1 令和4年11月30日判決言渡令和2年(行コ)第225号 行政文書不開示決定処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成27年(行ウ)第141号)主 文1 本件各控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は、控訴人らの負担とする。 事 実 及 び 理 由第1 控訴の趣旨1 原判決を取り消す。 2⑴ 控訴人Aの処分取消しの訴え内閣官房副長官補が控訴人Aに対して平成26年12月25日付けでした行政文書開示等決定(閣副第B号。ただし、原判決別紙2「行政文書開示変更決定目録」記載1の各決定により一部変更された後のもの)のうち、次の①から③までの部分を除く部分を不開示とした部分を取り消す。 ① 原判決別紙3の1「開示文書目録1」記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の1「一部不開示部分の特定1」記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の2「開示文書目録2」記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の2「一部不開示部分の特定2」記載の一部不開示部分を除く。)③ 関係者及び東京電力株式会社取締役の個人が識別される部分⑵ 控訴人Cの処分取消しの訴え内閣官房副長官補が控訴人Cに対して平成26年12月25日付けでした行政文書開示等決定(閣副第D号。ただし、原判決別紙2記載2の各決定により一部変更された後のもの)のうち、次の①から③までの部分を除く部分を不開示とした部分を取り消す。 2 ① 原判決別紙3の1記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の1記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の 2 ① 原判決別紙3の1記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の1記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の2記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の2記載の一部不開示部分を除く。)③ 関係者及び東京電力株式会社取締役の個人が識別される部分⑶ 控訴人Eの処分取消しの訴え内閣官房副長官補が控訴人Eに対して平成26年12月25日付けでした行政文書開示等決定(閣副第F号。ただし、原判決別紙2記載3の各決定により一部変更された後のもの)のうち、次の①から③までの部分を除く部分を不開示とした部分を取り消す。 ① 原判決別紙3の1記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の1記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の2記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の2記載の一部不開示部分を除く。)③ 関係者及び東京電力株式会社取締役の個人が識別される部分⑷ 控訴人Gの処分取消しの訴え内閣官房副長官補が控訴人Gに対して平成26年12月25日付けでした行政文書開示等決定(閣副第H号。ただし、原判決別紙2記載4の各決定により一部変更された後のもの)のうち、次の①から③までの部分を除く部分を不開示とした部分を取り消す。 ① 原判決別紙3の1記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の1記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の2記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の2記載の一部不開示部分を除く。)③ 関係者及び東京電力株式会社取締役の個人が識別される部分⑸ 控訴人Iの処分取消しの訴え 決別紙4の2記載の一部不開示部分を除く。)③ 関係者及び東京電力株式会社取締役の個人が識別される部分⑸ 控訴人Iの処分取消しの訴え 3 内閣官房副長官補が控訴人Iに対して平成26年12月25日付けでした行政文書開示等決定(閣副第J号。ただし、原判決別紙2記載5の各決定により一部変更された後のもの)のうち、次の①から③までの部分を除く部分を不開示とした部分を取り消す。 ① 原判決別紙3の1記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の1記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の2記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の2記載の一部不開示部分を除く。)③ 関係者及び東京電力株式会社取締役の個人が識別される部分⑹ 控訴人Kの処分取消しの訴え内閣官房副長官補が控訴人Kに対して平成25年9月4日付けでした行政文書不開示決定(閣副第L号。ただし、原判決別紙2記載6の各決定により一部変更された後のもの)のうち、次の①から④までの部分を除く部分を不開示とした部分を取り消す。 ① 原判決別紙3の1記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の1記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の2記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の2記載の一部不開示部分を除く。)