平成17年11月24日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成16年(行ウ)第58号所得税決定処分等取消請求事件口頭弁論終結日平成17年9月5日判決 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の請求 1 被告が平成15年3月12日付けで原告に対して行った以下の各処分をいずれも取り消す。 (1) 平成9年分所得税の決定及び重加算税の賦課決定(2) 平成10年分所得税の決定及び重加算税の賦課決定(3) 平成11年分所得税の決定及び重加算税の賦課決定(4) 平成12年分所得税の決定及び重加算税の賦課決定(5) 平成13年分所得税の決定及び重加算税の賦課決定 2 被告が平成15年3月12日付けで原告に対して行った以下の各処分をいずれも取り消す。 (1) 平成11年1月1日から同年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の各決定並びにこれらの重加算税の各賦課決定(2) 平成12年1月1日から同年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の各決定並びにこれらの重加算税の各賦課決定(3) 平成13年1月1日から同年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の各決定並びにこれらの重加算税の各賦課決定第2 事案の概要本件は,風俗営業を営む店舗の経営者であることを理由に,被告から推計の方法による前掲各課税処分を受けた原告が,①一部期間を除いて,経営主体の判断を誤っており,②経営者であった一部期間についても,経営権の購入代金を必要経費として認めず,③推計の必要性及び合理性は存在しないなどと主張して,それらの取消しを求めた抗告訴訟である。 1 前提事実(争いのない事実及び証拠によって容易に認められる事実等)(1) 風俗店の営業と所得申告後記の風俗営業を営む7店舗(以下,これ いなどと主張して,それらの取消しを求めた抗告訴訟である。 1 前提事実(争いのない事実及び証拠によって容易に認められる事実等)(1) 風俗店の営業と所得申告後記の風俗営業を営む7店舗(以下,これらを「本件全店舗」と,本件全店舗から平成13年10月に開店したプレイガールを除いたものを「本件6店舗」とそれぞれ総称する。なお,各店舗の名称は,特に断らない限り,平成13年12月31日現在の店名で表記する。)は,平成13年12月31日当時,愛知県西三河地方である岡崎市,知立市及び安城市にて風俗営業を営んでいたが,その経営者から所得申告はなされていなかった。 (2) 本件全店舗の状況ア各店舗の開店等の経緯(甲43,乙1の1・2,4)。 (ア) ダイナマイトダイナマイトは,岡崎市a町b-cに所在するピンクサロンである。同店は,もともと,A(以下「A」という。)が昭和62年ころに「ビバアメリカ」との名称で開業したピンクサロンであったが,昭和63年4月ころ,Aが売春防止法違反の罪で逮捕されたため,休業するに至った。その後,同店は,「フレンド」と名称を変更して営業を再開し,更に「ダイナマイト」と名称を変更したが,平成15年1月に閉店した。 (イ) ホワイトハウスホワイトハウスは,平成元年8月,安城市a町b-c-dにおいて,「USA」の店名で開店したピンクサロンである。同店は,平成6年に「ホワイトハウス」に店名を変更したが,平成15年1月に閉店した。 (ウ) タイムボカンタイムボカンは,平成2年1月,岡崎市a町b-cにおいて,「パラダイス」の店名で開店したピンクサロンである。同店は,平成10年6月,店名を「ミニスカポリス」に,業態をカラオケパブに変更し,更に平成13年11月には,店名を「タイムボカン」に変更した。 (エ) 夢の国夢の国は,平成3年8 ンクサロンである。同店は,平成10年6月,店名を「ミニスカポリス」に,業態をカラオケパブに変更し,更に平成13年11月には,店名を「タイムボカン」に変更した。 (エ) 夢の国夢の国は,平成3年8月,知立市a町b-cにおいて開店したピンクサロンである。 (オ) プレイボーイプレイボーイは,平成4年1月,岡崎市a町b-cにおいて開店したピンクサロンである。 (カ) ミニスカポリスミニスカポリスは,平成10年11月,知立市a町b-cにおいて開店したカラオケパブである。 (キ) プレイガールプレイガールは,平成13年10月,岡崎市a町b-cにおいて開店したピンクサロンである。 イ関連する店舗本件全店舗に関連する店舗として,平成14年11月ころに開店した「モンテカルロ」という名称のピンクサロンが,知立市の夢の国に隣接して所在している(甲43,乙4,6)。 ウ本件全店舗の売上げ及び酒の仕入れ本件全店舗のうち,クレジットカード加盟店契約を締結していないプレイガールは現金売上のみ,その他の本件6店舗の売上げは,①現金売上げと,②クレジットカード会社からの立替払金による売上げ(以下「カード売上げ」という。)から成っている(甲43)。 また,本件全店舗は,酒類をB有限会社(以下「B」という。)から仕入れていた(乙6,証人C)。 (3) 原告による事業原告は,ビバアメリカが休業し,フレンド(ダイナマイト)として再開された昭和63年秋ころ,フィリピン人女性のコンパニオン派遣業を営んでいた。また,原告は,グァム島において,「ラッキーリムジン」の名称で現地法人を設立し,リムジンによる送迎業を営んでいた(甲11,原告本人)。 また,原告は,後記のとおり,平成12年9月1日から同年12月31日までの間,本件6店舗(当時プレイガールは開店していない。)の経営 を設立し,リムジンによる送迎業を営んでいた(甲11,原告本人)。 また,原告は,後記のとおり,平成12年9月1日から同年12月31日までの間,本件6店舗(当時プレイガールは開店していない。)の経営者であったことを自認している。 なお,Dは,原告が事業を営む際に使用している屋号であり,現在は,岡崎市a町b-c-dに事務所を構えているが,平成13年7月以前においては,ダイナマイトの2階にあった(甲43,乙1の2)。 (4) 名古屋国税局による税務調査名古屋国税局課税第一部資料調査第一課所属の係官(以下「調査担当者」という。)は,平成15年1月14日,原告に対する税務調査に着手したが,しばらく原告と接触することができないでいるうち,同月22日,原告が居所としている岡崎市a-b所在のc-d号室(以下「本件マンション」という。)を訪問したところ,原告と面会することができ,同日以後,本件マンションのほか,Dの事務所などにおいても調査を行った(以下,これら一連の調査を「本件調査」という。乙13)。 (5) 被告による課税処分被告は,平成15年3月12日付けで,別表1の「決定等」欄記載のとおり,原告の平成9年分ないし平成13年分(以下,個別には「平成9年分」などといい,全部を「本件各係争年分」と総称する。)の所得税の決定(以下「本件各所得税決定処分」という。)及びこれに係る重加算税の賦課決定の各処分を行うとともに,別表2の「決定等」欄記載のとおり,原告の平成11年1月1日から同年12月31日まで,平成12年1月1日から同年12月31日まで及び平成13年1月1日から同年12月31日までの各課税期間(以下,個別には「平成11年課税期間」などといい,全部を「本件各課税期間」と総称する。)の消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の決定(以下「本件各 から同年12月31日までの各課税期間(以下,個別には「平成11年課税期間」などといい,全部を「本件各課税期間」と総称する。)の消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の決定(以下「本件各消費税等決定処分」という。)並びにこれらに係る重加算税の賦課決定(以下,所得税に係る重加算税の賦課決定処分を併せて「本件各重加算税賦課決定処分」といい,以上の全処分を併せて「本件各処分」という。)の各処分を行い,そのころ,原告に通知した(甲1ないし8)。 (6) 原告による不服申立てと本訴提起原告は,本件各処分を不服として,平成15年4月8日付けで,異議申立てをしたところ,国税通則法43条3項に基づき,被告から原告の本件各係争年分の所得税等及び本件各課税期間の消費税等の徴収の引継ぎを受けた名古屋国税局長は,同年6月27日付けで,原告の異議申立てをいずれも棄却する旨の決定をし,そのころ,原告に通知した(甲9)。原告は,さらに,同年7月24日付けで,国税不服審判所長に対して審査請求をしたところ,国税不服審判所長は,平成16年7月7日付けで,原告の審査請求をいずれも棄却する旨の裁決をし,そのころ,原告に通知した(甲10)。以上の不服申立ての経緯は,別表1及び2の「異議申立」,「異議決定」,「審査請求」及び「裁決」欄記載のとおりである。 そこで,原告は,平成16年10月6日,本訴を提起した。 2 被告の主張に係る本件各処分の処分理由(1) 本件各所得税決定処分被告は,推計の方法により,別表3⑥欄記載のとおり,本件各係争年分における原告の事業所得を算出したが,原告には他の所得がないことから,これをもって総所得金額とし,ここから同表⑦欄記載の所得控除額を控除して,同表⑬欄記載のとおり,課税総所得金額を算出し,これに関係法条を適用して,原告が納付すべき所 原告には他の所得がないことから,これをもって総所得金額とし,ここから同表⑦欄記載の所得控除額を控除して,同表⑬欄記載のとおり,課税総所得金額を算出し,これに関係法条を適用して,原告が納付すべき所得税額を,同表⑰欄のとおり算出した。 (2) 本件各消費税等決定処分被告は,推計の方法により,別表4①欄記載のとおり,本件各課税期間における原告の課税売上高を算出し,これに関係法条を適用して算出した原告の納付すべき消費税等の金額を,同表⑫欄のとおり算出した。 (3) 本件各重加算税賦課決定処分原告には,国税通則法68条2項にいう「納税者がその国税の課税標準等又は税額等の……一部を隠ぺいし,又は仮装し,その隠ぺいし,又は仮装したところに基づき法定申告期限までに納税申告書を提出していなかったとき」に該当する事由が認められたところ,被告は,原告が納付すべき所得税額(別表3⑰欄)に同項所定の割合を乗じた重加算税額を,平成9年分が56万8000円,平成10年分が523万6000円,平成11年分が614万8000円,平成12年分が642万4000円,平成13年分が357万2000円と算出した。 また,被告は,原告が納付すべき消費税等額(別表4⑫欄)に同項所定の割合を乗じた重加算税額を,平成11年課税期間が791万2000円,平成12年課税期間が729万2000円,平成13年課税期間が572万円と算出した。 3 本件の争点(1) 本件全店舗の事業に係る所得の帰属先具体的には,ア平成12年8月31日以前の経営者(本件6店舗)は,原告か,Aか。 イ平成13年1月1日以降の経営者(プレイガールが開店した平成13年10月以降は本件全店舗)は,原告か,各店舗の店長か。 (2) 原告が本件6店舗の経営権を購入する代金として,Aに6000万円を支払ったか。 (3) 推 以降の経営者(プレイガールが開店した平成13年10月以降は本件全店舗)は,原告か,各店舗の店長か。 (2) 原告が本件6店舗の経営権を購入する代金として,Aに6000万円を支払ったか。 (3) 推計課税の必要性の有無(4) 推計課税の合理性の有無具体的には,アピンクサロンとカラオケパブを区別して推計すべきか否か。 イプレイボーイの酒の仕入額の正確性 4 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)(本件全店舗の事業に係る所得の帰属先)について(被告の主張)ア事業所得の帰属の確定手法税法上,ある税が納税者の担税力に即して課税されるべきことは,租税一般に通ずる基本原理の一つであるところ,所得税法27条に定める事業所得は,基本的には,その営む事業から生ずる所得に着目して課せられる税としての基本的性格を有するから,その納税義務者は,その事業を開始し,維持・継続する権限を有する者,すなわち,経営者と一致すると考えられる。したがって,事業収益が誰に帰属するかは,当該事業が営まれている事業所を巡る法律関係,事業から生じた売上金の管理形態,経費の負担状況,従業員に対する指揮監督状況などを総合して判断されるべきである。 イ本件における事業所得の帰属上記のような観点からみると,以下のとおり,本件全店舗の経営者は原告にほかならず,本件全店舗に係る事業所得も原告に帰属するとみるのが相当である。 (ア) 本件全店舗を巡る法律関係本件全店舗の賃貸借契約,行政上の許可及びクレジットカード加盟店契約に関する法律関係を整理すると,別表5のとおりとなる。 すなわち,本件全店舗はいずれも賃貸店舗を利用して営まれており,その賃借人は,タイムボカン及びホワイトハウスを除く5店舗につき原告とされている上,タイムボカンについても,原告がその連帯保証人となっている(な 本件全店舗はいずれも賃貸店舗を利用して営まれており,その賃借人は,タイムボカン及びホワイトハウスを除く5店舗につき原告とされている上,タイムボカンについても,原告がその連帯保証人となっている(なお,ホワイトハウスの賃借人は,本件調査によっても不明であったが,DからEに対して家賃が支払われている事実は確認されている。)。 他方,風俗店ないし飲食店である本件全店舗に対する行政上の営業許可の名義人は,いずれも原告ではない。 さらに,ダイナマイト,ホワイトハウス,タイムボカン,夢の国及びプレイボーイについては平成6年5月に,ミニスカポリスについては平成10年10月に,それぞれ締結されたクレジットカード加盟店契約(以下「本件加盟店契約」と総称する。)の契約名義人も原告ではない。 (イ) 本件全店舗の売上金の管理状況本件全店舗に係る収益は,以下のとおり,すべて原告の下へ集積される関係にある。 a 本件全店舗の事業形態等本件全店舗は,岡崎市を中心に,知立市,安城市に点在する店舗群であるが,いずれの店舗にも責任者(店長)が配置され,各店舗の運営は,この店長によって行われている。 また,原告は,Dという屋号で事業を営んでいるところ,その事務所は,当初はダイナマイトの2階に設けられていたが,現在は,岡崎市a町b-c-dに設けられている。 b 本件全店舗の売上金について本件全店舗の利用客は,現金払の者とクレジットカードを利用する者とがおり,これに照応して,本件全店舗の売上げも,現金売上げとカード売上げの2種類ある。そして,本件全店舗における現金売上げ及びカード売上げに係る売上金の管理の仕組みは,以下のとおりであり,いずれも原告の下に集積されることになっている。 (a) カード売上げについてまず,カード売上げについてみると,本件6店舗におけるクレジットカ 上げに係る売上金の管理の仕組みは,以下のとおりであり,いずれも原告の下に集積されることになっている。 (a) カード売上げについてまず,カード売上げについてみると,本件6店舗におけるクレジットカード会社からの立替払金が入金される預金口座は,主として,原告以外の者の名義となっている名古屋銀行岡崎南支店(以下「本件支店」という。)の普通預金口座であり,これを整理すると,別表6のとおりとなっているところ,これらの銀行口座のうち,F名義の口座を除くすべての口座の通帳と届出印鑑が,本件調査の際に,原告の居所である本件マンションにおいて発見されている。 加えて,これらの口座はすべて,平成6年5月の本件加盟店契約の締結の際に開設されたものであるか,平成10年10月の同契約の契約者名義変更に伴って開設されたものであるが,平成6年5月に開設された口座は,すべて原告自身によって開設されており,平成10年10月の名義変更に伴って開設された口座についても,当該名義人に開設してもらった上で,原告がその通帳と印鑑を保管しているというものであった。 このように,プレイガールを除いて,本件6店舗に関するカード売上げに係る売上金が入金される預金口座は,原告の管理下にあったと認められる。 (b) 現金売上げについてまた,現金売上げに係る売上金についても,以下のとおり,カード売上げの場合と同様,原告の管理下にあった。 平成12年8月まで原告の下で稼働していたAの供述によれば,同時期までの間における本件6店舗の現金売上げに係る売上金については,各店舗の店長が,営業のあった日の翌日に,売上金及び売上集計表を直接又はAを通じてDの事務所に持参し,原告がこれを受け取り,パソコンを使用して管理していた。 さらに,調査担当者に対する原告の事情説明によれば,本件全店舗の日々の売上 日に,売上金及び売上集計表を直接又はAを通じてDの事務所に持参し,原告がこれを受け取り,パソコンを使用して管理していた。 さらに,調査担当者に対する原告の事情説明によれば,本件全店舗の日々の売上金は,まず,①各店舗の店長が,売上金,客入状況,従業員の出勤状況及び当日の経費が記載された営業日報を作成し,各店舗の営業終了後,当日の売上金から,当日の経費を差し引いた後の現金とともに,各店長の中で最も年長者であるG(以下「G」という。)の自宅へ持参し,②Gが,その翌日,これらの現金と営業日報をDの事務所に持参し,原告の実弟であるH(以下「H」という。)を通じて,若しくは原告に直接交付し,③原告はこれを自宅に持ち帰り,自宅の金庫で保管するというものであった。 原告は,上記のようにして届けられた各店舗の営業日報を,パソコンへ入力した後,Dの事務所で処分し,その入力したデータを,翌月の月初めには消去していた。また,事務所に届けられた本件全店舗の経費に係る請求書や領収書は,受領後3か月程度で処分されていた。 そして,Aが原告の下で稼働していた平成12年8月以前の処理と同年9月以降の処理の違いは,Aが担当していた事務部分をG又はHが担当することになったことだけで,本件全店舗の売上金の回収方法が若干変わったにすぎない。 このように,Aや原告の供述を総合すると,本件全店舗の日々の現金売上げに係る売上金については,各店舗の店長によって集計された後に,現金及びその計算資料が原告の下へ集積する仕組みとなっていたと認められる。 c 売上集計表ないし営業日報上記のとおり,原告の下へは,本件全店舗の売上集計表ないし営業日報が集積する仕組みとなっているが,実際,調査担当者が,本件マンション及びDの事務所に臨場した際,①本件マンションにあった原告の所持するパソコン り,原告の下へは,本件全店舗の売上集計表ないし営業日報が集積する仕組みとなっているが,実際,調査担当者が,本件マンション及びDの事務所に臨場した際,①本件マンションにあった原告の所持するパソコンから,本件全店舗のうち,平成9年当時営業していた各店舗に関する同年5月から同年12月までの収支計算表とみられる表の一部(別表7ないし14。乙12。以下「本件復元データ」という。)や,②Dの事務所において,原告の所持するパソコンから,プレイガールについての平成14年12月分の営業月報及び収支明細書(乙4号証の別紙1ないし5),ホステスの出勤,指名状況などを確認するための帳票(乙4号証の別紙6),ホステスの報酬一覧表(乙4号証の別紙7ないし11),その他,モンテカルロのホステス募集用のちらし,ミニスカポリスの平成12年の年末特別給前払証等,重要事項説明書,モンテカルロの収支計算表のひな形,夢の国の料金体系の一覧表,取引先の電話番号を記載したメモ,従業員用の金銭借用書のひな形,本件全店舗のホステスや従業員の氏名,住所,入店日,雇用経過などが記載された名簿,本件全店舗のホステスの雇用状況,面接状況を記載した表,本件全店舗のホステスの退店状況,本件全店舗やホステス等の寮として利用している建物の家賃の支払先一覧表などの複数の書類データが発見されている。 そして,関係資料を基にこれらの復元データを分析した結果は,以下のとおりである。 (a) 本件復元データⅰ 本件全店舗の酒の仕入額本件全店舗に酒類を納品しているBへの反面調査の結果,Bが保管する「得意先台帳」等には,本件全店舗に対する酒類の真実の取引金額の2分の1に相当する金額が記載されており,Bの本件全店舗に対する酒類納品に関する真実の取引額は,上記帳簿類記載の額を2倍したものであることが明らか 」等には,本件全店舗に対する酒類の真実の取引金額の2分の1に相当する金額が記載されており,Bの本件全店舗に対する酒類納品に関する真実の取引額は,上記帳簿類記載の額を2倍したものであることが明らかになっている。 ⅱ 本件復元データとの照合ところで,本件復元データの「sak」欄(別表7ないし11)及び「酒代」欄(別表12ないし14)の数値を,Bの得意先台帳上の数値を整理した表(別表15ないし17。乙31号証の2)と照合すると,平成9年5月分から同年12月分の期間における記号「¥1」の数値と,ダイナマイトの酒類の取引金額が完全に一致し,以下同様に,記号「¥2」とホワイトハウス,記号「¥3」とパラダイス,記号「¥4」と夢の国,記号「¥5」とプレイボーイについても,一致することが認められる。 なお,「¥4」の数値と「夢の国」の酒類の仕入金額は,平成9年5月分のみ一致しないが,本件復元データ上の28万5130円という数値が「¥5」の「sak」の数値と同じであることから,誤記であると思料される。 ⅲ 小括このように,本件復元データは,本件全店舗のうち,5店舗の平成9年5月ないし12月分の収支データであることは疑う余地がないのであって,かかるデータが,原告の所持するパソコン内から復元されたということは,原告が本件全店舗の収支を管理していたことを如実に示すものである。 (b) 他の復元データの解析さらに,上記②に記載した複数のデータ(乙4の別紙1ないし11,乙14ないし29)によれば,これらのデータに表示された年が,2001年(平成13年)ないし2003年(平成15年)となっているため,すべてが本件各係争年分に直接関わるものではないものの,この中には,各店舗のホステスや,従業員の氏名,住所,入店日,雇用経過等を記載した名簿(乙24 ないし2003年(平成15年)となっているため,すべてが本件各係争年分に直接関わるものではないものの,この中には,各店舗のホステスや,従業員の氏名,住所,入店日,雇用経過等を記載した名簿(乙24),本件全店舗のホステスの雇用状況,面接状況を記載した表(乙25,26),本件全店舗のホステスの退店状況(乙27)及び本件全店舗やホステス及び従業員の寮として使用していると認められる建物に係る家賃等の支払先等を記載した表(乙28,29)といったものが含まれており,これらは,いずれも本件全店舗を一括管理することを目的とした管理資料とみるのが相当であって,通常,経営者によって保有されるものであることを踏まえると,本件全店舗の経営者は原告であると認めるのが相当である。 (ウ) 本件全店舗の経費負担の状況また,本件全店舗の経費の負担も,以下のとおり,原告の計算と責任においてされていたと認められる。 a 人件費等本件全店舗の業態からすると,その経費の主要部分がホステス等に係る人件費であると推察されるところ,本件全店舗のホステスに対する報酬や従業員に対する給料は,各店舗の店長がそれぞれ報告書を作成し,当該報告書が原告に提出されることで,原告から各店舗の店長に支払われるものとされている。 b その他の経費関係加えて,本件全店舗及びDに係る経費の請求書は,すべて原告が主宰するDの事務所に届くことになっており,ガス,水道,電気,電話料金,家賃,その他の支払については,Dの事務所の事務員であるI(以下「I」という。)が支払一覧表を作成していた。そして,原告は,各店舗及びDの支払合計金額が記載された当該一覧表を基に,自己が保管する現金から必要な金額をIに渡し,Iが本件全店舗及びDの経費の支払を行っていた。 なお,本件全店舗に対して,酒類を納品しているBの代表 及びDの支払合計金額が記載された当該一覧表を基に,自己が保管する現金から必要な金額をIに渡し,Iが本件全店舗及びDの経費の支払を行っていた。 なお,本件全店舗に対して,酒類を納品しているBの代表者であるC(以下「C」という。)は,Bの本件全店舗に対する酒類の請求書を,一括して「六名の事務所へまとめて持って行きます。」と供述しているが,この「六名の事務所」とは,Dの事務所を指している。 cAの供述以上のような経費支払の仕組みについては,Aも,概略的ではあるものの,同様のことを述べている。 (エ) 小括このように,本件全店舗を巡る法律関係の名義は必ずしも統一されたものであるとはいえないが,事務所経営者が行政上必要とされる許可などにおいて他人名義でこれを営む事態があることはまれではなく,この点を経営者が誰であるかの判断において重要視すべきではない。 むしろ,誰が経営者であるかを決するには,その事業による計算と責任が誰に帰属しているかを事業の実態に照らして判断する必要があり,本件においては,本件全店舗の事業による売上金はすべて原告に集積される仕組みになっており,また,その事業による経費もすべて原告から本件全店舗に流れる仕組みとなっている。 他方,原告に集積された売上金が,更に第三者へ移動していることや,原告から各店舗へ流れた経費分の資金につき,他の者がその原資を拠出していることをうかがわせる形跡も全く見られないのであるから,結局,本件全店舗の事業に係る利潤や損失の負担の淵源は,原告にあるとみるのが相当である。 よって,本件全店舗の経営者は原告とみるのが相当である。 (原告の主張)被告の主張は否認する。 ア本件全店舗の経営者について本件全店舗の経営者は,平成9年から現在まで,A,原告,各店舗の店長と変遷しており,その経緯等は,以下のと みるのが相当である。 (原告の主張)被告の主張は否認する。 ア本件全店舗の経営者について本件全店舗の経営者は,平成9年から現在まで,A,原告,各店舗の店長と変遷しており,その経緯等は,以下のとおりである。 (ア) 原告とAの関係原告は,約20年前に,岡崎市内にあったキャバレーで,ウェイターとして勤務していたことがあったが,そのとき,同じ店で主任として勤務していたAと知り合った。 Aは,昭和62年ころ,独立してビバアメリカという名称のピンクサロンの営業を始めた。同店の店長はJ(旧姓「J」。以下「J」という。)であり,原告は同店の経営に関与していなかった。ところが,AとJは,昭和63年5月ころ,売春防止法違反の罪で逮捕・起訴され,執行猶予付きの有罪判決を受けたため,ビバアメリカは休業に追い込まれ,同人らは,その後,表面上,同店を経営することができなくなった。 (イ) 平成12年8月31日までそこで,Aは,ビバアメリカを再開するに当たって,旧知の原告に,マネージャーとして稼働するよう要請し,昭和63年11月,店名をフレンドと変更してピンクサロンの営業を再開した。このときの原告の役職は,マネージャー(各店舗の店長を統括する地位にあった。)であり,あくまでAの従業員にすぎなかった。原告は,以後,Aと二人三脚で働いて事業を拡大していったところ,経営者であるAを頂点とし,その下にマネージャーである原告,更にその下に各店舗の店長が位置する組織が形成され,このような関係は,平成12年8月31日まで続いた。 以上のように,平成12年8月31日までの本件6店舗の経営者はAであり,原告は,Aに雇用された従業員(マネージャー)であったにすぎない。この間の本件6店舗の収支データ等は,経営者であるAが所持していた。 (ウ) 平成12年9月1日から同年12月31 の経営者はAであり,原告は,Aに雇用された従業員(マネージャー)であったにすぎない。この間の本件6店舗の収支データ等は,経営者であるAが所持していた。 (ウ) 平成12年9月1日から同年12月31日まで原告は,平成12年8月31日,本件6店舗の経営者であったAから,これら店舗の経営権を6000万円で購入した。 なお,原告はAの下でマネージャーとして稼働し,その運営方法を知悉していたため,その後の本件6店舗の運営については,Aと同じ方法を採用したものである。 したがって,平成12年9月1日から同年12月31日までは,原告が本件6店舗の経営者であった。この間の本件6店舗の帳簿書類やデータ等については,原告が1型糖尿病に罹患し体調不良に陥ったため,管理することができなかった。 (エ) 平成13年1月1日以降原告は,平成12年9月ころから,1型糖尿病に罹患して,本件全店舗の経営者としての仕事をすることができなくなった。そこで,原告は,同年11月ころ,体調が悪くても安定した収入を得られるように,本件6店舗の店長を独立させ,自分は経営のアドバイスなどをして各店舗の店長から一定の顧問料を受け取るという内容のロイヤリティーシステムを採用することとした。原告は,同年12月ころには,ロイヤリティーシステムの採用について各店舗の店長と話し合い,平成13年1月1日以降,このような経営形態とすることで合意した。したがって,各店舗においては,同日以降,従来店長をしていた者が,経営者として独立し,自己の計算で営業をしており,原告は経営者ではなくなった。原告は,同日以降,本件6店舗の各経営者から顧問料として月10万円を取得していたにすぎない。 また,プレイガールについても本件6店舗と同様,店長であるGが経営者として自己の計算で営業を行っており,原告は,Gから顧問料 本件6店舗の各経営者から顧問料として月10万円を取得していたにすぎない。 また,プレイガールについても本件6店舗と同様,店長であるGが経営者として自己の計算で営業を行っており,原告は,Gから顧問料として月20万円を取得していたにすぎない。これら顧問料は現金で受領されており,領収書等の資料は作成・交付されなかった。 同日以降の原告の業務内容は,本件全店舗の経営者である各店長から,経理事務及び経費支払等の代行を委任され,その事務処理を行うことであったが,その便宜のため,原告は,従前に引き続き,クレジットカード会社からの立替払金が入金される預金口座の通帳と印鑑を預かっており,また,事務処理の一環として,各店舗の経費に関する請求書や領収書等を受領するなどしていた。このように受領した請求書や領収書は,3か月間保管された後,処分されていた。原告が,各経営者に支払う利益も現金で交付しており,これについても領収書等の受け取りはなかった。 (オ) 小括以上のとおり,本件全店舗の利益の帰属については,十分な資料が残っておらず,基本的に現金が移動する形態であるため,その帰属主体が特定しにくくなっている。しかし,本件全店舗の経営者は,上記のとおり変遷しており,原告が本件各係争年分すべてを通じて本件全店舗の経営者であったことはなく,これを前提とする本件各処分は違法である。 イ被告の主張に対する反論(ア) 預金通帳及び印鑑の保管について被告は,原告に対する質問応答書(乙4)を根拠として,本件6店舗におけるクレジットカード会社からの立替払金が入金される預金口座の開設等に原告が関与し,その通帳と印鑑を原告が管理・保管していると主張する。 しかし,同質問応答書は,後記のとおり,平成15年1月23日に作成されたものであるところ,その内容は,Aから脅迫を受けた原告が, に原告が関与し,その通帳と印鑑を原告が管理・保管していると主張する。 しかし,同質問応答書は,後記のとおり,平成15年1月23日に作成されたものであるところ,その内容は,Aから脅迫を受けた原告が,Aをかばうためにした虚偽の供述をとりまとめたものである。 また,平成6年5月に開設された預金口座は,すべてAが開設に関わっており,その通帳と届出印鑑もAが管理していた。Aがこれら通帳と届出印鑑を管理していたころは,A自身によって,Aの住所地である高浜市に所在する銀行の窓口において払戻しがなされているところ,岡崎市に事務所を構える原告が,わざわざ高浜市に所在する銀行の窓口で払戻しを受けることは不自然であるから,このことは,A自身が経営者であることの証左である。 その後,原告は,平成12年8月31日,Aから本件6店舗の営業権を6000万円で購入したが,その際,Aから前記通帳と届出印鑑を受け取り,同年12月31日まで,本件6店舗の経営者としてこれらを管理していた。 平成13年1月1日以降は,原告は,各店舗の経営者から経理事務及び経費支払等の代行を委任されていたため,その事務処理の便宜上,前記通帳と届出印鑑を預かっていたにすぎない。 