主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は、原告Aに対し、金80万円及びこれに対する令和2年11月15日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 2 被告は、原告Bに対し、金80万円及びこれに対する令和2年11月15日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は、香川県議会が制定した香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(令和2年3月24日条例第24号)(以下「本件条例」という。)が、憲法13条、14条1項、21条1項、22条、26条、29条、31条、94条及び児童の権利に関する条約にそれぞれ違反するにもかかわらず、同県議会が同条例を制定した違法及び同条例の改廃等の立法措置を講じなかった違法により精神的苦痛を被ったとして、原告らが、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、それぞれ慰謝料80万円を求める事案である。 1 関係法令等の定め別紙1のとおりである(なお、同別紙で定める略称は、以下においても用いる。)。 2 前提事実等(当事者間に争いがないか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる。)⑴ 当事者ア原告Aは、香川県高松市に居住する者であり、原告Bの実母である。 イ原告Bは、 生まれの男性であり、本件条例が施行された令和2年4月1日当時17歳であった者である。 原告Bは、令和3年2月12日まで香川県高松市に居住しており、現在はC市に居住している。 ⑵ 本件条例の制定経緯ア本件条例の制定以前においても、被告は、スマートフォンやゲーム機の使用についてルールを定めることを推奨するパンフレットを作成して啓発 り、現在はC市に居住している。 ⑵ 本件条例の制定経緯ア本件条例の制定以前においても、被告は、スマートフォンやゲーム機の使用についてルールを定めることを推奨するパンフレットを作成して啓発を行っていた(甲15、60)。 イ自由民主党香川県政会(以下「県政会」という。)は、平成31年1月10日、「ネット・ゲーム依存症-現状と課題-」とのテーマで、医師を講師とした勉強会を主催した(乙5)。 ウ香川県議会議員であったD議員(以下「D議員」という。)は、平成31年2月20日に開かれた県議会本会議において、県政会を代表し、世界保健機構(WHO)が平成30年6月に「ゲーム障害」を疾病として認めたことや香川県教育委員会が実施した平成29年度の調査において、中学生の3.4%、高校生の2.9%がインターネット依存症のおそれがあるとされたこと等を踏まえ、香川県知事及び教育長に対し、県内の小中高生のスマホ・ゲームやインターネットの利用状況をどう受け止めているかという旨の代表質問をした。 これに対し、香川県知事及び教育長は、ゲームやインターネットの過剰な作用は、自分で自分の欲求を制御できなくなる依存症に繋がること、睡眠障害、ひきこもりといった二次的な問題まで惹起することなどが指摘されており、陥りやすいのは若者であり、一度そのような状態になると離脱が困難となるため、その対策は県としても急務であると考えており、子供、若者のネット・ゲーム依存対策に積極的に取り組んでいく所存であるなどと答弁した。(乙6)エ香川県議会は、平成31年3月、香川県議会の全41議員が加盟するネット・ゲーム依存症対策議員連盟(以下「議員連盟」という。)を結成し、 令和元年6月27日、医師による講演を内容とする香川県議会ネット・ゲーム依存症対策議員連盟研 議会の全41議員が加盟するネット・ゲーム依存症対策議員連盟(以下「議員連盟」という。)を結成し、 令和元年6月27日、医師による講演を内容とする香川県議会ネット・ゲーム依存症対策議員連盟研修会を行った(乙7)。 オ香川県議会は、以下のとおり、D議員を委員長として、香川県議会ネット・ゲーム依存症対策に関する条例検討委員会(以下「条例検討委員会」という。)を開催した。 令和元年9月19日第1回条例検討委員会(乙8の1)同会では、①ネット・ゲーム依存の現状と対策について、②都道府県における条例の制定状況について、③依存症対策に関する法律について、④今後の進め方について、⑤その他の各議題について検討を行った。 令和元年10月17日第2回条例検討委員会(乙8の2)同会では、独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター(以下「久里浜医療センター」という。)の樋口進院長(以下「樋口医師」という。)から「ネット依存・ゲーム障害の実態と対策」とのテーマで、岡田クリニックの岡田尊司院長(以下「岡田医師」という。)から「ゲーム、インターネット依存に関する条例に盛り込むべき内容(案)」とのテーマで、それぞれ指摘を受けた上で、「条例に必要な考え方について」の意見交換を行った。 令和元年11月28日第3回条例検討委員会(乙8の3)同会では、①香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)骨子案について、②今後の進め方についての各議題について検討を行った。 令和元年12月12日第4回条例検討委員会(乙8の4)同会では、株式会社NTTドコモ四国支社、香川県PTA連絡協議会、香川県小学校長会、香川県中学校長会、香川県子ども女性相談センター及び医療法人社団光風会三光病院から、それぞれ代表者や 4)同会では、株式会社NTTドコモ四国支社、香川県PTA連絡協議会、香川県小学校長会、香川県中学校長会、香川県子ども女性相談センター及び医療法人社団光風会三光病院から、それぞれ代表者や担当者らが出席した上で、条例の検討に至った経緯や骨子案の修正案について検討した。 令和2年1月10日第5回条例検討委員会(乙8の5)、同月20日第6回条例検討委員会(乙8の6)条例検討委員会は、上記2回にわたり、①香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)素案について、②今後の進め方についての各議題について検討を行った。 令和2年3月12日第7回条例検討委員会(乙8の7)同会では、「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)(素案)について提出されたご意見とそれに対する考え方(案)について」という議題について検討を行った。 カ被告は、令和2年1月23日から同年2月6日までの間、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)素案に対するパブリック・コメント(以下「本件パブコメ」という。)を実施した(甲32)。 ⑶ 本件条例の制定及び公布ア香川県議会定例会において、令和2年3月18日、本件条例が議員発議され、採決された(乙2)。 イ本件条例は、令和2年3月24日に公布された。 ウ本件条例は、令和2年4月1日に施行された(甲2)。 エ被告は、本件条例施行後の令和2年8月頃、香川県内の全住戸に「ネット・ゲーム依存を予防するために」と題するリーフレット(乙22)を配布した。 同リーフレットの表紙においては、「インターネットやコンピュータゲームの特性を正しく理解し、楽しく健康的に利用しましょう」としてインターネットやコンピューターゲームの過剰な利用は学力・体力低下のみならず身体的な問 紙においては、「インターネットやコンピュータゲームの特性を正しく理解し、楽しく健康的に利用しましょう」としてインターネットやコンピューターゲームの過剰な利用は学力・体力低下のみならず身体的な問題を引き起こすこと、世界保健機関で疾病認定されたことが説明されている。 但し、「この条例は、インターネットやゲームの利用を制限するものでは なく、依存状態に陥ることを未然に防ぐために家庭でのルールづくりや見直しを行うことを求めているものであり、全てのインターネットやゲームの利用を依存症につながるものとして否定しようとするものではありません。」とも注記され、次頁以下からは「ゲーム障害」の詳細な説明や「家庭における子どもとのルールづくり」の説明等が掲載されている。 ⑷ 本件訴訟の審理経過原告らは、令和2年9月30日、作花知志弁護士を訴訟代理人として本件訴訟を提起したが、同代理人は令和4年3月23日に代理人を辞任し、以後、原告らは何らの主張立証活動を行わないまま、同年5月6日、本件訴えを全部取下げる旨の取下書を提出した。これに対し、被告は、同年5月12日、同取下げに同意しない旨の同日付け意見書を提出し、同年5月16日、裁判所は、原告らが欠席した第7回口頭弁論期日において、弁論終結を宣言した。 3 争点⑴ 本件条例の立法行為及び本件条例の改廃をしないことの立法不作為が国家賠償法1条1項の違法に当たるか(争点1)ア本件条例が憲法21条及び31条に違反するか(明白性の原則に反するか)(争点1-①)イ本件条例が憲法94条に違反するか(争点1-②)ウ本件条例の立法目的の正当性及び目的と手段との間の実質的関連性が認められるか(争点1-③)エ本件条例が憲法14条1項に違反するか(争点1 が憲法94条に違反するか(争点1-②)ウ本件条例の立法目的の正当性及び目的と手段との間の実質的関連性が認められるか(争点1-③)エ本件条例が憲法14条1項に違反するか(争点1-④)オ本件条例が憲法21条1項に違反するか(争点1-⑤)カ本件条例が憲法22条に違反するか(争点1-⑥)キ本件条例が憲法26条に違反するか(争点1-⑦)ク本件条例が憲法29条に違反するか(争点1-⑧)ケ本件条例が憲法13条に違反するか(争点1-⑨) コ原告らの主張する各人権が基本的人権として保障されているか(争点1-⑩)⑵ 原告らの損害(争点2) 4 争点に関する当事者の主張⑴ 争点1-①(本件条例が憲法21条及び31条に違反するか(明白性の原則に反するか))について(原告らの主張)本件条例は、別紙2のとおり、その各規定の文言自体が不明確であり、これらを総合的に評価すると、本件条例全体が憲法21条及び31条に違反し、明白性の原則に反するものと評価できる。 (被告の主張)以下のとおり、原告らの主張は失当である。 ア原告らの主張は、原告ら指摘の各文言について、不明確であると主張する論拠は、①文言に科学的根拠、医学的根拠がないから文言が不明確である、②文言の背景にある立法事実やその根拠、さらには、それの事実関係を本件条例に取り込む根拠や法的な根拠が不明確であるから文言が不明確である、③文言相互の関係性が不明確であることから文言が不明確である、④文言の定義規定が存在しないことから不明確である、⑤文言に「等」ないし「準ずる」との規定があることから文言が不明確である、⑥文言そのものが不明確である、⑦その他のいずれかに整理 言が不明確である、④文言の定義規定が存在しないことから不明確である、⑤文言に「等」ないし「準ずる」との規定があることから文言が不明確である、⑥文言そのものが不明確である、⑦その他のいずれかに整理される。 イ明確性の原則における「明確性」は、文言の規定ぶりのみから判断するものであり、①文言に医学的、科学的根拠がなく不明確、②立法事実や根拠が不明確、③文言相互の関係性が不明確である旨の主張は失当である。 ウ原告らは、④文言の定義規定が存在しないことから不明確である旨主張するが、当該法令が適用されるか否かを認識することが出来るかという実質的な機能的な側面・観点から判断すると、「ゲーム障害」、「コンピュ ータゲーム」等について一般人であれば容易に意味・内容を判断できるのであるから明確性を欠くものではない。 エ原告らは、⑤「等」や「準ずる」との文言が不明確である旨主張するが、「学校」、「保護者」、「責務」という例示の後に付されたものであって、一般人であればそれらに類するものを指していることが容易に判断できるので、何ら明確性を欠くものではない。 オ ⑥文言そのものが不明確である旨の主張についても、一般人であれば容易に意味・内容を判断できるのであるから明確性を欠くものではない。 ⑵ 争点1-②(本件条例が憲法94条に違反するか)について(原告らの主張)ア国会において、政府が本件条例の科学的根拠等について知らない旨の答弁をしていること、東京都知事も「科学的根拠に基づかない内容による一律の時間制限などは行わない」と条例による一律の規制を否定していること、スマートフォンの取り上げ、ネット接続の遮断がネット・ゲーム依存症の改善に逆効果になることなどに照らすと、国が本件条例と同趣旨の内容の法律を制 は行わない」と条例による一律の規制を否定していること、スマートフォンの取り上げ、ネット接続の遮断がネット・ゲーム依存症の改善に逆効果になることなどに照らすと、国が本件条例と同趣旨の内容の法律を制定する予定はなく、いかなる規制をも施すことなく放置する趣旨であるのに、本件条例は、科学的根拠が認められないにもかかわらず、あえて立法されており、「法律の範囲内」でのみ制定できるとした憲法94条に違反することは明らかである。 イ児童の権利条約は、憲法94条の「法律」に該当し、同条約12条、13条、16条及び31条の内容が、その規定によって全国的に一律の同一内容の規制を施す趣旨である以上、憲法94条に違反する。 