③ Mの聴取結果書④ 関係者及び東京電力株式会社取締役の個人が識別される部分⑺ 控訴人Aの義務付けの訴え処分行政庁は、控訴人Aに対して、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会が作成した聴取結果書全て(ただし、原判決別紙2記載1の各決定により開示された部分及び次の①から④までの部分を除く。) 行政庁は、控訴人Aに対して、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会が作成した聴取結果書全て(ただし、原判決別紙2記載1の各決定により開示された部分及び次の①から④までの部分を除く。)を開示せよ。 ① 原判決別紙3の1記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙 4 4の1記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の2記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の2記載の一部不開示部分を除く。)③ Mの聴取結果書④ 関係者及び東京電力株式会社取締役の個人が識別される部分⑻ 控訴人Cの義務付けの訴え処分行政庁は、控訴人Cに対して、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会が作成した聴取結果書全て(ただし、原判決別紙2記載2の各決定により開示された部分及び次の①から④までの部分を除く。)を開示せよ。 ① 原判決別紙3の1記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の1記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の2記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の2記載の一部不開示部分を除く。)③ Mの聴取結果書④ 関係者及び東京電力株式会社取締役の個人が識別される部分⑼ 控訴人Eの義務付けの訴え処分行政庁は、控訴人Eに対して、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会が作成した聴取結果書全て(ただし、原判決別紙2記載3の各決定により開示された部分及び次の①から④までの部分を除く。)を開示せよ。 ① 原判決別紙3の1記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の1記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の2 た部分及び次の①から④までの部分を除く。)を開示せよ。 ① 原判決別紙3の1記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の1記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の2記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の2記載の一部不開示部分を除く。)③ Mの聴取結果書 5 ④ 関係者及び東京電力株式会社取締役の個人が識別される部分⑽ 控訴人Gの義務付けの訴え処分行政庁は、控訴人Gに対して、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会が作成した聴取結果書全て(ただし、原判決別紙2記載4の各決定により開示された部分及び次の①から④までの部分を除く。)を開示せよ。 ① 原判決別紙3の1記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の1記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の2記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の2記載の一部不開示部分を除く。)③ Mの聴取結果書④ 関係者及び東京電力株式会社取締役の個人が識別される部分⑾ 控訴人Iの義務付けの訴え処分行政庁は、控訴人Iに対して、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会が作成した聴取結果書全て(ただし、原判決別紙2記載5の各決定により開示された部分及び次の①から④までの部分を除く。)を開示せよ。 ① 原判決別紙3の1記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の1記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の2記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の2記載の一部不開示部分を除く。)③ Mの聴取結果書④ 関係者及び東京電力株式会社取締役 分を除く。)② 原判決別紙3の2記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の2記載の一部不開示部分を除く。)③ Mの聴取結果書④ 関係者及び東京電力株式会社取締役の個人が識別される部分⑿ 控訴人Kの義務付けの訴え処分行政庁は、控訴人Kに対して、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会が作成した聴取結果書全て(ただし、原判決別紙2記載 6 6の各決定により開示された部分及び次の①から④までの部分を除く。)を開示せよ。 ① 原判決別紙3の1記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の1記載の一部不開示部分を除く。)