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主文 一、 本件控訴および附帯控訴に基づき原判決を次のとおり変更する。控訴人(附帯被控訴人)は被控訴人(附帯控訴人)に対し、別紙第二目録記載の建物を収去して、別紙第一目録記載の土地を明け渡し、かつ、昭和三一年四月二日から右明渡しずみに至るまで一ヶ月金七、七六五円の割合による金員を支払え。被控訴人(附帯控訴人)その余の請求を棄却する。二、 引受参加人は被控訴人に対し、別紙第二目録記載の建物より退去して、別紙第一目録記載の土地を明け渡せ。被控訴人その余の請求を棄却する。三、 訴訟費用は、第一審の分については控訴人(附帯被控訴人)の負担とし、第二審の分については控訴人(附帯被控訴人)および引受参加人の連帯負担とする。事実 (当事者の求めた裁判)一、 被控訴人(附帯控訴人)(一) 本件控訴を棄却する。(二) 附帯控訴に基づき原判決を次のとおり変更する。(1) 附帯被控訴人(控訴人)は附帯控訴人(被控訴人)に対し、別紙第二目録記載の建物を収去して、別紙第一目録記載の土地を明け渡し、かつ、昭和三年四月二日から右明渡しずみに至るまで一ヶ月金一万三、七六五円の割合による金員を支払え。(2) 右(1)が認容されないときは、附帯被控訴人(控訴人)は附帯控訴人(被控訴人)に対し、別紙第二目録記載の建物を明け渡し、同建物につき昭和三八年七月二三日付売買を原因とする所有権移転登記手続をなし、かつ、金一、〇一五万二、五四〇円および昭和四八年五月一日から右明渡しずみに至るまで一ケ月金一二万一、一八二円の割合による金員を支払え(当審で追加した予備的請求)。(三) 当審での引受参加人に対する請求(1) 引受参加人は被控訴人に対し、別紙第二目録記載の 渡しずみに至るまで一ケ月金一二万一、一八二円の割合による金員を支払え(当審で追加した予備的請求)。(三) 当審での引受参加人に対する請求(1) 引受参加人は被控訴人に対し、別紙第二目録記載の建物より退去して、別紙第一目録記載の土地を明け渡し、かつ、昭和三五年四月二三日より右明渡しずみに至るまで一ヶ月金一万三、七六五円の割合による金員を支払え。 (1) 引受参加人は被控訴人に対し、別紙第二目録記載の 渡しずみに至るまで一ケ月金一二万一、一八二円の割合による金員を支払え(当審で追加した予備的請求)。(三) 当審での引受参加人に対する請求(1) 引受参加人は被控訴人に対し、別紙第二目録記載の建物より退去して、別紙第一目録記載の土地を明け渡し、かつ、昭和三五年四月二三日より右明渡しずみに至るまで一ヶ月金一万三、七六五円の割合による金員を支払え。(2) 右(1)が認容されないときは、引受参加人は被控訴人に対し、別紙第二目録記載の建物を収去して、別紙第一目録記載の土地を明け渡し、かつ、昭和三五年四月二三日より右明渡しずみに至るまで一ケ月金一万三、七六五円の割合による金員を支払え。(3) 右(2)が認容されないときは、引受参加人は被控訴人に対し、別紙第二目録記載の建物を明け渡し、かつ、金一、二〇〇万三、四四〇円および昭和四八年五月一日より右明渡しずみに至るまで一ヶ月金一二万一、一八二円の割合による金員を支払え。(四) 訴訟費用は第一、二審とも控訴人および引受参加人の負担とする。(五) 仮執行の宣言二、 控訴人(附帯被控訴人)(一) 原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。被控訴人の請求を棄却ずる。(二) 被控訴人(附帯控訴人)の附帯控訴を棄却する。(三) 附帯控訴費用および附帯控訴費用を除く第一、二審の訴訟費用は被控訴人(附帯控訴人)の負担とする。三、 引受参加人被控訴人の請求を棄却する。(被控訴人の陳述)一、 被控訴人の請求原因(一) 控訴人および引受参加人に対する第一次的請求原因被控訴人は別紙第一目録記載の土地(以下本件土地という。)を所有するものであるが、控訴人は昭和三一年四月二日以降別紙第二目録記載の建物(以下本件建物という)を所有して、引受参加人は昭和三五年四月二二日以降本件建物を占有使 記載の土地(以下本件土地という。)を所有するものであるが、控訴人は昭和三一年四月二日以降別紙第二目録記載の建物(以下本件建物という)を所有して、引受参加人は昭和三五年四月二二日以降本件建物を占有使用して、それぞれ本件土地を正権原なく不法に占有している。その結果、控訴人および引受参加人は被控訴人の本件土地に対する使用収益を不法に妨げ、被控訴人に対し相当賃料と同額の損害を蒙らせている。ところで本件土地の昭和三一年四月二日以降の相当賃料額は一ケ月金一万三、七六五円であるから、控訴人および引受参加人はそれぞれ被控訴人に対し、同額の損害を賠償すべき義務がある。 昭和三五年四月二二日以降本件建物を占有使用して、それぞれ本件土地を正権原なく不法に占有している。その結果、控訴人および引受参加人は被控訴人の本件土地に対する使用収益を不法に妨げ、被控訴人に対し相当賃料と同額の損害を蒙らせている。ところで本件土地の昭和三一年四月二日以降の相当賃料額は一ケ月金一万三、七六五円であるから、控訴人および引受参加人はそれぞれ被控訴人に対し、同額の損害を賠償すべき義務がある。よつて、被控訴人は、所有権に基づき、控訴人に対しては本件建物を収去して、引受参加人に対しては本件建物から退去して、それぞれ本件土地を明け渡すべきことを求めるとともに、控訴人に対しては昭和三一年四月二日から、引受参加人に対しては昭和三五年四月二三日から、それぞれ本件土地明渡しずみに至るまで一ケ月金一万三、七六五円の割合による相当賃料額と同額の損害金の支払いを求める。(二) 引受参加人に対する第二次的請求原因引受参加人は昭和三五年四月二二日から本件建物を占有使用しているが、仮に引受参加人が同日控訴人から本件建物の所有権の譲渡を受けて本件建物に入居して占有しているのであれば、引受参加人は同日以降本件建物を所有して正権原なく本件土地を不法に占有して、被控訴人の本件土地に対する使用収益を妨げ、被控訴人に対し相当賃料と同額の損害を蒙らせている。よつて、被控訴人は、所有権に基づき、引受参加人に対し、本件建物を収去して本件土地を明け渡すべきことを求めるとともに、昭和三五年四月二三日から本件土地明渡しずみに至るまで一ケ月金一万三、七六五円の割合による前記相当賃料額と同額の損害金の支払いを求める。