度の便益を与えるものであり,相当でない旨主張する(①及び⑨。 )しかし,本件で問題となっているのは,本件利用提供行為の現状の違憲性を解消する手段の適否であり,過去において何らかの違法行為があったとし- 28 -,,,,てもその解決は別途行われるべきであるから被控訴人らの上記主張は前記結論を左右するものではない。 (6)被控訴人らは,控訴人の上記提案内容が,砂川市と氏子集団やS神社との一般人から見た一体性を継続させるものであり,両者の間に距離を置くために配慮した様子が見られないとして,これを非難する(②及び⑧。 )しかし,前述のとおり,上告審判決は,本件利用提供行為開始の経緯や氏子集団による宗教的活動の態様が平穏であったことから,市有地たる本件両土地において氏子集団が本件神社物件を設置して宗教的活動を行うのを容認すること自体は否定しておらず,その利用の適切な対価を得ていないことを,,,問 態様が平穏であったことから,市有地たる本件両土地において氏子集団が本件神社物件を設置して宗教的活動を行うのを容認すること自体は否定しておらず,その利用の適切な対価を得ていないことを,,,問題視しているというべきであるから上記被控訴人らの主張はそもそも控訴人の提案内容を不相当とする理由とはなり得ないものである。 (7)被控訴人らは,賃貸の場合には将来土地の返還を求めても返還されない可能性があるから,本件両土地全体を譲渡する方がよい旨主張する(③。 )しかし,前記認定したところによれば,本件両土地全体を適正額で有償譲渡するとした場合,その代金支払は氏子集団の負担能力を遙かに超えるものであり,結局氏子集団が本件神社物件を撤去することを余儀なくさせるものであって,撤去をしないですむ他の方法としての実現可能性が著しく低いものである。砂川市が将来土地を利用する必要性が生じた場合には,法律の規定に従ってその返還を求めることができるのであり,漠然とした返還への支障発生の可能性をもって,本件両土地の一部賃貸が財産管理上問題があるとはいえない。 よって,上記被控訴人らの主張にも理由がない。 (8)被控訴人らは,控訴人の提案が敢えて議会の承認を不要とする手段を採用して議会による民主的コントロールを潜脱しようとしている旨主張するが(),,,④前述したところによれば控訴人が部分賃貸の方法を提案したのは主として氏子集団の経済的負担能力を考慮したからであり,議会の承認を不- 29 -要とするために敢えて賃貸の方法を選んだのではないことは明らかである。 よって,上記被控訴人らの主張にも理由がない。 (9)被控訴人らは,本件神社物件の所有者はS連合町内会であるところ,控訴人がその提案につき同町内会と交渉しその了解を得たとは認められない旨主張する よって,上記被控訴人らの主張にも理由がない。 (9)被控訴人らは,本件神社物件の所有者はS連合町内会であるところ,控訴人がその提案につき同町内会と交渉しその了解を得たとは認められない旨主張する(⑤。 )しかし,上告審判決が説示するように,本件神社物件を管理運営するのは社会的実体を有する氏子集団であり,S連合町内会を本件神社物件の法的な所有者とするのは,氏子集団を権利能力なき社団と認めることができないからである。したがって,控訴人が,氏子総代長であるCを賃借予定者として交渉を進めたことは,本件神社物件の管理運営の実体に沿うものであり,妥当な措置である。なお,前記認定したところによれば,Cは,控訴人の提案を受け入れるに当たり,S連合町内会を構成する町内会長らとも相談を重ねており,本件神社物件の法的な所有者であるS連合町内会の了承も得ていると認められる。 よって,上記被控訴人らの主張にも理由がない。 (10)被控訴人らは,賃貸借契約の手続において,他の宗教団体の参加を認めていない点が信教の自由に反する旨主張するが(⑥,同賃貸借が,本件両)土地において長年本件神社物件を管理運営してきた氏子集団が,本件神社物件を撤去しなくてよいために考えられる手段として提案されたものであることからすれば,上記被控訴人らの主張に理由がないことはいうまでもない。 (11)被控訴人らは,控訴人の提案が,氏子集団の構成員の信教の自由への配慮を欠くものであるかのごとく主張し,その根拠の一つとして,本件地神宮の「地神宮」という文字を削り取ることをあげる(⑦。 )しかしながら,控訴人の提案は,本件地神宮を含む本件神社物件を現状のままで本件両土地上に設置することが違憲であるとの上告審の判断を受けて,その撤去という氏子集団の構成員の信教の自由に重大な不利益を及ぼす- がら,控訴人の提案は,本件地神宮を含む本件神社物件を現状のままで本件両土地上に設置することが違憲であるとの上告審の判断を受けて,その撤去という氏子集団の構成員の信教の自由に重大な不利益を及ぼす- 30 -事態を避けるためになされたものである。そして,前記認定したところによれば「地神宮」の文字を「開拓記念碑」に彫り直すことについては,氏子,集団の構成員の間で了解が得られていると認められる。 以上によれば,控訴人の提案は,むしろ,氏子集団の構成員らの信教の自由を保障するための手段というべきであり,そのことについて同構成員も了解しているのであるから,被控訴人らの上記主張は採用できない。 (12)以上によれば,控訴人が提案する手段は,本件利用提供行為の違憲性を解消する手段として合理的で現実的なものであるということができ,かかる手段を控訴人が提案している以上,控訴人において本件神社物件の撤去及び土地明渡しを請求しないことを,控訴人の財産管理上の裁量権を逸脱又は濫用するものと評価することはできない。よって,本件利用提供行為の現状は違憲状態ではあるが,控訴人において,これを解消するために本件神社物件の撤去及び土地明渡請求をしないことは,地方自治法242条の2第1項3号所定の「財産の管理を怠る事実」には該当しないというべきである。 結論 以上によれば,被控訴人らの請求には理由がなく,控訴人の本件控訴には理由があるから,一審判決中控訴人敗訴部分を取り消して被控訴人らの請求をいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。 札幌高等裁判所第2民事部裁判長裁判官末永進裁判官古閑裕二- 31 -裁判官住友隆行- 32 -別紙第1不動産目録 所在砂川市ab条g丁目地番312番地目境内地地積 裁判官末永進裁判官古閑裕二- 31 -裁判官住友隆行- 32 -別紙第1不動産目録 所在砂川市ab条g丁目地番312番地目境内地地積370㎡ 所在砂川市ab条g丁目地番313番地目用悪水路地積551㎡ 所在砂川市ab条g丁目地番311番1地目畑地積79㎡ 所在砂川市ab条g丁目地番311番2地目境内地地積343㎡ 所在砂川市ab条g丁目地番316番3地目用悪水路地積158㎡- 33 -(別紙第2から第6まで添付省略)

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