以上のとおりであるから,原告が,通帳及び届出印鑑を保管していたことを根拠に,原告が本件全店舗の経営者と判断することはできない。 (イ) 現金売上げに係る売上金の管理状況について被告は,Aの供述を基に,平成12年8月31日以前の本件6店舗の現金売上げに係る売上金の管理についても,原告が経営者となった同年9月1日以降と同様,各店舗の店長によって集計された後,原告に集積される仕組みになっていた旨主張するが,Aは,自己への多額の課税がなされるのを避けるため,虚偽の供述をしている。Aと同趣旨の供述をするK(以下「K」という。)も, 長によって集計された後,原告に集積される仕組みになっていた旨主張するが,Aは,自己への多額の課税がなされるのを避けるため,虚偽の供述をしている。Aと同趣旨の供述をするK(以下「K」という。)も,Aから連絡を受け,その意に沿うような虚偽の供述をしている。 また,平成13年1月1日以降の現金売上げに係る売上金の流れは,原告が経営者であった時期と基本的に変わっていないが,原告はあくまで経理事務及び経費支払等の代行のために取り扱ったものにすぎず,経費等を支払った残金は,各店舗の経営者である店長に交付されていた。 (ウ) 売上集計表及び営業日報について被告は,原告が管理するパソコンや,原告の自宅にあったパソコン用の保存媒体から,本件復元データや,プレイガールの平成14年12月分の営業月報(乙4号証の別紙1ないし11)等が発見されたことから,原告が本件全店舗の経営者であるなどと主張する。 しかし,本件復元データは,単なるメモにすぎないし,その入手経路も不明である。仮に,本件復元データが,被告の主張するように,原告が提出したZIPディスク(磁気を用いて記録再生する外見上フロッピーディスクに似た,リムーバブルタイプの記憶装置)から復元されたものであれば,他の復元データ(乙4号証の別紙1から11)と同様,原告が指印するなどの確認作業が行われているはずであるが,本件復元データについては,このような確認作業は一切なかった。 また,プレイガールの営業月報は,調査担当者が,Dの事務所に臨場した際に,Hの机の上にあった同人のパソコンから発見したものであり,原告のパソコンから発見された資料ではない。Hのパソコンについては,プレイガールの経営者であるGが,時々,Hから借りて使用することもあったため,同資料もGが作成したものと思われる。 被告は,本件復元データやプレイ から発見された資料ではない。Hのパソコンについては,プレイガールの経営者であるGが,時々,Hから借りて使用することもあったため,同資料もGが作成したものと思われる。 被告は,本件復元データやプレイガールの営業月報等を根拠に,原告が本件全店舗の経営者であることを基礎づけようとするが,これらの資料は,一部の店舗の,しかもごく短期間の不完全な資料にすぎない。 したがって,これらの資料のみで本件全店舗の経営者が原告であること基礎づけることは到底できない。 (エ) 関係者の供述について被告は,平成15年1月23日に作成された質問応答書(乙4)の記載に基づいて,本件6店舗におけるクレジットカード会社からの立替払金が入金される預金口座の開設すべてに原告が関与し,その通帳と印鑑を原告が管理・保管していると主張する。 しかし,原告は,平成15年1月中旬,名古屋国税局の本件調査が始まったことを知ったAとその知り合いの暴力団組員により,「絶対に俺たちの名前を出すな。6000万円の話もするな。もし国税に俺たちが調査されるようなことになったらおまえを殺す。」と脅迫された結果,本件調査の際に調査担当者に真実を話すことができず,Aをかばった内容の質問応答書が作成された。したがって,同応答書の記載内容は,このような脅迫に基づく虚偽のものである。 また,Aは,自己への多額の課税を逃れるため,その質問応答書(乙1の1ないし3)において,虚偽の供述をしており,実際,Aが原告に対して提起した出資金返還請求訴訟(名古屋地方裁判所岡崎支部平成14年(ワ)第225号。以下「別件訴訟」という。)では,Aは,本件6店舗について,原告との共同経営者であったと主張しており,上記応答書の内容と明らかに矛盾している。国税不服審判所長の裁決においても,上記応答書は証拠として採用されていない。 う。)では,Aは,本件6店舗について,原告との共同経営者であったと主張しており,上記応答書の内容と明らかに矛盾している。国税不服審判所長の裁決においても,上記応答書は証拠として採用されていない。したがって,Aの供述から,原告を経営者であると判断することはできない。 また,K,L(以下「L」という。)及びCの各質問応答書については,Aから連絡を受けた上記3名が,Aの意に添うように虚偽の陳述をしたものである。 (2) 争点(2)(原告が本件6店舗の経営権を購入する代金として,Aに6000万円を支払ったか)について(原告の主張)原告は,平成12年8月31日,Aから本件6店舗の経営権を6000万円で購入し,代金を支払った。 このことは,金額があらかじめ印字された領収証(甲17)にAが署名捺印していることからも明らかである(Aは,その作成を否定するが,本人の字体と特徴が一致している。)。なお,領収証のただし書が「退職金として」となっているのは,Aから,経営権の譲渡の対価と記載すると,これまで風俗店である本件6店舗をAが経営してきたという違法行為が警察関係者に発覚しないとも限らないため,これが発覚しないよう退職金名目にしてもらいたいと懇願されたためである。 よって,原告が本件6店舗の経営者であった平成12年9月1日から同年12月31日までの間についても,Aからの営業権の購入代金6000万円を支払った事実を認めず,営業権の償却を必要経費として考慮していない点で,本件各処分は違法である。 (被告の主張)原告の主張は否認する。 原告は,経営権譲受けの対価として出捐したと主張する6000万円について,毎月100万円を目標として全額現金にて蓄えたとか,代金は鞄に入れて持参したなどと供述するが,それ自体合理的な内容とはいい難い上,審査請求時における説明と て出捐したと主張する6000万円について,毎月100万円を目標として全額現金にて蓄えたとか,代金は鞄に入れて持参したなどと供述するが,それ自体合理的な内容とはいい難い上,審査請求時における説明とも矛盾している。加えて,6000万円で合意した根拠についても,頑張れば何とかなると思ったとか,1年で1200万円,5年で6000万円になると計算したなどと,あいまいな供述をしており,信用できるものではない。 また,原告提出の領収証には,経営権の譲渡対価であることをうかがわせる記載や,譲渡対象に関する記載は一切存在しない。そもそも,原告の主張によれば,本件6店舗の経営者であったAが,従業員である原告から退職金を受領すること自体不自然である。 (3) 争点(3)(推計課税の必要性の有無)について(被告の主張)ア本件調査の経緯(ア) 調査担当者は,平成15年1月14日に本件調査に着手したものの,その日から1週間もの間,原告の居所である本件マンション,原告の肩書地,Dの事務所のいずれにおいても応答がなく,原告と接触することができなかった。また,本件調査の着手当日には,本件全店舗が臨時休業し,臨場調査ができなかった。 このように,調査担当者は,原告との接触ができないことから,本件マンションや肩書地の留守番電話へ伝言を入れたり,文書を差し置くなどの方法により,原告から調査担当者に対して連絡するよう依頼するも,これらに対する連絡も全くなく,調査協力が得られない状況が続いた。 そして,調査担当者が,本件調査着手後1週間経過した同月22日,本件マンションを訪問したところ,ようやく原告と面会することができ,当日以降,本件マンションのほか,Dの事務所の調査を実施するに至った。 (イ) ところが,原告は,自分が管理していた本件全店舗の営業に関するデータをすべて消去 ころ,ようやく原告と面会することができ,当日以降,本件マンションのほか,Dの事務所の調査を実施するに至った。 (イ) ところが,原告は,自分が管理していた本件全店舗の営業に関するデータをすべて消去していた。そこで,調査担当者は,原告の了承を得た上で,本件マンションにおいて,原告が管理するパソコンや,パソコン用の保存媒体などのデータを復元ソフトを使用して復元を試みたが,収支データの一部である本件復元データが確認されるにとどまった。 また,本件全店舗の経費に係る請求書や領収書も原告が主宰するDで管理されていたことが認められたが,これらの書類は,受領後3か月間保管した後に処分されており,また,Dの事務所内で帳簿書類やパソコン及びパソコン用の保存媒体のデータを確認するも,原告の所得を把握できるような帳簿書類やデータを把握するには至らなかった。 なお,原告は,平成15年3月4日,調査担当者に対し,平成12年9月から平成13年12月分の本件全店舗の収支に関するデータ(乙32及び33の各1)を提示したものの,このデータは,平成15年3月1日と同月2日に更新されていることが判明しており,提示直前に内容が改ざんされたおそれがある。 イ推計の必要性について以上の経過からも明らかなように,原告は,過去の売上げデータをすべて消去し,また,経費に関する請求書や領収書についても受領後3か月間経過後に処分しているため,本件各係争年分における原告の事業の収益状況を明らかにする資料は存在しない。さらに,調査担当者は,本件マンション及びDの事務所のパソコンに保存されていたデータの復元を試みたものの,これにも限界があった。 このように,本件調査によっても,本件全店舗の日々の売上げが記載された売上集計表や営業日報を入手することができなかったため,原告の所得を実額で計算す タの復元を試みたものの,これにも限界があった。 このように,本件調査によっても,本件全店舗の日々の売上げが記載された売上集計表や営業日報を入手することができなかったため,原告の所得を実額で計算することは到底不可能であった。 以上から,被告は,原告の本件における所得金額を実額で把握することができなかったため,推計の方法により原告の所得を算定したものであって,推計課税の必要性に欠けるところはない。 (原告の主張)被告の主張は争う。 原告には,以下のとおり,被告の主張するような本件調査に協力しなかった事実などなく,推計課税の必要性は存在しない。 ア原告は,本件調査の着手日に本件全店舗を臨時休業したことはなく,また,被告の調査担当者に連絡をしなかったのは,同担当者が差し置いた文書に平成15年1月22日に原告宅に来訪する旨記載されていたためにすぎない。 イ本件各係争年分における本件全店舗の事業の収益状況を明らかにする資料が存在しないことは認めるが,平成12年8月末までの請求書及び領収書については,経営者であるAがすべて所持していたものであって,原告は関知せず,平成12年9月1日から同年12月31日までのものについては,前述したとおり,原告の体調不良のため管理・保管されておらず,平成13年1月1日以降のものについては,事務代行をしている限りのものである。 また,被告が主張するように,原告は,平成12年9月から平成13年12月分の本件全店舗の収支に関するデータ(乙32及び33の各1)を提示したことがあったが,このようなデータは,もともと存在していたものではなく,調査担当者からデータの不存在は重大な結果を招くと言われて困惑し,急遽作成したものにすぎない。 (4) 争点(4)(推計課税の合理性の有無)について(被告の主張)本件において,被告が採用し なく,調査担当者からデータの不存在は重大な結果を招くと言われて困惑し,急遽作成したものにすぎない。 (4) 争点(4)(推計課税の合理性の有無)について(被告の主張)本件において,被告が採用した推計の方法は,以下のとおりであり,推計課税の合理性は優に認められる。 ア基礎データの採用本件においては,原告の事業所得金額の算出に当たり,原告が営む本件全店舗の事業に係る収入金額及び必要経費の額を実額で把握することが不可能であったため,本件調査により取得した資料のうち,最も確実な数値を示していると認められたBの帳簿書類から把握できる酒類の取引金額を基礎として,原告の事業所得を推計することとした。 すなわち,Bの帳簿書類は,収入のあった時点を基礎とする現金主義で記載されており,また,本件全店舗に対する酒類の現実の取引額は,同社が保管する帳簿書類記載の取引金額を2倍したものであったので,必要な調整を行い,別表18の「本件店舗の酒類の仕入金額表」のとおり整理した(以下,ここに記載された金額を「売上原価」という。)。 イ類似同業者比率法の採用推計の方法としては,比率法のほか,効率法,資産増減法及び消費高法などが考えられるところ,本件においては,上記効率法,資産増減法及び消費高法による推計の基礎となるべき数値の把握が困難であったが,上記のとおり,原告の売上原価の額が実額で把握されたため,比率法のうちの類似同業者比率法を採用した。 すなわち,上記の売上原価を基礎としつつ,原告が営む事業と同一の事業を営んでいると認められ,かつ業態,事業規模,立地条件等において,原告と類似する同業者を抽出して,平均売上原価率及び平均所得率を算出した上,本件各係争年分の事業所得の額を算出することとしたが,このように,類似同業者の平均売上原価率及び平均所得率を用いて収入 て,原告と類似する同業者を抽出して,平均売上原価率及び平均所得率を算出した上,本件各係争年分の事業所得の額を算出することとしたが,このように,類似同業者の平均売上原価率及び平均所得率を用いて収入金額及び所得金額を推計する方法は,経験則上,同業者であれば,収入金額に対する売上原価の額,必要経費の額,所得の額の比率が同様であると考えられ得ることから,合理的であり,また,信頼性も高いものである。 ウ類似同業者の選定基準類似同業者については,以下のとおり,原告の業種,業態,事業規模,立地条件を基礎として,別紙19記載の「風俗営業の類似同業者の選定基準」(以下「本件選定基準」という。)により選定した。 (ア) 業種,業態の類似性について原告が複数の店舗を経営しており,個人事業者の中では大規模であることを考慮し,本件選定基準においては,飲食業(風俗営業)を営む個人事業者のほか,法人事業者をも含めることとした。また,業種,業態の類似性については,これら個人・法人事業者のうち,原告と同様,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」という。)2条1項2号に規定する風俗営業で,名称の如何にかかわらず,個室を設けずに酒を提供しながら客を接待して,客に時間制で単価を決めて遊興又は飲食させる事業を営む事業者と設定した。 これは,本件全店舗が,個室を設けずに酒の提供をしながら客を接待し,客に時間制で単価を決めて遊興又は飲食させる形態であることを考慮した結果である。 (イ) 立地条件の類似性について原告との立地条件の類似性を担保するため,同業者抽出対象地域を同一経済圏を形成すると思われる名古屋国税局管内とし,ここにおいて事業を営む事業者とした。 (ウ) 事業規模の類似性について原告との事業規模の類似性については,事業所が2店舗以上あって 出対象地域を同一経済圏を形成すると思われる名古屋国税局管内とし,ここにおいて事業を営む事業者とした。 (ウ) 事業規模の類似性について原告との事業規模の類似性については,事業所が2店舗以上あって,平成9年から平成13年の間を通じて事業を継続して営んでいる事業者とし,かつ抽出対象者の売上原価が,原告の各年分の売上原価の倍額以下で,かつ半額以上である者(いわゆる「倍半基準」)を抽出することとした。 (エ) 比較資料の正確性について本件選定基準において,比較資料としての正確性を担保するため,原告の類似同業者としてそれぞれ抽出された事業者は,いずれも青色申告をしている事業者で,年間を通じて事業を継続して営んでいる者に限定した。 エ通達回答方式による同業者比率以上を踏まえて,名古屋国税局長は,同国税局管内(愛知県,静岡県,三重県及び岐阜県下の48税務署)の各税務署長に対し,通達(「『平成9年分ないし平成13年分の飲食業(風俗営業)の同業者調査報告書』の提出について(指示)」。