平成27(行ウ)525 納付通知処分取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成28年12月20日 東京地方裁判所 租税
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判決文本文20,979 文字)

平成28年12月20日判決言渡平成27年(行ウ)第525号納付通知処分取消等請求事件 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 処分行政庁が平成27年3月31日付けで原告に対してした納付(納入)通知処分を取り消す。 2 処分行政庁が平成27年4月16日付けで原告に対してした納付(納入)催告処分を取り消す。 第2 事案の概要本件は,処分行政庁が,有限会社マナ企画(以下「マナ企画」という。)が滞納した法人事業税及び法人都民税につき,原告に対して地方税法11条の8所定の第二次納税義務があるとして納付通知及び催告をしたところ,原告がこれらの取消しを求める事案である。 1 関係法令等の定め本件に関係する法令等の定めは,別紙1「関係法令等の定め」に記載のとおりである(なお,同別紙において定義した略語は,本文においても用いることとする。)。 2 前提事実(証拠等を掲げていない事実は当事者間に争いがない。)(1) 当事者等マナ企画は,土木建築工事の請負,設計,施工及び監理を行う特例有限会社であったが,平成24年10月17日,東京地方裁判所から破産手続開始決定を受け,平成25年1月18日,破産廃止決定を受けた。 原告は,マナ企画の取締役であった者である。 (2) マナ企画に対する滞納処分処分行政庁及びその委任を受けた中央都税事務所長は,マナ企画の法人事業税及び法人都民税を徴収するために,以下の滞納処分を実施した。 ア平成23年9月12日付け23中税徴差第1248号(ア) 大阪府羽曳野市α×番○の土地及び同所同番の区分建物(いずれもマナ企画所有)の差押え(イ) 平成24年11月 た。 ア平成23年9月12日付け23中税徴差第1248号(ア) 大阪府羽曳野市α×番○の土地及び同所同番の区分建物(いずれもマナ企画所有)の差押え(イ) 平成24年11月20日に公売を実施し,同月27日に配当をした。 イ平成23年9月12日付け23中税徴差第1249号(ア) 大阪府羽曳野市α×番○,同所×番○及び同所×番○の土地(いずれもマナ企画の持分20分の1)の差押え(イ) 平成24年11月20日に公売を実施し,同月27日に配当をした。 ウ平成23年9月12日付け23中税徴差第1250号(ア) 登録番号「○」の自動車(マナ企画所有)の差押え(イ) マナ企画から上記自動車の滞納処分費と見積価格を上回る金額の納付があったため,平成24年5月7日に差押えを解除した。 エ平成24年3月19日付け23主徴機差第3377号(ア) 大阪府羽曳野市α×番○の区分建物に係る賃料債権(債権者マナ企画)の差押え(イ) 平成24年3月26日,4月24日,5月25日,6月26日,7月26日,8月24日,9月24日及び10月29日に差し押さえた債権を取り立てて,配当をした。 (3) マナ企画の滞納金マナ企画は,平成25年1月18日の破産廃止決定時,以下のとおりの被告に対する滞納金があった。 ① 平成16年11月1日から平成17年10月31日までの事業年度(以下「平成17年10月期」といい,他の事業年度についても同様に表記す る。)に係る法人事業税の確定延滞金(法定納期限平成18年1月4日) 32万0800円② 平成17年10月期に係る法人都民税の確定延滞金(法定納期限平成18年1月4日) 22万1400円 確定延滞金(法定納期限平成18年1月4日) 32万0800円② 平成17年10月期に係る法人都民税の確定延滞金(法定納期限平成18年1月4日) 22万1400円③ 平成18年10月期に係る法人事業税の確定延滞金(法定納期限平成19年1月4日) 58万6700円④ 平成18年10月期に係る法人都民税の確定延滞金(法定納期限平成19年1月4日) 43万1900円⑤ 平成19年10月期に係る法人事業税の確定延滞金(法定納期限平成20年1月4日) 102万9900円⑥ 平成19年10月期に係る法人都民税の確定延滞金(法定納期限平成20年1月4日) 124万1800円⑦ 平成20年10月期に係る法人事業税(法定納期限平成21年1月5日) 334万8299円⑧ 上記⑦の未確定延滞金⑨ 平成20年10月期に係る法人都民税(法定納期限平成21年1月5日) 523万3600円⑩ 上記⑨の未確定延滞金⑪ 平成21年10月期に係る法人事業税・特別税(法定納期限平成22年1月4日) 958万4900円⑫ 上記⑪に対する未確定延滞金⑬ 平成21年10月期に係る法人都民税(法定納期限平成22年1月4日) 589万2800円⑭ 上記⑬に対する未確定延滞金(4) 原告に対する納付通知処分行政庁は,平成27年3月31日付けで,原告に対し,上記(3)①ない し⑩の各滞納金(以下,それぞれ「本件滞納金①」などといい,併せて「本件各滞納金」という。)について,地方税法11条の8の第二次納税義務を負うことになったとして,同年4月14日までに本件各滞納金(ただし,5245万 下,それぞれ「本件滞納金①」などといい,併せて「本件各滞納金」という。)について,地方税法11条の8の第二次納税義務を負うことになったとして,同年4月14日までに本件各滞納金(ただし,5245万1750円を限度とする。)を納付(納入)することを求める旨通知した(以下,この通知を「本件納付通知」という。)。本件納付通知に係る通知書(以下「本件通知書」という。)には,「納税義務を課する根拠規定」として「地方税法第11条の8」という記載がある(甲2)。 (5) 原告に対する納付催告処分行政庁は,平成27年4月16日付けで,原告に対し,本件各滞納金(ただし,5245万1750円を限度とする。)を納付(納入)することを求める旨催告した(以下,この催告を「本件納付催告」といい,本件納付通知と併せて,「本件各処分」という。また,本件納付催告に係る通知書を「本件催告書」といい,本件通知書と併せて「本件各書面」という。)。 (6) 原告の異議申立ての経緯ア原告は,平成27年4月13日,処分行政庁に対し,本件納付通知の取消しを求める旨の異議申立てをした。 