令和6(行ウ)10 特例許可取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和7年5月23日 京都地方裁判所
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判決文本文34,574 文字)

令和7年5月23日判決言渡同日原本交付裁判所書記官令和6年(行ウ)第10号特例許可取消等請求事件口頭弁論終結日令和7年2月21日判決当事者は、別紙1当事者目録記載のとおりである(なお、同別紙で定める略称等 は以下においても用いる。)。 主文 原告らの被告市に対する請求を棄却する。 原告A、原告B及び原告Cの被告ERIに対する訴えをいずれも却下する。 訴訟費用は、原告らと被告市との間で生じたものは原告らの負担とし、原告 A、原告B及び原告Cと被告ERIとの間で生じたものは原告A、原告B及び原告Cの負担とする。 事実 及び理由第1 請求原告らの被告市に対する請求 被告市長が令和5年3月31日付けで行った株式会社共立メンテナンスに対する特例許可(第2-002号)を取り消す。 原告A、同B及び同Cの被告ERIに対する請求被告ERIが令和5年12月1日付けで行った株式会社共立メンテナンスに対する建築確認(ERI-23020685)を取り消す。 被告ERIが令和6年4月30日付けで行った株式会社共立メンテナンスに対する建築確認変更処分(ERI-24008766)を取り消す。 事案の概要等事案の概要建築基準法(令和4年法律第69号による改正前のもの。以下同じ。)は、 第一種住居地域(住居の環境を保護するため定める地域)内において、延べ床面積が3000㎡を超える商業施設等を建築することを原則として禁止し(48条5項、別表第2(ほ)4号)、特定行政庁が、その建築に利害関係を有する者の出頭を求めて公開により意見を聴取し、かつ、建築審査会の同意を得たうえで(同条15項)、同地域における住居の環境を害するおそれが ないか又は公益上やむを得な 庁が、その建築に利害関係を有する者の出頭を求めて公開により意見を聴取し、かつ、建築審査会の同意を得たうえで(同条15項)、同地域における住居の環境を害するおそれが ないか又は公益上やむを得ないと認めて許可(以下「特例許可」という。)した場合(同条5項ただし書)にはこれを許容している。 株式会社共立メンテナンス(以下「本件事業者」という。)は、世界文化遺産に登録されている仁和寺の門前で、第一種住居地域に係る用途制限が適用される土地(以下「本件敷地」という。)に、延べ床面積5897.52㎡の ホテル(以下「本件ホテル」という。)を建築する計画(以下「本件計画」という。)を立てた。 特定行政庁である被告市長は、第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがないと判断して、令和5年3月31日、本件ホテルの建築を認める特例許可(以下「本件特例許可」という。)をし、その後、建築確認検査機 関である被告ERIは、本件計画が建築基準関係規定に適合しているとして建築確認等をした。 そこで、本件敷地周辺に居住する原告らは、被告市に対し、本件特例許可が違法であると主張してその取消しを求め、また、原告A、原告B及び原告C(以下、この3名を「原告Aら」という。)は、併せて被告ERIに対し、 本件特例許可を前提とする建築確認等が違法であると主張してその取消しを求めて、令和6年6月21日に本件訴訟を提起した。なお、本件ホテルは令和7年8月末に完成する予定である。 関係法令等の定めの要旨関係法令等の定めの要旨は、別紙2「関係法令等の定めの要旨」記載のとお りである(なお、同別紙で定める略称等は、以下においても用いる。)。 前提事実(顕著な事実、並びに、掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)本 旨」記載のとお りである(なお、同別紙で定める略称等は、以下においても用いる。)。 前提事実(顕著な事実、並びに、掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)本件敷地の概要本件敷地は、隣接する5筆の土地であり、その面積は合計3866.62 ㎡である。本件敷地のうち北側2216.11㎡(全体の57.3%)は第一種住居地域に指定され、南側1650.51㎡(全体の42.6%)は第一種低層住居専用地域に指定されている。(甲52、乙5、15)本件敷地は、その過半が第一種住居地域に属することから、その全体に第一種住居地域に係る用途制限が適用される(建築基準法91条)。そのため、 本件敷地では、被告市長の特例許可がない限り、延べ床面積が3000㎡を超えるホテルを建築することができない(同法48条5項、別表第2(ほ)4号)。 本件敷地周辺の状況本件敷地周辺の状況は、別紙3-1「本件敷地周辺図1」、同3-2「本件 敷地周辺図2」及び同3-3「本件敷地周辺図3」記載のとおりである(なお、「本件敷地周辺図2」記載の道路や交差点に関する説明内容につき、当事者間に争いがない。)。 本件敷地の北側には「きぬかけの路」という主要道路(以下「本件道路」という。)があり、その北側には、世界文化遺産に登録されている仁和寺があ る。また、本件敷地の南側は第一種低層住居専用地域(低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域であり、ホテルの建築が禁止される。)であり、住居が並んでいる。その南側には京福電鉄御室仁和寺駅があり、その南方には双ヶ岡ならびがおかという丘がある。(乙4、5)本件事業者の概要 本件事業者は、ホテルの運営等を業とする株式会社であり、京都市内で平成 御室仁和寺駅があり、その南方には双ヶ岡ならびがおかという丘がある。(乙4、5)本件事業者の概要 本件事業者は、ホテルの運営等を業とする株式会社であり、京都市内で平成23年10月以降「京都嵐山温泉花伝抄」というホテルを、令和3年3月以降「京都梅小路花伝抄」というホテルを、それぞれ運営している。 (甲53、乙5)本件事業者は、平成31年4月以降、大阪府守口市から委託を受けて学 童保育クラブを運営していたところ、同クラブに勤務していた指導員らに対して不当労働行為を行ったとして、大阪府労働委員会から2度の救済命令等を受け、被告市からも2度の入札参加資格停止処分を受けた。また、同指導員らは、令和2年5月、大阪地方裁判所に提訴し、同事件は、令和4年4月18日、本件事業者、同指導員ら及び指導員組合との間で和解が 成立した。(甲10~14)本件ホテルの概要(乙5)本件ホテルは、延べ床面積5897.52㎡、地上3階、地下1階の高さ9.98m、鉄筋コンクリート造のホテルであり、地上1~3階に客室67室、茶室、土産処及びバーラウンジがあり、地下1階に食事処及び大浴場(温 泉)等がある。客室の内訳は、約40㎡の客室が53室、約50㎡の客室が1室、約60㎡の客室が4室、約70㎡の客室が8室、約87㎡の客室が1室であり、客室だけで約3000㎡を占める。 別紙4「配慮事項一覧」の図面記載のとおり、本件敷地内には、その南東部分に1台分の宿泊客(車いす利用者等)用駐車場が設置されるだけであり、 他の宿泊客は同南東部分にある車寄せスペース(3台分)でタクシー等を乗降し、荷物を運搬する業者は同南東部分にある荷捌きスペース(1台分)にトラック等を停車する設計となっている。 本件特例許可に至る経緯被告市は、 部分にある車寄せスペース(3台分)でタクシー等を乗降し、荷物を運搬する業者は同南東部分にある荷捌きスペース(1台分)にトラック等を停車する設計となっている。 本件特例許可に至る経緯被告市は、平成28年10月、宿泊の質を高め、観光の質を向上し、世 界が憧れる観光都市を実現すること等を目的として、ラグジュアリーホテル等の上質宿泊施設を、特例許可の活用等により積極的に誘致する方針を定め、平成29年5月、同市が積極的に誘致する上質宿泊施設の選定要件等を定めた上質宿泊施設誘致制度を策定した。(甲2、3)被告市と本件事業者は、平成29年10月以降、本件ホテルに上記誘致 制度を適用することに関して協議を行い、被告市長は、令和3年4月19日、本件ホテルを、同制度に基づき積極的に誘致する上質宿泊施設に選定した。(甲8)なお、本件事業者は、従前、本件道路に面して6台分の敷地内駐車場を設置することや、本件敷地の南側に600㎡を超える18台分の敷地外駐 車場を設置することを計画していたが、上記選定前に行われた住民説明会等において発生交通量を懸念する意見が出たことから、これらの駐車場の設置を取りやめ、公共交通機関(電車、バス)やタクシー、無料送迎バス(京都駅、本件ホテル及び嵐山を結ぶ区間)による来館を原則とし、本件敷地内には1台分の宿泊客(車いす利用者等)用駐車場のみを設置する計 画に変更した。(甲19、乙4)本件事業者は、令和3年9月2日、被告市長に対し、本件ホテルの建築及び運営等に当たっては、住環境への影響に配慮し、別紙4「配慮事項一覧」記載の各事項(以下「本件配慮事項」という。)を履行することを前提として、本件特例許可の申請を行った。(乙5、15) 被告市長は、令和5年1月19日、建築基準法4 し、別紙4「配慮事項一覧」記載の各事項(以下「本件配慮事項」という。)を履行することを前提として、本件特例許可の申請を行った。(乙5、15) 被告市長は、令和5年1月19日、建築基準法48条15項に基づき、本件特例許可に利害関係を有する者として、本件敷地から100m以内(別紙3-3「本件敷地周辺図3」参照。)に土地建物を所有等する者の出頭を求め、公開により意見を聴取する会(以下「本件公聴会」という。)を実施した。 なお、被告市長は、出頭を求める者の範囲を決めるに当たって、特例許可に係る建築物の敷地から約50m(物件によっては100m)の範囲内に土地建物を所有する者が、同項に基づき出頭を求めるべき「利害関係を有する者」に当たる旨の建設省(現・国土交通省)の回答(昭和48.12.14住街1478。以下「建設省回答」という。)を参考にした。(甲 21、26、乙1)京都市建築審査会(以下「本件審査会」という。)は、令和5年3月17日、本件計画において、別紙5「本件審査会同意理由一覧」記載の事項(本件配慮事項の一部である。)の配慮がされていることを理由として、被告市長が本件特例許可をすることに同意(建築基準法48条15項)した。