以下「本件通達」という。)を発遣し,本件選定基準に該当すると認められる類似同業者を機械的に抽出し,その売上原価及び必要経費の額につき回答するよう指示した。したがって,類似同業者の抽出過程において恣意性は全くない。 その上で,各税務署長からの回答に基づいて,類似同業者に係る平均売上原価率及び平均所得率を別表20「同業者比率表」のとおり整理したところ,いずれの年分においても類似同業者として2,3件が抽出されており,売上原価から推知される原告の事業規模が非常に大きいという事情を考慮すれば,十分に合理性を担保し得る件数であるとともに,類似同業者の個別性を平均化するに足りるものである。 オ原告の事業所得金額の推計被告は,把握した本件各係争年分ごとの原告の売上原価(別表3④欄) れば,十分に合理性を担保し得る件数であるとともに,類似同業者の個別性を平均化するに足りるものである。 オ原告の事業所得金額の推計被告は,把握した本件各係争年分ごとの原告の売上原価(別表3④欄)を別表20の平均売上原価率で除して収入金額(別表3②欄)を算出し,これに別表20の平均所得率を乗じて事業所得金額(別表3①ないし⑥欄)を算出した。 同様に,被告は,把握した本件各課税期間ごとの原告の売上原価を平均売上原価率で除して課税売上高(別表4①欄)を算出した。 (原告の主張)被告の主張は争う。 被告による推計課税は,全体として合理性に欠けるというべきである。 ア本件選定基準の不合理性(カラオケパブとピンクサロンの業態の相違の無視)(ア) 被告が推計課税を行うに当たって設定した本件選定基準,すなわち「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条1項2号に規定する風俗営業で,名称の如何にかかわらず個室を設けずに酒の提供をしながら客を接待して,客に時間制で単価を決めて遊興又は飲食させる事業を営む事業者」という基準は,その業態の限定の仕方が非常に広くかつあいまいなことから不十分であり,酒類を基礎とする売上原価率及び所得率において本件全店舗の実態と大きく乖離している。したがって,被告による推計課税には合理性がない。 (イ) すなわち,もとピンクサロンであったパラダイスは,平成10年6月からミニスカポリスに店名を変更した上,その業態を飲み放題のカラオケパブに変更し,それ以後,酒類仕入金額が極端に増えている(なお,同店は,平成13年11月ころ,店名をミニスカポリスからタイムボカンに変更しているが,業態に変更はない。)。また,同様に飲み放題のカラオケパブとして平成10年11月頃から営業を開始した知立市のミニスカポリスも,酒類の仕入金額がタイ をミニスカポリスからタイムボカンに変更しているが,業態に変更はない。)。また,同様に飲み放題のカラオケパブとして平成10年11月頃から営業を開始した知立市のミニスカポリスも,酒類の仕入金額がタイムボカンと同様の金額になっている。 このように,本件全店舗には,業態ひいては酒類を基礎とする売上原価率及び所得率,さらにはホステスの給与体系が全く異なるカラオケパブ2店舗とピンクサロン5店舗とが混在している。 (ウ) 具体的には,①カラオケパブでは,飲み放題であるために酒等の飲食の提供が中心となっており,酒類の仕入金額がピンクサロンと比べて非常に多く,売上原価率が大きい。これに対し,ピンクサロンではホステスによる接待が中心となるため,酒類の追加注文をする客は少なく,したがって酒類の仕入金額は少なく,売上原価率は小さい。また,②カラオケパブ及びピンクサロンとも時間制で単価を決めているが,提供するサービスの内容の違いに応じて,ピンクサロンではカラオケパブと比べて単位時間当たりの単価が非常に高額になっている。さらには,③カラオケパブでは,ホステスの給与は固定給で支払われるが,ピンクサロンでは,完全歩合制が採用されており,ホステスの給与体系が全く異なる。そのため,ホステスの報酬が固定給で支払われるカラオケパブの方が,経費率が大きい。 したがって,カラオケパブとピンクサロンでは,酒類の仕入代金が同じ場合,ピンクサロンの方が当然に利益が大きく,カラオケパブでは非常に小さくなる。特に,カラオケパブの酒類の仕入代金に基づき,ピンクサロンと同程度の利益率を適用して,所得を推計された場合には,その不合理は著しい。 (エ) 以上のとおり,本件においては,業種・業態の類似性を判断する上で,ピンクサロンとカラオケパブという業態を明確に区別することが必要不可欠であり,そ を推計された場合には,その不合理は著しい。 (エ) 以上のとおり,本件においては,業種・業態の類似性を判断する上で,ピンクサロンとカラオケパブという業態を明確に区別することが必要不可欠であり,それぞれの業態についてサンプルを収集し,ピンクサロンの店舗群とカラオケパブの店舗群との売上原価を区別して考察しなければ,本件全店舗の正確な推計は到底不可能である。 しかるに,被告による推計の方法は,タイムボカンが平成10年6月よりピンクサロンからカラオケパブに業態変更して以降,酒類を基礎とする売上原価率が極端に高くなり,かつ所得率が低くなっていること,及びミニスカポリスが平成10年11月からカラオケパブとして営業し,タイムボカン同様,酒類を基礎とする売上原価率が極端に高くなり,かつ所得率が低くなっていることを看過して,平成10年分から平成13年分の売上原価に,他のピンクサロンのものと区別することなく,そのまま算入している点で不合理である。 イプレイボーイにおける酒類仕入額の不正確性プレイボーイは,ピンクサロンであるが,別表18において,同店の平成9年1月から同年9月までの酒類仕入金額をみると,他の時期の酒類の仕入金額と著しく異なっており,他の同一店舗では酒類の仕入金額の変動がそれほどないのが通常であることと比較すると不自然である。また,同じピンクサロンであるダイナマイト,タイムボカン(当時はパラダイス),ホワイトハウス,夢の国の同時期の仕入金額と比較しても著しく相違している。 B自体も税務調査を受け,課税処分を受けていることに照らすと,Bにおいては,上記時期のプレイボーイの酒類納品額を正確に帳簿に記載しなかった可能性が高く,プレイボーイの上記期間の酒類仕入金額は正確性に欠けるというべきである。 しかし,被告は,プレイボーイの上記期間における酒 上記時期のプレイボーイの酒類納品額を正確に帳簿に記載しなかった可能性が高く,プレイボーイの上記期間の酒類仕入金額は正確性に欠けるというべきである。 しかし,被告は,プレイボーイの上記期間における酒類仕入金額の適否を何ら検討することなく,別表3の平成9年分の売上原価に計上して,事業所得や課税売上高を推計しており,かかる方法は合理性に欠けるというべきである。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件全店舗の事業に係る所得の帰属先)について(1) 事業所得の帰属者の判断基準について所得税の課税物件は,個人の所得,すなわち個人が収入等の形で新たに取得する経済的価値であり,その帰属する者が納税義務者となるところ,所得税法は,所得の性質や発生の態様などから生ずる担税力の相違にかんがみ,租税の公平負担の観点から,所得を10種類に分類し(所得税法23条以下),それぞれの所得の性質に応じて,所得金額の計算方法,総合課税・分離課税の別,損益通算の可否,累進税率の緩和などにつき,相応の配慮をしている。このように分類された所得のうち,事業所得については,個人が自己の計算と危険の下,継続的に行う営利活動から生じた一切の収入の合計額を総収入金額とし,ここから事業を遂行するのに要した必要経費を差し引くことによって,その金額を算出することとしている(所得税法27条)。 したがって,事業所得の帰属者は,自己の計算と危険の下で継続的に営利活動を行う事業者であると考えられるところ,ある者がこのような事業者に当たるか否かについては,当該事業の遂行に際して行われる法律行為の名義に着目するのはもとより,当該事業への出資の状況,収支の管理状況,従業員に対する指揮監督状況などを総合し,経営主体としての実体を有するかを社会通念に従って判断すべきである。 ところで,本件においては, 目するのはもとより,当該事業への出資の状況,収支の管理状況,従業員に対する指揮監督状況などを総合し,経営主体としての実体を有するかを社会通念に従って判断すべきである。 ところで,本件においては,平成9年以降の本件全店舗から生ずる所得の帰属者が継続して原告であるか否かが争点となっているところ,本件全店舗において行われている風俗営業が事業所得を生ずる事業に当たることは明らかであるので,それらの経営主体が事業所得の帰属者である事業者に当たることになる。 そこで,以下,原告が本件全店舗の経営主体たる実体を有するか否かについて検討する。 (2) 本件調査の結果について前記前提事実に後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。 ア各店舗を巡る法律関係等について(甲43,乙1の1ないし3,2,3の1ないし10,4,5,7ないし11,13)(ア) ダイナマイトa 風俗営業の許可等Aは,昭和62年ころ,その名義で風俗営業の許可を得,岡崎市a町b-c所在の建物において,ビバアメリカの名称のピンクサロンを開業したが,ほどなくして,売春防止法違反容疑で逮捕,起訴され,有罪判決を受けたため,同店は休業に追い込まれた。 しかし,昭和63年秋ころ,新たに,店舗の賃貸人であるL名義で風俗営業許可が取得され,同年11月ころには,フレンドの名称でピンクサロンの営業が再開された。同店は,平成8年,ダイナマイトに名称変更され,営業を継続していたが,平成15年1月,閉店した。 b クレジットカード加盟店契約同店については,平成6年5月12日,L名義で,株式会社ミリオンカード・サービス(以下「ミリオンカード」という。)との間で,入金指定口座を同人名義の本件支店の普通預金口座(口座番号a,以下「本件①口座」という。)とするクレジットカード加盟店契約が 会社ミリオンカード・サービス(以下「ミリオンカード」という。)との間で,入金指定口座を同人名義の本件支店の普通預金口座(口座番号a,以下「本件①口座」という。)とするクレジットカード加盟店契約が締結された。 その後,上記契約は,平成10年10月5日,解約された上,新たにZ名義で,入金指定口座を同人名義の本件支店の普通預金口座(口座番号a,以下「本件②口座」という。)とするクレジットカード加盟店契約が締結された。 c 店舗の賃貸借関係同店の店舗は,所有者であるLから,賃料1か月16万円の約定で,原告名義をもって賃借されていた。 (イ) ホワイトハウスa 風俗営業の許可等ホワイトハウスは,平成元年8月ころ,安城市a町b-c-d所在の建物において,「USA」の名称で開店したピンクサロンであり,風俗営業許可の名義人は,建物所有者のEであった。同店は,平成6年,店名をホワイトハウスに変更したが,平成15年1月,閉店した。 b クレジットカード加盟店契約の締結同店については,平成6年5月12日,E名義で,ミリオンカードとの間で,入金指定口座を同人名義の本件支店の普通預金口座(口座番号a,以下「本件③口座」という。)とするクレジットカード加盟店契約が締結された。 その後,同契約は,平成10年10月5日,解約された上,新たにF名義で,入金指定口座を同人名義の本件支店の普通預金口座(口座番号a)とするクレジットカード加盟店契約が締結された。 c 店舗の賃貸借関係本件調査によっても,賃貸借関係は不明であった。 (ウ) タイムボカンa 風俗営業の許可等タイムボカンは,平成2年1月,岡崎市a町b-c所在の建物において,「パラダイス」の名称で開店したピンクサロンであり,風俗営業許可の名義人はMであった。 同店は,平成10年6月,店名をミニスカポリスに変 ムボカンは,平成2年1月,岡崎市a町b-c所在の建物において,「パラダイス」の名称で開店したピンクサロンであり,風俗営業許可の名義人はMであった。 同店は,平成10年6月,店名をミニスカポリスに変更するとともに,その業態をピンクサロンからカラオケパブに変更し,更に平成13年11月ころ,店名をタイムボカンへと変更した。 b クレジットカード加盟店契約同店については,平成6年5月12日,M名義で,ミリオンカードとの間で,入金指定口座を同人名義の本件支店の普通預金口座(口座番号a,以下「本件④口座」という。)とするクレジットカード加盟店契約が締結された。 c 賃貸借関係同店の店舗は,平成元年12月4日,株式会社Nから,賃借人をM,連帯保証人を原告とし,賃料1か月10万円の約定で,賃借されている。 (エ) 夢の国a 風俗営業の許可等夢の国は,平成3年8月,知立市a-b所在の建物において開店したピンクサロンであり,営業許可の名義人はKであった。 もっとも,同店の風俗営業許可については,平成10年10月ころ,Hの名義で取り直されている。 b クレジットカード加盟店契約同店については,平成6年5月12日,K名義で,ミリオンカードとの間で,入金指定口座を同人名義の本件支店の普通預金口座(口座番号a,以下「本件⑤口座」という。)とするクレジットカード加盟店契約が締結された。 その後,同契約は,平成10年10月5日,解約された上,新たにH名義で,入金指定口座を同人名義の本件支店の普通預金口座(口座番号a,以下「本件⑥口座」という。)とするクレジットカード加盟店契約が締結された。 c 賃貸借関係同店の店舗は,平成3年7月29日,O有限会社から,賃借人を原告,連帯保証人をCとし,賃料1か月39万3400円の約定で,賃借されている。 (オ) プレイボー 店契約が締結された。 c 賃貸借関係同店の店舗は,平成3年7月29日,O有限会社から,賃借人を原告,連帯保証人をCとし,賃料1か月39万3400円の約定で,賃借されている。 (オ) プレイボーイa 風俗営業の許可等プレイボーイは,平成4年1月,岡崎市a町b-c所在の建物において開店したピンクサロンであり,営業許可の名義人はPであった。 もっとも,同店の風俗営業許可については,平成10年3月ころ,Qの名義で取り直されている。 b クレジットカード加盟店契約同店については,平成6年5月12日,P名義で,ミリオンカードとの間で,入金指定口座を同人名義の本件支店の普通預金口座(口座番号a,以下「本件⑦口座」という。)とするクレジットカード加盟店契約が結された。 その後,同契約は,平成10年10月5日,解約された上,新たにQ名義で,入金指定口座を同人名義の本件支店の普通預金口座(口座番号a,以下「本件⑧口座」という。)とするクレジットカード加盟店契約が締結された。 c 賃貸借関係同店の店舗については,平成10年1月21日付けで,賃貸人を有限会社R,賃借人を原告,連帯保証人をCとし,賃料1か月23万円の約定で貸借される旨の店舗賃貸借契約公正証書(平成10年第19号)が作成されている。 (カ) ミニスカポリスa 風俗営業の許可等ミニスカポリスは,平成10年11月,知立市a町b-c所在の建物において開店したカラオケパブであり,風俗営業許可の名義人はHであった。 b クレジットカード加盟店契約同店については,平成10年10月5日,H名義で,ミリオンカードとの間で,入金指定口座を同人名義の岡崎信用金庫本店営業部の普通預金口座(口座番号a,以下「本件⑨口座」という。)とするクレジットカード加盟店契約が締結された。 c 賃貸借関係同店の店舗は, ードとの間で,入金指定口座を同人名義の岡崎信用金庫本店営業部の普通預金口座(口座番号a,以下「本件⑨口座」という。)とするクレジットカード加盟店契約が締結された。 c 賃貸借関係同店の店舗は,平成10年9月18日,Sから,賃借人を原告,連帯保証人をAとし,賃料1か月10万5000円(共益費同2000円)の約定で,賃借されている。 (キ) プレイガールa 風俗営業の許可等プレイガールは,平成13年10月,岡崎市a町b-c所在の建物において開店したピンクサロンであり,飲食店営業許可の名義人はGであった。 b クレジットカード加盟店契約同店は,クレジットカード加盟店契約関係を締結していない。 