ウ地自法14条1項の地方公共団体の自治事務に当たらない上記アのとおり国会において政府が本件条例の科学的根拠等について知らない旨の答弁をしていること、家庭における児童の教育の自由は親が有することなどからすると、国がネット・ゲーム依存症についての法整備を、 地自法14条1項における地方公共団体の自治事務に関する事柄に含めていないことは明らかであり、本件条例は、「法律の範囲内」でのみ制定できるとした憲法94条に違反することは明らかである。 (被告の主張)以下のとおり、本件条例は憲法94条に反するものではなく、原告の主張は失当である。 ア国においても、関係各省庁において具体的な対策の検討や実際の取り組みが進められているところであり、国が本件条例と同趣旨の内容の法律の制定を排除しているわけではない。 また、現在、本件条例と同様・同趣旨の目的を有する「子ども・若者育成支援推進法」が存在しており、法が、子どもや若者の育成支援について、条例での規制をすることなく放置することを求め ない。 また、現在、本件条例と同様・同趣旨の目的を有する「子ども・若者育成支援推進法」が存在しており、法が、子どもや若者の育成支援について、条例での規制をすることなく放置することを求めているものではないことは明らかである。 イ児童の権利条約が定める権利に対しても一定の制約をなすことは当然認められ、本件条例は、「法律の範囲内」で制定されたものである。 ⑶ 争点1-③(本件条例の立法目的の正当性及び目的と手段との間の実質的関連性が認められるか)について(原告らの主張)ア立法目的が正当でないこと「ネット・ゲーム依存症」には科学的根拠が認められず、そのような事実状態を生み出している原因を対策の対象としていない。また、本件パブコメについて、不正が行われたとの指摘がされ、疑義があるにもかかわらず、そのことについて調査する義務を怠り、あえて本件条例を立法した。 したがって、立法目的合理性及び必要性を基礎付ける事実も存在せず、立法目的には正当性が認められない。 イ立法目的と手段との間に実質的関連性が認められないこと 以下のとおり、本件条例は、立法目的と手段との間に実質的関連性が認められないことは明らかである。 上記アのとおり、目的に正当性が認められないことからすると、そもそも「ネット・ゲーム依存症」として本件条例18条で時間制限の規定を設けていること自体が、何ら合理性がない手段であることは明白である。 世界保健機関の見解によっても、「ゲーム障害は、デジタルゲームやビデオゲームの活動に携わる人のほんの一部の人にしか影響し」ないとされているにもかかわらず、本件条例は一律に使用に関するルールづくり及びその見直しや1日当たりの利用時間や終了時刻の決定を行 ゲームやビデオゲームの活動に携わる人のほんの一部の人にしか影響し」ないとされているにもかかわらず、本件条例は一律に使用に関するルールづくり及びその見直しや1日当たりの利用時間や終了時刻の決定を行っているのであるから、本件条例の立法目的と手段との間に実質的関連性が認められない。 本件条例の規制内容に基づかなければネット・ゲーム依存症が発症するという科学的根拠は何ら存在しないし、本件条例は、スマートフォンの取り上げ、ネット接続の遮断がネット・ゲーム依存症の改善に逆効果になるにもかかわらず、時間制限を設けている。 また、上記アのとおり、本件パブコメには疑義があるにもかかわらず、その調査義務を怠り、本件条例を制定した。 以上によれば、立法手段の合理性を基礎付ける立法事実がないことは明らかであり、立法目的と手段との間に実質的関連性が認められない。 仮に「ネット・ゲーム依存症」という疾病が存在するとしても、同疾病にり患していない子どもや、り患する可能性がない子どもについては、本件条例により規制を行う必要はなく、罹患した人やその可能性のある人に対する医師の治療等で足りるのであるから、本件条例は、一律的、かつ硬直的であり、立法目的と手段との間に実質的関連性が認められない。 親子で一緒にゲームを楽しむ、あるいはスマートフォンを利用する時間を制限することは、家庭内における親子の貴重な学びの場を奪うものであり、必要以上に基本的人権を侵害するものである。 本件条例によるスマートフォンの利用制限は、場所の情報など、生活に必要な情報収集の手段を奪うことにもなるが、特に新型コロナウイルス感染症が流行している近時の情勢に鑑みると、一層情報収集等が重要なので、必要な限度を超える規制になっている。 所の情報など、生活に必要な情報収集の手段を奪うことにもなるが、特に新型コロナウイルス感染症が流行している近時の情勢に鑑みると、一層情報収集等が重要なので、必要な限度を超える規制になっている。 本件条例18条2項が努力義務、ガイドラインであるとしても、一般人の理解としては「努めなければならない」という文言から法的義務がないとは判断できず、萎縮効果が生じており、基本的人権に対する不要な制限であることは変わらない。 (被告の主張)ア立法事実とは立法事実とは、立法的判断の基礎となっている事実であり、法律を制定する場合の基礎を形成し、かつ、その合理性を支える一般的事実、すなわち、社会的、経済的、政治的もしくは科学的事実をいい、①立法目的合理性ないし必要性を基礎づける事実、②立法手段の合理性を基礎づける事実で構成される。 イ立法目的合理性ないし必要性を基礎づける事実ネット・ゲーム依存症の治療ないし予防は必要であるし、その治療の必要性は国内ないし香川県においても認められる。 ウ立法手段の合理性を基礎づける事実本件条例による時間制限は合理的であり、また、努力目標に過ぎず、罰則もない。 エ以上の立法事実によれば、立法目的は正当であり、立法目的と手段との間に実質的関連性が認められる。 ⑷ 争点1-④(本件条例が憲法14条1項に違反するか)について(原告らの主張)ア本件条例は、香川県民にのみ適用されるが、香川県民とその他の地域の者の区別に合理的な理由は存在しない。 イ本件条例は、18歳未満のスマートフォン等の利用を制限するものであるが、18歳未満の者とその他の者の区別に合理的な理由は存在しない。 (被告の主張)ア憲法が各地方公共 イ本件条例は、18歳未満のスマートフォン等の利用を制限するものであるが、18歳未満の者とその他の者の区別に合理的な理由は存在しない。 (被告の主張)ア憲法が各地方公共団体の条例制定権を認めている以上、条例が制定されることによって地域によって差異が生じることは当然に予期されるところであるから、かかる差異は憲法自ら容認するところであり、条例の制定によって地域間で何らかの取扱いに差異を生じることがあっても、そのことによって違憲の問題が生じることはなく、原告らの主張は失当である。 イ本件条例は、18歳未満の者を「子ども」と定義し、その適用対象としているが、この「18歳未満」という年齢は、児童の権利条約の「児童」、数多くの青少年保護条例の「青少年」、児童福祉法の「児童」、労働基準法の「年少者」などと同一であることや、民法上の成人年齢が令和4年4月から18歳に引き下げられたことなどと軌を一にするものであって、不合理でないことは明らかである。 ⑸ 争点1-⑤(本件条例が憲法21条1項に違反するか)について(原告らの主張)インターネット空間はパブリック・フォーラムとしての性質を有しており、また、スマートフォンの利用は表現行為であると同時に、情報収集を行うために有用なものとして知る権利にも資するものであるため、スマートフォンの利用を制限する本件条例は憲法21条1項に違反するものである。 (被告の主張)そもそも本件条例は、原告らの表現の自由に対して何らかの制約を課すも のではない。また、インターネット空間がパブリックフォーラムであるとしても、インターネット空間での表現とその空間の管理権者との調整が問題となるものではないから、原告らの主張は失当である。 ⑹ 争点 はない。また、インターネット空間がパブリックフォーラムであるとしても、インターネット空間での表現とその空間の管理権者との調整が問題となるものではないから、原告らの主張は失当である。 ⑹ 争点1-⑥(本件条例が憲法22条に違反するか)について(原告らの主張)本件条例は、本件条例により、スマートフォンの利用が制限されることによってスマートフォンを利用してインターネットの使用に長ける機会を失うという点、ゲームの利用を制限されることによってeスポーツのプロになるための準備行為を制限するという点で、職業選択の自由を制限し、憲法22条に違反するものである。 (被告の主張)職業選択の自由はいわゆる「経済的自由権」であって、一般に、精神的自由権に属する人権に比してその重要性は劣位にある。 また、将来就くかもしれない職業に役に立つかもしれないことを行うことといったような将来の事項であって不確定かつ漠然・曖昧模糊としたものが職業選択の自由で保障されるなどということはあり得ないから、原告らの主張は失当である。 ⑺ 争点1-⑦(本件条例が憲法26条に違反するか)について(原告らの主張)本件条例は、ゲーム及びスマートフォンの利用を制限し、ゲームを利用した学習、スマートフォンを利用した学習及び家庭教育を受ける権利を制限するものであり、憲法26条に違反するものである。 (被告の主張)争う。なお、本件条例の18条2項は、学習に必要な検索等を行うことについて、本件条例の対象外としている。 ⑻ 争点1-⑧(本件条例が憲法29条に違反するか)について (原告らの主張)本件条例は、ゲーム及びスマートフォンの利用を制限し、これは所有するゲーム機及び いる。 ⑻ 争点1-⑧(本件条例が憲法29条に違反するか)について (原告らの主張)本件条例は、ゲーム及びスマートフォンの利用を制限し、これは所有するゲーム機及びスマートフォンの財産権を制限するものであるから憲法29条に違反する。 (被告の主張)争う。 ⑼ 争点1-⑨(本件条例が憲法13条に違反するか)について(原告らの主張)本件条例は、親が子に対して家庭におけるゲームやスマートフォンの利用について自由に決めることができる自由である親の子に対する親権、監護権、養育権、教育権、リプロダクティブ権及び人格権を侵害するとともに、eスポーツを楽しむ幸福追求権、自己決定権及びプライバシー権ないしは人格的利益を侵害するものであり、憲法13条に違反するものである。 (被告の主張)原告らが指摘する親が子に対して家庭におけるゲームやスマートフォンの利用について自由に決めることができる自由及びeスポーツを楽しむことは、基本的人権として保障されるものではない。 原告らの主張するものはいずれも個別具体的かつ枝葉末節に至る個々の私生活上の一般的自由なるものにすぎず、基本的人権とはいえない。いわゆる新しい人権と認められるものは、個人の人格的生存に不可欠な利益であり、かつ、司法的救済を求め得るほどに明確性・特定性を有するものに限られ、原告らの主張するものは憲法裁判例でいう尊重されるに値する人格的利益であるともいえない。 ⑽ 争点1-⑩(原告らの主張する各人権が基本的人権として保障されているか)について(原告らの主張) ア原告Aについて子どもにとってデジタル機器は、生まれた時から存在している、自然な日常生活の一部であるのに、原告A として保障されているか)について(原告らの主張) ア原告Aについて子どもにとってデジタル機器は、生まれた時から存在している、自然な日常生活の一部であるのに、原告Aは、本件条例18条2項を受け、令和2年4月に原告Bと話し合いを余儀なくされ、同項に規定された範囲内だけ使っていいことに決めることを余儀なくされた。 これは、香川県議会の見解においても、保護者に対する制約は認めているように、親の子に対する親権、監護権、養育権、教育権、リプロダクティブ権、人格権、幸福追求権、自己決定権、プライバシー権の侵害になる。 イ原告Bについて原告は、条例を守っており、以下の不利益を受け、表現の自由、職業選択の自由、財産権及び幸福追求権等が侵害された。なお、本件条例は、「保護者」に義務を課す結果、「子ども」にゲーム使用が制限されるため、原告Bも直接の名宛人となっている。 原告Bは、自由にスマートフォンを利用することができなくなり、また、本件条例制定後、香川県民からのアクセスを拒否するサイトが存在し、情報を得られなくなる不利益を受けた。 原告Bは、コロナ禍でも午後10時以降は友人と連絡を取ることができなくなる不利益を受けている。 原告Bは、e スポーツのプロになることを希望していたところ、本件条例によるゲームの利用制限により、大会への参加ができず、将来の進路に影響を与えられた。 原告Bは、ゲームを利用した学習、スマートフォンを利用した学習及び家庭教育を受ける機会を制限される不利益を受けた。 原告Bは、所有するゲーム機及びスマートフォンの財産権を制限される不利益を受けた。 (被告の主張) ア被侵害利益の侵害がないこと本件条例は努力目標であり罰則がなく、そもそも原告 Bは、所有するゲーム機及びスマートフォンの財産権を制限される不利益を受けた。 (被告の主張) ア被侵害利益の侵害がないこと本件条例は努力目標であり罰則がなく、そもそも原告らの権利の制約はない。 また、仮に何らかの制限され得る人権があるとしても、原告Bは、本件条例施行後も午後10時以降においても合計15回もTwitter を利用しており、原告らは本件条例を遵守していないため、その侵害はない。 イまた、もし仮に原告らの何らかの権利を制限するものであるとしても、本件条例は努力目標であり罰則がないことなどからすると、必要最小限度の制約であり、それらの権利が侵害されたとはいえない。 ⑾ 争点2(原告らの損害)について(原告らの主張)原告らは、本件条例の立法行為及び本件条例の改廃をしないことの立法不行為により基本的人権が侵害され、精神的苦痛を被っており、その精神的苦痛を慰謝するための慰謝料は、それぞれ80万円を下らない。 (被告の主張)争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提事実、後掲各証拠(括弧内掲記のもの)及び弁論の全趣旨によると、以下の事実が認められる。 ⑴ 医学的知見ないし諸見解等アインターネット依存・ゲーム依存の概要インターネット依存という用語は、平成5年に初めてアメリカの精神科医が用いたと言われており、以降、深刻な問題として世界的に認知されていったものの、診断基準もなく、明確な定義がなされないまま多数の研究者の研究や取組数が増加していく状況にあった。 その間、臨床心理学者により、病的賭博の概念を参考とする定義づけが試みられたが、他方で、同じ「インターネット依存」を表す用語として、「インターネット嗜癖」、「病 していく状況にあった。 その間、臨床心理学者により、病的賭博の概念を参考とする定義づけが試みられたが、他方で、同じ「インターネット依存」を表す用語として、「インターネット嗜癖」、「病的インターネット使用」、「インターネットの問題使用」、「オンラインゲーム障害」等の多数の用語が作られ、異なる基準で用いられるような状況となった(乙14)。 後記ウのとおり、2013年に刊行された米国精神医学会の「精神疾患の診断・統計マニュアル第5版」(いわゆるDSM-5)において、インターネットゲーム障害(Internetgamingdisorder。以下「IGD」ということがある。)として、「今後の研究のための病態」の中において(乙14、甲46)一応診断基準が収載されるなど、その基準が示される試みが始まり(乙12)、課題も指摘されつつも研究が進められた。そして、後記エのとおり、2018年には、世界保健機構(WHO)が、「ゲーム障害」として「国際疾病分類第11版(ICD-11)」に含めることを検討していると発表され、2019年、一旦、正式に収載されるに至った(乙14)が、その後、後記エのとおり、ホームページ上から解説が削除されるなどしている。 イ 「ゲーム障害ゲーム依存の理解と治療・予防」(乙12、甲52)の記載世界保健機関(WHO)のゲーム依存に関する専門家会議のメンバーでもあるアメリカ心理学の専門家であるD・キング博士により2018年刊行された研究書(2020年本邦監訳)は、次のとおり概説する。 2012年の大規模調査によれば、インターネット依存が疑われる者は5年間に1.8倍に増えていたほか、2015年の世界的な統計によれば、IGD の有病率は約1%であり、そのリスク群を含めれば5.1%程度であるとされている。 れば、インターネット依存が疑われる者は5年間に1.8倍に増えていたほか、2015年の世界的な統計によれば、IGD の有病率は約1%であり、そのリスク群を含めれば5.1%程度であるとされている。 症状等について IGD の研究においては、問題のあるゲーム使用を「害」と捉え、行動嗜癖の一種として、ゲームに関する行動を、嗜癖のモデル及び理論において位置づけようとする試みが多数されてきたが、生じる害は必ずしも同様のものではない。 健康に関連するゲーム使用の「害」として、典型的なものは、「乏しい食事による体重の減少(または過食による体重の増加)、姿勢の悪さと反復運動過多損傷による身体的な痛みの問題、睡眠不足や就寝起床サイクルの乱れによる疲労や倦怠感などがある。」とされ、健康面での負の影響は比較的軽度とされる。 しかし、「ゲーム使用に費やす時間が多くなると、機会の損失につながり通常の活動に支障をきたす場合や役割の喪失を招く場合がある。たとえば、基本的な活動(睡眠、食事、身辺の衛生など)、現実での社会的な交流(会話、友人との面会、家庭への訪問など)、重要な責務(学業、仕事、ペットの世話、子どもの養育など)といった側面に悪影響が及ぶ。」、「ゲーム障害はユーザー自身の優先順位を大きく変化させ、それによりゲームに関係のない情報、人、出来事に対する関心や能力、関与の度合いが著しく弱められる。」「現実に対する無関心や離脱はさまざまな負の結果をもたらす。…学業や職業上のキャリアといった重要な側面の歩みをその時点で止めてしまう。…ゲーム以外の活動に復帰しようとしてもしだいに困難になる。」などの害が生じることが指摘されている(070頁)。 「問題のあるゲーム使用とIGD に関する複数の研究によると、ゲーム使用は一般に青年期に多く行われ」、 復帰しようとしてもしだいに困難になる。」などの害が生じることが指摘されている(070頁)。 「問題のあるゲーム使用とIGD に関する複数の研究によると、ゲーム使用は一般に青年期に多く行われ」、「強いストレスがかかり成績への要望が大きくなる青年期中期から後期と若年成人期にかけてゲーム活動による問題が多く発生しやすい。」(073頁)との記載があり、過度のゲーム使用は問題を引き起こす可能性があり、青少年は特にその影響を受 けやすいという点では、一般的な合意が得られているとされる。 治療及び予防等についてa 「IGD の治療を実施することは口でいうほどたやすくはない。」、「構造化された治療手順のマニュアルや、IGD 治療研究で用いられる手法・手続きを包括的に記述する実用的な資料が不足していることも、この分野の課題のひとつである。」(184頁)、「大多数のIGD 治療研究では、さまざまな心理介入やカウンセリングが用いられており、薬物治療や電気鍼療法を併用した研究もあった。介入の種類は認知行動療法、動機づけ面接、現実療法トレーニング、広範な治療プログラム内での心理療法やカウンセリングの併用などである。」(190頁)。しかし、「問題のあるゲーム使用やIGD に対する支援を求める多くの人が、最終目標として想定しているのは、ゲームを止めることではなく、人生の責務と両立するようにゲーム習慣を続けていくことである」、「今後は『コントロールされた』ゲーム使用の実態を検討することが望まれる」が、その「『コントロールされたゲーム使用』の内実は、クライエントによって異なることが多い」ともされている(192頁)。 b 予防については、「効果的な予防戦略の主な目標は、ゲーム使用に関連する問題が新たに発生しないように、また既存 使用』の内実は、クライエントによって異なることが多い」ともされている(192頁)。 b 予防については、「効果的な予防戦略の主な目標は、ゲーム使用に関連する問題が新たに発生しないように、また既存の問題がさらに重度の症候に進行しないように、各リスク群に固有の必要性に応じた予防策を立てることである。」などの言及がある。 そして、親の役割につき、親や養育者においてゲーム機器を取り上げた場合のリスクを指摘し子どもの自己制御を学ぶ機会の重要性を指摘している。また、一部の機関においてガイドラインを作成した例を紹介しており、子どもの好みを把握する、安全性の話し合い、ゲーム以外の活動支援などのほか、あらかじめゲームに費やす時間の上限を設定する、家族の活動の一環とするようにするなどの提案を挙げてい る(234、235頁)。 ウ精神疾患の診断・統計マニュアル第5版精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(以下「DSM-5」という。)(2013年刊行)には、「今後の研究のための病態」の中に、インターネットゲーム障害を挙げており、同診断基準によると、「基準案」として「臨床的に意味のある機能障害や苦痛を引き起こす持続的かつ反復的な、しばしば他のプレーヤーとともにゲームをするためのインターネットの使用」で、かつ、過去12か月の間に後記のないしの9項目のうち5項目以上当てはまる場合であるとされ、重症度は普段の活動の破綻の程度により、軽度から重度とされ得るとされている(甲46)。 なお、上記の「今後の研究のための病態」の項については、「ここに提案された項目については、第Ⅱ部の公式の精神疾患診断として採用するための証拠がなお不十分であると判定した。ここに提案した一連の基準は、臨床において用いるためのものではない。DSM―5第Ⅱ部に含まれ 案された項目については、第Ⅱ部の公式の精神疾患診断として採用するための証拠がなお不十分であると判定した。ここに提案した一連の基準は、臨床において用いるためのものではない。DSM―5第Ⅱ部に含まれる基準および疾患だけが公式に認知され、臨床目的で使用できるものである。」とされている。 インターネットゲームへのとらわれ(過去のゲームに関する活動のことを考えるか、次のゲームを楽しみに待つ、インターネットゲームが日々の生活の中での主要な活動になる) インターネットゲームが取り去られた際の離脱症状(これらの症状は、典型的には、いらいら、不安、または悲しさによって特徴づけられるが、薬理学的な離脱の生理学的兆候はない) 耐性、すなわちインターネットゲームに費やす時間が増大していくことの必要性 インターネットゲームにかかわることを制御する試みの不成功があること インターネットゲームの結果として生じる、インターネットゲーム以外の過去の趣味や娯楽への興味の喪失 心理社会的な問題を知っているにもかかわらず、過度にインターネットゲームの使用を続ける 家族、治療者、または他者に対して、インターネットゲームの使用の程度について嘘をついたことがある 否定的な気分(例:無力感、罪責感、不安)を避けるため、あるいは和らげるためにインターネットゲームを使用する インターネットゲームへの参加のために、大事な交友関係、仕事、教育や雇用の機会を危うくした、または失ったことがあるエ国際疾病分類の第11版の記載等 世界保健機関(WHO)は、平成30年6月に国際疾病分類の第11版(以下「ICD-11」という。)に「ゲーム障害」が発 または失ったことがあるエ国際疾病分類の第11版の記載等 世界保健機関(WHO)は、平成30年6月に国際疾病分類の第11版(以下「ICD-11」という。)に「ゲーム障害」が発表され、令和元年5月に正式に収載された。その診断基準は以下aないしcのとおりである。(甲49、乙7)a ゲームに対するコントロールが効かない(ゲームをする時間や頻度を自ら制御できない・自制困難)。 b 生活上の他の興味や日常活動より優先されるほどに、ゲームの優先度が高まる(ゲームを最優先する・没頭、他の関心の喪失)。 c⒜ 重大な影響が生じているにもかかわらず、ゲーム行動が継続して深刻化する(問題が起きているのに続ける。)。 ⒝ ゲーム行動のパターンは、個人、家族、社会、教育、職業やその他の重要な機能領域に著しい苦痛や障害をもたらす(結果のフィードバックの欠如、生活への支障)。 世界保健機関(WHO)は、2021年頃、同機関のホームページ上からゲーム障害の解説部分を削除した。その理由は必ずしも明らかでは ないが、社会科学の研究者が、同機関に対し、ゲーム障害とした根拠等を質問したことや、同機関からの回答をゲームメディア会社との間で共有したなどのコメントが明らかにされている(甲84)。 オ本邦における医師らの見解ゲーム依存の病態や主訴、生じる害、治療や予防の諸点について、国内の医師らは、一般書や論考に次のような見解を発表している。 病態等a 前記久里浜医療センターの樋口医師は、「日本で初めてネット依存治療を開始した久里浜医療センターでは、外来で1年間に新規患者が300人ほど受診し、継続患者を含め、外来受診の延べ人数では年間およそ2000人が治療を受けに」くるが、「最も多かったの めてネット依存治療を開始した久里浜医療センターでは、外来で1年間に新規患者が300人ほど受診し、継続患者を含め、外来受診の延べ人数では年間およそ2000人が治療を受けに」くるが、「最も多かったのがオンラインゲームで、80%以上」であったという(乙13)。 b また、岩崎メンタルクリニックの岩崎正人医師も前記エの国際疾病分類同様、「ゲームに対してコントロールが効かなくなっている状態」を「「ゲーム依存症」と呼ぶ。」とし(乙21)、前記樋口医師も、これにより、「ネット依存による「寝ない」「食べない」「動かない」の「3つのない」は、若者たちの健康を阻害し、場合によっては命を危険にさらすこともある」(乙13)、「学校に通えなくなってしまう例も少なくな」かった(甲53)などとする。榎本クリニックの榎本稔医師も同様に、増加する「インターネット・ゲーム依存症」は、「治療が必要な病気」とし、「高校生では、留年や転校、ドロップアウトして中退する」子も出てくる、「ひきこもりが始まる例」もある、「家族内でもゲームをめぐって、トラブルが増えて」くる、等、若年層において社会生活上の様々な弊害が生じている状況を指摘している(乙20)。 c この状態につき、前記岡田クリニックの岡田医師のように、「近年の研究の急速な進展によって、インターネット依存やゲーム依存、こと に、その両方の要素を併せ持つインターネット・ゲーム依存が、脳の機能的のみならず器質的な変化をもたらしている可能性が強まっている」とか、「これは文字通り「脳が壊れた」状態」との指摘をする見解もある(乙16)。また、藍里病院の吉田精次医師のように、取り分け、「10代のゲーム依存症と成人のそれとは区別して考えるべきである」、「依存症は脳の機能変化を引き起こす疾患」であり、「10代のゲーム依存症 乙16)。また、藍里病院の吉田精次医師のように、取り分け、「10代のゲーム依存症と成人のそれとは区別して考えるべきである」、「依存症は脳の機能変化を引き起こす疾患」であり、「10代のゲーム依存症はこの年代の脳の特徴を無視しては理解できない。」