( 物を収去して本件土地を明け渡すべきことを求めるとともに、昭和三五年四月二三日から本件土地明渡しずみに至るまで一ケ月金一万三、七六五円の割合による前記相当賃料額と同額の損害金の支払いを求める。(三) 控訴人に対する第二次的請求原因および引受参加人に対する第三次的請求原因控訴人は、原審における昭和三八年七月二三日の口頭弁論期日において、借地法第一〇条に基づき、本件建物の買取請求権を行使したが、仮に控訴人がなした本件建物の買取請求権の行使が認容されるときは、被控訴人は、その買取請求権の行使のあつた昭和三八年七月二三日、本件建物を時価金一八五万〇、九〇〇円で控訴人から買い受けその所有権を取得したことになるが、控訴人および引受参加人は同日以降正権原なく本件建物を不法に占有して被控訴人の本件建物に対する使用収益を妨げ、被控訴人に対し相当賃料と同額の損害を蒙らせているから、控訴人は被控訴人に対し、本件建物につき昭和三八年七月二三日付売買を原因とする所有権移転登記手続をなすべき義務があるとともに、控訴人および引受参加人は被控訴人に対し、それぞれ本件建物を明け渡し、かつ、昭和三八年七月二三日から右明渡しずみに至るまで相当賃料と同額の損害金を賠償すべき義務がある。 不法に占有して被控訴人の本件建物に対する使用収益を妨げ、被控訴人に対し相当賃料と同額の損害を蒙らせているから、控訴人は被控訴人に対し、本件建物につき昭和三八年七月二三日付売買を原因とする所有権移転登記手続をなすべき義務があるとともに、控訴人および引受参加人は被控訴人に対し、それぞれ本件建物を明け渡し、かつ、昭和三八年七月二三日から右明渡しずみに至るまで相当賃料と同額の損害金を賠償すべき義務がある。ところで本件建物の相当賃料月額は、(1)昭和三八年七月二三日から昭和四〇年三月三一日までは金八万八、一二二円(合計金一六七万四、三一八円)、(2)昭和四〇年四月一日から昭和四二年三月三一日までは金九万三、六四二円(合計金二二四万七、四〇八円)、(3)昭和四二年四月一日から昭和四四年三月三一日までは金一〇万二、三五二円(合計金二四五万六、四四八円)、(4)昭和四四年四月一日から昭和四六年三月三一日までは金一〇万八、一五九円(合計金二五九万五、七一六円)、(5)昭和四六年四月一日から昭和四八 金一〇万二、三五二円(合計金二四五万六、四四八円)、(4)昭和四四年四月一日から昭和四六年三月三一日までは金一〇万八、一五九円(合計金二五九万五、七一六円)、(5)昭和四六年四月一日から昭和四八年四月三〇日までは金一二万一、一八二円(合計金三〇二万九、五五〇円)であり(以上合計金一、二〇〇万三、四四〇円)、昭和四八年五月一日以降も金一二万一、一八二円である。したがつて、控訴人および引受参加人は被控訴人に対し、それぞれ右金一、二〇〇万三、四四〇円および昭和四八年五月一日から本件建物の明渡しずみに至るまで一ヶ月金一二万一、一八二円の割合による相当賃料と同額の損害金を支払うべき義務があるわけであるが、被控訴人は控訴人に対し、本件建物の前記買取価額金一八五万〇、九〇〇円を支払うべき義務があるから、右金一、二〇〇万三、四四〇円と右買取価額金一八五万〇、九〇〇円を対当額において相殺すると、控訴人が被控訴人に対して支払うべき昭和四八年四月三〇日までの賃料相当の損害金は金一、〇一五万二、五四〇円となるので、被控訴人に対し、控訴人は金一、〇一五万二、五四〇円および昭和四八年五月一日から本件建物明渡しずみに至るまで一ケ月金一二万一、一八二円の割合による賃料相当の損害金を支払うべき義務があり、引受参加人は金一、二〇〇万三、四四〇円および昭和四八年五月一日から本件建物明渡しずみに至るまで一ヶ月金一二万一、一八二円の割合による賃料相当の損害金を支払うべき義務がある。 害金は金一、〇一五万二、五四〇円となるので、被控訴人に対し、控訴人は金一、〇一五万二、五四〇円および昭和四八年五月一日から本件建物明渡しずみに至るまで一ケ月金一二万一、一八二円の割合による賃料相当の損害金を支払うべき義務があり、引受参加人は金一、二〇〇万三、四四〇円および昭和四八年五月一日から本件建物明渡しずみに至るまで一ヶ月金一二万一、一八二円の割合による賃料相当の損害金を支払うべき義務がある。よつて、被控訴人は、控訴人に対しては本件建物につき昭和三八年七月二三日付売買を原因とする所有権移転登記手続を求めるとともに、控訴人および引受参加人に対しては本件建物の明渡しを求め、かつ控訴人については金一、〇一五万二、五四〇円および昭和四八年五月一日から本件建物明渡しずみまで一ケ月金一二万一、一八 手続を求めるとともに、控訴人および引受参加人に対しては本件建物の明渡しを求め、かつ控訴人については金一、〇一五万二、五四〇円および昭和四八年五月一日から本件建物明渡しずみまで一ケ月金一二万一、一八二円の割合による、引受参加人については金一、二〇〇万三、四四〇円および昭和四八年五月一日から本件建物明渡しずみまで一ケ月金一二万一、一八二円の割合による各賃料相当の損害金の支払いを求める。二、 控訴人および引受参加人の抗弁について(一) 控訴人および引受参加人の抗弁事実中、訴外関西土地建物株式会社(以下訴外会社という)が被控訴人より昭和二九年七月一日から本件土地を賃借して本件土地上に本件建物を所有していたこと、控訴人が訴外会社から本件建物の所有権を取得し、昭和三一年四月二日所有権移転登記を経由したこと、控訴人が被控訴人に対し、原審における昭和三八年七月二三日の口頭弁論期日において、本件建物の買取請求権を行使したこと自体は認めるが、その余の事実はすべて否認する。(二) 控訴人が訴外会社から本件建物の所有権を取得したのは、その所有権移転登記を経由した昭和三一年四月二日であり、そのとき控訴人が訴外会社から本件土地賃借権の譲渡を受けたとしても、そのとき既に被控訴人と訴外会社との間の本件土地についての賃貸借契約は昭和三一年三月二〇日をもつて合意解除されていたものであつて、本件土地賃借権は消滅していたのであるから、控訴人は本件土地賃借権を取得することはないし、借地法第一〇条に基づく本件建物の買取請求権も取得することはない。 その所有権移転登記を経由した昭和三一年四月二日であり、そのとき控訴人が訴外会社から本件土地賃借権の譲渡を受けたとしても、そのとき既に被控訴人と訴外会社との間の本件土地についての賃貸借契約は昭和三一年三月二〇日をもつて合意解除されていたものであつて、本件土地賃借権は消滅していたのであるから、控訴人は本件土地賃借権を取得することはないし、借地法第一〇条に基づく本件建物の買取請求権も取得することはない。