c 賃貸借関係同店の店舗は,平成13年8月1日,有限会社Tから,賃借人を原告,連帯保証人をHとし,賃料1か月12万円の約定で,賃借されている。 イ本件調査によって収集された資料について(乙4,12ないし18,19の1ないし3,20ないし29)(ア) 原告による本件加盟店契約の入金指定口座の通帳及び印鑑の保管調査担当者は,平成15年1月22日,原告の居所である本件マンションで同人,同人の妻及び同人から依頼を受けた税理士と面会し,本件調査を行ったが,その際,原告から,本件全店舗のクレジット売上げに係る売上金の入金口座として用いられている原告以外の名義の預金通帳と届出印鑑を保管している旨の供述を得たことから,その提出を求めたところ,同マンションの金庫内から,原告名義の本件支店総合口座の通帳2通(口座番号a,b)及び同普通預金口座の通帳3通(口座番号a,b,c),A名義の本件支店総合口座の通帳1通(口座番号a)並びに原告の母親名義の本件支店総合口座の通帳1通(口座番号a)のほか,本件①口座であるL名義の本件支店普通預金口座の通帳1通(口座番号a),本 ),A名義の本件支店総合口座の通帳1通(口座番号a)並びに原告の母親名義の本件支店総合口座の通帳1通(口座番号a)のほか,本件①口座であるL名義の本件支店普通預金口座の通帳1通(口座番号a),本件②口座であるZ名義(ダイナマイトの表示付き)の本件支店普通預金口座の通帳1通(口座番号a),本件③口座であるE名義(ホワイトハウスの表示付き)の本件支店普通預金口座の通帳1通(口座番号a),本件④口座であるM名義の本件支店普通預金口座の通帳1通(口座番号a),本件⑤口座であるK名義の本件支店普通預金口座の通帳1通(口座番号a)及び同総合口座の通帳1通(口座番号a),本件⑥口座であるH名義の本件支店普通預金口座の通帳1通(口座番号a),本件⑦口座であるP名義の本件支店普通預金口座の通帳1通(口座番号a),本件⑧口座であるQ名義の本件支店普通預金口座の通帳1通(口座番号a)並びに本件⑨口座であるH名義の岡崎信用金庫本店総合口座の通帳1通(口座番号a),以上17通の預金通帳と届出印鑑が提出されたので,それらをコピーするなどした。 (イ) 収支計算に関するデータ等の復元a 原告の居所である本件マンションにおける復元作業と照合上記調査の際,原告は,本件全店舗の収支に関するデータを消去しており,経費に関する請求書や領収書を処分している旨供述し,これらの資料を提出しなかった。そのため,調査担当者は,原告の収支を全く確認することができず,やむなく既に消去済みの営業日報のデータを保存していたフロッピーディスクやZIPディスクの提示を求め,原告の了承を得た上で復元ソフトを使用して内容を確認したところ,ZIPディスクから,別表7ないし14(乙12)のとおり,「Sheet5」ないし「Sheet12」の表題が付された8枚の本件復元データが復元された。 これらのデ ソフトを使用して内容を確認したところ,ZIPディスクから,別表7ないし14(乙12)のとおり,「Sheet5」ないし「Sheet12」の表題が付された8枚の本件復元データが復元された。 これらのデータは,いずれも横長の長方形が5つに等分され,上部欄外には,左から順に「¥1」,「¥2」・・「¥5」と記載され,左欄外には,上から順に「soudan」,「G」,「soujo」,「zap」,「danuk」,「joku」,「ya」,「sak」,「st」及び「t」と記載され(ただし,Sheet10ないし12には,上から順に「男子賞金」,「ガソリン」,「女子賞金」,「雑費」,「男子給与」,「女子給与」,「家賃」,「酒代」,「st」及び「t」と記載されている。),5等分された欄内には,左側に「¥」を付した数値,右側に100分率がそれぞれ記載されていた。 なお,本件復元データと別表15ないし17記載のBによる本件全店舗に対する酒の販売代金額(乙31の1・2)とを照合した結果,「¥1」がダイナマイト,「¥2」がホワイトハウス,「¥3」がパラダイス,「¥4」が夢の国,「¥5」がプレイボーイに対応することが確認された(なお,「Sheet5」の「¥4」欄の数値だけは,「¥5」のプレイボーイの酒の仕入代金と一致し,平成10年3月期における5月の夢の国の酒の仕入代金と一致しない。)。 bDの事務所における復元作業調査担当者は,平成15年1月23日,Dの事務所において,調査を実施し,原告の了承の下,復元ソフトを用いて事務所内のパソコンのデータの確認を行ったところ,プレイガールに関する平成14年12月分の営業月報のほか,モンテカルロにおけるホステス募集用のちらしや収支計算書のひな形,ミニスカポリスにおける平成12年の年末特別給前払証,ちらし及び雇用契約書,ホステスや ルに関する平成14年12月分の営業月報のほか,モンテカルロにおけるホステス募集用のちらしや収支計算書のひな形,ミニスカポリスにおける平成12年の年末特別給前払証,ちらし及び雇用契約書,ホステスやレギュラースタッフに対する重要事項説明書,夢の国における料金のうちホステスへ支払われる報酬の内訳を示した表,取引先の連絡先一覧表,従業員に対し金銭を貸し付ける際に使用されると解される金銭借用書のひな形,タイムボカン,夢の国,プレイボーイ,ミニスカポリス,プレイガール及びモンテカルロにて稼働しているホステスや従業員に関する情報をまとめた一覧表,本件全店舗におけるホステス希望者との面接データ,本件全店舗のホステスの退店状況一覧表,店舗や従業員寮であるマンションなどの賃貸借契約関係をまとめた一覧表,従業員寮の空室状況を示す表などの資料(乙14ないし29)が復元された。 (ウ) 本件調査によって得られた関係者の供述等(乙1の1ないし3,4ないし6,8,9,30,31の1・2)a 原告の供述(平成15年1月23日)の要旨原告は,Dの屋号で事業をしており,その事業内容は,本件調査の時点では閉店しているダイナマイト(平成15年1月に閉店),ホワイトハウス(平成14年9月に閉店)を除いた,タイムボカン,夢の国,プレイボーイ,ミニスカポリス,プレイガール及びモンテカルロの6店舗の経営コンサルタントである。 各店舗の店長は,営業終了後,売上金,客入状況,従業員の出勤状況,経費が記載された営業日報と,売上金から当日の経費を差し引いた金銭を,店長の中で最も年長者であるGの自宅に届け,Gは,翌日の午後3時ころ,これをDの事務所に持参し,Hに渡すことになっていた。これを受け取ったHは,その現金を一つの封筒に詰め替え,同時に各店舗の売上金と当日の経費を差し引いた残高 の自宅に届け,Gは,翌日の午後3時ころ,これをDの事務所に持参し,Hに渡すことになっていた。これを受け取ったHは,その現金を一つの封筒に詰め替え,同時に各店舗の売上金と当日の経費を差し引いた残高の明細を作成していた。そして,原告は,その日の午後7時ころ,事務所に来訪し,Hからこれらの現金を預かったり,Hが事務所の金庫に保管していた現金を取り出すなどして,自宅に持ち帰り,自宅の金庫に保管することになっていた。 他方,各店舗のホステスの報酬は,土曜日から金曜日までの分を毎週土曜日に支払うことになっているが,実際は1週間遅れで支払っており,各店舗の店長が,それぞれパソコンで女子給一覧表を作成し,プリントアウトして個人別に切り分けて明細書としていた。原告は,各店舗の店長が記入した上記一覧表を受け取って,自宅の金庫に預かっている現金の中から必要な金額を準備し,毎週水曜日にDの事務所の金庫に入れておくことになっていた。なお,営業日報,女子給一覧表などの帳簿類については,毎月初めに前月分が処分され,Dの事務所に届けられる本件全店舗やDの経費に関する請求書,領収書についても,3か月間の保管後に処分されていた。 ガス,水道,電気,電話,家賃その他の経費については,その請求書が,Dの事務所に届くので,従業員であるIがこれを整理し,支払一覧表を作成していた。そして,原告は,自宅で保管している現金の中から必要な金額を準備し,自宅まで取りに来るIに渡して支払ってもらっていた。Bに対する酒代や,U自動車に対する支払は,Hから報告を受けて原告が準備し,Hに渡して支払ってもらっていた。男子給与は,各店舗の店長が決定し,報告書に記載してIに提出し,同人がこれを一覧表にまとめた上,原告に提出していた。 各店長に対する報酬は,店舗の営業成績によって異なり,売上金から てもらっていた。男子給与は,各店舗の店長が決定し,報告書に記載してIに提出し,同人がこれを一覧表にまとめた上,原告に提出していた。 各店長に対する報酬は,店舗の営業成績によって異なり,売上金から経費を控除し,多いときは80万円に上ることもあったが,少ないときは0円にすぎないこともある。それぞれの店舗の店長から相談があった場合には,面談してよく話を聞き,最も適切と思われるアドバイスをしていた。 平成6年5月に開設した口座は,原告が開設したものであり,銀行が本人確認をするようになってからは,本人に開設してもらって,通帳と印鑑を預かっている。これらの口座は,カード売上げに係る売上金などの受取口座として利用している。 bCの供述(平成15年1月16日及び同年2月5日)の要旨と反面調査原告は,もともとBと取引のあったVという人の従業員として働いており,そのころからの知り合いであった。原告との取引は,同人が独立してから開始した。原告の経営する店舗は,ダイナマイト,プレイボーイ,プレイガール,タイムボカン,夢の国,ミニスカポリス,モンテカルロの7店舗であり,Bは,これらの店と取引がある。また,平成14年9月に閉店してしまったホワイトハウスという店とも取引があった。 これらの店との取引に係る請求書は,岡崎市aにある事務所に持って行くことになっている。Bの従業員であるWが,原告との取引が始まって以来,継続してaの事務所に集金に行っており,Iから現金を受領してくる。この事務所は,もともとダイナマイトの2階にあったものである。 また,Cは,原告から頼まれて同人が不動産を借りる際の保証人になったり,B名義で物件を借りたりしている。 原告との取引については,得意先台帳に記録していたが,そこに記載してある金額のちょうど2倍が真実の取引金額となる。このように,真実 動産を借りる際の保証人になったり,B名義で物件を借りたりしている。 原告との取引については,得意先台帳に記録していたが,そこに記載してある金額のちょうど2倍が真実の取引金額となる。このように,真実の取引金額の2分の1しか記載しなかったのは,飲食店の税務対策に協力するためである。Bによるこのような帳簿の操作は,Aから依頼を受けて,原告との取引が開始された約10年前から継続して行われており,本件全店舗からの注文依頼があれば,その2倍の品物を納品することとなっていたので,本件全店舗との取引について,真実の取引額を記載した納品書を作成するようなこともなかった。 なお,上記得意先台帳に記載された本件全店舗との取引金額を,各年度及び各店舗ごとに整理したものが別表21ないし23(乙31の1)であり,その数値を2倍したものが別表15ないし17(乙31の2)である。 cAの供述(平成15年2月4日,同年3月7日及び同年5月15日)の要旨Aは,「日の丸」というキャバレーで主任として勤務していた際,ウェイターをしていた原告と知り合った。その後,Aは,独立してビバアメリカという店を開店したところ,風営法に抵触し,営業ができなくなった。そこにフレンドというピンクサロンを開店したのが原告であり,Aは,平成12年8月まで,原告の店の従業員として稼働し,原告に次ぐ役割を果たしてきた。 具体的には,Aは,パソコンができないので,従業員のドレスの管理や家賃,経費の支払,その他,原告の指示でカード売上げに係る売上金の入金口座からの引出しを担当していた。現金については,事務所の近くで引き出すと都合が悪そうであった。当時,Aは,各店舗の店長から,前日の売上金と売上集計表をダイナマイトの2階にあった小部屋で受領し,原告に直接手渡していた。 原告が,受け取った売上金や売上集計 くで引き出すと都合が悪そうであった。当時,Aは,各店舗の店長から,前日の売上金と売上集計表をダイナマイトの2階にあった小部屋で受領し,原告に直接手渡していた。 原告が,受け取った売上金や売上集計表をどのようにしていたかは分からない。本件6店舗の経費の支払や売上金の集計などは,すべて原告が行っていた。また,各店舗の経営については,原告が指示を出していた。Aを始めとする原告の従業員は,給料を現金でもらっており,Aは,営業の成績に応じて,毎月50万円から60万円を給料としてもらっていた。本件6店舗の経営組織においては,原告がトップの地位にあり,その次にAとXがおり,その下に各店舗の店長がいた。 Aは,平成6年から平成8年にかけて,原告の設立したラッキーリムジンに3000万円を出資したが,本件6店舗に関しては出資していない。 原告は,ピンクサロンなどの風俗店の経営を始める当初には,Aとの共同経営のようなことを言っていたにもかかわらず,事業が順調に推移するにつれ,Aのことを従業員的な感覚で扱うようになったため,トラブルが絶えず,平成12年8月には,けんか別れのようにして原告の店をやめた。このとき,退職金などは一切もらっていない。その後,上記出資金を返還してもらうため,別件訴訟を提起した。 dKの供述(平成15年1月17日)の要旨Kは,平成3年ころから平成10年まで夢の国で勤務していたが,同店の経営者は原告であった。同店の売上金は,Kが管理し,閉店後,売上金を計算して翌日の午後3時ころにダイナマイトの2階の事務所へ持って行き,原告に渡していた。 当時,原告が経営していた店は,ダイナマイト,夢の国のほか,プレイボーイ,ホワイトハウス,パラダイス(タイムボカン)であった。Kが名義人になっている本件⑤口座や岡崎信用金庫の普通預金口座(口座番号a) ,原告が経営していた店は,ダイナマイト,夢の国のほか,プレイボーイ,ホワイトハウス,パラダイス(タイムボカン)であった。Kが名義人になっている本件⑤口座や岡崎信用金庫の普通預金口座(口座番号a)は,いずれも原告に頼まれてKが開設したものであり,その後,通帳と届出印を原告に渡した。 eLの供述(平成15年1月17日)の要旨Lは,たまに息子の営む塗装業の手伝いをする程度であって,ダイナマイトを経営していることはなく,その店舗を原告に賃貸(家賃は1か月16万円)しているにすぎない。また,Lは,名古屋銀行との取引はなく,本件①口座は,開設の際の筆跡や印鑑が異なっており,存在することすら知らなかった。 (エ) 本件調査開始後の資料の提示状況(乙13,32の1・2,33の1・2,36の1ないし7)a 原告は,平成15年2月10日,調査担当者に対し,原告が本件全店舗の店長に経営権を譲渡した旨記載のある契約証書を提出した。これらの契約証書には,店長名,店舗名,所在場所以外は同じ内容が記載され,ダイナマイト,ホワイトハウス,パラダイス,夢の国,プレイボーイに関するものは平成8年10月1日付け,ミニスカポリスに関するものは平成10年10月1日付け,プレイガールに関するものは平成13年10月1日付けとなっていた。 b 調査担当者は,本件調査がほぼ終了した平成15年3月3日,原告から,「見せたい書類がある。」との電話を受け,翌4日,Y税理士の事務所を訪問したところ,①平成12年9月から平成13年12月までの本件全店舗の収支データが提示された。しかし,これらの収支データをY税理士の事務所のパソコンで確認したところ,平成12年分については平成15年3月2日が,平成13年分については平成15年3月1日が,それぞれ更新日となっていた。 ウ別件訴訟における原 支データをY税理士の事務所のパソコンで確認したところ,平成12年分については平成15年3月2日が,平成13年分については平成15年3月1日が,それぞれ更新日となっていた。 ウ別件訴訟における原告及びAの主張(甲11,43,乙39,40)(ア) Aによる訴え提起とその主張Aは,平成14年4月30日,原告を相手方として,名古屋地方裁判所岡崎支部に対し,別件訴訟を提起し,以下のとおり主張した。 