令和3(行コ)270 未払賃金請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和4年8月25日 東京高等裁判所 棄却 さいたま地方裁判所 平成30(行ウ)33
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判決文本文10,609 文字)

主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人は、控訴人に対し、242万2725円及び原判決別紙1「原告金額シート」記載の「割増賃金未払額」欄の各金員に対する「賃金月度(支払期日)」欄の各日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被控訴人は、控訴人に対し、242万2725円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要(以下、略称は原判決の例による。) 1 本件は、 埼玉県a市立小学校の教員である控訴人が、平成29年9月から平成30年7月までの間(本件請求期間)に時間外労働を行ったとして、主位的に、労働基準法(労基法)37条による時間外割増賃金請求権に基づき、予備的に、本件請求期間に控訴人を同法32条の定める労働時間を超えて労働させたことが国家賠償法(国賠法)上違法であると主張して、国賠法1条1項、3条1項による損害賠償請求権に基づき、市町村立学校職員給与負担法1条により埼玉県公立学校教育職員の給与・手当等を負担する被控訴人に対し、時間外割増賃金又はその相当額の損害金242万2725円及びこれに対する各支払期日の翌日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに、労基法114条による付加金請求権に基づき、付加金242万2725円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 原判決が、控訴人の請求をいずれも棄却したところ、控訴人は、これを不服 及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 原判決が、控訴人の請求をいずれも棄却したところ、控訴人は、これを不服 として控訴した。 3 関連法令の定め等、前提事実、争点及び争点に対する当事者の主張は、次のとおり原判決を補正するほかは、原判決「事実及び理由」中の第2の1から4まで(2頁18行目から13頁25行目まで)並びに原判決別紙1から3まで(47頁から64頁まで)に記載のとおりであるからこれを引用する。 5頁6行目の「同法32条」を「労基法32条」に、13頁10行目及び同21行目の「時間外勤務」を「時間外労働」にそれぞれ改める。 ア 56頁3行目の「正規の勤務時間(括弧内略)」を「正規の勤務時間(一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成6年法律第33号)第5条から第8条まで、第11条及び第12条の規定に相当する条例の規定による勤務時間をいう。第3項及び次条第1項において同じ。)」に改める。 イ 56頁7行目末尾を改行して次のとおり加える。 「(注) 被控訴人は、上記法律の5条から8条までの規定に相当する条例の規定として「学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例」(乙3・平成7年埼玉県条例28号)に3条から6条までの規定を設けており、それらによれば、原則として、学校職員の勤務時間は、休憩時間を除き4週間を超えない期間につき1週間当たり38時間45分とし(3条1項)、日曜日及び土曜日は、週休日(勤務時間を割り振らない日をいう。)とし(4条1項)、教育委員会は、月曜日から金曜日までの5日間において、1日につき7時間45分の勤務時間を割り振るものとされている(同条2項)。」ウ 58頁15行目の「正規の勤 。)とし(4条1項)、教育委員会は、月曜日から金曜日までの5日間において、1日につき7時間45分の勤務時間を割り振るものとされている(同条2項)。」