平成19(行ス)25 仮の義務付け決定に対する抗告事件(原審・大阪地方裁判所平成19年(行ク)第40号)

裁判年月日・裁判所
平成20年3月28日 大阪高等裁判所 公物・公企業など
ファイル
hanrei-pdf-36888.txt

判決文本文8,934 文字)

主文 本件抗告を棄却する。 抗告費用は,抗告人の負担とする。 理由 第1抗告の趣旨 原決定を取り消す。 本件申立を却下する。 本件申立を棄却する。 第2事案の概要 事案の要旨本件は,aの親権者(母親)である相手方が,aは気管支喘息に罹患するなどしており,学校教育法72条にいう「病弱者」に該当するとして,行政事件訴訟法37条の5第1項に基づき,大阪市教育委員会がaの就学すべき学校を抗告人の設置する特別支援学校である大阪市立b養護学校(以下「b養護学校」という。)に仮に指定することを求めた事案である。 原審裁判所は,平成19年8月10日,相手方の申立てを認める決定をし,これに対し,抗告人が本件抗告の申立てをした。 当事者の主張原審における抗告人及び相手方の各主張は,原決定第2,2のとおりである。 当審における抗告人及び相手方の各主張は,別紙1(即時抗告理由書),2(答弁書)のとおりである。 第3当裁判所の判断 当裁判所も,相手方の本件申立ては理由があると判断する。その理由は,次のとおり抗告理由に対する判断を付加するほかは,原決定2頁21行目から56頁末行までに記載のとおりであるから,これを引用する。 ただし,37頁2行目全部を「傷病名を平成19年5月17日にADHDと し,同23日に過敏性腸症候群(心身症),ADHD(注意欠陥多動障害)とする診断書を作成し,両」に,同41頁20行目及び46頁9,10行目の「過敏性腸症候群(心身症)」を「心身症的症状がある」に,同53頁末行の「○○小学校」を「○○小学校」に改める。 【抗告理由に対する判断】(1)病弱者性の認定についてア抗告人は,c医師の診療情報提供書診断書等(疎甲6,20,24)によれば,aの気管支喘息については,吸入は1日2回,服薬は1日1回 める。 【抗告理由に対する判断】(1)病弱者性の認定についてア抗告人は,c医師の診療情報提供書診断書等(疎甲6,20,24)によれば,aの気管支喘息については,吸入は1日2回,服薬は1日1回でよく,家庭での吸入や服薬が可能であり,在校中の時間帯においてaに吸入や服薬が必要であるとは解されず,aが定期的服薬を要するとしても,学校において特に服薬のために特別な措置を行う必要はないから,定期的服薬を要するとの事実をもって,「小学校の通常の学級において特別の指導及び支援を要せずに学校教育法が予定する所定の教育を施すこと」ができないということはできず,むしろ,「標準的治療で充分コントロール可能である」とされているのであるから,aは,十分,小学校において同年代の児童らとともに通常の授業を受け得るだけの状態にあると主張する。 しかしながら,引用にかかる原決定認定,説示のとおり,aは,生後6ヶ月に喘息と診断されて以降d病院を受診する平成17年5月頃まで喘息の症状が重く,その後,症状の改善があったものの,同年10月頃からステロイド剤の吸入を拒否し,平成18年1月頃,さらに,e小学校入学の同年4月,f小学校転校後の同年9月と症状悪化のため入院し,医師の診察,治療を受け,継続して吸入や服薬をし,この間学校を休むことが多く,同年9月から長期間登校せず,しかも決められた服薬等をしないことが月に8回程度あり,平成19年1月のg小学校転校後,1日登校しただけで本件申立の頃に至るまで長期間登校せず,同年7月30日までの間に約18回喘息発作(重くはない)を起こしたのであり,慢性の喘息の状態が継 続して医療又は生活規制を必要とする程度のものであるといえ,また,身体虚弱の状態が継続して生活規制を必要とする程度のものであるといえる。 抗告人の上記主張は,喘息の状態 あり,慢性の喘息の状態が継 続して医療又は生活規制を必要とする程度のものであるといえ,また,身体虚弱の状態が継続して生活規制を必要とする程度のものであるといえる。 抗告人の上記主張は,喘息の状態が軽度となっていることを示すものではあるが,病弱者性を否定するまでのものでない。