すなわち,Aは,平成8年9月ころ,原告から,ラッキーリムジンを共同経営することを持ちかけられ,合計3000万円(うち1000万円はAから原告に対する貸付債権,残り2000万円は毎月50万円の分割払)を出資し,また,昭和63年9月以降,原告とともに,ダイナマイト,タイムボカン,夢の国,プレイボーイ及びスナック「ドリームⅡ」の開店に際し,権利金・敷金等や賃借権の譲受金の半額合計690万円を出資し(順に50万円,75万円,315万円,150万円,100万円),共同経営していた。 これら店の売上金から経費を差し引いた利益は,原告との間で折半し,その受領額は,平均すると月額200万円程度であった。このほか,クレジットカードでの売上金を年2回,原告との間で分配しており,その額は,月平均100万円から150万円程度であった。 しかし,原告が,Aの人格を無視する言動を取るようになり,平成12年8月23日をもって共同経営を解消した。 したがって,原告に対し,出資金合計3690万円の返還を求める。 (イ) 原告による応訴とその主張これに対し,原告は,請求棄却を求め,ラッキーリムジンその他の店舗につき,Aとの共同経営であることを否認し,以下のように主張した。 すなわち,原告は,Aから,合計2000万円を受領しているが,これは原告のAに対する貸金の返済である。また,ダイナマ ジンその他の店舗につき,Aとの共同経営であることを否認し,以下のように主張した。 すなわち,原告は,Aから,合計2000万円を受領しているが,これは原告のAに対する貸金の返済である。また,ダイナマイト,タイムボカン,夢の国,プレイボーイ及び上記スナックの開店費用合計3205万6202円(順に140万円,297万円,1872万6202円,581万円,315万円)は,すべて原告が全額支払っており,Aがその一部を負担したことなどなく,同人との共同経営ではない。Aは,原告の従業員であり,毎月30万円から40万円の給与を支払っていた。原告は,ホワイトハウス及びプレイガールも経営しているところ,Aがこれらの店舗についてのみ共同経営である旨主張していないのは不自然である。 (ウ) 別件訴訟の終了別件訴訟は,平成15年3月12日,Aが取り下げ,原告がこれに同意したことにより終了した。別件訴訟の終了に当たり,原告からAに和解金などの名目で金銭が支払われたことはなかった。 エ従業員の破産事件における原告及びAの主張(甲35,乙37,38)(ア) 原告は,ホワイトハウスやタイムボカンなどで勤務していたJの免責申立事件(名古屋地方裁判所岡崎支部平成12年(モ)第3043号)において異議を申し立て,Jは原告の経営している店の従業員であり,原告はJに給与を支払うとともに金銭を貸し付けたなどと記載した意見書を提出した。 (イ) Aは,Kの免責申立事件の即時抗告申立書において,同人は自分の店の従業員であると主張していた。 (3) 本件全店舗の経営者について上記認定事実を基に,本件全店舗の経営者が誰かについて検討する。 ア本件全店舗に関する法律行為の名義人について(ア) 賃貸借契約について上記認定事実によれば,本件6店舗のうち,本件調査によっても判明しなかったホ に,本件全店舗の経営者が誰かについて検討する。 ア本件全店舗に関する法律行為の名義人について(ア) 賃貸借契約について上記認定事実によれば,本件6店舗のうち,本件調査によっても判明しなかったホワイトハウスを除き,昭和63年ころから平成10年までの間に開店した5店舗の賃貸借契約において,原告が賃借人又はこれと同等の義務を負う連帯保証人(タイムボカン)となっていることが明らかであるところ,店舗の賃貸借契約は,賃貸人と賃借人とが継続的な契約関係を形成するものであり,賃借人の支払能力を含む信用や目的物件の具体的使用形態等が重視されるのが通常であるから,特段の事情のない限り,当該店舗を現実に使用する者,すなわちそこにおいて行われる事業の経営者が賃借人と一致すると考えられる(仮に,経営者が交替したならば,新たな経営者との間で改めて賃貸借契約を締結するのが通常である。)。 そうすると,本件全店舗の第1号店ともいうべきダイナマイトを皮切りに,その後に順次新規開店した各店舗の賃貸借契約において,原告が当初から賃借人ないしこれに準ずる地位に就いている事実は,原告が一貫してこれら各店舗の経営者であることを強く推認させるというべきである。 以上の理は,平成13年10月に開店したプレイガールについても当てはまる。 (イ) 風俗営業許可の名義及び本件加盟店契約の締結について他方,上記認定事実によれば,本件全店舗に関する風俗営業許可の名義人及び平成6年5月又は平成10年10月に締結あるいは変更された本件加盟店契約の名義人は,いずれも原告とされていないことが明らかである。 しかしながら,風営法に基づく風俗営業許可の手続の概要は,許可を受けようとする者が一定の事項を記載した申請書と必要な書類を添付して許可の申請をし,都道府県公安委員会が書面を中心とする審査を行った 。 しかしながら,風営法に基づく風俗営業許可の手続の概要は,許可を受けようとする者が一定の事項を記載した申請書と必要な書類を添付して許可の申請をし,都道府県公安委員会が書面を中心とする審査を行った上,不許可事由が見当たらない場合には許可処分を行い,その後は取消事由等が判明しない限り,当該許可処分は有効に存続するというものである(いわゆる風営法は,過去いく度か改正されているが,基本的な仕組みは変更されていない。)。したがって,通常は,許可権者によって,実際の経営者と許可申請者が同一であるかについての調査が行われることはなく,現実にも,他人名義の許可を受けて営業が行われている事例が相当数存在することは公知の事実である(このような営業許可が売買の対象とされることすら稀ではない。)から,原告が営業許可の名義人でないからといって,上記推認を妨げるとはいえない。 また,本件加盟店契約の名義人についても,契約名義人と実際の経営者とが一致するかについて,クレジットカード取扱会社による調査が行われるとは限られず,必ずしも上記推認の支障にならないと考えられる上,かえって,上記認定事実のとおり,立替金の入金指定口座とされている預金口座が,当初,原告によって開設されたものであることは同人が自認したところであり,かつこれらの通帳(平成10年10月に開設された口座のほか,それ以前の入金指定口座であり,現時点では利用されていない平成6年5月に開設された口座を含む。)が,届出印鑑とともに原告によって保管されており,原告が本件6店舗におけるカード売上げに係る売上金を事実上の支配・管理下に置いているとみられることは,上記推認を強めるというべきである。 この点について,原告は,①これらの通帳及び印鑑は,平成12年8月31日に本件6店舗の経営権をAから6000万円で購入 支配・管理下に置いているとみられることは,上記推認を強めるというべきである。 この点について,原告は,①これらの通帳及び印鑑は,平成12年8月31日に本件6店舗の経営権をAから6000万円で購入した際に譲り受けたものであり,それ以前においては,Aがこれらを管理していたことは,同口座からの現金の引出しが,Aの住所地である高浜市内の金融機関の窓口において行われていたことからも明らかであり,②平成13年1月1日以降は,それまで店長であった者が経営者として独立し,顧問として各店長から経理事務及び経費支払等の代行を委任されたため,便宜上,上記通帳及び印鑑を預かっていたにすぎない旨主張し,これに沿う証拠(甲43,原告本人)もあるが,①のうち6000万円の授受の点については後記のとおりである上,既に入金指定口座として利用されていない平成6年5月に開設された通帳と印鑑をも,平成12年8月の時点で譲渡の対象としたとは考え難いし,Aが同口座から現金を引き出した点についても,原告の指示によるものであって,引き出された現金は原告に交付されたと認められること(乙1の1,証人A),②についても,単に顧問の地位にあるにすぎない者が,経営者から店舗の売上金が入金する口座の支配・管理を委ねられることは到底考えられず,仮に店長らから委ねられたとすれば,店長らは名目上の経営者にすぎないというべきであるから,上記の推認を覆すことはできない。 イ本件6店舗に対する出資について上記認定事実によれば,Aは,別件訴訟において,昭和63年9月以降,原告とともに,ダイナマイト,タイムボカン,夢の国,プレイボーイの権利金・敷金等や賃借権の譲受金の半額合計590万円(順に50万円,75万円,315万円,150万円)を出資した旨主張していたのに対し,原告は,これを否定し,開店に要した ン,夢の国,プレイボーイの権利金・敷金等や賃借権の譲受金の半額合計590万円(順に50万円,75万円,315万円,150万円)を出資した旨主張していたのに対し,原告は,これを否定し,開店に要した費用合計2890万6202円(順に140万円,297万円,1872万6202円,581万円)はすべて原告が負担した旨主張していたものである。 しかして,仮に原告の上記主張が虚偽であり,Aが上記4店舗の開店のために実際に出資しているとしても,その金額が上記590万円を超えることはあり得ないと考えられる(Aとしては,訴訟を有利に運ぶべく,実際の出資額を水増しすることはあり得ても,これより少額の金額を主張する利益はない。)ところ,風俗店4店の開店のために要する費用が上記金額の2倍程度に収まるものでないことは,経験則に照らしても明らかである。したがって,仮にAがいかほどかの開店資金を提供したとしても,少なくともその主要な部分については,原告によって出資されたと推認するのが相当である(原告が,別件訴訟の準備書面(乙40)において,上記4店舗の開店に要した費用について,改装費,営業許可費用,敷金等の内訳を極めて詳細かつ具体的に主張していることは,この事実を裏付けるというべきである。)。 そうすると,出資の観点からも,上記4店舗の(主たる)経営者は原告であったことは否定し難く,まして,本件6店舗のうち残り2店舗については,Aも出資の事実を全く主張していない(これに対し,原告は,上記2店舗についても経営者であることを主張している。)から,その経営者が原告であることは疑う余地がないというべきである。 ウ収支の管理について(ア) カード売上げに係る売上金の管理について上記のとおり,本件6店舗の本件加盟店契約における入金指定口座の通帳及び印鑑が本件マンションの金 余地がないというべきである。 ウ収支の管理について(ア) カード売上げに係る売上金の管理について上記のとおり,本件6店舗の本件加盟店契約における入金指定口座の通帳及び印鑑が本件マンションの金庫内に保管されていたことに照らすと,原告は,本件6店舗のカード売上げに係る売上金を管理・支配していたものと認めるのが相当である。 (イ) 現金売上げに係る売上金の管理についてa 上記認定事実のとおり,原告は,調査担当者に対し,本件全店舗における現金売上げについて,①各店舗の店長(原告は「経営者」と呼んでいる。)は,営業終了後,売上金や経費等が記載された営業日報と,売上金から当日の経費を差し引いた現金を,店長の中で最も年長者であるGの自宅に届け,②Gは,翌日の午後3時ころ,これをDの事務所に持参してHに渡し,③Hは,その現金を一つの封筒に詰め替え,同時に全店舗の売上金と当日の経費を差し引いた残高を合算して,各店舗の売上金と売上金額から当日経費を差し引いた金額の明細を作成し,④原告は,同日の午後7時ころ,事務所を訪れ,これら現金を自宅に持ち帰り,金庫に保管すること,他方,経費については,⑤各店舗の店長の作成する女子給一覧表,水道光熱費等の請求書,各店舗の店長の報告に基づいて作成される男子給一覧表,Bからの請求書等がDの事務所に集まるので,⑥原告は,必要な金額を保管する現金から用意して支払に充てており,⑦各店長に対する報酬は,店舗の営業成績によって異なり,売上金から経費を控除し,多いときは80万円ほどあったが,少ないときは0円であった旨供述している(乙4)ところ,これらによれば,本件全店舗における現金売上げに係る売上金は最終的に原告の管理下に集められ,原告がその経理のすべてを担当しているのに対し,各店舗の店長らは,その報酬算定の基礎となる売上 4)ところ,これらによれば,本件全店舗における現金売上げに係る売上金は最終的に原告の管理下に集められ,原告がその経理のすべてを担当しているのに対し,各店舗の店長らは,その報酬算定の基礎となる売上金や経費の収支計算にすら関与しておらず,経営者と呼ばれ得る実質を有していないことが明らかである。 そして,Aも,本件6店舗においては,各店舗の売上金をAが取り次いで,原告に渡すという現金売上げに係る売上金の集積システムが採られていた旨供述している(乙1の2,証人A)ことに照らすと,上記のような現金売上げに係る売上金の管理システムは,各店舗の開店以来,変わることなく維持されてきたと認めるのが相当である。 b この点について原告は,①原告に対する質問応答書は,Aや暴力団組員から脅迫を受けて作成された虚偽のものであり,②Aに対する質問応答書も,国税不服審判所長の裁決において,証拠として採用されていない(甲10)ことから明らかなとおり,信用に値しない旨主張する。 なるほど,①については,原告とAとの間の平成15年3月5日付け通話反訳書(甲15)には,Aが共同経営者であることを原告が示唆したのに対し,自分も何を言い出すか分からないとAが述べた上,「爆弾みたいな,鉄砲玉みたいな一緒ついとる」とか「爆弾かかえてるやつと一緒だもんで」と発言した旨の記載がある。しかしながら,同様の通話反訳書(甲14)をも併せて検討すれば,上記発言は,税務調査がAに向かう可能性を強調する原告に対してAが反発したことによって誘発されたと認められる上,全体を通じても原告がAを畏怖している様子を全くうかがうことができない。そもそも,原告に対する質問応答書は,同年1月23日の本件調査の際に作成されたものであるところ,その時点では,原告は,Aが提起した別件訴訟において,Aの主張を真正面か を全くうかがうことができない。そもそも,原告に対する質問応答書は,同年1月23日の本件調査の際に作成されたものであるところ,その時点では,原告は,Aが提起した別件訴訟において,Aの主張を真正面から否定し,抗争していたのである(別件訴訟の取下げは,同年3月12日である。)から,Aを畏怖した結果,虚偽の内容が記載されていると認める余地はない。 また,②については,なるほど,Aの供述(乙1の1ないし3,証人A)には,多分に自己防衛的な内容が見られ,別件訴訟での主張とも食い違っているなど,直ちに全面的に採用することにはちゅうちょせざるを得ない。しかしながら,平成2年ころから,本件全店舗はDのグループ名をもって運営されてきたものである(乙4,原告本人)ところ,本件全店舗において,上記のような現金管理システムが採られていること自体は,原告も自認している(甲43)から,基本的に,本件全店舗の現金売上げが原告によって管理されてきた事実を否定することはできないというべきである。 (ウ) 本件復元データについてa 上記認定事実によれば,原告の居宅である本件マンションのパソコンから復元された本件復元データ(乙12)は,その記載事項のすべての意味が明確というわけではなく,また一部の記載は誤記と推測されるものの,全体としては,ダイナマイト,ホワイトハウス,タイムボカン,夢の国及びプレイボーイにおける平成9年5月から同年12月までの間の売上総額及び諸経費とその内訳等を一覧表にしたものであり,各店舗の平成9年5月から同年12月までの収支状況を把握・管理することなどを目的として作成されたものであることが明らかである。 このような一覧表が本件マンション内の居宅のパソコンから発見されたことは,原告がこれらの店舗における平成9年5月から12月までの間の収支を管理して 的として作成されたものであることが明らかである。 このような一覧表が本件マンション内の居宅のパソコンから発見されたことは,原告がこれらの店舗における平成9年5月から12月までの間の収支を管理していたことを意味するから,少なくとも上記時期において,原告がこれらの店舗の経営者であったことが推認されるというべきである。 