ウ 58頁15行目の「正規の勤務時間(括弧内略)」を「正規の勤務時間(学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例(平成7年埼玉県条例28号)」と改める。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実認定事実は、原判決「事実及び理由」欄の第3の1(14頁2行目から23頁1行目まで)並びに原判決別紙4(65頁から82頁まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 ただし、次のとおり補正する。 ⑴ 14頁11行目の「適用であるか」を「適当であるか」に、同18行目の「その特殊と勤務態様の特殊性」を「その職務と勤務の態様の特殊性」にそれぞれ改める。 ⑵ 15頁6行目の「適切な措置を加える」を「適切な配慮を加える(正規の勤務時間であっても、業務の種類・性質によっては、承認の下に、学校外における勤務により処理し得るよう運用上配慮を加え、また、夏休み等の学校休業期間については、教育公務員特例法19条及び20条の規定の趣旨に沿った活用を図ることが適当であるとされた。)」に、同12行目の「結果を踏まえ」を「結果その他を勘案して」にそれぞれ改める。 ⑶ 15頁17行目の「給特法案」の次に「(文部省作成・提案)」を加え、同24行目の「相当異なる」を「基本的に違う」に、同26行目から16頁2行目にかけての「所定の正規の勤務時間を超えた部分を時間的に計測し、これに基づいて超過勤務手当を支払うという制度はなじまないと考えること」を「すべての勤務時間、ことに一応の所定の正規の勤務時間を超えた部分について、これを時間的に計測するという面も含め、その勤務について厳格な時間的管理を行うことをそ いう制度はなじまないと考えること」を「すべての勤務時間、ことに一応の所定の正規の勤務時間を超えた部分について、これを時間的に計測するという面も含め、その勤務について厳格な時間的管理を行うことをそのまま前提にはできず、勤務時間を超えた時間という時間的な計測に基づいて支払われる超過勤務手当の制度はなじまないという結論に達したこと」に、16頁2行目から3行目にかけての「教員の教務の特殊性を正規の勤務時間の内外にかかわらず、これを包括的に捉えた上で」を「教員の勤務の特殊性というものを、正規の勤務時間の内と外 にまたがって包括的にこれを捉えた上で」にそれぞれ改める。 ⑷ 16頁5行目の「前記人事院意見を受け、当面の喫緊の課題」を「教員の職務と勤務態様の特殊性にかんがみ超過勤務手当制度を適用しないこととするとともに、新たに俸給相当の性格を有する給与として教職調整額を支給することとする等の措置を講ずることが必要であるとの人事院の意見を受け、従来からの懸念であり、当面の緊要な課題」に改める。 ⑸ 16頁8行目の「説明した」の次に次のとおり加える。 「。さらに、人事院総裁は、今回の人事院の意見について、教員の勤務は全体として時間的計測にはなじまないという建前であり、一応正規の勤務時間というものがあり、それを超えて勤務するという場面があり得るが、それを時間的に計測することはなじまないので、例えば、裁判官や検察官などの俸給制度が時間計測ということを超越して超過勤務手当も何も出していないのと同じ考えであると説明している。」16頁24行目の「これを超えた勤務に対して」の次に「時間的計測による」を、17頁12行目の「週の服務時間は、」の次に「当時、土曜日も勤務日とされたため、」をそれぞれ加える。 17頁19行目から20行目にかけての「2時間 えた勤務に対して」の次に「時間的計測による」を、17頁12行目の「週の服務時間は、」の次に「当時、土曜日も勤務日とされたため、」をそれぞれ加える。 17頁19行目から20行目にかけての「2時間30分」から21行目までを「2時間30分であって、平均1時間48分となった。」と改め、改行の上、次のとおり加える。 「 以上の結果に基づく1週平均の超過勤務時間が年間44週(年間52週から、夏休み4週、年末年始2週、学年末始2週の計8週を除外)にわたって行われた場合の超過勤務手当に要する金額は、超過勤務手当算定の基礎となる給与の約4%に相当するものであった。 