令和6(わ)3 業務上横領

裁判年月日・裁判所
令和7年2月27日 長野地方裁判所 伊那支部
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判決文本文1,645 文字)

令和7年2月27日宣告令和6年(わ)第3号、第6号、第12号、第18号 主文 被告人を懲役7年に処する。 未決勾留日数中270日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、A株式会社の経理責任者として経理業務全般を統括し、同社名義の預金管理等の業務に従事していた分離前相被告人Bの長男であるが、同人と共謀の 上、長野県駒ヶ根市(以下省略)株式会社C銀行D支店に開設されたA株式会社名義の普通預金口座(口座番号▲▲▲▲▲▲)の預金を同人が同社のために業務上預り保管中、別表(別表省略、以下同じ)第1ないし第7記載のとおり合計8回にわたり、別表「日時」欄記載の年月日時刻に、同支店において、別表「目的」欄記載の目的で、同普通預金口座から別表「振替先口座」欄記載の口座に、別表「金額」 欄記載の金員(合計9億0490万3115円)を振替入金し、もって横領したものである。 (法令の適用) 1 罰条判示各所為それぞれ刑法65条1項、60条、253条(判示第6の 所為については包括して適用。判示各所為について、被告人には業務上占有者の身分がないので、いずれも同法65条2項により同法252条1項の刑を科する。) 2 併合罪の処理刑法45条前段、47条本文、10条(犯情の最も重い判示第6の罪の刑に法定の加重) 3 未決勾留日数算入刑法21条 4 訴訟費用刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)(量刑の理由) 1 本件の量刑上、最も重視すべき事情は、被害会社から横領した被害額が9億円を超える巨額なものと 1条 4 訴訟費用刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)(量刑の理由) 1 本件の量刑上、最も重視すべき事情は、被害会社から横領した被害額が9億円を超える巨額なものということである。そして、被告人は、無計画かつ身の程をわきまえない支出を重ねて金銭的に困窮し、父にたびたび金銭を無心して、繰り返 し被害会社から金銭を受領していた。横領した金銭のうち少なくない金額は、浪費というほかない遊興費等に充てられた。このような、自己中心的かつ利欲的な態度は、被告人に対する非難の度合いを更に高めている。 また、本件犯行は、被害会社の経理責任者であった被告人の父の関与なくしてなし得ないものであったものの、被告人が金銭を要求しなければ父が本件犯行に及ぶ ことはなかったという意味で、被告人は主導的な立場にあったというべきである。 加えて、横領した金銭の全額は被告人のために費消されており、被告人は犯罪による利益の全部を享受している。そのため、被告人は、業務上占有者の身分がなかったといえども、共犯者である父と対等以上の立場で、重要な役割を担ったというべきである。被告人が父による横領の具体的な手口を認識していなかったのは、被告 人が被害会社に所属しておらず、業務上占有者の身分がなかったためにすぎないから、被告人が本件犯行において果たした役割の評価を左右する事情とはいえない。 これらの事情に照らし、本件の犯情は極めて悪いというほかなく、被告人の刑事責任は重大である。そのため、量刑は、処断刑の上限から大きく動くことはない。 2 被告人は、被害会社に対して他人名義で1000万円を振込送金して、被害 を一部回復させたものの、その金額は被害額に照らして微々たるものにすぎず、考慮するにも限度がある。これに、前科前歴のない被告人 人は、被害会社に対して他人名義で1000万円を振込送金して、被害 を一部回復させたものの、その金額は被害額に照らして微々たるものにすぎず、考慮するにも限度がある。これに、前科前歴のない被告人が本件を認め、謝罪の弁を述べていることを多少斟酌した上で、被告人の友人が被告人を監督する旨述べたことを踏まえても、主文掲記の刑を科すことはやむを得ない。 (求刑:懲役7年6月) 令和7年2月27日長野地方裁判所伊那支部 裁判官五味亮一

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