イ原告は,平成27年4月23日,処分行政庁に対し,本件納付催告の取消しを求める旨の異議申立てをした。 ウ処分行政庁は,平成27年8月12日,上記ア及びイの各異議申立てを棄却する旨の決定をし,その頃,原告に通知した。 (7) 本件訴えの提起原告は,平成27年8月28日,本件訴えを提起した(顕著な事実)。 3 争点(1) 本件各処分が,行政手続法14条1項本文所定の理由の提示を欠くものとして違法であるか否か。 (2) 本件各処分が,地方税法11条の8所定の要件を満たし適法であるか否か。 4 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1 定の理由の提示を欠くものとして違法であるか否か。 (2) 本件各処分が,地方税法11条の8所定の要件を満たし適法であるか否か。 4 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)(理由提示に係る違法性の有無)について(被告の主張)ア理由提示の要否(ア) 憲法94条の規定等により,地方団体に自主財政権に基づく自治課税権が認められていることからして,地方税法は地方団体がその課税権を行使し得る範囲を定める標準法ないし枠法にすぎず,地方団体が住民に対して地方税の賦課徴収を行うためには,条例にその根拠を有さなければならない。 被告は,都税の賦課徴収を行うために,都税条例を制定しているが,地方税法において処分の要件等が完結的に記載され,地方団体の選択の余地がない事項の全てについてまで,都税条例に個別の規定を置くことは困難であることから,都税条例1条において「法令その他に別の定めがあるものの外」と規定し,これを媒介として地方税法に定めのある事項を都税条例のうちに取り込むことにより,地方税法に定めのある事項についても,条例を根拠とする処分とすることを可能とした。 本件各処分は,都税条例1条を根拠として,地方税法11条の8をそのまま適用するものとしてされた,都税条例に基づく処分行政庁の処分であって,行政手続法(第2章から第6章まで)の適用が除外される「地方公共団体の機関がする処分(その根拠が条例又は規則に置かれているものに限る。)」(同法3条3項)に該当する。したがって,本件各処分に理由の提示は不要である。 第二次納税義務者に対する納付の通知等の具体的な方法については,都税条例の下位規則である都税条例施行規則40条の3に定められているところ,本件各処分は同規則に従った方式においてされており,このことか 二次納税義務者に対する納付の通知等の具体的な方法については,都税条例の下位規則である都税条例施行規則40条の3に定められているところ,本件各処分は同規則に従った方式においてされており,このことからみても,本件各処分は都税条例を根拠とする処分である。 (イ) 平成23年法律第115号により地方税法18条の4が一部改正されたのは(以下,この一部改正を「本件改正」という。),国(総務大臣)が行う処分についてのみ,理由提示に関する行政手続法8条及び14条を適用することとしたのであり,地方自治体が行う処分に関する手続については,もとより,行政手続法ではなく各地方自治体の行政手続条例により規定されるものであって,本件改正後も,国税の取扱いを踏まえた各地方自治体の判断に委ねられているものである。 イ憲法31条違反の有無制定法に特段の定めがないときは,憲法上,侵害処分であっても理由提示が必要ということはなく,都税条例12条の2第1項が憲法31条に反することはない。 ウ本件通知書の記載本件通知書における根拠規定の記載は,住民に対する地方税の賦課徴収が都税条例1条を根拠とすることを当然の前提として,同条に基づき適用される具体的な地方税法の該当規定を示すことにより,納税者にとって簡明な表現を意図したものにすぎない。上記記載は,誤りを含むものではなく,不服申立て等の機会に関する教示も別途適切に記載されている。 エ理由提示の有無行政手続法14条1項が書面により行政処分の理由を示さなければならないとしているのは,行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに,処分の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与える趣旨である。この点,第二次納税義務に係る納付告知等の処分は,主たる納税義務が具体的に 判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに,処分の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与える趣旨である。この点,第二次納税義務に係る納付告知等の処分は,主たる納税義務が具体的に確定しており,かつ,当該処分の名宛人と主たる納税者との間に特別な関係があることを前提としてされるものである以上,主たる納税義務の成立につき課税庁の恣意が介在する余地が存在しないばかりか,当該処分に係る書面において適用される条文の記載さえあ れば,当該処分の名宛人が第二次納税義務者として主たる納税義務の履行責任を負う原因となった具体的な事実関係たる課税理由についても,当該処分の名宛人自ら理解できるはずであり,同人による不服の申立てにつき支障が生じることもなく,行政手続法14条1項の趣旨を損なうものではない。 したがって,原告に適用される規定が「地方税法第11条の8」であることを明記した本件各書面は,行政手続法14条1項の趣旨を損なうものではなく,本件各処分に理由提示の点における違法はない。 (原告の主張)ア理由提示の要否(ア) 地方税法2条によれば,地方税の賦課徴収の根拠は,地方税法であって税条例ではない。このことは,同法3条1項が,「地方団体は,その地方税の(中略)賦課徴収について定をするには,当該地方団体の条例によらなければならない。」としており,「賦課徴収をするには」としていないことからも明らかである。 (イ) 国税において国税通則法や国税徴収法が総則的な根拠法令となるのと同様,地方税法は,各地方団体の条例の総則的法令であり,その規定を適用する場合には,条例ではなく,地方税法によらなければならない。 