- 1 -主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求目黒区長が亡aに対し平成17年3月4日付けでした介護給付費不支給決定処分を取り消す。 第2事案の概要本件は,介護保険法(平成17年法律第77号による改正前のもの。以下「法」という)に定める指定居宅サービス事業者から,指定居宅サービスに。 該当する訪問介護を受けたとして,その費用につき,法に定める保険給付である居宅介護サービス費の支給を申請し,不支給の決定処分を受けた後に死亡した要介護被保険者の相続人である原告が,被告に対し,その不支給決定処分の取消しを求める事案である。 関係法令の定め(1)居宅介護サービス費の支給についてア法41条1項本文は,市町村(特別区を含む(法9条。以下同じ))。 は,要介護認定を受けた被保険者(以下「要介護被保険者」という)の。 うち居宅において介護を受けるもの(以下「居宅要介護被保険者」という)が,都道府県知事が指定する者(以下「指定居宅サービス事業者」。 という)から当該指定に係る居宅サービス事業を行う事業所により行わ。 。 ,れる居宅サービス(以下「指定居宅サービス」という)を受けたときは当該居宅要介護被保険者に対し,当該指定居宅サービスに要した費用について,居宅介護サービス費を支給すると定めている。 イ法41条4項は,居宅介護サービス費の額は,当該指定居宅サービスに要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定- 2 -した費用の額(その額が現に当該指定居宅サービスに要した費用の額を超えるときは,当該現に指定居宅サービスに要した費用の額とする)の1。 00分の90に相当する額とすると定めている。 ウ法41条4項の厚生労働大臣が定める基準である「 居宅サービスに要した費用の額を超えるときは,当該現に指定居宅サービスに要した費用の額とする)の1。 00分の90に相当する額とすると定めている。 ウ法41条4項の厚生労働大臣が定める基準である「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号。 」ただし,平成17年厚生労働省告示第279号による改正前のもの。以下「本件告示」という)は,指定居宅サービスに要する費用の額は,別に。 厚生労働大臣が定める一単位の単価に本件告示の別表「指定居宅サービス介護給付費単位数表」に定める単位数を乗じて算定するものとすると定めている。 (2)居宅サービスとしての訪問介護についてア法7条5項は,法において「居宅サービス」とは,訪問介護,訪問入浴介護,訪問看護等をいうと定め,同条6項は,法において「訪問介護」とは,要介護者又は要支援者であって,居宅において介護を受けるもの(以下「居宅要介護者等」という)について,その者の居宅において介護福。 祉士その他政令で定める者により行われる入浴,排せつ,食事等の介護その他の日常生活上の世話であって,厚生労働省令で定めるものをいうと定めている。 イ介護保険法施行規則(平成18年厚生労働省令第32号による改正前のもの。以下「施行規則」という)5条は,法7条6項の厚生労働省令で。 定める日常生活上の世話は,入浴,排せつ,食事等の介護,調理,洗濯,掃除等の家事(居宅要介護者等が単身の世帯に属するため又はその同居している家族等の障害,疾病等のため,これらの者が自ら行うことが困難な家事であって,居宅要介護者等の日常生活上必要なものとする,生活。)等に関する相談及び助言その他の居宅要介護者等に必要な日常生活上の世話とすると定めている。 - 3 -ウ本件告示の別表は「訪問介護費」の ,居宅要介護者等の日常生活上必要なものとする,生活。)等に関する相談及び助言その他の居宅要介護者等に必要な日常生活上の世話とすると定めている。 - 3 -ウ本件告示の別表は「訪問介護費」の項において,指定居宅サービスに,該当する訪問介護(以下「指定訪問介護」という)に要する費用に係る。 単位数につき,①身体介護が中心である場合で,所要時間30分未満の場合は231単位,所要時間30分以上1時間未満の場合は402単位,所要時間1時間以上の場合は584単位に所要時間1時間から計算して所要時間30分を増すごとに83単位を加算した単位数とし,②生活援助が中心である場合で,所要時間30分以上1時間未満の場合は208単位,所要時間1時間以上の場合は291単位に所要時間1時間から計算して所要時間30分を増すごとに83単位を加算した単位数とし,③通院等のための乗車又は降車の介助が中心である場合は100単位とすると定め,同項の注1において,所定単位数の算定方法につき,現に要した時間ではなく,訪問介護計画に位置付けられた内容の指定訪問介護を行うのに要する標準的な時間で所定単位数を算定すると定めている。 