令和6(わ)23 建造物侵入、非現住建造物等放火、窃盗被告事件

裁判年月日・裁判所
令和6年5月28日 岡山地方裁判所
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判決文本文1,614 文字)

主文 被告人を懲役2年に処する。 理由 (罪となるべき事実)第1 被告人は、令和5年12月23日午後4時19分頃、岡山県井原市a町b丁目c番地d所在の株式会社A「B」において、同店店長甲管理のチーズ1箱等5点(販売価格合計864円)を窃取した。 第2 被告人は、岡山県C警察署地域課勤務の乙が現に住居に使用している岡山県井原市e町f丁目g番地h所在の同警察署D駐在所(コンクリートブロック造陸屋根葺平屋建、床面積約78.76平方メートル)が、現に人が住居として使用せず、かつ、現に人がいない建造物であると誤認して、同駐在所に放火しようと考え、令和5年12月24日午前1時9分頃から同日午前1時35分頃までの間に、同駐在所南側敷地内に、同駐在所東側の蛇腹式門扉を開けて侵入し、同駐在所南東側掃出窓及び同駐在所南東側軒下に駐車されていた自動二輪車の周辺に灯油を散布した上、着用していた下着を脱いで灯油を染みこませ、持っていたライターでその下着に点火してこれを前記掃出窓と前記自動二輪車の間に置いて火を放ち、前記自動二輪車を燃え上がらせた上、その火を前記駐在所南東側6畳和室木製窓枠等に燃え移らせ、よって、同木製窓枠等を焼損(焼損面積約0.27平方メートル)した。 (証拠の標目)省略(法令の適用)省略(量刑の理由) 被告人は、判示第1のスーパーマーケットでの万引き後、逃走時に自車の鍵を落としたことから、この鍵のシリアルナンバーなどから自らの犯行が発覚することを恐れて、当該鍵が保管されているかもしれない駐在所を燃やして証拠品を滅失させるために判示第2の犯行に及んだ。被告人は、このように万引きの犯行の罪証を隠 滅するために放火行為に及んだものであり、その意思決定は相当に強い非難に値する。また 燃やして証拠品を滅失させるために判示第2の犯行に及んだ。被告人は、このように万引きの犯行の罪証を隠 滅するために放火行為に及んだものであり、その意思決定は相当に強い非難に値する。また、その放火の態様は、深夜、駐在所にひそかに侵入した上で、灯油をまき、建物に隣接して駐輪されていたガソリンの入った自動二輪車と本件建物の間に置いた灯油を染みこませた下着にライターで点火するというものであり、大胆かつ危険性の高いものといえる。燃焼面積については、当時建物内で就寝中であった駐在所警察官が気づいて消火活動を行ったことなどから結果的に微小にとどまったものの、建物の横にあった自動二輪車が激しく燃焼し、その熱等で建物のガラスが割れるなどして建物に燃え移ったものであり、放火によって現に生じた危険性は大きい。本件建物や前記自動二輪車などに合計約280万円ほどの財産的損害も生じさせており、結果は相応に重いものである。 以上を踏まえると、本件は非現住建造物等放火の同種事案(単独犯、処断罪と同一又は同種の罪の件数:1件、被害状況:一部焼1棟、燃料使用:あり、前科等:なし)の中でも執行猶予が相当となるような軽い部類に位置するとはいえず、実刑を免れない。 その上で、被告人が前記警察官との間で示談を成立させ、岡山県に対して損害賠償金として約250万円を支払い、国との間でも損害賠償金の支払いに係る合意書を交わしたこと、被告人の実父が当公判廷において、被告人の更生に協力する旨述べていること、被告人が当公判廷において罪を認め反省の意思を示していること、前科がないこと等、被告人のために酌むべき事情を考慮した上で、主文のとおり判決することとした。 (求刑懲役5年6月)令和6年5月28日岡山地方裁判所第2刑事部裁判長裁判官村川主和 主文 被告人のために酌むべき事情を考慮した上で、主文のとおり判決することとした。 (求刑懲役5年6月)令和6年5月28日岡山地方裁判所第2刑事部裁判長裁判官村川主和 裁判官溝田泰之 裁判官髙畑輝

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