そして、昭和46年5月7日に開催された衆議院文教委員会において、文部省初等中等教育局長は、昭和41年の文部省による調査により超過勤務のような計算をすると4%前後となり、諸手当へのはね返りを考えると、実質 6%に当たる教職調整額が支給されるため、教員の待遇改善について、超勤の問題も含め、十分カバーし得ると考えていると回答した(乙9)。」 2 争点1(労基法37条の適用の有無)について争点1についての判断は、原判決「事実及び理由」欄の第3の2(23頁3行目から27頁17行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 ただし、次のとおり補正する。 23頁4行目の「地公法58条の3により」を「給特法5条による地公法58条の3本文の読替えにより」に改め、同7行目の「すなわち、」を次のとおり改める。 「労基法32条の定める「労働時間」とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい(最高裁判所平成12年3月9日第一小法廷判決・民集54巻3号801頁)、労基法は、同条の定める法定労働時間(休憩時間を除き1週間について40時間、1週間の各日について休憩時間 置かれている時間をいい(最高裁判所平成12年3月9日第一小法廷判決・民集54巻3号801頁)、労基法は、同条の定める法定労働時間(休憩時間を除き1週間について40時間、1週間の各日について休憩時間を除き1日8時間)を使用者に遵守させ、これを超える労働を抑制するとともに、特別な労働負担に対する労働者への補償を行うために同法37条において法定労働時間を延長する時間外労働の場合に割増賃金の支払義務を定め、さらに同法119条、121条において同法32条、37条の各違反について罰則規定を置いている。そうであるところ、」23頁9行目の「自発的な」を「自発的で、創造性のある」に、同11行目の「従事することがないという勤務形態の特殊性」を「従事することがないこと、同じ勤務時間の中でも、授業時間は勤務の密度が非常に高いが、これに比べると、それ以外の時間の勤務の密度は高くないことなどの勤務態様の特殊性」にそれぞれ改める。 23頁16行目から17行目にかけての「どの程度の時間をかけてこれらの業務を行うかを」を「どの程度の時間と密度で行うのかを、個々の教員が自らの知識や経験等を踏まえ、教育上の創造性も発揮しながら、」に、同2 3行目から24行目にかけての「困難であって、」を「極めて困難であって、」に改める。 24頁8行目の「労働時間」を「定量的な法定労働時間を超える労働時間」に、同12行目から13行目にかけての「を想定して、その労働の対価という趣旨を含め、時間外での職務活動を包括的に評価した結果として、」を「や、かつ、それが上記のとおり校長の指揮命令に基づく業務の遂行(労基法のいう「労働時間」に当たるもの)と混然一体となって行われることがあり得ることを想定し、正規の勤務時間や法定労働時間の内外を問わず、これらの職務活動や労働提供を包括 揮命令に基づく業務の遂行(労基法のいう「労働時間」に当たるもの)と混然一体となって行われることがあり得ることを想定し、正規の勤務時間や法定労働時間の内外を問わず、これらの職務活動や労働提供を包括的に評価したことの対価として、」にそれぞれ改め、同14行目の「教職員調整額」の次に「(定量的ではなく、給料月額の4%という定率の基準によるもの)」を加える。 24頁18行目の「排除されること」の次に「(労基法32条の法定労働時間を超える労働の対価の部分についても所定勤務時間の内外を問わずに包括的に一体のものとして評価して、定率による教職員調整額として支給することに代えたことを含む。)」を、同19行目の「給特法の制定趣旨」の次に「(前記認定事実⑴の「給特法の制定の経緯」参照)」をそれぞれ加える。 24頁18行目から19行目にかけて及び同25行目の「無定量な時間外勤務」を「無定量な時間外勤務、ひいては時間外労働」に、26行目の「職務の特殊性」を「職務と勤務態様の特殊性」にそれぞれ改める。 27頁4行目から5行目にかけての「勤務時間の内外を問わずその職務を包括的に評価した結果」を「正規の勤務時間の内外を問わずその勤務の全体を包括的に一体的に評価した結果」にそれぞれ改める。 3 争点3(控訴人の時間外労働と国賠法上の違法性の有無、控訴人の損害額)について争点3についての判断は、原判決「事実及び理由」欄の第3の3(27頁2 0行目から45頁5行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 ただし、次のとおり補正する。 