と述べる見解もある(乙19)。 診断基準あるいは器質的変化・機能的変化の指摘等a しかし、他方で、前記樋口医師は、前記アのとおり、結局、診断基準等がないままに推移しており、その状態では重症例を認識しながらその研究が進まないなどと指摘し(甲47)、同じく久里浜医療センターの三原聡子医師も、「インターネット依存の定義が明確でなく、統一されたアセスメントツールが使用されていないため、研究同士の比較検討ができないなどの理由によって、治療方法の研究の発展においても限界が生じはじめている」と指摘した(乙14)。 b 但し、この診断基準に関しては、前記樋口医師は、ネット・ゲームに没頭する「背景」も重要とし、ゲーム依存に陥る人は現実世界で何らかのトラブルを抱えているケースが多く、依存の問題を考える際の重要な視点は、つらい現実からの逃避という側面があるなどと指摘している(甲47)。また、周愛荒川メンタルクリニックの花田照久医師及び八木眞佐彦社会福祉士・精神保健福祉士は、「実際のネットゲームの内容は複雑」であり、「戦闘欲求、他者との関係、仮想現実内での承認欲求など、さまざまな要素を含んでい」るのであり、「国際的な診断基準で考えられているようなギャンブルと同じ『物質使用または嗜癖行動障害』だとは、言い切れない面があ」るとも指摘する (甲5)。 c これに対し、前記久里浜医療センターがゲーム障害に関する研究を発表した論文に対しては、社会学の立場から精神疾患の有病率というには統計上の様々な疑問がある 」るとも指摘する (甲5)。 c これに対し、前記久里浜医療センターがゲーム障害に関する研究を発表した論文に対しては、社会学の立場から精神疾患の有病率というには統計上の様々な疑問があるとし、趣味として行うハードゲーマーと病的なゲーマーの区別がつかないと指摘するものがある(甲80)。 治療や予防a 治療は、基本的に前記イ同様であり、前記三原医師は、「インターネット依存の治療に関する研究を総括すると、インターネット依存に対しては、認知行動療法や家族療法などの治療的な介入が効果をあげるようである」と指摘する(乙14)。 b 他方、前記樋口医師の以外の医師らも指摘する点として、「ゲーム依存と診断した場合、一番してはならないのがスマートフォンを取り上げ、ネット接続を遮断すること」が挙げられ(甲53)、急に遮断してしまうと、本人の状態はかえって悪化します。」、「家庭では、ネット・ゲームを完全に遮断することではなく、少しずつ調整していくこと」がよいともいう(甲54)。 前記花田医師及び八木精神保健福祉士も、「ゲーム依存は、ゲームという行為で心の苦痛を癒やす行動依存」であり、「体に褥瘡ができていても、無理にゲームから引き離してはいけ」ない、「無理やりその行動から引き離すほうが、暴力や自死などの危険を招」く、「ゲーム依存が見られても、いきなりゲームをとり上げたり、壊したりしてしまうと、状況は悪化」する、「親は、まず家庭環境を見直し、本人との関係を改善することが大切」など(甲5)と指摘する。 c⒜ そして、前記吉田医師は、治療のためには「ルールを決め」ることであり、その「目的は、本人がルールに則ってゲームを行う習慣を作ることである。」、「本人がどう思っているのかをまず聞く。一方 的に問題を指摘して、強引に親がルールを決 「ルールを決め」ることであり、その「目的は、本人がルールに則ってゲームを行う習慣を作ることである。」、「本人がどう思っているのかをまず聞く。一方 的に問題を指摘して、強引に親がルールを決めるという方法はうまくいかない。かならず本人と家族で話し合ってゲームについてのルールを決める。」ことが有用である旨(乙19)指摘する。 ⒝ 加えて、前記岡田医師は、「はるかに容易なのは、治療することよりも予防することだ。依存症に陥らないように前もって教育しておくこと」、これらの強い依存性及び「はまってしまうと、依存症という病気になり、やらないではいられなくなってしまうこと、そして、さまざまな弊害が起きることを教える必要がある。」などとも指摘した上で、予防の方法については「必要のための使用に限る」、「使用を開始した時点で、十分話し合って枠組みを作っておくことが大切だ。」とする(乙16)。 ⒞ 前記榎本医師も、「居間など、家族との共有スペースに機器を置き、親の目の届くところで、決められた時間内に終えるようにうなが」す、「時間制限は、事前に家族で話し合い、子どもも合意するところがよい」、「子どもには、その時間には自主的に終了するように伝え、守ってもら」う(乙20)などと、予防の方法につき、使用時間についてもルールを決めることを提案する。その「使用時間」については、「おおむね1~2時間」とするが(乙20)、前記岩崎医師は、同様に「例えば「1日1時間」としつつやりはじめると、短時間ではすまない」とも指摘している(乙21)。 カ国内外における症例報告や研究報告の集積医学中央雑誌WEB版によれば、上記オ掲記の久里浜医療センター所属の各医師、藍里病院、ときわ病院各所属の医師ら以外にも、多数の医療機関、大学等に所属する医師や心理学・教育学に携わ 研究報告の集積医学中央雑誌WEB版によれば、上記オ掲記の久里浜医療センター所属の各医師、藍里病院、ときわ病院各所属の医師ら以外にも、多数の医療機関、大学等に所属する医師や心理学・教育学に携わる専門家らから、インターネット依存、ネット・ゲーム依存、インターネット嗜癖、ゲーム障害につき、治療、対策、相談・回復支援、援助要請、行動変容の動機付け、 睡眠障害、メンタルヘルス改善等多岐にわたる観点から、一定数の症例報告、研究報告がされている(医学中央雑誌WEB版による検索〔乙18〕)。 ⑵ 香川県内におけるスマートフォンの利用状況等香川県における平成29年度の県教育委員会が実施した調査では、自分のスマートフォン等を持っている、又は家族所有のスマホ等を利用している児童生徒の割合は、小学生(4ないし6年生)で92.1%、中学生で94. 2%、高校生で98.9%と、高い数値を示しており、週1回以上利用しているアプリ等は、動画サイト、オンラインゲーム、LINEやツイッター等のSNSなどであるという調査結果が出ている。 そして、スマートフォン等の利用に当たっての児童生徒の悩み・心配事としては、「勉強に集中できない」、「寝不足」などがあり、これが増加傾向にあることも報告されており、ネット・ゲーム依存症又はその危険性がある子供が多数いることが分かっている(乙8の1)。 ⑶ ネット・ゲーム依存症に関する香川県以外の治療施設や予防の取組等アネット・ゲーム依存症の専門治療施設は、久里浜医療センターのほか、同センターのホームページに掲載することを了承した施設に限っても、約50施設存在するというのであり、医療による対応の需要は高いと考えられる(乙13・132頁以下)。 イ愛知県刈谷市の取組み愛知県刈谷市は、同 に掲載することを了承した施設に限っても、約50施設存在するというのであり、医療による対応の需要は高いと考えられる(乙13・132頁以下)。 イ愛知県刈谷市の取組み愛知県刈谷市は、同市教育委員会や学校、警察などがつくる「児童生徒愛護会」の主導のもとに、全ての小中学校が保護者と連携して平成26年4月から携帯電話やスマートフォンの制限をしている。その対象となるのは、6歳から15歳の児童生徒であり、必要のない携帯電話やスマートフォンは子どもに持たせない、契約時にはフィルタリングサービスを利用、午後9時以降は子どもの携帯電話・スマートフォンを保護者が預かるという三つの方策を保護者に呼びかけた。 同市のその1か月後の調査では、49%が制限の呼びかけに賛成、10%が反対と答え、1年後の保護者への調査では90%以上がルールづくりに賛成と答えている。 なお、同様の取組みは、福岡市及び仙台市でも行われている。 (乙13) 東京都の取組みaSNS東京ルール(甲61)東京都では、平成27年、都教育委員会により児童生徒がいじめなどのトラブルや犯罪に巻き込まれないようにするとともに、学習への悪影響を防ぐ目的で、以下の①ないし⑤からなる「SNS東京ルール」を策定した。 ① 1日の利用時間と終了時刻を決めて使う② 自宅でスマートフォンを使わない日をつくる③ 必ずフィルタリングをつけて使う④ 自分や他者の個人情報を載せないようにする⑤ 送信前には相手の気持ちを考えて読み直すb 東京都における条例策定の動きについて東京都知事は、令和3年2月24日に開かれた東京都議会本会議において、ゲームの規制を条例で定めることについて、科学的根拠 は相手の気持ちを考えて読み直すb 東京都における条例策定の動きについて東京都知事は、令和3年2月24日に開かれた東京都議会本会議において、ゲームの規制を条例で定めることについて、科学的根拠に基づかない内容による一律の時間制限などは行わない、「インターネットやゲームの適正な利用については啓発講座や相談窓口で対応している」などと答弁した(甲51)。 岡山県の取組み岡山県では、平成26年11月から小中学生を対象にして「スマホ9時まで」とする午後9時以降はスマートフォンを保護者が預かり、ゲームも午後9時までとするガイドラインを策定し、スマホ制限を実施している(乙13)。 兵庫県青少年愛護条例兵庫県においては、既に、青少年愛護条例において、「第5章の2 インターネット上の有害情報等からの青少年の保護」との章を設けて、青少年(18歳未満)の保護者に対し、保護者は青少年が使用するスマートフォンや携帯電話、ゲーム機、パソコン等のインターネットを利用できる端末設備を適切に管理し、青少年に閲覧させることがその健全な育成を阻害すると認められる情報を閲覧することがないように務める義務(同条例24条の2第1項)とともに、併せてインターネットの利用に伴う危険性、過度の利用による弊害等について認識し、青少年の健全な判断能力の育成を図らなければならない保護者の義務をも規定している(同条例24条の2第2項)(乙17)。 この条項は全国に先駆けて平成21年に設けられたが、その後、インターネット依存の問題が指摘され、県内で行ったその調査の結果を踏まえて、県において青少年ら自身がインターネットやスマートフォンの使い方について考えルール作り等を行う取組を進めるとともに、平成28年 ターネット依存の問題が指摘され、県内で行ったその調査の結果を踏まえて、県において青少年ら自身がインターネットやスマートフォンの使い方について考えルール作り等を行う取組を進めるとともに、平成28年、さらに24条の5を新設し、上記24条の2に定めたインターネットの利用に伴う危険性、過度の利用による弊害についてについて「何人も」認識すべきこと、併せて青少年のインターネット利用について基準作りが行われるよう支援に努める旨も規定した。 その他の自治体の取組みa その他の自治体においては、別紙3のとおり、スマートフォンの使用についてルールを定めている(乙13・94頁)。 b また、宮城県青少年健全育成条例15条の2、東京都青少年の健全な育成に関する条例18条の10、18条の13、新潟県青少年健全育成条例26条の2、静岡県青少年のための良好な環境整備に関する条例16条の3、京都府青少年の健全な育成に関する条例18条の3、 沖縄青少年保護育成条例18条の7において、それぞれインターネット等に関する利用について、過度の利用による弊害等を認識・理解させ、あるいは理解に努めさせるなどの規定が存在する。 ⑷ 国の取組や施策等(ゲーム依存症対策関係者連絡会議)ア厚生労働省において、令和2年2月6日及び令和3年3月26日、「ゲーム依存症対策関係者連絡会議」が2回にわたって行われ、中央省庁、医療機関、医療団体及びゲーム関連業界団体を構成員として、ゲーム依存症の現状や実体のほか、関係省庁・関係機関における取組や課題についての議論が行われた(乙15の1ないし15の3)。この中で、第1回においては、前記樋口医師が講演及び研修を行い(乙15の2・資料2)、第2回においては、前記樋口医師を含む前記久里浜医療センターの医 ての議論が行われた(乙15の1ないし15の3)。この中で、第1回においては、前記樋口医師が講演及び研修を行い(乙15の2・資料2)、第2回においては、前記樋口医師を含む前記久里浜医療センターの医師、ときわ病院の館農勝医師、神戸大学大学院医学研究科の曽良一郎医師、前記八木精神保健福祉士が講演を行った(乙15の3・資料3)ほか、ゲーム関連4団体合同検討会が外部有識者の調査研究を踏まえて行っている取組のポイント等を説明した。その中には「ペアレンタルコントロール」機能による利用制限の紹介や、家庭内コミュニケーションの活発化を促す啓発活動の取組の紹介が含まれている(同資料4)。 イ協議においては、医師からは、ネット依存は新たな概念であり、国民一般を始めとして情報提供が必要であることや、親への気づきを与えて予防へとつなげること、精神保健関係者からは相談が年々増えているなどの意見のほか、ゲーム関連業界団体関係者からも、予防に当たっては現実生活への配慮が重要であることや、予防啓発への取組に関する意見が出された(乙15の2)。また、厚生労働省からは、ゲームの使用時間と依存症との関係は科学的根拠は未解明との認識も述べられ、経済産業省からはユーザーに安心安全にゲームを楽しんでもらうことが重要との認識が述べられた(甲71の2・23、24頁)。 ウまた、同会議では、「ゲーム依存症に係る関係府省庁の取組」として、厚生労働省や消費者庁等の各庁が、ネット・ゲーム依存症ないしゲーム障害について、ICD-11に収載されたことの共通認識を前提に、研修や実態調査を実施するなど、これまで行ってきたゲーム依存症対策の取組が紹介され、依存症対策の一環として、今後も引き続き取り組んでいく予定であるとされている(乙15の2・資料3)。 ⑸ eスポーツの普及 調査を実施するなど、これまで行ってきたゲーム依存症対策の取組が紹介され、依存症対策の一環として、今後も引き続き取り組んでいく予定であるとされている(乙15の2・資料3)。 ⑸ eスポーツの普及、ゲーム学科の設置等ア eスポーツについていわゆるeスポーツは、複数人が参加する対戦型のコンピューターゲームをスポーツ競技と捉えるものであるとされ、国会議員の中には、eスポーツが産業として根付けば高い経済効果があるとして支援する超党派の議員連盟を結成して普及活動に取り組む議員がある(甲29)。 第74回国民体育大会の茨城大会において、文化プログラムの特別競技として、3種目の全国都道府県対抗eスポーツ選手権が開催されたことがあった(甲27)。 また、高校の中には、eスポーツの部活動を立ち上げる学校もある(甲69)。 イ大学のゲーム学科また、大学の中には、アニメーション学科やマンガ学科などと並んで、学生の将来の進路としてゲームのプログラマーやゲームプロデューサー、同デザイナー等があり得ることを想定して、「ゲーム学科」を設置する大学がある(甲70)。 ⑹ 本件条例の制定ア前記前提事実⑶アのとおり、令和2年3月、香川県議会は本件条例を可決成立させたが、同年5月、香川県弁護士会から同条例に規定された前文については社会的事実の裏付けを欠く、インターネットやゲームの有用性 が十分に考慮されていないなどの声明が発表された(甲37)。 イ香川県議会会長は、上記声明に対し、本件条例の立法事実については世界保健機関がゲーム障害をICD-11に収載した事実など制定の必要性があるとし、また有用性への考慮が不十分とする指摘については、本件条例は、インターネットやコンピューターゲームの有用性を否定するものではないとの見解を発表した D-11に収載した事実など制定の必要性があるとし、また有用性への考慮が不十分とする指摘については、本件条例は、インターネットやコンピューターゲームの有用性を否定するものではないとの見解を発表した(甲38)。 ⑺ア原告Bは、令和2年3月4日に公表された記事において、本件条例を「一切守りません」などと述べた(乙3)。 イ原告Bは、本件条例制定後、Twitter において、別紙4のとおり、午後10時以降においても複数回スマートフォンを利用していわゆるツイート発信をしている(乙23の2)。 2 争点1(本件条例の立法行為及び本件条例の改廃をしないことの立法不作為が国家賠償法1条1項の違法に当たるか)について⑴ 争点1-①(本件条例が憲法21条及び31条に違反するか(明白性の原則に反するか))についてアおよそ法的規制を行う場合には規制される対象が何かを判断する基準が明確であることが求められ、そのことは、憲法上の要請というべきであるが、その明確性については、通常の判断能力を有する一般人の理解を基準として、具体的場面における法適用の有無が読み取れるか否かによって判断すべきである(最高裁昭和48年(あ)第910号昭和50年9月10日大法廷判決・刑集29巻8号489頁、最高裁昭和62年(あ)第1462号平成元年9月19日第三小法廷判決・刑集43巻8号785頁における伊藤正己裁判官の補足意見参照)。 そうすると、文言の明確性については、立法事実の検討を待つまでもなく、文言の規定ぶりのみから判断すべきことになる。 イところで、原告らは、本件条例は、別紙2のとおり、その各規定の文 言自体が不明確であり、これらを総合的に評価すると、本件条例全体が憲法21条及び31条に違反し、明白性の原則に反するものと評価できるなど 告らは、本件条例は、別紙2のとおり、その各規定の文 言自体が不明確であり、これらを総合的に評価すると、本件条例全体が憲法21条及び31条に違反し、明白性の原則に反するものと評価できるなどと主張するが、原告ら指摘に係る各文言について、それらが不明確であると主張する論拠をみると、①文言に科学的根拠、医学的根拠がないから文言が不明確である、②文言の背景にある立法事実やその根拠、さらには、それの事実関係を本件条例に取り込む根拠や法的な根拠が不明確であるから文言が不明確である、③文言相互の関係性が不明確であることから文言が不明確である、④文言の定義規定が存在しないことから不明確である、⑤文言に「等」ないし「準ずる」との規定があることから文言が不明確である、⑥文言そのものが不明確である、⑦その他のいずれかに一応整理されるところである。 上記アのとおり、明確性の原則における「明確性」は、文言の規定ぶりのみから判断するものであるから、上記のうち、①文言に医学的、科学的根拠がなく不明確、②立法事実や根拠が不明確である旨の原告らの主張は、実際には明確性の問題とはいえないから、主張自体失当である(該当する文言等は別紙2の1、2、4ないし11、13、15、21、23、26ないし31)。 また、上記のうち、文言相互の関係性が不明確であるとの主張(上記③)は、当該文言の解釈はなおその規定ぶりそのものから判断することができ、他の文言との関係性如何により当該文言自体の明確性が損なわれるとはいえないから、主張は失当である(別紙2の13)。 上記のうち、文言の定義規定が存在しないことから不明確である旨の主張(上記④)については、当該法令が適用されるか否かを認識することが出来るかという実質的な側面・観点から判断すると、「ゲーム障害」、「インター 文言の定義規定が存在しないことから不明確である旨の主張(上記④)については、当該法令が適用されるか否かを認識することが出来るかという実質的な側面・観点から判断すると、「ゲーム障害」、「インターネット」及び「コンピュータゲーム」等について一般人であれば容易に意味・内容を判断できるのであるから明確性を欠くものでは ない(該当する文言等は別紙2の2、3、11、15ないし19、26、31)。 また、上記のうち、「等」や「準ずる」との文言が不明確である旨の主張(上記⑤)については、「学校」、「保護者」、「責務」という例示の後に付されたものであって、一般人であればそれらに類するものを指していることが容易に判断できるので、何ら明確性を欠くものではない(該当する文言等は別紙2の12、19、20、22、24、25、27、28、30ないし32)。 さらに、上記のうち、文言そのものが不明確である旨の主張(上記⑥)についても、一般人であれば容易に意味・内容を判断できるのであるから明確性を欠くものではない(該当する文言等は別紙2の10、14ないし19、23、24、28、31)。 その余の主張(上記⑦)について別紙2の文言等31のうち「つながるような」という文言は、通常の判断能力を有する一般人であれば「関係があるような」、あるいは「結びつくような」という意味・内容であると容易に理解することができるから、明確性を欠くものではない。 また、原告らの上記主張のうち、別紙2の文言等32のうち「子どもがネット・ゲーム依存症に陥る危険性があると感じた場合」との文言について明確性の原則に反すると主張するが、原告らの主張の内容に照らすと、そのような場合自体の科学的根拠等を問題視するものであって、文言の明確性を欠くとの主張とは解され があると感じた場合」との文言について明確性の原則に反すると主張するが、原告らの主張の内容に照らすと、そのような場合自体の科学的根拠等を問題視するものであって、文言の明確性を欠くとの主張とは解されず、上記同様に、同主張は失当である。 ウ以上によれば、原告らの主張は採用できない。 ⑵ 争点1-②(本件条例が憲法94条に違反するか)についてア条例が国の法令に違反するかどうかは、両者の対象事項と規定文言を対 比するのみでなく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較し、両者の間に矛盾抵触があるかどうかによつてこれを決しなければならない。例えば、ある事項について国の法令中にこれを規律する明文の規定がない場合でも、当該法令全体からみて、右規定の欠如が特に当該事項についていかなる規制をも施すことなく放置すべきものとする趣旨であると解されるときは、これについて規律を設ける条例の規定は国の法令に違反することとなりうるし、逆に、特定事項についてこれを規律する国の法令と条例とが併存する場合でも、後者が前者とは別の目的に基づく規律を意図するものであり、その適用によつて前者の規定の意図する目的と効果をなんら阻害することがないときや、両者が同一の目的に出たものであつても、国の法令が必ずしもその規定によつて全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく、それぞれの普通地方公共団体において、その地方の実情に応じて、別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは、国の法令と条例との間にはなんらの矛盾抵触はなく、条例が国の法令に違反する問題は生じえない(最高裁昭和48年(あ)第910号同50年9月10日大法廷判決・刑集29巻8号489頁)。 イ原告らの主張は、前記第2の4⑵(原告らの主張)のとおりである。 本件は、上記 問題は生じえない(最高裁昭和48年(あ)第910号同50年9月10日大法廷判決・刑集29巻8号489頁)。 イ原告らの主張は、前記第2の4⑵(原告らの主張)のとおりである。 本件は、上記ア引用の判例とは事案を異にしており、本件条例と直接、同一の規制対象を持つ法律は存在しないが、前記認定事実⑷のとおり、国において、前記認定事実⑴と同レベルの複数の医療機関やその所属医師らから提供される専門家としての諸見解を踏まえ、関係各省庁において具体的な対策の検討や実際の取組が進められているところであり、国が本件条例と同趣旨の内容の法律の制定を排除しているとまでは認められないし、また、子ども・若者育成支援推進法は、子ども・若者の健やかな育成、子ども・若者が社会生活を円滑に営むことができるようにするための支援その他の取組を趣旨としており(同法1条)、本件条例と 同様・同趣旨の目的を有しているといえるところであり、法が、子どもや若者の育成支援について、条例での規制をすることなく放置することを求めているものではないことは明らかである。 また、原告らは本件条例の真の目的は家庭における教育への公権力の介入であり憲法94条に違反すると主張するが、地方行政の一部として適切な教育政策を実施すべき立場にある地方公共団体は、子どもの利益擁護ないし子供の成長に対する社会公共の利益と関心に応えるため必要かつ相当の範囲内において教育内容についてもこれを決定する権能を有すると解されるから、上記を理由に被告が本件条例を制定する権能がないということはできない。 また、児童の権利条約は、未成熟な青少年の健全な育成に有害である図書類等を全く無視して、青少年にあらゆる情報を受ける自由を保障することまで規定したものではないし、それをすべて親権者等に委ね、 また、児童の権利条約は、未成熟な青少年の健全な育成に有害である図書類等を全く無視して、青少年にあらゆる情報を受ける自由を保障することまで規定したものではないし、それをすべて親権者等に委ね、いかなる事態に至ろうとも締約国が規制することを禁止したものと解釈することはできない。このことは、同条約が、その前文において、児童に対する特別な保護を与えることの必要性(児童の権利に関するジュネーヴ宣言、児童の権利に関する宣言等)に言及し、児童は身体的及び精神的に未熟であるため、適当な法的保護を含む特別な保護及び世話を必要とすることに留意すべきことを謳っている上、その13条1項において、「児童は、…あらゆる種類の情報…を求め、受け…る自由を含む。」としつつ、同条2項において、「1の権利の行使については、一定の制限を課することができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。 他の者の権利…の尊重 ⒝ …公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護」と規定していることからも明らかであり(福岡高裁平成6年(行コ)第1号平成7年3月1日判決参照)、同条約が定める権利に対しても一定の制約を なすことは当然認められ、条例で規制すべきでないことを定めたものとはいえない。 ウ以上によれば、原告らの主張は採用できない。 ⑶ 争点1-③(本件条例の立法目的の正当性及び目的と手段との間の実質的関連性が認められるか)についてア立法事実及びその検討の方法立法事実とは、立法的判断の基礎となっている事実であり、法律を制定する場合の基礎を形成し、かつ、その合理性を支える一般的事実、すなわち、社会的、経済的、政治的もしくは科学的事実をいい、①立法目的の合理性ないし必要性を基礎づける事実、②立法手段 であり、法律を制定する場合の基礎を形成し、かつ、その合理性を支える一般的事実、すなわち、社会的、経済的、政治的もしくは科学的事実をいい、①立法目的の合理性ないし必要性を基礎づける事実、②立法手段の合理性を基礎づける事実で構成される。 以下、本件条例について、これらを基礎づける事実及びそれらの事実が立法の合理性を支えるか、また①及び②が実質的に関連するかを検討する。 