また,aは,毎日吸入や服薬が必要であるが,在校中の時間帯における吸入や服薬を嫌がるため,朝夕の吸入や服薬,在校中の時間帯でのピ-クフローメーターによるモニタリングで代替されていたのであり,さらに,掃除や体育を休む対応がされていたのであるから,「小学校の通常の学級において特別の指導及び支援を要せずに学校教育法が予定する所定の教育を施すこと」が当然にできたわけではないというべきである。 イ抗告人は,aが医師の指導により掃除の担当をはずされ,体育の授業を受けないことも多かったとする根拠は相手方の審尋における陳述のみであり,c医師の病状説明書(疎甲24)には,一般に運動が発作の誘因になり得るとの記載があるだけで,診断書やカルテ(疎甲20の1ないし4)を参照しても,掃除を担当したり,体育の時間に参加してはいけないとの趣旨の指示は読み取れず,aが自ら積極的にドッジボールや体育の時間に参加したこともあって,特段体調を崩すこともなかったことからしても,喘息等の疾病の理由から掃除の担当をはずし,体育の時間に通常の学級を離れさせる措置が常に必要であったということは疑わしく,特別の指導及び支援が必要であったとする根拠になるとは解されないと主張する。 しかしながら,c医師の上記病状説明書は,一般論として,「発作の誘因としては一般にアレルゲン(ハウスダスト,ダニなど),感染(ウィルス,マイコプラズマなど),運動,けむり,メンタルストレス,などが挙げられます。」と記載しているが,その趣旨 般論として,「発作の誘因としては一般にアレルゲン(ハウスダスト,ダニなど),感染(ウィルス,マイコプラズマなど),運動,けむり,メンタルストレス,などが挙げられます。」と記載しているが,その趣旨はaについても掃除や体育を避けるように指示するものと思われるから,小学校の通常の学級に入れるには特別の指導及び支援を必要とするというべきである。 ウ抗告人は,e小学校,f小学校登校時にaが元気であった旨,g小学校で登校したいと言った旨の疎明(疎乙12ないし16)をするが,上記疎明を否定する疎明(疎甲35)もあり,この間,入院があった上,学校を休むことが多く,f小学校において同年9月以降登校せず,平成19年1月転校後のg小学校においても1日登校しただけで登校拒否していたのであるから,上記短期間の登校時の様子が上記病弱者性を否定することとはならない。 エ抗告人は,aは原決定により平成19年9月1日付けでb養護学校に就学しているが,①学校でも寄宿舎でも喘息の発作は一切出ておらず,②軟式野球やサッカー,水泳その他の運動に参加しているが,体調は一切崩しておらず,③学習面,生活面でも心身症をうかがわせるような状況は全くなく,一般の生徒と同様に元気な様子を示していることからすると,aが病弱者に該当しないことは明らかであると主張する。 しかしながら,aは,平成19年10月1日から5日,28日から11月16日と喘息のため学校を欠席し,通院して自宅療養し,11月26,27日,28日から12月3日と副鼻腔炎のため学校を欠席して通院し,12月17日から21日まで喘息のため学校を欠席し,通院して自宅療養し,平成20年1月21日から2月8日までMRSA等のため学校を欠席し,通院して自宅療養し,2月14,15日と喘息のため学校を欠席し,通院して自宅療養したことが のため学校を欠席し,通院して自宅療養し,平成20年1月21日から2月8日までMRSA等のため学校を欠席し,通院して自宅療養し,2月14,15日と喘息のため学校を欠席し,通院して自宅療養したことが一応認められるから,喘息の発作が一切出ていないということはできず,上記主張に沿う疎乙22,23を考慮しても,同養護学校での生活,学習,指導,定期的な服薬等の結果,aの健康を含めた状況が改善されているとはいえても,上記病弱者性についての認定,説示を左右しない。 抗告人は,その他,aが心身症の状態にあるとは認められず,仮にそうであっても,極めて軽微であるとか,ADHDはそもそも学校教育法施行 令22条の3において病弱者と認定される疾患には挙げられておらず,ADHDの児童及び生徒は,小学校に多数在籍するとか,小学校では,喘息の児童が全体に占める割合が6.62%にのぼっており,教員も気管支喘息に罹患している児童に対する対応に必要な知識・経験は備え,対応しており,通常どおり掃除や体育について一般的に配慮をしている(疎乙21,24)等と主張する。 