本件の経緯に関する事実(当事者間に争いがない)。 ,(1)亡aは,被告から要介護認定を受けた要介護被保険者であった者であり亡aの要介護状態区分は,平成15年7月から平成16年6月までが要介護5,平成16年7月以降が要介護4であった。 ,(2)亡aは,平成16年4月から同年12月までの間に指定訪問介護を受けその費用として328万6000円を支払ったとして,平成17年2月14日,被告に対し,居宅介護サービス費の支給申請をした(以下「本件申請」という。 。)(3)目黒区長は,平成17年3月4日付けで,本件申請について,不支給とする旨の たとして,平成17年2月14日,被告に対し,居宅介護サービス費の支給申請をした(以下「本件申請」という。 。)(3)目黒区長は,平成17年3月4日付けで,本件申請について,不支給とする旨の決定(以下「本件処分」という)を行い「介護人が24時間派。 ,。 ,遣されており,保険適用の要件を満たしていないため」との理由を付してこれを亡aに通知した。 (4)亡aは,平成17年4月25日,東京都介護保険審査会に対し,本件処- 4 -分についての審査請求をした。 (5)亡aは,平成▲年▲月▲日に死亡し,長男である原告が亡aの相続人としてその地位を承継した。 (6)東京都介護保険審査会は,平成17年10月18日付けで,上記(4)の審査請求を棄却する旨の裁決を行い,その裁決書謄本を原告に送達した。 (7)原告は,平成18年4月17日,本件処分の取消しを求めて,本件訴えを提起した。 本案前の争点及び当事者の主張本件では,居宅介護サービス費の支給を受けるべき要介護被保険者である亡aが訴え提起前に死亡し,その相続人である原告が訴えを提起していることから,本案前の争点として,死亡した要介護被保険者の相続人に,居宅介護サービス費不支給処分の取消しを求める訴えの利益ないし原告適格が認められるか否かが争われている。 (1)被告の主張本件訴えは,原告に訴えの利益ないし原告適格を欠き,不適法である。 すなわち,本件訴えにおいて,原告の請求が認容されて本件処分が取り消された場合,目黒区長は,新たに本件申請に対する処分を行うこととなるが,その名宛人となるべき亡aが既に死亡している以上,目黒区長は,この新たな処分をすることができない。 また,介護保険は,被保険者の要介護状態等に関し,必要な保険給付を行うものであり(法2条,本件処分が取り消され,新たに き亡aが既に死亡している以上,目黒区長は,この新たな処分をすることができない。 また,介護保険は,被保険者の要介護状態等に関し,必要な保険給付を行うものであり(法2条,本件処分が取り消され,新たに支給決定された場)合に支給されることとなる居宅介護サービス費は,居宅要介護被保険者本人に対し支給されるものであって(法41条1項,法に基づく受給権は,譲)り渡すことができない(法25条)とされているのであるから,原告には,本件処分の取消しを求めるにつき法律上の利益がなく,原告適格がない。 (2)原告の主張- 5 -本件訴えは,訴えの利益にも原告適格にも欠けるところはない。 すなわち,現実の介護サービスの提供を受けること自体は一身専属的な権利であるとしても,本件は,被保険者である亡aが生前に現実に受けた介護サービスの提供に関し支払った費用についての保険給付を求めるものにすぎず,このような未支給の保険給付を受ける権利は,財産権として当然に相続の対象となるのであり,法25条は,本件のような場合に,相続を禁止した規定ではない。 したがって,本件処分が違法として取り消されれば,目黒区長は,判決に基づき,亡aが現実に受けた介護サービスの費用について,保険給付の支給金額を決定し,亡aの承継人である原告に対してこれを支給することになるのであるから,原告は,本件処分の取消しを求める法律上の利益を有している。 本案の争点及び当事者の主張本案の争点としては,居宅介護サービス費の支給要件に関し,①亡aが受けた介護サービスにつき居宅介護サービス費の額の算定の基礎となる「指定居宅サービスに要した費用の額」を算定することができるか否か(争点(1) ,②)亡aが受けた介護サービスは「指定居宅サービス事業者」からのものといえるか否か(争点(2) ,が争われてい なる「指定居宅サービスに要した費用の額」を算定することができるか否か(争点(1) ,②)亡aが受けた介護サービスは「指定居宅サービス事業者」からのものといえるか否か(争点(2) ,が争われている。 )(1)原告の主張ア争点(1)(費用の額の算定可能性)について亡aは,居宅において訪問介護員が24時間常駐する形での介護サービスを受けていたものであるところ,その具体的な内容は,①起床介助・食事準備・移乗介助・清拭又は入浴介助・就寝準備等,及び,②血糖値測定・インシュリン注射・腹膜透析・無呼吸症候群マスクの装着等であり,このうち,①の介護が指定訪問介護に該当する。 