(乙 4)被告市長は、令和5年3月31日、建築基準法92条の2に基づき後記(6)記載の条件(以下「本件許可条件」という。)を含む複数の条件を付して本件特例許可をした。(乙15)なお、京都市が平成11年に特例許可に関して定めた「許可又は認定の 基準及び方針」と題する通達(以下「本件通達」という。)には、「工場、店舗等の許可に際して考慮する事項は、騒音、振動、臭気、物流等の公害対策及び駐輪・駐車場計画並びに緑地、壁面後退等とする。」と定められている。被告市長は、 (以下「本件通達」という。)には、「工場、店舗等の許可に際して考慮する事項は、騒音、振動、臭気、物流等の公害対策及び駐輪・駐車場計画並びに緑地、壁面後退等とする。」と定められている。被告市長は、同通達に定められた事項を考慮して本件特例許可をしたものである。(乙3) 本件許可条件の内容(乙15)本件事業者は、本件配慮事項を適切に履行し、その履行状況を記録し、定期的に被告市長に報告しなければならない。本件事業者は、履行状況の記録、報告その他必要な事項について、別途、被告市長と覚書(以下「本件覚書」という。)を交わし、その内容を順守しなければならない。本件覚書のうち、 重要な事項に違反したと被告市長が認めたときは、許可を取り消し、又は本件ホテルの使用を禁止することがある。 建築確認等被告ERIは、本件特例許可がされたことを前提に、令和5年12月1日、本件計画が建築基準関係規定に適合していると判断して建築確認(以下「本 件建築確認」という。)をした。(甲55)その後、本件計画の一部が変更されたため、被告ERIは、令和6年4月30日、変更後の本件計画が建築基準関係規定に適合していると判断して建築確認変更処分(以下「本件変更処分」という。)をした。(甲25)本件変更処分後、更に本件計画の一部が変更されたため、被告ERIは、 同年12月18日、変更後の本件計画が建築基準関係規定に適合していると判断して建築確認変更処分をした。(顕著な事実)本件覚書被告市長と本件事業者は、本件覚書の文案を作成しているが、本件口頭弁論終結時点で、未だ締結に至っていない。(乙18、19) 争点及び当事者の主張本件特例許可について被告市長の裁量の逸脱又は濫用があるか(争点1)被告市長が、本件ホテルの が、本件口頭弁論終結時点で、未だ締結に至っていない。(乙18、19) 争点及び当事者の主張本件特例許可について被告市長の裁量の逸脱又は濫用があるか(争点1)被告市長が、本件ホテルの建築によって「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と判断したことについて、裁量の逸脱又は濫用があるかが争点である。 (原告らの主張)①本件特例許可の判断過程において用いられた具体的審査基準に不合理な点があるか又は②調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤、欠落がある場合には、被告市長の判断に不合理な点があるものとして、本件特例許可は違法となるというべきである。そして、本件特例許可は以下のとおり違法である。 具体的審査基準について被告市が審査基準として用いたと主張する本件通達は、専ら自動車車庫や自動車修理工場の建築に関する許可の判断のために作成されたものであり、多数の宿泊客や従業員等が車両で出入りするホテルは想定されておらず、これを本件の審査基準として用いることは不合理である。また、本件特例許可 の判断において決定的に重要な考慮要素は、周辺地域に及ぼす交通上の支障及び景観上の支障であるところ、本件通達ではこれらについて想定されていない。したがって、本件通達は、本件特例許可の判断過程において用いられる具体的審査基準として不合理な点がある。 重大な過誤、欠落について 建築基準法48条5項の趣旨について同項は、延べ床面積が3000㎡を超えるホテルについて、第一種住居地域における住居の環境を害するおそれが否定できない建築物として、原則その建築を禁止している。同項の趣旨に照らせば、延べ床面積が3000㎡を超えるホテルの建築について特例許可が許容されるのは、同地域に おける住居 を害するおそれが否定できない建築物として、原則その建築を禁止している。同項の趣旨に照らせば、延べ床面積が3000㎡を超えるホテルの建築について特例許可が許容されるのは、同地域に おける住居の環境を害するおそれがないことが明らかな場合に限定されると解すべきである。 そうすると、その約2倍に相当する約5900㎡の延べ床面積を有する本件ホテルの建築は、特例許可が許容される場合でないことが明らかである。 本件敷地周辺が第一種低層住居専用地域であることについて本件敷地のうち約43%部分及び本件敷地の南側の地域は、最も用途制限が厳しく、ホテルの建築が禁止される第一種低層住居専用地域(低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域)であり、本件ホテルの建築によって最も住居の環境に対する被害を受けるのは、同地域に居 住する住民である。被告市長は、このような地域性を考慮し、周辺地域の良好な住居の環境を守るべきであるにもかかわらず、これを考慮しなかった。 交通上の支障について(ア) 本件敷地に接する本件道路の交通量は既に飽和状態であり、仁和寺の 門前では慢性的に長い渋滞が生じている。そのため、本件道路を走行する路線バスは頻繁に遅延する。また、渋滞を回避するために、本件道路の南側の生活道路を抜け道として利用する車両も多いため、本件敷地周辺では、地域住民と抜け道を利用する車両との交通事故の危険が生じている。さらに、多数の観光客が上記バスや御室仁和寺駅を発着する電車 を利用し、混雑するため、地域住民がこれらの公共交通機関に乗車できない事態や、公共交通機関の遅延が生じている。 このような状況で本件ホテルが建築された場合、多数の宿泊客や従業員等が車両でホテルに出入りすることで、本件道路の交通量や渋 れらの公共交通機関に乗車できない事態や、公共交通機関の遅延が生じている。 このような状況で本件ホテルが建築された場合、多数の宿泊客や従業員等が車両でホテルに出入りすることで、本件道路の交通量や渋滞は更に増加し、渋滞を回避するために生活道路を抜け道として利用する車両 も増加すると考えられる。また、多数の宿泊客が公共交通機関を利用することで、地域住民が公共交通機関を利用することはより困難になると考えられる。しかし、被告市長は、このような交通上の支障を考慮しなかった。 (イ) 被告市長は、本件事業者が平成30年9月28日に実施した交通量調 査の結果に基づき、本件ホテルの建築による交通上の支障がないと判断したものであるが、9月は本件敷地周辺の観光客が少ない時期である。 同地域の観光ハイシーズンは4月や10月頃であり、その時期の交通量は9月よりも多い。被告市長は、観光ハイシーズンの交通量を調査しなければ、交通上の支障の有無を判断できないにもかかわらず、その時期 の交通量を考慮しなかった。 騒音について本件敷地周辺は、木造2階建ての住居が立ち並ぶ閑静な住宅街である。 大規模な商業施設はなく、仁和寺の参道沿いにある小規模な飲食店や物販店も午後9時以降は営業していないため、夜間の静けさが保たれている。 しかし、本件ホテルが建築されると、夜間に宿泊客や従業員等が車両で出入りすることで現在の夜間の静けさは損なわれる。本件配慮事項では、本件ホテルの夜間の発生騒音を40dB以下にすることが計画されているが、30dB(郊外の住宅地における夜間の騒音レベル)以下にしなければ、現在の夜間の静けさは保たれない。また、本件ホテルは、建築基準 法上許容される3000㎡の倍近い約5900㎡の延べ床面積を有し、67室の 外の住宅地における夜間の騒音レベル)以下にしなければ、現在の夜間の静けさは保たれない。また、本件ホテルは、建築基準 法上許容される3000㎡の倍近い約5900㎡の延べ床面積を有し、67室の客室を備え、3階建ての高さを有する大規模な商業施設であるから、本件敷地周辺の騒音が増加することは必至である。 景観上の支障について(ア) 本件道路沿いを除く本件敷地周辺の住居は2階建てであり、高さが1 0m以下であるのに対し、本件ホテルは3階建てで(本件特例許可がなければ、本件ホテルは2階建てとなるはずであった。)、周辺の住居の1. 5倍以上の高さがあり、地域住民に対して圧迫感を与えるものであるから、住居の環境を害することは明らかである。 (イ) 仁和寺が世界文化遺産であるためには、同遺産としての「完全性」「真 正性」を有する必要があり、本件敷地及びその周辺地域は、仁和寺の「完全性」「真正性」を保護するためのバッファゾーン(緩衝地帯)に指定されている。そして、その「完全性」「真正性」を担保するためには、仁和寺の門から双ヶ丘方面を、また、双ヶ岡方面や参道から仁和寺を支障なく眺望できることが極めて重要である。しかし、3階建ての本件ホテル が建築されると、これらの眺望が阻害され、仁和寺の「完全性」「真正性」が毀損される。 本件配慮事項について(ア) 建築基準法は建築物の建築計画(工事によって形成されるハード面)の基準を定めるものであるから、ハード面で同法上の要件を満たさない 建築計画について建築物の運営計画(ソフト面)を考慮することでその要件を満たすものと扱うことは、同法の趣旨に反し、許されない。これが許されれば、同法の建築規制は骨抜きになる。したがって、ハード面で特例許可の要件を満たさない建築計画 ソフト面)を考慮することでその要件を満たすものと扱うことは、同法の趣旨に反し、許されない。これが許されれば、同法の建築規制は骨抜きになる。したがって、ハード面で特例許可の要件を満たさない建築計画について、ソフト面の条件を付すことで特例許可を認めることは、許されない。 しかし、本件計画は、交通上の支障等に関し、建築計画による対策(客室数を減らす等)をとっておらず、ハード面で特例許可の要件を満たさない計画であるにもかかわらず、被告市長は、本件事業者が本件配慮事項を履行する(ソフト面での対策をとる)ことを条件として本件特例許可をした。 なお、被告市は、上記条件の違反があった場合は建築物の完成後であっても同法9条1項に基づく是正措置命令を出すことができる旨を主張するが、発令するかどうかは被告市の裁量に委ねられているうえ、実際に発令する可能性は低く、本件配慮事項の履行について制度的保証があるとはいえない。 (イ) 仮にソフト面の条件を付すことで特例許可を認めることが許され得るとしても、本件事業者は、不当労働行為を繰り返す企業であり、法律を遵守する健全な事業者ではないから、本件配慮事項を履行することは期待できない。現に、本件許可条件に含まれる本件覚書の締結さえ、未だ履行されていない。被告市長は、このように本件事業者が本件配慮事 項を履行しない可能性があることを考慮しなかった。 (ウ) そもそも、仮に本件事業者が本件配慮事項を履行し、例えば、宿泊客に対して公共交通機関の利用を促したり、タクシー事業者に対して生活道路を利用しないよう要請したりしたとしても、宿泊客やタクシー事業者がこれに応じるとは限らないから、交通上の支障の発生を確実に防止 することはできない。被告市長は本件配慮事項の効果を過 して生活道路を利用しないよう要請したりしたとしても、宿泊客やタクシー事業者がこれに応じるとは限らないから、交通上の支障の発生を確実に防止 することはできない。被告市長は本件配慮事項の効果を過大に評価したものである。 (被告市の主張)被告市長は、特例許可等の許可基準を定めた本件通達に基づき、同通達に定められた事項(騒音、振動、臭気、物流等の公害対策及び駐輪・駐車場計画並びに 緑地、壁面後退等)を考慮して、本件ホテルの建築によって第一種住居地域における住居の環境が害されるおそれはないと判断したものである。本件通達の内容に不合理な点はなく、また、以下のとおり、その判断過程に不合理な点はない。 (1) 建築基準法48条5項の趣旨について同項は、百貨店等のように通常都市の拠点的地区に立地する特に大規模な 事業所、商業施設等の建築を制限するため、延べ床面積が3000㎡を超える建築物(第一種中高層住居専用地域内で建築可能な建築物を除く。)について、画一的に用途制限を行いつつ、個別具体的な建築計画について住居の環境を害するおそれがないと認められる場合には、特定行政庁がその建築を許可することができると定めたものである。そして、被告市長は、同項の趣旨 を踏まえ、本件ホテルの建築によって住居の環境を害するおそれがないことを確認したうえで本件特例許可をしたものである。 交通上の支障について本件事業者が実施した本件道路の交通量調査の結果によれば、平成30年9月28日午前7時から午後7時までの間の交通量は10546台で あるところ、本件事業者の想定によれば、本件ホテルの宿泊客や従業員等による1日の発生交通量は114台である。そうすると、本件ホテルの建築によって増加する交通量は1.08%にとどまるから あるところ、本件事業者の想定によれば、本件ホテルの宿泊客や従業員等による1日の発生交通量は114台である。そうすると、本件ホテルの建築によって増加する交通量は1.08%にとどまるから、交通量に対する影響は軽微であると評価するのが妥当である。 そもそも、本件敷地周辺の交通状況は、本件ホテルだけでなく、広域の 土地利用状況及び道路交通の状況など様々な要因によって形成されるものである。すなわち、発生交通量は一定の面的な拡がりを有する事項であり、建築基準法上の用途制限や建築上の配慮によって的確にコントロールすることには限界があるから、用途許可によって発生交通量を抑制することが当然に求められるものではない。例えば、本件ホテルよりも1客室当 たりの面積が小さくて客室数が多く、発生交通量が多いホテルであっても、延べ床面積が3000㎡以下であれば、特例許可を要せずに本件敷地に建築することができるのであり、建築基準法48条5項は一定程度の交通量の発生を想定した用途の建築物を許容しているといえる。 したがって、原告らが主張する本件敷地周辺の交通状況によって、直ち に特例許可の要件を欠くとはいえない。 このように、本件ホテルの建築によって本件敷地周辺の交通量が増加するからといって直ちに特例許可の要件を欠くとはいえないものの、本件計画においては、本件事業者が宿泊客に対して公共交通機関の利用を促したり、タクシー事業者に対して生活道路を利用しないよう要請したりして、 可能な限り、本件敷地周辺の交通に対する配慮を行うものとされている。 被告市長はこの点を評価して本件特例許可をしたのであり、合理性がある。 景観上の支障について原告らは、本件ホテルの規模や高さによる圧迫感を問題視するが、本件特例許可は、建築基準法上の建築物の 。 被告市長はこの点を評価して本件特例許可をしたのであり、合理性がある。 景観上の支障について原告らは、本件ホテルの規模や高さによる圧迫感を問題視するが、本件特例許可は、建築基準法上の建築物の規模や高さに関する規制を緩和する ものではない。そして、本件敷地における建蔽率の上限は65.73%(同法53条)、高さの上限は12mであるところ(同法58条1項)、本件ホテルの建蔽率は42.55%、高さは9.980mであり、同法に適合している。 また、本件ホテルの壁面は、道路境界線から北側につき5.5m以上、 南側につき7m以上、東側につき9.5m以上、西側につき5m以上それぞれ後退して建てられ、壁面と道路境界線との間に植栽を配置するなど、周辺住民に対する圧迫感を低減するための措置が講じられている。被告市長は、本件計画においてこのような配慮がされていることを考慮して景観上の支障がないと判断したものである。 原告らは、世界文化遺産の保護の必要性を主張するが、その保護は、古都保全法や京都市風致地区条例など、建築基準法以外の法令によって図られるものであり、特例許可の判断に当たって考慮する必要はない。 本件配慮事項について被告市長は、本件ホテルのハード面とソフト面の両方を合わせた取組に よって特例許可の基準を満たすと判断したものであるが、建築基準法は、特定行政庁が用途許可をする際に、ソフト面の取組を考慮することを許容している(例えば、特定行政庁は、第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内に日用品の販売を主たる目的とする店舗を建築することを許可するに当たり、午後10時から午前6時までの間に営業しないこ と、又は、同時間帯に営業する際には所定の措置を講ずること等の所定の要件を満たす場合 販売を主たる目的とする店舗を建築することを許可するに当たり、午後10時から午前6時までの間に営業しないこ と、又は、同時間帯に営業する際には所定の措置を講ずること等の所定の要件を満たす場合には、同法48条15項の規定による建築審査会の同意を要しないとされている(同法48条16項2号、同法施行令130条2項1号、同法施行規則10条の4の3の表の1号ル)。)。 被告市長は、本件事業者が本件ホテルの完成後にソフト面の取組(本件 配慮事項)を履行することを確認するために、その履行状況の記録・報告・検査等の具体的な手続を定めた本件覚書を被告市長と本件事業者との間で締結することを本件特例許可の条件とした。そして、本件事業者が同条件に反して本件配慮事項を履行しなかった場合等には、被告市長は、本件ホテルの完成後であっても、建築基準法9条1項に基づき、違反を是正す るために必要な措置をとることを命ずることができる。被告市長は、このように本件配慮事項の履行について制度的保証があることを考慮して本件特例許可をしたものである。 本件特例許可が建築基準法48条15項に反するか(争点2)(原告らの主張) 本件公聴会について前記1(原告らの主張)(2)オで主張したとおり、本件ホテルの建築は、仁和寺の世界文化遺産としての価値を毀損するから、その維持保全に関心を有する全ての人々が、本件特例許可について利害関係を有する。また、前記1(原告らの主張)(2)ウで主張したとおり、本件ホテルの建築は交通上の支障 を生じさせるから、その影響を受ける全ての人々が、本件特例許可について利害関係を有する。 したがって、被告市長が、本件敷地から100m以内に土地建物を所有等する者に対してのみ出頭を求めて本件公聴会を実施したこ から、その影響を受ける全ての人々が、本件特例許可について利害関係を有する。 したがって、被告市長が、本件敷地から100m以内に土地建物を所有等する者に対してのみ出頭を求めて本件公聴会を実施したことは、建築基準法48条15項に反する。 本件審査会の同意について前記1(原告らの主張)(2)カで主張したとおり、ハード面で特例許可の要件を満たさない建築計画について、その運営計画(ソフト面)を考慮して特例許可をすることは許されないにもかかわらず、本件審査会は、本件ホテルの運営計画(別紙4「配慮事項一覧」)を考慮して、本件特例許可に同意した。 また、前記1(原告らの主張)(2)カで主張したとおり、本件事業者は法律を遵守する健全な企業ではなく、上記運営計画を実行することは期待できないにもかかわらず、本件審査会はこの点を考慮せずに本件特例許可に同意した。 したがって、上記同意にはその判断過程に著しい瑕疵があり、無効であるから、本件特例許可は建築審査会の同意を得ずになされたものというべきで ある。 (被告市の主張)(1) 本件公聴会について被告市長は、建設省回答に基づき、本件敷地から100mの範囲内に土地建物を所有等している者を本件特例許可に利害関係を有する者として扱い、 その出頭を求めて本件公聴会を実施したものであり、適法である。 本件審査会の同意について前記1(被告市の主張)(4)で主張したとおり、建築基準法上、運営計画(ソフト面)を考慮して特例許可をすることは許容されているから、本件審査会の判断過程に瑕疵はなく、その同意は有効である。 被告ERIに対する請求に訴えの利益があるか(争点3)(被告ERIの主張)本件変更処分がされたことによって、本件建築確認の効力は消滅したか 判断過程に瑕疵はなく、その同意は有効である。 被告ERIに対する請求に訴えの利益があるか(争点3)(被告ERIの主張)本件変更処分がされたことによって、本件建築確認の効力は消滅したから、これについて取消しを求める利益はない。 本件特例許可が判決により取り消された場合には、被告市長はこれに拘束 され(行訴法33条1項)、建築基準法6条の2第6項に基づき、本件計画が建築基準関係規定に適合しない旨を被告ERIに通知しなければならず、その結果、本件建築確認等は効力を失うこととなる。したがって、本件特例許可の取消しを求めれば足り、本件建築確認等の取消しを求める利益はない。 本件建築確認及び本件変更処分が違法か(争点4) (原告Aらの主張)本件建築確認及び本件変更処分は、違法な本件特例許可を前提とするものであるから違法である。 