主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人居林與三次、同武内光治の上告理由について原審が適法に確定したところによれば、上告人の亡父A弘は、五期にわたりa県議会議員を勤め、死亡した昭和六三年一〇月二七日当時は県議会議長に就任しているなど、地元では著名な人物であり、一方、上告人は、右亡父の死亡後にその後継者として本格的な政治活動を開始したというのである。この場合、右亡父の死亡及び葬儀の模様がマスコミにより広く報道されたとしても、本件選挙において、一般の有権者はもちろん、投票所に出向いて特定の候補者を支持しようとする有権者も、右亡父の死亡の事実を知らず又は忘却して、その者がなお生存しているものと誤信することはあり得るところである。したがって、右事実関係の下において、原審が、右亡父が地元で著名人であったこと及び上告人の知名度が亡父と比較して低かったこと等から、亡父が本件選挙に立候補しているものと誤認、混同される客観的情況が存在しているとした上、「Aひろし」と読み取れる本件投票については、候補者たる上告人ではなく右亡父を表示したものと推測すべきものが含まれており、本件選挙の候補者である上告人の氏名を誤記したものにすぎないのか、あるいは候補者でない上告人の亡父を指向したものであるのかについては、そのいずれとも認め難いので、これを上告人に対する有効投票とは認めることができないとした判断は、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨はすべて採用することができない。 よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 - 1 -最高裁判所第三小法廷裁判 とができない。 よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 - 1 -最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官坂上壽夫裁判官貞家克己裁判官園部逸夫裁判官佐藤庄市郎裁判官可部恒雄- 2 -
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