この点,平成16年5月21日に,亡aの介護支援専門員が,被告に対- 6 -し「週間サービス計画表」等の資料を提出しているところ「週間サー,,ビス計画表」の1葉には「介護保険サービス」の表題で①の介護についての計画表が記載され,もう1葉には「家政婦サービス」の表題で②の介護についての計画表が記載されており,これらによれば,①の介護が②の介護と明確に区分されていることは明らかである。 そして,上記2葉の「週間サービス計画表」は,本件告示の別表中「訪問介護費」の項の注1にいう「訪問介護計画」に該当するから,被告としては,上記「週間サービス計画表」等の資料に基づき,あるいは,実際に亡aに対して行われていたサービスの実態を調査した上で,訪問介護計画に位置付けられた内容の指定訪問介護を行うのに要する標準的な時間で所定単位数を算定することにより,本件における「指定居宅サービスに要した費用の額」を算定することができたものというべきである。 イ争点(2)(介護サービス提供の主体)について亡aは,平成14年2月20日,株式会社bとの間で,訪問介護契約を締結し,同社の運営する事業所 費用の額」を算定することができたものというべきである。 イ争点(2)(介護サービス提供の主体)について亡aは,平成14年2月20日,株式会社bとの間で,訪問介護契約を締結し,同社の運営する事業所である「bc訪問介護事業所」から,24時間常駐する形での訪問介護員の派遣を受けていた。株式会社bは,平成12年4月1日に東京都知事から指定を受けた指定居宅サービス事業者である。 亡aが本件申請に添付したサービス提供証明書及び領収証は,有限会社d名義のものであるが,株式会社bと有限会社dとは,本店所在地及びFAX番号が同一で役員も共通する同族会社であり,亡aが株式会社bからサービスを受けた際のサービス提供証明書及び領収証は,すべて有限会社dの名義で発行されていた。このような取扱いは,両社間での経理上の処理の問題にすぎず,亡a及び原告のあずかり知らぬところである。 (2)被告の主張ア争点(1)(費用の額の算定可能性)について- 7 -24時間常駐の同一の介護人による訪問介護の場合においても,居宅介護サービス費は支給され得るが,その対象は,あくまでも法に基づく「指定居宅サービス」に限られるのであるから,居宅介護サービス費の支給申請の際には,その支給の対象が「指定居宅サービス」であるか,それ以,外のサービスであるかが,明確に区分・特定されることが必要である。 ところが,本件申請においては,毎月の実績としてサービス提供証明書が提出されているものの,これらには漠然と「身体介護及び生活支援全般」などと書かれているのみであり,サービス内容や時間のわかるような資料も添付されておらず,金額から見て指定居宅サービスとしての介護サービスとそれ以外の介護サービスとが区分されたわけでもなく,これらからサービスの実績を把握することはできない内容となっていた。した 資料も添付されておらず,金額から見て指定居宅サービスとしての介護サービスとそれ以外の介護サービスとが区分されたわけでもなく,これらからサービスの実績を把握することはできない内容となっていた。したがって,仮に原告のいう「週間サービス計画表」を居宅サービス計画(法7条18項)に代わるものとしてみる余地があるとしても,これに基づき実際にされた訪問介護の内容等の実績を示す資料,証拠が出されていない以上,上記「週間サービス計画表」に基づいて,本件における「指定居宅サービスに要した費用の額」を算定することはできない。 なお,本件告示にいう「標準的な時間」とは,介護支援専門員が個々の要介護被保険者の状況や家庭環境を考慮して居宅サービス計画上に設定した,当該要介護被保険者にとっての標準的な時間のことをいうから,居宅サービス計画やこれに基づく訪問介護計画が作成されておらず,あるいはその内容が不明確である場合には,そもそも本件告示を適用し得ず,また,介護サービスが提供された後に,訪問介護計画に位置付けられた内容の指定訪問介護を具体的に特定した上で,それに要する標準的な時間を見積もって所定単位数を算定することは想定されていない。 イ争点(2)(介護サービス提供の主体)について株式会社bと有限会社dとは,別の法人であり,本件申請に添付された- 8 -サービス提供証明書及び領収証の記載によれば,平成16年4月から同年12月までの間に亡aが受けた介護サービスの提供者は,有限会社dであるといわざるを得ない。 そして,有限会社dは,東京都知事から指定を受けた指定居宅サービス事業者ではないから,亡aが指定居宅サービス事業者から介護サービスを受けたとはいえない。 