【DRY-RUN】- 1 - ○ 主文 原判決を取り消す。 被控訴人の請求を棄却する。 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求めた裁判 一 控訴人 (本案前) 1 原判決を取り消す。
- 1 - ○ 主文 原判決を取り消す。 被控訴人の請求を棄却する。 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求めた裁判 一 控訴人 (本案前) 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人の訴えを却下する。 3 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。 との判決 (本 案) 主文同旨の判決 二 被控訴人 控訴棄却の判決 第二 当事者双方の主張及び証拠関係 原判決七枚目表二、三行目の「その旨の所有権移転登記が経由され」を「同人のために所 有権保存登記が経由され」と改め、当審における当事者双方の主張として次のとおり付加 するほか、原判決事実摘示及び当審記録中の書証目録記載のとおりであるから、これを引 用する。 一 控訴人 1 地目変更登記申請を却下する決定の処分性について 表示に関する変更登記及び同登記申請却下処分自体は、何ら土地所有者の権利義務を形成 し、又はその範囲を確定する効力を有しない。それにもかかわらず、申請権に関する規定 が存在することを理由に右の却下処分を抗告訴訟の対象とすることは、本来訴えの対象と されない行為を別異の構成をとることによつて訴えの対象に取り込もうとするものであつ て、このような方法を是認すべき特段の合理的な事由がない限り許されるべきではない。 そして、右の却下処分につき特にこのような構成をとつてまで抗告訴訟の対象とすべき特 段の合理的な事由は存在しない。 2 本件土地の農地性について 登記の地目を認定するに当たつては、当該土地の現況及び利用目的に重点を置き、部分的 に僅少の差異が存在するときでも土地全体としての状況を観察して定めるものとされてい る(不動産登記事務取扱手続準則一一七条。そして、田や畑は耕作をしないで放置して ) お くと雑草が生い茂つて原野に近い様相を呈することは否めないが、その場合にも、田や畑 の 察して定めるものとされてい る(不動産登記事務取扱手続準則一一七条。そして、田や畑は耕作をしないで放置して ) お くと雑草が生い茂つて原野に近い様相を呈することは否めないが、その場合にも、田や畑 の形状が残つているか否か、雑草の種類、その繁茂の程度、雑草が容易に除却できて耕作 地に回復することが困難といえるか否か、その形質が人工的に変更されたものか否か、更 には、現況の土地の利用が本来的な利用か一時的な利用か、人の手の入つていない原野と 本質的に同一に扱うべきか否かという観点から農地性の有無を判断すべきものとされてい - 2 - る。 そこで、これらの観点から本件土地について検討するに、本件土地には畝の跡が数箇所に 存在すること、 本件土地に繁茂している雑草はすすき、隈笹であつて、耕作を止めてから自生しているも のであり人工的な改変は加えられていないこと、特に二六〇番一の土地の表土は本件決定 時には比較的柔らかく、その後もスコツプを土中に入れることが容易な状態に保たれてい ること、本件土地を耕作地として復元するためには昭和六二年当時において八三万円要す るものの、右費用は本件決定時にはより少ないものであるということができ、右費用が本 件土地の競売価格(合計三五一万円)に比し著しく高額ともいえないこと、また、本件土 地は耕作地が放置されたにすぎない土地であり、本来営農地として利用されることが予定 されている土地であることからすれば、本件土地の現況はいまだ農地性を失つていないと 認定されてしかるべきである。 しかも、本件土地は農業振興地域内に所在する土地であり、周辺土地はいずれも畑として 現に耕作中の土地である。農業振興地域の指定は、農業の振興を図ることが相当であると 認められた地域について、農業の健全な発展を目的としてなされるものであり(農振法一 条、農業振興地域にあつては 畑として 現に耕作中の土地である。農業振興地域の指定は、農業の振興を図ることが相当であると 認められた地域について、農業の健全な発展を目的としてなされるものであり(農振法一 条、農業振興地域にあつては地域全体を農用地等として合理的に利用することが要求さ ) れ ている(同法六条。したがつて、農用地区域内にある土地が指定された用途(農用地) ) に 供されていない場合には、目的達成のため特定利用権の設定を含も措置をとることができ るとされており(同法一四条以下、他方、農用地区域内においては開発行為や農用地等 ) 以 外への転用も制限されている(同法一五条の一五以下、一七条。そうであれば、農業振 ) 興 地域に指定されていること自体、その土地の利用目的が制限されていることを意味するの であるから、このことは本件土地の農地性を判断するに当たつては十分考慮されるべき事 情である。そして、本件土地を安易に原野(非農地)と認定することは、右農業振興計画 を阻害することはもとより、本件土地が耕作されない土地であることから生ずる害虫の発 生等、周辺の耕作地に対する悪影響を助長することにもなり、許されるべきではない。 このような本件土地の周辺の状況やこれが農業振興地域内の耕作地であつたことからすれ ば、その利用目的は農地というべきであり、この点からも本件土地はいまだ農地性を有し ているというべきである。 二 被控訴人 1 控訴人の前記主張はいずれも争う。 2 本件土地の農地性について 農地性の認定はその土地の客観的事実状態を基準とすべきであつて農地とは、現に耕作さ れているか、又は耕作されていなくても一時的な休耕地であつて、耕作しようとすればす ぐ耕作できる土地であると客観的に認められるものをいう。 この観点からすれば、本件土地は、その何割かについてはいまだ農地として荒起こしすら されず原野 くても一時的な休耕地であつて、耕作しようとすればす ぐ耕作できる土地であると客観的に認められるものをいう。 