平成25(行ウ)39 所得税更正処分等取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成29年1月24日 東京地方裁判所 租税
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判決文本文81,077 文字)

平成29年1月24日判決言渡平成25年(行ウ)第39号所得税更正処分等取消請求事件 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 保土ケ谷税務署長が平成23年3月10日付けでした原告の平成19年分の所得税の更正処分(ただし,平成24年7月31日付け審査裁決により一部取り消された後のもの)のうち総所得金額5695万8537円及び納付すべき税額667万1400円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定処分(ただし,平成24年7月31日付け審査裁決により一部取り消された後のもの)をいずれも取り消す。 2 保土ケ谷税務署長が平成23年3月10日付けでした原告の平成20年分の所得税の更正処分(ただし,平成24年7月31日付け審査裁決により一部取り消された後のもの)のうち総所得金額1億0983万2093円及び納付すべき税額1937万5900円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定処分(ただし,平成24年7月31日付け審査裁決により一部取り消された後のもの)をいずれも取り消す。 3 保土ケ谷税務署長が平成23年3月10日付けでした原告の平成21年分の所得税の更正処分(ただし,平成24年7月31日付け審査裁決により一部取り消された後のもの)のうち総所得金額1億5192万1327円及び納付すべき税額3039万9800円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定処分(ただし,平成23年7月6日付け異議決定により一部取り消され,平成24年7月31日付け審査裁決により一部取り消された後のもの)をいずれも取り消す。 第2 事案の概要本件は,アメリカ合衆国(以下「米国」という。)において不動産に係る事業を営む米国ワシントン州の法律に基 審査裁決により一部取り消された後のもの)をいずれも取り消す。 第2 事案の概要本件は,アメリカ合衆国(以下「米国」という。)において不動産に係る事業を営む米国ワシントン州の法律に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップ(以下「LPS」という。)の持分を取得した原告が,当該事業により生じた損益のうち原告に割り当てられたものを原告の不動産所得(所得税法26条1項)の金額の計算上収入金額(同法36条1項)又は必要経費(同法37条1項)に算入して所得税の申告をしたところ,所轄税務署長から,当該事業により生じた所得は原告の不動産所得に該当せず,上記の損益を同所得の金額の計算上収入金額又は必要経費に算入することはできないとして,所得税の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を受けたことから,上記各処分(ただし,異議決定又は審査裁決による一部取消し後のもの)の取消しを求める事案である。 1 関係法令の定め別紙2のとおり 2 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者原告は,昭和46年,不動産に係る事業を営む目的でA1株式会社(以下「A1」という。)を設立し,設立時から平成17年3月までその代表取締役に就任していた(甲4(2頁),40,乙9)。 (2) 米国及び同国ワシントン州のパートナーシップの法制度ア米国において,LPSは,パートナーシップの一種であるところ,パートナーシップとは,米国各州の法律で認められている2名以上の者により組成される事業活動や投資活動を営むための組織形態であり,ジェネラル・パートナーシップ(以下「GPS」という。)とLPSの2種類がある。 米国において,GPSは,パートナーシップ債務に対して無限責任を負 活動や投資活動を営むための組織形態であり,ジェネラル・パートナーシップ(以下「GPS」という。)とLPSの2種類がある。 米国において,GPSは,パートナーシップ債務に対して無限責任を負 い当該事業活動を代理する権利を有する2名以上のジェネラル・パートナー(以下「GP」という。)のみによって構成されるパートナーシップであり,また,LPSは,パートナーシップ債務に対して無限責任を負い当該事業活動を代理する権利を有する1名以上のGPとパートナーシップ債務に対して限定的な責任を負う1名以上のリミテッド・パートナー(以下「LP」という。)によって構成されるパートナーシップである。 イ米国ワシントン州のパートナーシップに関する法律として,ワシントン州改正統一パートナーシップ法(「theWashingtonreviseduniformpartnershipact」(同法25.05.905 所定の名称)。以下「州PS法」という。)がある(乙8)。また,同州のLPSに関する法律として,ワシントン州統一リミテッド・パートナーシップ法(「theWashingtonuniformlimitedpartnershipact」(同法25.10.630 所定の名称。同法に定めのない事項については州PS法の規定が適用されると規定するもの。 乙7)。以下「州LPS法」という。)があったところ,その2009年(平成21年)改正後の法律である統一リミテッド・パートナーシップ法(「theuniformlimitedpartnershipact」(同法25.10.006 所定の名称。 州PS法の適用関係に関する上記の規定を削除し,同法の適用対象であった事項の規律を明文で定める規定を設けたもの)。以下「改正州LPS法」という。)が2010年(平 法25.10.006 所定の名称。 州PS法の適用関係に関する上記の規定を削除し,同法の適用対象であった事項の規律を明文で定める規定を設けたもの)。以下「改正州LPS法」という。)が2010年(平成22年)1月1日(同法25.10.903)から発効し,同年7月1日から全てのLPSに適用されている(同法25.10.911(2)。 乙41,60)。 州PS法は,統一法委員会(UniformLawCommission)の策定した統一パートナーシップ法典(「UniformPartnershipAct」。以下「統一PS法典」という。1997年(平成9年)改訂後のもの)を採択して制定されたものであり,また,州LPS法は,同委員会の策定した統一リミテッド・パートナーシップ法典(「UniformLimitedPartnershipAct」。以下「統 一LPS法典」という。同法典に定めのない事項については統一PS法典の規定が適用されると規定する2001年(平成13年)改訂前のもの)を採択して制定され,改正州LPS法は,2001年改訂後の統一LPS法典(「RevisedUniformLimitedPartnershipAct」。統一PS法典の適用関係に関する上記の規定を削除し,同法典の適用対象であった事項の規律を明文で定める規定を設けたもの。以下「改訂統一LPS法典」という。)を採択して制定されたものであり,いずれもこれらの統一法典に一定の修正を加えて制定されたものである(甲37,38の1及び2,乙41,42,弁論の全趣旨)。 (3) 原告が行った取引の概要ア原告は,米国ワシントン州に所在する次の①ないし④の各LPS(本件各LPS)について,次の(ア)ないし(エ)の各契約の締結により,その持分権をLPとして取得した。 3) 原告が行った取引の概要ア原告は,米国ワシントン州に所在する次の①ないし④の各LPS(本件各LPS)について,次の(ア)ないし(エ)の各契約の締結により,その持分権をLPとして取得した。 ① A2 LimitedPartnership(以下「A2-LPS」という。)② A3 LimitedPartnership(以下「A3-LPS」という。)③ A4 LimitedPartnership(以下「A4-LPS」という。)④ A5 LimitedPartnership(以下「A5-LPS」という。)(ア) A2-LPS関係aA1は,2004年(平成16年)5月27日付けで,LPであるA6Co.,Ltd.(以下「A6社」という。)とともに,GPであるA7,Inc.(以下「A7社」という。)との間で,「AgreementofLimitedPartnershipof A2 LP」(乙11。以下「本件A2-LPS契約」という。)を締結してA2-LPSを組成し,同LPSのLPとなった。 b 原告は,A6社から同社の保有するA2-LPSにおける持分権の全部を譲り受けた上,2006年(平成18年)9月29日付けで,A2 -LPSのLPであるA1とGPであるA7社との間で,「FirstAmendmenttoAgreementofLimitedPartnershipof A2 LP」(乙12。以下「修正A2-LPS契約」という。)を締結した。 (イ) A3-LPS関係aA1は,2003年(平成15年)9月9日付けで,A3-LPS並びにA3-LPSのGPであるA8 LLC(以下「A8-LLC」という。)及びA3-LPSのLPであるA9 LLC(以下「A9-LLC」という。)との間で,「 5年)9月9日付けで,A3-LPS並びにA3-LPSのGPであるA8 LLC(以下「A8-LLC」という。)及びA3-LPSのLPであるA9 LLC(以下「A9-LLC」という。)との間で,「PartnershipInterestAcquisitionAgreement(Northwest A9)」(パートナーシップ持分権取得契約。乙13)を締結し,A9-LLCが保有するA3-LPSの持分権99パーセントのうち70パーセントを取得した。 b 原告は,A9-LLCから同社の保有するA3-LPSにおける持分権の一部(持分権割合25パーセント)を譲り受け,2006年(平成18年)1月31日付けで,A3-LPSのGPであるA8-LLC,LPであるA1及びA9-LLCとの間で,「SecondRestatedandAmendedAgreementofLimitedPartnershipof A3 LimitedPartnership」(乙14。以下「本件A3-LPS契約」という。)を締結した。 (ウ) A4-LPS関係aA1は,2006年(平成18年)8月31日付けで,A4-LPS並びにA4-LPSのGPであるA10 LLC(以下「A10-LLC」という。)及びA4-LPSのLPであるA11 LLC(以下「A11-LLC」という。)との間で,「PartnershipInterestAcquisitionAgreement(A4-TKK)」(パートナーシップ持分権取得契約。乙15)を締結し,A4-LPSのLPであるA11-LLCの保有する持分権99.9パーセントのうち79.92パーセント(乙16(5頁))を取得した。 b 原告は,A4-LPSのLPであるA11-LLCから同社の保有するA4-LPSにお LLCの保有する持分権99.9パーセントのうち79.92パーセント(乙16(5頁))を取得した。 b 原告は,A4-LPSのLPであるA11-LLCから同社の保有するA4-LPSにおける持分権(19.98パーセント)の全部を譲り受け,2006年(平成18年)9月9日付けで,A4-LPSのGPであるA10-LLC及びA4-LPSのLPであるA1との間で,「RestatedandAmendedAgreementofLimitedPartnershipofA4 LimitedPartnership」(乙16。以下「本件A4-LPS契約」という。)を締結した。 (エ) A5-LPS関係aA1は,1999年(平成11年)1月13日付けで,「ThirdAmendedandRestatedAgreementofLimitedPartnershipof A5 LimitedPartnership」(甲43。以下「本件A5-LPS契約」といい,本件A2-LPS契約,修正A2-LPS契約,本件A3-LPS契約,本件A4-LPS契約と併せて「本件各LPS契約」という。)を締結し,A5-LPSにおけるLPの持分権49パーセントを取得した(乙17(A項))。 b 原告は,2006年(平成18年)3月31日付けで,A5-LPSのLPであるA1との間で「PartnershipInterestAcquisitionAgreement」(パートナーシップ持分権取得契約。乙17。 以下「A5持分権取得契約」という。)を締結し,A1の保有するA5-LPSにおける持分権(49パーセント)の全部を取得した(乙17(1条))。 イ本件各LPSは,それぞれ米国ワシントン州に所在する各建物の所有及び運営等(ただし,A2-L ,A1の保有するA5-LPSにおける持分権(49パーセント)の全部を取得した(乙17(1条))。 イ本件各LPSは,それぞれ米国ワシントン州に所在する各建物の所有及び運営等(ただし,A2-LPS契約にあっては,米国ワシントン州に所在する建物の共有持分の全て又は重要な部分の直接的又は間接的な所有,運営及び保有)をその営む事業(以下「本件各不動産事業」という。)の主要目的及び一般的特徴としており,上記各建物は店舗,事務所,住宅又は倉庫とし て賃貸に供する用途に用いられている(以下,A2-LPSに係る賃貸物件を「本件A2-LPS物件」,A3-LPSに係る賃貸物件を「本件A3-LPS物件」,A4-LPSに係る賃貸物件を「本件A4-LPS物件」,A5-LPSに係る賃貸物件を「本件A5-LPS物件」といい,これらを併せて「本件各物件」という。本件A2-LPS契約(乙11),本件A3-LPS契約(乙14),本件A4-LPS契約(乙16)各5条前段,本件A5-LPS契約(甲43)4条,甲41,乙18の1ないし5)。 ウ本件各LPS契約は,いずれも米国ワシントン州の法令(以下「ワシントン州法」という。)に準拠して締結されたものである(本件A2-LPS契約(乙11)20.2 条,本件A3-LPS契約(乙14)20.2 条,本件A4-LPS契約(乙16)20.2 条,本件A5-LPS契約(甲43)17.2条)。 (4) 本件各処分等の経緯ア保土ケ谷税務署長は,原告に対し,平成23年3月10日付けで,原告の平成19年分ないし平成21年分(以下「本件各年分」という。)に係る所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分をした。 これらの更正等の処分は,本件各LPSは所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当し,その事業により生 「本件各年分」という。)に係る所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分をした。 これらの更正等の処分は,本件各LPSは所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当し,その事業により生じた所得は原告の不動産所得に該当せず,その事業により生じた損益を原告の不動産所得の金額の計算上収入金額又は必要経費に算入することができないことを理由としてされたものである。 イ原告は,平成23年5月6日,保土ケ谷税務署長に対し,上記各処分について異議申立てをしたが,上記税務署長は,同年7月6日,平成21年分の過少申告加算税の賦課決定処分の一部を取り消し,その余の異議申立てをいずれも棄却する旨の異議決定をした。 ウ原告は,平成23年8月5日,国税不服審判所長に対し,上記各処分に ついて審査請求をしたところ,同審判所長は,平成24年7月31日,上記各更正処分及び上記各賦課決定処分の一部を取り消し,その余の審査請求をいずれも棄却する旨の審査裁決をした(以下,上記審査裁決により一部取り消された後の本件各年分に係る更正処分をそれぞれ「平成19年分更正処分」,「平成20年分更正処分」及び「平成21年分更正処分」といい,これらを併せて「本件各更正処分」といい,上記イの異議決定及び上記審査裁決により一部取り消された後の本件各年分に係る過少申告加算税の各賦課決定処分を併せて「本件各賦課決定処分」といい,本件各更正処分と本件各賦課決定処分を併せて「本件各処分」という。)。 エ本件各処分に至る具体的な経緯は別表1-1ないし1-3記載のとおりである。 (5) 本件訴えの提起原告は,平成25年1月24日,本件訴えを提起した(顕著な事実)。 3 税額等に関する当事者の主張被告が本件訴訟において主張する本件各処分の根拠及び計算は,別紙3「課税 (5) 本件訴えの提起原告は,平成25年1月24日,本件訴えを提起した(顕著な事実)。 3 税額等に関する当事者の主張被告が本件訴訟において主張する本件各処分の根拠及び計算は,別紙3「課税の根拠及び計算」のとおりであるところ,後記4の争点に関する部分を除き,その計算の基礎となる金額及び計算方法について争いはない。 4 争点本件の争点は,本件各処分の適法性であるところ,具体的な争点は以下のとおりである。 (1) 本件各LPSが所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当するか否か。 (2) 本件各不動産事業により生じた損益を原告の不動産所得の金額の計算上収入金額又は必要経費に算入することの可否(3) 国税通則法65条4項に定める「正当な理由」の有無 5 争点に関する当事者の主張の要旨 (1) 争点(1)(本件各LPSが所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当するか否か)について(被告の主張の要旨)ア平成27年最高裁判決における外国法人該当性の判断基準本件の係属中に言い渡された最高裁平成25年(行ヒ)第166号同27年7月17日第二小法廷判決・民集69巻5号1253頁(以下「平成27年最高裁判決」という。)は,米国デラウェア州改正統一リミテッド・パートナーシップ法(「DelawareRevisedUniformLimitedPartnershipAct」。以下「米国デラウェア州のLPS法」という。)に基づいて設立されたLPSについて,権利義務の帰属主体であり,所得税法2条1項7号及び法人税法2条4号(以下「所得税法2条1項7号等」という。)に定める外国法人に該当すると判断した。また,同判決は,要旨,外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否 条4号(以下「所得税法2条1項7号等」という。)に定める外国法人に該当すると判断した。また,同判決は,要旨,外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否かを判断するに当たっては,まず,①当該組織体に係る設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから,当該組織体が当該外国の法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討することとなり,これにより判断できない場合には,次に,②当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かを検討して判断すべきものであり,具体的には,当該組織体の設立根拠法令の規定の内容や趣旨等から,当該組織体が自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該組織体に帰属すると認められるか否かという点を検討することとなると判示した(以下,上記①の基準を「判断基準1」といい,上記②の基準を「判断基準2」という。)。 イ平成27年最高裁判決の判断基準による外国法人該当性(ア) 判断基準1による外国法人該当性 a 本件各LPSは,州LPS法に準拠して設立されたものであり,州LPS法のほか,州LPS法に定めがない場合には州PS法又はその後継法令の規定が適用される(州LPS法25.10.660)。 b そこで検討するに,本件各LPSに適用される州PS法は,パートナーシップについて,「anentitydistinctfromitspartners」であるとする規定(以下「エンティティ規定」という。)を定めており(同法25.05.050(1)),統一法委員会の策定に係る1997年改訂後の統一PS法典を採択して制定されたものであるところ,同法典に定められているエンティテ ティティ規定」という。)を定めており(同法25.05.050(1)),統一法委員会の策定に係る1997年改訂後の統一PS法典を採択して制定されたものであるところ,同法典に定められているエンティティ規定(パートナーシップはパートナーと異なる主体である旨を定める規定)は,1992年改訂後の統一PS法典(以下「1992年統一PS法典」ということがある。)によって創設されたものと同一の規定である。 1992年統一PS法典におけるエンティティ規定については,文献上(乙35(514頁)),その創設によりLPSに法人格が付与されたものと説明されており,設立根拠法令である州LPS法により上記統一PS法典と同様のエンティティ規定を定める州PS法が適用される本件各LPSについても,設立根拠法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていることが疑義のない程度に明白であるというべきである。 c したがって,判断基準1によれば,本件各LPSは,その設立根拠法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていることが疑義のない程度に明白であるというべきであるから,我が国の租税法上の法人に該当し,所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当する。 (イ) 判断基準2による外国法人該当性a 仮に,本件各LPSが日本法上の法人に相当する法的地位を「付与されていること」が疑義のない程度に明白であるとまではいえないとしても,上記(ア)bで述べた州LPS法及び州PS法並びに改正州LPS法の 各規定によれば,パートナーシップ(LPS)は,「パートナーと異なる主体」であるとされている以上,少なくとも,本件各LPSが設立根拠法令において日本法上の法人に相当する法的地位を「付与されていないこと」が疑義のない程度に明白であるとは到底いえない。 ーと異なる主体」であるとされている以上,少なくとも,本件各LPSが設立根拠法令において日本法上の法人に相当する法的地位を「付与されていないこと」が疑義のない程度に明白であるとは到底いえない。 したがって,この場合には,判断基準1によっては所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当するか否かを判断することができないため,外国法に基づいて設立された組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かという判断基準2により判断すべきである。 b 平成27年最高裁判決は,判断基準2の検討において,設立根拠法令である米国デラウェア州のLPS法等の内容に照らし,米国デラウェア州のLPS法等に基づくLPSが,自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該LPSに帰属しているということができるから,権利義務の帰属主体であると認められ,当該LPSは,所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当すると判断した。 そして,以下に述べるとおり,判断基準2の検討において,本件各LPSの設立根拠法令である州LPS法及び州PS法の各規定の内容や趣旨等からすれば,米国ワシントン州の上記各法令(以下「米国ワシントン州のLPS法」ということがある。)に基づく本件各LPSも,自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が本件各LPSに帰属すると認められるというべきである。 