主たる納税義務と第二次納税義務は,法律上別個の租税債務であり,租税法律主義(憲法84条)の帰結 法令であり,その規定を適用する場合には,条例ではなく,地方税法によらなければならない。 主たる納税義務と第二次納税義務は,法律上別個の租税債務であり,租税法律主義(憲法84条)の帰結として,別個の根拠規定により発生するものである以上,主たる納税義務が都税条例に規定されていたとしても,その第二次納税義務が主たる納税義務と同じように都税条例を根拠として発生するということはなく,本件の第二次納税義務は地方税法11条の8を根拠に発生するものである。 また,都税条例1条は,都税条例に規定がないものについては,法令の定めによる旨規定しており,都税条例には第二次納税義務に関する実 体要件の定めも効果についての定めもなく,第二次納税義務の規定がなく,地方税法の定めに従わなければならない。「法令その他に別の定があるものの外」との規定は,文理解釈として,単純に法令その他に別に定めがあるということをいうにすぎず,それ以上の意味を有するものではない。地方税法は枠法にすぎず,処分の根拠は条例にあるとするいわゆる枠法説は,通常の賦課徴収の場合には妥当しても,地方税法の規定が通則的規定として直接的に適用される場合には当てはまらず,都税条例1条が法令の規定を条例に取り込む趣旨の規定であるということはできない。 行政手続法3条3項にいう「その根拠となる規定が条例又は規則に置かれている」か否かについて,条例が制定されて初めて当該処分権限を行使し得るものか否かというテストにより判断すると,上記のとおり,地方税法2条及び3条1項によれば,賦課徴収の根拠は飽くまでも同法であり,第二次納税義務のように同法に完結的な定めがあって,別途条例の制定を要しないものについては,条例を制定しなくても処分権限を行使し得る。 (ウ) 都税条例施 収の根拠は飽くまでも同法であり,第二次納税義務のように同法に完結的な定めがあって,別途条例の制定を要しないものについては,条例を制定しなくても処分権限を行使し得る。 (ウ) 都税条例施行規則40条の3は,「法11条1項の規定による第二次納税義務者に対する納付または納入の告知は,納付(納入)通知書により,同法同条2項の規定による第二次納税義務者に対する納付または納入の督促は,納付(納入)催告書による。」と規定し,地方税法11条1項及び2項のみを根拠規定とし,都税条例を根拠規定としておらず,規則を作成した被告自身が第二次納税義務の根拠法令は地方税法11条1項及び2項であると考えているのである。 (エ) 本件改正における立法者意思は,地方団体が地方税に関して行う処分については,全地方団体に同様の対応を義務付けないというものであると解されるが,行政手続法が適用されるか否かは処分の主体で判断さ れるわけではなく,同法3条3項は,地方公共団体の機関が行う処分や地方公共団体の機関に対する届出のうち,その根拠規定が条例又は規則に置かれているものに限って,同法の適用を除外している。本件改正においては立法者が,枠法説に対する浅い理解を前提に,およそ地方団体が地方税に関して行う処分については,条例に根拠規定があると考え,法律にのみ根拠が置かれているものがあることは想定していなかったものと解される。 また,地方税法1条6号は,納税通知書について,納税者が納付すべき地方税の賦課の根拠となった法律及び当該地方団体の条例の規定を記載するものとしており,地方税法自体が地方税法の各条文が直接適用される場合があることを想定している。 イ憲法31条違反の有無国税においては,税務調査手続の透明性及び納税者の予見可能性を高めるべ のとしており,地方税法自体が地方税法の各条文が直接適用される場合があることを想定している。 イ憲法31条違反の有無国税においては,税務調査手続の透明性及び納税者の予見可能性を高めるべく,その不利益処分に理由の提示を要するところ(国税通則法74条の14第1項),その趣旨は地方税にも当てはまるものであり,理由の提示を不要とする都税条例12条の2第1項は憲法31条に反する。 ウ本件通知書の記載仮に,都税条例の規定が本件各処分の根拠となるなら,本件各書面に都税条例1条を併記すべきであったところ,本件各書面には根拠規定として都税条例が示されず,地方税法11条の8のみが示されており,いわば誤った教示と評価すべきである。信頼の原則により,行政庁が誤った教示をして被処分者がその誤った教示に従った場合,救済されるのであり(行政不服審査法(平成26年法律第68号による改正前のもの)18条,19条),本件でも,理由提示を必要とする地方税法だけが根拠規定として示されていた以上,原告は,当然理由提示が必要とされる処分であると信頼するのであり,かかる信頼を保護する観点から理由提示が必要である。 エ理由提示の有無理由提示の程度としては,適用条文を当該処分の書面に記載するだけで,事実関係が具体的に記載されていない場合には不十分で,違法であるところ,本件各書面には事実関係が具体的に示されていないから,本件各処分は行政手続法14条1項に反し違法である。 (2) 争点(2)(本件各処分の適法性)について(被告の主張)別紙2「本件各処分の根拠」記載のとおり(なお,同別紙において定義した略語は,本文においても用いることとする。)。 (原告の主張)ア別紙2「本件各処分の根拠」の1(1)ないし( 別紙2「本件各処分の根拠」記載のとおり(なお,同別紙において定義した略語は,本文においても用いることとする。)。 (原告の主張)ア別紙2「本件各処分の根拠」の1(1)ないし(4)記載の各事実は認める。 原告に金銭を振り込んだり,現金を渡したりしたのは,訴外Z1,訴外Z2,訴外Z3及び訴外Z4であって,マナ企画ではない。実際,訴外Z1らは報酬を得て原告に現金を渡すこともあったのであり,かかる事実は,訴外Z1らの意思に基づき原告に金銭を渡していたことを示すものである。 課税要件明確主義から,地方税法11条の8の「滞納者」の概念を「滞納者」以外の者に拡大することは認められない。原告について別紙2「本件各処分の根拠」の1記載の要件は認められない。 