【DRY-RUN】主 文 本件各控訴を棄却する。 理 由 弁護人及び検察官の本件控訴趣意及び検察官の控訴趣意に対する弁護人の答弁は 別紙控訴趣意書並に答弁書記載の通りであるから
主文 本件各控訴を棄却する。 理由 弁護人及び検察官の本件控訴趣意及び検察官の控訴趣意に対する弁護人の答弁は別紙控訴趣意書並に答弁書記載の通りであるからその擦訴趣意主張の各点に対し当裁判所は次の通り判断する。 第一、 三弁護人の各控訴趣意第一点事実誤認の主張について。 然しながら原判決挙示の証拠を綜合すれば原判決摘示事実を全部認定するに充分である。各弁護人は独自の見解に立つて原審の適法に認定した事実を徒らに論難するものであつて論旨は到底採用できない。 第二、 三弁護人の各控訴趣意第二点訴訟手続法令違反の主張について。 所論にかんがみ所論各調書の証拠能力の有無を検討する。 (一) 福永弁護人の主張に対し、(1) 原審証人A及び同Bが原審公廷で証言を拒んだ場合同人等の刑事訴訟法第二百二十七条による証人尋問調書は同法第三百二十一条第一項第一号による書証として証拠能力を持つか否かの問題については右第一号に所謂「その供述者が死亡精神若しくは身体の故障所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき」とはその供述者を証人として公判準備又は公判期日に喚問することが不可能であるか又は喚問し得るとするもその供述を得ることが出来ない場合を指称するものであつて必ずしも厳格に右列挙の場合に制限解釈しなければたらぬことはない。供述者が公判期日において同法第百四十六条に基き証言を拒否しその供述を得ることが不可能の場合も右列挙の場合に準じ証拠能力を有するものと解するを相当とする。されば所論A及びBの各供述調書を以て右場合に該当し証拠能力ありとした原審の解釈は相当である。 (2) 裁判官の証人A及び同人Bに対する各証人尋問調書の任意性の有無については所論は要するに単なる根拠の ば所論A及びBの各供述調書を以て右場合に該当し証拠能力ありとした原審の解釈は相当である。 (2) 裁判官の証人A及び同人Bに対する各証人尋問調書の任意性の有無については所論は要するに単なる根拠のない憶測に過ぎず右各調書の冒頭にはそれぞれ「裁判官は別紙宣誓書により宣誓させた上偽証の罰を告げ証人に対し自己又は刑事訴訟法第百四十七条に規定する者が刑事訴追を受け又は有罪判決を受ける虞のある証言を拒むことができる旨告げ次のように尋問した」との記載があつて右趣旨の告知があつたことは疑なくその他看者調書の形式内容等を検討するもその任意性を疑わしめる点は一も存しない。裁判官の尋問に対し証言をしておつてもその後心境又は状況の変化によつて公判廷での証言を拒むことは容易に想像し得るところである。されば原審が右各調書を任意性ありとしてその証拠能力を認めたことは相当である(3) 検察官作成のAの第三回供述調書及び同作成のBの第五回供述調書は原審証人A及び同Bが原審公廷で証言を拒んだ場合刑事訴訟法第三百二十一条第一項第二号による書証としての証拠能力を持つか否かの問題については同号に所謂「その供述者が死亡精神若しくは身体の故障所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき」とはその供述者が公判期日において供述を拒んだ場合にも準用あるものと解するを相当とすること前示(1)に述べた通りである。されば検察官作成の右A及びBの各供述調書を証拠能力ありとした原審の解釈は相当である。 (4) 検察官作成のAの第三回供述調書、同作成のBの第五回供述調書及び同作成のCの第八、九回供述調書については刑事訴訟法第三百二十一条第一項第二号但書に所謂「公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る」 第五回供述調書及び同作成のCの第八、九回供述調書については刑事訴訟法第三百二十一条第一項第二号但書に所謂「公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る」ことは検察官においてこれを明かにすべきであるに拘わらず本件においては何等これについて明かにされていないとの点については右但書は同号後段を受けた規定であることは疑の余地なくA及びBは公判期日において供述を拒んだのであるから検察官作成の各同人等の供述調書については弁護人所論の問題の起る余地は存しない。検察官作成のCに対する第八、九回供述調書については検察官は証人Cの公判期日における供述よりも右同人の供述調書の方が信用すべき特別の情況存することについて特に法廷で言及説示はしていないけれどもそれは弁護人側の申請によつてではあつたが同証人を法廷で取り調べた結果同人が鳥取市における政治団体であるD同盟の幹事長をして曲り被告人はその顧問であつて両者切つても切れない深い関係があることが明かになつたのでその必要を認めなかつたからである。そして両者間右に述べたような関係がある以上Cが被告人を前にして為した法廷における供述と被告人のおらない検察官の面前において為した供述と比較して後者を信用すべき特別の情況存するものとすることは充分首肯し得るところである。されば右各調書に証拠能力ありとした原審の措置は相当である。 (5) 検察官作成のAの第三回供述調書、同作成のBの第五回供述調書及び同作成のCの第八、九回供述調書について裁判所がこれを証拠にとるに際し刑事訴訟法第三百二十五条に所謂予備的審査をしておらないとの主張についてはこれを本件記録によつて検討すれば裁判官は検察官に対し釈明を求め証拠書類を取り調べ証人を尋問し(第三回乃至六回公判調書)充分調査を遂げた上でこれら書類 に所謂予備的審査をしておらないとの主張についてはこれを本件記録によつて検討すれば裁判官は検察官に対し釈明を求め証拠書類を取り調べ証人を尋問し(第三回乃至六回公判調書)充分調査を遂げた上でこれら書類を証拠として採用しておることが明かである。