② 原判決別紙3の2記載の各文書中の不開示部分(ただし、原判決別紙4の2記載の一部不開示部分を除く。)③ Mの聴取結果書④ 関係者及び東京電力株式会社取締役の個人が識別される部分第2 事案の概要(略称は、本判決で定めるもののほか、原判決のものを用いる。)1 本件は、控訴人らが、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)に基づき、内閣官房副長官補に対し、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会(政府事故調)が作成した聴取結果書についてそれぞれ開示請求をしたが、その全部又は一部を不開示とする旨の各行政文書不開示決定を受けたため、これらの各決定(ただし、原判決別紙2記載の各変更決定により開示することとされた文書に係る部分を除く。)(原決定)の一部(原判決別紙5で特定された各不開示部分を開示しない部分(本件不開示部分)の取消しを求めるとともに、上記各不開示部分の開示決定の義務付けを求める事案である。 2 原判決は、本件不開示部分に記録された情 判決別紙5で特定された各不開示部分を開示しない部分(本件不開示部分)の取消しを求めるとともに、上記各不開示部分の開示決定の義務付けを求める事案である。 2 原判決は、本件不開示部分に記録された情報は情報公開法5条各号所定の不開示情報に該当するため、原決定のうち本件不開示部分を不開示とした決定はいずれも適法であるとして、控訴人らの取消請求をいずれも棄却し、義務付けの訴えに係る部分は、行政事件訴訟法37条の3所定の要件を充足せず、いずれも不適法であるとして却下した。 控訴人らは原判決を不服として控訴した。 3 関係法令の定め別紙6のとおり。 7 4 前提事実(認定事実の末尾に掲記する証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実)前提事実は、次のとおり補正するほかは、原判決「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」2に記載のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 原判決7頁24行目以降の「別紙3の1」を「原判決別紙3の1(更正決定により更正された後のもの)」と、同行目以降の「別紙3の2」を「原判決別紙3の2」と改める。 ⑵ 原判決9頁3行目以降の「別紙2」を「原判決別紙2」と改める。 ⑶ 原判決9頁5行目の「原告Aら」の次に「(以下では、控訴人A、控訴人C、控訴人E、控訴人G及び控訴人Iを併せて「控訴人Aら」という。)を加える。 5 争点及び争点に関する当事者の主張の要旨は、次のとおり補正するほかは、原判決「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」3及び4に記載のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 原判決10頁13行目以降の「別紙5」を「原判決別紙5」と改める。 ⑵ 原判決27頁1行目の末尾を改行の上、次のとお 事案の概要」3及び4に記載のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 原判決10頁13行目以降の「別紙5」を「原判決別紙5」と改める。 ⑵ 原判決27頁1行目の末尾を改行の上、次のとおり加える。 「e 控訴人らは、公務員の聴取結果書には公務員の職務活動の過程又は結果が記録されており、開示が原則であると主張するが、公務員が過去に職務として関わった事柄等について、政府事故調によるヒアリングの要請があった場合に、これに応じることと、応じたヒアリングにおいてどのような内容の供述をするかは別の問題である。本件ヒアリング方針に対する信頼を保証すべき必要性は被聴取者が公務員か否かで変わるものではなく、公務員の聴取結果書が、他の被聴取者と異なり、原則として開示されるべきものとなるものではない。」⑶ 原判決27頁19行目の末尾を改行の上、次のとおり加える。 「なお、審議、検討等が終了し、意思決定が行われた後であっても、当該 8 審議及び検討等に関する情報を公にすることにより、国民の間に混乱を生じさせたり、将来予定されている同種の審議、検討等に係る意思決定に不当な影響を与えるおそれがある場合には、情報公開法5条5号に該当する。したがって、政府事故調が最終報告を公表し、任務を終えていることを理由として本件不開示希望情報の情報公開法5条5号該当性を否定する控訴人らの主張は理由がない。 エ 政府事故調の聴取者が被聴取者に対し聴取結果の公表、公開ないし開示に関する説明を行っている部分(以下「本件説明部分」という。)について控訴人らは、本件不開示部分のうち、本件説明部分は、情報公開法5条5号及び同条6号柱書きに該当しないと主張するが、被聴取者は当該 に関する説明を行っている部分(以下「本件説明部分」という。)について控訴人らは、本件不開示部分のうち、本件説明部分は、情報公開法5条5号及び同条6号柱書きに該当しないと主張するが、被聴取者は当該文書の全部につき開示に同意していないのであるから、聴取結果書に控訴人らのいう「本件説明部分」が含まれていたとしても、被聴取者はこの部分も含めて開示に同意していないことは明らかであり、政府事故調と被聴取者との間では、本件説明部分も含めて聴取結果書が開示されないとの信頼関係が生じていたといえる。 オ 客観的データについて仮に、本件不開示部分に控訴人らのいう「客観的なデータ」が含まれていたとしても、被聴取者は当該文書の全部につき開示に同意していないのであるから、被聴取者は「客観的データ」を含めて開示に同意していないことは明らかである。 カ 情報公開法5条2号ロを踏まえた解釈について情報公開法5条2号ロと同条5条5号及び同条6号柱書きでは趣旨及び目的を異にし、本件不開示希望情報について情報公開法5条2号ロ該当性に関する判断枠組みを考慮して情報公開法5条5号及び同条6号柱書き該当性を厳格に判断すべきとする控訴人らの主張は根拠が不明である。」