この観点からすれば、本件土地は、その何割かについてはいまだ農地として荒起こしすら されず原野のまま放置されていた土地であり、また、かつて耕作されていた部分も、放置 - 3 - されて既に十数年経過しているため隈笹やすすきが全面に密生し、根張りが厚く層をなし ていて、機械力によつてしか復元し得ない状態になつている以上、農地とは到底認められ ない。 控訴人は、本件土地が農業振興地域内にあること、周辺土地が農地として利用されている こと等を考慮すべきであると主張するが、農地性の認定基準は前記のとおりであつて、県 や村の政策であるとか、付近住民の主観的意図が農地性の認定にかかわりをもたないこと は当然というべきである。 ○ 理由 第一 控訴人の本案前の主張についての判断 当裁判所も、不動産登記法上、登記簿の地目の表示に重大な利害を有する当事者に地目変 更登記についての手続上の申請権が認められており、登記官の地目変更登記の申請を却下 する旨の決定は、右の手続上の申請権を侵害するものとして抗告訴訟の対象である行政庁 の処分に当たると解するのが相当であると判断するものであるが、その理由は、原判決七 枚目裏七行目から原判決一〇枚目裏二行目までの説示のとおりであるから、これを引用す る。 したがつて、控訴人の本案前の主張は理由がない。 第二 本案についての判断 一 請求原因一項及び二項の事実は当事者間に争いがない。 二 そこで、本件土地の農地性につき検討するに、本件決定時の前後における本件土地の 状況等の事実についての当裁判所の認定は、次のとおり付加、訂正するほか、原判決一〇 枚目裏七行目から原判決一五枚目裏七行目までの認定のとおりであるから、これを引用す る。 1 原判決一〇枚目裏八 土地の 状況等の事実についての当裁判所の認定は、次のとおり付加、訂正するほか、原判決一〇 枚目裏七行目から原判決一五枚目裏七行目までの認定のとおりであるから、これを引用す る。 1 原判決一〇枚目裏八行目の「第二号証」の次に「乙第一号証」を加え、同九行目 、 、 の 「乙第一号証」を削除する。 、 2 原判決一一枚目裏九行目の「その後」から同末行の「受けた」までを「その後昭 、 。 和 四七年度に、本件土地を含むその周辺地域は、農振法六条に基づき農業振興地域、農用地 区域に指定された」と改める。 。 3 原判決一二枚目裏一〇行目の「記載をした」の次に「なお、同人は、原審における ( 証 人尋問の際、現況地目を「原野」と記載したことにつき、これは原野状を呈しているとい うことを言わば簡略化して記載したもので、むしろ不耕作地と記載した方が適切であつた かと思う旨述べている 」を加える。 。) 4 原判決一三枚目表八行目の「宇都宮法務局」を「宇都宮地方法務局」と改める。 5 原判決一四枚目表二行目の「背丈以上の高さの」を削除する。 、 「 」 「( 、 、 6 原判決一四枚目表三 四行目の 灌木が存在した の次に これらの灌木は 防風 土留などの目的で植栽されたものであり、訴外Aが耕作を止めた後に自生したものではな い 」を加える。 。) 三 右の事実によれば、本件土地は、本件決定のなされた昭和五七年一二月一六日当時に - 4 - は、訴外Aがその耕作を止めてから約八年が経過し、その間荒れるに任せて放置されてい たため、全体的にすすきや隈笹が密生し、また、二六〇番一の土地には小さな灌木も散在 していて(なお、同地の中央部にある垣根状の灌木は、人工的に植栽されたものであるか ら、農地性が失われたとする根拠とすることはできない 、原野に近い外観を呈してい 。) た ことは否定すること 木も散在 していて(なお、同地の中央部にある垣根状の灌木は、人工的に植栽されたものであるか ら、農地性が失われたとする根拠とすることはできない 、原野に近い外観を呈してい 。) た ことは否定することができない。 7 しかしながら、本件土地には、一部に畝の跡らしいものも残つており、表土も比較的 柔らかい部分があつたなど、いまだ畑の形状、形質が失われていたものではないし、これ を耕作可能な状態に復元するには昭和六二年六月の時点で約八三万円の費用を要する(本 件決定当時にはより少ない費用で復元できたものと推定される)ところ、右は本件土地 。 の 競落価格合計三五一万円と比べてさほど高額ということはできず、したがつて、機械力に 頼る必要があるとはいえ、費用の面からすれば、本件土地を耕作可能な状態へ復元するの は必ずしも困難ということはできない。なお、本件土地は、前述のとおり農業振興地域、 農用地区域に指定されていて、控訴人の主張するように、農振法の規定により農業上の利 用の確保、促進が図られ、開発行為や農用地等以外への転用は制限されており、また、隣 接地は現に畑として耕作されている事実に照らせば、本件土地の最も有効適切な利用方法 が農地(畑)であることが明らかである。 以上の諸点を考慮すると、本件決定当時、本件土地はいまだ全体として農地性を失つてい なかつたものと判断される。 四 したがつて、本件決定に被控訴人主張の違法は存在しない。 第三 結論 以上によれば、被控訴人の本訴請求は理由がないからこれを棄却すべきであり、これと異 なる原判決は失当であつて、本件控訴は理由がある。 よつて、原判決を取り消したうえ、被控訴人の請求を棄却することとし、訴訟費用の負担 につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九六条、八九条を適用して、主文のとおり判決す る。 (裁判官 森 綱郎 友納治夫 河邊義 、原判決を取り消したうえ、被控訴人の請求を棄却することとし、訴訟費用の負担 につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九六条、八九条を適用して、主文のとおり判決す る。 (裁判官 森 綱郎 友納治夫 河邊義典)
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