30頁1行目の「まず、」の次に「前判示のとおり、」を加え、同7行目から9行目にかけての「そうすると、原告の在校時間すべてを直ちに労働時間に当たるということはできないので、原告の労働時間を算出する 30頁1行目の「まず、」の次に「前判示のとおり、」を加え、同7行目から9行目にかけての「そうすると、原告の在校時間すべてを直ちに労働時間に当たるということはできないので、原告の労働時間を算出するために、原告の行った業務のうち、」を次のとおり改める。 「加えて、前判示のとおり、給特法が教職調整額の支給制度を設けた根拠及び立法の趣旨は本件請求期間においても失われていないから、給特法の適用を有効に受けている控訴人を含む教員について、その正規の勤務時間ないし法定労働時間の内外を問わずにその勤務ないし労働の全体を包括的に一体的に評価して定率の教職調整額を支給することによって労基法37条所定の時間外割増賃金の制度の適用を排除するという給特法の立法趣旨を考慮すれば、同条を適用するために同法32条所定の労働時間を定量的に算定するという割増賃金請求の場合とは異なり、前記の判断基準による国賠法上の本件校長の故意・過失ないし違法性の有無の判断の場合においては、正規の勤務時間内であるからといって、直ちに本件校長の指揮命令ないし指揮監督の下にある労働時間であるとして算定することは相当ではない。したがって、控訴人の在校時間のすべてを直ちに労働時間に当たるとして算定することはできないので、上記判断のために控訴人の労働時間を算定するためには、控訴人の行った業務のうち、実際に」 30頁21行目の「原告の時間外勤務」の前に「ところで、本件請求期間中、本件校長が控訴人に対して、授業の進め方、学級の運営等を含めて個別の事柄について具体的な指示をしたこと、控訴人に対し、書面又は口頭で時間外勤務を命じたことやそれと同視できるほど控訴人の自由意思をきわめて強く拘束するような形態での勤務時間外における事務等をさせたことについては、これを認めるに足りる証拠はない。 書面又は口頭で時間外勤務を命じたことやそれと同視できるほど控訴人の自由意思をきわめて強く拘束するような形態での勤務時間外における事務等をさせたことについては、これを認めるに足りる証拠はない。 もっとも、以下においては、念のため、概ね原判決の認定(30頁21行目から43頁17行目まで(ただし、後記補正後のもの))するとおりに、本件請求期間中における控訴人の勤務時間外における事務等の労働時間該当性が認められるとした場合に、本件校長に国賠法上の違法性を認めるかについても、検討することとする。」を加える。 32頁10行目の「必要があったと主張する。」から14行目の「指揮命令に基づく業務であるということはできない。」までを「必要があり、児童に読書させる場合にも、準備の必要があったと主張する。しかし、これらの準備を始業開始前に行うことを本件校長が指揮命令していたことを被控訴人は否認しており、このことを認めるに足りる証拠はなく、各教員の自発的で自立的な意思に委ねられていたことがうかがわれる。」33頁23行目末尾に次のとおり加える。 「なお、控訴人は、当審において、運動会などの学校行事の際には始業開始前の出勤を余儀なくされた旨を主張するが、本件校長は、そのような場合には、正規の勤務時間を変更することにより対応していたことが認められ(弁論の全趣旨)、この認定に反して始業時間前の出勤を本件校長が指揮命令していたことを認めるに足りる証拠はない。」34頁8行目、37頁1行目及び2行目の「勤務」をいずれも「事務等」に改める。 37頁15行目の「空き時間」の次に「(この趣旨については後述する。)」を加え、38頁13行目末尾を改行して次のとおり加える。 「この点に関し、控訴人は、原審において、所定勤務時間のうち、休み時間、音楽、 5行目の「空き時間」の次に「(この趣旨については後述する。)」を加え、38頁13行目末尾を改行して次のとおり加える。 