⑷ 原判決28頁11行目の「点については、」の次に「本件ヒアリング方針 9 に対する被聴取者の信頼は、個別の聴取において当該信頼が生じていたかの問題であるところ、被聴取者は聴取結果書が非開示になるという説明は受けておらず、むしろ、特に非開示としたい部分は特定して下線を付し、それ以外の情報は開示の可能性があるものとして聴取が実施されていたうえ、」を加え、同頁16行目の「そして、上記の点については、」か 受けておらず、むしろ、特に非開示としたい部分は特定して下線を付し、それ以外の情報は開示の可能性があるものとして聴取が実施されていたうえ、」を加え、同頁16行目の「そして、上記の点については、」から同頁17行目の「説明がされておらず、」までを削る。 ⑸ 原判決29頁17行目の末尾を改行の上、「被聴取者が特に不開示の希望をせずに聴取に応じ、政府事故調の最終報告が公表された平成24年7月よりも後、平成26年6月になって政府の意向調査時に不開示の希望を出したからといって情報公開法5条6号該当性を肯定することはできない。」を加える。 ⑹ 原判決30頁11行目の「b」の次に「 本件ヒアリング方針は政府事故調のヒアリングに際して徹底されておらず、聴取時に被聴取者にどのように説明されていたかについて立証されていない。」を加える。 ⑺ 原判決32頁20行目の「動きはない」の次に「し、東京電力役員に対する強制起訴が行われたこと、国及び東京電力に対して損害賠償請求訴訟が提起されていることは本件事故の態様からして当然の帰結であって、不当な不利益ではない」を加える。 ⑻ 原判決33頁6行目の末尾を改行の上、次のとおり加える。 「公務員は、職務遂行の一環として政府事故調のヒアリングに応じているのであり、将来に同様のヒアリングがあれば、その際も職務遂行の一環としてヒアリングに応じて協力する義務がある(国家公務員法98条1項、地方公務員法32条)。また、本件閣議決定において、関係大臣及び関係行政機関の職員は、政府事故調の運営に最大限協力するものとし、正当な理由がない限り、政府事故調からの説明聴取(ヒアリング)等の要請を拒むことはできないものとすることとされ、協力と説明聴取(ヒアリング)等の要請に応 大限協力するものとし、正当な理由がない限り、政府事故調からの説明聴取(ヒアリング)等の要請を拒むことはできないものとすることとされ、協力と説明聴取(ヒアリング)等の要請に応 10 じることが義務付けられていた。そして、情報公開法制上、公務員の職務活動の過程又は結果が記録された行政文書は、政府の諸活動を説明する責務が全うされるようにする観点から公にする意義は大きいものとされ、どのような地位にある者がどのように職務を遂行しているかについては、たとえ特定の公務員が識別される結果となるとしても、個人に関する情報としては不開示とはしないものと扱われている。よって、公務員の聴取結果書に公務員の職務活動の過程又は結果が記録されている以上、聴取当時において開示が原則とされていたものと解するべきであり、少なくとも、関係大臣及び関係行政機関の職員の聴取結果書は原則として開示されなければならず、聴取当時に被聴取者が不開示希望を明示した上で聴取に応じたことを特定できる部分を被控訴人が主張立証した場合には、当該部分については例外的に不開示とすることができるとすべきである。」⑼ 原判決34頁17行目の「明らかである」の次に「し、東京電力役職員に対する差別、中傷及びプライバシー侵害、原子力発電所行政に関わる公務員に対する批判等は本件事故直後に限定されていたのであるから、原決定時において情報公開法5条5号の「おそれ」はなかった」を加える。 ⑽ 原判決34頁21行目の末尾を改行の上、次のとおり加える。 「ウ 政府事故調の聴取者が被聴取者に対し聴取結果の公表、公開ないし開示に関する説明を行っている部分(本件説明部分)について(当審における新たな主張)本件不開示部分のうち、 加える。 「ウ 政府事故調の聴取者が被聴取者に対し聴取結果の公表、公開ないし開示に関する説明を行っている部分(本件説明部分)について(当審における新たな主張)本件不開示部分のうち、本件説明部分は、聴取者の説明部分にすぎず聴取結果ではないし、被聴取者の不開示の希望に含まれるとは当然にはいえないことに加え、これが公開されたとしても本件ヒアリング方針に対する信頼を損なうものではないから、情報公開法5条5号及び同条6号柱書きに該当しない。 エ 客観的データについて(当審における新たな主張) 11 客観的データ資料は情報公開法5条5号及び同条6号柱書きに該当しない。 オ 情報公開法5条2号ロを踏まえた解釈について(当審における新たな主張)情報公開法5条2号ロは、法人等に関する情報のうち「行政機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたもの」について、「法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの」に限って不開示としており、「合理性の要件」を付加していること、一方で、情報公開法5条5号及び同条6号柱書きには、「公にしないとの条件で任意に提供された」情報を不開示にするとの定めもないことからすると、これとの対比において、情報公開法5条5号及び同条6号の要件該当性については厳格な解釈が要求されているというべきであり、被聴取者が開示を希望しないとの事実を安易に重視すべきではない。本件事故が多数の人の生命、身体を侵害した極めて重大な事故であり、政府事故調の聴取結果の公益性が極めて高いことを勘案すれば、本件不開示情報は「 者が開示を希望しないとの事実を安易に重視すべきではない。本件事故が多数の人の生命、身体を侵害した極めて重大な事故であり、政府事故調の聴取結果の公益性が極めて高いことを勘案すれば、本件不開示情報は「特定の者に不当に不利益を及ぼすおそれがあるもの」(情報公開法5条5号)、「国の機関が行う事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」(情報公開法5条6号)には該当しない。」