c まず,州LPS法及び州PS法の各規定によれば,以下のとおり,本件各LPSが自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が本件各LPSに帰属すると認められる。 ⒜ 州LPS法は,「LPSは,LPのいないパートナーシップ(注・GPS)が行うことができるあらゆる事業を行うことができる」(同法25.10.060)と規定している。この点につき,州PS法は,G ⒜ 州LPS法は,「LPSは,LPのいないパートナーシップ(注・GPS)が行うことができるあらゆる事業を行うことができる」(同法25.10.060)と規定している。この点につき,州PS法は,G PSが行うことができる事業について特に制限を設けてはいない(同法25.05.005(1))。 また,州LPS法は,「パートナーは,LPSに対して金員を貸し付けることができ,LPSと他の取引を行うことができる。この場合において,他の適用される法令に従い,パートナーではない者(person)が有するのと同様の権利及び義務を有する」(同法25.10.070)と規定している。このように,パートナーは,LPSとの間で,LPSを当事者として融資等の取引を行うことができるのであり,このような取引を行う場合,パートナーはLPSに対し第三者との間の取引と同様の権利を有し義務を負うことからすれば,LPSは,パートナーとは異なる独立した主体として,パートナーに対し権利を有し義務を負うことが明らかである。 以上のとおり,州LPS法及び州PS法の上記各規定からすれば,州LPS法に基づいて設立されたLPSについては,パートナーシップが行うことができるあらゆる事業をすることができるとともに,パートナーとは異なる主体として,パートナーとの間で取引を行うことができるものと認められる。すなわち,州LPS法及び州PS法の各規定は,LPSにその名義で法律行為をする権利又は権限を付与するとともに,LPS名義でされた法律行為の効果がLPS自身に帰属することを前提とするものと解される。そうすると,本件各LPSに係る設立根拠法令である州LPS法及び州PS法において,本件各LPSが自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,本件各LPSが当事者としてした法律行為の効果が 解される。そうすると,本件各LPSに係る設立根拠法令である州LPS法及び州PS法において,本件各LPSが自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,本件各LPSが当事者としてした法律行為の効果が本件各LPS自身に帰属すると認められる。 ⒝ また,州PS法は,「パートナーシップにより取得された財産は,当該パートナーシップの財産であって,パートナー個人の財産ではない」(同法25.05.060),「パートナーは,パートナーシップの財 産の共同所有者ではなく,任意であるか強制であるかを問わず,いかなる移転可能なパートナーシップの財産における持分も保有しない」(同法25.05.200)と規定する。 この点につき,州LPS法も,「パートナーは,現金以外の形式で,LPSからいかなる分配も要求し受領する権利を有しない」(同法25.10.350)と規定して,パートナーがパートナーシップの財産による現物の分配を要求する権利を有しないことを定めているほか,「パートナーシップの持分は,人的財産権である」(同法25.10.390)と規定している。 これらの各規定は,上記⒜において述べたとおり,州LPS法及び州PS法が,LPSにLPS名義で法律行為をする権利又は権限を付与するとともに,LPS名義でされた法律行為の効果がLPS自身に帰属することを前提としていることとも整合するところである。 ⒞ さらに,州LPS法は,LPSにおけるGPの一般的な権限と義務について,「LPSのGPは,LPを有しないパートナーシップ(注・GPS)におけるパートナーの権利及び権限を有し,かつ,これらの制限に服する」(同法25.10.240(1))と規定しているところ,ここにいう「LPを有しないパートナーシップにおけるパートナーの権利及び権限」ないし「制限」の内容につ 権限を有し,かつ,これらの制限に服する」(同法25.10.240(1))と規定しているところ,ここにいう「LPを有しないパートナーシップにおけるパートナーの権利及び権限」ないし「制限」の内容については,州PS法において,「全ての各パートナー(注・GP)は,権利を主張する者により別段の同意がされ,又は法令に別段の定めのない限り,連帯して全てのパートナーシップの義務に対し責任を負う」(州PS法25.05.125(1))と規定されている。すなわち,州LPS法及び州PS法の上記各規定によれば,LPSにおいては,まずLPS自身が負う義務が存在しており,そのLPS自身が負う義務について,GPが連帯して義務を負うものとされている。 このように,州LPS法及び州PS法の各規定は,LPS自身が 義務を負う主体であることを明確に規定しており,LPSが当事者として行う法律行為の効果がLPSに帰属することを前提としている。 d また,本件各年分についてはその適用はないものの,改正州LPS法の各規定によっても,以下のとおり,本件各LPSが自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が本件各LPSに帰属すると認められる。 改正州LPS法については,その制定の最も重要な目的は,LPSに関する法律の効率性,明確性及び一貫性を促進することであったと説明されており,改正州LPS法によりLPSの性格や位置付けが変わったわけではなく,LPSの性格や位置付けについて,改正前の州LPS法と州PS法の内容を踏襲して定められたものと認められることからすると,改正前の州LPS法及び州PS法の規定の内容や趣旨等を理解する上で参考となるものである。 まず,改正州LPS法は,前記(ア)bと同様に,「LPSは,そのパートナーとは異なる主体(entity)であ 正前の州LPS法及び州PS法の規定の内容や趣旨等を理解する上で参考となるものである。 まず,改正州LPS法は,前記(ア)bと同様に,「LPSは,そのパートナーとは異なる主体(entity)である」(同法25.10.021(1))と規定した上で,「LPSは,自身が活動する上で必要な又は便宜的なあらゆることを行う権限を有する」(改正州LPS法25.10.031)と規定している。上記各規定によれば,改正州LPS法は,LPSがパートナーとは異なる主体として,すなわちLPSが自ら当事者として法律行為をする権利又は権限を付与しているといえる。 また,改正州LPS法は,「LPSの義務は,それが契約上生じたもの,不法行為により生じたもの又はそれ以外のものであっても,LPの義務ではない」(同法25.10.321)と規定しており,LPSの債務(義務)はLPS自身に帰属し,LPがLPSの債務(義務)を負うことはないとされている。他方,改正州LPS法は,「各GPは,LPSの活動に おける当該LPSの代理人である」(同法25.10.381(1))と規定しており,「全てのGPは,権利を主張する者による別途の同意又は法令の規定がなければ,LPSの全ての義務に対し連帯して責任を負う」(同法25.10.401(1))と規定していることから,LPSは自ら義務を負い,GPは,そのLPSが負う義務につき連帯して義務を負うものとされている。 さらに,改正州LPS法は,「パートナーは,現金以外の形で,LPSからの分配を要求し又は受領する権利を有しない」(同法25.10.486)と規定し,「パートナーが譲渡することができる唯一の持分は,当該パートナーが有する譲渡可能持分である。譲渡可能持分は人的財産権である」(同法25.10.546)と規定している。上記各規定 .486)と規定し,「パートナーが譲渡することができる唯一の持分は,当該パートナーが有する譲渡可能持分である。譲渡可能持分は人的財産権である」(同法25.10.546)と規定している。上記各規定は,パートナーの譲渡可能な唯一の持分は人的財産権であって,パートナーがLPSの財産について具体的な権利を有しないことを前提としており,LPS名義でされた法律行為の効果がLPS自身に帰属することとも整合するところ,このような規定内容は改正前の州LPS法及び州PS法の内容と同様である。 このように,改正州LPS法の上記各規定からすれば,LPSは,パートナーとは異なる主体として,LPS自身が活動をする上で必要な又は便宜的なあらゆることを行う権限を有し義務を負うものであり,LPS名義でされた法律行為の効果がLPS自身に帰属することが前提とされていることは明らかである。上記のとおり,改正州LPS法は従来の州LPS法及び州PS法の内容を踏襲したものというべきであるから,前記cにおいて述べた州LPS法及び州PS法の各規定についても,改正州LPS法の上記各規定と同様の内容及び趣旨を定めるものと解すべきである。 e 次に,本件各LPSのパートナーシップ契約の内容をみると,A3-LPS,A4-LPS及びA5-LPSは,各物件の所有,運営,管理 ないし売却を目的とし(本件A3-LPS契約5条(乙14),本件A4-LPS契約5条(乙16),本件A5-LPS契約4条(甲43)),A2-LPSは,本件A2-LPS物件の持分の全て又は重要な部分の直接的又は間接的な所有,運営及び保有を目的としており(本件A2-LPS契約5条,乙11),本件各LPSが各物件又はその持分の所有,運営,管理ないし売却という行為を行う権限を有することを前提としている。このような契 所有,運営及び保有を目的としており(本件A2-LPS契約5条,乙11),本件各LPSが各物件又はその持分の所有,運営,管理ないし売却という行為を行う権限を有することを前提としている。このような契約の内容は,前記c⒜の「LPSは,LPのいないパートナーシップが行うことができるあらゆる事業を行うことができる」(州LPS法25.10.060)との州LPS法の規律に沿うものである。 また,本件各LPSに係るパートナーシップ契約においては,「財産に対する権利がないこと」という項目が規定され,清算その他の場合に,各LPは,現金以外の形式での分配を本件各LPSに対して要求し又は本件各LPSから受領する権利を有しないものとすると定められている(本件A2-LPS契約13.4 条(乙11),本件A3-LPS契約13.4 条(乙14),本件A4-LPS契約13.4 条(乙16),本件A5-LPS契約12.4 条(甲43))。このような本件各LPSに係るパートナーシップ契約の内容は,州LPS法が「パートナーは,現金以外の形式で,LPSからいかなる分配も要求し受領する権利を有しない。」(州LPS法25.10.350)と規定しているところに沿うものであり,また,上記のような本件各LPSに係るパートナーシップ契約の内容は,州LPS法が「パートナーシップの持分は,人的財産権である」(州LPS法25.10.390)と規定し,州PS法が,「パートナーシップにより取得された財産は,当該パートナーシップの財産であって,パートナー個人の財産ではない。」(州PS法25.05.060),「パートナーは,パートナーシップの財産の共同所有者ではなく,任意であるか強制であるかを問わず,いかなる移転可能なパートナーシ ップの財産における持分も保有しない」(州PS法25.0 ),「パートナーは,パートナーシップの財産の共同所有者ではなく,任意であるか強制であるかを問わず,いかなる移転可能なパートナーシ ップの財産における持分も保有しない」(州PS法25.05.200)と規定しているところともそごするものではない。 f 以上のとおり,本件各LPSにつき,州LPS法及び州PS法の各規定並びに本件各LPSに係るパートナーシップ契約の内容等に鑑みると,本件各LPSは,自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が本件各LPSに帰属するものということができるから,権利義務の帰属主体であるというべきである。そうすると,本件各LPSは,権利義務の帰属主体であると認められるのであるから,判断基準2によれば,我が国の租税法上の法人に該当し,所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当するものというべきである。 (ウ) 以上のとおり,平成27年最高裁判決を踏まえると,本件各LPSは,判断基準1及び判断基準2のいずれによっても,我が国の租税法上の法人に該当し,所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当するものである。 ウ平成27年最高裁判決が言い渡される前の被告の主張の要旨(ア) 我が国の租税法上の法人該当性に関する判断枠組み外国の事業体が我が国の租税法上の法人に該当するか否かは,当該事業体の準拠法の規定及びその解釈(なお,当該準拠法において構成員間の契約による修正を認めている範囲内では設立規約(契約)の内容も併せ考慮する。)を基礎として,その設立,組織,財産の管理や帰属状況等を考慮し,当該事業体が構成員から独立した権利義務の帰属主体として設立が認められているか否かを個別具体的に判断するのが相当である。 その際には,当該事業体がその名において契約を締結し,その名において権利を取得し義務を 体が構成員から独立した権利義務の帰属主体として設立が認められているか否かを個別具体的に判断するのが相当である。 その際には,当該事業体がその名において契約を締結し,その名において権利を取得し義務を負うなど,独立した権利義務の主体となり得るものか否かを根幹となる判断要素とした上で,事業体として所有財産(不動産)を登記ないし登録できるか否か,有限責任を負うにすぎない構成 員がいるか否かなど,その構成員の個人財産とは区別された独自の財産を有するか否か,その権利義務のためにその名において訴訟当事者となり得るか否か,事業体の成立に登記,登録等の外部的手続を要するとされているか否かなどの事情も総合して,当該事業体が我が国の法人であれば通常有すべき実質を付与されているか否かの観点から判断する必要があるというべきである。 (イ) 本件各LPSが我が国の租税法上の法人に該当すること本件各LPSの準拠法である州LPS法及び州PS法の規定内容並びに本件各LPSに係る契約の内容等をみると,パートナーシップはパートナーとは異なる主体(entity)であるとされ,パートナーシップにより取得された財産は,パートナーシップの財産であり,パートナー個人のものではないとされており,本件各LPSは,構成員である各パートナーの個人財産とは明確に区別された独自の財産を有することが認められている。また,構成員の個性や変動とは関係なく本件各LPSが存続・運営されることが前提とされており,さらに,LPSの設立には,LPS契約の締結のみでは足りず,LPS証明書の登録が必要とされ,LPSは,その名において訴訟を追行できるとされている。これらの点を総合的にみれば,本件各LPSは,準拠法の下において,構成員から独立した法的主体として存在し,独立した権利義務の帰属主体と とされ,LPSは,その名において訴訟を追行できるとされている。これらの点を総合的にみれば,本件各LPSは,準拠法の下において,構成員から独立した法的主体として存在し,独立した権利義務の帰属主体として設立が認められたものであるということができ,我が国の租税法上の法人に該当すると認められる。 (原告の主張の要旨)ア平成27年最高裁判決の判断基準の適用の在り方について平成27年最高裁判決の示した外国法人該当性の判断基準のうち,判断基準1の規範そのものは正当であるが,「日本法上の法人に相当する法的地位」が何を指すのかが明らかでなく,客観的かつ一義的な判定を可能と するだけの具体的な指標(メルクマール)が明らかでないという問題がある。一方で,判断基準2は,その正当性が十分に論証されておらず,また,判断基準2を中心にして法人該当性を判断する場合には,判断の妥当性に疑問が生じることになるから,判断基準1によることができない例外的な場合に依拠すべき補充的,便宜的な判断基準と位置付けなければならないという問題がある。 このような問題点を踏まえれば,平成27年最高裁判決の示した規範(判断基準)を適用して本件各LPSの法人該当性を判断するに当たっては,判断基準1の考慮要素を具体化した上で,個々の事業体の「設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組み」に即して具体的な判断を行うことにより,できる限り判断基準1に依拠して外国法人該当性を判断し,安易に判断基準2に依拠して結論を得ることがないようにしなければならない。 イ判断基準1の適用の帰結について米国デラウェア州のLPSに関する平成27年最高裁判決の枠組みに従って判断基準1を具体的に適用した場合に,本件各LPSに「日本法上の法人に相当する法的地位」が付与されていないことは,以 ついて米国デラウェア州のLPSに関する平成27年最高裁判決の枠組みに従って判断基準1を具体的に適用した場合に,本件各LPSに「日本法上の法人に相当する法的地位」が付与されていないことは,以下のとおり明白であるということができる。 (ア) エンティティ規定は日本法上の法人に相当する法的地位の有無の判断に影響するものではないこと米国ワシントン州のLPSは,「ワシントン州の法律に基づき2名以上の者(persons)によって設立され,1名以上のGP及び1名以上のLPを有するパートナーシップ(partnership)」である(州LPS法25.10.010(7))。州LPS法は「partnership」の定義を置いていないので,州PS法の規定をみると(州LPS法25.10.660 参照),州PS法は,「partnership」は「anentitydistinctfromitspartners」であると規定している(州PS法25.05.050)が,被告は,このエンティテ ィ規定の「anentitydistinctfromitspartners」という文言を「パートナーとは異なる主体」と訳した上で,LPSが構成員から独立した権利義務の主体として存在していることを示していると主張する。 しかし,州PS法のエンティティ規定の「anentitydistinctfromitspartners」という文言は,州PS法がモデルとした1994年改訂後の統一PS法典(州PS法との関係は甲38の1参照)の文言に由来するものであるところ,A12大学のA13教授は,上記文言は,「partnership」が元来複数の者から成るグループ内の契約そのものと考えられており,このような契約当事者の1人が死亡し又は脱退したとき のであるところ,A12大学のA13教授は,上記文言は,「partnership」が元来複数の者から成るグループ内の契約そのものと考えられており,このような契約当事者の1人が死亡し又は脱退したときは,当該契約当事者を要素とする「partnership」はもはや存在し得ないと考えられていたため,「partnership」の安定性や有用性が損なわれた状況に対応することを目的として,パートナーが死亡し又は脱退した後の「partnership」の存続性(survivabilityoflimitedpartnerships)を規定するために採用されたものであると説明している(A13教授意見書(甲86)4頁,訳文5,6頁)。 その上で,A13教授は,1994年統一パートナーシップ法典に基づいて組成された「partnership」(GPSのほかLPSを含む。)が「パートナーとは異なる事業体であるものとする(anentitydistinctfromitspartners)」と定められていることの意味は,「GPの1人(あるいは全員)が死亡し又は脱退しても,必ずしも解散するものではないということを,より明確化するものにすぎない」(A13教授意見書(甲86)6頁,訳文8,9頁)と述べている。 上記のような存続性は,我が国の任意組合にも当然に認められるものであり(民法678条ないし681条),法人該当性とは無関係であるから,A13教授の上記の指摘を踏まえれば,エンティティ規定の「anentitydistinctfromitspartners」という文言が,日本法上の法 人に相当する法的地位の有無と無関係であることは明らかである。 したがって,判断基準1の適用において,「anentitydistinctfromit 」という文言が,日本法上の法 人に相当する法的地位の有無と無関係であることは明らかである。 したがって,判断基準1の適用において,「anentitydistinctfromitspartners」という州PS法のエンティティ規定の文言は,本件各LPSが日本法上の法人に相当する法的地位を付与されているかいないかの判断の決め手にならないから,設立根拠法令の他の規定の文言や法制の仕組みを検討する必要がある。 (イ) 米国の「unincorporatedentity」であるLPSには「日本法上の法人に相当する法的地位」がないこと米国のパートナーシップ法制の仕組みに関する検討結果を述べた,A14大学のA15教授の意見書(甲49)によれば,米国の「unincorporatedentity」であるLPSには「日本法上の法人に相当する法的地位」は存在しない。 a ワシントン州法を含む米国法では事業体が「incorporatedentity」と「unincorporatedentity」に二分されていること米国の裁判所は,法人格のある事業体につき「incorporatedentity」という概念を使用し,そうでない事業体(unincorporatedentity)と二分して区別している(A15教授意見書(甲49)7頁,11頁,訳文8頁,11頁)。 本件各LPSの設立準拠法であるワシントン州法においても,同様に,事業体を「incorporatedentity」と「unincorporatedentity」とに二分した上で,「incorporatedentity」に日本法上の法人に相当する地位を付与する規定を置いている。すなわち,ワシントン州事業法人法(「WashingtonBusinessCor 二分した上で,「incorporatedentity」に日本法上の法人に相当する地位を付与する規定を置いている。すなわち,ワシントン州事業法人法(「WashingtonBusinessCorporationAct」(甲25の1及び2)。以下「州事業法人法」という。)は,「corporation」について個人と同じ能力(thesamepowersasanindividual)を有すると規定した上で(23B.03.020(2)),その「corporation」の定義について, 「「Corporation」又は「domesticcorporation」は,この法律の規定によって法人化された(incorporated)営利のcorporation を意味し,社会的目的のcorporation を含み,外国のcorporation を含まない。」(23B.01.400(5))と規定しており,州事業法人法の規定によって「incorporated」されているか否かによって,個人と同じ権利能力が付与される「corporation」であるか否かが決まるものとしている。そうすると,「incorporated」された事業体が「日本法上の法人に相当する法的地位」を付与された事業体であるということになる。 そして,事業体が「incorporatedentity」又は「unincorporatedentity」のいずれかに二分されていることからすれば,ある事業体が「incorporatedentity」でなければ,「unincorporatedentity」に該当し,「日本法上の法人に相当する法的地位」が付与されていないことになるところ,州PS法は,LPSを含む「partnership」が「incorporatedenti atedentity」に該当し,「日本法上の法人に相当する法的地位」が付与されていないことになるところ,州PS法は,LPSを含む「partnership」が「incorporatedentity」に該当するものとは定めていない。 