(三) 控訴人は被控訴人が本件土地賃借権の譲渡について賃貸人として承諾しないのは権利の濫用であると主張するが、被控訴人と訴外会社との間の本件土地についての賃貸借契約は昭和三一年三月二〇日合意解除されたものであつて、その後被 件土地賃借権の譲渡について賃貸人として承諾しないのは権利の濫用であると主張するが、被控訴人と訴外会社との間の本件土地についての賃貸借契約は昭和三一年三月二〇日合意解除されたものであつて、その後被控訴人と訴外会社との間には本件土地について何らの賃貸借契約も存在しないものである。もつとも、その後控訴人より本件土地について賃貸借の申出があり、被控訴人との間において本件土地に対する新らたな賃貸借契約の締結について若干の折衝があつたものの、妥結に至らなかつたもので、ことに被控訴人の要求した条件は本件土地の地理的条件からみて決して無理な要求ではないのであるから、これを目して賃貸借の不承諾が権利の濫用であるとはいえない。(四) 仮に控訴人の本件建物の買取請求権の行使が是認されるとしても、本件建物は神戸市の神戸復興特別都市計画事業の施行により一部を除却されたものであるが(昭和三八年七月三日一部除却に着手し、同年九月一六日一部除却を完成した)、控訴人が本件建物の買取請求権を行使したのは同年七月二三日であるから、たとえ買取請求権の行使が一部除却完成前であつても、既に一部除却に着手している以上、その価額評価は一部除却完成当時のものによるべきである。したがつて、本件建物が一部除却されない状態での価格評価を根拠として、本件建物の時価が金八〇〇万円を下らないとする控訴人の主張は失当である。(五) 引受参加人が控訴人から本件建物を賃借したとしても、控訴人は何らの正権原なく本件土地上に本件建物を所有して本件土地を占有しているものであるから、引受参加人は本件土地所有者である被控訴人に対し右賃借権をもつて対抗することができない。 時のものによるべきである。したがつて、本件建物が一部除却されない状態での価格評価を根拠として、本件建物の時価が金八〇〇万円を下らないとする控訴人の主張は失当である。(五) 引受参加人が控訴人から本件建物を賃借したとしても、控訴人は何らの正権原なく本件土地上に本件建物を所有して本件土地を占有しているものであるから、引受参加人は本件土地所有者である被控訴人に対し右賃借権をもつて対抗することができない。すなわち、控訴人は被控訴人に対し本件建物を収去して本件土地を明け渡すべき義務がある以上、引受参加人も控訴人の右義務の反射的効果として、本 ある被控訴人に対し右賃借権をもつて対抗することができない。すなわち、控訴人は被控訴人に対し本件建物を収去して本件土地を明け渡すべき義務がある以上、引受参加人も控訴人の右義務の反射的効果として、本件建物について賃借権を有すると否とにかかわらず、被控訴人に対し本件建物から退去して本件土地を明け渡すべき義務がある。そして、仮に控訴人が被控訴人に対し、借地法第一〇条に則り有効に本件建物の買取請求権が行使され、被控訴人が本件建物の所有権を取得したとしても、引受参加人は本件建物を所有の意思にもとづいて占有しているものであつて、控訴人の占有と同列に置かれるものであるから、控訴人が本件建物を明け渡す義務があると同様に引受参加人も本件建物を明け渡すべき義務がある。(六) 引受参加人は、民法第二九五条第一項の適用により、留置権に基づいて本件建物の明渡し、ひいては本件土地の明渡しについても、これを拒絶し得ると主張するが、引受参加人は控訴人が本件土地について賃借権を有するかどうかの確認もせず、被控訴人に無断で本件建物を買い受けたものであるから、引受参加人の本件建物の占有は被控訴人に対する関係では不法であつて、民法第二九五条第二項により、引受参加人の主張する留置権は被控訴人に対しては主張し得ない。仮に引受参加人の主張する留置権が認められるとしても、控訴人の本件建物の買取請求権が否定される場合にあつては、引受参加人の留置権は控訴人に対する関係に限られるべきであつて、被控訴人との関係においては、引受参加人が本件建物を留置することは許されない。けだし、引受参加人の本件建物に対する留置権の反射的効果として、控訴人の本件土地の不法占有を容認するような結果は許されないからである。 対しては主張し得ない。仮に引受参加人の主張する留置権が認められるとしても、控訴人の本件建物の買取請求権が否定される場合にあつては、引受参加人の留置権は控訴人に対する関係に限られるべきであつて、被控訴人との関係においては、引受参加人が本件建物を留置することは許されない。けだし、引受参加人の本件建物に対する留置権の反射的効果として、控訴人の本件土地の不法占有を容認するような結果は許されないからである。そして、控訴人の本件建物の買取請求権が認められる場合にあつても、引受参加人の主張する控訴 物に対する留置権の反射的効果として、控訴人の本件土地の不法占有を容認するような結果は許されないからである。そして、控訴人の本件建物の買取請求権が認められる場合にあつても、引受参加人の主張する控訴人に対する債権は被控訴人の全く関知しないものであり、かかる無関係の債権に基因する留置権によつて、被控訴人の取得した本件建物の明渡しが妨げられることは、極めて不合理であるから、かかる留置権の行使は権利の濫用として許されない。(控訴人の陳述)一、 被控訴人の請求原因について(一) 被控訴人主張の第一次的請求原因事実中、被控訴人が本件土地を所有していること、控訴人が昭和三一年四月二日以降本件建物を所有、引受参加人が昭和三五年四月二二日以降本件建物を占有使用して、それぞれ本件土地を占有していることは認めるが、その余の事実はすべて否認する。本件土地の相当賃料月額は、本件土地が三一坪六勺であつて、その一坪当りの相当賃料月額は金二五〇円であるから、これにより計算すると、金七、七六五円でなければならない。被控訴人主張の本件土地の相当賃料月額金一万三、七六五円は、本件土地が五五坪六勺であるとして、これに一坪当りの相当賃料月額である右金二五〇円を乗じて算出したものであるから、失当である。(二) 被控訴人主張の第二次的請求原因事実中、控訴人が原審における昭和三八年七月二三日の口頭弁論期日において本件建物の買取請求権を行使したことは認めるが、その余の事実はすべて否認する。