b これに対し,原告は,本件復元データは単なるメモにすぎないばかりか,その入手経路も不明である旨主張するところ,なるほど,原告に対する平成15年1月23日付け質問応答書(乙4)には,同データの写しの添付がない上,証拠(甲43,原告本人)には,同データは,原告が国税不服審判所に対して反論書を提出した後になって初めて見せられたものであり,調査担当者がAから収集したものと思われるとの部分がある。 しかしながら,本件復元データは,上記質問応答書添付の別紙1ないし11のように,同応答書が作成されたDの事務所内にあるパソコンから取り出されたものではなく,その作成日の前日に,本件マンション内のパソコンから復元されたものであるから,同応答書に添付され,一体性が確認されることがなかったとしても,何ら不自然とはいえない。また,原告は,自らZIPディスクを提出したことを否定するものの,調査担当者が,本件マンションにおいて,パソコンやZIPディスクを調査していたこと自体は認めている上(甲43),調査担当者が,原告によって消去されたZIPディスクの提出を受け,復元ソフトを用いて本件復元データを復元したことは,証拠(乙13)によって明らかである。 したがって,原告の主張は採用できず,上記推認を覆すことはできない。 エ従業員の雇用,監督について(ア) 上記認定事実によれば,原告が事業を営んでいるDの事務所のパソコンから,ミニスカポリスにおける平成1 ,原告の主張は採用できず,上記推認を覆すことはできない。 エ従業員の雇用,監督について(ア) 上記認定事実によれば,原告が事業を営んでいるDの事務所のパソコンから,ミニスカポリスにおける平成12年の年末特別給前払証,ちらし及び雇用契約書,ホステスやレギュラースタッフに対する重要事項説明書,従業員に対し金銭を貸し付ける際に使用されると解される金銭借用書のひな形,タイムボカン,夢の国,プレイボーイ,ミニスカポリス,プレイガール及びモンテカルロにて稼働しているホステスや従業員に関する情報をまとめた一覧表,本件全店舗におけるホステス希望者との面接データ,本件全店舗のホステスの退店状況一覧表,店舗や従業員寮であるマンションなどの賃貸借契約関係をまとめた一覧表,従業員寮の空室状況などと解される記載のある複数の資料が復元されたところ,これらの資料は,その内容や体裁等に照らし,従業員の募集,勤務状況の把握,居住関係の確認などのために作成されたものであることは明らかであり,したがって,原告は,これらの資料を用いて,本件6店舗の従業員を募集・採用し,指揮・監督していたと認めるのが相当である。 (イ) この点についても,原告は,これらの資料が復元されたDの事務所内のパソコンの使用者はHあるいはGであるなど,これらの資料と原告とが無関係であるかのような主張をする。 しかしながら,原告は,Dが原告が事業を営む際の屋号であることを自認しており(名称を付したのはAである旨供述するにすぎない。),同事務所において行われる事業の主催者は原告にほかならないのであるから,仮に,そこに設置されたパソコンを含む什器備品が他の者によって使用されたことがあるとしても,それは,原告の従業員としての立場によるものとしか考えられず,上記の資料が原告と無関係に作成されたと考える余地 に,そこに設置されたパソコンを含む什器備品が他の者によって使用されたことがあるとしても,それは,原告の従業員としての立場によるものとしか考えられず,上記の資料が原告と無関係に作成されたと考える余地はない。 オ関係者の供述について上記認定事実によれば,本件調査の対象となった関係者のうち,A及びCは,原告が本件全店舗の経営者であること,Kは,勤務していた夢の国始め5店舗の経営者が原告であること,Lは,ダイナマイトについては原告に賃貸しているだけで,経営していないことなどを調査担当者に対して供述しており,このように,関係者が一致して本件全店舗(ないしその一部)の経営者が原告であると断定しあるいは示唆していることに照らすと,これらの供述内容が真実を反映していると判断するのが相当である。 この点について,原告は,Aは,自己に対する課税を免れるため,虚偽の供述をしたものであり,C,K,Lらも,いずれもAの意に添うように虚偽の供述をした旨主張するところ,なるほど,上記のとおり,Aの供述の信ぴょう性については問題が残るものの,その余の者がAからの連絡を受けてその意向に沿った虚偽の供述をしたことをうかがわせる証拠は全く存在しない(むしろ,証人Cによれば,甲12は原告の意向に沿ったものと認められる。)から,上記主張は採用できない。 カ平成13年1月1日以降の本件全店舗の経営者についてなお,原告は,平成12年9月1日から同年12月31日までの期間,本件6店舗の経営者であったことを自認した上で,そのころ,1型糖尿病で体調不良に陥ったため,同年11月ころから,本件全店舗の店長らと協議した結果,自らは顧問となり,店舗の転貸料のほか,顧問料を徴収するとのロイヤリティーシステムを採用し,平成13年1月1日から実施したなどと主張し,これに沿う証拠として,各店舗 件全店舗の店長らと協議した結果,自らは顧問となり,店舗の転貸料のほか,顧問料を徴収するとのロイヤリティーシステムを採用し,平成13年1月1日から実施したなどと主張し,これに沿う証拠として,各店舗の店長との間で作成された各店舗の経営権の譲渡に関する契約証書(乙36の1ないし7)を提出する(なお,原告が,平成12年10月ころ,岡崎市民病院に入院していた事実は,甲45ないし47によって認められる。)。 しかしながら,上記認定のとおり,原告は,平成13年1月1日以降においても,それまでと同様に,本件全店舗の売上金の管理,経理事務を担当しており,負担を軽減する措置を何ら講じていないから,病気が原因で経営権を譲渡しなければならなかった事情があったとは認められない上,原告は,前記の4店舗だけでも,開店に必要な資金として多額の資金を投入していると主張していたのであるから,その回収を図らないまま,経営権を各店長に譲渡したというのは極めて不自然である。さらに,上記各契約証書は,本件調査時において,原告が作成していないと述べていた書類であり(乙13),その日付が「平成8年10月1日」,「平成10年10月1日」又は「平成13年10月1日」などとなっていて,原告が主張する経営権の譲渡の日付である平成12年12月31日又は平成13年1月1日と一致しない上,本件調査が開始して2週間以上経過した後に提出されたものであることなどを総合すると,これらの契約証書は,本件調査開始後に原告によって作成されたものと認めるほかない。しかも,原告は,本件全店舗の従業員の管理・監督をも行っており,これが売上金の管理や経理事務の担当を超えることは明らかである。なお,証拠(乙13)によると,Gは,平成15年1月17日,調査担当者に対し,自分がプレイガールの経営者である旨述べたことが認 ており,これが売上金の管理や経理事務の担当を超えることは明らかである。なお,証拠(乙13)によると,Gは,平成15年1月17日,調査担当者に対し,自分がプレイガールの経営者である旨述べたことが認められるが,同時に,売上金がDの事務所に運ばれた後のことは知らず,店の売上げに応じて,1か月30万円ないし40万円程度をもらうだけである旨述べたことが認められ,これらを総合すれば,仮に本件全店舗の店長らが経営者の呼称を与えられていたとしても,それは名目的なものにすぎず,実質的な経営者は原告であると判断するのが相当である。 よって,原告の上記主張は採用できない。 (4) 小括以上のとおり,本件6店舗(平成13年10月以降は本件全店舗)に関する賃貸借契約の名義人,出資の状況,収支の管理,従業員の募集,採用,監督状況などを総合的に検討すれば,その経営者は,開店以来今日に至るまで,一貫して原告であると認めるのが相当である。 したがって,本件各係争年分,本件各課税期間を通じて,原告が,本件全店舗の経営者であり,本件全店舗の事業に係る所得は,原告に帰属するものと認めるのが相当である。 2 争点(2)(原告が本件6店舗の経営権を購入する代金として,Aに6000万円を支払ったか)について原告は,平成12年8月31日,Aから本件6店舗の経営権を譲り受ける代償として6000万円を支払った旨主張し,これに沿うものとして,A作成名義の同日付け領収証(甲17)を提出するところ,なるほど,同領収証に記載されたAの筆跡が,他の証拠(乙1の1ないし3)や宣誓書に記載されたそれと似ているとの印象を受けることは否定できない。 しかしながら,Aは,その証人尋問において,上記領収証の真正なる作成を否定しているところ,6000万円の積算根拠や原資についての原告の説明(原告本人)は, いるとの印象を受けることは否定できない。 しかしながら,Aは,その証人尋問において,上記領収証の真正なる作成を否定しているところ,6000万円の積算根拠や原資についての原告の説明(原告本人)は,極めて不自然であるばかりか,国税不服審判所における説明(甲10)とも食い違っていること,仮に上記領収証が真正に作成されたのであれば,Aから出資金の返還を求める内容の別件訴訟を提起された原告としては,上記領収証を証拠として提出し,既に精算済みである旨主張するのが最も有効かつ簡便であると考えられるにもかかわらず,かかる主張立証をしていないこと,そもそも,上記認定・判断のとおり,本件6店舗は,その開店時から原告の経営によるものと認められることなどを総合すると,上記領収証の作成経緯はつまびらかでないものの,少なくとも真実(経営権の譲受代金としても,あるいは記載されているように退職金としても)を反映したものとは認め難いといわざるを得ない。 よって,原告の上記主張は採用できない。 3 争点(3)(推計課税の必要性の有無)について(1) 推計課税の必要性について所得は,収入金額から必要経費を控除したものであり,これに対する所得税は,原則として両者の実額を把握した上で課税されるべきものであるが,実額を把握するに足りる資料が存在しない場合や,存在しても,記載内容が不正確であったり,納税義務者の協力が得られないために確認できないような場合に,課税を断念するのは,租税の公平負担の原則に反することが明らかである。そのため,法は,当該納税義務者の所得金額を,間接的な資料に基づいて推計して課税することを認めている(所得税法156条,法人税法131条)。 もっとも,課税は実額に基づくことが原則であるため,処分時に上記のような推計による課税を行わねばならない事情が存すること, て推計して課税することを認めている(所得税法156条,法人税法131条)。 もっとも,課税は実額に基づくことが原則であるため,処分時に上記のような推計による課税を行わねばならない事情が存すること,すなわち推計の必要性の存在は,原則として当該処分の適法要件と解される。 (2) 本件における推計課税の必要性の有無についてアそこで,本件において推計課税の必要性が存在するかについて判断するに,前記前提事実に証拠(乙4,13,32の1・2,33の1・2,36の1ないし7)及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。 (ア) 本件調査着手後の状況名古屋国税局の調査担当者は,プレイボーイ,夢の国,タイムボカン,ミニスカポリス及びダイナマイトの5店舗に係る所得の申告がなかったことから,これら店舗の経営者が誰であるかの解明を試みたところ,原告がDの屋号を使用して経営する店舗群であるとの疑いを生じたため,原告に対する税務調査を実施することとした。 まず,調査担当者が,平成15年1月14日の午前と午後の2回にわたり,本件マンションを訪問したものの,応答がなかったため,その固定電話や原告の携帯電話に電話したところ,いずれも留守番メッセージが流れたので,職名及び氏名を名乗った上で調査協力の要請と電話連絡依頼の伝言を入れるとともに,郵便受けに調査協力を求める文書を差し置いた。さらに,調査担当者は,同日,原告の妻の居所であると想定された岡崎市a-b-c所在のアパート及びDの事務所も訪問したが,全く応答がなかった。なお,別の調査担当者は,同日,上記の各店舗も訪れたが,いずれも休業していた。 そこで,調査担当者は,翌15日にも本件マンションを訪問したが,応答がなく,再び調査協力を求める文書を郵便受けに差し置くとともに,同所の留守番電話に調査協力を求める文 たが,いずれも休業していた。 そこで,調査担当者は,翌15日にも本件マンションを訪問したが,応答がなく,再び調査協力を求める文書を郵便受けに差し置くとともに,同所の留守番電話に調査協力を求める文書を差し置いた旨の伝言を入れた。その後,調査担当者は,原告の住所地である岡崎市a-bの県営住宅c号室(肩書地)を訪問したが,同様に応答はなく,同所に架電したものの留守番電話に切り替わったため,伝言を入れようとした途端,電話が切られ,やむなく,ここにも調査協力を求める文書を差し置いた。その後,調査担当者は,再度本件マンションを訪問するも,応答がなかったため退去した。なお,別の調査担当者は,Dの事務所に赴き,終日待機して関係者との接触を試みたが,果たせなかった。 調査担当者は,さらに同月16日と17日も,上記と同様に関係場所を訪問したものの,応答はなく,やむなく留守番電話に同月22日午前9時に本件マンションを再訪する旨の伝言を入れた。 そして,調査担当者が,同月22日,予定どおり本件マンションを訪れると,原告,原告の妻及び原告から依頼を受けたY税理士によって迎えられ,ようやく面談することができた。 (イ) 原告による資料の処分原告は,調査担当者に対し,本件全店舗の営業日報のデータを翌月の初めに消去していたこと,平成15年1月分のデータについては,調査担当者が差し置いた文書を見て怖くなったことから,すべて消去したこと,消去したデータが保存されていたフロッピーディスクは,同月19日,コンビニエンスストアのごみ箱に捨てたこと,経費に関する請求書や領収書は3か月保存した後,廃棄していることなどを供述した。 もっとも,復元ソフトを使用して原告から提示を受けたZIPディスクの復元を試みたところ,平成9年5月から同年12月までの5店舗の収支データと推測される 保存した後,廃棄していることなどを供述した。 もっとも,復元ソフトを使用して原告から提示を受けたZIPディスクの復元を試みたところ,平成9年5月から同年12月までの5店舗の収支データと推測される本件復元データが復元され,また,Dの事務所内のパソコンについても同様の操作を行ったところ,プレイガールの平成14年12月分の営業月報等の各種関係書類が復元された。 (ウ) 原告による資料の提出原告は,調査担当者に対し,原告が本件全店舗を立ち上げた上で,その後,各店舗の店長が経営者として各自の判断で経営しており,原告自身は,各店舗の経営者からロイヤリティーを受け取ることにしていたと述べた。そして,このような取扱いにつき,各店長との間で契約書を取り交わしていないので,これから作成してもよいかなどと発言した。 原告は,平成15年2月10日になって,調査担当者に対し,原告が本件全店舗の店長に店舗の経営権を譲渡した旨記載された契約証書(乙36の1ないし7)を提出したが,これらの契約証書は,店長名,店舗名,所在場所以外は同じ内容であり,ダイナマイト,ホワイトハウス,パラダイス,夢の国,プレイボーイに関するものは平成8年10月1日付け,ミニスカポリスに関するものは平成10年10月1日付け,プレイガールに関するものは平成13年10月1日付けとなっていた。 また,調査担当者は,本件調査がほぼ終了した平成15年3月3日,原告から,「見せたい書類がある。」との電話を受け,翌4日,Y税理士の事務所を来訪したところ,平成12年9月から平成13年12月までの本件全店舗の収支データ(乙32及び33の各1)が提示された。しかし,これらの収支データをY税理士の事務所のパソコンで確認したところ,平成12年分については平成15年3月2日が,平成13年分については平成15年3月1日 タ(乙32及び33の各1)が提示された。しかし,これらの収支データをY税理士の事務所のパソコンで確認したところ,平成12年分については平成15年3月2日が,平成13年分については平成15年3月1日が,それぞれ更新日となっていた。 