イ立法目的の合理性ないし必要性を基礎づける事実ネット・ゲーム依存症の治療ないし予防の必要性前記認定事実⑴ア、同イ、同オ、同カのとおり、いわゆるインターネット依存については、その病像・病態の中核は一応のところ前記認定事実イ、ウやエに挙げられるとおりのものであるが、これらは、平成5年以降、「インターネット依存」、「病的インターネット使用」、「オンラインゲーム障害」等の多数の用語が作られ、医学文献上も、「インターネットゲーム障害(IGD)」や「ゲーム障害」、「ネット・ゲーム依存症」といった多数の用語や概念が明確な定義もないまま用いられるなど、精神医学・心理学・教育学等幅広い研究が続けられており、併せて、医者や研究者によって、疾患か病態ないし状態を示すものであるのか、ギャンブル依存のような嗜癖と捉えるべきか否かなども含めて、多岐にわたる議論がされており、帰一しない状態である。 しかし、過度のネット・ゲームないしオンラインゲームの使用は、主として社会生活上の問題ないし支障・弊害を引き起こす可能性が相当数指摘されている状況であり、そうした支障や弊害が生じる可能性そのものは、疾病であると、病態・状態であるとを問わず否定できないこと、青少年は特にその影響を受けやすく生育により一層支障を来す可能性があるということや、ネット・ゲーム依存症についてはそ じる可能性そのものは、疾病であると、病態・状態であるとを問わず否定できないこと、青少年は特にその影響を受けやすく生育により一層支障を来す可能性があるということや、ネット・ゲーム依存症についてはその予防ないし治療を必要とする場合があり、本人のほかその養育に責務を有する保護者らが医療的対応を求めて専門施設に相談する件数が多数に上っている実情があり、既に複数の医療機関において対応を余儀なくされていることはいずれも明らかである。 そうすると、ネット・ゲーム依存症との呼称を付与するかはさておき、インターネットないしオンラインゲームの過度の使用により、その健康上・社会生活上生じる様々な弊害・支障、取り分け青少年において生じる生育上の危険性につき、これを予防すべき社会的要請については、一定の根拠に基づき認めることができる。 その治療ないし予防の必要性は香川県においても認められること前記認定事実⑵によれば、ネット・ゲーム依存症の治療ないし予防の必要性は香川県においても認められる。 そうすると、香川県において、ネット・ゲーム依存症の予防の必要性を立法目的とすることは立法事実の裏付けがあるといえる。 ウ立法手段の合理性について 原告らは、本件条例が一義的に時間制限を定めるものとの前提に立ち、立法手段の合理性を欠くものと主張するようである。 しかし、本件条例18条1項は、保護者に対し、まずは「使用に伴う危険性」及び「過度の使用による弊害等」について「子どもと話し合い」をするよう促し、併せて、子どもとのルール作りを求めるものであると ころ、上記認定事実オc⒝のとおりの医師の意見・見解もあることに照らすと、保護者にそのような行動を求めることは、予防方法のうちの一案として提唱されていることに沿うものといえる。 あると ころ、上記認定事実オc⒝のとおりの医師の意見・見解もあることに照らすと、保護者にそのような行動を求めることは、予防方法のうちの一案として提唱されていることに沿うものといえる。 本件条例18条2項は、上記の同条1項の定めを受けて、1日当たりの利用時間の上限の目安を示し、目安を参考に自ら話し合いの上で定めたルールを遵守させるよう努めるという努力を求めるものにすぎず、もとより時間制限というものではないと解される。 しかるに、前記及び前記認定事実⑴イ、同オcで挙げられる世界的な研究を含む医学的知見ないし諸見解によれば、これらの予防や治療として、認知行動療法、動機付け面接といった心理的介入、あるいはカウンセリングや家族療法が挙げられているが、併せて、重要なことは、最終的な治療目標は人生の責務との両立としてどのようにゲーム使用を自ら制御していくかは個人によって異なるという指摘もされているところであり(前記認定事実⑴イ)、本邦における医師の見解でも、ゲーム依存の状態に陥る者には現実の社会生活上の背景があり、実際のゲームの内容それ自体についても心理学的に複雑な内容となっていることなどから、一方的にゲームを取り上げるのではなく、家庭環境からのアプローチや働き掛けとして、本人と家族が十分に話し合いをし、本人が自主的に終了できるようにすることが重要であり、依存症に陥る前の予防として弊害を教えることも必要と指摘されているところである(前記認定事実⑴オb、c)。 さらに、前記認定事実⑷アのとおり、国のゲーム依存症対策関係者連絡会議において発表された医師らの意見も上記認定事実⑴オで挙げられる医学的諸見解と同様のものであったほか、ゲーム関連団体からも、外部有識者の調査を踏まえて、予防として、家庭内コミュニケーションの活 絡会議において発表された医師らの意見も上記認定事実⑴オで挙げられる医学的諸見解と同様のものであったほか、ゲーム関連団体からも、外部有識者の調査を踏まえて、予防として、家庭内コミュニケーションの活発化を促す啓発活動の取組や現実生活への配慮が重要であることなど を肯定する意見が寄せられている。 これらの指摘を踏まえて、依存症ないし依存状態に陥る危険性や弊害が生じることがあり得ることを含め、親から子への声掛けや話し合い、コミュニケーションの上で、健康や社会生活上の支障が生じる前にゲーム使用がこれらと両立できるよう制御し、又は自主的に終了できるよう話し合う機会を持つよう努めることを定めること、そして保護者が子どもと話し合った上で最終的には利用時間を自ら定めるよう求めることは上記の医師らの指摘や諸見解にも沿うものであり(もっとも、本件条例により示されたゲームの利用時間は、前記認定事実⑴オ等をみても、医師は例示として挙げていると解され、飽くまでも青少年の生活リズム等を教育的見地から併せ考慮した目安と解される。)、不合理なものとまではいえない。 そして、これより制限的でない他の方法は特段示されていない。 以上のとおり、本件条例において採用された手段は、上記医学的な知見・諸見解に沿うものとしてこれを基礎づける事実があるといえる。 エ立法目的と手段の実質的関連性以上にみたとおり、本件条例で採用された保護者に子との話し合いを持つよう定めた立法の手段は、ネットゲーム依存症の状態に陥らないよう予防するためとの立法目的との間に実質的に関連性を有するものといえる。 オ原告らの主張について原告らは、ネットゲーム依存症が疾病でない、あるいは科学的根拠がないと主張するところ、確かに、ネットゲーム依存症を嗜癖の一種と捉える試みや診断 を有するものといえる。 オ原告らの主張について原告らは、ネットゲーム依存症が疾病でない、あるいは科学的根拠がないと主張するところ、確かに、ネットゲーム依存症を嗜癖の一種と捉える試みや診断基準を策定しようとする試みなどについて様々な評価があるようであり、これらを含めネットゲーム依存症という病態全般について医学的な知見が確立するに至っているかは不明というほかない。しかし、実際に、生育途上にある青少年がネットゲームに耽り、その健康 や社会生活に支障が生じたとの相談件数が増加している事象に対し、科学的根拠が確立するに至る前であっても、こうした事象に取り組む専門家らの助言や提案に従い、最も制限的でない方法により、予防や啓発のため、話し合いを持つよう努めるよう定めることができないとはいえない。 原告らは、本件条例が、家庭生活における規律の在り方を直接定めるのは規制手段として相当性を欠くと主張するようでもあるが、前記⑵のとおり、地方公共団体は社会公共的な問題の一環として適切な教育政策を実施するために必要かつ相当と認められる範囲においてその内容を決定する権能を有するというべきであるから、その限度で家庭生活における規律(これは自ずと養育監護の在り方も含むことになる。)についても定める権能を有するというべきであり、前記のとおり、保護者に対し、子どもがゲーム依存状態に陥ることのないよう配慮を求め(本件条例6条2項)、保護者が子どもと話し合いの機会を持つよう努力を促し(同18条1項)、その一環として、その手がかりとして上記目安を示す程度のことが立法手段として相当でないとはいえない。また、これらの内容が、前記1⑴でみたとおりネット・ゲーム依存のもたらす弊害ないしその現象を含む医学・医療的な見地からの諸見解・指摘を踏まえ、予防の見地か とが立法手段として相当でないとはいえない。また、これらの内容が、前記1⑴でみたとおりネット・ゲーム依存のもたらす弊害ないしその現象を含む医学・医療的な見地からの諸見解・指摘を踏まえ、予防の見地から家庭内の意思疎通に努めるよう促すものであるから、前記認定事実⑷や同⑸のとおりのゲーム関連業界の認識、eスポーツ振興の実情や高校・大学のゲーム部、ゲーム学科設置といった実情を踏まえても、ネットやゲームに関する特定の価値観を押し付けるというものとまでは認められない。以上によれば、立法手段として相当でないとはいえない。 カまとめ以上によれば、前記に検討したとおり、前記認定のとおりの立法事実に基づく限り、立法目的は正当であり、立法目的と手段との間に実質的関連 性が認められる。また、前記検討したとおり、本件条例の立法手段は、その規定の態様及び前記立法事実との関連においても相当でないということはできない。 キパブリックコメントに関する主張について なお、原告らは、前記立法目的に関連し、本件パブコメには疑義が指摘されているにもかかわらず、被告がそれら指摘に係る疑義の調査を怠ったなどと主張する。 しかしながら、本件パブコメに疑義があるとする具体的な根拠があるとまではいえず、原告らの主張はその前提を欠くし、指摘される内容は、飽くまでも賛成意見提出者の出所に疑義があるというにすぎないものであり、このような事情が、パブリック・コメント(意見公募手続で出た意見)を考慮すべき義務の成否に影響があるとか、立法目的の存否に影響を及ぼすものとは考えにくい。 また、本件条例は、いわゆる行政立法ではないから、もとより行政手続法上のパブリック・コメントの適用対象として想定されていない(本件でも、その制定主体である被告議会 響を及ぼすものとは考えにくい。 また、本件条例は、いわゆる行政立法ではないから、もとより行政手続法上のパブリック・コメントの適用対象として想定されていない(本件でも、その制定主体である被告議会は、パブコメ要綱の適用を受けない(同要綱2条)。)。地方公共団体におけるパブリック・コメントについては住民参加の趣旨が加わるものとして定める例があり、本件条例についても、そのため特に「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)素案に対するパブリック・コメント実施要領」(乙9の2)を策定したものと考えられるが、いずれにしても、任意のものとして本件パブコメを行ったものである。 意見公募手続等は、行政立法においても提出された意見の内容を適切に考慮する義務(あるいは参酌義務)はあるとされるが、採用義務や反映義務まではなく、原告らの主張は採用することができない。 ク以上によれば、原告らの主張はいずれも採用できない。 ⑷ 争点1-④(本件条例が憲法14条1項に違反するか)についてア原告らは、本件条例は、香川県民にのみ適用されるが、香川県民とその他の地域の者の区別に合理的な理由は存在しない、また、本件条例は、18歳未満のスマートフォン等の利用を制限するものであるが、18歳未満の者とその他の者の区別に合理的な理由は存在しないなどと主張する。 イしかしながら、前記認定事実⑵によれば、ネット・ゲーム依存症の治療の必要性は香川県においても認められる上、憲法が各地方公共団体の条例制定権を認めている以上、条例が制定されることによって地域によって差異が生じることは当然に予期されるところであるから、かかる差異は憲法自ら容認するところであり、条例の制定によって地域間で何らかの取扱いに差異を生じることがあっても、そのことによって違 地域によって差異が生じることは当然に予期されるところであるから、かかる差異は憲法自ら容認するところであり、条例の制定によって地域間で何らかの取扱いに差異を生じることがあっても、そのことによって違憲の問題は生じない。 また、前記認定事実⑴のとおり、インターネット依存については、青少年は生育上の観点から特にその影響を受けやすいとの知見が少なからずみられるところ、本件条例が18歳未満の者を「子ども」と定義した上、その適用対象を成人と区別して定めるのは、児童の権利条約の「児童」、数多くの青少年保護条例の「青少年」、児童福祉法の「児童」及び労働基準法の「年少者」などと同様、これらの年少者が成人とは生育過程上異なる段階にあることに基づくものであり、不合理でないことは明らかである。 ウ以上によれば、原告らの主張は採用できない。 ⑸ 争点1-⑤(本件条例が憲法21条1項に違反するか)についてア原告らの主張は、インターネット空間はパブリック・フォーラムとしての性質を有しており、また、スマートフォンの利用は表現行為であると同時に、情報収集を行うために有用なものとして知る権利にも資するものであるため、スマートフォンの利用を制限する本件条例は憲法21条1項に 違反するものであるなどと主張する。 イしかしながら、本件条例によるスマートフォン等の利用制限は、そもそも努力目標に過ぎず、罰則もなく、原告らの表現自体を規制するものではないため、原告らの表現の自由に対して何らかの制約を課すものではない。 