論旨は独断に過ぎず採用に値しない。 (6) 検察官作成のAの第三回供述調書、同作成のBの第五回供述調書及び同作成のCの第八、九回供述調書について刑事訴訟法第三百十九条に所謂任意にされたものでない疑のある自白であつてこれ等の調書は証拠能力がないとの主張についてはこれ等調書の形式内容その任意性の有無について原審が取り調べた一切の結果等を本件訴訟記録によつて精査検討してみても右調書が任意にされたものでないとの疑は毫も存しないから原審がこれを以て証拠能力ありとしたことはまことに相当である(二) 山崎弁護人の主張に対し、(1) 検察官作成のCの第八、九回供述調書について刑事訴訟法第三百二十一条第一項第二号但書に所謂「公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信すべき特別の情況」が存しないからこれ等調書は証拠能力がないとの主張については右調書が証拠能力を有することに関し福永弁護人の控訴趣意前示(4)後段において説示したところと同一であるからここにこれを引用する。 (2) 検察官作成のCの第八、九回供述調書、同作成のAの第三回供述調書及び同作成のBの第五回供述調書の任意性がないとの主張については右調書が任意性があり従て証拠能力を有することに関し福永弁護人の控訴趣意前示(6)において説示したところと同一であるからここにこれを引用する。 (3) 裁判官の証人A及び同Bに対する各証人尋問調書の任意性がないとの主張については右調書が任意牲があり従て証拠能力を有することに関し福永弁護人の控訴趣意前示(2)にお らここにこれを引用する。 (3) 裁判官の証人A及び同Bに対する各証人尋問調書の任意性がないとの主張については右調書が任意牲があり従て証拠能力を有することに関し福永弁護人の控訴趣意前示(2)において説示したところと同一であるからここにこれを引用する。 (4) 裁判官の証人A及び同Bに対する各証人尋問調書について右証人A及びBは検察官が刑事訴訟法第二百二十七条に基いて裁判官に対し尋問を求めた者であり右第二百二十七条は同法第二百二十三条を前提とした規定であり右第二百二十三条は検察官は被疑者以外の者の出頭を求めこれを取り調べることができる旨の規定である。然るに右A及びBは被疑者以外の者ではなく本件被告人と必要的共犯者として被疑者として勾留中の者であるから右第二百二十七条によつては尋問請求できないのに拘わらずそれができるものとして尋問を請求し裁判官又これを許容して尋問をした右調書は法律の解釈を誤つて証人尋問<要旨>を行つたもので違法であるとの主張については刑事訴訟法第二百二十三条に所謂被疑者とは当該被疑者を指称</要旨>しこれと必要的共犯関係ある他の者(本件については被疑者は収賄者被告人E、これと必要的共犯関係ある他の者は贈賄者A及びB)を含まないものと解するを相当とする。されば裁判官が検察官の請求により刑事訴訟法第二百二十七条に基いて証人A及びBを証人尋問したことは何等違法のかどはなく従つて右調書の証拠能力を否定することはできない。 (三) 武井弁護人の主張に対し(1) 所論(五)(1)については憲法第三十七条第二項は刑事手続における直接審理主義の原則を宣明したものではあるけれども証人の証言で被告人の反対尋問を経ないものを被告人の不利益な事実認定の証拠とすることは絶対許されないとの原則は右憲法の条項からはでて来ない。本件においては証 理主義の原則を宣明したものではあるけれども証人の証言で被告人の反対尋問を経ないものを被告人の不利益な事実認定の証拠とすることは絶対許されないとの原則は右憲法の条項からはでて来ない。本件においては証人A及び同Bを証人として法廷に喚問し弁護人等の尋問にさらしたのであるが同人等において自己が刑事訴追を受け又は有罪判決を受ける虞あるものとしてその証言を拒否したのである。 かような場合には刑事訴訟法第三百二十一条第一項第一号に所謂「供述者が死亡精神若しくは身体の故障所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき」に準じて考うべきことは福永弁護人の主張に対し前示(1)において説示した通りである。しかも検察官の請求により右各証人を尋問した裁判官がその尋問に際し被告人又は弁護人を立ち合わせなかつたのは刑事訴訟法第二百二十八条により捜査に支障を生ずる虞があると認めたがためである。公判期日又は裁判官の証人尋問に際して被告人又は弁護人において反対尋問権を行使できなかつたからと言つて裁判官の証人A及びBの尋問調書に何等違法のかどは存しない。さればこれを証拠能力ありとした原審の措置は相当である。 (2) その余の点については従前福永及び山崎各弁護人の主張に対し各関係部分について判断したところと同一であるからここにこれを引用する。 第三、 三弁護人の各控訴趣意第三点量刑不当の主張及び検察官の控訴趣意について。 本件訴訟記録及び原裁判所の取り調べた証拠によつて弁護人及び検察官双方所論の点を検討し本件犯行の罪質態様その他一切の事情を彼此考量するも原審の刑はまことに相当であつて量刑不当の点は存しない。 以上の次第であつて弁護人及び検察官双方の各控訴趣意は何れも理由がないから刑事訴訟法第三百九十六条を適用し本件各控訴を棄却す を彼此考量するも原審の刑はまことに相当であつて量刑不当の点は存しない。 以上の次第であつて弁護人及び検察官双方の各控訴趣意は何れも理由がないから刑事訴訟法第三百九十六条を適用し本件各控訴を棄却することとし主文の通り判決する。 (裁判長判事平井林判事久利馨判事藤間忠顕)
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