A15教授も,米国ワシントン州の事業体につき「corporation」が「incorporatedentity」に該当する一方,GPSやLPSといった「partnership」は「unincorporatedentity」に該当するとして,明確に両者を区別している(A15教授意見書(甲49)7頁,訳文8頁)。 b ワシントン州法上「unincorporatedentity」であるLPSには自然人と同様の一般的な権利能力は付与されていないことA15教授が述べるように,LPSを含む「partnership 」は「unincorporatedentity」であるから,州PS法には,州事業法人法と異なり,「partnership」が個人と同じ能力を有する(thesamepowersasanindividual)といった規定は置かれていない。 その代わりに,「partnership」については,事業の遂行に当たって 必要な能力として,財産の取得(州PS法25.05.060)や訴訟能力(州PS法25.05.130)等の能力が個々に認められている。LPSの権利能力は,自然人と同様に一般的に認められているわけではなく,活動の便宜のために,事業体の一般的な性質とは別に,個別に認められているにすぎないのである。 このような設立根拠法令の規定ぶりからして,「unincorporatedentity」である「partnership」(LPSを含む。)には,「incorporatede ぎないのである。 このような設立根拠法令の規定ぶりからして,「unincorporatedentity」である「partnership」(LPSを含む。)には,「incorporatedentity」である「corporation」とは異なり,「日本法上の法人に相当する法的地位」を付与されていないことが明らかである。 c 米国私法上「unincorporatedentity」であるLPSは訴訟手続上独立した主体として扱われない場面があること「incorporatedentity」であるか「unincorporatedentity」であるかが米国法上の「日本法上の法人に相当する法的地位」の有無と関係することは,「incorporatedentity」であるか否かによって,事業体に対する連邦裁判所の管轄の決定方法が異なることからしても明らかである。 すなわち,米国では,連邦裁判所の管轄が認められる場合として,連邦法の問題が生ずる場合か,又は異なる州の市民が関与する場合(州籍相違管轄(diversityjurisdiction))があるとされているところ,このうち,州籍相違管轄の有無については,訴訟当事者の州籍(citizenship)の判定を行う必要がある。この州籍の判定につき,「incorporatedentity」である「corporation」については,事業体が設立された州及び主たる事業所を有する州に州籍を有するものとされるのに対し,LPSを始めとする「unincorporatedentity」については,事業体の構成員に着目して州籍を考え,各構成員が州籍を有す るあらゆる州に事業体の州籍が認められている(A15教授意見書(甲49)7~8頁,訳文8~9頁)。 「unincorpora ,事業体の構成員に着目して州籍を考え,各構成員が州籍を有す るあらゆる州に事業体の州籍が認められている(A15教授意見書(甲49)7~8頁,訳文8~9頁)。 「unincorporatedentity」の州籍の判定を行うに当たって,事業体そのものではなく,事業体の各構成員の州籍に着目することは,「unincorporatedentity」が構成員から全く独立した存在ではないものとして扱われていることを示している。 また,事業体の訴訟当事者能力に関しても,連邦民事訴訟規則上,事業体が「incorporatedentity」であれば,自然人と同様,設立地(自然人の住所地に相当するもの)の準拠法に基づき訴訟当事者能力が決定されるのに対し,「partnership 」その他の「unincorporatedassociation」については,組織体の設立準拠法ではなく,裁判所所在地の法律によって訴訟当事者能力が定められるものとされている。このように,「unincorporated」とされる事業体には,設立根拠法令ではなく訴訟手続法により初めて訴訟当事者能力が付与されるという,「incorporatedentity」とは異なる建付けが採られている。 このような訴訟当事者能力の扱いからすると,米国の法制度の仕組みにおいて,「unincorporatedentity」である本件各LPSが,訴訟手続上構成員から独立した主体として自然人の場合と同様に扱われる「incorporatedentity」と区別されていることは明らかである。 d 以上のとおり,A15教授の意見書を踏まえれば,本件各LPSの設立根拠法令上,「partnership」である本件各LPSに「日本法上の法人に相当する法的地位」が付与されているか否かは, る。 d 以上のとおり,A15教授の意見書を踏まえれば,本件各LPSの設立根拠法令上,「partnership」である本件各LPSに「日本法上の法人に相当する法的地位」が付与されているか否かは,個人と同じ権利能力を有し,事業体単位で州籍が決定される「incorporatedentity」であるか,又は法の規定によって個別的に権利能力を付与されるにすぎず,州籍も構成員に着目して決定される「unincorporatedentity」であるかによって判断することが可能であり,これらのうち 「unincorporatedentity」である本件各LPSに「日本法上の法人に相当する法的地位」を付与されていないことは明白である。 (ウ) 租税条約においてもLPSを含む「partnership」に「日本法上の法人に相当する法的地位」を付与されているとは解されないことa 米国におけるLPSの法的地位を検討する上で租税条約の文言が参照されるべきこと米国のLPSが「日本法上の法人に相当する法的地位」を付与されているか否かを判断するに当たっては,平成27年最高裁判決自体,判断基準1を導くに当たり,「国際的な法制の調和の要請等を踏まえる」としているのであるから,日米双方の組織体の法的地位に着目した上でその課税取扱いを定めた「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約」(平成16年条約第2号。以下「日米租税条約」という。)の規定内容を検討することは必須というべきであり,日米租税条約上の取扱いも,判断基準1のいう「法制の仕組み」として検討される必要がある。 また,我が国の法制度と比較して,外国事業体を当該外国がどのように捉えているかを把握する意味では,外国事業体に係る条約, の取扱いも,判断基準1のいう「法制の仕組み」として検討される必要がある。 また,我が国の法制度と比較して,外国事業体を当該外国がどのように捉えているかを把握する意味では,外国事業体に係る条約,例えば日米租税条約上の外国事業体の取扱いを考慮することが有用である。 日米租税条約は,日本と米国の両政府の間で,所得に対する租税に関し,二重課税を回避し,脱税を防止することを目的として,「両国において課税上の取扱いが異なる事業体に関する条約の適用関係を具体的に明らかにする」ために締結されたものである(甲21(1頁))。 日米租税条約が,我が国においては,所得税及び法人税に適用されるものであって,我が国の租税法体系の一環を成す法規範であることに照らせば,原則として,日米租税条約で用いられた事業体の分類に係 る法概念は,所得税法及び法人税法上の概念と同義であると解すべきである。 しかも,租税条約は,各締結国の租税法規やその前提となる私法上の法制度が各締結国間で異なることを考慮しつつ,各締結国の課税権を調整して国際的二重課税を回避等するためのものであって,各締結国の公用語によりそれぞれ正文が作成されるものであるから,租税条約の正文で同一概念を示すものとして用いられた各締結国の公用語による概念は,その法的地位を踏まえた上で,各締結国間で対応関係があるように規定されているものと解される。 b 本件各LPSを含む「partnership」は日米租税条約上「組合」と位置付けられており「法人」とされていないこと「partnership」である本件各LPSの法的地位を検討するに当たっては,「partnership」が日米租税条約の日本語の正文ではどのような事業体に対応するものとされているのか,また,日本の「法人」ないし「法人格を有する 本件各LPSの法的地位を検討するに当たっては,「partnership」が日米租税条約の日本語の正文ではどのような事業体に対応するものとされているのか,また,日本の「法人」ないし「法人格を有する団体」が日米租税条約の英語の正文ではどのような事業体に対応させられているのかを参照する必要がある。 そこで,日米租税条約(日米租税条約の議定書を含む。)の各正文を対比すると,日米租税条約3条1項⒠で「company」には「法人」という用語が,同⒡で「bodycorporate」には「法人格を有する団体」という用語が,日米租税条約の議定書2項で「partnership」には「組合」という用語が,それぞれ同一概念を指すものとして規定されている。 我が国では「組合」は法人格を有しない団体であるが,租税条約の締結過程において両国政府間で当然に概念のすり合わせがされたと考えられることからすれば,米国政府も,米国法では「partnership」は法人格を有するものではないとの理解の下に,「組合」という用語に 「partnership」という用語を対応させたものと考えられる。 米国政府が「partnership」は法人格を有しないものと考えていたからこそ,日本語の「組合」という用語に「partnership」という用語を対応させたのだとすれば,米国の法制において,「partnership」は法人格を有しない事業体であると取り扱われており,米国において,本件各LPSを含む「partnership」に「日本法上の法人に相当する法的地位」が付与されていないことは明白である。 なお,日米租税条約において上記のように規定されているほか,我が国においても,「corporation」が「法人」,「partnership」が「組合」にそれぞれ対応 ていないことは明白である。 なお,日米租税条約において上記のように規定されているほか,我が国においても,「corporation」が「法人」,「partnership」が「組合」にそれぞれ対応するものとして説明されてきていることから,米国の「partnership」は,我が国でも,「日本法上の法人に相当する法的地位」を有しないものとして理解されてきたものである。 (エ) 以上を踏まえ,本件において,判断基準1を適用し,州LPS法及び州PS法に加え,州事業法人法,米国の訴訟手続上の取扱い,日米租税条約等の規定の文言や法制の仕組みを具体的に検討すれば,①米国ワシントン州及び米国の各法制では,法人格の有無に応じて,事業体を「incorporatedentity」と「unincorporatedentity」に二分し,前者を法人に相当するものとして位置付けているところ,本件各LPSは後者の「unincorporatedentity」に該当するものであり,②日米租税条約では,「partnership」に我が国の非法人である「組合」という用語が当てられており,米国においてLPSを含む「partnership」が日本の非法人に相当するものとして位置付けられていることがうかがわれることから,本件各LPSの準拠法であるワシントン州法及び米国私法によれば,本件各LPSが,その設立根拠法令において「日本法上の法人に相当する法的地位…を付与されていないことが疑義のない程度に明白」であり,判断基準2を検討するまでもなく,本件各 LPSは「外国法人」に該当しないものというべきである。 したがって,平成27年最高裁判決の判断基準を前提にしても,本件各LPSは,我が国の租税法上の「法人」に該当しない。 ウ平成27年最高裁判決が言い渡される 」に該当しないものというべきである。 したがって,平成27年最高裁判決の判断基準を前提にしても,本件各LPSは,我が国の租税法上の「法人」に該当しない。 ウ平成27年最高裁判決が言い渡される前の原告の主張の要旨(ア) 我が国の租税法上の法人は,準拠法上法人格を付与され,かつ,事業損益の帰属すべき主体とされる事業体であると解すべきことa 法人格形式基準我が国の民法,国際私法及び租税法の解釈として,外国の法令に準拠して設立された事業体の法人該当性は,我が国の私法上及び租税法上の内国法人と同じく,原則として,当該外国の法令の規定内容から,その準拠法である当該外国の法令によって法人とする(法人格を付与する)旨を規定されていると認められるか否か(法人格形式基準)により判断されるべきであり,この理解は,平成12年の総理府(当時)の税制調査会の答申や下級審裁判例において支持されてきたものである。 b 損益帰属基準我が国の租税法上「法人」として扱われることが予定されない,損益の帰属すべき主体でない事業体を我が国の租税法上の「法人」概念から除外するため,法人格形式基準による判断を検証するものとして,当該事業体が明らかに損益の帰属すべき主体(その構成員に直接その損益が帰属することが予定されない主体)として設立が認められたものといえるか否か(損益帰属基準)による判断も行い,この基準によっても損益の帰属が肯定される場合に限り,我が国の租税法上の法人に該当すると解すべきである。 (イ) 本件各LPSは我が国の租税法上の法人に該当しないことa 日米両国の法概念を対照した日米租税条約において,「法人」は 「company」とされ,LPSがそうであるところの「partnership」は我が国において「法人以外の団体(any a 日米両国の法概念を対照した日米租税条約において,「法人」は 「company」とされ,LPSがそうであるところの「partnership」は我が国において「法人以外の団体(anyotherbodyofperson)」である「組合」に相当するものとされている。この理解は,LPSの設立準拠法である米国法(連邦法及びワシントン州法)の取扱いや,コモン・ローとシビル・ローとの間の法体系の相違を踏まえた学術的考察の結果とも整合するものであり,我が国の「法人」に相当する準拠法上の概念を特定するものとして極めて合理的である。そして,我が国においても,日米租税条約に現れているような「法人」概念の対応関係が一般的に支持,受容されており,LPSについては我が国の「法人」に該当しないものと理解されていることが明らかである。 また,州LPS法は,損益がLPSではなく構成員に直接帰属することを想定しており,本件各LPS契約上も損益が構成員に直接帰属するものとされているから,本件各LPSは損益の帰属すべき主体ではない。 このように,本件各LPSは我が国の「組合」に相当する概念である「partnership」であって,本件各LPSを我が国の「法人」に相当する概念と定めている規定は見当たらない上,租税法上「法人」とみるための前提である損益帰属の実態も欠いているから,本件各LPSが我が国の租税法上「法人」に該当しないことは明らかである。 b また,仮に被告の主張に係る基準によるとしても,準拠法上LPSが「法人格のない団体」に分類されている事実を無視すべきではなく,本件各LPSは実質的にみても我が国の「組合」に相当するものであって,我が国の「法人」には認められない性質を多数備えているから,本件各LPSが「法人」に該当し得ないとの結論は を無視すべきではなく,本件各LPSは実質的にみても我が国の「組合」に相当するものであって,我が国の「法人」には認められない性質を多数備えているから,本件各LPSが「法人」に該当し得ないとの結論は変わらない。 (2) 争点(2)(本件各不動産事業により生じた損益を原告の不動産所得の金額の計算上収入金額又は必要経費に算入することの可否)について (被告の主張の要旨)ア本件各LPSは,我が国の租税法上の「法人」に該当するものであるから,本件各LPSが行う不動産に係る事業により生ずる損益は,その事業を行った本件各LPSに帰属する。 したがって,本件各LPSが行った本件各不動産事業に基因して原告に損益が分配されているとしても,これらが不動産所得としての性質を有したまま原告に帰属することはなく,当該損益は,原告の不動産所得の金額の計算における収入金額又は必要経費に該当せず,これらに算入することはできない。また,本件各物件に係る減価償却費についても,不動産所得の金額の計算における必要経費に算入する余地はない。 イ本件各LPSが我が国の租税法上の「法人」に該当するか否かの点をおくとしても,本件各物件は,原告の「有する」減価償却資産(所得税法49条1項)に当たらないから,所得税法の減価償却資産に関する各規定からも,原告が本件各物件に係る減価償却費を必要経費に算入することは認められない。 すなわち,減価償却資産を「有する」とは,一般的には,当該減価償却資産につき,私法上,所有権を有することを意味すると解すべきであるところ,州PS法が,パートナーシップにより取得された財産はパートナーシップの財産でありパートナーはパートナーシップ財産の共同所有者とならない旨を定めていること及び本件各LPSに係る契約内容その他の各事実によれば, ,パートナーシップにより取得された財産はパートナーシップの財産でありパートナーはパートナーシップ財産の共同所有者とならない旨を定めていること及び本件各LPSに係る契約内容その他の各事実によれば,本件各物件を本件各年分の各12月31日において「所有」していたのは,原告ではなく,本件A2-LPS物件については▲・ビル事業者(▲BuildingEntity)外3名の事業者(以下「本件A2-LPS物件名義人」という。),本件A3-LPS物件についてはA3-LPS,本件A4-LPS物件についてはA4-LPS,本件A5-LPS物件についてはA5-LPSであり,本件各物件は,原告の「有する」減価償却資産に当たらない。 原告は,本件各物件を実質的に所有していた旨主張するが,原告は,本件各物件につき共有持分としての財産的権利を何ら有しないものである上,原告が主体的に不動産投資事業を行っていたとは証拠上認められないことなどから,原告の上記主張は理由がない。 ウ仮に本件各LPSが営む不動産に係る事業により生ずる損益が原告に直接帰属すると認められる場合であっても,本件各LPSのLPである原告が割当てを受けた計算上の損失がその出資の額を超えている場合において,原告が当該損失の額のうち必要経費に算入できる金額は,出資の額を限度とする額にとどまる。すなわち,不動産所得に係る必要経費は,個人の純資産を減少させ,その担税力を減殺させるものであることを前提とするものであり,当該個人が実際に負担することのない費用は所得税法37条1項の必要経費に該当しないところ,ある事業体が,有限責任の構成員に持分割合等に応じた損失を割り当てたとしても,有限責任の構成員においては,出資の額を超えて債務(負債)を負うことはないことからすると,その割り当てられた損失のう ころ,ある事業体が,有限責任の構成員に持分割合等に応じた損失を割り当てたとしても,有限責任の構成員においては,出資の額を超えて債務(負債)を負うことはないことからすると,その割り当てられた損失のうち,当該構成員の投下資本(出資の額)を超える部分については,当該構成員の所得金額の計算上,収入金額から控除される必要経費に該当せず,課税上考慮する必要はない。 (原告の主張の要旨)ア前述のとおり,本件各LPSは我が国の租税法上の法人に該当せず,その稼得した損益は構成員に対し課税されるべきものである。 そして,本件各LPSは,いずれも不動産の所有,運営,管理,保有,売却等をその目的とし,その保有する米国不動産を賃貸するなどして収益を稼得している。したがって,本件各LPSが稼得し,原告を含む構成員に配賦された損益が,不動産所得に分類されるべきことは明らかである。 そして,原告及びA1は,専ら米国の不動産に係る事業を営むために,本件各LPSを含む米国のLPSの持分を取得し,本件各LPSを含む米 国のLPSを通じて,本件各物件を含む米国の不動産の割合的所有権を取得して米国の不動産に係る事業を行い,その成果として本件各LPSから損益の配賦を受けてきたのであるから,当該損益が原告の不動産所得となることは明らかである。 イ被告は,原告が本件各物件を「有する」(所得税法49条1項)ものではないと主張するが,納税者が形式的には減価償却資産の所有名義人ではなかったとしても,そのことは直ちに減価償却資産該当性を否定することを意味しない。 すなわち,本件各物件のワシントン州法上の所有名義人が本件各LPS(ただし,本件A2-LPS物件については,本件A2-LPS物件名義人。以下本項において同じ。)であるとしても,本件各LPSは,いずれ なわち,本件各物件のワシントン州法上の所有名義人が本件各LPS(ただし,本件A2-LPS物件については,本件A2-LPS物件名義人。以下本項において同じ。)であるとしても,本件各LPSは,いずれも損益が帰属すべき主体ではなく,その損益は,本件各LPSの持分割合に応じて構成員である原告に直接帰属するもので,原告は,本件各LPSの構成員として,本件各LPSを通じ,自ら主体的に自己の事業として米国の不動産に係る事業を行っていることからすれば,原告は,我が国の任意組合の組合財産として不動産を所有し,その組合員として不動産に係る事業を行っていたのと同様に,米国において,本件各LPSを通じて本件各物件を実質的に所有しているものといえる。 また,減価償却資産該当性は,納税者が自らの事業の用に供している当該減価償却資産に対して資本を投下したか否かによって決まることになるところ,本件のようにこのような資本の投下が認められる場合は,当該減価償却資産を「有する」場合に該当し,減価償却費の計上も許されるべきであるから,被告の主張は根拠がない。 ウ被告は,有限責任を理由として,出資の額を超える損失の額の必要経費への算入が制限されると主張するが,本来は「別段の定め」なくして採り得ない制限を法令上の根拠なくして当然に認めるという租税法の解釈論と して成り立たない主張であって,減価償却費の理論的な意義から判断したとしてもおよそ正当性を欠くものであるから,上記の主張が認められる余地はない。 (3) 争点(3)(国税通則法65条4項に定める「正当な理由」の有無)について(原告の主張の要旨)ア国税通則法65条4項に定める「正当な理由」が認められるのは,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,適法に申告し納税した者との間の客 無)について(原告の主張の要旨)ア国税通則法65条4項に定める「正当な理由」が認められるのは,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,適法に申告し納税した者との間の客観的不公平の実質的な是正や,適正な申告納税の実現を図るという過少申告加算税の趣旨に照らしても,なお,納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合であると解される(最高裁平成17年(行ヒ)第9号同18年4月20日第一小法廷判決・民集60巻4号1611頁)。 また,国税庁長官が発遺した平成12年7月3日付け「申告所得税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて(事務運営指針)」(平成12年課所4-16ほか。甲110。以下「本件事務運営指針」という。)の記載に照らせば,十分な資料の提出がされた上での申告指導に従って確定申告を行った場合に,これを信ずることにつきやむを得ないと認められる事情があったときには,「正当な理由」が認められるべきである。 イ(ア) 本件につき原告による各確定申告がされた当時において,私法や米国の法制度について一般的に参照される主要な文献や国際税務に関する論稿に,LPSは「法人」ではないとの見解が多数現れており,財務省や平成12年の総理府(当時)の税制調査会(以下「税制調査会」という。)