二、 抗弁(一) 控訴人は被控訴人に対して対抗することのできる本件土地賃借権に基づき本件建物を所有して本件土地を占有しているものである。(1) 訴外関西土地建物株式会社(以下訴外会社という。)は被控訴人より昭和二九年七月一日から本件土地を賃借して、本件土地上に本件建物を所有して る昭和三八年七月二三日の口頭弁論期日において本件建物の買取請求権を行使したことは認めるが、その余の事実はすべて否認する。二、 抗弁(一) 控訴人は被控訴人に対して対抗することのできる本件土地賃借権に基づき本件建物を所有して本件土地を占有しているものである。(1) 訴外関西土地建物株式会社(以下訴外会社という。)は被控訴人より昭和二九年七月一日から本件土地を賃借して、本件土地上に本件建物を所有して 本件建物を所有して本件土地を占有しているものである。(1) 訴外関西土地建物株式会社(以下訴外会社という。)は被控訴人より昭和二九年七月一日から本件土地を賃借して、本件土地上に本件建物を所有していたところ、控訴人は本件建物の所有権を昭和三〇年一月九日訴外会社から代物弁済により取得し、昭和三一年四月二日所有権移転登記を経由したものであるが、控訴人は昭和三〇年一月九日訴外会社から本件建物の所有権を取得すると同時に本件土地賃借権の譲渡を受け、かつ、これについて被控訴人の承諾を得た。(2) 仮に本件土地賃借権譲渡について被控訴人の承諾がなかつたとしても、被控訴人が控訴人に対し、控訴人において訴外会社から本件土地の賃借権の譲渡を受けるについて、賃貸人として承諾しないのは権利の濫用である。すなわち、控訴人が訴外会社から本件建物について所有権移転登記を受けたころ、被控訴人は訴外会社から本件土地に対する延滞賃料の支払いを受けたのであるが、被控訴人は、訴外会社が被控訴人に支払つた右延滞賃料は訴外会社が控訴人に本件建物および本件土地賃借権を処分して得た代価であることを知つていた。しかるに被控訴人は、本件土地がもと五五坪六勺であつたが都市計画により減歩となつて三一坪六勺となつていたことを知りながら、この事実を隠蔽して、控訴人に対し本件土地賃借権譲渡の承諾料として約三〇〇万円(本件土地を五五坪六勺として一坪当り金五万円)という過大な要求をしたため、控訴人はれに応じられず、被控訴人は控訴人に対する賃借権譲渡の承諾を拒否するに至つた。右のように賃貸人が賃借権の譲受人の土地使用そのものには異存がないのにかかわらず、単に賃借権の譲受人に対し、賃借権譲渡の承諾の対価を要求して拒絶されたことを理由として、賃借権譲渡の承諾をしないことは権利の濫用である。(3) の土地使用そのものには異存がないのにかかわらず、単に賃借権の譲受人に対し、賃借権譲渡の承諾の対価を要求して拒絶されたことを理由として、賃借権譲渡の承諾をしないことは権利の濫用である。 ように賃貸人が賃借権の譲受人の土地使用そのものには異存がないのにかかわらず、単に賃借権の譲受人に対し、賃借権譲渡の承諾の対価を要求して拒絶されたことを理由として、賃借権譲渡の承諾をしないことは権利の濫用である。(3) の土地使用そのものには異存がないのにかかわらず、単に賃借権の譲受人に対し、賃借権譲渡の承諾の対価を要求して拒絶されたことを理由として、賃借権譲渡の承諾をしないことは権利の濫用である。(3) 仮に右(1)(2)の主張が認められないとしても、控訴人と被控訴人との間において、本件土地について本件建物所有を目的とする賃貸借契約が締結された。(イ) 控訴人が本件建物について昭和三一年四月二日所有権移転登記を経由するに当り、控訴人および被控訴人間において、本件土地について本件建物所有を目的とする賃貸借契約が締結された。(ロ) 被控訴人が控訴人を相手方として昭和三二年五月本件土地の明渡しについて神戸簡易裁判所に調停を申し立て、同庁昭和三二年(ユ)第一四六号調停事件として係属中、控訴人および被控訴人間において、本件土地について本件建物所有を目的とする賃貸借契約が締結された。(二) 仮に右(一)の抗弁が認められないとしても、右調停係属中、控訴人と被控訴人との間において、双方協力して本件土地建物を一括して他に売却する旨の合意が成立したから、このときに被控訴人は控訴人に対し、本件建物の収去請求権および本件土地の明渡請求権を放棄したものである。(三) 仮に以上の抗弁が認められないとしても、控訴人は借地法第一〇条により被控訴人に対し、原審における昭和三八年七月二三日の口頭弁論期日において、本件建物の買取請求権を行使した。本件建物の当時の価格(時価)は金八〇〇万円を下らないのであつて、右金員の支払いと本件建物の引渡し、所有権移転登記手続とは同時履行の関係にあり、かつ、右金員の支払いを受けるまで本件建物の留置権を有するから、控訴人は被控訴人から右金員の支払いを受けるまで、本件建物の所有権移転登記手続および本件建物の引渡し、したがつて本件土地の明渡 係にあり、かつ、右金員の支払いを受けるまで本件建物の留置権を有するから、控訴人は被控訴人から右金員の支払いを受けるまで、本件建物の所有権移転登記手続および本件建物の引渡し、したがつて本件土地の明渡しを拒むことができる。被控訴人は、控訴人が本件建物の買取請求権を行使した昭和三八年七月三二日当時、本件建物は神戸市の神戸復興特別都市計画事業の施行により既に一部除却されていたから、本件建物の時価は一部除却された状態での本件建物の評価によるべきである旨主張するが、本件建物の一部除却に着手したのは同年八月一九日であつて、控訴人が本件建物の買取請求権を行使した当時には、いまだ一部除却はされていなかつたのであるから、本件建物の評価は一部除却される以前の状態でなされるべきであり、その評価にしたがえば、本件建物の時価は約八〇〇万円を下らない。 事業の施行により既に一部除却されていたから、本件建物の時価は一部除却された状態での本件建物の評価によるべきである旨主張するが、本件建物の一部除却に着手したのは同年八月一九日であつて、控訴人が本件建物の買取請求権を行使した当時には、いまだ一部除却はされていなかつたのであるから、本件建物の評価は一部除却される以前の状態でなされるべきであり、その評価にしたがえば、本件建物の時価は約八〇〇万円を下らない。