平成6(オ)1279 建物明渡等

裁判年月日・裁判所
平成9年7月3日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 仙台高等裁判所 平成4(ネ)76
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判決文本文1,026 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人安藤裕規、同安藤ヨイ子、同齊藤正俊の上告理由第二点について留置物の所有権が譲渡等により第三者に移転した場合において、右につき対抗要件を具備するよりも前に留置権者が民法二九八条二項所定の留置物の使用又は賃貸についての承諾を受けていたときには、留置権者は右承諾の効果を新所有者に対し対抗することができ、新所有者は右使用等を理由に同条三項による留置権の消滅請求をすることができないものと解するのが相当である。 原審の適法に確定した事実関係等によれば、被上告会社は、合資会社D商店に対する第一審判決添付物件目録一の3記載の建物の建築請負残代金債権に関し、同建物につき留置権を有し、上告人が右建物の所有権を取得する原因となった不動産競売が開始されるよりもまえに、D商店からその使用等について包括的な承諾を受けていたというのであるから、上告人に対し、右建物の使用及び右競売開始後に第三者に対してした賃貸を対抗することができるものというべきである。そうすると、被上告会社による右建物の使用及び賃貸を理由とする上告人の留置権の消滅請求の主張は採用することができず、上告人の本件建物の所有権に基づく明渡請求に対する被上告会社の留置権の抗弁は理由があり、原審の判断は、右と同旨をいうものとして、是認することができる。論旨は、独自の見解に基づいて原判決の法令違背をいうものであって、採用することができない。 その余の上告理由について所論の点に関する原審の認定判断及び措置は、原判決挙示の証拠関係及び記録に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、- 1 -原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難し、原 審の認定判断及び措置は、原判決挙示の証拠関係及び記録に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、- 1 -原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難し、原審において主張しなかった事由に基づいて原判決の法令違反をいうか、又は原審の裁量に属する審理上の措置の不当をいうものであって、採用することができない。 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官小野幹雄裁判官高橋久子裁判官遠藤光男裁判官井嶋一友裁判官藤井正雄- 2 -

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