また、インターネット空間が仮に原告らの主張するようなパブリック・フォーラムであるとしても、本件条例について原告らが主張する点は、いわゆるパブリック・フォーラムの理論が妥当するような、空間での表現とその空間の管 ネット空間が仮に原告らの主張するようなパブリック・フォーラムであるとしても、本件条例について原告らが主張する点は、いわゆるパブリック・フォーラムの理論が妥当するような、空間での表現とその空間の管理権者との調整が問題となる局面のものではないから、同理論を基に憲法21条違反をいう原告らの主張は失当である。 ウ以上によれば、原告らの主張は採用できない。 ⑹ 争点1-⑥(本件条例が憲法22条に違反するか)についてア原告らは、本件条例により、スマートフォンの利用が制限されることによってスマートフォンを利用してインターネットの使用に長ける機会を失うという点、ゲームの利用を制限されることによってeスポーツのプロになるための準備行為を制限するという点で、職業選択の自由を制限し、憲法22条に違反するものであるなどと主張するようである。 イ原告らの主張は必ずしも明確なものとはいえないが、将来就くかもしれない職業という将来発生不確定な事項に「役に立つかもしれないことを行う」ことといった漠然としたものが職業選択の自由の保障の範囲に含まれると解することは困難というほかないから、原告らの主張は失当である。 ⑺ 争点1-⑦(本件条例が憲法26条に違反するか)についてア原告らは、本件条例は、ゲーム及びスマートフォンの利用を制限し、ゲームを利用した学習、スマートフォンを利用した学習及び家庭教育を受ける権利を制限するものであり、憲法26条に違反するものであるなどと主張する。 イしかし、本件条例18条2項は、学習に必要な検索等を行うことについて、スマートフォン等の利用制限の対象外としていることからすると、原告らの主張は採用することができない。 ⑻ 争点1-⑧(本件条例が憲法29条に違反するか)につい に必要な検索等を行うことについて、スマートフォン等の利用制限の対象外としていることからすると、原告らの主張は採用することができない。 ⑻ 争点1-⑧(本件条例が憲法29条に違反するか)についてア原告らは、本件条例は、ゲーム及びスマートフォンの利用を制限し、これは所有するゲーム機及びスマートフォンの財産権を制限するものであるから29条に違反すると主張する。 イしかしながら、前記のとおり、本件条例においてスマートフォン等の利用に関して定める態様をみると、その規定内容は、そもそも保護者と子どもが「危険性」や「弊害」について話し合うことを前提として、その利用時間を自ら定めるよう求める努力目標に過ぎず(したがって、当然ながら、罰則もない。)、原告らの所有するゲーム機及びスマートフォンの財産権を制限するという態様のものでないことは明らかであるから、原告らの主張は採用できない。 ⑼ 争点1-⑨(本件条例が憲法13条に違反するか)についてア原告らは、本件条例は、親は、子に対して家庭におけるゲームやスマートフォンの利用について自由に決めることができる権利を有するものであり、これらの諸権利は家庭の在り方を決めるという意味で親の子に対する親権、監護権、養育権、教育権、リプロダクティブ権及び人格権であって、本件条例はこれら諸権利を侵害するとともに、eスポーツを楽しむ幸福追求権、自己決定権及びプライバシー権を侵害するものであり、憲法13条に違反するものであるなどと主張する。 イしかしながら、原告らが主張する親が子に対して家庭におけるゲームやスマートフォンの利用について自由に決めることができる権利なるもの、あるいはeスポーツを楽しむことは、現時点ではいわば趣味や嗜好の問題に止まるものといわざるを得ず、飽くまで して家庭におけるゲームやスマートフォンの利用について自由に決めることができる権利なるもの、あるいはeスポーツを楽しむことは、現時点ではいわば趣味や嗜好の問題に止まるものといわざるを得ず、飽くまでも一般的利益に属するものであ って、こうした一般的利益は、人格的生存に不可欠な利益とまでいえず、自己決定権やプライバシーにも直接関わるとはいえないから、憲法13条により基本的人権として直接保障の対象とされるものとはいえない。もっとも、こうした趣味や嗜好といったものにつき、基本的人権といえないまでも一定の憲法上の保護が与えられる場合もあり得るとしても、上記主張に係る各利益が「家庭の在り方を決める」とまでいえるものかは甚だ疑問がある上、仮に憲法上一定の配慮を要するものとしても、これらに対する規制が一切許されないとは考え難い。そして、上記説示のとおり、本件条例は、規定の態様上、何ら具体的な制約を課すものでもないから、原告らの主張は採用できない。 ⑽ 争点1-⑩(原告らの主張する各人権が基本的人権として保障されているか)についてア原告Aについて原告Aは、本件条例18条2項を受け、令和2年4月に原告Bと話し合いを余儀なくされ、同項に規定された範囲内だけ使っていいことに決めることを余儀なくされ、親の子に対する親権、監護権、養育権、教育権、リプロダクティブ権、人格権、幸福追求権、自己決定権、プライバシー権の侵害になるなどと主張する。 a しかしながら、本件条例は、そもそも原告らにおいて何ら具体的な権利の制約を課すものではない。また、上記⑼のとおり、原告Aの主張する諸権利は、基本的人権として保障されるものではない。 b また、もし仮に原告Aの何らかの権利を制限するものであるとしても、本件条例は努力目標であり罰則がないことな 、上記⑼のとおり、原告Aの主張する諸権利は、基本的人権として保障されるものではない。 b また、もし仮に原告Aの何らかの権利を制限するものであるとしても、本件条例は努力目標であり罰則がないことなどからすると、必要最小限度の制約であり、これらの制約が許されないとはいえない。 イ原告Bについて 原告Bは、条例を守っており、前記第2の4⑽(原告らの主張)イ ないしのとおりの不利益を受け、表現の自由、職業選択の自由、財産権及び幸福追求権等が侵害されたなどと主張する。 a しかしながら、本件条例は、そもそも原告らの権利の制約を課すものではない。また、上記⑼のとおり、原告らが指摘するeスポーツを楽しむことは、基本的人権として保障されるものではない。 b また、もし仮に原告Bの何らかの権利を制限するものであるとしても、本件条例は努力目標であり罰則がないことなどからすると、必要最小限度の制約であり、これらの制約が許されないとはいえない。なお、原告Bは、本件条例施行後も午後10時以降においても合計15回もTwitter を利用しており、原告らは本件条例を遵守しておらず(前記認定事実⑺)、自由な使用をしているから、何ら制約を受けていない。 ウ以上によれば、原告らの主張は採用できない。 ⑾ 以上によれば、本件条例の立法行為及び本件条例の改廃をしないことの立法不作為が国家賠償法1条1項の違法であるとは認められない。 第4 結論よって、その余の点について判断するまでもなく、原告らの請求はいずれも理由がないから、いずれも棄却することとして、主文のとおり判決する。 高松地方裁判所民事部 裁判長裁判官天野智子 裁判官玉岡 いずれも棄却することとして、主文のとおり判決する。 高松地方裁判所民事部 裁判長裁判官天野智子 裁判官玉岡伸也 裁判官唐澤開維 別紙1 関係法令等の定め 1 香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(以下「本件条例」という。)インターネットやコンピュータゲームの過剰な利用は、子どもの学力や体力の低下のみならずひきこもりや睡眠障害、視力障害などの身体的な問題まで引き起こすことなどが指摘されており、世界保健機関において「ゲーム障害」が正式に疾病と認定されたように、今や、国内外で大きな社会問題となっている。とりわけ、射幸性が高いオンラインゲームには終わりがなく、大人よりも理性をつかさどる脳の働きが弱い子どもが依存状態になると、大人の薬物依存と同様に抜け出すことが困難になることが指摘されている。 その対策としては、国において、他の依存症対策と同様に、法整備の検討や医療提供体制の充実などの対策を早急に講ずる必要があるが、県においても、適切な医療等を提供できる人材などを育成するため、研修体制の構築や専門家の派遣等の支援に取り組むことが求められている。 加えて、子どものネット・ゲーム依存症対策においては、親子の信頼関係が形成される乳幼児期のみならず、子ども時代が愛情豊かに見守られることで、愛着が安定し、子どもの安心感や自己肯定感を高めることが重要であるとともに、社会全体で子どもがその成長段階において何事にも積極的にチャレンジし、活動の範囲を広げていけるようにネット・ゲーム依存症対策に取り組んでいかなければならない。 ここに、本県の子どもたちをはじめ、県民をネット・ゲーム依存症から守るた て何事にも積極的にチャレンジし、活動の範囲を広げていけるようにネット・ゲーム依存症対策に取り組んでいかなければならない。 ここに、本県の子どもたちをはじめ、県民をネット・ゲーム依存症から守るための対策を総合的に推進するため、この条例を制定する。 ⑴ 1条 (目的)この条例は、ネット・ゲーム依存症対策の推進について、基本理念を定め、及び県、学校等、保護者等の責務等を明らかにするとともに、ネット・ゲーム依存症対策に関する施策の基本となる事項を定めることにより、ネット・ゲーム依存症対策を総合的かつ計画的に推進し、もって次代を担う子どもたちの健 やかな成長と、県民が健全に暮らせる社会の実現に寄与することを目的とする。 ⑵ 2条 (定義)この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 ア 1号ネット・ゲーム依存症ネット・ゲームにのめり込むことにより、日常生活又は社会生活に支障が生じている状態をいう。 イ 2号ネット・ゲームインターネット及びコンピュータゲームをいう。 ウ 3号オンラインゲームインターネットなどの通信ネットワークを介して行われるコンピュータゲームエ 4号子ども 18 歳未満の者をいう。 オ 5号学校等学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(大学を除く。)、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第39条第1項に規定する保育所及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)第2条第6項に規定する認定こども園をいう。 カ 6号スマートフォン等インターネットを利用して情報を閲覧(視聴を含む。)することができるスマートフォン、パソコン等及びコンピュータゲームをいう。 キ 7号保 認定 こども園をいう。 カ 6号スマートフォン等インターネットを利用して情報を閲覧(視聴を含む。)することができるスマートフォン、パソコン等及びコンピュータゲームをいう。 キ 7号保護者親権を行う者若しくは未成年後見人又はこれらに準ずる者をい う。 ⑶ 3条(基本理念)ネット・ゲーム依存症対策は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。 ア 1号ネット・ゲーム依存症の発症、進行及び再発の各段階に応じた防止対策を適切に実施するとともに、ネット・ゲーム依存症である者等及びその家族が日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるように支援すること。 イ 2号ネット・ゲーム依存症対策を実施するに当たっては、ネット・ゲーム依存症が、睡眠障害、ひきこもり、注意力の低下等の問題に密接に関連することに鑑み、これらの問題に関する施策との有機的な連携が図られるよう、必要な配慮がなされるものとすること。 ウ 3号ネット・ゲーム依存症対策は、予防から再発の防止まで幅広く対応する必要があることから、県、市町、学校等、保護者、ネット・ゲーム依存症対策に関連する業務に従事する者等が相互に連携を図りながら協力して社会全体で取り組むこと。 ⑷ 4条(県の責務)ア 1項県は、前条の基本理念にのっとり、ネット・ゲーム依存症対策を総合的に推進する責務を有する。 イ 2項県は、市町が実施する施策を支援するため、情報の提供、技術的助言その他の必要な協力を行う。 ウ 3項 県は、県民をネット・ゲーム依存症に陥らせないために市町、学校等と連携し、乳幼児期からの子どもと保護者との愛着の形成の重要性について、普及啓発を行う。 エ 4項県は、子どもをネット・ゲーム依存症に陥らせないために屋外での運動、 陥らせないために市町、学校等と連携し、乳幼児期からの子どもと保護者との愛着の形成の重要性について、普及啓発を行う。 エ 4項県は、子どもをネット・ゲーム依存症に陥らせないために屋外での運動、遊び等の重要性に対する親子の理解を深め、健康及び体力づくりの推進に努めるとともに、市町との連携により、子どもが安心して活動できる場所を確保し、さまざまな体験活動や地域の人との交流活動を促進する。 ⑸ 5条(学校等の責務)ア 1項学校等は、基本理念にのっとり、保護者等と連携して、子どもの健全な成長のために必要な学校生活における規律等を身に付けさせるとともに、子どもの自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るものとする。 イ 2項学校等は、ネット・ゲームの適正な利用についての各家庭におけるルールづくりの必要性に対する理解が深まるよう、子どもへの指導及び保護者への啓発を行うものとする。 ウ 3項学校等は、校内にスマートフォン等を持ち込ませる場合には、その使用について、保護者と連携して適切な指導を行うものとする。 