昭和31(け)26 控訴棄却決定に対する異議申立事件

裁判年月日・裁判所
昭和31年12月4日 東京高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件異議の申立を棄却する。          理    由  本件異議申立の趣意は、弁護人松目明正作成の異議申立書記載の通りであるか ら、これをここに引用し、これに対し次の通り

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判決文本文1,325 文字)

主文 本件異議の申立を棄却する。 理由 本件異議申立の趣意は、弁護人松目明正作成の異議申立書記載の通りであるから、これをここに引用し、これに対し次の通り判断する。 そこで、本件異議申立事件記録及び本案の申立人外一名に対する窃盗被告事件(東京高等裁判所昭和三十一年(う)第二、三〇二号)記録を調査すると、申立人及び本件弁護人は共に昭和三十一年九月八日に原審より同年十月十九日迄に控訴趣意書を差出すべき旨の通知を受けて居つたところ、右弁護人は同年十月十七日原審に対し控訴趣意書と題する書面を差出しているが、これは「控訴の趣意」として「追つて補充書を提出いたします。」と記載するのみで、何等具体的理由を記載していないものであつたのみならず、指定の控訴趣意書差出期間内にはこれを補充すべき何等の書面も差出されていないことが認められる。ところで、控訴の申立人に控訴趣意書を差出させる所以は、当事者主義的立場から訴訟の当事者をして審理の中心となるべき争点を明らかにさせ、控訴審の義務的調査の範囲を明確にして置こうというところにあるので、その差出し得る控訴趣意書は指定の差出期間内であれば必ずしも一通に限らないが、その期間内に差出された書面の記載自体によつて刑事訴訟法が控訴の理由として認める事由のいずれを主張するかが明確であることが要請されているのである。刑事訴訟規則第二百四十条が、控訴趣意書には控訴の理由を簡潔に明示しなければならない、と規定しているの<要旨>は、この趣旨を明らかにしたものと云わなければならない。果して然らば、叙上の趣旨に違背しその書面自体</要旨>に何等控訴の理由を明示せず、且つ指定期間内にその不備を補足すべき補充書が差出されなかつた本件控訴趣意書は、前掲刑事訴訟規則に違反した不適法なものである。尤 叙上の趣旨に違背しその書面自体</要旨>に何等控訴の理由を明示せず、且つ指定期間内にその不備を補足すべき補充書が差出されなかつた本件控訴趣意書は、前掲刑事訴訟規則に違反した不適法なものである。尤も、記録によれば、弁護人は指定の差出最終日後七日目の同年十月二十六日に至り原審に対し控訴趣意補充書なる書面を差出し、これに事実の誤認及び量刑不当の主張が記載されていることは、所論の通りであるが、これは指定期間内に一応適法に差出された控訴趣意書の記載内容を敷衍し、又は補充する目的を以て期間経過後に差出されたいわゆる控訴趣意補充書と全く類を異にし、これあるがために本件控訴趣意書の内容が追完され、延いてその方式違反の瑕疵が補正されるものとは到底考えられない。しかのみならず、所論の如く右補充書自体を刑事訴訟規則第二百三十八条の趣旨に準じ、差出の遅延がやむを得ない事情に基くものと認め、これを期間内に差出されたものとして審判すべき場合に該当するものと認められないから、刑事訴訟規則所定の方式に違反したことを理由として申立人の控訴を棄却した原審の決定は相当であり、本件異議の申立は理由がないから、刑事訴訟法第四百二十八条第三項第四百二十六条第一項に則り棄却することとし、主文の通り決定する。 (裁判長判事中西要一判事山田要治判事石井謹吾)

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