第3当裁判所の判断 本案前の争点について法41条1項本文は,居宅要介護被保険者が指定居宅サービ ービス事業者ではないから,亡aが指定居宅サービス事業者から介護サービスを受けたとはいえない。 第3当裁判所の判断 本案前の争点について法41条1項本文は,居宅要介護被保険者が指定居宅サービス事業者から指定居宅サービスを受けたときには,当該居宅要介護被保険者に対して居宅介護サービス費が支給されるとしている。しかしながら,同条6項は,当該居宅要介護被保険者が指定居宅介護支援を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出ている場合であって,当該指定居宅サービスが当該指定居宅介護支援の対象となっている場合その他の厚生労働省令で定める場合においては,市町村は,当該居宅要介護被保険者が当該指定居宅サービス事業者に支払うべき当該指定居宅サービスに要した費用について,居宅介護サービス費として当該居宅要介護被保険者に対し支給すべき額の限度において,当該居宅要介護被保険者に代わり,当該指定居宅サービス事業者に支払うことができると定め,同条7項は,同条6項の規定による支払があったときは,居宅要介護被保険者に対し居宅介護サービス費の支給があったものとみなすと定めている。 そして,法は,法41条6項が適用される場合には,当該指定居宅サービス事業者が居宅介護サービス費の支給請求権を有することを前提に,同条9項において,市町村は,指定居宅サービス事業者から居宅介護サービス費の請求があったときは,本件告示及び法74条2項に規定する指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準(後記2(1)に摘示する運営基準省令)に照らして審査した上,支払うものとすると定め,また,法41条12項において,指- 9 -定居宅サービス事業者の居宅介護サービス費の請求に関して必要な事項は,厚生労働省令で定めると定めている。 このように,法は,居宅要介護被保険者が指定居宅サービス事業 1条12項において,指- 9 -定居宅サービス事業者の居宅介護サービス費の請求に関して必要な事項は,厚生労働省令で定めると定めている。 このように,法は,居宅要介護被保険者が指定居宅サービス事業者から指定居宅サービスを受けたときには,当該居宅要介護被保険者が居宅介護サービス費の支給を受ける権利を取得するとともに,当該権利の存在を前提として,当該指定居宅サービスを提供した指定居宅サービス事業者にも,当該居宅介護サービス費に係る固有の支給請求権が発生する場合がある旨を定めているのであり,このような法の定める居宅介護サービス費の支給を受ける権利の性質に鑑みれば,当該権利は,その存続が第三者である指定居宅サービス事業者の利害にも関係を有するものであり,居宅要介護被保険者の一身に専属する性質の権利であるとはいえず,相続の対象となる(民法896条)と解するのが相当である。なお,法25条は,保険給付を受ける権利は,譲り渡し,担保に供し,又は差し押さえることができないと定めているが,この規定は,相続人が相続によって包括承継することを否定する趣旨ではないと解される。 したがって,本件においても,亡aが居宅介護サービス費の支給を受ける権利は,同人の死亡によっても消滅せず,その相続人である原告が承継したものであり,原告の請求が認容された場合に目黒区長が改めて行うこととなる居宅介護サービス費の支給処分は,原告を名宛人として行うべきこととなるのであるから,原告は,本件処分の取消しを求める「法律上の利益(行政事件訴訟」法9条1項)を有し,本件訴えの原告適格を有するものというべきである。 本案の争点(1)(費用の額の算定可能性)について(1)法41条1項本文及び同条4項の定めによれば,保険給付としての居宅介護サービス費の支給は,居宅要介護被保険者が指定居 のというべきである。 本案の争点(1)(費用の額の算定可能性)について(1)法41条1項本文及び同条4項の定めによれば,保険給付としての居宅介護サービス費の支給は,居宅要介護被保険者が指定居宅サービス事業者から指定居宅サービスを受けた場合に,当該指定居宅サービスに本件告示を適用して算定した費用の額と,現に当該指定居宅サービスに要した費用の額のうち,いずれか低い方の額の100分の90に相当する額を支給するもので- 10 -あるから,指定訪問介護の提供があったとして居宅介護サービス費の支給を請求する者は,当該指定訪問介護について,現に要した費用の額のほか,本件告示別表の「訪問介護費」の項(前掲第2の1(2)ウ参照)の適用を可能とする程度に,その具体的な内容(身体介護が中心であるか,生活支援が中心であるか等)及び所要時間(訪問介護計画に位置付けられた内容の指定訪問介護を行うのに要する標準的な時間)を証明する必要があるものというべきである。 