⑾ 原判決35頁3行目の末尾に「また、本件説明部分については不開示とする理由が付されていないから、違法である(当審における新たな主張)。」を加える。 第3 当裁判所の判断1 当裁判所も、原決定(原判決別紙2記載の各決定により一部変更された後のもの)は、いずれも適法であって、控訴人らの各取消請求はいずれも理由がないから棄却すべきものであり、本件各訴えのうち、義務付けの訴えに係る部分 12 はいずれも不適法であるから却下すべきものであると判断する。その理由は、次のとおり原判決を補正するほかは、原判決「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」1から5に記載のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 原判決37頁7行目の「のに対し、」から同頁10行目の末尾までを「のであるから、原子力委員会委員長の認識に沿う内容の情報の重要性が高いとしても、それをもって情報公開法5条6号ロ所定の不開示情報に該当しないことになるものではない。」と改める。 ⑵ 原判決48頁18行目から同頁19行目にかけての「、原子力発電所行政に関わる公務員に対する批判」を削り、同頁19行目の「、本件事故以降、」から同頁23行目の「提起されていること」までを削る。 ⑶ 原判決48頁24行目の「東京電力」から同頁26行目の「あったほか、 に関わる公務員に対する批判」を削り、同頁19行目の「、本件事故以降、」から同頁23行目の「提起されていること」までを削る。 ⑶ 原判決48頁24行目の「東京電力」から同頁26行目の「あったほか、」までを削る。 ⑷ 原判決49頁8行目の末尾を改行の上、次のとおり加える。 「なお、控訴人らは、政府事故調が最終報告を公表し、任務を終えているとして、本件不開示希望情報は、情報公開法5条5号の「審議、検討又は協議に関する情報」に該当しないと主張する。しかし、審議、検討等が終了し、意思決定が行われた後であっても、当該審議及び検討等に関する情報を公にすることにより、将来行われることがあり得る同種の審議、検討等に係る意思決定に不当な影響を与えるおそれがある場合(将来行われることがあり得る同種の意思決定のための資料の収集に支障を生じることを含む。)には、情報公開法5条5号に該当すると解されるところ(前掲最高裁平成11年11月19日第二小法廷判決参照)、本件不開示希望情報を公にした場合には、本件ヒアリング方針が遵守されることに対する信頼が損なわれ、将来における重大事故等の調査において関係者の任意の協力を得られなくなり、調査事務のための資料の収集に支障を生ずるおそれがあるといえる。また、政府事故調が任務を終えているか否かで特定の者に不当に不利益を及ぼすおそれがあるか否かの事情が変わる 13 ものではない。したがって、政府事故調が最終報告を公表し、任務を終えていることを理由として本件不開示希望情報の情報公開法5条5号該当性を否定する控訴人らの主張は理由がない。」⑸ 原判決49頁11行目の「応じることになる」の次に「上、情報公開法制上、公務員の職務活動の過程又は結果が記録された行政 望情報の情報公開法5条5号該当性を否定する控訴人らの主張は理由がない。」⑸ 原判決49頁11行目の「応じることになる」の次に「上、情報公開法制上、公務員の職務活動の過程又は結果が記録された行政文書は、どのような地位にある者がどのように職務を遂行しているかについて、たとえ特定の公務員が識別される結果となるとしても、個人に関する情報としては不開示とはしないものと扱われているのであるから、関係大臣及び関係行政機関の職員の聴取結果書は原則として開示されなければならない」を加える。 ⑹ 原判決49頁16行目の「考えられるから、」の次に「本件ヒアリング方針に対する信頼を保証すべき必要性は被聴取者が関係大臣や関係行政機関の職員であるか否かによって変わるものではなく、」を加える。 ⑺ 原判決49頁18行目の末尾を改行の上、次のとおり加える。 「ウ 控訴人らは、本件説明部分及び客観的データは、情報公開法5条5号及び同条6号柱書きに該当しないと主張する。しかし、被聴取者は、ヒアリングにおける発言内容が記載された聴取結果書について、被聴取者の特定につながる部分及び被聴取者が非開示を希望する部分を除き、必要な範囲に限って開示することを前提にヒアリングに応じていたものと理解されることは上記のとおりであり、本件の聴取結果書について、本件説明部分及び客観的データ部分についてのみ開示に同意していたと解することはできないから、本件不開示希望情報の全部につき開示に同意していないというべきである。そうすると、聴取結果書に本件説明部分及び客観的データが含まれていたとしても、被聴取者はこの部分も含めて開示に同意していないことなる。したがって、政府事故調と被聴取者との間では、本件説明部分及び客観的データも含めて聴取結果書が開示されないとの信頼関係が生じていたといえる 、被聴取者はこの部分も含めて開示に同意していないことなる。したがって、政府事故調と被聴取者との間では、本件説明部分及び客観的データも含めて聴取結果書が開示されないとの信頼関係が生じていたといえるから、本件不開示希望情報のうちの本件説明部分及び客観的データ部分も情報公開法5条5号及び同条6号 14 柱書きに該当するというべきである(なお、聴取結果の基となるヒアリングの冒頭に本件説明部分に相当する説明が明示的に行われたか否かが本件判断を左右するものではないことは上記に判断したとおりである。また、本件訴訟において、本件不開示希望情報のうち、本件説明部分及び客観的データ部分が記載された文書の特定はされていない。)。 エ 控訴人らは、情報公開法5条2号ロの規定との対比から、情報公開法5条5号及び同条6号の要件該当性については厳格な解釈が要求されているというべきであると主張する。 