昭和47(オ)342 報酬金請求

裁判年月日・裁判所
昭和48年11月30日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 昭和45(ネ)841
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告人の上告理由第一点ないし第六点について。  一 所論の点に関する原審の事実

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判決文本文2,609 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告人の上告理由第一点ないし第六点について。 一所論の点に関する原審の事実認定は、原判決の挙示する証拠に照らして首肯するに足り、右事実関係は、(一) 上告人は弁護士であるところ、昭和三九年六月被上告会社より東京地方裁判所昭和三五年(ワ)第九七二六号家屋明渡請求事件(原告D産業株式会社、被告被上告会社、以下、これを甲事件という。)につき、また、亡Eより同裁判所昭和三六年(ワ)第三三九二号所有権確認並びに土地建物所有権移転登記抹消登記手続請求事件(原告E、被告D産業株式会社・F、以下、これを乙事件という。)につき、それぞれその控訴提起および控訴審における訴訟追行を目的とする訴訟代理を受任して控訴を提起し、同年八月上告人とE、被上告会社(当時Eがその代表者)らとの間において、「成功報酬は取得利益の二割とする。ただし、成功とは、勝訴、和解、調停の成立をいう。E、被上告会社らが上告人の承諾をえないで和解、請求の放棄、取下をし、または、他人に訴訟代理を委任し、もしくは、E、被上告会社らの都合で上告人との間の委任契約を解除した場合には、委任事務処理の程度如何にかかわらず成功とみなして右成功謝金全額を即日支払う。」旨の報酬契約がなされたところ、右控訴事件が東京高等裁判所に係属中(同裁判所昭和三九年(ネ)第一五二四号事件)、E、被上告会社らは、昭和四一年一〇月下旬上告人を介しないで右事件の被控訴人であつたD産業株式会社との間で裁判外の和解をし、右控訴を取り下げるに至つた。 (二) 右報酬契約においては、無断の和解、取下の事由についてはなんらの限定- 1 -もされていないが、上告人が所属する弁護士会制定の弁護士報酬規定によれば、 をし、右控訴を取り下げるに至つた。 (二) 右報酬契約においては、無断の和解、取下の事由についてはなんらの限定- 1 -もされていないが、上告人が所属する弁護士会制定の弁護士報酬規定によれば、その五条に、「依頼者が受任者の責によらない事由で解任し、あるいは無断で取下、……和解等をなし……たときは成功と看做し……」とあつて、この規定は、所属弁護士が必ず遵守すべきものとされている。 (三) E、被上告会社らは、甲、乙両事件について、第一審でも上告人に訴訟代理を委任し、委任当初から和解による解決をもはかるよう依頼したが、上告人は訴訟の見通しにつき強気の見解を有し、第一審においては和解の機会をもつことなく、E、被上告会社らは、右両事件につきほぼ全面的に敗訴したうえ、被上告会社は右甲事件についての仮執行宣言付判決に基づく家屋占有による損害金債権の執行としてされた被上告会社の売掛金債権の差押につき、上告人に委任して保証を立てることを条件とする右執行の取消決定をえたが、上告人が該決定の発せられたことを被上告会社に連絡しなかつたため、保証を立てる機会もないまま執行は続行され、その結果、高額の売掛金債権の取立を受け、さらに、右仮執行宣言付判決による家屋明渡の執行により工場操業停止のやむなきに至り、そのための損害が累積していく立場に追い込まれ、また、控訴審における訴訟の結果について少なからぬ不安があつたので、Eは、上告人に対し再三和解による解決を依頼したが、上告人は、和解の成立の機会があつたのにそのための努力をせず、むしろ、右依頼をかたくなに斥けてきたものである(原判決理由参照)、というのである。 二(一) 右事実によれば、本件報酬契約においては、無断の和解、取下の事由についてはなんらの限定もされていないが、前記弁護士報酬規定の定めと、委任にお である(原判決理由参照)、というのである。 二(一) 右事実によれば、本件報酬契約においては、無断の和解、取下の事由についてはなんらの限定もされていないが、前記弁護士報酬規定の定めと、委任における信義則とを考慮するならば、本件報酬契約においても、依頼者の無断の和解、取下等が受任者の責に帰すべき事由によるものであるときは、いわゆるみなし成功報酬の特約はその効力を生じないものと解するのが相当である。 - 2 -(二) しかるところ、上告人は、前記のような事情のもとに、E、被上告会社らから和解による事件の解決を依頼されたが、このような場合、上告人としては、たとい控訴審で勝訴の見込みを持つていたとしても、敗訴の第一審に自ら関与したことや、自己の手落もあつて前記執行によりE、被上告会社らが窮状に陥つたことに思いを至し、いたずらに自己の主観的確信にこだわることなく、E、被上告会社らのため、早期に、かつ、できるかぎり有利な和解をはかるよう努めるべきものであり、ましてや、E、被上告会社らからの和解の依頼が再三に及び、また、和解成立の機会もあつた以上、これに従い右の努力をするのが受任者の義務であるというべきであるのに、上告人は、右の努力をせず、むしろ、E、被上告会社らの和解の依頼をかたくなに斥けてきたというのであるから、E、被上告会社らが、上告人を介せず無断で和解、控訴の取下をするに至つたのもやむをえないことであり、このような場合は、E、被上告会社らの右無断の和解、取下は、上告人の責に帰すべき事由によるものというべきであつて、本件みなし成功報酬の特約は、その効力を生じない。したがつて、右特約に基づき成功報酬の支払を求める上告人の請求は、その理由がない。 これと同趣旨の原判決は正当として是認するに足り、その過程に所論の違法は認められない。論旨は、 の効力を生じない。したがつて、右特約に基づき成功報酬の支払を求める上告人の請求は、その理由がない。 これと同趣旨の原判決は正当として是認するに足り、その過程に所論の違法は認められない。論旨は、採用することができない。 同第七点ないし第九点について。 所論の各点に関する原審の認定判断は、原判決の挙示する証拠に照らして首肯するに足り、その過程に所論の違法は認められない。論旨は、いずれも採用することができない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷- 3 -裁判長裁判官小川信雄裁判官岡原昌男裁判官大塚喜一郎裁判官吉田豊- 4 -

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