この点,法74条1項及び2項に基づく厚生労働省令である「指定居宅サービス等の事業の人員,設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令」第37号。ただし,平成18年厚生労働省令第33号による改正前のもの。 以下「運営基準省令」という)は,指定訪問介護の事業を行う者(以下。 「指定訪問介護事業者」という)は,当該事業を行う事業所(以下「指定。 訪問介護事業所」という)ごとに,常勤の訪問介護員等であって専ら指定。 訪問介護の職務に従事するもののうち事業の規模に応じて1人以上の者をサービス提供責任者としなければならないこと(5条2項,1項,サービス)提供責任者は,利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて,指定訪問介護の目標,当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した訪問介護計画を ならないこと(5条2項,1項,サービス)提供責任者は,利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて,指定訪問介護の目標,当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した訪問介護計画を作成しなければならず(24条1項,訪問介護計画を作)成した際には,当該訪問介護計画を利用者に交付しなければならないこと(同条4項,指定訪問介護の提供に当たっては,訪問介護計画に基づき,)利用者が日常生活を営むのに必要な援助を行うものとすること(23条1号,指定訪問介護事業者は,指定訪問介護を提供した際には,当該指定訪)問介護の提供日及び内容等の必要な事項を,利用者の居宅サービス計画を記載した書面又はこれに準ずる書面に記載しなければならず(19条1項,)また,提供した具体的なサービスの内容等を記録するとともに(以下,この記録を「サービス実施記録」という,利用者からの申出があった場合に。)- 11 -は,文書の交付その他適切な方法により,その情報を利用者に対して提供し),なければならないこと(同条2項,指定訪問介護事業者は,訪問介護計画サービス実施記録等を整備し,当該利用者に対する指定訪問介護の提供の完結の日から2年間保存しなければならないこと(39条2項,指定訪問介)護事業者は,法41条6項の規定により居宅介護サービス費が利用者に代わり指定居宅サービス事業者に支払われる場合の当該居宅介護サービス費に係る指定居宅サービスに該当しない指定訪問介護に係る利用料の支払を受けた場合は,提供した指定訪問介護の内容,費用の額その他必要と認められる事項を記載したサービス提供証明書を利用者に対して交付しなければならないこと(21条,2条5号)をそれぞれ定めている。したがって,法41条6項の規定によらず,指定訪問介護の利用者である居宅要介護被 事項を記載したサービス提供証明書を利用者に対して交付しなければならないこと(21条,2条5号)をそれぞれ定めている。したがって,法41条6項の規定によらず,指定訪問介護の利用者である居宅要介護被保険者自らが居宅介護サービス費の支給を請求する場合であっても,指定訪問介護事業者からサービス提供証明書,訪問介護計画,サービス実施記録等の交付を受けることによって,請求に必要な当該指定訪問介護に現に要した費用の額,その具体的な内容及び所要時間を証明することは,さして困難なことではないものと解される。 (2)これを本件についてみると,本件申請に係る申請書(乙3)には,有限会社d発行の「サービス提供証明書」と題する書面が添付されており(乙3の5枚目以下,原告は,これが亡aが株式会社bから受けた指定訪問介護)について現に要した費用等を証明するサービス提供証明書であると主張する。 しかしながら,当該「サービス提供証明書」には,サービス内容として「身体介護及び生活支援全般」等の抽象的な記載があるのみで,提供を受けたとする指定訪問介護の具体的な内容については何ら記載されていない。 また,原告は,本件申請に先立って被告に提出した「週間サービス計画表(乙5の6枚目以下添付の「参考資料1)が本件における訪問介護計」」画に該当し,これによれば亡aが提供を受けた指定訪問介護が明確に特定さ- 12 -れていると主張する。 