(引受参加人の陳述)一、 被控訴人の請求原因について(一) 被控訴人主張の第一次的請求原因事実中、被控訴人が本件土地を所有していること、控訴人が昭和三一年四月二日以降本件建物を所有し、引受参加人が昭和三五年四月二二日以降本件建物を占有使用して、それぞれ本件土地を占有していることは認めるが、その余の事実はすべて否認する。(二) 被控訴人主張の第二次的請求原因事実中、引受参加人が本件建物を昭和三五年四月二二日以降占有していることは認めるが、その余の事実はすべて否認する。引受参加人は昭和三五年四月二二日控訴人から本件建物を賃借したものであつて、本件建物を控訴人から買い受け、その所有権を取得したものではない。すなわち、引受参加人は控訴人との間において、昭和三五年四月二二日、本件建物を代金四三〇万円で買い受けることとし、うち金四〇〇万円は即時に支払い、ついで残金三〇万円の支払いも了したが、その際、控訴人が被控訴 、引受参加人は控訴人との間において、昭和三五年四月二二日、本件建物を代金四三〇万円で買い受けることとし、うち金四〇〇万円は即時に支払い、ついで残金三〇万円の支払いも了したが、その際、控訴人が被控訴人から本件土地を買い取りこれを引受参加人に転売し、もし本件土地の買取りができないときは、控訴人において被控訴人から本件土地貸借権譲渡の承諾を得たうえで、本件土地賃借権を引受参加人に譲渡すること、万一控訴人においてこれが履行できないときは、当然売買契約は解除となり、当初より本件建物の賃貸借契約がなされたものとみなし、相当賃料については協定する旨の合意が成立したが、控訴人は本件土地の買い取り等右約旨に基づく履行ができなかつたので、結局、右売買契約は当然解除となり、引受参加人は右約旨にもとづき当初から本件建物を控訴人から賃借するに至つたものである。(三) 被控訴人主張の第三次的請求原因事実中、控訴人が原審における昭和三八年七月二三日の口頭弁論期日において本件建物について買取請求権を行使したこと、引受参加人が本件建物を昭和三八年七月二三日以降占有していることは認めるが、その余の事実はすべて否認する。 づく履行ができなかつたので、結局、右売買契約は当然解除となり、引受参加人は右約旨にもとづき当初から本件建物を控訴人から賃借するに至つたものである。(三) 被控訴人主張の第三次的請求原因事実中、控訴人が原審における昭和三八年七月二三日の口頭弁論期日において本件建物について買取請求権を行使したこと、引受参加人が本件建物を昭和三八年七月二三日以降占有していることは認めるが、その余の事実はすべて否認する。二、 抗弁(一) 訴外会社は、被控訴人より昭和二九年七月一日から本件土地を賃借して、本件土地に本件建物を所有していたところ、控訴人は、本件建物の所有権を訴外会社から取得し、昭和三一年四月二日所有権移転登記を経由したものであるが、控訴人は、被控訴人の承諾を得て訴外会社から本件土地賃借権の譲渡を受け、右賃借権にもとづいて本件建物を所有して本件土地を占有しているものであつて、引受参加人は控訴人より昭和三五年四月二二日本件建物を賃借しているものであり、引受参加人の本件建物の占有は右賃借権にもとづくものである。(二) 仮に控訴人が訴外会社から本件土地賃 るものであつて、引受参加人は控訴人より昭和三五年四月二二日本件建物を賃借しているものであり、引受参加人の本件建物の占有は右賃借権にもとづくものである。(二) 仮に控訴人が訴外会社から本件土地賃借権の譲渡を受けるについて、被控訴人の承諾がなかつたとしても、控訴人は、原審における昭和三八年七月二三日の口頭弁論期日において、本件建物について買取請求権を行使しているから、このとき本件建物の所有権は被控訴人に帰属すべきところ、引受参加人はそれより以前である昭和三五年四月二二日控訴人より本件建物を賃借しているから、右賃借権をもつて被控訴人に対抗し得る。(三) 仮に右賃借権の抗弁が認められないとしても、引受参加人は留置権により被控訴人の請求を拒絶し得る。すなわち、引受参加人と控訴人との間において昭和三五年四月二二日本件建物について成立した前記売売契約は控訴人の債務不履行によつて当然解除となり、引受参加人は控訴人に対し金四三〇万円の返還請求権を有するから、引受参加人は民法第二九五条第一項により右金員の返還を受けるまで本件建物を留置する権利を有する。そして、本件建物のみを留置することは無意味であるから、本件建物の留置権の反射的効果として本件土地の明渡しを拒絶し得る。 加人と控訴人との間において昭和三五年四月二二日本件建物について成立した前記売売契約は控訴人の債務不履行によつて当然解除となり、引受参加人は控訴人に対し金四三〇万円の返還請求権を有するから、引受参加人は民法第二九五条第一項により右金員の返還を受けるまで本件建物を留置する権利を有する。そして、本件建物のみを留置することは無意味であるから、本件建物の留置権の反射的効果として本件土地の明渡しを拒絶し得る。被控訴人は、引受参加人の本件建物の占有は不法行為によつて始つたものであるから、民法第二九五条第二項により、引受参加人が本件建物について留置権を取得することはないと主張するが、引受参加人の本件建物に対する占有は、引受参加人と控訴人との間の前記のような賃貸借契約によるものであるから、不法行為によつて始つた占有ではない。被控訴人は、また、引受参加人の主張する控訴人に対する債権については、全く関知していなかつた旨主張するが、控訴人のなした本件建物の買取請求権の行使によつて本件建物の所有権を取 つて始つた占有ではない。被控訴人は、また、引受参加人の主張する控訴人に対する債権については、全く関知していなかつた旨主張するが、控訴人のなした本件建物の買取請求権の行使によつて本件建物の所有権を取得した被控訴人が、民法第二九五条第一項による留置権の存在ないし留置権によつて担保される債権の存在を知らなかつたとしても、民法第二九五条第一項の適用が排除されることはない。(証拠関係)(省略) 理由 一、 被控訴人が本件土地を所有していること、控訴人が昭和三一年四月二日以降本件建物を所有し、引受参加人が昭和三五年四月二二日以降本件建物を占有使用して、それぞれ本件土地を占有していることは、いずれも当事者間に争いがない。二、 控訴人は、控訴人が被控訴人に対して対抗することのできる本件土地賃借権に基づき本件建物を所有して本件土地を占有している旨主張し、引受参加人も控訴人の右抗弁を援用するので検討する。