イ別紙2「本件各処分の根拠」の2ないし4記載の各要件該当性は積極的には争わない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(理由提示に係る違法性の有無)(1) 地方税賦課徴収の根拠地方税法は,地方団体が同法の定めるところによって,地方税を賦課徴収することができる旨を定める(同法2条)とともに,地方団体が「その地方税の税目,課税客体,課税標準,税率その他賦課徴収について定をするには, 当該地方団体の条例によらなければならない」(同法3条1項)と定めており,地方公共団体が自主財政権に基づく自治課税権を有していると解されること(憲法94条)に鑑みても,地方税の賦課徴収の直接の根拠は,地方団体の条例にあると解すべきであり,地方税法は地方団体がその課税権を行使し得る範囲を定める標準法ないし枠法であると解される。なお,地方税法2条は,地方団体が地方税を賦課徴収する権能を付与したものであるが,このことをもって地方税の賦課徴収の根拠が地方税法であるということはできず,この める標準法ないし枠法であると解される。なお,地方税法2条は,地方団体が地方税を賦課徴収する権能を付与したものであるが,このことをもって地方税の賦課徴収の根拠が地方税法であるということはできず,この点の原告の主張は採用できない。 (2) 地方税法11条の8の第二次納税義務についてア地方税法11条の8が規定する無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務については,その賦課徴収の要件及び手続が同法に明確に規定されており,地方団体に選択的判断を許容しておらず,条例において地方税法と異なる定めを置くことも許容していないと解される。もっとも,上記(1)のとおり,地方税の賦課徴収の直接の根拠は,地方団体の条例にあると解されることからすれば,このように地方税法に明確な規定がある場合であっても,条例に規定されることにより住民に適用されるものであって,都税条例1条が,都税及びその賦課徴収については,法令その他に別に定があるものの外,この条例の定めるところによる旨規定するのは,地方税法11条の8を含めた同法の規定を都税条例に取り込む趣旨であると解するのが相当である。なお,同条は,各地方税に共通する項目について定めた通則的規定であるが,通則的規定であることから,当該処分の根拠規定が地方税法に置かれているということにはならない。 イ上記アで述べたところからすれば,都税条例1条は,都税及びその賦課徴収については,飽くまでも同条を介することにより,都税条例に定めるもののほか,地方税法の定めるところによるものとするという趣旨に解され,原告が主張するように,都税条例に要件や効果の定めがない事項につ いては,都税条例1条を介することなく地方税法の規定が直接に適用されるという趣旨に解することはできない。 (3) 行政手続法14条1項本文適用の有無 税条例に要件や効果の定めがない事項につ いては,都税条例1条を介することなく地方税法の規定が直接に適用されるという趣旨に解することはできない。 (3) 行政手続法14条1項本文適用の有無ア行政手続法3条3項は,地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)については,同法第2章から第6章までの規定(同法14条もこれに含まれる。)を適用しない旨を定めるところ,これは,地方自治の尊重という観点から同法の適用除外を認め,地方公共団体の行政手続の規律の在り方を各地方公共団体の自主的な判断に委ねたものと解される(同法46条参照)。そして,同法の適用除外が,処分の根拠規定が条例又は規則に置かれているものに限るとされたのは,処分の根拠規定が法律に置かれている場合には,その手続については行政手続法の規律に従うべきということができるためと解される。 イ本件各処分は,法人都民税及び法人事業税に係る第二次納税義務の納付通知及び納付催告であるところ,上記(1)及び(2)で述べたところからすれば,その根拠規定は,条例に置かれているというべきである。 原告が指摘するように,無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務の要件は,都税条例に具体的に規定されているわけではなく,地方税法11条の8に定めるところに従うことになるものの,それは都税条例1条を介したものであるし,本件各処分の根拠規定が地方税法11条の8であると考えることは,地方団体がその課税権を行使し得る範囲を定める標準法ないし枠法であるという地方税法の性格と相容れないというべきである。 地方税の賦課徴収の直接の根拠が地方団体の条例にあると解される以上,地方税に係る第二次納税義務の賦課徴収は,条例が制定されて初めて行うことができ 方税法の性格と相容れないというべきである。 地方税の賦課徴収の直接の根拠が地方団体の条例にあると解される以上,地方税に係る第二次納税義務の賦課徴収は,条例が制定されて初めて行うことができるというべきである。この点の原告の主張を採用することはできない。 ウこの点,行政手続法の適用除外を定めた地方税法18条の4第1項は,適用除外の対象となる規定から行政手続法8条及び14条を除外するところ,地方税法18条の4第1項は,同法上予定されている総務大臣が行う処分について,行政手続法8条及び14条が適用されることを明らかにしたものであって,地方団体が行う地方税に関する処分について,行政手続法8条及び14条が適用されるとするものとは解されない。 上記のとおり,地方税法18条の4第1項が,適用除外の対象となる規定から行政手続法8条及び14条を除外したのは,本件改正によるものであるところ,平成22年12月16日付けの平成23年度税制改正大綱においては,「地方税に関する総務大臣が行う処分に関する手続については,国税の見直しと併せて所要の措置を講じます。」,「地方税に関する地方自治体が行う処分に関する手続については,全地方自治体に同様の対応を一律に義務付けるのではな」いとされており(乙10),「地方税法,同法施行令,同法施行規則の改正等について」と題する総務大臣の通知(平成23年12月2日付け総税企第156号・各都道府県知事等宛て)においても,「総務大臣が地方税に関する法律に基づき行う不利益処分又は申請により求められた許認可等を拒否する処分について,行政手続法の規定に基づき理由を示すこととした(法18の4)。」とされており(乙11),上記の説示を裏付けるものといえる。 