しかし、情報公開法5条5号及び同条6号は、国の機関、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報並びに事務又は事業に関する情報に関する規定であるのに対し、情報公開法5条2号ロは、法人その他の団体(国の機関、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報に関する規定であって、対象を異にするものであるから、情報公開法5条2号ロに「公にしないとの条件で任意に提供された」ことのほかに「当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの」との要件があるからといって、当然に情報公開法5条5号及び同条6号についても同様に解するべきということにはならない。 付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの」との要件があるからといって、当然に情報公開法5条5号及び同条6号についても同様に解するべきということにはならない。また、仮に、同様に解すべきとする控訴人らの見解に立ったとしても、本件情報は、公共の機関からの要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供された情報であり、本件事故の真の原因究明のためには本件事故に関与した者等に考えた事柄、行動した事柄をそのまま述べてもらう必要から、責任追及を目的とした調査や検証は行わないこととし、その手段として、被聴取者が非開示を希望している部分については開示しないとする本件ヒアリング方針が政府事故調において採用され、それに対する信頼を前提として被聴取者がヒアリングに応じたという当時の状況等に照らせば、本件非開示希望情報を開示しな 15 いとすることは、当該情報の性質、当該情報が提供された当時の状況等に照らして合理的であると認められるから、本件非開示希望情報を非開示とすることが情報公開法5条2号ロの規定の趣旨に反するものではないというべきである。 いずれにしても、情報公開法5条2号ロの規定の趣旨から、本件不開示希望情報は情報公開法5条5号及び同条6号柱書きに該当しないとする控訴人らの主張は採用することができない。」2 結論よって、原判決は相当であり、控訴人らの本件各控訴はいずれも理由がないからこれらを棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第5民事部 裁判長裁判官木 納 敏 和 裁判官和久 等裁判所第5民事部 裁判長裁判官木 納 敏 和 裁判官和久田道雄 裁判官真辺朋子 (別紙1 省略) 16 別紙6 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)(開示請求権)3条 何人も、この法律の定めるところにより、行政機関の長(前条第一項第四号及び第五号の政令で定める機関にあっては、その機関ごとに政令で定める者をいう。以下同じ。)に対し、当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができる。 (開示請求の手続)4条1項 前条の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面〔括弧内略〕を行政機関の長に提出してしなければならない。 1号 開示請求をする者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人その他の団体にあっては代表者の氏名2号 行政文書の名称その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項2項 〔略〕 (行政文書の開示義務)5条 行政機関の長は、開示請求があったときは、開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければならない。 1号、1号の2 〔略〕2号 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政 のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければならない。 1号、1号の2 〔略〕2号 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認 17 められる情報を除く。 イ 公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものロ 行政機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの3号 公にすることにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報4号 公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報5号 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの 、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの6号 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものイ 〔略〕ロ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、国、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を 18 不当に害するおそれハ~ホ 〔略〕
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