(一) 被控訴人が訴外関西土地建物株式会社(以下訴外会社という)に対し、昭和二九年七月一日より本件土地を賃貸し、訴外会社が本件土地上に本件建物を所有していたこと、控訴人が訴外会社から本件建物の所有権を取得して昭和三一年四月二日所有権移転登記を経由したことは当事者間に争いがない。そして、成立に争いのない甲第九号証、原審証人A、同Bの各証言によれば、訴外会社は、昭和二九年一一月八日、本件建物土に訴外Cのために債権額金二五〇万円(弁済期昭和三〇年一月八日)の抵当権を設定するとともに、代物弁済予約をなし、昭和二九年一一月一〇日、抵当権設定登記および所有権移転請求権保全仮登記を経由していたが、控訴人は昭和三〇年一月九日右Cから右抵当権および代物弁済予約上の権利を譲り受け、同日、右代物弁済予約を完結して、訴外会社から本件建物の所有権 各証言によれば、訴外会社は、昭和二九年一一月八日、本件建物土に訴外Cのために債権額金二五〇万円(弁済期昭和三〇年一月八日)の抵当権を設定するとともに、代物弁済予約をなし、昭和二九年一一月一〇日、抵当権設定登記および所有権移転請求権保全仮登記を経由していたが、控訴人は昭和三〇年一月九日右Cから右抵当権および代物弁済予約上の権利を譲り受け、同日、右代物弁済予約を完結して、訴外会社から本件建物の所有権 定登記および所有権移転請求権保全仮登記を経由していたが、控訴人は昭和三〇年一月九日右Cから右抵当権および代物弁済予約上の権利を譲り受け、同日、右代物弁済予約を完結して、訴外会社から本件建物の所有権を取得し、前記のように昭和三一年四月二日所有権移転の本登記を経由したことが認められる。したがつて、控訴人は本件土地賃借人たる訴外会社から、訴外会社が本件土地上に所有している本件建物の所有権の譲渡を受けたものであるから、特別の事情がなくかつ別段の合意の認められない本件においては、本件建物の所有権の移転にともなつて本件土地賃借権も、控訴人は訴外会社から譲渡を受けたものと認めるべきである。しかしながら、(1) 控訴人は訴外会社から昭和三〇年一月九日本件建物の所有権を取得すると同時に本件土地賃借権の譲渡を受けるに際し、賃貸人たる被控訴人の承諾を得たと主張するが、この点に関する原審証人Aの証言は伝聞であつて採用できず、原審証人Dの証言によつても右承認の事実を認めるにたらず、他に被控訴人が承諾をしたことを認めるにたる的確な証拠はない。(2) 控訴人は、また、被控訴人が右賃借権譲渡について賃貸人として承諾しないのは権利の濫用である旨主張するが、当裁判所も控訴人の右主張を理由のないものと判断するものであつて、その理由は原判決六枚目裏七行目から七枚目裏二行目「……いえず」までと同一(ただし、原判決七枚目表九行目「しかも」の次に「後記認定のとおり」を加え、原判決七枚目裏二行目「……いえず、」とあるを「……いえない。」と訂正する)であるから、引用する。(二) 控訴人は、控訴人が本件建物について昭和三一年四月二日所有権移転登記を経由した際において、しからずとしても、被控訴人が控訴人に対して本件建物の明渡しを求めて神戸簡易裁判所に調停を申し立て同庁昭和三二年 訴人は、控訴人が本件建物について昭和三一年四月二日所有権移転登記を経由した際において、しからずとしても、被控訴人が控訴人に対して本件建物の明渡しを求めて神戸簡易裁判所に調停を申し立て同庁昭和三二年(ユ)第一四六号調停事件として係属中において、控訴人と被控訴人との間において、本件土地について本件建物所有を目的とする賃貸借契約が締結された旨主張するが、控訴人の全立証および本件全証拠によつても、右事実を是認するにたる証拠はない。 ついて昭和三一年四月二日所有権移転登記を経由した際において、しからずとしても、被控訴人が控訴人に対して本件建物の明渡しを求めて神戸簡易裁判所に調停を申し立て同庁昭和三二年(ユ)第一四六号調停事件として係属中において、控訴人と被控訴人との間において、本件土地について本件建物所有を目的とする賃貸借契約が締結された旨主張するが、控訴人の全立証および本件全証拠によつても、右事実を是認するにたる証拠はない。三、 控訴人は、前記神戸簡易裁判所昭和三二年(ユ)第一四六号調停事件の係属中、控訴人と被控訴人との間において、双方協力して本件土地建物を一括して売却する旨の合意が成立したから、このとき被控訴人は本件建物の収去請求権および本件土地の明渡請求権を放棄した旨主張する。しかし、控訴人の全立証および本件証拠によつても、これを認めるにたる証拠は全くない。四、 控訴人が借地法第一〇条に基づき被控訴人に対し、原審における昭和三八年七月二三日の口頭弁論期日において、本件建物の買取請求権を行使したことは当事者間に争いがないところ、控訴人および引受参加人は、控訴人が借地法第一〇条により本件建物の買取請求権を取得したことを主張するに対し、被控訴人はこれを争うので検討する。控訴人が訴外会社から昭和三〇年一月九日代物弁済により本件建物の所有権を取得し、昭和三一年四月二日所有権移転本登記を経由したことは既に認定したとおりであるが、原審における被控訴人本人尋問の結果により真正に成立したと認める甲第一号証、原審証人Bの証言により真正に成立したと認める甲第二号証、原審証人B、原審および当審証人Eの各証言、原審における被控訴人本人尋問の結果によれば、次の事実が認められる。すなわち、被控訴人は昭和二九年七月一日訴外会社に対し、本件土地を賃料月額金 甲第二号証、原審証人B、原審および当審証人Eの各証言、原審における被控訴人本人尋問の結果によれば、次の事実が認められる。すなわち、被控訴人は昭和二九年七月一日訴外会社に対し、本件土地を賃料月額金一万三、七六五円(本件土地は三一坪六勺であるが、五五坪六勺あるものとして一坪当り金二五〇円で計算した金額)とし、敷金五万円の交付を受けて賃貸し、訴外会社は本件王地上に本件建物を所有していたが、訴外会社は昭和三〇年一月ごろから同年一一月ごろまでの右賃料の支払いを怠り、右延滞賃料の支払いはもとより今後の賃料の支払いも困難であつたところから、訴外会社の代表取締役Fは、同年一一月ごろ、被控訴人に対し、同年一二月にはそれまでの延滞賃料を支払つたうえ、右賃貸借契約を解除して本件土地を明け渡す旨申し入れ、被控訴人も右申入れを了承したけれども、訴外会社は同年一二月を経過しても、それまでの延滞賃料の支払いができないまま経過し、翌昭和三一年一月から被控訴人が再参にわたり督促した結果、同年三月始めごろ、訴外会社の代表取締役Fと被控訴人との間において、同月二〇日をもつて右賃貸借契約を合意解除することとし、同日訴外会社は被控訴人に対し、昭和三〇年一月ごろから昭和三一年三月までの延滞賃料計金二〇万六四七五円を支払い、被控訴人の方で本件家屋を買取るべき旨の合意が成立した。 