しかしながら,疎明(疎甲7,20)によれば,h医師は,傷病名を平成19年5月17日にADHDとし,同23日に過敏性腸症候群(心身症),ADHD(注意欠陥多動障害)としている診断書を作成しているが,原決定37頁付記診断記載のとおり,同内容の診断をしていること,心身症という傷病名が妥当でないとしても,定期的な服薬等をさせるために解決すべき心身症的問題があることが一応認められ,また,ADHDそのものは特別の指導及び支援を必要とする疾患には該当しないとしても,ADHDのために定期的な服薬等に困難を伴うことは事実であり,小学校での喘息児童の割合,小学校教員の喘息に対する知識・経験,配慮等の主張を含め,上記主張それ自 必要とする疾患には該当しないとしても,ADHDのために定期的な服薬等に困難を伴うことは事実であり,小学校での喘息児童の割合,小学校教員の喘息に対する知識・経験,配慮等の主張を含め,上記主張それ自体としては,上記病弱者性を否定することとはならない。 (2)認定就学者該当性の判断についてア抗告人は,aは学校に適応できないために登校できない「不登校」の状態ではなく,病気等を理由とした長期欠席の状態であり,aが家で問題行動を起こすようになって一時保護された時期と長期欠席に入った時期が符合しているとしても,小学校における学校生活に十分適合することができなかったことの証左にはならないなどと主張する。 しかしながら,aは,平成19年4月以降,小学校に登校していないことは事実であり,その背景には前記のとおり,定期的な服薬等が確実に図られないために発作が起こるなどしたことがあると考えられ,aに小学校 教育を受けさせるためには寄宿舎に入寮させ,寄宿舎指導員の下,確実な服薬等が図られるような体制をとるのが相当であり,小学校はaには適しない可能性が高いというべきである。 イ抗告人は,aが小学校登校時にいじめを受けたと認める根拠は相手方の陳述のみであり,担任等が観察したaのe小学校,f小学校及びg小学校登校時の様子(疎甲23の1,疎乙12ないし16)によれば,aは登校時,他の児童らにもとけ込んで元気に過ごしており,友達にも人気があったというのであり,相手方がいうように,これらの学校でいじめがあり,それが原因で登校できなくなったとすれば,通常,保護者である相手方から小学校に対して相談や苦情の申入れがされるはずであるところ,そのような相談ないし苦情の申入れはされておらず,連絡帳にもそのような記載はなく,相手方は医師にも登校していないことを告げ,その対処 方から小学校に対して相談や苦情の申入れがされるはずであるところ,そのような相談ないし苦情の申入れはされておらず,連絡帳にもそのような記載はなく,相手方は医師にも登校していないことを告げ,その対処についても相談していたと解されるが,その原因がいじめであるとは一切告げていないから,相手方の陳述は信用できず,カルテには「e小学校に帰りたい。」「BA出ているので学校行っていない。」との記載がされており,少なくともaがいじめを受けてe小学校になじめなかったとの事実が存しないことは明らかであるなどと主張する。 しかしながら,抗告人の挙げる根拠は一般的理屈であって,これをもって一概に相手方の陳述が信用できないと断定することはできず,「e小学校に帰りたい。」というのは当時欠席中であったf小学校を拒絶する趣旨で言っているとも解され,いずれにしろ,約2ヶ月程度の在校中,入院もしたe小学校になじめたかは疑問であり,いずれにしろ,aがいじめを受けた事実は否定されない。 ウ抗告人は,aがg小学校に転校した後,学校が気管支喘息のことを理解してくれないことを登校拒否の理由としていたとは認められないとし,そもそも登校拒否の事実自体がなく,aが登校拒否の理由として気管支喘息 に対する学校の無理解を挙げたとする根拠は相手方の陳述のみであるところ,相手方は,学校に伝えて苦情を述べるなど一切しておらず,医師らに対してもそのような理由で登校を拒否しているとは伝えていない(疎甲20の1ないし4)から,信用し難いと主張する。 しかしながら,抗告人の挙げる根拠は一般的理屈であって,これをもって一概に相手方の陳述が信用できないと断定することはできず,g小学校で登校したいと言った旨の疎明(疎乙16)は疎甲35に照らし採用できない。 