争点1(本件特例許可について被告市長の裁量の逸脱又は濫用があるか)についての判断 1 判断枠組について当裁判所の判断都市計画法は、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにそのために適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきこと等の基本理念の下で(同法2条)、市町村において、都市計 画に、用途地域(第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域)を定めることができるものとしている(同法8条1項、9条、15条1項)。そして、建築基準法は、上記 基本理念の下で、都市計画における土地利用目的の実現を図るとともに、市街地の環境を保全する観点から、用途 ができるものとしている(同法8条1項、9条、15条1項)。そして、建築基準法は、上記 基本理念の下で、都市計画における土地利用目的の実現を図るとともに、市街地の環境を保全する観点から、用途地域における建築物の建築について各種の制限(用途制限)を設け(同法48条)、これによって、市街地を構成する各建築物、各用途相互の悪影響を防止するとともに、それぞれの用途に応じ十分な機能を発揮させることで、市町村が用途地域を定めた目 的の実現を図っている。 このうち、住環境の保全を目的として定められた7種の用途地域における用途制限の内容は、概ね、別紙6「用途制限一覧」記載のとおりである(建築基準法48条1項~7項、別表第2(い)~(と)、同法施行令130条の3~130条の9の2)。 本件で問題となる第一種住居地域は、住居の環境の保護を目的として定められる用途地域であるところ、上記7種の用途地域の中で5番目に厳しい用途制限が設けられており、①延べ床面積が3000㎡を超える共同住宅や延べ床面積が3000㎡以下である商業施設(店舗、ホテル、旅館、ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ・バッティング練 習場、自動車教習所等。以下、これらの共同住宅や商業施設を「非制限建築物」と総称する。)については、特例許可を要さずに建築することができるのに対し、②カラオケボックスやマージャン屋、ぱちんこ屋、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場等(以下「カラオケボックス等」と総称する。)、並びに、③延べ床面積が3000㎡を超える商業施設(店舗、ホ テル、旅館、ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ・バッティング練習場、自動車教習所等。以下「大型商業施設」と総称する。)については、原則として建築が 超える商業施設(店舗、ホ テル、旅館、ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ・バッティング練習場、自動車教習所等。以下「大型商業施設」と総称する。)については、原則として建築が禁止され、特定行政庁が、同地域における住居の環境を害するおそれがないか又は公益上やむを得ないと認めて特例許可をした場合に限り建築することができることとされている。これは、 カラオケボックス等や大型商業施設が建築された場合、一般的に想定される利用者や利用方法等に照らし、不特定多数の人や車両が集まって継続的に騒音が発生すること等により周辺の住環境を害するおそれが否定できないことからその建築を原則として禁止しつつ、特定行政庁において個別具体的に想定される利用者や利用方法、周辺の住環境への影響等を考慮し たうえで「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」等と判断される場合に例外的にその建築を許容することとしたものと解される。 ところで、「第一種住居地域における住居の環境」という文言は抽象的であり、その内容は一義的ではない。上記のとおり、そもそも用途制限は、 市町村が用途地域を定めた目的を実現するために設けられたものであり、その用途地域の指定は健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保するという政策的な見地から行われるものであることに照らせば、第一種住居地域においてどのような住環境又は都市機能を確保するか、そのために、どのような大型商業施設の建築を禁止し又は許容するかという判 断は、当然に政策的な見地からも行われるべきものと解される。 また、大型商業施設の建築を許容するか否かを判断する際にはこれが建築された場合に個別具体的に想定される利用者や利用方法、住環境への影響等を考慮する必要があ な見地からも行われるべきものと解される。 また、大型商業施設の建築を許容するか否かを判断する際にはこれが建築された場合に個別具体的に想定される利用者や利用方法、住環境への影響等を考慮する必要があり、これには建築等に関する一定の専門的又は技術的な知識経験を要する。このことは、特定行政庁が特例許可をする場合 には法律、経済、建築、都市計画、公衆衛生又は行政に関する学識経験者によって構成される建築審査会の同意が原則として必要とされている(建築基準法48条15項、79条2項)ことからも裏付けられる。 このように、特定行政庁が「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と認めて特例許可をするか否かを判断するに当たっては、 政策的、専門的又は技術的な見地からの検討が不可欠であるといえ、その判断は、特定行政庁の広範な裁量に委ねられていると解するのが相当である。そうすると、「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と認めて特例許可をした特定行政庁の判断がその裁量を逸脱し又は濫用したものとして違法となるのは、①その判断の基礎とされた重要な事実 に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合又は②事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと、考慮すべきでない事情を考慮すること等によりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くと認められる場合に限られるものと解するのが相当である(最高裁判所平成16年(行ヒ) 第114号同18年11月2日第一小法廷判決・民集60巻9号3249頁参照)。 加えて、上記②の「事実に対する評価が明らかに合理性を欠く」といえるか否かを判断するに当たっては、次の点を考慮するのが相当である。 非制 1月2日第一小法廷判決・民集60巻9号3249頁参照)。 加えて、上記②の「事実に対する評価が明らかに合理性を欠く」といえるか否かを判断するに当たっては、次の点を考慮するのが相当である。 非制限建築物が建築された場合にも交通量の増加や騒音、圧迫感等は一 定程度生じるのであるが、建築基準法上、そのような建築物については特例許可を要さずに第一種住居地域内に建築することができる。そうすると、大型商業施設が建築されても、非制限建築物によって発生する程度の交通量や騒音、圧迫感等しか生じないと考えられる場合には、「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と評価することが不合理であ るとはいえない。 したがって、少なくとも、特例許可を要する大型商業施設が住環境に与えると想定される影響と、非制限建築物が住環境に与えると想定される影響とを比較したときに、前者が後者を上回らないと評価することが明らかに合理性を欠くといえない場合には、特定行政庁において、当該大型商業 施設によって「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と評価することも明らかに合理性を欠くとはいえないというべきである。 原告らの主張について原告らは、被告市長が本件通達(「工場、店舗等の許可に際して考慮する事項は、騒音、振動、臭気、物流等の公害対策及び駐輪・駐車場計画並び に緑地、壁面後退等とする。」)を具体的な審査基準として用いて本件特例許可をしたとする被告市の主張を前提に、本件通達には不合理な点があるから、本件特例許可をした被告市長の判断は不合理である旨の主張をする。 しかし、本件通達の文言が抽象的であることやその文理に照らすと、同通達は、特例許可の判断に際し、申請に係る建築物が住環境に与え得る影 響 断は不合理である旨の主張をする。 しかし、本件通達の文言が抽象的であることやその文理に照らすと、同通達は、特例許可の判断に際し、申請に係る建築物が住環境に与え得る影 響として考慮すべき事項を例示したにすぎず、およそ具体的な審査基準を定めたものとはいえない。他方、本件通達が、これに明確に記載されていない事項を考慮してはならないことまで定めたものとは解されない。加えて、本件通達に例示された考慮事項の中に考慮すべきでない事項が含まれているとも認められない。したがって、本件通達の内容をもって、これを 踏まえて本件特例許可をした被告市長の判断が不合理であるとはいえない。 なお、原告らは、被告市長が特例許可についての具体的な審査基準を策定せずに本件特例許可をしたとすれば、そのこと自体によって本件特例許可の違法性が推定される旨の主張もするが、審査基準が策定されていない からといって直ちに被告市長の判断内容が不合理であるということはできず、原告らの当該主張には理由がない。 上記②の「考慮すべきでない事情を考慮すること」に関し、原告らは、特例許可の判断に際しては建築物の建築計画(工事によって形成されるハード面)のみを考慮すべきであって、建築物の運営計画(ソフト面)を考 慮することは許されず、ソフト面の条件を付すことで特例許可を認めることは建築基準法の趣旨に反し許されない旨の主張をする。 しかし、そもそも建築基準法の用途制限は、建築主が申請する用途の内容、すなわち運営計画というソフト面を考慮して適用されるものである。 例えば、建築主が共同住宅の用途に供するものとして申請する建築物につ いて、ホテルではなく、共同住宅としての用途制限の適用を受けるのは、まさに建築主が申請する用途の内容、すなわち当該建築物 。 