エところで,地方税法1条6号は,納税通知書を「納税 する処分について,行政手続法の規定に基づき理由を示すこととした(法18の4)。」とされており(乙11),上記の説示を裏付けるものといえる。 エところで,地方税法1条6号は,納税通知書を「納税者が納付すべき地方税について,その賦課の根拠となった法律及び当該地方団体の条例の規定(中略)を記載した文書で当該地方団体が作成するものをいう。」とするところ,本件通知書には「納税義務を課する根拠規定」として「地方税法第11条の8」という記載があるものの,都税条例1条の記載はない(前提事実(4))。 しかし,納税通知書は,納税者に対して,納付すべき地方税の内容を知 らせるともに,不服申立ての便宜を図るものであり,その趣旨目的からすると,第二次納税義務の賦課についていえば,その要件及び手続を具体的に定める地方税法の規定のみを記載し,一般的に地方税法の規定を取り込む旨を規定する都税条例1条を記載しないことが不合理なものとはいえず,このことをもって,行政手続法3条3項との関係において,第二次納税義務の賦課徴収の根拠となる規定が条例に置かれていないということはできない。 オまた,都税条例施行規則40条の3は,「法11条1項の規定による第二次納税義務者に対する納付または納入の告知は,納付(納入)通知書により,同法同条2項の規定による第二次納税義務者に対する納付または納入の督促は,納付(納入)催告書による。」と規定し,都税条例1条への言及はないものの,これも,納付(納入)通知書及び催告書に係る具体的な規定が地方税法11条1項及び2項であるために,上記のような規定の仕方になっていると考えられ,このことをもって,行政手続法3条3項との関係において,第二次納税義務の賦課徴収の根拠となる規定が条例に置かれていないということはできない。 めに,上記のような規定の仕方になっていると考えられ,このことをもって,行政手続法3条3項との関係において,第二次納税義務の賦課徴収の根拠となる規定が条例に置かれていないということはできない。 (4) 憲法31条等との関係についてア都税条例12条の2第1項は,都税条例に基づく処分その他公権力の行使に当たる行為については,東京都行政手続条例第2章及び第3章の規定(同条例14条もこれに含まれる。)を適用しない旨定める。 行政手続については,それが刑事手続ではないとの理由のみで,その全てが当然に憲法31条による保障の枠外にあると判断することは相当ではないが,同条による保障が及ぶと解すべき場合であっても,行政処分の相手方に事前の告知,弁解,防御の機会を与えるかどうかは,行政処分により制限を受ける権利利益の内容,性質,制限の程度,行政処分により達成しようとする公益の内容,程度,緊急性等を総合較量して決定されるべ きものであって,常に必ずそのような機会を与えることを必要とするものではないと解すべきである(最高裁昭和61年(行ツ)第11号平成4年7月1日大法廷判決・民集46巻5号437頁参照)。 都税条例に基づく処分その他公権力の行使に当たる行為は,極めて大量かつ回帰的に行われるものであり,理由提示に係る事務負担は少なくなく,これにより制限を受ける納税者の財産上の利益は,事後的な回復が可能であることにも照らすと,都税条例に基づく処分その他公権力の行使に当たる行為について理由を提示することが憲法上要請されているということはできず,都税条例12条の2第1項が憲法31条に反するということはできない。 イこれに対し,平成23年法律第114号による改正後の国税通則法74条の14第1項は,国税に関する法律に基づき行われる処分 ,都税条例12条の2第1項が憲法31条に反するということはできない。 イこれに対し,平成23年法律第114号による改正後の国税通則法74条の14第1項は,国税に関する法律に基づき行われる処分その他公権力の行使に当たる行為については,行政手続法8条及び14条の規定が適用される旨定めるが,これと同時にされた地方税法18条の4に係る本件改正は,上記(3)ウのとおりであって,地方団体の税条例においても,国税通則法と同様に,税条例に基づく処分その他公権力の行使に当たる行為について理由の提示を必要とする旨を定めることが望ましいとはいえても,これを不要とすることが地方税法に反するとはいえない。 (5) 本件通知書の記載について前提事実(4)のとおり,本件通知書には,本件納付通知の根拠規定として地方税法11条の8と記載され,都税条例1条は記載されていないが,このことをもって,処分行政庁が原告に対し本件納付通知が理由提示を必要とする処分であると信頼させたなどと評価することはできない。この点に関する原告の主張は,前提を欠き採用できない。 (6) 小括以上のとおりであって,本件各処分は,行政手続法3条3項にいう地方公 共団体の機関がする処分であり,その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものであると解され,同法14条1項本文は適用されないから,本件各処分がこれに反し違法であるということはできず,また,憲法31条や地方税法に違反するものでもない。 2 争点(2)(本件各処分の適法性)について(1) 別紙2「本件各処分の根拠」の1(1)ないし(4)記載の各事実について当事者間に争いがない。 訴外Z1は,マナ企画の脱税に協力したことに対する報酬として,同1(1)アの振込みに伴い,合計84万3545円の金員を取得し(乙5〔 1(1)ないし(4)記載の各事実について当事者間に争いがない。 訴外Z1は,マナ企画の脱税に協力したことに対する報酬として,同1(1)アの振込みに伴い,合計84万3545円の金員を取得し(乙5〔このうちの検乙5,検甲26〕),訴外Z2も,同様に,同1(2)アの振込みに伴い,合計219万8360円の金員を取得したこと(乙5〔このうちの検乙5,検甲25〕)が認められるが,証拠(乙5〔このうちの検乙5,検甲25,26〕,乙6)によれば,同1(1)イ及び(2)イの金員については,マナ企画が,訴外Z1及び訴外Z2を介して,原告に対して,無償で譲渡したと認められる。 訴外Z3及び訴外Z4名義口座を使った資金の移転は,原告が,これらの口座の通帳及びキャッシュカードを管理し,マナ企画及び原告が同1(3)及び(4)のとおり行ったものである。 