も,LPSは「法人」でないため,現行法上LPSに対し法人課税を行うことはできないと理解していたものであり(大蔵省(当時)主税局が作成して税制調査会法人課税小委員会の討議用資料として提出し た平成12年4月28日付け「法人税制関係資料―法人税の現状と課題―」(甲30。以下「本件討議用資料」という。),税制調査会が作成した同年7月14日付け「わが国税制の現状と課題―21世紀に向けた国民の参加と選択―」答申(甲12 人税制関係資料―法人税の現状と課題―」(甲30。以下「本件討議用資料」という。),税制調査会が作成した同年7月14日付け「わが国税制の現状と課題―21世紀に向けた国民の参加と選択―」答申(甲12。以下「本件答申」という。)等),他方,米国のパートナーシップやその一種であるLPSが「法人」であるとの解釈が有力に主張されていたという形跡は見当たらず,米国のLPSは「法人」に該当しないとの理解は確立していた。 (イ) 税務当局関係者が,税務実務上,外国のパートナーシップが任意組合や匿名組合のような法人格を有しない事業体として取り扱われていることを明らかにしているほか(甲18,55),公認会計士や弁護士等の実務家も,LPSは税務上「法人」に該当しないものと理解していたものであり,税務実務上も,米国のLPSは「法人」に該当しないものとして取り扱われていた。 (ウ) 原告及びA1(以下「原告ら」という。)が米国の不動産に係る事業を開始した当初の時点では,原告らは,LPSを介することなく,米国の不動産の持分権を直接保有していた(甲4(4頁))。 その後,平成6年頃から,原告らは,米国LPSを通じて米国の不動産(割合的所有権)を取得するようになり,原告は,それ以降,原告個人又はA1の代表取締役社長ないし取締役会長として,本件各更正処分が課された平成23年3月10日に至るまでの約17年間もの間,原告らがLPとなった米国のLPS(本件各LPSを含む。)は「法人」に該当せず,LPSの損益を原告の不動産所得として計上できること(A1については,LPSが保有する不動産の減価償却費を損金に算入できること)を前提として,米国の不動産に係る事業による所得を継続して申告してきたものであり,A1に対して申告是認通知書(甲102,103)も発出されていた。 する不動産の減価償却費を損金に算入できること)を前提として,米国の不動産に係る事業による所得を継続して申告してきたものであり,A1に対して申告是認通知書(甲102,103)も発出されていた。 この間,保土ケ谷税務署の税務職員は,平成18年2月頃からA1に対する税務調査を行い,A1が本件各LPSを介して本件各物件を保有していたことを示す資料を精査した上で,同年4月26日には,A1に対し,「A1株式会社の申告審理における指導事項について」と題する書面(甲104。以下「本件指導文書」という。)及び添付資料(甲106)を交付し,A1の平成18年3月期の法人税の確定申告について具体的かつ詳細な指導をしたが,その内容は,原告が米国ワシントン州のLPSを介して保有していた米国の不動産の償却費や米国の不動産に係る事業の損益を,原告自身の償却費や損益として計上するよう指導するもので,米国のLPSが我が国の租税法上の「法人」に該当しないことを前提とするものであった。そのため,上記申告指導を受けたA1は,米国のLPSは「法人」に該当しないことを前提とする従来の確定申告を継続した。 そして,原告も,上記申告指導を踏まえ,米国のLPSが「法人」に該当しないことを前提に,平成18年分以降も従来どおりの確定申告を継続したものであり,本件各年分の確定申告においても従前と同様に,不動産所得の所得金額の計算上,本件各物件の減価償却費を必要経費の額に算入して所得税の確定申告をした。 このように,①原告らは,平成6年頃から共同して米国の不動産に係る事業を営んできたこと,②保土ケ谷税務署による上記申告指導に直接対応したのは,A1の代表者で経営者であった原告であったこと,③米国のLPSが我が国の租税法上の「法人」に該当するか否かは,法人税に特有の事 営んできたこと,②保土ケ谷税務署による上記申告指導に直接対応したのは,A1の代表者で経営者であった原告であったこと,③米国のLPSが我が国の租税法上の「法人」に該当するか否かは,法人税に特有の事柄ではなく,所得税でも同様に当てはまる事項であって,適用法令に基づく差異は生じないこと等からすれば,A1の代表者として上記申告指導に直接対応してきた原告が本件各LPSを含む米国のLPSは我が国の租税法上の「法人」に該当しないものと理解して自らの所 得税の確定申告をしたことにはやむを得ないと認められる事情がある。 さらにいえば,上記(ア)及び(イ)のとおりの税務当局の見解及び実務上の取扱いに沿った上記申告指導を受けたことから,原告としては,自らの確定申告が税務当局の見解及び実務上の取扱いに沿ったものであるとの意を更に強くしていたものである。 (エ) 加えて,本件各年度に係る確定申告の時点では,米国のLPSが我が国の租税法上の「法人」に該当するとした裁判例はなく,原告が従前の確定申告の内容を変更すべき契機も存在しなかったもので,むしろ上記申告後に現れた複数の裁判例において米国デラウェア州法に基づいて設立されたLPSが我が国の租税法上の「法人」に該当しない旨の判断がされていることからすれば,原告が依拠した見解が相応の根拠を有するものであったといえる。 ウ以上からすれば,このような原告に過少申告加算税を賦課することは不当又は原告に酷に過ぎるものであって,原告が本件各LPSを「法人」でないものとして各確定申告をしたことには「正当な理由」がある。 (被告の主張の要旨)ア国税通則法65条4項にいう「正当な理由があると認められる」場合とは,前掲最高裁平成18年4月20日第一小法廷判決を始めとする数多くの判例及び裁判例を踏まえると,真に (被告の主張の要旨)ア国税通則法65条4項にいう「正当な理由があると認められる」場合とは,前掲最高裁平成18年4月20日第一小法廷判決を始めとする数多くの判例及び裁判例を踏まえると,真に納税者の責めに帰することができない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照らしても,なお,納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいうのであり,納税者側の主観的な事情,法の不知又は解釈の誤りは含まれないと解される。 イ(ア) 原告の主張に係る本件討議用資料については,米国のLPSが我が国の租税法上の法人に含まれないことを明言するものではなく,また,政府の公の見解が表明されたものでもない。そうすると,原告が,仮に 当該資料の記載を見て本件各LPSが我が国の租税法上の法人に該当しないと考えたとしても,それは,資料の記載内容を正解せずに,米国における取扱いが我が国においても直ちに妥当すると誤解したところでされたものにすぎず,納税者側の主観的な事情によるものというべきであるから,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情とはいえない。 (イ) また,原告は,税務実務上も米国のLPSは「法人」に該当しないものとして取り扱われていたとする理由として,税務当局関係者が法人格を有しない事業体として取り扱われていることを明らかにしているほか,税務実務家も「法人」に該当しないものと理解していたと主張する。 しかし,税務当局関係者や税務実務家の文献の中には,米国の州法に基づくLPSが「法人」ではない旨の記述がされているものがあるが,これらが税務当局の公式見解でないことは明らかであり,それだけで,租税実務上,米国ワシントン州のLPSが我が国の租税法上の法人と同等の事業体ではないとの理解が広く共有されていたとまでは認めら るが,これらが税務当局の公式見解でないことは明らかであり,それだけで,租税実務上,米国ワシントン州のLPSが我が国の租税法上の法人と同等の事業体ではないとの理解が広く共有されていたとまでは認められない。 そうすると,原告の上記主張は,結局,原告の見解に沿う部分にのみ着目し,本件各LPSが我が国の租税法上の法人に該当しないと考えたにすぎず,主観的な事情によるものというべきであるから,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情とはいえない。 (ウ) さらに,原告は,保土ケ谷税務署の税務職員が,A1に対する税務調査において,A1が本件各LPSを介して本件各物件を保有していたことを示す資料を精査した上で,米国のLPSが我が国の租税法上の「法人」に該当しないことを前提とする申告指導をしたものであり,原告による確定申告も是認されてきた旨主張する。 しかしながら,同税務署の職員は,A1が提出した平成17年3月期に係る法人税の確定申告書の記載内容について形式的な審査を行い(い わゆる申告審理),その結果,計算方法等の形式的な誤りがある可能性があると思われたことから,そのような誤りの有無を確認する限りで必要な資料の自発的な提示を求めたにすぎず,A1に対し「税務調査」を行った事実はなく,そもそもA1は上記職員が求めた資料の全てを提出しなかったというべきであり,また,仮にA1が上記職員に米国の不動産に関する何らかの資料を提出していたとしても,上記職員は,A1の平成17年3月期に係る確定申告書の申告内容を前提とした場合における所得金額の計算方法等の誤りの有無を確認する目的でA1に資料の提出を求めたのであって,本件各LPSの法人該当性を検討するために資料の提出を求めたものではないから,上記職員は,本件各LPSの我が国の租税法上の法人 方法等の誤りの有無を確認する目的でA1に資料の提出を求めたのであって,本件各LPSの法人該当性を検討するために資料の提出を求めたものではないから,上記職員は,本件各LPSの我が国の租税法上の法人該当性については判断していなかったというべきである。 また,本件指導文書は,法律上の根拠を有しない便宜の供与という事実上のものである上,「貴社の国外源泉所得が利子・配当でなく事業所得であるとすると」と記載されているとおり,一定の前提を置いた上でA1に対し申告指導をしたものにすぎず,本件各LPSの法人該当性に関する課税庁の公的な見解を示したものではない。 さらに,申告是認通知書等(甲102,甲103)は,その発出当時の法令上,何ら法律上の根拠があるものではなく,納税者に対する便宜の供与のための事実上の行為であって,納税者に対し法律上の効果を発生させるようなものではなく,納税者の申告に対する一応の見解を表明するものにすぎず,課税庁が当該年度につき将来更正等の処分をしないことまでも約束する趣旨のものではない上,異なる年度についてまで申告是認通知書等の対象となった事業年度と同様の処置を執ることを明らかにしたものでもない。 そして,原告の提出する資料は,いずれも原告とは別の納税主体であ るA1に係るものであり,かつ,本件各年分に関するものでもない。そうすると,仮に,原告が本件各LPSにつきA1と同様の経理処理及び申告をしており,原告が,A1の申告内容やA1に対する税務調査の内容等から,「米国のLPSを我が国の租税法上の「法人」に該当しないものとする取扱いは,長年にわたり課税庁に是認されてきた」との認識を持っていたとしても,それは飽くまで原告の主観的な事情にすぎないというべきである。 ウしたがって,原告の主張する事情は,原告の ものとする取扱いは,長年にわたり課税庁に是認されてきた」との認識を持っていたとしても,それは飽くまで原告の主観的な事情にすぎないというべきである。 ウしたがって,原告の主張する事情は,原告の主観的事情や法の不知ないし解釈の誤りというべきものであって,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照らしても,なお,納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合とはいえないから,通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとの原告の主張は失当である。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件各LPSが所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当するか否か)について(1) 我が国の租税法上の法人該当性に関する判断の枠組みア本件においては,本件各LPSが行う本件各不動産事業により生じた所得が本件各LPS又は原告のいずれに帰属するかが争われているところ,複数の者が出資をすることにより構成された組織体が事業を行う場合において,その事業により生じた利益又は損失は,別異に解すべき特段の事情がない限り,当該組織体が我が国の租税法上の法人に該当するときは当該組織体に帰属するものとして課税上取り扱われる一方で,当該組織体が我が国の租税法上の法人に該当しないときはその構成員に帰属するものとして課税上取り扱われることになるから,本件における上記の所得の帰属を判断するに当たっては,本件各LPSが所得税法2条1項7号に定められ ている外国法人として我が国の租税法上の法人に該当するか否かが問題となる。 イ我が国の租税法は組織体のうちその構成員とは別個に租税債務を負担させることが相当であると認められるものを納税義務者としてその所得に課税するものとしているところ,ある組織体が法人として納税義務 イ我が国の租税法は組織体のうちその構成員とは別個に租税債務を負担させることが相当であると認められるものを納税義務者としてその所得に課税するものとしているところ,ある組織体が法人として納税義務者に該当するか否かの問題は我が国の課税権が及ぶ範囲を決する問題であることや,所得税法2条1項7号が法人に係る諸外国の立法政策の相違を踏まえた上で外国法人につき「内国法人以外の法人」とのみ定義するにとどめていることなどを併せ考慮すると,我が国の租税法は,外国法に基づいて設立された組織体のうち内国法人に相当するものとしてその構成員とは別個に租税債務を負担させることが相当であると認められるものを外国法人と定め,これを内国法人等とともに自然人以外の納税義務者の一類型としているものと解される。このような組織体の納税義務に係る制度の仕組みに照らすと,外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当するか否かは,当該組織体が日本法上の法人との対比において我が国の租税法上の納税義務者としての適格性を基礎付ける属性を備えているか否かとの観点から判断することが予定されているものということができる。そして,我が国においては,ある組織体が権利義務の帰属主体とされることが法人の最も本質的な属性であり,そのような属性を有することは我が国の租税法において法人が独立して事業を行い得るものとしてその構成員とは別個に納税義務者とされていることの主たる根拠であると考えられる上,納税義務者とされる者の範囲は客観的に明確な基準により決せられるべきであること等を考慮すると,外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当するか否かについては,上記の属性の有無に即して,当該組織体が権利義務の帰属主体とされているか否かを基準とし 考慮すると,外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当するか否かについては,上記の属性の有無に即して,当該組織体が権利義務の帰属主体とされているか否かを基準として判断することが相当であると解される。 その一方で,諸外国の多くにおいても,その制度の内容の詳細には相違があるにせよ,一定の範囲の組織体にその構成員とは別個の人格を承認し,これを権利義務の帰属主体とするという我が国の法人制度と同様の機能を有する制度が存在することや,国際的な法制の調和の要請等を踏まえると,外国法に基づいて設立された組織体につき,設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから,日本法上の法人に相当する法的地位が付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白である場合には,そのことをもって当該組織体が所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当する旨又は該当しない旨の判断をすることが相当であると解される。 以上に鑑みると,外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当するか否かを判断するに当たっては,まず,より客観的かつ一義的な判定が可能である後者の観点として,①当該組織体に係る設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから,当該組織体が当該外国の法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討することとなり(判断基準1),これにより判断できない場合には,次に,当該組織体の属性に係る前者の観点として,②当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かを検討して判断すべきものであり,具体的には,当該組織体の設立根拠法令の規定の内容や趣旨等から,当該組織体が自ら法律行為の当事者となることができ 該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かを検討して判断すべきものであり,具体的には,当該組織体の設立根拠法令の規定の内容や趣旨等から,当該組織体が自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該組織体に帰属すると認められるか否かという点を検討することとなる(判断基準2)ものと解される(以上につき,平成27年最高裁判決参照)。 (2) 米国ワシントン州のLPS関係法令及び本件各LPS契約等の定め前記前提事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,米国ワシントン州のLPSに関する関係法令(以下「LPS関係法令」という。)及び本件各LPS契約等には,次のとおりの定めがあるものと認められる。なお, 英米法上の一般的な概念の意義並びに当該各法令及びその規定の趣旨や文脈等に照らし,以下の認定に反する当事者の主張は採用することができない。 ア米国ワシントン州のLPS関係法令の定め(ア) 州LPS法(乙7)a 定義(25.10.010)⒜ 「ジェネラル・パートナー」(GP)とは,パートナーシップ契約に従い,GPとしてLPSに認められ,GPとしてLPSの証明書において指名された者(person)をいう(25.10.010(5))。 ⒝ 「リミテッド・パートナー」(LP)とは,パートナーシップ契約に従い,LPとしてLPSに認められた者(person )をいう(25.10.010(6))。 ⒞ 「リミテッド・パートナーシップ」(LPS)及び「州内リミテッド・パートナーシップ」とは,米国ワシントン州の法律に基づき2名以上の者(persons)によって設立され,1名以上のGP及び1名以上のLPを有するパートナーシップをいう(25.10.010(7))。 ⒟ 「パートナー」とは,LP又はGPをいう( に基づき2名以上の者(persons)によって設立され,1名以上のGP及び1名以上のLPを有するパートナーシップをいう(25.10.010(7))。 ⒟ 「パートナー」とは,LP又はGPをいう(25.10.010(8))。 ⒠ 「パートナーシップ契約」とは,LPSの事業及びその事業運営に関する書面又は口頭によるパートナー間の有効な契約をいう(25.10.010(9))。 ⒡ 「パートナーシップの持分(partnershipinterest)」とは,LPSの利益及び損失に関するパートナーへの割当て及びパートナーシップの財産の分配を受領する権利をいう(25.10.010(10))。 ⒢ 「者(person)」とは,個人,コーポレーション(corporation),事業信託,遺産財団,信託,パートナーシップ,リミテッド・ライアビリティー・カンパニー,アソシエーション,ジョイントベンチャー,政府又はその部局,外局若しくは補助部門その他の法的又は 商業上の主体(entity)をいう(25.10.010(11))。 b 事業の性質(25.10.060)LPSは,LPのいないパートナーシップが行うことができるあらゆる事業を行うことができる。 c パートナーとパートナーシップとの事業の取引(25.10.070)パートナーシップ契約に別段の定めがある場合を除き,パートナーは,LPSに対して金員を貸し付けることができ,LPSと他の取引を行うことができる。この場合において,パートナーは,他の適用される法令に従い,パートナーでない者(person)が有するのと同様の権利及び義務を有する。 dLPの第三者に対する義務(25.10.190)25.10.190(4)に定める場合を除き,LPは,自己がGPでない限り,又はLPとしての権 on)が有するのと同様の権利及び義務を有する。 dLPの第三者に対する義務(25.10.190)25.10.190(4)に定める場合を除き,LPは,自己がGPでない限り,又はLPとしての権利若しくは権限の行使に加えてLPSの事業の運営に参加していない限り,LPSの義務(theobligationsofalimitedpartnership)についての責任を負わない。ただし,LPは,LPSの事業の運営に参加する場合において,当該LPの行為により当該LPがGPであると合理的に信じてLPSと取引を行った者に対してのみ,上記の責任を負う。(25.10.190(1))LPは,LPSの権利(therightofthelimitedpartnership)に関して派生する訴訟(以下「派生訴訟」という。)を提起し又は追行するために法令により要求され又は許容される措置を執ること等を単に行っただけでは,上記にいう事業の運営に参加したことにはならない(25.10.190(2)(d))。 eGPの一般的な権限及び義務(25.10.240)⒜ 州LPS法又はパートナーシップ契約に別段の定めのある場合を除き,LPSのGPは,LPを有しないパートナーシップにおける パートナーの権利及び権限を有し,かつ,これらの制限に服する(25.10.240(1))。 ⒝ 州LPS法に別段の定めのある場合を除き,LPSのGPは,当該LPS及び他のパートナー以外の者に対し,LPを有しないパートナーシップにおけるパートナーの義務を負う。州LPS法又はパートナーシップ契約に別段の定めのある場合を除き,LPSのGPは,当該LPS及び他のパートナーに対し,LPを有しないパートナーシップにおけるパートナーの義務を負う。(25.10.240(2 法又はパートナーシップ契約に別段の定めのある場合を除き,LPSのGPは,当該LPS及び他のパートナーに対し,LPを有しないパートナーシップにおけるパートナーの義務を負う。(25.10.240(2))f 現物分配(25.10.350)パートナーシップ契約に別段の定めのある場合を除き,出資の性格にかかわらず,パートナーは,現金以外の形式で,LPSからいかなる分配も要求し受領する権利を有しない(25.10.350 前段)。 g パートナーシップの持分の性質(25.10.390)パートナーシップの持分は,人的財産権(personalproperty)である。 h 州LPS法に定めがない場合の規律(25.10.660)州LPS法に定めがない場合には,州PS法又はその後継法令の規定が適用される。 (イ) 州PS法(乙8)a 主体(entity)としてのパートナーシップ(25.05.050)パートナーシップは,パートナーとは別個の主体(anentitydistinctfromitspartners)である。 b パートナーシップの設立(25.05.055)州PS法以外の法令若しくは旧法令又は他の法域のこれらに相当する法令に基づき設立されたアソシエーション(association)は,州PS法に基づくパートナーシップではない(25.05.055(2))。 