「この点に関し、控訴人は、原審において、所定勤務時間のうち、休み時間、音楽、書写の時間、児童下校時刻以降の時間については、控訴人の事務作業に当てることができたことを認めており(控訴人の準備書面9)、本件学校においては、正規の勤務時間のうち、音楽、書写の時間、児童下校時刻以降の時間、特に、音楽、書写の時間について、この授業を担当しない教員各自 の独創性や自発的で自立的な判断による職務のための時間枠として取り扱われてきたものと認めるのが相当であること(この認定を左右するに足りる証拠はない。)、控訴人は、当審においても、書写の時間における事務作業の内容を具体的に特定して主張しないこと、控訴人は、当審において、控訴人が原審では終業時刻以降に行った本件事務作業の「その他」の業務として挙げていた「いじめ調査アンケート」について、正規の勤務時間内の児童下校時刻以降の勤務時間内に行っていたと主張していること(控訴理由書(2)4~5)が認められる。これらの事情に加え、上記のとおり、児童の下校時刻までの勤務時間(休憩時間を除く。)については、休み時間を含む全ての時間(この内には教員各自の独創性や自発的で自立的な判断による職務が行われることがあるもの)を本件事務作業には従事し得なかったものとみなして、労働時間(本件校長の明示又は黙示の指揮命令のあるもの)の概算をすることとすることを総合して考慮すれば、正規の勤務時間のうち、児童下校時刻以降の時間、音楽、書写の時間については、いずれも控訴人が本件校長の明示又は黙示の指揮命令のある本件事務作業に用いることができる時間(この時間を「空き時間」というものとする。)として、労働時間を概算 以降の時間、音楽、書写の時間については、いずれも控訴人が本件校長の明示又は黙示の指揮命令のある本件事務作業に用いることができる時間(この時間を「空き時間」というものとする。)として、労働時間を概算して算定するのが相当である。 なお、上記の趣旨による空き時間の枠を考慮して労働時間を概算することの当否についてみると、厳密な労働時間を算定して割増賃金の額を認定することを要する賃金請求における金額の算定をするためではなく、飽くまでも、法定労働時間を超えて労働させたことについての国賠法上の校長の故意・過失と違法性の有無を判断するに当たって、正規の勤務時間内において、本件校長による上記指揮命令のある本件事務作業を終えることができたのではないかを検討するためのものであるから、本件校長の故意・過失及び違法性の有無の判断に当たって考慮要素とすることは、相当であるというべきである。」 39頁22行目末尾に次のとおり加える。 「ただし、控訴人が当審で提出した甲92及び弁論の全趣旨によれば、学年会の開催は、本件請求期間のうち平成29年9月及び同年10月は4回、合計4時間の開催が認められるから、原判決の別紙5の「所定勤務時間内の空き時間」の「控除」欄の学年会は、同年9月につき3時間、同年10月につき1時間をそれぞれ加算するのが相当であり、同「時間外勤務数」及び「総勤務時間数」についても、それぞれが加算されることになるが、いずれも、「労基法32条超過部分」の認定には影響がない。なお、この学年会の開催日の加算に対応して、学年会議の1回につき10分の時間外労働の加算が認められる(原判決35頁b、c参照)が、同様に、「労基法32条超過部分」の認定には影響がない。」41頁8行目の「別紙5」を「別紙4」に、42頁20行目、21行目、24行目の「 外労働の加算が認められる(原判決35頁b、c参照)が、同様に、「労基法32条超過部分」の認定には影響がない。」41頁8行目の「別紙5」を「別紙4」に、42頁20行目、21行目、24行目の「臨時」を「特別」に、43頁5行目の「終業後」を「終業時刻後」にそれぞれ改める。 43頁12行目の「時間外勤務数」を「時間外勤務の時間数」に改め、13行目の「157時間34分」の次に「(1日の所定勤務時間を7時間45分、所定休日を土曜日、日曜日、祝日及び年末年始(12月29日から翌年1月3日まで)として算定したもの)」を加え、44頁11行目の「また、」を「なお、付言すると、」に、12行目の「から」から13行目の「違法である」までを削り、同14行目の「適用されないこと」を「適用されないこととされ、給特法は、これに代えて、教員の勤務時間について正規の勤務時間の内外を問わずに包括的に一体的に評価して教職調整額を俸給として支給するものとしていること(給特法3条1項、2項)」にそれぞれ改める。 44頁16行目の「そして」から19行目の「いえないこと」までを次のとおり改める。 