しかしながら,当該「週間サービス計画表」は,原告の主張によれば,亡aの依頼した介護支援専門員が作成したものであるというのであるから,そもそも運営基準省令にいう指定訪問介護事業所のサービス提供責任者が作成する訪問介護計画とは別物であるといわざるを得ず,仮に,当該「週間サービス計画表」を,居宅介護支援事業者の作成する居宅サービス計画(法7条 準省令にいう指定訪問介護事業所のサービス提供責任者が作成する訪問介護計画とは別物であるといわざるを得ず,仮に,当該「週間サービス計画表」を,居宅介護支援事業者の作成する居宅サービス計画(法7条18項)を記載した書面又はこれに準ずる書面と解する余地があるとしても,当該「週間サービス計画表」には,所要時間の区分とともに「起床介助,,」「オムツ交換「清拭又は入浴介助」等の概括的なサービス内容の記載が」,あるものの,これと同時に被告に提出された「介護時間表(乙5の9枚目」」,以下添付の「参考資料3)の記載内容と一致せず齟齬を来しており,また実際に提供されたサービスの提供日及び内容等運営基準省令19条1項所定の必要な事項は記載されていない。 さらに,証拠(甲14の1ないし3,甲15ないし19の各1,2)によれば,亡aは,本件で問題とされている訪問介護の前にも,株式会社bとの間で,平成14年2月20日に,契約期間の始期を同年2月3日,訪問介護を提供する事業所を「bc訪問介護事業所,提供する訪問介護の内容を日」曜日から金曜日までの午前9時から午前11時までの身体介護とする訪問介護契約を締結し,株式会社bは,当該契約に基づいて亡aに訪問介護を提供したときは,本件告示の基準に従って費用の額を算定し,その100分の90に相当する額(居宅介護サービス費)を保険者である被告に,その余の額(利用者負担分)を利用者である亡aにそれぞれ請求していたことが認められるところ,原告の主張によれば,亡aが株式会社bから受けていた訪問介護の態様は,平成16年3月以前と同年4月以降とで変わりがないというのであるから,亡aないし原告とすれば,本件申請に係る平成16年4月から同年12月までの居宅介護サービス費の支給請求においても,株式会社bが- 13 -居宅 前と同年4月以降とで変わりがないというのであるから,亡aないし原告とすれば,本件申請に係る平成16年4月から同年12月までの居宅介護サービス費の支給請求においても,株式会社bが- 13 -居宅介護サービス費を直接被告に請求していたときに用いていたと推認される訪問介護計画,サービス実施記録等の証明資料を,同社から交付を受けて提出すれば足りるものと考えられるのに,そのような資料の提出がされたことを窺わせる証拠はない。 以上のことからすると,本件においては,亡aが現に提供を受けた指定訪問介護の具体的な内容及び所要時間について,本件告示の適用が可能な程度に証明がされているとは到底いえないのであって,居宅介護サービス費の額の算定の基礎となる「指定居宅サービスに要した費用の額」を算定することはできないものといわざるを得ない(なお,被告は,本件告示にいう「標。 準的な時間」とは,介護支援専門員が居宅サービス計画上に設定した時間のことをいうと主張するが,居宅サービス計画の策定は指定訪問介護の提供に必須のものではなく,また,居宅サービス計画上の設定時間が必ずしも客観的に合理的な時間であるとは限らないから,本件告示にいう「標準的な時間」とは,訪問介護計画に位置付けられた内容の指定訪問介護を行うのに要する時間として社会通念上客観的に合理的な時間をいうと解するのが相当である。しかしながら,そのような解釈を前提としても,当該「訪問介護計画に位置付けられた内容の指定訪問介護」の具体的な内容が特定されない以上は,これに要する客観的に合理的な時間を見積もることも不可能であるから,結局,本件においては,本件告示を適用することはできないものといわざるを得ない)。 本件処分の適法性について以上のとおり,本件申請に係る居宅介護サービス費の支給については,支給額 あるから,結局,本件においては,本件告示を適用することはできないものといわざるを得ない)。 本件処分の適法性について以上のとおり,本件申請に係る居宅介護サービス費の支給については,支給額の算定の基礎となる「指定居宅サービスに要した費用の額」を算定することができないから,争点(2)(介護サービス提供の主体)について判断するまでもなく,本件申請が居宅介護サービス費の支給要件を満たしていないものであることは明らかである。したがって,本件申請について居宅介護サービス費を- 14 -支給しないとした本件処分は,結論において正当であり,違法な処分ということはできない。 第4結論以上によれば,原告の請求は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第3部定塚誠裁判長裁判官古田孝夫裁判官工藤哲郎裁判官
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