したがって,本件各無償譲渡行為は,地方税法11条の8にいう滞納者であるマナ企画が行った無償又は著しく低い額の対価による譲渡に当たるというべきである。 (2) 前提事実(2),(3)に加え,証拠(乙6)及び弁論の全趣旨によれば,別紙2「本件各処分の根拠」の2ないし4記載のとおりと認められる。 (3) したがって,本件各処分はいずれも適法である。 第4 結論以上のとおり,原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部裁判長裁判官林俊之 裁判官梶浦義嗣 裁判官高橋心平 別紙1関係法令等の定め第1 地方税法及び地方税法施行令 1 地方税法1条(用語)(1) 1項この法律において,次の各号に掲げる 裁判官高橋心平 別紙1関係法令等の定め第1 地方税法及び地方税法施行令 1 地方税法1条(用語)(1) 1項この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。 1ないし5号 〔略〕6号納税通知書納税者が納付すべき地方税について,その賦課の根拠となった法律及び当該地方団体の条例の規定,納税者の住所及び氏名,課税標準額,税率,税額,納期,各納期における納付額,納付の場所並びに納期限までに税金を納付しなかった場合において執られるべき措置及び賦課に不服がある場合における救済の方法を記載した文書で当該地方団体が作成するものをいう。 7ないし13号 〔略〕14号地方団体の徴収金地方税並びにその督促手数料,延滞金,過少申告加算金,不申告加算金,重加算金及び滞納処分費をいう。 (2) 2及び3項 〔略〕 2 地方税法2条(地方団体の課税権)地方団体は,この法律の定めるところによって,地方税を賦課徴収することができる。 3 地方税法3条(地方税の賦課徴収に関する規定の形式)(1) 1項地方団体は,その地方税の税目,課税客体,課税標準,税率その他賦課徴収について定をするには,当該地方団体の条例によらなければならない。 (2) 2項 〔略〕 4 地方税法11条(第二次納税義務の通則)(1) 1項地方団体の長は,納税者又は特別徴収義務者の地方団体の徴収金を次条から11条の9まで又は12条の2第2項若しくは第3項の規定により第二次納税義務を有する者(以下「第二次納税義務者」という。)から徴収しようとするときは,その者に対し,納付又は納入すべき金額,納付又は納入の期限及び納付又は納入の場所その他必要な事項を 規定により第二次納税義務を有する者(以下「第二次納税義務者」という。)から徴収しようとするときは,その者に対し,納付又は納入すべき金額,納付又は納入の期限及び納付又は納入の場所その他必要な事項を記載した納付又は納入の通知書により告知しなければならない。 (2) 2項第二次納税義務者が地方団体の徴収金を前項の納付又は納入の期限までに完納しないときは,地方団体の長は,13条の2の規定により繰上徴収をする場合を除き,その期限後20日以内に納付又は納入の催告書を発して督促しなければならない。 (3) 3項ないし5項 〔略〕 5 地方税法11条の8(無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務)滞納者の地方団体の徴収金につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合において,その不足すると認められることが,当該地方団体の徴収金の法定納期限の1年前の日以後に滞納者がその財産につき行った,政令で定める無償又は著しく低い額の対価による譲渡(担保の目的でする譲渡を除く。),債務の免除その他第三者に利益を与える処分に基因すると認められるときは,これらの処分により権利を取得し,又は義務を免かれた者は,これらの処分により受けた利益が現に存する限度(これらの者がその処分の時にその滞納者の親族その他の特殊関係者であるときは,これらの処分により受けた利益の限度)において,当該滞納に係る地方団体の徴収金の第二次納税義務を負う。 6 地方税法18条の4(行政手続法の適用除外) (1) 1項行政手続法3条又は4条1項に定めるもののほか,地方税に関する法令の規定による処分その他公権力の行使に当たる行為については,同法第2章(8条を除く。)及び第3章(14条を除く。)の規定は,適用しない。 (2) 2項 1項に定めるもののほか,地方税に関する法令の規定による処分その他公権力の行使に当たる行為については,同法第2章(8条を除く。)及び第3章(14条を除く。)の規定は,適用しない。 (2) 2項 〔略〕 7 地方税法施行令6条(無償又は著しい低額の譲渡等の範囲)法11条の8に規定する政令で定める処分は,国及び法人税法2条5号の公共法人以外の者に対する処分で無償又は著しく低い額の対価によるものとする。 第2 行政手続法 1 3条(適用除外)(1) 1及び2項 〔略〕(2) 3項1項各号及び前項各号に掲げるもののほか,地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)及び行政指導,地方公共団体の機関に対する届出(前条7号の通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)並びに地方公共団体の機関が命令等を定める行為については,次章(注・第2章)から第6章までの規定は,適用しない。 2 14条(不利益処分の理由の提示。同条は第3章に置かれている。)(1) 1項行政庁は,不利益処分をする場合には,その名あて人に対し,同時に,当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし,当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は,この限りでない。 (2) 2項 〔略〕(3) 3項 不利益処分を書面でするときは,前2項の理由は,書面により示さなければならない。 第3 東京都都税条例(昭和25年東京都条例第56号,乙1。以下「都税条例」という)及び東京都都税条例施行規則(昭和25年東京都規則第126号,乙2。以下「都税条例施行規則」という。) 1 都税条例1条(課税の根拠)東京都都税(以下「都税」という。)及びその賦課徴収については 及び東京都都税条例施行規則(昭和25年東京都規則第126号,乙2。