エ 4項学校等は、県又は市町が実施するネット・ゲーム依存症対策に協力するものとする。 ⑹ 6条(保護者の責務)ア 1項保護者は、子どもをネット・ゲーム依存症から守る第一義的責任を有する ことを自覚しなければならない。 イ 2項保護者は、乳幼児期から、子どもと向き合う時間を大切にし、子どもの安心感を守り、安定した愛着を育むとともに、学校等と連携して、子どもがネット・ゲーム依存症にならないよう努めなければならない。 ウ 3項保護者は、子どものスマートフォン等の使用状況を適切に把握するとともに、フィルタリングソフトウェア(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律( らない。 ウ 3項保護者は、子どものスマートフォン等の使用状況を適切に把握するとともに、フィルタリングソフトウェア(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(平成20年法律第79号)第2条第9項に規定する青少年有害情報フィルタリングソフトウェアをいう。以下同じ。)の利用その他の方法により、子どものネット・ゲームの利用を適切に管理する責務を有する。 ⑺ 8条(国との連携等)ア 1項県は、国と連携協力してネット・ゲーム依存症対策の推進を図るとともに、ネット・ゲーム依存症対策に関して必要があると認めるときは、国に対し、他の依存症対策と同様に、法整備や医療提供体制の充実などの必要な施策とともに、ネット・ゲーム依存症の危険要因を踏まえた適切な予防対策の策定及び実施を講ずるよう求める。 イ 2項県は、国に対し、eスポーツの活性化が子どものネット・ゲーム依存症につながることのないよう慎重に取り組むとともに、必要な施策を講ずるよう求める。 ウ 3項県は、県民をネット・ゲーム依存症から守るため、国に対し、乳幼児期からの子どもと保護者との愛着の形成や安定した関係の大切さについて啓発す るとともに、必要な支援その他必要な施策を講ずるよう求める。 ⑻ 11条(事業者の役割)ア 1項インターネットを利用して情報を閲覧(視聴を含む。)に供する事業又はコンピュータゲームのソフトウェアの開発、製造、提供等の事業を行う者は、その事業活動を行うに当たっては、県民のネット・ゲーム依存症の予防等に配慮するとともに、県又は市町が実施する県民のネット・ゲーム依存症対策に協力するものとする。 イ 2項前項の事業者は、その事業活動を行うに当たって、著しく性的感情を刺激し、甚だしく粗暴性を助長し、又は とともに、県又は市町が実施する県民のネット・ゲーム依存症対策に協力するものとする。 イ 2項前項の事業者は、その事業活動を行うに当たって、著しく性的感情を刺激し、甚だしく粗暴性を助長し、又は射幸性が高いオンラインゲームの課金システム等により依存症を進行させる等子どもの福祉を阻害するおそれがあるものについて自主的な規制に努めること等により、県民がネット・ゲーム依存症に陥らないために必要な対策を実施するものとする。 ウ 3項特定電気通信役務提供者(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成13年法律第137号)第2条第3号に規定する特定電気通信役務提供者をいう。)及び端末設備の販売又は貸付けを業とする者は、その事業活動を行うに当たって、フィルタリングソフトウェアの活用その他適切な方法により、県民がネット・ゲーム依存症に陥らないために必要な対策を実施するものとする。 ⑼ 18条(子どものスマートフォン使用等の家庭におけるルールづくり)ア 1項保護者は、子どもにスマートフォン等を使用させるに当たっては、子どもの年齢、各家庭の実情等を考慮の上、その使用に伴う危険性及び過度の使用による弊害等について、子どもと話し合い、使用に関するルールづくり及び その見直しを行うものとする。 イ 2項保護者は、前項の場合においては、子どもが睡眠時間を確保し、規則正しい生活習慣を身に付けられるよう、子どものネット・ゲーム依存症につながるようなコンピュータゲームの利用に当たっては、1日当たりの利用時間が60分まで(学校等の休業日にあっては、90分まで)の時間を上限とすること及びスマートフォン等の使用(家族との連絡及び学習に必要な検索等を除く。)に当たっては、義務教育修了前の子どもについては午後9時 0分まで(学校等の休業日にあっては、90分まで)の時間を上限とすること及びスマートフォン等の使用(家族との連絡及び学習に必要な検索等を除く。)に当たっては、義務教育修了前の子どもについては午後9時までに、それ以外の子どもについては午後10時までに使用をやめることを目安とするとともに、前項のルールを遵守させるよう努めなければならない。 ウ 3項保護者は、子どもがネット・ゲーム依存症に陥る危険性があると感じた場合には、速やかに、学校等又はネット・ゲーム依存症対策に関連する業務に従事する者等に相談し、子どもがネット・ゲーム依存症にならないよう努めなければならない。 2 児童の権利に関する条約(以下「児童の権利条約」という。)⑴ 12条ア 1項締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。 イ 2項このため、児童は、特に、自己に影響を及ぼすあらゆる司法上及び行政上の手続において、国内法の手続規則に合致する方法により直接に又は代理人若しくは適当な団体を通じて聴取される機会を与えられる。 ⑵ 13条ア 1項児童は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。 イ 2項1の権利の行使については、一定の制限を課することができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。 ⒜ 他の者の権利又は信用の尊重⒝ 国の安全、公 行使については、一定の制限を課することができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。 ⒜ 他の者の権利又は信用の尊重⒝ 国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護⑶ 16条ア 1項いかなる児童も、その私生活、家族、住居若しくは通信に対して恣意的に若しくは不法に干渉され又は名誉及び信用を不法に攻撃されない。 イ 2項児童は、1の干渉又は攻撃に対する法律の保護を受ける権利を有する。 ⑷ 31条ア 1項締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利を認める。 イ 2項締約国は、児童が文化的及び芸術的な生活に十分に参加する権利を尊重しかつ促進するものとし、文化的及び芸術的な活動並びにレクリエーション及 び余暇の活動のための適当かつ平等な機会の提供を奨励する。 3 地方自治法(以下「地自法」という。)⑴ 2条ア 1項 〔略〕イ 2項普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する。 ウ 3ないし17項 〔略〕⑵ 14条ア 1項普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。 イ 2、3項 〔略〕 4 子ども・若者育成支援推進法1条この法律は、子ども・若者が次代の社会を担い、その健やかな成長が我が国社会の発展の基礎をなすものであることにかんがみ、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の理念にのっとり、子ども・若者をめぐる環境が悪化し、社 子ども・若者が次代の社会を担い、その健やかな成長が我が国社会の発展の基礎をなすものであることにかんがみ、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の理念にのっとり、子ども・若者をめぐる環境が悪化し、社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者の問題が深刻な状況にあることを踏まえ、子ども・若者の健やかな育成、子ども・若者が社会生活を円滑に営むことができるようにするための支援その他の取組(以下「子ども・若者育成支援」という。)について、その基本理念、国及び地方公共団体の責務並びに施策の基本となる事項を定めるとともに、子ども・若者育成支援推進本部を設置すること等により、他の関係法律による施策と相まって、総合的な子ども・若者育成支援のための施策(以下「子ども・若者育成支援施策」という。)を推進することを目的とする。 5 香川県パブリック・コメント手続実施要綱(以下「パブコメ要綱」という。) (乙9の1)⑴ 1条(目的)この要綱は、県が計画等を立案する過程において、県民に対して当該立案の内容その他必要な事項を公表し、これらについて提出された県民の意見等を考慮して計画等の決定を行う手続に関し必要な事項を定めることにより、県民の多様な意見等を県政に反映させる機会を確保するとともに、県の政策形成過程における公正の確保と透明性の向上を図り、もって県民との協働による県政の推進に資することを目的とする。 ⑵ 2条(計画等の案の公表)ア 1項実施機関(知事、教育委員会、公安委員会、警察本部長、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会及び病院事業の管理者をいう。以下同じ。)は、次の各号のいずれかに該当する場合は、あらかじめ、県民に対し、当該各号に掲げるものの案(条例の案 会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会及び病院事業の管理者をいう。以下同じ。)は、次の各号のいずれかに該当する場合は、あらかじめ、県民に対し、当該各号に掲げるものの案(条例の案にあっては、その骨子に限る。以下「計画等の案」という。)及びその関係資料を公表し、当該計画等の案についての意見又は情報(以下「意見等」という。)の提出を求めるものとする。ただし、次の各号に定める計画及び条例(以下「計画等」という。)の決定に迅速性又は緊急性を要する場合、計画等の変更の内容が軽微である場合その他計画等の案を公表し意見等の提出を求めることが、前条の目的に照らし明らかに合理性を欠くと認められる場合は、この限りでない。 1号県政運営の基本的な方針又は県政のそれぞれの分野における基本的な方針を定める計画で、香川県行政に係る基本計画の議決等に関する条例(平成16年3月26日条例第39号)第2条に掲げる「基本計画」の策定又は変更をする場合当該計画 2号県政運営の基本的な方針又は県政のそれぞれの分野における基本的な方針を定める条例(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く。以下同じ。)の制定又は改廃をする場合当該条例3号県民に義務を課し、又は権利を制限することを内容とする条例の制定又は改廃をする場合当該条例4号広く県民の利用に供される会館その他これに類する施設の建設又は利用に関し基本的な方針を定める計画の策定又は変更をする場合当該計画イ 2項前項本文の関係資料は、次に掲げるものとする。 1号計画等の案を作成した趣旨、目的及び背景を記載した資料2号計画等の案の概要を記載した資料3号その他計画等の案に関し参考となる資料⑶ 6条(意 、次に掲げるものとする。 1号計画等の案を作成した趣旨、目的及び背景を記載した資料2号計画等の案の概要を記載した資料3号その他計画等の案に関し参考となる資料⑶ 6条(意見等の処理)ア 1項実施機関は、前2条に規定する方法により提出された意見等を考慮して、計画等の決定を行うものとする。 イ 2項実施機関は、前項の規定により計画等の決定を行ったときは、当該意見等、当該意見等に対する実施機関の考え方及び計画等の案を修正したときにあっては当該修正の内容を公表するものとする。ただし、当該意見等に香川県情 報公開条例(平成12年香川県条例第54号)第7条の非公開情報が含まれている場合は、当該意見等の全部又は一部を公表しないものとする。 ウ 3項第3条の規定は、前項本文の規定による公表について準用する。 ⑷ 7条(裁量的実施)実施機関は、第2条第1項の規定による公表の対象とならない計画、要綱等の決定をする場合(同項ただし書に該当する場合を除く。)においても、当該計画、要綱等の決定に関し、第2条から前条に定める手続に準ずる手続を実施するよう努めるものとする。 6 兵庫県青少年愛護条例(乙17の2)24条の2⑴ 1項保護者は、インターネットを利用することができる端末設備(以下「端末設備」という。)を適切に管理することにより、青少年が端末設備を利用して有害情報(第9条第1項各号のいずれかに該当するため、青少年に閲覧させることがその健全な育成を阻害すると認められる情報をいう。以下同じ。)を閲覧することがないようにしなければならない。 ⑵ 2項保護者は、青少年によるインターネットの利用に伴う危険性、過度の利用による弊害等について認識し、インターネットの利用に関する青少年の健全な判断能力の とがないようにしなければならない。 ⑵ 2項保護者は、青少年によるインターネットの利用に伴う危険性、過度の利用による弊害等について認識し、インターネットの利用に関する青少年の健全な判断能力の育成を図らなければならない。 (別紙4)については、記載を省略。
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