経過しても、それまでの延滞賃料の支払いができないまま経過し、翌昭和三一年一月から被控訴人が再参にわたり督促した結果、同年三月始めごろ、訴外会社の代表取締役Fと被控訴人との間において、同月二〇日をもつて右賃貸借契約を合意解除することとし、同日訴外会社は被控訴人に対し、昭和三〇年一月ごろから昭和三一年三月までの延滞賃料計金二〇万六四七五円を支払い、被控訴人の方で本件家屋を買取るべき旨の合意が成立した。ところが訴外会社は同月二〇日を経過しても、右延滞賃料の支払いができず、同年四月二三日に至り、ようやく資金調達ができたので、同日被控訴人と訴外会社の代表取締役Fらが交渉した結果、同年三月二〇日までの前記延滞賃料金二〇万六四七五円を金一三万円に減額することとし、被控訴人が訴外会社から交付を受けていた前記敷金五万円をこれに充当し、残額金八万円を訴外会社から被控訴人に支払い、被控訴人と訴外会社間の右賃貸借契約は同 〇万六四七五円を金一三万円に減額することとし、被控訴人が訴外会社から交付を受けていた前記敷金五万円をこれに充当し、残額金八万円を訴外会社から被控訴人に支払い、被控訴人と訴外会社間の右賃貸借契約は同年三月二〇日をもつて合意解除されたことを確認したうえ、訴外会社において「昭和三一年三月二〇日ヲ以テ土地賃借権、地上権契約ヲ解除ス」と記載した書面(甲第二号証)を作成して被控訴人に交付した。当時既に、前記のように控訴人の代物弁済予約完結の意思表示によつて本件建物の所有権は昭和三〇年一月九日控訴人に移転し昭和三一年四月二日本登記がなされており、訴外会社が被控訴人に支払つた前記延滞賃料も、訴外会社が控訴人から本件建物の明渡料名義で受領した資金によつて支払つたものであつたが、訴外会社は右事実を秘匿し、いまだ本件建物を占有使用していたから、被控訴人は前記書面作成当時(同月二三日)右事実を知ることがなかつた。以上のとおり認めることができ、他に右認定を覆すにたりる証拠はない。<要旨第一>ところで借地法第一〇条の買取請求権は、土地賃借人が借地上に建物を所有していて、これを第三者に譲</要旨第一>渡し、この建物譲受人が、土地賃貸人に対する関係では、建物を敷地に存置する権原を取得し得ない場合に成立するものであるが、建物譲受人である第三者が買取請求をなし得るためには、その敷地賃借権の譲受け自体を賃貸人に主張し得なければならず、賃貸人がその譲受自体を認めないかぎり(賃借権譲渡の承諾とは異る)、対抗要件を具備することが必要であり、対抗要件としては建物の所有権移転登記さえあれば足りるものと解するのが相当である(賃貸人の地位移転等に関する最高判昭和三九・八・二八民集一八巻七号一三五四頁参照)。 に成立するものであるが、建物譲受人である第三者が買取請求をなし得るためには、その敷地賃借権の譲受け自体を賃貸人に主張し得なければならず、賃貸人がその譲受自体を認めないかぎり(賃借権譲渡の承諾とは異る)、対抗要件を具備することが必要であり、対抗要件としては建物の所有権移転登記さえあれば足りるものと解するのが相当である(賃貸人の地位移転等に関する最高判昭和三九・八・二八民集一八巻七号一三五四頁参照)。そしてその所有権移転登記以前に、敷地の賃借権が賃貸借契約の合意解除などその原 ば足りるものと解するのが相当である(賃貸人の地位移転等に関する最高判昭和三九・八・二八民集一八巻七号一三五四頁参照)。そしてその所有権移転登記以前に、敷地の賃借権が賃貸借契約の合意解除などその原因のいかんを問わず、消滅しているとき、その賃借権の譲渡もなく、したがつて建物譲受人は借地法一〇条の買取請求権を取得し得ないものというべきである。前記認定によると、控訴人は訴外会社から昭和三〇年一月九日代物弁済により本件建物の所有権を取得し、昭和三一年四月二日所有権移転登記を経由したが、被控訴人と訴外会社との間の本件土地についての賃貸借契約は、同年三月二〇日をもつて合意解除されたことが明らかであり、被控訴人が右所有権移転登記以前に本件土地賃借権が移転したこと自体を認めた証拠がないから、控訴人は右登記のなされた同年四月二日以後その賃借権取得自体を主張することができることとなつたものというべきであるが、すでにこれより先同年三月二〇日合意解除によつて本件土地賃借権は消滅したものである以上、控訴人は本件建物買取請求権<要旨第二>を取得することができないといわねばならない。仮に右合意解除が同年四月二三日になされたとしても、賃</要旨第二>借権取得の時から買取請求権行使の時までの間に、賃借人の賃料不払いを理由として賃貸借契約が合意解除された場合は、賃料不払いを理由とする一方的解除の場合と同様に、賃借人の背信の故をもつて、その譲受人は借地法一〇条の買取請求権を行使することができないものと解すべきであるところ、これを本件についてみるに、前認定のように、被控訴人と訴外会社との間の賃貸借契約は、控訴人の買取請求権行使の日たる昭和三八年七月二三日以前の同年四月二三日、訴外会社の賃料不払いを理由として合意解除されているのであるから、控訴人の右買取請求権行使の効果は 由とする一方的解除の場合と同様に、賃借人の背信の故をもつて、その譲受人は借地法一〇条の買取請求権を行使することができないものと解すべきであるところ、これを本件についてみるに、前認定のように、被控訴人と訴外会社との間の賃貸借契約は、控訴人の買取請求権行使の日たる昭和三八年七月二三日以前の同年四月二三日、訴外会社の賃料不払いを理由として合意解除されているのであるから、控訴人の右買取請求権行使の効果は 会社との間の賃貸借契約は、控訴人の買取請求権行使の日たる昭和三八年七月二三日以前の同年四月二三日、訴外会社の賃料不払いを理由として合意解除されているのであるから、控訴人の右買取請求権行使の効果は発生するに由なきものというほかはない。五、 引受参加人は、引受参加人と控訴人との間において、控訴人所有の本件建物を代金四三〇万円で買い受ける売買契約が成立し、引受参加人は右代金を控訴人に支払つたが、右売買契約は控訴人の債務不履行により当然解除となり、引受参加人は控訴人に対し、右売買代金四三〇万円を不当利得としてこれが返還請求権を有するとして、右金員の支払いがあるまで、本件建物を留置する権利があり、ひいては本件土地の明渡しを拒絶し得ると主張する。