以下「都税条例施行規則」という。) 1 都税条例1条(課税の根拠)東京都都税(以下「都税」という。)及びその賦課徴収については,法令その他に別に定があるものの外,この条例の定めるところによる。 2 都税条例12条の2(東京都行政手続条例の適用除外)(1) 1項東京都行政手続条例3条又は4条に定めるもののほか,この条例に基づく処分その他公権力の行使に当たる行為については,同条例第2章及び第3章の規定は,適用しない。 (2) 2項 〔略〕 3 都税条例施行規則40条の3(第二次納税義務者に対する納付の通知等)法11条1項の規定による第二次納税義務者に対する納付または納入の告知は,納付(納入)通知書により,同法同条2項の規定による第二次納税義務者に対する納付または納入の督促は,納付(納入)催告書による。 第4 東京都行政手続条例(平成6年東京都条例第142号,乙3)14条(不利益処分の理由の提示。同条は第3章に置かれている。) 1 1項行政庁は,不利益処分をする場合には,その名あて人に対し,同時に,当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし,当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は,この限りでない。 2 2項 〔略〕 3 3項 不利益処分を書面でするときは,前2項の理由は,書面により示さなければならない。 以上 別紙2本件各処分の根拠 1 納税者がその財産につき無償又は著しく低い額の対価による譲渡,債務の免除その他第三者に利益を与える処分を行ったこと地方税法11条の8の定める無償譲渡等による財産の処分は,必ずしも贈与,売買,債務免除,財産分与等特定の行為類型に属することを必要とせず,これら各 免除その他第三者に利益を与える処分を行ったこと地方税法11条の8の定める無償譲渡等による財産の処分は,必ずしも贈与,売買,債務免除,財産分与等特定の行為類型に属することを必要とせず,これら各種の約因を帯有する行為であっても,それによって第三者に異常な利益を与えるものであれば足りるものと解されているところ,マナ企画は,取引の実体がないままに,虚偽の請求書に対する架空の外注工事費等の支払として,原告の知人である以下の他人名義の口座に合計1億1349万7635円を振り込み,少なくとも,そのうち合計5245万1750円を手渡し又は口座振込の方法により原告に取得させることにより,何らの対価なく同社の資金を移転させ,原告に不当な利益を得させようとしたものであって,マナ企画から原告に対して,その財産につき無償譲渡等の財産の処分が行われたといえる。 (1) 訴外Z1名義口座経由についてアマナ企画から訴外Z1名義口座への振込みマナ企画から,訴外Z1名義口座(三井住友銀行Z5支店)に対して,訴外Z1が原告からの依頼に基づき作成した虚偽の請求書に対する支払として,以下の資金が振り込まれた。 平成20年4月3日 334万1765円同年7月23日 191万0265円同月24日 309万1515円小計 834万3545円イ訴外Z1から原告への現金の手渡し訴外Z1は,上記ア記載の振込みを受けて,以下の資金を引き出し,原告に手渡した(なお,上記資金の移動の具体的な日時は不明だが,訴外Z1名 義の口座から平成20年4月7日に300万円,同年7月25日に450万円が引き出されている。)。 平成20年4月3日振込分 300万0000円 日時は不明だが,訴外Z1名 義の口座から平成20年4月7日に300万円,同年7月25日に450万円が引き出されている。)。 平成20年4月3日振込分 300万0000円同年7月23日振込分 180万0000円同月24日振込分 270万0000円小計 750万0000円(2) 訴外Z2名義口座経由についてアマナ企画から訴外Z2名義口座への振込みマナ企画から,訴外Z2名義口座(みずほ銀行Z6支店)に対して,訴外Z2が原告からの依頼を受けて作成した虚偽の請求書に対する支払として,以下の資金が振り込まれた。 平成19年4月11日 524万9265円同年8月3日 329万2065円同月7日 773万7765円平成20年3月28日 707万1015円小計 2335万0110円イ訴外Z2名義口座から原告名義口座への振込み訴外Z2は,上記ア記載の振込みを受けて,以下の資金を原告名義口座(ゆうちょ銀行)に対して振り込んだ。 平成19年4月24日 475万0000円同年8月7日 300万0000円同月8日 703万0000円平成20年3月31日 637万1750円小計 2115万1750円(3) 訴外Z3名義口座経由についてアマナ企画から訴外Z3名義口座への振込み マナ企画から,訴外Z3名義口座(三菱東京UFJ銀行Z7支店)に対して,原告が作成した「Z8」名義による虚偽の請求書に対する支払として,以下の資金が振り込まれた。 口座への振込み マナ企画から,訴外Z3名義口座(三菱東京UFJ銀行Z7支店)に対して,原告が作成した「Z8」名義による虚偽の請求書に対する支払として,以下の資金が振り込まれた。 平成19年7月20日 186万9265円同年8月15日 306万1590円同年9月7日 520万3765円同年10月23日 299万2290円平成20年3月19日 695万8665円同年7月24日 410万0265円同月31日 158万4765円同年8月25日 312万1440円同年10月17日 176万2215円同年12月8日 293万9265円同月17日 650万9265円平成21年7月24日 222万5265円小計 4232万8055円イ訴外Z3名義口座からの原告名義口座への振込み原告は,上記ア記載の振込みがされた訴外Z3名義口座の通帳及びキャッシュカードを管理しており,以下の資金を,自ら原告名義口座(さわやか信用金庫Z9支店)に対して振り込んだ。 平成19年7月30日 100万0000円同年8月16日 100万0000円同月20日 100万0000円同年9月13日 100万0000円同月14日 100万0000円同年10月2日 100万0000円 同月30日 100万0000円同年11月1日 100万0000円平成20年3月24日 同年10月2日 100万0000円 同月30日 100万0000円同年11月1日 100万0000円平成20年3月24日 200万0000円同月26日 100万0000円同月31日 100万0000円小計 1200万0000円(4) 訴外Z4口座経由についてアマナ企画から訴外Z4名義口座への振込みマナ企画から,訴外Z4名義口座(三井住友銀行Z10支店)に対して,原告が作成した「Z11」名義による虚偽の請求書に対する支払として,以下の資金が振り込まれた。 