エ抗告人は,aが障害を理由として不登校になっ れをもって一概に相手方の陳述が信用できないと断定することはできず,g小学校で登校したいと言った旨の疎明(疎乙16)は疎甲35に照らし採用できない。 エ抗告人は,aが障害を理由として不登校になったとは認められず,むしろ生活環境に起因することがうかがえると主張する。 しかしながら,aの不登校が生活環境に起因している面が否定できないとしても,疎明(疎甲33,34)によれば,児童院に強制保護しなければならないような状況でないことが一応認められ,引用にかかる原決定48頁18行目から50頁5行目までに記載のとおり相手方の虐待ないしネグレクトがあったとは認められず,同6行目から51頁7行目までに記載のとおりの原因による生活環境に起因しているといえる。 オ抗告人は,仮にaが病弱者であり,障害に起因して不登校となっているとしても,喘息は標準的治療で十分コントロール可能であり,1日2回の吸入及び1回の服薬等を要するという程度であり,小学校には日常的,定期的な服薬等を必要としている生徒は少なからず在学していること,ADHDについては,小学校において通常の学級に在籍するADHDの児童も特別支援教育の対象とされ,児童1人1人のニーズに応じた必要な指導及び支援が行われ(疎甲19),教員も特別支援教育担当アドバイザーから指導助言及び研修を受けており,ADHDである児童のニーズに応じた教育を施す環境が十分整備されていること(疎乙20),小学校において長期欠席の状態にある児童に対しその原因に応じた対策を立て再登校を実現 した例は多数あることを挙げ,現在在籍するi小学校のような小学校においても,aの現時点での教育的ニーズに応じた適切な就学のための環境が整備されていると主張する。 しかしながら,認定就学者該当性の判断に当たっては,当該市町村の設置する小学校に障害 のような小学校においても,aの現時点での教育的ニーズに応じた適切な就学のための環境が整備されていると主張する。 しかしながら,認定就学者該当性の判断に当たっては,当該市町村の設置する小学校に障害に対応した施設や設備が整備され,指導面で専門性の高い教員が配置されるなど,当該児童生徒が就学するための環境が適切に整備されているか否かが重要な一要素になるところ,喘息やADHDを持つ児童生徒につき一般論として小学校で対応可能であるとしても,本件において,aに滞りなく小学校教育を受けさせることのできるi小学校での特別支援につき上記諸点につき具体的疎明はなく,疎明(疎甲30,32,33,42)により一応認められるb養護学校での対応,引用にかかる原決定51頁16行目から52頁3行目までに記載の同校の状況と同程度の対応ができるかは疑わしい。 カ抗告人は,b養護学校では病状の改善等のために病院との連携が図られていることはなく,病種グループとして「ぜんそく・アトピー等」のグループが設けられ,自立活動指導計画が策定されることがあるとしても,実際の指導において重要なのは個々の児童生徒の教育的ニーズに応じた「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」であり,これらは小学校においても策定され,b養護学校のものと内容も変わらない一方,低学年であるaは,一定の集団での学習を通じ,対人関係の調整力や社会生活の基礎となるコミュニケーション能力の育成により社会性の涵養を図ることが必要な年齢であるところ,b養護学校では同学年の児童は在籍せず,最も近い年齢の児童としては小学校4年生の児童2名が在籍するにすぎないのであり,社会性の涵養を図るために同年齢の集団による教育環境を確保することが困難であることを考えると,b養護学校は学校教育法が予定する教育の目標の一つである「学校内 の児童2名が在籍するにすぎないのであり,社会性の涵養を図るために同年齢の集団による教育環境を確保することが困難であることを考えると,b養護学校は学校教育法が予定する教育の目標の一つである「学校内外の社会生活の経験に基き,人間相互の関係 について,正しい理解と協同,自主及び自立の精神を養うこと」に照らして適切な環境が整備されているとはいい難いと主張する。 