例えば、建築主が共同住宅の用途に供するものとして申請する建築物につ いて、ホテルではなく、共同住宅としての用途制限の適用を受けるのは、まさに建築主が申請する用途の内容、すなわち当該建築物の運営計画というソフト面が考慮されるからにほかならない(そして、仮に当該建築物が完成後にホテルとして利用され、ホテルとしての用途制限が潜脱された場合には、特定行政庁は、建築基準法9条1項に基づき、建築主等に対し、 その違反建築物の除却や使用禁止等の是正措置命令を出すことができる。 また、被告市が例示するとおり、特定行政庁は、第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内に日用品の販売を主たる目的とする店舗を建築することを許可するに当たり、午後10時から午前6時までの間に営業しないこと又は同時間帯に営業する際には所定の措置を講ずること 等の所定の要件を満たす場合には同法48条15項の規定による建築審査会の同意を要しないとされている(同法48条16項2号、同法施行令130条2項1号、同法施行規則10条の4の3の表の1号ル)。)。これは、店舗の営業時間というソフト面によって、適用される用途制限の内容が異なることを示している。 このように、建築基準法の用途制限が建築物の運営計画というソフト面を考慮して適用されるものである以上、特例許可の許否の判断に際し、特定行政庁がソフト面を考慮することが同法の趣旨に反するとはいえない。 これに反する原告らの主張は採用できない。 なお、原告らは、本件事業者が本件配慮事項に挙げられたソフト面の取 組を履行しなかった場合に同法9条1項に基づく是正措置命令を発令するか否かは被告市長の裁量に委ねられているうえ、実際に発令する可能性は低いなどと主張するが、同命令を発令するか否か フト面の取 組を履行しなかった場合に同法9条1項に基づく是正措置命令を発令するか否かは被告市長の裁量に委ねられているうえ、実際に発令する可能性は低いなどと主張するが、同命令を発令するか否かが特定行政庁の裁量に委ねられているとしても、その裁量の逸脱又は濫用がある場合に、それによって権利利益を害される者の救済手段が全くないとは解されない。した がって、原告らの上記主張を考慮しても、特例許可の許否の判断に際して特定行政庁がソフト面を考慮することが建築基準法の趣旨に反するとはいえない。 次に、原告らは、建築基準法48条5項の趣旨に照らせば、延べ床面積が3000㎡を超えるホテルの建築について特例許可が許容されるのは 同地域における住居の環境を害するおそれがないことが明らかな場合に限定されると解すべきであり、その約2倍に相当する約5900㎡の延べ床面積を有する本件ホテルの建築は、特例許可が許容される場合でないことが明らかである旨の主張をする。 しかし、上記(1)ア及びイで説示したところによれば、同項は、大型商業 施設が建築された場合、不特定多数の人や車両が集まって継続的に騒音が発生すること等により住環境に影響を与えるおそれが否定できないことから、原則としてその建築を禁止しつつ、特定行政庁において個別具体的に想定される利用者や利用方法、住環境への影響等を考慮したうえで、「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」等と判断される 場合には例外的にその建築を許容することとしたものと解され、その判断は、第一種住居地域においてどのような住環境又は都市機能を確保するか、そのために大型商業施設のうちどのようなものの建築を禁止し又は許容するかという政策的な判断を伴うものと解される。 したがって 断は、第一種住居地域においてどのような住環境又は都市機能を確保するか、そのために大型商業施設のうちどのようなものの建築を禁止し又は許容するかという政策的な判断を伴うものと解される。 したがって、特定行政庁が特例許可をすることができる場合について、 「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがないことが明らかな場合」などと限定して解釈すべき理由はなく、また、延べ床面積のみをもって特例許可の許否を判断しなければならないものでもない。原告らの上記主張は採用できない。 裁量の逸脱又は濫用の有無について 原告らは、上記1(2)で取り上げた点のほかに、本件敷地周辺が第一種低層住居専用地域であること、本件ホテルの建築による交通上の支障、騒音及び景観上の支障並びに本件配慮事項の実効性を指摘して被告市長が本件特例許可をしたことについて裁量の逸脱又は濫用があると主張するので、以下、各点について検討する。 本件敷地周辺が第一種低層住居専用地域であることについて原告らは、本件敷地のうち約43%部分及び同敷地の南側の地域は、最も用途制限が厳しく、ホテルの建築が禁止される第一種低層住居専用地域(低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域)であり、本件ホテルの建築によって最も住環境に対する被害を受けるのは、同地域に居住す る住民であるから、本件特例許可の許否の判断に当たっては、同敷地周辺の良好な住居の環境を害するおそれがないかどうかが考慮されなければならない旨の主張をする。 しかし、前記前提事実(1)記載のとおり、本件敷地はその過半が第一種住居地域に属するため、その全体に第一種住居地域に係る用途制限が適用される (建築基準法91条)。そのため、本件特例許可に当たって考慮しなければな 1)記載のとおり、本件敷地はその過半が第一種住居地域に属するため、その全体に第一種住居地域に係る用途制限が適用される (建築基準法91条)。そのため、本件特例許可に当たって考慮しなければならないのは「第一種住居地域における住居の環境」であって、「第一種低層住居専用地域における良好な住居の環境」(同法48条1項)ではない。よって、被告市長が後者を考慮せずに本件特例許可をしたとしても、裁量の逸脱又は濫用があるとはいえない。 交通上の支障について原告らは、多数の宿泊客や従業員等が本件ホテルに車両で出入りすることで、本件道路の交通量や渋滞が増加する、そして、渋滞を回避するために生活道路を抜け道として利用する車両も増加し、本件敷地周辺での交通事故の危険が増すなどと主張する。 しかし、証拠(乙5)及び弁論の全趣旨によれば、平成30年9月28日午前7時から午後7時までの間の本件道路の交通量は10546台であったところ、本件ホテルの宿泊客や従業員等により1日に発生すると想定される交通量は114台(宿泊客につき30台(うち無料送迎バスにつき6台)、外部業者につき12台、従業員につき15台の合計57台の往復 分)であると認められ、本件ホテルによる交通量の増加率は約1.08%にとどまるものと考えられる。また、原告らが主張するとおり、4月や10月の観光ハイシーズンにおける本件道路の交通量が上記10546台を上回るとすれば、その時期における上記増加率は約1.08%より一層低くなると考えられる。そうすると、本件ホテルによる交通量への影響を 軽微なものと評価することが明らかに合理性を欠くとはいえない。 また、本件ホテルは、延べ床面積が約5900㎡であり、約40~87㎡(一般的な価格帯のホテルに比べて広 テルによる交通量への影響を 軽微なものと評価することが明らかに合理性を欠くとはいえない。 また、本件ホテルは、延べ床面積が約5900㎡であり、約40~87㎡(一般的な価格帯のホテルに比べて広い。)の客室を67室(約40㎡の客室が53室、約50㎡の客室が1室、約60㎡の客室が4室、約70㎡の客室が8室、約87㎡の客室が1室であり、客室だけで約3000㎡の 床面積を占める。)有するほか、茶室、土産処、バーラウンジ、食事処及び大浴場(温泉)等を備えている。この客室数や床面積等を踏まえると、延べ床面積が3000㎡で、客室の床面積を1室20㎡程度(一般的な価格帯のホテルの客室は、この程度の面積であることも少なくない。)とすることで本件ホテルの倍近い客室数を有するホテル(非制限建築物)を建築す ることも設計上は可能であると考えられる。そして、ホテルによって発生する交通量は、客室数のほか、物流の量や従業員の数の影響を受けるものと考えられるところ、本件ホテルにより発生すると想定される交通量(ただし、京都駅、本件ホテル及び嵐山を結ぶ区間の無料送迎バスの運行を前提としたもの。)と、延べ床面積が3000㎡で、本件ホテルの倍近い客室 数(1室20㎡程度)を有するホテル(非制限建築物)により発生すると想定される交通量を比較したとき、延べ床面積の広い本件ホテルの方が外部業者及び従業員により発生する交通量は多い可能性があることを踏まえても、客室数の違いを考慮すると、前者は後者を上回らないと評価することが明らかに合理性を欠くといえない。 そうすると、交通量への影響の点で、本件ホテルによって「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と評価することが明らかに合理性を欠くとはいえない。 また、原告らは そうすると、交通量への影響の点で、本件ホテルによって「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と評価することが明らかに合理性を欠くとはいえない。 また、原告らは、多数の宿泊客や従業員等が公共交通機関を利用することで、公共交通機関が混雑するなどと主張する。 しかし、本件ホテルによって発生すると想定される公共交通機関の利用者数と、延べ床面積が3000㎡で本件ホテルの倍近い客室数(1室20㎡程度)を有するホテル(非制限建築物)によって発生すると想定される公共交通機関の利用者数を比較したとき、客室数の違いを考慮すると、前者が後者を上回るとは考え難い。そうすると、仮に本件特例許可の許否の 判断に当たって、本件ホテルによる公共交通機関の利用者数への影響を考慮したとしても、この点で本件ホテルによって「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と評価することが明らかに合理性を欠くとはいえない。 以上のとおり、本件ホテルのハード面及び無料送迎バスの運行というソ フト面を考慮しただけでも、本件ホテルが交通に与える影響の点で「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と評価することが明らかに合理性を欠くとはいえない。 