イ上記認定事実によれば,原告は,度重なる調査担当者からの調査協力依頼にもかかわらず,1週間以上応答することなく推移した上,本件全店舗について,会計帳簿を作成せず,各店舗の店長によって日々作成される営業日報,Dや各店舗の経費についての請求書及び領収書,原告が自ら作成していた本件全店舗に係る収支データ等も,短期間保管した後処分していたことが明らかである。もっとも,復元ソフトの使用により,本件復元データやプレイガールの営業月報が復元されているが,これらは一部店舗についての一部期間における資料にすぎず,その内容に照らしても,本件全店舗における収支を把握することは不可能というべきである。そうすると,本件においては,原告の所得の実額を把握するのに必要な資料が得られなかったというほかない。 なお,原告は,本件において推計課税の必要性の存在を否定するものの,他方で,本件各係争年分における原告の事業の収支状況を明らかにする資料が存在しないことや,原告の提示した平成12年9月から平成13年12月までの本件全店舗の収支データ(乙32及び33の各1)が,事後的に作成されたものであることを自認していることに照らすと,その趣旨は,一部期間を除いて,自分が本件全店舗の経営者であることを否認することにあると考えられる。 よって,本件においては,推計課税の必要性の存在を優に肯認することができる。 4 争点(4)(推計課税の合理性の有無)について(1) 次に,推計課税の合理性について検討するに,一般的に,これが肯定されるためには,①推計の基 計課税の必要性の存在を優に肯認することができる。 4 争点(4)(推計課税の合理性の有無)について(1) 次に,推計課税の合理性について検討するに,一般的に,これが肯定されるためには,①推計の基礎となるべき事実,例えば比率法が適用される場合には,この比率を乗ずべき納税者の仕入金額等が正確に把握されていること,②種々の推計方法のうち,当該事案に適切と考えられる方法が選択されたこと,③具体的な推計方法が,できる限り所得の実額に近似した数値が算出され得る客観性を有すること,具体的には,本件のような同業者比率法を用いる場合,ⅰ対象となる同業者の類似性(業種・業態,立地条件,事業規模等),ⅱ資料の正確性,ⅲ抽出過程における恣意の排除,ⅳ同業者率の内容の合理性等の要件が満たされていることを要するというべきである。 (2) これを本件について検討するに,前記前提事実に証拠(甲1ないし5,乙13,30,31の1・2,34,35の1の1ないし96の5)及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。 ア調査担当者は,上記のとおり,原告の正確な所得金額を実額で把握するに足りる資料を得ることができなかったため,本件調査によって得られたデータのうち,最も確実性を有すると推測されたBの帳簿書類を基に,本件全店舗における実際の酒類の仕入金額を算出し,これに原告と類似する同業者の酒類を基礎とする平均売上原価率及び平均所得率を適用して,原告の所得金額を推計する方法を採用することとした。 もっとも,Bに対する反面調査の結果,同社の帳簿書類に記載されている本件全店舗の酒類の納入金額は,実際のそれの2分の1であることが判明したので,これに所要の調整措置を行った結果,本件各係争年分における本件全店舗の酒類の売上原価(月別)は,別表18記載のとおりとなった。 イ名古 類の納入金額は,実際のそれの2分の1であることが判明したので,これに所要の調整措置を行った結果,本件各係争年分における本件全店舗の酒類の売上原価(月別)は,別表18記載のとおりとなった。 イ名古屋国税局長は,平成16年12月7日付けで,管内48の各税務署長あてに本件通達を発し,別紙19の(1)ないし(6)記載の本件選定基準をいずれも満たす事業者につき,平成9年分ないし平成13年分ごとの①収入金額,②酒の売上原価,③酒の売上原価率,④所得金額,⑤所得率等を記載した報告書を作成して提出するよう指示した。 ウ管内各税務署長からの報告の結果,管内の各税務署において,報告対象者に該当する者は,平成9年ないし12年にそれぞれ2者(社),平成13年に3者(社)であり,各年分における同業者比率(酒類の仕入原価を基にした平均売上原価率及び平均所得率)は,別表20の③及び⑤欄記載のとおりとなった。 エ本件各係争年における本件全店舗の酒類の仕入金額合計(別表18の太線で囲まれた数値)を平均売上原価率(別表20の③)で除し,更に平均所得率(別表20の⑤)を乗ずると,別表3の⑥の数値となった。 上記認定事実によれば,本件の推計方法の基礎となった本件全店舗の酒類の仕入金額は,取引業者であるBの帳簿書類に記載された納入金額を基礎として,真実の納入金額はその2倍であるとのCらの供述に従って算出されたものであるから,正確に把握された数値であると認めることができる(上記(1)の①)。次に,本件で採用された比率法は,一般的に,効率法,資産増減法,消費高法などと比べて信頼性が高いと考えられ,中でも同業者比率法は,業種・業態,事業規模,立地条件等が適切に設定されている限り,実額との近似性が担保され得るといわれているところ,本件のような風俗営業においても,その例外であること いと考えられ,中でも同業者比率法は,業種・業態,事業規模,立地条件等が適切に設定されている限り,実額との近似性が担保され得るといわれているところ,本件のような風俗営業においても,その例外であることをうかがわせる事情は存在しない(上記(1)の②)。 また,本件通達に記載された本件選定基準は,まず前文において,事業所の所在地を名古屋国税局管内に限定することにより,地域差による収益等の乖離を回避し,次に別紙19の(1)において,風営法上の「風俗営業」を具体的に示した同法2条1項各号の営業のうち,本件全店舗が該当すると考えられる同項2号に該当する営業という要件と,個室を設けることなく酒の提供をしながら客の接待をして,時間制で単価を決めて遊興又は飲食をさせるとの要件を示して,業種及び業態の同一性について十分に配慮し,更に原告が6ないし7店舗もの風俗営業の店舗を経営していることを反映すべく,別紙19の(3)において,2店舗以上の事業所を営む事業者(個人のほか法人をも含む。)との要件を示し,最後に別紙19の(5)において,いわゆる倍半基準を採用することによって,事業規模の類似性についても配慮しており,これら全体を総合すれば,本件選定基準は,同業者の類似性を十分に確保している(上記(1)の③ⅰ)と評価することができる。 さらに,別紙19の(2)及び(6)で示すとおり,本件における同業者は,いずれも帳簿等の裏付けのある青色申告者であって,経営状態が異常であるとか,更正等に対して不服申立てをしているなど,確実な収入金額を把握する上で障害となるような不安定要素を有する者が除外されており,その総収入額等を算出するための根拠資料の正確性も担保されている(上記(1)の③ⅱ)上,いわゆる通達回答方式が採用された結果,本件選定基準に該当する事業者すべてが機械的に抽出 る者が除外されており,その総収入額等を算出するための根拠資料の正確性も担保されている(上記(1)の③ⅱ)上,いわゆる通達回答方式が採用された結果,本件選定基準に該当する事業者すべてが機械的に抽出され,その過程に関係者の恣意が介入する余地はない(上記(1)の③ⅲ)と考えられる。さらに,本件全店舗のような風俗営業(ピンクサロン,カラオケパブ)の営業には,酒類の提供が必要不可欠であることを考慮すると,酒類の仕入金額を基礎とする平均売上原価率と平均所得率(裏返せば平均経費率)を算出・適用し,所得金額を推計する方法は,十分に合理的であると評価し得る。 なお,本件において抽出された類似同業者の数は各年分とも2,3者(社)であるが,上記のとおり,いずれも本件全店舗との類似性を確保すべく設定された選定基準を満たすものであり,同業者比率を算出するための根拠資料の正確性も確保されているといい得るから,同業者の個別性を平均化するに足りるものであるということができる。 よって,被告の主張する推計方法は合理的であると判断することができる。 (3) この点について,原告は,①本件全店舗には,ピンクサロンとカラオケパブという異なった業態のものが混在しているところ,両者は,酒類を基礎とする売上原価率及び所得率等を大きく異にするから,これを区別しない本件選定基準は合理性を欠く,②プレイボーイの平成9年1月から同年9月までの酒類の仕入金額は不正確である旨主張する。 アそこで,まず①について判断するに,前記前提事実に証拠(甲27ないし32,43,証人C,証人A,原告本人)及び弁論の全趣旨を総合すると,本件全店舗のうち,タイムボカン及びミニスカポリスの業態は,カラオケパブであり,その余の店舗のそれは,ピンクサロンであること,カラオケパブにおいては,ビールやウイスキーが飲み放 全趣旨を総合すると,本件全店舗のうち,タイムボカン及びミニスカポリスの業態は,カラオケパブであり,その余の店舗のそれは,ピンクサロンであること,カラオケパブにおいては,ビールやウイスキーが飲み放題とされる(カラオケの使用も無料)のに対し,ピンクサロンにおいては,性的色彩の濃いサービスの提供が中心とされ,酒類を注文すると別途料金を請求される違いがあること,以上の事実が認められ,これによれば,カラオケパブとピンクサロンとでは,酒類の仕入原価を基礎とする売上原価率に相応の差異が存在する可能性を否定できない。 しかしながら,推計課税は,実際の所得との一般的・抽象的な一致の蓋然性があることをもって足りるとするものであるから,その合理性が否定されるためには,原告の営業条件において,およそ平均値に吸収され得ないような格段の劣悪性が存在することを必要とするところ,上掲各証拠によれば,原告の経営するカラオケパブとピンクサロンのいずれにおいても,単位時間当たりの基本料金システムが採用され,ホステスによる接待を受ける点で共通していると認められるから,飲み放題であるからといって,カラオケパブの顧客がひたすら飲酒し続けるとは考え難く,上記売上原価率の格差が極めて顕著なものであるとまでは断定できない上,そもそも,本件選定基準の(1)は,「『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律』第2条第1項第2号に規定する風俗営業で,名称のいかんにかかわらず,個室を設けずに酒の提供をしながら客の接待をして,客に時間制で単価を決めて遊興又は飲食をさせる事業を営む者」とされていて,上記の両業態が包摂され得る基準を設定しているから,結局,上記のような差異が存在するとしても,類似同業者の抽出の過程で平均化されていると判断するのが相当である。 よって,被告の主張する推計方法に合 ,上記の両業態が包摂され得る基準を設定しているから,結局,上記のような差異が存在するとしても,類似同業者の抽出の過程で平均化されていると判断するのが相当である。 よって,被告の主張する推計方法に合理性が存するとの判断を覆すことはできない。 イ次に,②について判断するに,一般に,風俗営業を営む店舗における酒類の仕入額は,当該店舗の集客状況等によって左右されるものであり,時期によって変動があることをもって,直ちに異常であるとはいえない。 かえって,上記認定事実のとおり,原告の経営する各店舗は,ダイナマイトの前身であるフレンドが開店した昭和63年ころから,Bに対して真実の取引量の2分の1を注文し,同社の帳簿にその旨記載させ,Bは受注した量の2倍の酒類を納品する取扱いが一貫して行われてきたのであるから,プレイボーイの平成9年1月ないし9月の期間のみ,上記取扱いが変更されていると認めることはできず,他にかかる数値が不正確であると認めるに足りる証拠はない。 よって,原告の上記主張も採用できない。 5 本件各処分の適法性の有無について(1) 本件各所得税決定処分について以上のとおり,本件各係争年分の本件全店舗の経営者は原告であり,その間の事業所得は原告に帰属すると判断できるところ,その金額は,上記の推計の結果,別表3①欄記載のとおりとなり,これから各種の所得控除を行った上,関係各法条を適用して算出された納付すべき所得税の額は,別表3⑰欄のとおりとなる。 他方,本件各所得税決定処分における納付すべき税額は,別表1の「納付すべき税額」欄記載のとおりの金額であり,これは上記別表3⑰欄記載の金額の範囲内であるから,本件各所得税決定処分は適法というべきである。 (2) 本件各消費税等決定処分について本件各課税期間における本件全店舗の課税売上高は,上記の推計 り,これは上記別表3⑰欄記載の金額の範囲内であるから,本件各所得税決定処分は適法というべきである。 (2) 本件各消費税等決定処分について本件各課税期間における本件全店舗の課税売上高は,上記の推計の結果,別表4①欄記載のとおりとなり,これに関係法条を適用して算出された納付すべき消費税等の税額は,別表4⑫欄記載のとおりとなる。 他方,本件各消費税等決定処分における納付すべき税額は,別表2の「納付すべき消費税額」及び「納付すべき地方消費税額」の各欄記載のとおりであり,これは上記別表4⑫欄記載の金額の範囲内であるから,本件各消費税等決定処分は適法というべきである。 (3) 本件各重加算税賦課決定処分についてア国税通則法68条2項は,「第66条第1項(無申告加算税)の規定に該当する場合(略)において,納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし,又は仮装し,その隠ぺいし,又は仮装したところに基づき法定申告期限までに納税申告書を提出」しないときは,重加算税を課する旨規定しているところ,ここにいう隠ぺい,仮装とは,税を免れる意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした場合を指し,単に無申告であったという消極的な行為だけでは足りないと解される(過少申告加算税に関する最高裁判所平成7年4月28日第二小法廷判決・民集49巻4号1193頁参照)。 これを本件について検討するに,上記認定事実によれば,原告は,風俗営業の許可申請手続やクレジットカード加盟店契約を締結するに際し,他人名義を使用し,また,日々の営業に関する営業日報や請求書,領収書等が手元に集まりながら,帳簿類を作成することなく,これら帳票類を定期的に廃棄していたことが明らかである。そうすると,原告が,これまで本件全店舗についての所得税等の申告を行っ 業日報や請求書,領収書等が手元に集まりながら,帳簿類を作成することなく,これら帳票類を定期的に廃棄していたことが明らかである。そうすると,原告が,これまで本件全店舗についての所得税等の申告を行っていないのは,上記のような隠ぺい,仮装行為と評価し得る積極的な不正行為に基づくものと判断するのが相当である。 イそこで,本件における重加算税額を算出するに,所得税については,別表3⑰欄記載の「納付すべき税額」に国税通則法68条2項所定の税率を乗ずると,①平成9年分が56万8000円,②平成10年分が523万6000円,③平成11年分が614万8000円,④平成12年分が642万4000円,⑤平成13年分が357万2000円となり,消費税等については,別表4⑫欄記載の「消費税等の合計納付税額」に同様の税率を乗ずると,(a) 平成11年分が791万2000円,(b) 平成12年分が729万2000円,(c) 平成13年分が572万円となる。 他方,本件各重加算税賦課決定処分における重加算税額は,別表1の「重加算税」欄及び同2の「加算税」欄記載のとおりであり,これらは上記各金額の範囲内であるから,本件各重加算税賦課決定処分はいずれも適法というべきである。 6 結論以上によれば,原告の本訴各請求はいずれも理由がないから,これらを棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部裁判長裁判官加藤幸雄裁判官舟橋恭子裁判官片山博仁別表及び別紙は省略 橋恭子裁判官 片山博仁 別表及び別紙は省略
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