c パートナーシップの財産(25.05.060)パートナーシップにより取得された財産は,当該パートナーシップの財産であって,パートナー個人の財産ではない。 d パートナーシップの代理人としてのパートナー(25.05.100(1)前段)パートナーは,その事業の目的のためのパートナーシップの代理人(anagentofthepartner 。 d パートナーシップの代理人としてのパートナー(25.05.100(1)前段)パートナーは,その事業の目的のためのパートナーシップの代理人(anagentofthepartnership)である。 e パートナーの義務(25.05.125(1))全ての各パートナーは,権利を主張する者により別段の同意がされ,又は法令に別段の定めのない限り,連帯して全てのパートナーシップの義務(allobligationsofthepartnership)に対し責任を負う。 f パートナーの権利及び義務(25.05.150(7))パートナーは,パートナーシップの代理としてのみ,パートナーシップの財産を使用し又は保有することができる。 g パートナーシップの財産の非共同所有者としてのパートナー(25.05.200)パートナーは,パートナーシップの財産の共同所有者ではなく,任意であるか強制であるかを問わず,いかなる移転可能なパートナーシップの財産における持分も保有しない。 (ウ) 改正州LPS法(乙60)a 改正州LPS法の定め(後記bの経過措置を除く。)別紙4のとおり(後記(3)ア(イ)のとおり,改正州LPS法は,本件各LPSには適用されず(後記b⒜,⒝参照),本件各LPSの設立根拠法令に含まれるものではなく,参考として摘示するもの(後記(3)ウ(ア)a⒜及びb⒜参照)である。)b 改正州LPS法の既存関係への適用関係(25.10.911)⒜ 2010年(平成22年)7月1日より前において,改正州LP S法は,次のものに対してのみ適用される(25.10.911(1))。 ① 2010年1月1日以後設立されたLPS② 25.10.911(3)及び(4)に別途規定されている場合を除き S法は,次のものに対してのみ適用される(25.10.911(1))。 ① 2010年1月1日以後設立されたLPS② 25.10.911(3)及び(4)に別途規定されている場合を除き,2010年1月1日より前に設立され,パートナーシップ契約又は当該契約を修正する法令に定められている方法により改正州LPS法に服することを選択したLPS⒝ 25.10.911(3)に別途規定されている場合を除き,改正州LPS法は,2010年7月1日から,全てのLPSに適用される(25.10.911(2))。 ⒞ 2010年1月1日より前に設立されたLPSについては,パートナーシップ契約又は当該契約を修正する法令に定められた方法によりパートナーが別途の選択をしている場合を除き,次の規定が適用される(25.10.911(3))。 ① 25.10.021(3)(注・存続期間を無期限とする規定)は適用されず,上記LPSは,2010年1月1日の直前に適用される法令に基づくいかなる存続期間の規律にも服する。 ② 上記LPSは,25.10.201(1)(d)(注・LPSの証明書の必要的記載事項)を遵守するためのLPSの証明書の修正を求めることができない。 ③ 25.10.511 及び25.10.516(注・LPの脱退の要件及び効果に関する規定)は適用されず,LPは,上記LPSからの脱退に関して,2010年1月1日の直前に存在したものと同一の権限を有し,同一の結果を伴う。 ④ 25.10.521(4)(注・GPの同意による除名に関する規定)は適用されない。 ⑤ 25.10.521(5)(注・GPの裁判による除名に関する規定)は適 用されず,裁判所は,GPの除名に関して,裁判所が2010年1月1日の直前に有したものと同 適用されない。 ⑤ 25.10.521(5)(注・GPの裁判による除名に関する規定)は適 用されず,裁判所は,GPの除名に関して,裁判所が2010年1月1日の直前に有したものと同一の権限を有する。 ⑥ 25.10.571(3)(注・解散に関する規定)は適用されず,GPの脱退と上記LPSの解散との関係は,2010年1月1日の直前に存在したものと同一である。 イ本件各LPS契約の定め(ア) 本件A2-LPS契約(乙11)a 目的(5条前段)A2-LPSが営む事業の主要目的及び一般的特徴は,本件A2-LPS物件における所有者持分の全て又は重要な部分を直接的若しくは間接的に所有し運営し保有することである。 bGPの総括的代理権及び権限(12.1 条)12.8 条及び12.9 条に規定される事項を除いて,GPは,A2-LPSの経営,運営及び管理をし,A2-LPSの事業及び業務を維持運営するために適切又は必要とされる全てのことを行い,決定する独占的権利と権限を有するものとする。その権限は,本件A2-LPS物件並びにその造作の企画,開発,融資,売却,抵当設定,担保,建設,改良,運営及び維持を含むものとする。GPは,GPに対して本契約書により付与される特定の権利及び権限に加えて,A2-LPSのために行動し,あるいはA2-LPSを拘束する全ての排他的な権限及び代理権を含め,現存するあるいは今後改正される州LPS法で規定されるGPの全ての権利及び権限を所有し,享受し,行使することができる。GPの権限と代理権は,A2-LPSの業務に関連し,付随する全ての事柄を含むものとする。 cLPの地位(13 条)及び財産に対する権利がないこと(13.4 条)清算その他の場合には,各LPは,現金以外の形式での分配をA2 PSの業務に関連し,付随する全ての事柄を含むものとする。 cLPの地位(13 条)及び財産に対する権利がないこと(13.4 条)清算その他の場合には,各LPは,現金以外の形式での分配をA2 -LPSに対して要求したり,又はA2-LPSから受領したりする権利を持たないものとする。 d なお,修正A2-LPS契約(乙12)は,同契約によって修正された部分を除き,本件A2-LPS契約は変更がなく,有効である旨を定めているところ(4条),上記aないしcの各条項については修正がない。 (イ) 本件A3-LPS契約(乙14)a 目的(5条前段)A3-LPSが営む事業の主要目的及び一般的特徴は,本件A3-LPS物件を所有し運営し売却することである。 bGPの総括的代理権及び権限(12.1 条)A2-LPS契約(前記(ア)b)と同旨cLPの地位(13 条)及び財産に対する権利がないこと(13.4 条)A2-LPS契約(前記(ア)c)と同旨(ウ) 本件A4-LPS契約(乙16)a 目的(5条前段)A4-LPSが営む事業の主要目的及び一般的特徴は,本件A4-LPS物件を所有し運営し売却することにある。 bGPの総括的代理権及び権限(12.1 条)A2-LPS契約(前記(ア)b)と同旨cLPの地位(13 条)及び財産に対する権利がないこと(13.4 条)A2-LPS契約(前記(ア)c)と同旨(エ) 本件A5-LPS契約(甲43)a 目的(4条)A5-LPSが営む事業の主要目的及び一般的特徴は,本件A5-LPS物件を所有し運営することである。 bGPの総括的代理権及び権限(11.1 条)A2-LPS契約(前記(ア)b)と同旨cLPの地位(12 条)及び財産に は,本件A5-LPS物件を所有し運営することである。 bGPの総括的代理権及び権限(11.1 条)A2-LPS契約(前記(ア)b)と同旨cLPの地位(12 条)及び財産に対する権利がないこと(12.4 条)A2-LPS契約(前記(ア)c)と同旨(3) 本件各LPSに係る我が国の租税法上の法人該当性に関する検討ア米国ワシントン州のLPS関係法令の適用関係について(ア) 州LPS法と州PS法との関係について州LPS法25.10.660 は,同法に定めがない場合,州PS法(その改廃があった場合にはその後継法令。以下同じ。)の規定が適用されると定めている(前記(2)ア(ア)h)。したがって,米国ワシントン州の法令を準拠法として2010年(平成22年)1月1日より前に設立された本件各LPSにおいても,同年7月1日以後に改正州LPS法が適用されるまで(前記ア(ウ)b⒝)は,州LPS法に定めがある事項についてはその規定が適用され,同法に定めがない事項については州PS法が適用されることとなる。 (イ) 本件各LPSの関係法令の適用関係以上のとおり,本件各LPSは,州LPS法に基づいて設立されたものであり,本件各処分の対象とされた本件各年分(平成19年分ないし平成21年分)の期間はいずれも改正州LPS法の発効日(2010年(平成22年)1月1日)より前であるため,州LPS法に定めのある事項については同法が,同法に定めのない事項については州PS法がそれぞれ適用されるので(本件各年分の期間について改正州LPS法は本件各LPSには適用されない(前記ア(ウ)b⒜,⒝)。),本件各LPSの設立根拠法令であって関連する法制の仕組みを検討すべき法令は,州LPS法及び州PS法である。 イ判断基準1に関する検討 件各LPSには適用されない(前記ア(ウ)b⒜,⒝)。),本件各LPSの設立根拠法令であって関連する法制の仕組みを検討すべき法令は,州LPS法及び州PS法である。 イ判断基準1に関する検討 (ア) まず,米国ワシントン州のLPS法(州LPS法及び州PS法)の規定の文言や法制の仕組みから,本件各LPSがワシントン州法において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるといえるか否か(判断基準1)について検討する。 米国ワシントン州のLPS法においては,LPSを含むパートナーシップは「パートナーとは別個の主体」(anentitydistinctfromitspartners)である旨のエンティティ規定が定められているところ(州PS法25.05.050),ワシントン州法を含む米国の法令において「entity」が日本法上の法人に相当する法的地位を指すものであるか否かは明確でなく,また,パートナーとは別個の主体とされていることをもって直ちに日本法上の法人に相当するということはできないから,「anentitydistinctfromitspartners」であるとされる組織体が日本法上の法人に相当する法的地位を有すると評価することができるか否かについても明確ではないといわざるを得ない(なお,平成27年最高裁判決の事案に係る米国デラウェア州のLPS法において,LPSは「separatelegalentity」であるとされており,この「separate」の文言は「distinctfromitspartners」と同様の趣旨と解され,「legal」の文言も付されているが,同最高裁判決では上記と同様の評価がされている。)。そして,州事業法人法(甲 文言は「distinctfromitspartners」と同様の趣旨と解され,「legal」の文言も付されているが,同最高裁判決では上記と同様の評価がされている。)。そして,州事業法人法(甲25の1及び2)において,LPSは「corporation」であるとはされておらず,同法の「corporation」の定義規定においても「anentitydistinctfrom」等の文言は用いられていないこと(23B.01.400(5),⒇)なども併せ考慮すると,上記のとおり州LPS法及び州PS法において米国ワシントン州のLPS法に基づいて設立されるLPSが「anentitydistinctfromitspartners」となるものと定められていることをもっ て,本件各LPSに日本法上の法人に相当する法的地位が付与されていることが疑義のない程度に明白であるとすることは困難である。他方で,これらの米国ワシントン州のLPS法において,パートナーシップが「個人」や「corporation」等と並んで「法的又は商業上の主体(entity)」とされていること(州LPS法25.10.010 ( 1 1 ) 前記(2)ア(ア)a⒢))を前提とした上で,上記のようにLPSが「パートナーとは別個の主体」(anentitydistinctfromitspartners)とされており(前記のエンティティ規定),これらの規定は法人の法的地位と抵触しない内容のものであることなどからすれば,本件各LPSに日本法上の法人に相当する法的地位が付与されていないことが疑義のない程度に明白であるとすることも困難である。 したがって,州LPS法及びPS法の規定の文言や法制の仕組みに照らしても,本件各LPSがワシントン州法において日本法上の法人 与されていないことが疑義のない程度に明白であるとすることも困難である。 したがって,州LPS法及びPS法の規定の文言や法制の仕組みに照らしても,本件各LPSがワシントン州法において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるとはいい難い。 (イ) 被告の主張について以上に対し,被告は,州PS法のエンティティ規定は統一法委員会による統一PS法典の規定と同一であるところ,改訂統一LPS法典におけるエンティティ規定については,文献上(乙35(514頁)),その創設によりLPSに法人格が付与されたものと説明されており,州PS法が適用される本件各LPSについても,設立根拠法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていることが疑義のない程度に明白であるとみるべきである旨主張する(他方,原告は,州PS法のエンティティ規定は,本件各LPSに係る日本法上の法人に相当する法的地位を肯定する根拠となるものではない旨主張する。)。 しかしながら,被告の指摘に係る邦文の文献(日本の会社法に関する 文献。乙35(514頁))は,特段の理由も挙げずに「entity」に「法人」の訳語をあてた上で,改訂統一LPS法典において州PS法と同一の文言のエンティティ規定が設けられたことのみを根拠に,LPSに法人格が付与されたとの見解を述べるものにとどまり,上記エンティティ規定のみをもって日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていることが疑義のない程度に明白であるとはいい難いことは上記(ア)において説示したとおりであって,上記文献の記述は上記の判断を左右するに足りるものとはいえないから,被告の上記主張は採用することができない。 (ウ) 原告の主張についてa 原告は, 記(ア)において説示したとおりであって,上記文献の記述は上記の判断を左右するに足りるものとはいえないから,被告の上記主張は採用することができない。 (ウ) 原告の主張についてa 原告は,ワシントン州法において,日本法上の法人に相当する法的地位を付与された事業体であるためには「incorporatedentity」である必要があることを前提に,LPSは「incorporatedentity」に該当せず,「unincorporatedentity」であるから,本件各LPSが上記の法的地位を付与されていないことは明白である旨主張する。 しかしながら,上記(ア)において説示したところによれば,州PS法,州事業法人法その他の米国ワシントン州の法令上,「unincorporatedentity」であること,すなわち,「incorporatedentity」である「corporation」以外の「法的又は商業上の主体(entity)」であることをもって直ちに,当該事業体が日本法上の法人に相当する法的地位を付与されているか否かは必ずしも明らかではないといえるから,LPSが「incorporatedentity」に該当せず「unincorporatedentity」であるからといって,LPSが上記の法的地位を付与されていないことが明白であるということはできない。 そして,原告が「incorporatedentity」と「unincorporatedentity」との間の権利能力に係る規定の有無や訴訟手続上の取扱いの 差異について指摘する点を勘案しても,上記の評価が左右されるものとはいえないから,原告の上記主張はその前提を欠くものであって,採用することができない。 b 原告は,日米租税条約上の取扱いも判断基準1にいう いて指摘する点を勘案しても,上記の評価が左右されるものとはいえないから,原告の上記主張はその前提を欠くものであって,採用することができない。 b 原告は,日米租税条約上の取扱いも判断基準1にいう「法制の仕組み」として検討される必要があり,日米租税条約で用いられた事業体の分類に係る法概念は所得税法及び法人税法上の概念と同義に解すべきであるなどとした上で,日米租税条約において「company」は「法人」,「bodycorporate」は「法人格を有する団体」の語が当てられ,同条約の議定書において「partnership」は「組合」の語が当てられていて「法人」とされておらず,日米租税条約においても,LPSを含む「partnership」に「日本法上の法人に相当する法的地位」を付与されていないことが明白に看取される旨主張する。 しかしながら,判断基準1においては,外国法に基づいて設立された組織体に係る設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みに照らして検討すべきものであって,日米租税条約は,上記法制の仕組みそのものではない上,仮に上記法制の仕組みを理解する一助となることがあり得るとしても,同条約には,米国の「partnership」について,権利義務の帰属主体性の有無に関する評価をうかがわせる規定はなく,日本法上も協同組合等(法人税法2条7号,別表第3参照)のように法人格を付与され権利義務の帰属主体となる組合が存在することに照らすと,同条約の議定書の邦文に「組合」の用語が当てられていること等(同条約の英文と邦文において「company 」が「法人」と,「bodycorporate」が「法人格を有する団体」とそれぞれ対応していることを含む。)をもって直ちに,同条約が米国の「partnership」の我が国の租税法上の法人該当性についてこ 人」と,「bodycorporate」が「法人格を有する団体」とそれぞれ対応していることを含む。)をもって直ちに,同条約が米国の「partnership」の我が国の租税法上の法人該当性についてこれを否定する見解を前提として締結されたものであることが明白に看取されるものとはいえないか ら,原告の上記主張は採用することができない。 c その余の原告の主張(前記(イ)(第1段落末尾の括弧書き)のエンティティ規定に関する主張を含む。)も,本件各LPSがワシントン州法において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていないことが疑義のない程度に明白であると認めるに足りる根拠となり得るものではなく,上記(ア)の判断を左右するものではない。 ウ判断基準2に関する検討(ア) そこで,次に,本件各LPSが我が国の租税法上の法人該当性の実質的根拠となる権利義務の帰属主体とされているか否か(判断基準2)について検討する。 aLPSの法律行為の権限等及びその効果の帰属に関する規律⒜ 州LPS法は,LPSはGPSが行うことができるあらゆる事業を行うことができる旨を定めているところ(25.10.060,前記(2)ア(ア)b),州PS法には,GPSが行うことができる事業について制限を設ける定めは特に置かれていない(乙8)。また,州LPS法は,パートナーはLPSとの間で貸付けその他の取引(法律行為)を行うことができ,この場合において,パートナーは,LPSとの関係で,パートナーでない者(「person」,すなわち個人,コーポレーション等(25.10.010(11),前記(2)ア(ア)a⒢))が有するのと同様の権利及び義務を有する旨を定めている(25.10.070,前記(2)ア(ア)c)。そして,州LPS法は,LPSのGPはGPSにおける 0.010(11),前記(2)ア(ア)a⒢))が有するのと同様の権利及び義務を有する旨を定めている(25.10.070,前記(2)ア(ア)c)。そして,州LPS法は,LPSのGPはGPSにおけるパートナーの権利及び権限を有する旨を定めている(25.10.240(1),前記(2)ア(ア)e⒜)ところ,州PS法は,GPSにおけるパートナーはその事業の目的のためのパートナーシップの代理人(anagentofthepartnership)である旨を定めている(25.05.100(1)前段,前記(2)ア(イ)d)ので,LPSのGPは, LPSの各パートナー(構成員個人)を代理するのではなく,LPSそれ自体を代理することになる。このほか,州LPS法及び州PS法においては,「LPSの義務(theobligationsofalimitedpartnership)」(州LPS法25.10.190(1),前記(2)ア(ア)d),「全てのパートナーシップの義務(allobligationsofthepartnership)」(州PS法25.05.125(1),前記(2)ア(イ)e),「LPSの権利(therightofthelimitedpartnership)」(州LPS法25.10.190(2)(d),前記(2)ア(ア)d)といったLPS自体が権利を有し又は義務を負うことを示す文言が用いられている一方で,LPS自体が権利を有さず又は義務を負わず,パートナーのみが権利を有し又は義務を負うことを示したり,法律行為の効果がLPS自体に帰属しないことを示す規定は,州LPS法及び州PS法を通じて見当たらない(乙7,8)。 なお,改正州LPS法の規定(別紙4)を参照しても,上記の州LPS法等の規律と相反するような がLPS自体に帰属しないことを示す規定は,州LPS法及び州PS法を通じて見当たらない(乙7,8)。 なお,改正州LPS法の規定(別紙4)を参照しても,上記の州LPS法等の規律と相反するような改正がされているとは認められない。 ⒝ 上記⒜の州LPS法及び州PS法(以下「州LPS法等」という。)の定めの内容等に照らせば,本件各LPSの設立根拠法令である州LPS法等は,LPSに自らの名義で法律行為をする権限を付与するとともに,LPSの名義でされた法律行為の効果がLPS自身に帰属することを前提としているものと解するのが相当である。 bLPSに係るパートナーシップの持分に関する規律⒜ 州LPS法は,パートナーシップの持分は,それ自体が「人的財産権」(personalproperty)という財産権の一類型である旨を定め(25.10.390,前記(2)ア(ア)g),州PS法は,パートナーシップにより取得された財産は,当該パートナーシップの財産であって, パートナー個人の財産ではないと定めている(25.05.060,前記(2)ア(イ)c)。また,州PS法は,パートナーは,パートナーシップの財産の共同所有者ではなく,任意であるか強制であるかを問わず,いかなる移転可能なパートナーシップの財産における持分も保有しないと定める(25.05.200,前記(2)ア(イ)g)とともに,パートナーは,パートナーシップの代理としてのみ,パートナーシップの財産を使用し又は保有することができると定めている(25.05.150(7),前記(2)ア(イ)f)。 なお,改正州LPS法の規定(別紙4)を参照しても,上記の州LPS法等の規律と相反するような改正がされているとは認められない。 ⒝ 上記⒜の州LPS法等の定めの内容等に照らせば,LP )。 なお,改正州LPS法の規定(別紙4)を参照しても,上記の州LPS法等の規律と相反するような改正がされているとは認められない。 ⒝ 上記⒜の州LPS法等の定めの内容等に照らせば,LPSのパートナーは,LPSに属する個々の財産に対して割合的な権利を具体的に有していないものとみるのが相当であるから,前記a(b)においてみたLPSの法律行為の権限及びその効果の帰属に関する規律は,LPSに係るパートナーシップの持分に関する上記の州LPS法等の規律とも整合するものということができる。 c 本件各LPS契約の内容なお,本件各LPS契約において,本件各LPSが営む事業の主要な目的及び一般的特徴が本件各物件又はその所有者持分を所有し,運営すること等とされていること(本件A2-LPS契約,本件A3-LPS契約及び本件A4-LPS契約各5条前段,本件A5-LPS契約4条。