もっとも、前記前提事実(5)ウ及び(6)によれば、これに加えて、被告市長は、本件事業者が宿泊客に対して公共交通機関の利用を促すこと、公共 交通機関の混雑を抑制するために本件事業者が宿泊客に対して京都駅での手荷物預かりサービスを無料提供すること、生活道路を抜け道として利用する車両を抑制するために本件事業者がタクシー事業者に対して生活道路を利用しないように要請すること、本件敷地周辺での交通渋滞を軽減するために本件事業者が車寄せ内の混雑する時間帯に合わせて誘導 て利用する車両を抑制するために本件事業者がタクシー事業者に対して生活道路を利用しないように要請すること、本件敷地周辺での交通渋滞を軽減するために本件事業者が車寄せ内の混雑する時間帯に合わせて誘導スタ ッフを配置すること等(いずれも本件配慮事項に含まれる。)を本件特例許可の条件とすることによって、本件ホテルが交通に与える影響を更に軽減しようとしたものと認められる。この点を踏まえると、より一層、交通に与える影響の点で、本件ホテルによって「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と評価することが明らかに合理性を欠くとは いえないというべきである。 以上に対し、原告らは、本件道路の交通量が既に飽和状態で仁和寺の門前で慢性的に渋滞が発生していることや、公共交通機関の利用者が多く、既に利用困難な状態であることを理由に、交通量や公共交通機関の利用者を少しでも増加させる本件ホテルを建築することは「第一種住居地域にお ける住居の環境を害する」ものである旨を主張していると解することができる。 しかし、延べ床面積が3000㎡を超える共同住宅や延べ床面積が3000㎡以下の商業施設等の非制限建築物については、それが本件道路の交通量や公共交通機関の利用者の増加を伴うものであっても、本件敷地に建 築することができる。そうすると、本件ホテルによって本件道路の交通量や公共交通機関の利用者が増加するからといって、その増加の程度を考慮することなく当然に「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがある」と評価しなければならないものではない(前記1(1)ウ参照)。原告らの上記主張は採用できない。 また、原告らは、仮に本件事業者が本件特例許可に付された条件(本件配慮事項の履行)を遵守して、宿泊客に対 ければならないものではない(前記1(1)ウ参照)。原告らの上記主張は採用できない。 また、原告らは、仮に本件事業者が本件特例許可に付された条件(本件配慮事項の履行)を遵守して、宿泊客に対して公共交通機関の利用を促したり、タクシー事業者に対して生活道路を利用しないよう要請したりしたとしても、宿泊客やタクシー事業者がこれに応じるとは限らないから、交通上の支障の発生を確実に防止することはできない旨の主張をする。 しかし、上記ウで説示したところによれば、仮に本件事業者が宿泊客に対して公共交通機関の利用を促したり、タクシー事業者に対して生活道路を利用しないよう要請したりするという条件が付されていなくとも、本件ホテルが交通に与える影響の点で「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と評価することが明らかに合理性を欠くとはいえな い。そうすると、宿泊客やタクシー事業者が本件事業者の要請に応じない可能性があることは当裁判所の上記アからウまでの判断を左右するものではない。 騒音について原告らは、本件ホテルが建築されると本件敷地周辺の騒音が増加し、特に 夜間に宿泊客や従業員等が車両で出入りすることで現在の夜間の静けさが損なわれる、本件配慮事項では夜間の発生騒音を40dB以下にすることが計画されているが30dB(郊外の住宅地における夜間の騒音レベル)以下にしなければ現在の夜間の静けさは保たれないなどと主張する。 しかし、延べ床面積が3000㎡を超える共同住宅や延べ床面積が300 0㎡以下の商業施設等の非制限建築物については、周辺の騒音の増加を一定程度伴い、原告らが主張する現在の夜間の静けさを損なうものであっても本件敷地に建築することができる。そうすると、本件ホテルによって騒音が増 商業施設等の非制限建築物については、周辺の騒音の増加を一定程度伴い、原告らが主張する現在の夜間の静けさを損なうものであっても本件敷地に建築することができる。そうすると、本件ホテルによって騒音が増加し、現在の夜間の静けさが損なわれるからといって、その騒音の程度を考慮することなく、直ちに「第一種住居地域における住居の環境を害するおそ れがある」と評価しなければならないものではない。 そして、本件ホテル(延べ床面積が約5900㎡で客室数が67あり、塀や植栽の設置等の防音対策(本件配慮事項に含まれる。)がとられるホテル)によって発生すると想定される騒音の程度と、延べ床面積が3000㎡で本件ホテルの倍近い客室数(1室20㎡程度)を有するホテル(非制限建築物) によって発生すると想定される騒音とを比較したとき、本件ホテルの方が外部業者及び従業員により発生する騒音が大きい可能性があることを踏まえても、前者が後者を上回るとは考え難い。そうすると、本件ホテルにより発生する騒音の点で「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と評価することが明らかに合理性を欠くとはいえない。 景観上の支障について原告らは、3階建てで、周辺の住居の1.5倍以上の高さがある本件ホテルは地域住民に対して圧迫感を与えるものであり、住居の環境を害することは明らかであると主張する。 しかし、非制限建築物については3階建てで本件敷地周辺に対する圧迫 感を一定程度伴うものであっても本件敷地に建築することができる。そして、3階建ての非制限建築物と3階建ての本件ホテルとを比較したとき、それぞれがその高さによって周辺に与える圧迫感は同程度であると考えられるから、圧迫感の点で本件ホテルによって「第一種住居地域における住居の環境を 非制限建築物と3階建ての本件ホテルとを比較したとき、それぞれがその高さによって周辺に与える圧迫感は同程度であると考えられるから、圧迫感の点で本件ホテルによって「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と評価することが明らかに合理性を欠 くとはいえない。 また、原告らは、3階建ての本件ホテルが建築されると仁和寺の眺望及び仁和寺の門からの眺望が阻害され、仁和寺が世界文化遺産であるために必要な「完全性」及び「真正性」が毀損される旨の主張をする。 しかし、上記アで説示したとおり、本件ホテルではなく、3階建ての非 制限建築物が本件敷地に建築された場合であっても、原告らが主張する眺望は阻害されると考えられるのであるから、原告らの上記主張には理由がない。 また、そもそも建築基準法の用途制限は世界文化遺産の保護を目的としたものとは解されないから、この点を考慮することなく、本件ホテルにつ いて「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と評価することが明らかに合理性を欠くともいえない。 本件配慮事項の実効性について上記(1)から(4)までで説示したとおり、当裁判所は、本件ホテルのハード面のほか、無料送迎バスの運行及び防音対策というソフト面(いずれも本件 配慮事項に含まれる。)を考慮しただけでも、本件ホテルによって「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」と評価することが明らかに合理性を欠くとはいえないと思料する。 この点、原告らは、本件事業者が不当労働行為を繰り返す企業であること及び本件許可条件に含まれる本件覚書の締結さえ未だ履行していないことを 理由に本件事業者が本件配慮事項を履行しない可能性がある旨の主張をする。 しかし、本件事業者が行ったと認定され であること及び本件許可条件に含まれる本件覚書の締結さえ未だ履行していないことを 理由に本件事業者が本件配慮事項を履行しない可能性がある旨の主張をする。 しかし、本件事業者が行ったと認定された不当労働行為(前記前提事実(3)イ参照)と本件ホテルの運営とは無関係であるから、本件事業者が当該不当労働行為を行ったからといって、本件配慮事項を履行しない可能性が現実的にあるとはいえない。また、本件事業者が本件配慮事項の履行状況をどのよ うに記録し、どのようにこれを被告市長に報告するか等について定めた本件覚書を、別途、被告市長との間で交わすことが本件許可条件に含まれているところ(前記前提事実(6))、その目的に照らせば、同覚書は、本件特例許可後、本件ホテルの開業までの間に締結されることが想定されていると認められる。そうすると、本件ホテルの開業に至っていない現時点で本件覚書が締 結されていないからといって、本件事業者が本件配慮事項を履行しない可能性が現実的にあるということはできない。さらに、本件事業者が本件配慮事項を履行しない場合には、被告市長は、本件特例許可に付した条件の違反があったものとして、本件ホテルの完成後であっても建築基準法9条1項に基づく是正措置命令を出すことができると解されるから、本件事業者が本件配 慮事項を履行することは制度的に担保されているといえる(原告らは、被告市長が実際に是正措置命令を出す可能性は低いと主張するが、独自の見解に基づく主張であって採用できない。)。 小括以上によれば、被告市長が本件特例許可をしたことについて、裁量の逸脱又 は濫用があるとは認められない。 争点2(本件特例許可が建築基準法48条15項に反するか)についての判断本件公聴会について特定行政庁 市長が本件特例許可をしたことについて、裁量の逸脱又 は濫用があるとは認められない。 争点2(本件特例許可が建築基準法48条15項に反するか)についての判断本件公聴会について特定行政庁は、特例許可をする場合、あらかじめ、その許可に利害関係を 有する者の出頭を求めて公開により意見を聴取しなければならないところ(建築基準法48条15項)、被告市長は、本件特例許可に利害関係を有する者として、本件敷地から100m以内(別紙3-3「本件敷地周辺図3」参照)に土地建物を所有等する者の出頭を求めて本件公聴会を実施した(前記前提事実(5)エ)。 