昭和52(行ツ)136 輸入業登録拒否処分取消

裁判年月日・裁判所
昭和56年2月26日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所 昭和50(行コ)42
ファイル
hanrei-pdf-74535.txt
🤖 AI生成要約2026/3/13

【DRY-RUN】主    文      原判決中上告人敗訴部分を破棄する。      前項の部分につき本件を東京高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人木川統一郎、同川坂二郎、同持田幸作、

タグ

キーワード(AI生成)

判決文本文2,819 文字)

主文 原判決中上告人敗訴部分を破棄する。 前項の部分につき本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人木川統一郎、同川坂二郎、同持田幸作、同平野智嘉義、同横山由紘の上告理由について原審は、(1) 上告人は、催涙剤ブロムアセトンの稀溶液を霧状に噴射させて用いる護身用具ストロングライフを西ドイツから輸入するにつき、毒物及び劇物取締法三条二項、四条一項の規定により、昭和四一年六月一一日、厚生大臣に対し輸入業の登録申請をしたこと、(2) 厚生大臣は、昭和四四年五月七日付をもつて、「ストロングライフは、劇物であるその内容液を人又は動物の眼に噴射し、その薬理作用によつて永続的なものではないとしても諸種の機能障害を生じさせ、開眼不能の状態に至らしめるものであり、かつ、それ以外の用途を有しないものである。」との理由に基づき、上告人の登録申請を許さない旨の本件拒否処分をしたこと、を確定したうえ、右拒否処分は違法であると判断し、上告人の本件拒否処分の取消請求を認容したが、本件損害賠償請求については、上告人の右請求は、本件拒否処分が判決で取り消されることにより、輸入業の登録が行われた場合と同様当初から適法にストロングライフを輸入することができる地位を回復しうることを前提として、適法に輸入することができたはずのストロングライフの販売によつて得べかりし純利益の喪失を右拒否処分によつて受けた損害として、被上告人に対しその賠償を求めるものであること記録上疑いを容れないところであるとしたうえ、本件拒否処分が取り消されても申請にかかる登録が行われたのと同じ効果が生ずるわけではないから、右損害賠償請求はその前提において失当であつて理由がないと判断し、これを棄却した。 - 1 -しかしながら、上告人の本件損 されても申請にかかる登録が行われたのと同じ効果が生ずるわけではないから、右損害賠償請求はその前提において失当であつて理由がないと判断し、これを棄却した。 - 1 -しかしながら、上告人の本件損害賠償請求が本件拒否処分についての右のような効果の発生を前提として主張されていると認むべき資料は記録上存在しないのみならず、仮に上告人がそのような主張をしているとしても、その点が上告人の主張する損害賠償請求権の発生について論理上の前提要件をなすものでない限り、それはひつきよう無用の主張に帰するものであるから、果して右のような前提要件をなすものかどうかを解明することなく、そのいわゆる前提主張が肯認されないことを理由として直ちに損害賠償の請求を主張自体失当として排斥することは誤りであるといわなければならない。 そこで、進んで本件拒否処分の違法と上告人主張の損害賠償請求との関係について考えるのに、およそ本件の登録その他許可免許等(以下「許可等」という。)の申請に対して違法な拒否処分がされた場合に、たといその拒否処分がその後判決で取り消されたとしても、これによつて直ちに許可等の処分がされたと同一の効果を生ずるものでないことは、原判決の説くとおりである。しかしながら、違法な拒否処分によつて損害を受けたとする者が、右のような効果の発生それ自体を主張し、これを前提として始めて生ずべき損害の賠償を請求するものではなく、本来申請に対して許可等の処分がされるべきであつたのに違法にこれがされなかつたものであること、そしてそのために許可等の処分がされるべき時期にそれがされたならば、その許可等に基づく行為をし、これによつて一定の利益を取得することができる関係にあつたのにそれができなかつたため、右の利益を取得することができず、これによつて損害を受けたことを主張するにす ならば、その許可等に基づく行為をし、これによつて一定の利益を取得することができる関係にあつたのにそれができなかつたため、右の利益を取得することができず、これによつて損害を受けたことを主張するにすぎないものであるときは、その主張のとおりの事実に加えて当該処分者の故意、過失が認められる限り、右損害に対する賠償請求権を肯定することができるのであり、この場合における損害賠償請求権の成否は、右拒否処分が取り消されるかどうか、その取消によつて許可等の処分がされたと同一の効果を生ずるかどうかとは、なんら論理上の関係をもつものではないの- 2 -である。本件においても、上告人の損害賠償請求は、本件拒否処分の取消請求と併合提起されたものとはいえ、その請求自体の内容及び趣旨は、上告人のストロングライフ輸入に関する輸入業の登録申請が法律上容認され、登録がされるべきものであつたのに、これがされなかつたため、登録がされたら上告人において当然にストロングライフを輸入し、これを販売して得ることができたであろう利益を喪失したものであり、右は厚生大臣が故意又は過失に基づき違法に登録をしなかつたことによつてこうむつた損害であるとしてその損害の賠償を求めるものであることは、その主張に照らして明らかであり、そうとすれば、上告人の右請求は、なんら本件拒否処分の取消によつて登録がされたと同様の効果を生ずることをその論理上の前提とするものではないといわなければならないのである。そうすると、原審は、上告人の右損害賠償請求の当否を判定するためには、その主張するような事実関係の存否等について審理、判断をすべきであつたのであり(なお、右損害賠償請求訴訟において、本来当該申請が容認されるべきものであつたかどうかを裁判所が審理、判断することは、処分行政庁の判断権を侵すものではなく、当然許 て審理、判断をすべきであつたのであり(なお、右損害賠償請求訴訟において、本来当該申請が容認されるべきものであつたかどうかを裁判所が審理、判断することは、処分行政庁の判断権を侵すものではなく、当然許されることである。)、原審が、このような審理判断をすることなく、上記のように、上告人の本件損害賠償請求は本件拒否処分の取消によつて直ちに本件輸入業の登録がされたと同一の効果を生ずることを前提とするものであるとの見解の下に、右のような効果の発生は認められないから上告人の右請求は主張自体理由がないとしてこれを排斥したのは、法令の解釈を誤り、ひいては審理不尽、理由不備の違法をおかしたものというほかはない。そして、右違法が判決に影響を及ぼすものであることは明らかであるから、論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。そして、本件については、更に審理を尽くす必要があるから、これを原審に差し戻すこととする。 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇七条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 - 3 -最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官団藤重光裁判官藤崎萬里裁判官本山亨裁判官中村治朗裁判官谷口正孝- 4 -

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る