前記(2)イ(ア)ないし(エ)各a)は,前記aにおいてみたLPSの法律行為の権限及びその効果の帰属に関する州LPS法等の規律と整合するものということができる。 また,本件各LPS契約において,各LPは,清算その他の場合に おいて,本件各LPSに対し現金以外の形式での分配を要求したり,本件各LPSから現金以外の形式での分配を受領したりするいかなる権利をも有しないものとされていること(本件A2-LPS契約,本件A3-LPS契約及び本件A4-LPS契約各13.4 条,本件A5-LPS契約12.4 条。前記(2)イ(ア)ないし(エ)各c)も,前記a及びbにおいてみたLPSの法律行為の権限及びその効果の帰属並びにLPSに係るパートナーシップの持分に関する州LPS法等の規律と整合するものということができる。 そして,以上のほか,本件各LPS契約の各条項の中 たLPSの法律行為の権限及びその効果の帰属並びにLPSに係るパートナーシップの持分に関する州LPS法等の規律と整合するものということができる。 そして,以上のほか,本件各LPS契約の各条項の中に,前記a及びbにおいてみたLPSの法律行為の権限及びその効果の帰属並びにLPSに係るパートナーシップの持分に関する州LPS法等の規律と抵触する内容の定めは見当たらない。 d 小括以上のような州LPS法等の定め等に鑑みると,本件各LPSは,自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が本件各LPSに帰属するものということができるから,権利義務の帰属主体であると認められる。 そうすると,本件各LPSは,上記のとおり権利義務の帰属主体であると認められるのであるから,我が国の租税法上の法人に該当し,所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当するものというべきである。 (イ) 原告の主張についてa 原告は,判断基準2について検討するまでもなく判断基準1によって本件各LPSに係る我が国の租税法上の法人該当性は否定される旨主張し,判断基準2の適用関係について特に具体的な主張をしていないが,本件各LPSに係る我が国の租税法上の法人該当性については, 判断基準1によってこれを判断することができないことは前記イにおいて既に説示したとおりであり,判断基準2によってこれを肯定すべきであることは前記(ア)において既に説示したとおりである。 b また,平成27年最高裁判決が言い渡される前の原告の主張については,同最高裁判決の示した判断基準と異なる基準を前提とするものであるため,採用の限りではない。 エ小括以上によれば,本件各LPSは,前示のとおり権利義務の帰属主体であると認められるから,判断基準2に照らして,我が国の 基準と異なる基準を前提とするものであるため,採用の限りではない。 エ小括以上によれば,本件各LPSは,前示のとおり権利義務の帰属主体であると認められるから,判断基準2に照らして,我が国の租税法上の法人に該当し,所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当するものというべきである。 2 争点(2)(本件各不動産事業により生じた損益を原告の不動産所得の金額の計算上収入金額又は必要経費に算入することの可否)について(1) 前記1において説示したとおり,本件各LPSは所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当するものであるから,本件各不動産事業は本件各LPSが行うものであり,前記1(1)アの特段の事情の存在もうかがわれないことなどからすると,本件各不動産事業により生じた所得は,本件各LPSに帰属するものと認められ,原告の不動産所得に該当するものではなく,原告の課税所得の範囲には含まれないものと解するのが相当である。 したがって,本件各LPSが行う本件各不動産事業により生じた損益は,本件各物件の所有権を含めて,本件各LPSに帰属するものであり,本件各物件は原告が有するものではないから,本件各物件の減価償却費を含めて,その損益を原告の不動産所得(所得税法26条1項)の金額の計算における収入金額(同法36条1項)又は必要経費(同法37条1項)に算入することはできないというべきである。 (2) 原告は,形式的には減価償却資産の所有名義人ではなかったとしても,本 件各LPSの損益が構成員に帰属することとされており,本件各LPSを通じて自ら主体的に米国の不動産に係る事業を行っていることから,米国において,本件各LPSを通じて本件各物件を実質的に所有しており,また,減価償却資産に対して資本を投下しているなどとして,原告が減価償却資 自ら主体的に米国の不動産に係る事業を行っていることから,米国において,本件各LPSを通じて本件各物件を実質的に所有しており,また,減価償却資産に対して資本を投下しているなどとして,原告が減価償却資産である本件各物件を「有する」(所得税法49条1項)ものとして,その減価償却費を原告の不動産所得の金額の計算における必要経費に算入することができる旨主張する。 しかしながら,固定資産の減耗による負担を負うのは通常は固定資産の所有者であるから,所得税法49条1項に定める居住者の「有する」減価償却資産とは,譲渡担保に供された固定資産の場合(法人税基本通達2-1-18参照)等のような特段の事情のない限り,居住者の所有する減価償却資産をいうものと解すべきであるところ,本件各物件は,所得税法2条1項7号に定める外国法人として権利義務の帰属主体となる本件各LPS(A2-LPSについては▲・ビル事業者(▲ BuildingEntity)外3名の事業者(本件A2-LPS物件名義人))が所有するものであって,原告が所有するものではない(前記(2)イ(ア)ないし(エ)各aの本件A2-LPS契約,本件A3-LPS契約及び本件A4-LPS契約各5条前段並びに本件A5-LPS契約4条参照)。なお,原告は,本件各物件を実質的に所有していると主張するが,本件各物件に係る不動産登記上,本件各LPS(A2-LPSについては本件A2-LPS物件名義人)が所有名義人とされ,原告が所有名義人とされていないことは争いがない上,本件各物件に係る契約上,原告が本件各物件の所有権を取得したことを認めるに足りる証拠は存しない。そして,本件各LPSが,原告を含むパートナーから資本の提供を受け,その事業についてLPである原告の一定の関与を事実上受けていたといった事情があったとしても, たことを認めるに足りる証拠は存しない。そして,本件各LPSが,原告を含むパートナーから資本の提供を受け,その事業についてLPである原告の一定の関与を事実上受けていたといった事情があったとしても,本件各LPSが権利義務の帰属主体として所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当する以上,本件各物件を取得して費用を負担 し,その事業の用に供して収益を上げているのは本件各LPSであって,上記の事情が本件各物件の所有関係を実質的に左右するものとはいえず,前記の特段の事情に当たるともいえないから,本件各物件の減価償却費を本件各物件の所有者ではない原告の不動産所得の金額の計算における必要経費に算入すべき理由はないというべきであり,原告の上記主張は採用することができない。 3 争点(3)(国税通則法65条4項に定める「正当な理由」の有無)について(1) 国税通則法65条4項に定める「正当な理由」の意義過少申告加算税は,過少申告による納税義務違反の事実があれば,原則としてその違反者に対し課されるものであり,これによって,当初から適法に申告し納税した納税者との間の客観的不公平の実質的な是正を図るとともに,過少申告による納税義務違反の発生を防止し,適正な申告納税の実現を図り,もって納税の実を挙げようとする行政上の措置である。この趣旨に照らせば,過少申告があっても例外的に過少申告加算税が課されない場合として国税通則法65条4項が定めた「正当な理由があると認められる」場合とは,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,上記のような過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいうものと解するのが相当である(前掲最高裁平成18年4月20日第一小法廷判決,最高裁平成17年(行ヒ 少申告加算税の趣旨に照らしてもなお納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいうものと解するのが相当である(前掲最高裁平成18年4月20日第一小法廷判決,最高裁平成17年(行ヒ)第20号同18年10月24日第三小法廷判決・民集60巻8号3128頁参照)。 (2) 本件における「正当な理由」の有無以下,原告が「真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情」を基礎付ける事情として主張する①税務当局による一般的な公的見解の表示ないし②税務職員による個別の見解の表示又は誤った指導の有無について検討する。 ア税務当局による一般的な公的見解の表示の有無について 原告は,①平成12年の本件討議用資料(甲30(48頁))において,LPSは,米国において法人格を有さず,構成員課税が適用される事業体に分類されており,我が国の税制では外国の事業体がその外国において私法上「法人」とされているかどうかにより日本の租税法上の「法人」該当性が決定されるという理解を前提にすれば,上記の記載からは,財務省(当時の大蔵省)が,米国のLPSは「法人」に該当しないと解釈していたことが看取できること,また,②同年の本件答申(甲12(343,344頁))において,「わが国の税制では,外国の事業体がその外国において私法上「法人」とされているかどうかにより,法人課税の対象とするかどうかを判断していますが,外国の多様な事業体の中には,その本国において私法上「法人」とはされないものの,自己の名前で取引をしているなど,その実態を見れば法人税の課税対象とすることがふさわしいものもあると考えられます。」として,外国のパートナーシップのような事業体がその外国において「法人」とされていないため,現状では我が国で法人課税の対象とならないとい の課税対象とすることがふさわしいものもあると考えられます。」として,外国のパートナーシップのような事業体がその外国において「法人」とされていないため,現状では我が国で法人課税の対象とならないという問題意識が表明されていることから,財務省や税制調査会も,LPSは「法人」でないため,現行法上LPSに対し法人課税を行うことはできないと理解していた旨主張する。 しかるところ,本件討議用資料は,当該資料の性質や体裁上,そもそも税務当局が公的な見解を表明したものと認めるには足りない上,その内容も,「日米における事業体に係る課税上の取扱い」との標題に従って,米国内における課税上の取扱いとして,米国各州のLPSにつき,法人課税を選択した場合(各州における法制の選択を指す趣旨と解される。)には法人格のある事業体としての法人課税の取扱いを受け,それ以外の場合には法人格のない事業体としての構成員課税の取扱いを受けることを説明するにとどまるものと認められ(甲30),我が国における課税上の取扱いとして,米国各州のLPSが我が国の租税法上の法人に該当するか否か及 び我が国において法人課税又は構成員課税のいずれの取扱いを受けるかについて言及したものではない。 また,本件答申についてみても,税制調査会が法人課税に関する施策の方針を検討する前提として外国の事業体に対する法人課税の在り方に言及したものであって,税務当局が税務行政において依拠すべき公的な見解を表明したものとはいえない上,その内容も,米国のLPSが一律に我が国の租税法上の法人に該当しないことを示すものではなく,かえって,外国の多様な事業体の中には,当該外国の私法上は法人とされていない事業体であっても,その実態をみれば法人税の課税対象とするのがふさわしい事業体もあるとの認識 しないことを示すものではなく,かえって,外国の多様な事業体の中には,当該外国の私法上は法人とされていない事業体であっても,その実態をみれば法人税の課税対象とするのがふさわしい事業体もあるとの認識を示す記載(甲12(344頁))が含まれており,米国のLPSがその実態次第では我が国の法人課税の対象とされ得ることを示唆しているとみることもできるものといえる。 その他,原告の主張に係る文献や論稿(いずれも税務当局関係者や税務実務家の個人の著述等にとどまる。)の中に税務当局による公的な見解を示すものがあるとは認められないから,我が国における課税上の取扱いにおいて,米国のLPSが我が国の租税法上の法人に該当しない事業体として構成員課税とする旨の見解が税務当局の公的な見解として一般的に表明されていたものということはできないというべきである(かえって,上記のような本件討議用資料及び本件答申の記載等に照らすと,米国内における課税上の取扱いにおいては各州の法制の選択によって法人課税とされる場合があり,また,我が国における課税上の取扱いにおいても,LPSの個々の実態等によっては,当該LPSが我が国の租税法上の法人に該当すると認定されて構成員課税とならない場合があることが示されていたものと認めるのが相当であり,このことは我が国の租税法上の法人該当性に関する前記1(1)の判断枠組みとも整合するものといえる。なお,以上に説示したところによれば,米国ワシントン州のLPSである本件各LPSに係 る我が国の租税法上の法人該当性に関し,原告がこれを否定する見解を採って税務申告をしたことについて,本件事務運営指針にいう「相当の理由があると認められるとき」(税法の解釈に関して申告書提出後新たに課税庁により法令解釈が明確化されたために申告者の解釈がこれと異な 採って税務申告をしたことについて,本件事務運営指針にいう「相当の理由があると認められるとき」(税法の解釈に関して申告書提出後新たに課税庁により法令解釈が明確化されたために申告者の解釈がこれと異なることとなり,その申告者の解釈について相当の理由があると認められる場合)に当たるということもできないというべきである。)。 イ税務職員による個別の見解の表示又は誤った指導の有無について(ア) 本件指導文書についてa 証拠(甲109,乙71)によれば,本件指導文書(甲104)は,保土ケ谷税務署の税務職員が,A1が提出した平成17年3月期に係る法人税の確定申告書の申告内容について審査を行い,その結果,申告内容の誤りと思われる点をA1に指摘するために作成した説明用のメモであること,上記申告の審理に当たった保土ケ谷税務署の税務職員は,A1の代表者である原告に対し,おおむね本件指導文書の内容に沿った説明をしたことが認められる。 b⒜ 本件指導文書(甲104)の第1項(「外国税額控除の計算について」)には,外国税額控除制度の一般的な説明に係る記載の後に,次の記載があることが認められる。 「貴社(注:A1。以下同じ。)は,アメリカで申告した所得金額をもとに国外所得の計算をしていますが,国外所得の計算は,国内法における所得計算により算出した国外源泉所得を指します(法令第142条第3~8項)ので,貴社の国外源泉所得が利子・配当でなく事業所得であるとすると,アメリカで申告した所得金額は,国内法により計算した国外源泉所得と一致しない(国内法による減価償却・国内借入金利子等が反映されていないため)ことになります。 貴社が提出した決算書によると国外所得が海外投資不動産収益と 海外投資不動産損失として明記されていますので,この金額を国外 却・国内借入金利子等が反映されていないため)ことになります。 貴社が提出した決算書によると国外所得が海外投資不動産収益と 海外投資不動産損失として明記されていますので,この金額を国外所得として(本来ならばこの金額に国内外に対して共通して係る費用:例借入金利子等を加味する必要がある。)外国税額控除の限度額計算を行うと,結果として当初申告した控除税額に変更はありませんが平成18年3月期に繰り越される控除余裕額が減少することとなります。 よって,平成18年3月決算については,正しく計算した控除余裕額に基づき申告していただく必要があります。」⒝ A1が,平成17年3月期法人税の申告において,法人税法69条1項の外国税額219万円余の控除を算入し(1枚目の順号43),その内訳において国外所得金額を計算していること(甲96(2,5枚目))に照らせば,本件指導文書の上記記載は,上記申告が米国で申告した所得金額(国内法による減価償却等が反映されていないもの)を基に国外所得の計算をしており,A1の申告のとおり国外所得が利子・配当ではなく事業所得であるとすると,その計算が国内法に基づいてされていない旨を指摘した上,上記申告において結果的に控除税額に変更はないものの,翌期に繰り越される控除余裕額(法人税法69条2項)が減少することとなるので,翌期決算においては正しく計算した控除余裕額に基づき申告するよう求めるものと解される。 A1は,上記申告に係る国外所得がA5-LPSに係る所得であることを示す書面を確定申告書に添付している(甲96(6ないし11枚目))ほか,原告は,A1の代表者として,上記申告の審理に当たった保土ケ谷税務署の税務職員に対し,海外不動産投資に係る損益は,配当ではなく事業所得であり,パートナーシップの損益はパス ないし11枚目))ほか,原告は,A1の代表者として,上記申告の審理に当たった保土ケ谷税務署の税務職員に対し,海外不動産投資に係る損益は,配当ではなく事業所得であり,パートナーシップの損益はパス・スルーになる旨の説明をしており(乙71),更にパート ナーシップの基本契約書を示している(争いがない。)から,同職員において当該国外所得が米国ワシントン州のLPSに由来することを認識し得る状況にあったといえるところ,上記国外所得が利子・配当ではなくA1の事業所得となる旨(その帰結として構成員課税となる旨)の同社の上記の説明は,上記LPSが我が国の租税法上の法人に該当しないとの見解を前提とするものであるといえる。 しかしながら,本件指導文書の上記記載は,上記⒜のとおり,A1の国外所得が同社の事業所得となる旨の同社の主張自体の当否には何ら言及することなく,仮定的に同社の申告どおり「国外所得が利子・配当ではなく事業所得であるとすると」との留保を付した上で,専らその場合の外国税額控除の計算方法という本件の争点とは異なる限局された事項について説明するものにとどまるから,同文書の上記記載をもって,課税庁の税務職員がA1に対し,米国ワシントン州のLPSが我が国の租税法上の法人に該当しないとの見解を個別に示し又は誤った指導をしたと評価することはできないというべきである。 c⒜ また,本件指導文書の第2項(「外国税額の損金算入時期について」)には,次の記載があることが認められる。 「外国税額の損金算入時期については,外国税額控除の適用時期に準じて,納付することとなる事業年度の損金と解されます。したがって,申告納税方式により納付すべき金額が確定するものは,原則としてその申告があった日に損金に算入(国税通則法第16条1項)することになり じて,納付することとなる事業年度の損金と解されます。したがって,申告納税方式により納付すべき金額が確定するものは,原則としてその申告があった日に損金に算入(国税通則法第16条1項)することになりますが,例外として,費用として計上した日の属する事業年度でも認められる旨規定しています(法通16-3-5)。 貴社の外国税額の損金算入時期については,パートナーシップ の収支報告を受けた段階で費用化していますが,アメリカでの申告はその収支報告書が送付された翌事業年度に申告しているため,外国税額控除をする時期と租税公課として計上する時期にずれが生じることになります。 貴社の外国税額の費用計上時期は,基本通達に定める税務上認められる合理的な基準に該当しないため,租税公課として損金に算入すべき日は,収支報告書が送付された日の属する事業年度ではなく,アメリカで申告した日(外国税額控除を受ける日)の属する事業年度の損金とする必要があります。 したがって,収支報告書を受けた段階では仮払いとして処理し,翌期に租税公課に振り替える処理をする必要があると認められます。」⒝ 法人税法上,内国法人が外国税額控除の対象となる外国法人税を納付した場合,内国法人は,①その納付した外国法人税の額をその債務が確定した事業年度において損金の額に算入するか(法人税法22条3項2号),②当該外国法人税の額につき,外国税額控除の適用を受けるか(その場合,当該外国法人税の額は,その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されない。平成23年法律第82号による改正前の法人税法41条)のいずれかを選択することとなる。 本件指導文書の上記記載は,上記①を選択した場合の損金算入の時期について,上記②を選択した場合に準ずるものとした上で,内国法 82号による改正前の法人税法41条)のいずれかを選択することとなる。 本件指導文書の上記記載は,上記①を選択した場合の損金算入の時期について,上記②を選択した場合に準ずるものとした上で,内国法人が外国法人税について上記②の外国税額控除の適用を受ける場合について通達上の取扱いを説明した上で,A1が外国法人税の額を会計処理上費用計上しているのはA1がパートナーシップの収支報告を受けた事業年度であるのに対し,米国での申告により外国 法人税の額が確定したのは収支報告を受けた事業年度の翌事業年度であるから,外国法人税の額を会計処理上費用計上した事業年度と申告により外国法人税の額が確定する事業年度との間に差異が生じており,そのような差異が生じている以上,これを是正すべきであることを指摘するとともに,そのための具体的な是正方法として仮払金処理等の方法を説明したものと解される。 そうすると,本件指導文書の記載に係る上記の説明は,LPSが我が国の租税法上の法人に該当するか否かについていかなる見解を前提としているかによって左右される内容ではなく,上記の説明をもって,課税庁の税務職員が原告に対し米国ワシントン州のLPSが我が国の租税法上の法人に該当しないとの見解を個別に示し又は誤った指導をしたと評価することはできないというべきである。 d これに対し,原告は,①本件指導文書の第1項の記載に係る申告指導は,A1がLPSを介して保有していた米国の不動産の償却費を国内法による減価償却方法によって計算し,これをA1の所得金額に反映するよう求めるもので,米国ワシントン州のLPSが「法人」ではなく,当該不動産がLPであるA1の減価償却資産になるという理解を前提としたものであり,②本件指導文書の第2項の記載に係る申告指導は,同州のLPSが米国で負担 米国ワシントン州のLPSが「法人」ではなく,当該不動産がLPであるA1の減価償却資産になるという理解を前提としたものであり,②本件指導文書の第2項の記載に係る申告指導は,同州のLPSが米国で負担した源泉所得税等を当該LPSのLPであるA1の損金の額に算入できることを前提に,その損金算入の時期について指導するもので,本件各LPSを含む米国のLPSが「法人」ではなく,その支払った外国税額がA1の支払った外国税額となるという理解を前提したものであり,③仮に本件各LPSを含む同州のLPSを「法人」と考えていたならば問題にする必要がないはずの米国の建物の耐用年数について申告指導がされたこと(甲109(2頁))は,米国のLPSの保有する米国の不動産をLPであるA 1自身の減価償却資産として償却費を計上できること,すなわち,本件各LPSを含む同州のLPSが「法人」に該当しないことを前提としたものであったから,原告がそのような前提の下で所得税の確定申告をしたことはやむを得ない旨主張する。 