しかしながら,疎明(疎甲30,32,33,40ないし42)によれば,b養護学校は,学校周辺の個人病院,市立j病院,児童生徒の主治医のいる病院,大阪市立kセンター,l病院との連携のあること,「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」なかんずく同校の特徴である「自立活動指導計画」が策定され,これに基づく指導,教育がされていることが一応認められ,上記抗告人主張に沿う疎明(疎乙17,18,22,23)を考慮しても,同主張の小学校におけるものに劣ることはないといえ,また,同養護学校に同年齢集団がないとの点は,aが滞りなく小学校教育を受けられるというより基本的,前提的事項に劣後するデメリットにすぎない上,同養護学校にはaに前後する年齢の生徒がいるのであって,社会性の涵養が図られないわけでない。 キ抗告人は,特別支援教育制度が保護者の意見を反映させなければならないとしているのは,通常は保護者が当該児童生徒の日常生活上の状況等をよく把握しているからであり,その趣旨からすれば,反映されるべき保護者の意見は学校選択に関する結論についてのものではなく,結論については保護者の意見を重要な参考としつつも,教育学,医学,心理学等の観点からの専門的な判断によるべきものであって,相手方が「b養護学校に就学させたい」旨の意見を有していることを重視すべきではないと主張する。 しかしながら,認定就学者該当性の判断に当 医学,心理学等の観点からの専門的な判断によるべきものであって,相手方が「b養護学校に就学させたい」旨の意見を有していることを重視すべきではないと主張する。 しかしながら,認定就学者該当性の判断に当たっては,当該児童生徒の保護者の意見なかんずく同意見により表示される当該児童生徒の意思が重要な一要素になるところ,本件においては,保護者監護の相当不相当という評価に引きずられて,相手方の意見を十分参考にしなかった形跡があり,結果的にaが平成18年9月以降持つに至ったb養護学校に就学したいという率直な意思を十分考慮しなかったというほかなく,引用にかかる原決 定44頁18行目から45頁6行目までに記載の参議院文教科学委員会付帯決議や施行令の改正規定に照らしても,抗告人の上記主張は前提を欠き採用し得ない。 クそうすると,抗告人の抗告審主張にもかかわらず,抗告人の設置する当該i小学校に障害に対応した施設や設備が整備されて指導面で専門性の高い教員が配置されるなど当該児童生徒が就学するための環境が適切に整備されていることが具体的に認められない点,aの喘息の状態が軽度となっているものの,その生活環境や心身症的症状と併せた原因によると考えられる平成18年4月,なかんずく9月以降の出欠状況,長期間の不登校ないし欠席の事実を過小に評価した点,当該児童生徒aの保護者の意見なかんずく同意見により表示されるaの意思を十分考慮しなかった点において,裁量判断の基礎となる事実を認定せず或いは誤認し若しくは十分考慮しなかった不備があり,裁量権の範囲を逸脱し又は濫用した裁量の誤りがあったというべきである。 (3)法令上の障害について抗告人は,地方自治体にはその所管する学校の運営について自主決定権があるところ,平成18年10月20日,b養護学校に係る学校指定を平成1 りがあったというべきである。 (3)法令上の障害について抗告人は,地方自治体にはその所管する学校の運営について自主決定権があるところ,平成18年10月20日,b養護学校に係る学校指定を平成19年4月1日から停止する旨の決定をしており,原決定のようにb養護学校への学校指定通知を仮に義務付けることには法令上の障害があると主張する。 しかしながら,原決定を引用して説示したとおり,b養護学校廃止のための許可申請や条例の改正手続はいまだ着手されていないから,学校教育法,行政事件訴訟法所定の要件を満たす限り,抗告人に原決定主文のとおり仮の義務付けを行うのに法令上の障害はないというべきである。 よって,本件抗告は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり決定する。 平成20年3月28日 大阪高等裁判所第8民事部若林諒裁判長裁判官小野洋一裁判官冨田一彦裁判官

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る