この点、原告らは、本件ホテルの建築は仁和寺の世界文化遺産としての価値を毀損するからその維持保全に関心を有する全ての人々が本件特例許可について利害関係を有する、また、本件ホテルの建築は交通上の支障を生じさせるからその影響を受ける全ての人々が本件特例許可について利害関係を有すると主張し、被告市長が本件敷地から100m以内に土地建物を所有等す る者に対してのみ出頭を求めて本件公聴会を実施したことは違法である旨の主張をするので、以下検討する。 前記第4の1(1)アで説示したとおり、建築基準法48条5項は、第一種住居地域内にカラオケボックス等や大型商業施設が建築された場合、一般的に想定される利用者や利用方法等に照らし、不特定多数の人や車両が集まって 継続的に騒音が発生すること等により周辺の住環境を害するおそれが否定できないことから、原則としてその建築を禁止しつつ、特定行政庁において個別具体的に想定される利用者や利用方法、周辺の住環境への影響等を考慮したうえで「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」等と判断される場合に例外的にその建築を許可する 行政庁において個別具体的に想定される利用者や利用方法、周辺の住環境への影響等を考慮したうえで「第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがない」等と判断される場合に例外的にその建築を許可することができるとしたもの と解される。 そして、建築基準法48条15項は、特例許可によって大型商業施設の建築予定地周辺の住環境が害されるおそれが否定できないことに照らし、特例許可によって住環境に影響を受けることが想定される同予定地周辺の住民に対し、同許可の手続に参加して意見を述べる機会を付与し、特定行政庁に対 し、その意見の聴取を義務付けることにより、用途制限によって保護されるべき上記住民の個別的な利益を保護するとともに、特定行政庁の判断の適正を担保しようとしたものと解される。 そうすると、特定行政庁が同項に基づき出頭を求めて意見を聴取すべき「利害関係を有する者」とは、特例許可がされた場合に用途制限によって保護さ れるべき個別的な利益を害される可能性がある大型商業施設の建築予定地周辺の住民をいうと解するのが相当である。 以上を踏まえて原告らの主張を検討するに、前記第4の2(4)イで説示したとおり、建築基準法の用途制限は世界文化遺産の保護を目的としたものとは解されないから、仁和寺の世界文化遺産としての価値の維持保全に関心を有 するからといって、その者が本件特例許可に「利害関係を有する者」に当たるとはいえない。 また、原告らは、本件敷地から100mの範囲外に居住する者であっても宿泊客や従業員等が本件ホテルに車両や公共交通機関で出入りをする結果、本件道路が渋滞したり、公共交通機関が混雑したりすることによって交通上 の支障を受けるから、本件特例許可に「利害関係を有する者」に当たると主張するものと解 入りをする結果、本件道路が渋滞したり、公共交通機関が混雑したりすることによって交通上 の支障を受けるから、本件特例許可に「利害関係を有する者」に当たると主張するものと解される。しかし、通常、道路の渋滞や公共交通機関の混雑は一つの建築物によってのみ発生するものではないし、道路や公共交通機関の利便性は一つの建築物の建築予定地周辺に居住する個々の住民に帰属する利益ではなく、これらを利用する者が一般的に享受する利益というべきである から、用途制限が道路の渋滞防止や公共交通機関の混雑防止を目的としているとも解されない。したがって、少なくとも、本件敷地から100mの範囲外に居住する者が交通上の支障を受けるからといって、直ちに本件特例許可に「利害関係を有する者」に当たるとはいえない。 本件審査会の同意について 原告らは、本件審査会が本件ホテルの運営計画(ソフト面)を考慮することは許されないにもかかわらずこれを考慮して本件特例許可に同意したこと、本件事業者が法律を遵守する健全な企業ではなく、上記運営計画を実行することは期待できないにもかかわらずこの点を考慮せずに本件特例許可に同意したことを理由に、その同意にはその判断過程に著しい瑕疵があるから、本件特例許 可は建築審査会の同意を得ずにされたものというべきである旨の主張をする。 しかし、特例許可の許否の判断に当たってソフト面を考慮することが許されることは、前記第4の1(2)イで説示したとおりであるし、前記第4の2(5)で説示したとおり、本件事業者が不当労働行為をしたと認定されたからといって、本件配慮事項(ソフト面の取組)を履行しない可能性が現実的にあるというこ ともできない。したがって、本件特例許可に同意した本件審査会の判断過程に瑕疵があるとはいえ たと認定されたからといって、本件配慮事項(ソフト面の取組)を履行しない可能性が現実的にあるというこ ともできない。したがって、本件特例許可に同意した本件審査会の判断過程に瑕疵があるとはいえず、原告らの上記主張は採用できない。 争点3(被告ERIに対する請求に訴えの利益があるか)についての判断建築基準法6条1項前段は、同項各号に掲げる建築物を建築しようとする建築主は、当該工事に着手する前にその計画が建築基準関係規定に適合するもの であることについて建築主事等の確認を受けなければならないと規定し、また、同項後段は、当該確認を受けた建築物の計画を変更して上記建築物を建築しようとする場合も同様とすると定めている。 建築基準関係規定に違反する建築物の建築を防止するという同項の趣旨及び同項後段の文理に照らすと、同項後段は、既に確認を受けた建築物の計画に変 更があった場合、当該変更部分についてのみ建築主事等の確認を受ければ足りるとするものではなく、変更後の建築計画全体が建築基準関係規定に適合することについて改めて建築主事等の確認を受けることを求めたものと解するのが相当である。 そうすると、建築確認変更処分がされた場合には、既存の建築確認は、その 効力が消滅すると解するのが相当である。 前記前提事実(7)記載のとおり、被告ERIは、令和5年12月1日、本件計画について本件建築確認をし、その後、本件計画の一部が変更されたため、令和6年4月30日、変更後の本件計画について本件変更処分をした。さらに、被告ERIは、本件計画の一部が再度変更されたため、令和6年12月18日、 本件変更処分後の本件計画について建築確認変更処分をした。 したがって、本件建築確認及び本件変更処分は、既にその効力が消滅している 本件計画の一部が再度変更されたため、令和6年12月18日、 本件変更処分後の本件計画について建築確認変更処分をした。 したがって、本件建築確認及び本件変更処分は、既にその効力が消滅していると認められるから、これらの取消しを求める訴えの利益は認められない。 結論 以上によれば、原告らの被告市に対する請求には理由がなく、原告Aらの被 告ERIに対する請求はいずれも不適法である(したがって、争点4について判断する必要はない。)。よって、主文のとおり判決する。 京都地方裁判所第3民事部 裁判長裁判官 植田智彦 裁判官 關 隆太郎 裁判官 岡本圭吾 別紙2関係法令等の定めの要旨 第1 都市計画法(令和4年法律第55号による改正前のもの。以下同じ。)都市計画の基本理念(2条)都市計画は、農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする。 都市計画区域都道府県は、市又は人口、就業者数その他の事項が政令で定める要件に該当する町村の中心の市街地を含み、かつ 土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする。 都市計画区域都道府県は、市又は人口、就業者数その他の事項が政令で定める要件に該当する町村の中心の市街地を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに人口、土地利用、交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要が ある区域を都市計画区域として指定するものとする。この場合において、必要があるときは、当該市町村の区域外にわたり、都市計画区域を指定することができる。(5条1項)都市計画区域については、都市計画に、用途地域として、第一種低層住居専用地域(低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域)、第 二種低層住居専用地域(主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域)、第一種中高層住居専用地域(中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域)、第二種中高層住居専用地域(主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域)、第一種住居地域(住居の環境を保護するため定める地域)、第二種住居地域(主として 住居の環境を保護するため定める地域)、準住居地域(道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域)、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域を定めることができる。(8条1項1号、9条1項~7項) 用途地域に関する都市計画は、市町村が定める。(15条1項)建築基準法建築確認建築主は、6条1項各号(省略)に掲げる建築物を建築しようとする等の場合、当該工事に着手する前に、その計画が建 用途地域に関する都市計画は、市町村が定める。(15条1項)建築基準法建築確認建築主は、6条1項各号(省略)に掲げる建築物を建築しようとする等の場合、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並 びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事等の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更 をして、同各号に掲げる建築物を建築しようとする等の場合も、同様とする。 (6条1項)6条1項各号に掲げる建築物の計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて、77条の18から77条の21までの規定の定めるところにより国土交通大臣又は都道府県知事が指定した者の確認を受け、国土交 通省令で定めるところにより確認済証の交付を受けたときは、当該確認は前条1項の規定による確認と、当該確認済証は同項の確認済証とみなす。(6条の2第1項)用途地域における建築物の用途制限等第一種住居地域における用途制限(48条5項) 第一種住居地域内においては、別表第2(ほ)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。 建築物の敷地が用途地域の内外にわたる場合の措置(91条) 建築物の敷地がこの法律の規定による建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する禁止又は制限を受ける区域、地域又は地 物の敷地が用途地域の内外にわたる場合の措置(91条) 建築物の敷地がこの法律の規定による建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する禁止又は制限を受ける区域、地域又は地区の内外にわたる場合においては、その建築物又はその敷地の全部について敷地の過半の属する区域、地域又は地区内の建築物に関するこの法律の規定又はこの法律に基づく命令の規定を適用する。 利害関係人の意見聴取及び建築審査会の同意特定行政庁は、48条1項から14項までのただし書の規定による許可(以下「用途許可」という。)をする場合には、あらかじめ、その許可に利害関係を有する者の出頭を求めて公開により意見を聴取し、かつ、建築審査会の同意を得なければならない。(48条15項) 建築審査会の設置用途許可の同意等を行わせるために、建築主事を置く市町村及び都道府県に、建築審査会を置く。(78条1項)建築審査会は、委員5人以上をもって組織する。(79条1項)建築審査会の委員は、法律、経済、建築、都市計画、公衆衛生又は行政 に関しすぐれた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者のうちから、市町村長又は都道府県知事が任命する。(同条2項)許可に対する条件及びその違反に対する是正措置この法律の規定による許可には、建築物又は建築物の敷地を交通上、安全 上、防火上又は衛生上支障がないものとするための条件その他必要な条件を付することができる。この場合において、その条件は、当該許可を受けた者に不当な義務を課するものであってはならない。(92条の2)特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築 であってはならない。(92条の2)特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築 主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な 措置をとることを命ずることができる。(9条1項)別表第2(用途地域等内の建築物の制限)(抜粋)(い)第一種低層住居専用地域内に建築することができる建築物 1 住宅 2 住宅で事務所、店舗その他これらに類する用途を兼ねるもののうち政令で定めるもの 3 共同住宅、寄宿舎又は下宿 4 学校(大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校を除く。)、図書館その他これらに類するもの 5 神社、寺院、教会その他これらに類するもの 6 老人ホーム、保育所、福祉ホームその他これらに類するもの 7 公衆浴場(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)2条6項1号に該当する営業(以下この表において「個室付浴場業」という。)に係るものを除く。) 8 診療所 9 巡査派出所、公衆電話所その他これらに類する政令で定める公益上必要な建築物 10 前各号の建築物に附属するもの(政令で定めるものを除く。)(は) 第一種中高層住居専用地域内に建築することができる建築物 1 (い)項1号から9号までに掲げるもの 2 大学、高等専門学校、専修 の建築物に附属するもの(政令で定めるものを除く。)(は) 第一種中高層住居専用地域内に建築することができる建築物 1 (い)項1号から9号までに掲げるもの 2 大学、高等専門学校、専修学校その他これらに類するもの 3 病院 4 老人福祉センター、児童厚生施設その他これらに類するもの 5 店舗、飲食店その他これらに類する用途に供するもののうち政令で定めるものでその用途に供する部分の床面積の合計が500㎡以内のもの(3階以上の部分をその用途に供するものを除く。) 6 自動車車庫で床面積の合計が300㎡以内のもの又は都市計画として決定されたもの(3階以上の部分をその用途に供するものを除く。) 7 公益上必要な建築物で政令で定めるもの 8 前各号の建築物に附属するもの(政令で定めるものを除く。) (ほ)第一種住居地域内に建築してはならない建築物 1 (へ)項1号から5号までに掲げるもの 2 マージャン屋、ぱちんこ屋、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類するもの 3 カラオケボックスその他これに類するもの 4 (は)項に掲げる建築物以外の建築物の用途に供するものでその用途に供する部分の床面積の合計が3000㎡を超えるもの(政令で定めるものを除く。)以上 別紙3-1本件敷地周辺図1 別紙3-2本件敷地周辺図2 別紙3-3本件敷地周辺図3 別紙4配慮事項一覧 別紙5本件審査会同意理由一覧 第1 騒音、振動について低騒音型の機器の選定、大型設備の屋内設置、防音性の高い建物構造(鉄筋コンクリート造、防音サッシ)、隣地からの離隔距離の確保、塀や植栽の設置の対策を行う。 荷捌きスペースや待機スペースに高さ2mの塀や高さ3mの植栽を設置する。 防振基礎の設置により、設備機器による発生振動を、住居系地域の夜間の環境基準である55dB以下とする。 臭気について厨房などの臭気について、煙脱臭装置を設置し、敷地境界線から離れた場所の屋上排気とする。 温泉の臭気について、泉質は臭いのない塩化物泉又は単純泉と推定される。 大浴場を北側に配置し、排気を北側とする。 圧迫感、視線について道路境界線からの外壁後退距離を5m以上確保したうえで、道路境界線と建築物の間に高木や塀を配置する。 西面の開口部は最小限とし、客室にバルコニーを設置しない。 3階南面の窓について、ケンドン式障子又は木格子を設置する。3階西面の窓について、ガラスフィルム等を用いる。3階南東角の坪庭に面する窓は地窓とする。 建築物の高さを10m以下とし、3階壁面を1階及び2階から900mm後 退させる。 建築物のボリュームを3つに分節したうえで、寄棟屋根とし、壁面の長大感を低減させる。 交通について自家用車は、SDGs達成への貢献及びCO2削減の観点からも、原則ハン ディキャ リュームを3つに分節したうえで、寄棟屋根とし、壁面の長大感を低減させる。 交通について自家用車は、SDGs達成への貢献及びCO2削減の観点からも、原則ハン ディキャップのある方や高齢者等、自家用車が必要な方以外の利用は行わないこととし、施設運営に必要最小限の駐車場を確保する。 予約時に公共交通機関による来館を推奨し、公共交通機関による来館を楽しめるよう、ルートごとの周辺施設の紹介も行う。 京都駅までの無料送迎車両を運行する。あわせて、嵐山と京都駅間の無料送 迎車両も運行する。 京都駅での手荷物預かりサービスを無料提供する。 車両は、本件道路を通ることとし、南側の生活道路や一条通を通らずに来館するように周知する。 宿泊客への事前の注意喚起や周辺や車寄せ内の混雑する時間帯に合わせた誘 導スタッフの配置により、施設周辺の交通混雑を軽減し、施設利用客と周辺地域の安全を確保する。 周辺道路の通行環境における現状と課題を把握し、改善に向けた対策により、歩行者の安全性の向上を図る。 地域貢献について 地域との協議を重ね、地域交流イベントの開催、地域催事への参加、宿泊客への周知啓発及び防災計画等について十分な計画がなされている。 以上別紙6用途制限一覧 〇は建築可能、×は建築禁止、▲は当該用途部分が3階以上にある場合又は延べ床面積の合計が1500㎡を超える場合は建築禁止、△は延べ床面積が3000㎡を超える場合は建築禁止。ただし、これらの建築禁止の建築物も建築基準法48条1項から7項までのただし書による用途許可があれば建築可能。 第一種低層住居専用地域第二種低層住居専用地域第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域第一種住 ら7項までのただし書による用途許可があれば建築可能。 第一種低層住居専用地域第二種低層住居専用地域第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域第一種住居地域第二種住居地域準住居地域住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、小・中学校、高等学校、幼稚園、保育所、図書館、神社、寺院、教会、老人ホーム、福祉ホーム、診療所〇〇〇〇〇〇〇一定の店舗等で、店舗等の床面積が150㎡以下のもの×〇〇〇〇〇〇病院、老人福祉センター、児童厚生施設、大学、高等専門学校、専修学校××〇〇〇〇〇一定の店舗等で、店舗等の床面積が500㎡以下のもの××〇〇〇〇〇上記以外の店舗等×××▲△〇〇ホテル、旅館、ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ・バッティング練習場、自動車教習所××××△〇〇カラオケボックス、マージャン屋、ぱちんこ屋、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場×××××〇〇劇場、映画館、演芸場又は観覧場で客室部分の床面積が200㎡未満のもの××××××〇劇場、映画館、演芸場又は観覧場で客室部分の床面積が200㎡以上のもの、ナイトクラブ×××××××

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