しかしながら,課税実務上,納税者の申告の適否をめぐり複数の論点となる事項があり,ある事項(計算方法等)の前提となる事項について見解が分かれることが想定される場合に,課税庁の税務職員において,その前提となる事項に係る見解の当否の判断を留保し,仮定的に納税義務者の主張に係る理解を一応の前提とした上で,早急な是正を要する他の事項(計算方法等)に絞って指導をすることは,迅速かつ大量に事務を処理する上で必要かつ合理性のある取扱いであるといえるところ,本件指導文書による上記申告指導も,直接の指導の対象とされた計算方法の前提となる事項である米国ワシントン州のLPSに係る我が国の租税法上の法人該当性については判断を留保し,仮定的にA1の主張に係る理解を一応の前 よる上記申告指導も,直接の指導の対象とされた計算方法の前提となる事項である米国ワシントン州のLPSに係る我が国の租税法上の法人該当性については判断を留保し,仮定的にA1の主張に係る理解を一応の前提とした上で,専ら外国税額控除の計算方法という限局された技術的な事項に絞って説明等をしたものにとどまるから,これをもって,その計算方法の前提となる上記のLPSの法人該当性について税務職員の個別の見解が示されたものとはいえず,課税庁の税務職員がA1に対し米国ワシントン州のLPSが我が国の租税法上の法人に当たらない旨の見解を個別に示し又は誤った指導をしたと評価することはできないというべきである。 e 原告は,本件事務運営指針(甲110)の記載に照らせば,十分な資料の提出がされた上での申告指導に従って確定申告を行った場合に,これを信ずることにつきやむを得ないと認められる事情があったときには,「正当な理由」が認められるべきであるとし,本件は上記事情がある旨主張する。 しかしながら,本件事務運営指針において,「確定申告の納税相談等において,納税者から十分な資料の提出等があったにもかかわらず,税務職員等が納税者に対して誤った指導を行い,納税者がその指導に従ったことにより過少申告となった場合で,かつ,納税者がその指導を信じたことについてやむを得ないと認められる事情があること。」(甲110)が国税通則法65条4項に定める「正当な理由」があると認められる事例の一つとして挙げられているところ,本件のように,課税庁の税務職員が,A1に対し,米国ワシントン州のLPSが我が国の租税法上の法人に当たるか否かの点について,前示のとおり,これに当たらない旨の見解を個別に示したとはいえず,仮定的にA1の主張する理解を一応の前提とした上で上記の点とは異なる ン州のLPSが我が国の租税法上の法人に当たるか否かの点について,前示のとおり,これに当たらない旨の見解を個別に示したとはいえず,仮定的にA1の主張する理解を一応の前提とした上で上記の点とは異なる計算方法の事項に絞って説明等をしたにとどまる場合には,上記の点につき当該税務職員が「誤った指導」を行ったものということはできないから,本件は,本件事務運営指針に示された上記事例の場合には当たらないというべきであり,以上の理は,当該税務職員がA1に対する調査において本件各LPSに係る資料を相当程度収集していたとしても左右されるものではない。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 (イ) その他原告は,長年にわたり米国のLPSが我が国の租税法上の法人に該当しないことを前提に申告をしてきたこと,これに対し申告是認通知書(平成8年12月24日付け(甲102)及び平成17年5月31日付け(甲103)のもの)が発出されるなど,上記の前提を否定する更正等はされてこなかったこと等を主張する。 しかしながら,一般に,本来採るべき法令解釈と異なる見解を前提とした申告内容が更正されずに相当期間が経過した後にある年度から更正 がされたからといって,直ちに国税通則法65条4項に定める「正当な理由」があるとはいえない上,上記(ア)において説示したところによれば,上記の主張に係る事情は,いずれも課税庁の税務職員が原告ないしA1に対し米国ワシントン州のLPSに係る我が国の租税法上の法人該当性について一定の見解を個別に示し又は誤った指導をしたと評価し得るものとはいえないというべきである。 なお,申告是認通知は,税務官庁の事務上の便宜及び納税者に対する便宜供与のために発出され(なお,平成23年の国税通則法の改正前においては,法令の と評価し得るものとはいえないというべきである。 なお,申告是認通知は,税務官庁の事務上の便宜及び納税者に対する便宜供与のために発出され(なお,平成23年の国税通則法の改正前においては,法令の規定に基づかない事実上の行為であった。),それまでの調査に基づき,納税者の申告に対する税務官庁の一応の暫定的な見方を示すものにすぎず,本件において発出された申告是認通知書(甲102,103)の記載内容をみても,「現在までの調査の結果によると」との留保が付された上で,適正な申告と認められる旨が簡潔に記載されているもので,個別の論点となる事項について特定の見解を示すような記載もないから,申告是認通知書の発出をもって,課税庁の税務職員が原告ないしA1に対し米国ワシントン州のLPSに係る我が国の租税法上の法人該当性について一定の見解を個別に示し又は誤った指導をしたと評価し得るものということはできない。 ウ以上のほか,原告による本件各年分の所得税の申告の当時,米国のLPSに係る我が国の租税法上の法人該当性に関する判断枠組みについて最高裁の判断が示されていなかったことや,下級審裁判例の傾向(なお,原告の主張に係る裁判例は,いずれも米国ワシントン州の法令ではなく,米国デラウェア州の法令に基づいて設立されたLPSに係るものであり,本件各賦課決定処分に係る申告後に言い渡されたものにとどまる。)など,他に原告が主張する事情を踏まえても,原告が本件各不動産事業により生じた損益が原告の不動産所得に該当すると判断したことは,原告が主観的な 事情に基づいて本件各LPSに係る我が国の租税法上の法人該当性につき本来採るべき法令解釈と異なる見解を採ったことによるものであって,そのことについて「真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情」があったとは認 LPSに係る我が国の租税法上の法人該当性につき本来採るべき法令解釈と異なる見解を採ったことによるものであって,そのことについて「真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情」があったとは認められないものというべきである。 (3) 以上によれば,原告が本件各不動産事業により生じた損益が原告の不動産所得に該当するとしてこれをその金額の計算上必要経費に算入して本件各年分の所得税の申告をしたことについては,いずれも「真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合」に該当するということはできず,国税通則法65条4項に定める「正当な理由」があるということはできない。 4 本件各処分の適法性について以上の判断を前提に,原告の本件各年分の所得税についてみると,被告が本件訴訟において主張する別紙3の第1記載の本件各更正処分の根拠はいずれも相当であり,かつ,その根拠に基づいて算定した原告の本件各年分の納付すべき税額は,同別紙の第2記載のとおりであると認められ,いずれも別表1-1ないし1-3記載の本件各更正処分における本件各年分の納付すべき税額の範囲内(ただし,別表1-3記載の平成21年分更正処分の納付すべき税額については,同別紙の第2記載の納付すべき税額と同額)であるから,本件各更正処分は適法というべきである。 そして,本件各更正処分が適法である場合に賦課すべき本件各年分の過少申告加算税の額は,別紙3の第3記載のとおりであるところ,原告は,本件各年分の所得税について,納付すべき税額を過少に申告していたものであり,納付すべき税額を過少に申告していたことについて国税通則法65条4項に定める「正当な理由」があるとはいえないことから, は,本件各年分の所得税について,納付すべき税額を過少に申告していたものであり,納付すべき税額を過少に申告していたことについて国税通則法65条4項に定める「正当な理由」があるとはいえないことから,これと同額の税額を課した本件各賦課決定処分も適法というべきである。 第4 結論よって,原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第51部 裁判長裁判官岩井伸晃 裁判官桃崎剛 裁判官武見敬太郎 (別紙1省略) (別紙2)関係法令の定め 1 所得税法の規定(1) 外国法人の定義外国法人とは,内国法人(国内に本店又は主たる事務所を有する法人)以外の法人をいう(所得税法2条1項7号)。 (2) 課税標準居住者に対して課する所得税の課税標準は,総所得金額,退職所得金額及び山林所得金額とし(所得税法22条1項),総所得金額は,①利子所得の金額,配当所得の金額,不動産所得の金額,事業所得の金額,給与所得の金額,譲渡所得の金額(同法33条3項1号に掲げる所得に係る部分の金額に限る。)及び雑所得の金額の合計額と②譲渡所得の金額(同法33条3項2号に掲げる所得に係る部分の金額に限る。)及び一時所得の金額の合計額の2分の1に相当する金額とする(同法22条2項)。 (3) 不動産所得不動産所得とは,不動産,不動産の上に存する権利,船舶又は航空機の貸付け(地上権又は永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含む。)による所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいい(所得税法26条1項),不動産所得の ,船舶又は航空機の貸付け(地上権又は永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含む。)による所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいい(所得税法26条1項),不動産所得の金額は,その年中の不動産所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする(同条2項)。 (4) 雑所得雑所得とは,利子所得,配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいい(所得税法35条1項),雑所得の金額は,①その年中の公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を控除した残額と②その年中の公的年金等に係 るもの以外の雑所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額の合計額とする(同条2項)。 (5) 収入金額その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は,別段の定めがあるものを除き,その年において収入すべき金額とする(所得税法36条1項)。 (6) 必要経費その年分の不動産所得の金額,事業所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は,別段の定めがあるものを除き,これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費,一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする(所得税法37条1項)。 (7) 減価償却資産の償却費の計算等居住者のその年12月31日において有する減価償却資産につきその償却費として所得税法37条の規定によりその者の不動産所得の金額,事業所得の金額,山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額は,その取得を 1日において有する減価償却資産につきその償却費として所得税法37条の規定によりその者の不動産所得の金額,事業所得の金額,山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額は,その取得をした日及びその種類の区分に応じ,政令で定める償却の方法の中からその者が当該資産について選定した償却の方法に基づき政令で定めるところにより計算した金額とする(同法49条1項)。 2 国税通則法の規定(1) 過少申告加算税の賦課要件等ア期限内申告書が提出された場合において,修正申告書の提出又は更正があったときは,当該納税者に対し,その修正申告又は更正に基づき国税通則法35条2項(期限後申告等による納付)の規定により納付すべき税額に100分の10の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税 を課する(同法65条1項)。 イ上記アに該当する場合において,上記アの納付すべき税額がその国税に係る期限内申告税額に相当する金額と50万円とのいずれか多い金額を超えるときは,上記アの過少申告加算税の額は,上記アにより計算した金額に,当該超える部分に相当する税額に100分の5の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする(同条2項)。 (2) 正当な理由上記(1)ア又はイの納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうちにその修正申告又は更正前の税額(還付金の額に相当する税額を含む。)の計算の基礎とされていなかったことについて正当な理由があると認められるものがある場合には,上記(1)ア又はイの納付すべき税額からその正当な理由があると認められる事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除して,上記(1)ア又はイの規定を適用する(国税通則法4項)。 以上 (別紙3)課税の根拠及び計算 第1 本件 る事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除して,上記(1)ア又はイの規定を適用する(国税通則法4項)。 以上 (別紙3)課税の根拠及び計算 第1 本件各更正処分の根拠被告が本件訴訟において主張する原告の本件各年分の総所得金額及び納付すべき税額は,次のとおりである。 1 平成19年分(別表2「平成19年分」欄)(1) 総所得金額(別表2①欄) 3億0226万5171円上記金額は,次のアないしエの金額の合計額である。 ア不動産所得の金額(別表2②欄) 1億8380万2261円上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の金額を控除した金額である。 (ア) 総収入金額 2億2851万2185円上記金額は,次のaの金額からbの金額を差し引いた金額である。 a 確定申告における不動産収入の金額 3億3256万9443円上記金額は,原告が平成20年3月17日に処分行政庁に対して提出した原告の平成19年分の所得税の確定申告書(乙1。以下「平成19年分確定申告書」という。)又は同年分の所得税青色申告決算書(不動産所得用)(乙2。以下「平成19年分決算書」という。)に記載された不動産所得に係る収入金額と同額である。 b 原告の不動産所得に係る収入金額とならない金額1億0405万7258円上記金額は,原告が不動産所得に係る収入金額とした金額のうち,LPS契約に基づく外国法人からの収入金と認められる金額であり(乙2),原告の不動産所得に係る収入金額とは認められないため,同収入金額から除かれる金額である。当該収入金は,後記エ(イ)aの とおり,雑所得の収入金額とされるべきものである。 (イ) 必要経費の金額 る収入金額とは認められないため,同収入金額から除かれる金額である。当該収入金は,後記エ(イ)aの とおり,雑所得の収入金額とされるべきものである。 (イ) 必要経費の金額 4405万9924円上記金額は,次のaの金額からbの金額を差し引いた金額である。 a 確定申告における不動産所得に係る必要経費の金額3億1642万5906円上記金額は,平成19年分決算書に記載された不動産所得に係る必要経費の合計金額(乙2⑱欄)と同額である。 b 原告の不動産所得に係る必要経費とならない金額2億7236万5982円上記金額は,次の⒜ないし⒡の金額の合計額である。 当該金額は,LPS契約に関連する費用であり,原告の不動産所得を得るために要した費用とは認められない金額であることから,原告の不動産所得に係る必要経費から除かれる金額である。 ⒜ 租税公課から除かれる金額 1181万9904円⒝ 修繕費から除かれる金額 87万9271円⒞ 借入金利子から除かれる金額 1637万5814円⒟ 顧問料から除かれる金額 20万1189円⒠ 支払手数料から除かれる金額 476万6868円⒡ 減価償却費から除かれる金額 2億3832万2936円(ウ) 青色申告特別控除額 65万0000円上記金額は,租税特別措置法(以下「措置法」という。)25条の2の規定により,原告の不動産所得の金額から控除される金額であり,平成19年分決算書に記載された金額と同額である。 イ配当所得の金額(別表2③欄) 70万0000円上記金額は,平成19年分確定申告書に記載された配当所得の金額と同 ,平成19年分決算書に記載された金額と同額である。 イ配当所得の金額(別表2③欄) 70万0000円上記金額は,平成19年分確定申告書に記載された配当所得の金額と同 額である。 ウ給与所得の金額(別表2④欄) 4076万5000円上記金額は,平成19年分確定申告書に記載された給与所得の金額と同額である。 エ雑所得の金額(別表2⑤欄) 7699万7910円上記金額は次の(ア)及び(イ)の金額の合計額である。 (ア) 公的年金等の所得金額 0円上記金額は,平成19年分の公的年金等の収入金額107万8416円から公的年金等控除額を控除した残額であり,平成19年分確定申告書に記載された雑所得の金額と同額である。 (イ) 本件各LPS契約に係る雑所得の金額 7699万7910円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額であり,利子所得,配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しないことから,原告の雑所得とすべき金額である。 a 本件各LPS契約に基づく収入金額 1億1307万7471円上記金額は,本件各LPS契約に基づく収入の金額であり,次の⒜ないし⒟の金額の合計額である。 当該金額及び後記bの金額は,原告が受領した前記ア(ア)bの本件各LPS契約に基づく外国法人からの収入金の外貨額及びLPS契約に関し原告が要した費用の外貨額につき,シティバンクにおける平成19年6月及び同年12月の営業日末日の対顧客直物電信売相場と対顧客直物電信買相場の仲値(以下「TTM」という。)により算出したものであり(別表3-1),原告が確定申告において申告した額との金額の差は,円換算レート 12月の営業日末日の対顧客直物電信売相場と対顧客直物電信買相場の仲値(以下「TTM」という。)により算出したものであり(別表3-1),原告が確定申告において申告した額との金額の差は,円換算レートの違いによるものである。 ⒜ 本件A3-LPS契約 2484万8250円 ⒝ 本件A2-LPS契約 3954万8338円⒞ 本件A4-LPS契約 1874万2680円⒟ 本件A5-LPS契約 2993万8203円b 本件各LPS契約に基づく収入に係る必要経費の金額3607万9561円上記金額は,前記aに掲げた本件各LPS契約に基づく収入金額に係る必要経費(次の⒜ないし⒞)の金額の合計額であり,本件各LPS契約の収入金額から控除される金額である。 ⒜ 租税公課の金額 1291万1663円⒝ 支払利息の金額 1776万5427円⒞ 支払手数料等の金額 540万2471円(2) 所得控除の額の合計額(別表2⑥欄) 160万0702円上記金額は,原告が平成19年分確定申告書に記載した所得控除の額(社会保険料控除の額121万5702円,寄附金控除の額5000円及び基礎控除の額38万円)の合計額と同額である。 (3) 課税される総所得金額(別表2⑦欄) 3億0066万4000円上記金額は,前記(1)の金額から前記(2)の金額を控除した金額(ただし,国税通則法118条の規定により,1000円未満の端数を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「課税される総所得金額」の項において同じ。)である。 (4) 納付すべき税額(別表2⑬欄) 1億0479万4200円 1000円未満の端数を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「課税される総所得金額」の項において同じ。)である。 (4) 納付すべき税額(別表2⑬欄) 1億0479万4200円上記金額は,次のアの金額からイ及びウの金額を控除した金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「納付すべき税額」の項において同じ。)である。 ア課税される総所得金額に対する税額(別表2⑧欄)1億1746万9600円上記金額は,前記(3)の課税される総所得金額3億0066万4000円に所得税法89条1項(平成25年法律第5号による改正前のもの。以下同じ。)に規定する税率を乗じて計算した金額である。 イ配当控除の金額(別表2⑨欄) 3万5000円上記金額は,前記(1)イの配当所得の金額70万円に所得税法92条1項の規定を適用して算出した金額であり,平成19年分確定申告書に記載された金額と同額である。 ウ源泉徴収税額(別表2⑪欄) 1264万0400円上記金額は,平成19年分確定申告書に記載された源泉徴収税額と同額である。 2 平成20年分(別表2「平成20年分」欄)(1) 総所得金額(別表2①欄) 3億5656万3856円上記金額は,次のアないしエの金額の合計額である。 ア不動産所得の金額(別表2②欄) 2億3022万3528円上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の金額を控除した金額である。 (ア) 総収入金額 2億7208万1453円上記金額は,次のaの金額からbの金額を差し引いた金額で 次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の金額を控除した金額である。 (ア) 総収入金額 2億7208万1453円上記金額は,次のaの金額からbの金額を差し引いた金額である。 a 確定申告における不動産収入の金額 3億6361万0745円上記金額は,原告が平成21年3月16日に処分行政庁に対して提 出した原告の平成20年分の所得税の確定申告書(乙3。以下「平成20年分確定申告書」という。)又は同年分の所得税青色申告決算書(不動産所得用)(乙4。以下「平成20年分決算書」という。)に記載された不動産所得に係る収入金額と同額である。 b 原告の不動産所得に係る収入金額とならない金額9152万9292円上記金額は,原告が不動産所得に係る収入金額とした金額のうち,本件各LPS契約に基づく外国法人からの収入金と認められる金額であり(乙4),原告の不動産所得に係る収入金額とは認められないため,同収入金額から除かれる金額である。当該収入金は,後記エ(ウ)aのとおり,雑所得の収入金額とされるべきものである。 (イ) 必要経費の金額 4120万7925円上記金額は,次のaの金額からbの金額を差し引いた金額である。 a 確定申告における不動産所得に係る必要経費の金額3億2461万4697円上記金額は,平成20年分決算書に記載された不動産所得に係る必要経費の合計金額(乙4⑱欄)と同額である。 b 原告の不動産所得に係る必要経費とならない金額2億8340万6772円上記金額は,次の⒜ないし⒡の金額の合計額である。 当該金額は,本件各LPS契約に関連する費用であり,原告の不動産所得を得るために要した費用とは認められない金額であることから,原告の不動産所得に係 上記金額は,次の⒜ないし⒡の金額の合計額である。 当該金額は,本件各LPS契約に関連する費用であり,原告の不動産所得を得るために要した費用とは認められない金額であることから,原告の不動産所得に係る必要経費から除かれる金額である。 ⒜ 租税公課から除かれる金額 1419万1833円⒝ 修繕費から除かれる金額 1134万8858円 ⒞ 借入金利子から除かれる金額 1539万9579円⒟ 顧問料から除かれる金額 25万9760円⒠ 支払手数料から除かれる金額 388万3806円⒡ 減価償却費から除かれる金額 2億3832万2936円(ウ) 青色申告特別控除額 65万円上記金額は,措置法25条の2の規定により,原告の不動産所得の金額から控除される金額であり,平成20年分決算書に記載された金額と同額である。 イ配当所得の金額(別表2③欄) 127万3709円上記金額は平成20年分確定申告書に記載された配当所得の金額と同額である。 ウ給与所得の金額(別表2④欄) 4960万0000円上記金額は,平成20年分確定申告書に記載された給与所得の金額と同額である。 エ雑所得の金額(別表2⑤欄) 7546万6619円上記金額は,次の(ア)ないし(ウ)の金額の合計額である。 (ア) 公的年金等の所得金額円上記金額は,平成20年分の公的年金等の収入金額107万8416円から,公的年金等控除額を控除した残額である。 (イ) その他の雑所得の金額 2061万2336円上記金額は,平成20年分確定申 年分の公的年金等の収入金額107万8416円から,公的年金等控除額を控除した残額である。 (イ) その他の雑所得の金額 2061万2336円上記金額は,平成20年分確定申告書に記載された雑所得の収入金額2362万1312円から必要経費等の金額300万8976円を控除 した残額であり,平成20年分確定申告書に記載された金額と同額である。 (ウ) 本件各LPS契約に係る雑所得の金額 5485万4283円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額であり,利子所得,配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しないことから,原告の雑所得とすべき金額である。 a 本件各LPS契約に基づく収入金額 8692万5711円上記金額は,次の⒜ないし⒟の金額の合計額である。 当該金額及び後記bの金額は,原告が受領した前記ア(ア)bの本件各LPS契約に基づく外国法人からの収入金の外貨額及び本件各LPS契約に関し原告が要した費用の外貨額につき,シティバンクにおける平成20年6月及び同年12月の営業日末日のTTMにより算出したものであり(別表3-2),原告が確定申告において申告した額との金額の差は,円換算レートの違いによるものである。 ⒜ 本件A3-LPS契約 2058万0000円⒝ 本件A2-LPS契約 2689万8384円⒞ 本件A4-LPS契約 1552万3200円⒟ 本件A5-LPS契約 2392万4127円b 本件各LPS契約に基づく収入に係る必要経費の金額3207万1428円上記金額は,前記aに掲げた本件各LPS契約に基づく収入金額に係る必要経費 契約 2392万4127円b 本件各LPS契約に基づく収入に係る必要経費の金額3207万1428円上記金額は,前記aに掲げた本件各LPS契約に基づく収入金額に係る必要経費(次の⒜ないし⒞)の金額の合計額であり,本件各LPS契約の収入金額から控除される金額である。 ⒜ 租税公課の金額 1344万5800円⒝ 支払利息の金額 1469万0678円⒞ 支払手数料等の金額 393万4950円(2) 所得控除の額の合計額(別表2⑥欄) 169万2164円上記金額は,原告が平成20年分確定申告書に記載した所得控除の額(社会保険料控除の額125万7164円,地震保険料控除の額5万円,寄附金控除の額5000円及び基礎控除の額38万円)の合計額と同額である。 (3) 課税される総所得金額(別表2⑦欄) 3億5487万1000円上記金額は,前記(1)の金額から前記(2)の金額を控除した金額である。 (4) 納付すべき税額(別表2⑬欄) 1億1806万8700円上記金額は,次のアの金額からイないしエの金額を控除した金額である。 ア課税される総所得金額に対する税額(別表2⑧欄)1億3915万2400円上記金額は,前記(3)の課税される総所得金額3億5487万1000円に所得税法89条1項に規定する税率を乗じて計算した金額である。 イ配当控除の金額(別表2⑨欄) 6万3686円上記金額は,前記(1)イの配当所得の金額127万3709円に所得税法92条1項の規定を適用して算出した金額であり,平成20年分確定申告書に記載された金額と同額であ 6万3686円上記金額は,前記(1)イの配当所得の金額127万3709円に所得税法92条1項の規定を適用して算出した金額であり,平成20年分確定申告書に記載された金額と同額である。 ウ源泉徴収税額(別表2⑪欄) 1657万2341円上記金額は,平成20年分確定申告書に記載された源泉徴収税額と同額である。 エ予定納税額(別表2⑫欄) 444万7600円上記金額は,平成20年分確定申告書に記載された予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額である。 3 平成21年分(別表2「平成21年分」欄)(1) 総所得金額(別表2①欄) 3億2898万1960円上記金額は,次のアないしエの金額の合計額である。 ア不動産所得の金額(別表2②欄) 2億1672万5380円上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の金額を控除した金額である。 (ア) 総収入金額 2億5853万8783円上記金額は,次のaの金額からbの金額を差し引いた金額である。 a 確定申告における不動産収入の金額 3億3468万4864円上記金額は,原告が平成22年3月15日に処分行政庁に対して提出した原告の平成21年分の所得税の確定申告書(乙5。以下「平成21年分確定申告書」という。)又は同年分の所得税青色申告決算書(不動産所得用)(乙6。以下「平成21年分決算書」という。)に記載された不動産所得に係る収入金額と同額である。 b 原告の不動産所得に係る収入金額とならない金額7614万6081円上記金額は,原告が不動産所得に係る収入金額とした金額のうち,本件各LPS契約に基づく外国法人からの収入金と認められる金額で b 原告の不動産所得に係る収入金額とならない金額7614万6081円上記金額は,原告が不動産所得に係る収入金額とした金額のうち,本件各LPS契約に基づく外国法人からの収入金と認められる金額であり(乙6),原告の不動産所得に係る収入金額とは認められないため,同収入金額から除かれる金額である。当該収入金は,後記エ(ウ)aのとおり,雑所得の収入金額とされるべきものである。 (イ) 必要経費の金額 4116万3403円上記金額は,次のaの金額からbの金額を差し引いた金額である。 a 確定申告における不動産所得に係る必要経費の金額2億4045万2155円上記金額は,平成21年分決算書に記載された不動産所得に係る必要経費の合計金額(乙6⑱欄)と同額である。 b 原告の不動産所得に係る必要経費とならない金額1億9928万8752円上記金額は,次の⒜ないし⒠の金額の合計額である。 当該金額は,本件各LPS契約に関連する費用であり,原告の不動産所得を得るために要した費用とは認められない金額であることから,原告の不動産所得に係る必要経費から除かれる金額である。 ⒜ 租税公課から除かれる金額 850万3284円⒝ 修繕費から除かれる金額 225万8423円⒞ 借入金利子から除かれる金額 1370万5354円⒟ 支払手数料から除かれる金額 350万8376円⒠ 減価償却費から除かれる金額 1億7131万3315円(ウ) 青色申告特別控除額 65万0000円上記金額は,措置法25条の2の規定により,原告の不動産所得の金額から控除される金額であり,平成21年分決算書に記載された金額と同額である。 控除額 65万0000円上記金額は,措置法25条の2の規定により,原告の不動産所得の金額から控除される金額であり,平成21年分決算書に記載された金額と同額である。 イ配当所得の金額(別表2③欄) 240万円上記金額は,共和証券株式会社からの分配金であり,原告の配当所得となる金額である。 ウ給与所得の金額(別表2④欄) 4960万0000円上記金額は,平成21年分確定申告書に記載された給与所得の金額と同額である。 エ雑所得の金額(別表2⑤欄) 6025万6580円上記金額は,次の(ア)ないし(ウ)の金額の合計額である。 (ア) 公的年金等の金額円上記金額は,平成21年分の公的年金等の収入金額107万8416円から,公的年金等控除額を控除した残額である。 (イ) その他の雑所得の金額 873万8618円上記金額は,平成21年分確定申告書に記載された雑所得の収入金額919万8545円から必要経費45万9927円を控除した金額であり,平成21年分確定申告書に記載された金額と同額である。 (ウ) 本件各LPS契約に係る雑所得の金額 5151万7962円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額であり,利子所得,配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しないことから,原告の雑所得とすべき金額である。 a 本件各LPS契約に基づく収入金額 7779万0534円上記金額は,次の⒜ないし⒟の金額の合計額である。 当該金額及び後記bの金額は,原告が受領した前記ア(ア)bの本件 額である。 a 本件各LPS契約に基づく収入金額 7779万0534円上記金額は,次の⒜ないし⒟の金額の合計額である。 当該金額及び後記bの金額は,原告が受領した前記ア(ア)bの本件各LPS契約に基づく外国法人からの収入金の外貨額,及び本件各L PS契約に関し原告が要した費用の外貨額につき,横浜銀行における平成21年6月及び同年12月の営業日末日のTTMにより算出したものであり(別表3-3),原告が確定申告において申告した額との金額の差は,円換算レートの違いによるものである。 ⒜ 本件A3-LPS契約 1974万8400円⒝ 本件A2-LPS契約 1880万7034円⒞ 本件A4-LPS契約 1489万5936円⒟ 本件A5-LPS契約 2433万9164円b 本件各LPS契約に基づく収入金額に係る必要経費の金額2627万2572円上記金額は,前記aに掲げた本件各LPS契約に基づく収入金額に係る必要経費(次の⒜ないし⒞)の金額の合計額であり,本件各LPS契約の収入金額から控除される金額である。 ⒜ 租税公課の金額 868万1036円⒝ 支払利息の金額 1400万7654円⒞ 支払手数料の金額 358万3882円(2) 所得控除の額の合計額(別表2⑥欄) 217万2618円上記金額は,原告が平成21年分確定申告書に記載した所得控除の額(医療費控除の額45万1030円,社会保険料控除の額128万6588円,地震保険料控除の額5万円,寄附金控除の額5000円及び基礎控除の額38万円)の合計額と同 分確定申告書に記載した所得控除の額(医療費控除の額45万1030円,社会保険料控除の額128万6588円,地震保険料控除の額5万円,寄附金控除の額5000円及び基礎控除の額38万円)の合計額と同額である。 (3) 課税される総所得金額(別表2⑦欄) 3億2680万9000円上記金額は,前記(1)の金額から前記(2)の金額を控除した金額である。 (4) 納付すべき税額(別表2⑬欄) 1億0062万4200円上記金額は,次のアの金額からイないしエの金額を控除した金額である。 ア課税される総所得金額に対する税額(別表2⑧欄)1億2792万7600円上記金額は,前記(3)の課税される総所得金額3億2680万9000円に所得税法89条1項に規定する税率を乗じて計算した金額である。 イ配当控除の金額(別表2⑨欄) 12万0000円上記金額は,前記(1)イの配当所得の金額240万円に所得税法92条1項の規定を適用して算出した金額である。 ウ源泉徴収税額(別表2⑪欄) 1679万7600円上記金額は,次の(ア)及び(イ)の金額の合計額である。 (ア) 確定申告における源泉徴収税額の金額 1631万7600円上記金額は,給与所得に係る源泉徴収税額であり,平成21年分確定申告書に記載された源泉徴収税額と同額である。 (イ) 配当所得に係る源泉徴収税額 48万0000円上記金額は,共和証券株式会社からの配当金額240万円(前記(1)イ)に係る源泉徴収税額である。 エ予定納税額(別表2⑫欄) 1038万5800円上記金額は,平成21年分確定申告書に記載された予定納 社からの配当金額240万円(前記(1)イ)に係る源泉徴収税額である。 エ予定納税額(別表2⑫欄) 1038万5800円上記金額は,平成21年分確定申告書に記載された予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額である。 第2 本件各更正処分の計算被告が本件訴訟において主張する原告の本件各年分の納付すべき所得税の額は,前記第1の1(4),同2(4)及び同3(4)のとおり,それぞれ以下の各金額であるところ,本件各更正処分における本件各年分の納付すべき税額は,これら の金額の範囲内又は同額である。 1 平成19年分 1億0479万4200円 2 平成20年分 1億1806万8700円 3 平成21年分 1億0062万4200円第3 本件各賦課決定処分の根拠本件各更正処分により原告が新たに納付すべき所得税の額について,その基礎となった事実につき,原告がこれを計算の基礎としなかったことに国税通則法65条4項に定める「正当な理由」があるとは認められない場合に,本件各更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった税額を基礎として課されるべき過少申告加算税の金額は,次のとおりである。 1 平成19年分の過少申告加算税の額(別表2「平成19年分」⑭欄)1374万0500円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,原告が平成19年分更正処分により新たに納付すべきこととなった税額9804万円(ただし,同法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「平成…年分の過少申告加算税の額」の項において同じ。)に100 きこととなった税額9804万円(ただし,同法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「平成…年分の過少申告加算税の額」の項において同じ。)に100分の10の割合を乗じて算出した金額980万4000円に,同法65条2項の規定に基づき,平成19年分更正処分により新たに納付すべきこととなった税額9804万2400円のうち,同条3項に規定する期限内申告税額に相当する金額1931万1800円と50万円とのいずれか多い金額である1931万1800円を超える部分の額7873万円に100分の5の割合を乗じて算出した金額393万6500円を加算した金額である。 2 平成20年分の過少申告加算税の額(別表2「平成20年分」⑭欄)1276万7500円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,原告が平成20年分 更正処分により新たに納付すべきこととなった税額9858万円に100分の10の割合を乗じて算出した金額985万8000円に,同条2項の規定に基づき,平成20年分更正処分により新たに納付すべきこととなった税額9858万8800円のうち,同条3項に規定する期限内申告税額に相当する金額4039万5841円と50万円とのいずれか多い金額である4039万5841円を超える部分の額5819万円に100分の5の割合を乗じて算出した金額290万9500円を加算した金額である。 3 平成21年分の過少申告加算税の額(別表2「平成21年分」⑭欄)765万4000円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,原告が平成21年分更正処分により新たに納付すべきこととなった税額7022万円に10 765万4000円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,原告が平成21年分更正処分により新たに納付すべきこととなった税額7022万円に100分の10の割合を乗じて算出した金額702万2000円に,同条2項の規定に基づき,平成21年分更正処分により新たに納付すべきこととなった税額7022万4400円のうち,同条3項に規定する期限内申告税額に相当する金額5758万3200円と50万円とのいずれか多い金額である5758万3200円を超える部分の額1264万円に100分の5の割合を乗じて算出した金額63万2000円を加算した金額である。 第4 本件各賦課決定処分の計算被告が本件訴訟において主張する本件各更正処分に伴って賦課されるべき本件各年分の過少申告加算税の額は,前記第3の1ないし3のとおり,それぞれ以下の各金額であるところ,本件各賦課決定処分における本件各年分の過少申告加算税の金額は,上記の各金額と同額である。 1 平成19年分 1374万0500円 2 平成20年分 1276万7500円 3 平成21年分 765万4000円以上 (別紙4) 改正州LPS法の定め 1 定義(25.10.011)(1) LPSにおける「ジェネラル・パートナー」とは,①25.10.371 に基づいてGPとなる者(person)又は②25.10.911(1)若しくは(2)に基づいてLPSが改正州LPS法の適用を受けることとなった時に当該LPSのGPであった者(person)をいう(25.10.011(8)⒜)。 (2) LPSにおける「リミテッド・パートナー」とは,①25. PSが改正州LPS法の適用を受けることとなった時に当該LPSのGPであった者(person)をいう(25.10.011(8)⒜)。 (2) LPSにおける「リミテッド・パートナー」とは,①25.10.301 に基づいてLPとなる者(person),又は②25.10.911(1)又は(2)に基づいてLPSが改正州LPS法の適用を受けることとなった時に当該LPSのLPであった者(person)をいう(25.10.011(10)⒜)。 (3) 「リミテッド・パートナーシップ」(LPS)とは,「州外リミテッド・パートナ-シップ」及び「州外リミテッド・ライアビリティ・リミテッド・パートナーシップ」という用語における場合を除き,改正州LPS法に基づき2名以上の者(persons)により設立され,又は改正州LPS法11条,25.10.911(1)若しくは同条(2)に基づき改正州LPS法の適用を受ける,1名以上のGP及び1名以上のLPを有する主体(entity )をいう(25.10.011(11))。 (4) 「パートナー」とは,LP又はGPをいう(25.10.011(12))。 (5) 「パートナーシップ契約」とは,口頭によるものか,黙示的なものか,記録されているものか,又はこれらの組合せであるかを問わず,LPSに関するパートナーの合意をいう。「パートナーシップ契約」には,修正された契約が含まれる。 (6) 「者(person)」とは,個人,コーポレーション(corporation),事業信 託,遺産財団,信託,パートナーシップ,リミテッド・ライアビリティ・カンパニー,アソシエーション,ジョイントベンチャー,政府又はその部局,外局若しくは補助部門その他の法的又は商業上の主体(entity )をいう(25.10.011(14))。 ・ライアビリティ・カンパニー,アソシエーション,ジョイントベンチャー,政府又はその部局,外局若しくは補助部門その他の法的又は商業上の主体(entity )をいう(25.10.011(14))。 (7) 「譲渡可能持分(transferableinterest)」とは,パートナーの分配を受ける権利をいう(25.10.011(22))。 2 主体(entity)の性質,目的及び存続期間(25.10.021)(1) LPSは,そのパートナーとは別個の主体(anentitydistinctfromitspartners)である(25.10.021(1))。 (2) LPSは,あらゆる合法的な目的のために改正州LPS法に基づき設立されることができる(25.10.021(2))。 (3) LPSは,無期限に存続することができる(25.10.021(3))。 3 LPSの権限(25.10.031)LPSは,自身が活動する上で必要な又は便宜的なあらゆることを行う権限を有する。その権限には,自己の名により訴訟を提起し又は提起される権限及び訴訟行為をする権限並びにパートナーのパートナーシップ契約違反又はパートナーシップに対する義務違反によってLPSが被った損害について当該パートナーに対して訴訟を提起する権限が含まれる。 4 パートナーとパートナーシップとの商取引(25.10.101)パートナーは,LPSに金銭を貸し付けること及びLPSと他の取引を行うことができ,当該貸付け又は他の取引に関し,パートナーではない者(person)が有するのと同様の権利及び義務を有する。 5 LPSを拘束するLPとしての権限の不存在(25.10.311)LPは,LPとして,LPSを代理し又は拘束する権利又は権限を有しない。 6 LPSの義務に対 のと同様の権利及び義務を有する。 5 LPSを拘束するLPとしての権限の不存在(25.10.311)LPは,LPとして,LPSを代理し又は拘束する権利又は権限を有しない。 6 LPSの義務に対するLPとしての責任の不存在(25.10.321)LPSの義務(anobligationofalimitedpartnership)は,それが契約 上生じたもの,不法行為により生じたもの又はそれ以外のものであっても,LPの義務ではない。LPは,LPSの経営及び管理に参加している場合であっても,LPであるという理由のみによって,LPSの義務に対して,出資その他の方法により,直接的にも間接的にも個人として責任を負うことはない。 7 LPSの代理人としてのGP(25.10.381)各GPは,LPSの活動における当該LPSの代理人(anagentofthelimitedpartnership)である。GPの行為は,パートナーシップの名で記録に署名することを含め,それが明らかにLPSの通常業務の一環として行われる活動であるか又はLPSが行う類の活動である場合には,当該LPSを拘束する。 ただし,当該GPが特定の事項に関し当該LPSを代理する権限を有しておらず,当該GPと取引をした者(person)が,当該GPがその権限を有していないことを知っていたか,その通知を受けていたか,又は25.10.016(4)に基づき認識していた場合を除く。 8 GPの責任(25.10.401(1))本項の(2)及び(3)(25.10.401(2)及び(3))に別途規定されている場合を除き,全てのGPは,権利を主張する者による別途の同意又は法令の規定がない限り,LPSの全ての義務(allobligationsofthelimited 及び(3))に別途規定されている場合を除き,全てのGPは,権利を主張する者による別途の同意又は法令の規定がない限り,LPSの全ての義務(allobligationsofthelimitedpartnership)に対し連帯して責任を負う。 9 GPの経営権(25.10.421(1))各GPは,LPSの活動の管理及び運営において同等の権利を有する。改正州LPS法に別段の定めがある場合を除き,LPSの活動に関するあらゆる事項は,GP(GPが2名以上ある場合には,GPの多数)によって独占的に決定される。 現物分配(25.10.486 前段)パートナーは,現金以外の形で,LPSからの分配を要求し又は受領する権利を有しない。 11 パートナーの譲渡可能持分(25.10.546)パートナーが譲渡することができる唯一の持分は,当該パートナーが有する譲渡可能持分(transferableinterest)である。譲渡可能持分は,人的財産権(personalproperty)である。 12 派生訴訟(25.10.706)パートナーは,次に掲げる場合には,LPSの権利(arightofalimitedpartnership)を行使するために派生訴訟を追行することができる。(以下略)以上

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