平成13(許)30 債権差押命令に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件

裁判年月日・裁判所
平成14年6月13日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却 大阪高等裁判所 平成13(ラ)633
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判決文本文1,136 文字)

主文 本件抗告を棄却する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理由 抗告代理人澁谷眞の抗告理由について 1 本件は,相手方が,抵当権に基づく物上代位権の行使として,抵当不動産の所有者が抗告人に対して有する同不動産の賃料債権につき,債権差押命令の申立てをした事案である。執行裁判所が相手方の申立てを認めて債権差押命令を発付したのに対し,抗告人は,その取消しを求める執行抗告をした。抗告人は,執行抗告の理由として,(1) 差押えの対象とされた賃料債権は抗告人の所有者に対する債権との相殺によって消滅したこと,(2) 抗告人が所有者に対し支払う賃料のうち,所有者が管理会社に対して支払うべき抵当不動産の管理費等に相当する部分については,差押えの対象となる賃料債権に含まれないことを主張した。原審は,抗告人主張の執行抗告の理由を認めることはできないと判断して,執行抗告を棄却した。 2 執行裁判所は,担保権の存在を証する文書が提出されたときは,申立てに係る被差押債権が物上代位の目的となる債権に該当する限り,その存否について考慮することなく,物上代位権の行使による差押命令を発すべきものである。そして,第三債務者は,被差押債権の存否について,抵当権者が提起する当該債権の取立訴訟等においてこれを主張することができ,被差押債権の全部又は一部が存在しないときは,その部分につき執行が効を奏しないことになるだけであって,そのような債権につき債権差押命令が発付されても第三債務者が法律上の不利益を被ることはないのである。したがって,【要旨】抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告においては,被差押債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることはできないと解するのが相当である。 - したがって,【要旨】抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告においては,被差押債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることはできないと解するのが相当である。 - 1 -本件についてこれをみると,抗告人の主張する上記執行抗告の理由は,被差押債権とされた賃料債権の全部又は一部が存在しない旨をいうものであって,執行抗告の理由とすることのできない事由を主張するものといわざるを得ない。 以上によれば,抗告人の執行抗告を棄却した原審の判断は,結論において是認することができる。論旨は,原決定の結論に影響を及ぼさない部分についてその違法をいうものにすぎず,採用することができない。 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 最高裁判所第一小法廷(裁判長裁判官深澤武久裁判官井嶋一友裁判官藤井正雄裁判官町田顯裁判官横尾和子)- 2 -

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