「なお、控訴人は、労基法所定の労働時間については労働の対価である賃金 相当額の経済的損害が生じている旨を主張する。しかし、労基法上の労働時間であるからといって、当然に労働契約等所定の賃金請求権が発生するものではないと解されるところ(最高裁判所平成14年2月28日第一小法廷判決・民集56巻2号361頁参照)、給特法の適用を受ける控訴人を含む教員の場合には、上記給特法の明文の規定及びその立法経緯及び立法の趣旨からすれば、直ちに賃金相当の損害金が生ずるものとはいえないと解される。 また、控訴人は、当審において、被控訴人が定める「学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例」及び 定及びその立法経緯及び立法の趣旨からすれば、直ちに賃金相当の損害金が生ずるものとはいえないと解される。 また、控訴人は、当審において、被控訴人が定める「学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例」及び給特条例の違反に基づく国賠法上の損害賠償請求の主張をする。しかし、同条例によっては、正規の勤務時間外の勤務について控訴人を含む同条例の対象となる教員の給与請求権ないし賃金請求権が発生しないことは明らかであるから、同条例違反を根拠に控訴人に損害が発生したと判断することは、困難であるといわざるを得ない。」44頁22行目の「これによって、」の次に「控訴人の法律上保護される権利利益が侵害されたと直ちに判断することは困難であり、」を加え、45頁3行目の「法律上保護された利益が」を「法律上保護される権利利益が違法に」に改める。 67頁19行目の「原告自らが」から20行目までを「ドリルの活用方法、その内容のチェックの方法、チェック作業の密度、時間等については、各教員の工夫や自発的で自立的な判断に委ねられていることが認められる(弁論の全趣旨)。」に改める。 68頁25行目の「児童に」から69頁1行目の「決定したというべきであるから」までを「ドリル等の教材の活用方法、採点の仕方、密度、時間等については、各教員の工夫や自発的で自立的な判断に委ねられていることが認められる(弁論の全趣旨。なお、上記ドリル等の教材を用いた回数及び時間を認めるに足りる証拠もない。)から」に改める。 79頁16行目の「評価すべきであるから」の次に「(なお、控訴人が当 審で提出する甲102は、令和2年度用の資料であって、本件請求期間における児童のノートの添削の実情の証拠となるものではない。)」を加え、同23行目の「前記4と同様」を「前記33と同様」に改める。 で提出する甲102は、令和2年度用の資料であって、本件請求期間における児童のノートの添削の実情の証拠となるものではない。)」を加え、同23行目の「前記4と同様」を「前記33と同様」に改める。 81頁15行目末尾に次のとおり加える。 「ただし、控訴人は、当審において、所定勤務時間中の児童下校後の空き時間に行っていた業務としてではあるが、本件学校が実施している教育実践調査の保護者評価及びいじめ調査のアンケートの実施及び集計の作業の証拠(甲89ないし91)を提出している。上記各証拠及び弁論の全趣旨によれば、これらの業務はいずれも本件校長の指揮命令による教員の業務として行われたことがうかがわれるが、その時期及び時間についての控訴人の具体的な主張はなく、これらにより、原判決別紙5の同月欄の「労基法32条超過部分」の認定が影響を受けるものとは認められない。 また、控訴人は、エコライフ集計について、当審において、甲103を提出している。仮にこれが本件校長の黙示の指揮命令による教員の業務として行われたとしても、甲88、甲103及び弁論の全趣旨によって認められるその回数(1回)及び作業時間(1時間程度)からすれば、原判決別紙5の同月欄の「労基法32条超過部分」の認定には影響がない。」第4 結論よって、原判決は相当であり、控訴人の本件控訴は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第17民事部 裁判長裁判官矢尾渉 裁判官橋本英史 裁判官今井和桂子 裁判官 今井和桂子

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