平成18年12月19日 185万9265円平成19年7月20日 280万3815円同年8月3日 414万6135円同年9月11日 476万0490円同年10月29日 257万3865円平成20年3月21日 648万7215円同年7月24日 252万4265円同月31日 101万2515円同年8月25日 220万2270円同年10月17日 170万0265円同年12月8日 363万2265円同月9日 419万9265円平成21年7月27日 157万4265円小計 3947万5895円イ訴外Z4名義口座からの原告名義口座への振込み 原告は,上記ア記載の振込みがされた訴外Z4名義口座の通帳及びキャッシュカードを管理しており,以下の資金を,自ら原告名義口座(さわやか信 イ訴外Z4名義口座からの原告名義口座への振込み 原告は,上記ア記載の振込みがされた訴外Z4名義口座の通帳及びキャッシュカードを管理しており,以下の資金を,自ら原告名義口座(さわやか信用金庫Z9支店)に対して振り込んだ。 平成18年12月21日 100万0000円平成19年7月30日 100万0000円同年8月3日 80万0000円同月6日 100万0000円同月7日 100万0000円同年9月14日 100万0000円同年10月2日 100万0000円平成20年3月24日 200万0000円同月26日 200万0000円同月31日 100万0000円小計 1180万0000円 2 上記1の処分が徴収金の法定納期限の1年前の日以後にされたものであること(1) 平成21年10月期に係る法人二税の滞納金(本件滞納金⑪ないし⑭)マナ企画の平成21年10月期に係る法人事業税及び法人都民税(以下,併せて「法人二税」という。)の法定納期限は平成22年1月4日であり,その1年前の日は平成21年1月4日である。 これに対し,上記1(1)ないし(4)の行為(以下「本件各無償譲渡行為」という。)のうち,同日以後にされた事実は確認できなかったため,当該都税に係る滞納金については,徴収金の法定納期限の1年前の日以後にされたものであるという要件を満たさない。 (2) 平成20年10月期に係る法人二税の滞納金(本件滞納金⑦ないし⑩)マナ企画の平成20年10月期に係る法人二税の法定納期限は平成21年1月5日であり,その1年前の日は平 要件を満たさない。 (2) 平成20年10月期に係る法人二税の滞納金(本件滞納金⑦ないし⑩)マナ企画の平成20年10月期に係る法人二税の法定納期限は平成21年1月5日であり,その1年前の日は平成20年1月5日である。 これに対し,本件各無償譲渡行為として,合計2287万1750円の資産が,同日以降に処分されており,当該都税に係る滞納金については,同額を限度として,徴収金の法定納期限の1年前の日以後にされたものであるという要件を満たす。 (3) 平成19年10月期に係る法人二税の滞納金(本件滞納金⑤及び⑥)マナ企画の平成19年10月期に係る法人二税の法定納期限は平成20年1月4日であり,その1年前の日は平成19年1月4日である。 これに対し,本件各無償譲渡行為として,合計5145万1750円の資産が,同日以降に処分されており,当該都税に係る滞納金については,同額を限度として,徴収金の法定納期限の1年前の日以後にされたものであるという要件を満たす。 (4) 平成18年10月期に係る法人二税の滞納金(本件滞納金③及び④)マナ企画の平成18年10月期に係る法人二税の法定納期限は平成19年1月4日であり,その1年前の日は平成18年1月4日である。 これに対し,本件各無償譲渡行為として,合計5245万1750円の資産が,同日以降に処分されており,当該都税に係る滞納金については,同額を限度として,徴収金の法定納期限の1年前の日以後にされたものであるという要件を満たす。 (5) 平成17年10月期に係る法人二税の滞納金(本件滞納金①及び②)マナ企画の平成17年10月期に係る法人二税の法定納期限は平成18年1月4日であり,その1年前の日は平成17年1月4日である。 これに対し,本件各無償譲渡行為として,合計5245万1750 び②)マナ企画の平成17年10月期に係る法人二税の法定納期限は平成18年1月4日であり,その1年前の日は平成17年1月4日である。 これに対し,本件各無償譲渡行為として,合計5245万1750円の資産が,同日以降に処分されており,当該都税に係る滞納金については,同額を限度として,徴収金の法定納期限の1年前の日以後にされたものであるという要件を満たす。 3 納税者の滞納徴収金につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足する と認められること前提事実(2)のとおり,処分行政庁及び中央都税事務所長が,マナ企画に係る都税等の滞納金を徴収するため,同社に属する不動産,自動車及び賃料債権に対して滞納処分を行っても,滞納金全額に充当することはできなかった上に,同社については,破産手続が開始され,さらに,破産手続費用不足を理由に同手続が廃止されている。 したがって,マナ企画の本件各滞納金につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる。 4 上記3の徴収不足が上記1の処分に基因すると認められること(その処分がなかったならば,現在の徴収不足が生じなかったと認められること)本件各無償譲渡行為により,マナ企画から原告に対して,他人名義の口座を経由して少なくとも5245万1750円もの資金を流出させなければ,マナ企画は,同資金を納税原資として都税等の滞納金に納付でき,徴収不足が生じなかった。 5 小括以上のとおり,原告は,マナ企画の本件各滞納金につき地方税法11条の8の定める各要件を満たしている。 以上

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