しかし、引受参加人主張の債権は本件建物の所有者である控訴人に対するものであるから、仮にその主張する債権のために本件建物について留置権を有するものとしても、その敷地たる本件土地を留置し得べき権利を有するものとは解せられない。けだし、控訴人は本件建物を所有して本件土地を不法に占有しているものであり、したがつて引受参加人もまた本件建物を占有して本件土地を不法に占有しているものであつて、引受参加人に対して、その主張のように本件建物を留置しうることの反射的作用として、本件土地の留置を認めることは、土地所有権を侵害する不法行為者を保護することとなり留置権の企図する衡平の観念を逸脱するからである。のみならず、引受参加人主張の不当利得返還請求権は、本件土地に関して生じたものではない。他に建物について留置権を有する者が当然にその敷地についても留置権を有するものと解すべき根拠がないから、引受参加人の右主張は採用できない(大審院昭和九年六月三〇日判決参照)。六、 以上説示したとおり、控訴人および引受参加人の抗弁はすべて の敷地についても留置権を有するものと解すべき根拠がないから、引受参加人の右主張は採用できない(大審院昭和九年六月三〇日判決参照)。 件土地に関して生じたものではない。他に建物について留置権を有する者が当然にその敷地についても留置権を有するものと解すべき根拠がないから、引受参加人の右主張は採用できない(大審院昭和九年六月三〇日判決参照)。六、 以上説示したとおり、控訴人および引受参加人の抗弁はすべて の敷地についても留置権を有するものと解すべき根拠がないから、引受参加人の右主張は採用できない(大審院昭和九年六月三〇日判決参照)。六、 以上説示したとおり、控訴人および引受参加人の抗弁はすべて理由がなく、控訴人は、おそくとも、昭和三一年四月二日以降本件建物を所有して、引受参加人は昭和三五年四月二二日以降本件建物を占有して、それぞれ本件土地所有者である被控訴人に対して対抗し得べき正権原なく本件土地を不法に占有しているものであるから、控訴人は本件建物を収去して、引受参加人は本件建物から退去して、それぞれ被控訴人に対して本件土地を明け渡すべき義務があり、控訴人は昭和二二年四月二日以降被控訴人の本件土地に対する使用収益を不法に妨げ、被控訴人に対し相当賃料と同額の損害を蒙らせているものであるから、同日以降本件土地明渡しずみに至るまで相当賃料と同額の損害金を賠償すべき義務がある。しかし、引受参加人は、本件建物を占有使用しているものにすぎないものであつて、特別の事情の認められない本件においては、その占有によつて直接被控訴人の本件土地に対する使用収益を妨げているとはいえないから、被控訴人に対し、相当賃料と同額の損害金を賠償すべき義務はない(最高裁昭和三一年一〇月二三日判決参照)。ところで既に認定したところによれば、昭和三一年三月当時、被控訴人は訴外会社に対し本件土地を本件建物所有を目的として賃料月額金一万三、七六五円で賃貸していたのであるが、右賃料月額は本件土地が三一坪六勺であるのにかかわらず、五五坪六勺であるとして、一坪当り金二五〇円で計算したものであるから、昭和三一年四月二日当時の本件土地の相当賃料月額は、本件土地の三一坪六勺に一坪当り金二五〇円を乗じた金七、七六五円をもつて相当とし、特別の事情のないかぎり同日以降も同一額と認める。そう るから、昭和三一年四月二日当時の本件土地の相当賃料月額は、本件土地の三一坪六勺に一坪当り金二五〇円を乗じた金七、七六五円をもつて相当とし、特別の事情のないかぎり同日以降も同一額と認める。 〇円で計算したものであるから、昭和三一年四月二日当時の本件土地の相当賃料月額は、本件土地の三一坪六勺に一坪当り金二五〇円を乗じた金七、七六五円をもつて相当とし、特別の事情のないかぎり同日以降も同一額と認める。そう るから、昭和三一年四月二日当時の本件土地の相当賃料月額は、本件土地の三一坪六勺に一坪当り金二五〇円を乗じた金七、七六五円をもつて相当とし、特別の事情のないかぎり同日以降も同一額と認める。そうすると、被控訴人の第一次的請求は、被控訴人が控訴人に対し、本件建物を収去して本件土地を明け渡し、かつ、昭和三一年四月二日以降右明渡しずみに至るまで一ケ月金七、七六五円の割合による賃料相当の損害金の支払いを求める限度において、被控訴人が引受参加人に対し、本件建物から退去して本件土地の明渡しを求める限度において、いずれも正当として認容すべきであるが、右を超える部分は失当として棄却すべきである。七、 よつて、本件控訴および附帯控訴に基づき、右と結論を異にする原判決を主文第一項のとおり変更することとし、訴訟費用の負担について民訴法第八九条、九三条一項但し書、九六条を適用して主文のとおり判決する。なお、被控訴人の仮執行の宣言の申立ては相当でないから却下することとする。(裁判長判事山内敏彦判事阪井笠朗判事宮地英雄)別紙第一目録神戸市a区b町通c丁目d番宅地一〇四・一六平方メートル(三一坪五合一勺)右同所六〇番の三宅地一三四・八〇平方メートル(四〇坪七合八勺)右二筆に対する土地区画整理事業施行による仮換地神戸市a区e町換地区f街区g符号宅地一八二・〇一平方メートル(五五坪六勺)のうち、西端間口(東西) 二・二八メートルの部分(別紙図面のとおり)奥行(南東)一三・六〇メートル宅地一〇二・六七平方メートル(三一坪六勺)第二目録神戸市a区b町通c丁目h番地上(但し、現実には第一目録記載の仮換地部分地上)家屋番号同町j番一、店舗木造陸屋根三階建地下一階付一階一二二 トル(三一坪六勺)第二目録神戸市a区b町通c丁目h番地上(但し、現実には第一目録記載の仮換地部分地上)家屋番号同町j番一、店舗木造陸屋根三階建地下一階付一階一二二・九七平方メートル(三七坪二合)二階一二二・九七平方メートル(三七坪二合)三階一二二・九七平方メートル(三七坪二合)地下一五・四三平方メートル(四坪六合七勺)但し右は登記簿上の表示で現況は一階八六・四四平方メートル(二六坪一合五勺)二階六八・〇九平方メートル(二〇坪六合)三階六八・〇九平方メートル(二〇坪六合)地下八・八七平方メートル(二坪八勺)別紙<記載内容は末尾1添付>
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