平成31(わ)123 職業安定法違反

裁判年月日・裁判所
令和元年5月29日 京都地方裁判所
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判決文本文1,700 文字)

主文 1 被告人両名をそれぞれ懲役1年4月に処する。 2 被告人両名に対し,この裁判が確定した日から各3年間,それぞれその刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)第1 被告人Aは,分離前相被告人C,同D,E及びFと共謀の上,平成30年1月23日頃,京都市a区b通c町d番地e所在のGビル内において,無店舗型性風俗特殊営業店「H」の人事を担当しているIに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,口淫等の性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員として就業させる目的で,I(当時20歳)を女性従業員として紹介して雇用させ,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。 第2 被告人Bは,C,D,K及びFと共謀の上,同年3月20日頃,前記Gビル内において,前記無店舗型性風俗特殊営業店「H」の人事を担当している前記Iに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,口淫等の性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員として就業させる目的で,L(当時19歳)を女性従業員として紹介して雇用させ,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。 (法令の適用)被告人両名につきいずれも罰条刑法60条,職業安定法63条2号刑種の選択懲役刑刑の執行猶予刑法25条1項訴訟費用刑訴法181条1項ただし書(不負担)(量刑の理由) 本件は,被告人両名が,それぞれ,共犯者らと共謀の上,公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,女性1名を性風俗店の人事担当者に女性従業員として紹介して雇用させたという事案である。 被告人らは,各種のマニュアル等を整え,指示役,女性のスカウト役,性風俗店 徳上有害な業務に就かせる目的で,女性1名を性風俗店の人事担当者に女性従業員として紹介して雇用させたという事案である。 被告人らは,各種のマニュアル等を整え,指示役,女性のスカウト役,性風俗店側への紹介役や仲介役等の役割分担のもと,スカウト役が街頭で声をかけた女性に繰り返し連絡を取り,一緒に食事をするなどして女性に好意を抱かせて被告人ら運営の飲食店に誘い込み,スカウト役と交際するためには売上に貢献する必要がある旨言ったり,高額の飲食をさせたりした上で,稼げる店があるなどとして半ば強引に勧誘して性風俗店での就労を決意させており,巧妙な手口による組織的かつ職業的な犯行である。そして,被告人両名は,いずれも,上位の共犯者らの指示に従って行動するなど従属的立場にあったものの,スカウト役を担当するなどの重要不可欠な役割を果たしている。もとより報酬欲しさなどという利欲的な動機に酌量の余地はない。 以上の犯情によれば,被告人両名の刑事責任はいずれも相応に重い。 他方で,被告人両名については,女性に損害賠償金等として相当額の金員を支払って示談を遂げている(もっとも,職業安定法63条2号違反の罪の保護法益には社会的法益が含まれていることから,この点を過大視することはできない。)こと,事実関係を認め,謝罪文を作成するなどして反省の態度を示していること,若年で前科前歴がないこと,親が出廷して監督を約していることなどの有利な一般情状がそれぞれ認められる。 しかしながら,主に犯行態様や役割の重要性等の犯情によって基礎づけられる被告人両名の刑事責任の重さに照らすと,本件はいずれも罰金刑を選択するのが相当な事案とは認められず,懲役刑の選択はやむを得ない。 よって,主文のとおり判決する。 (検察官升田雅己並びに国選弁護人中矢裕正〔被告人A関係〕及び同中 らすと,本件はいずれも罰金刑を選択するのが相当な事案とは認められず,懲役刑の選択はやむを得ない。よって,主文のとおり判決する。 主文 (検察官升田雅己並びに国選弁護人中矢裕正〔被告人A関係〕及び同中田良成〔被告人B関係〕各出席) 理由 (求刑・被告人両名につきそれぞれ懲役1年6月)令和元年5月29日京都地方裁判所第1刑事部 裁判長裁判官入子光臣 裁判官戸崎涼子 裁判官伊藤祐貴

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