主文 1⑴ 被告Cは,原告Aに対し,22万円及びこれに対する平成31年3月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑵ 被告D,被告E,被告F及び被告Gは,原告Aに対し,それぞれ16万5000円及びこれに対する被告Dは同日から,被告E及び被告Fは同月22 日から,被告Gは同月27日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2⑴ 被告Cは,原告B株式会社に対し,22万円及びこれに対する平成31年3月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑵ 被告D,被告E,被告F及び被告Gは,原告B株式会社に対し,それぞれ 16万5000円及びこれに対する被告Dは同日から,被告E及び被告Fは同月22日から,被告Gは同月27日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,原告らに生じた費用の25分の17,被告Cに生じた費用の5 分の3,被告D,被告E,被告F及び被告Gに生じた費用の各10分の7を原告らの負担とし,原告らに生じた費用の25分の2及び被告Cに生じた費用の5分の2を被告Cの,原告らに生じた費用の50分の3及び被告Dに生じた費用の10分の3を被告Dの,原告らに生じた費用の50分の3及び被告Eに生じた費用の10分の3を被告Eの,原告らに生じた費用の50分の3及び被告 Fに生じた費用の10分の3を被告Fの,原告らに生じた費用の50分の3及び被告Gに生じた費用の10分の3を被告Gの各負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 原告Aの請求 被告らは,原告Aに対し,それぞれ55万円及びこれに対する被告C及び被 告Dは平成31年 各負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 原告Aの請求 被告らは,原告Aに対し,それぞれ55万円及びこれに対する被告C及び被 告Dは平成31年3月21日から,被告E及び被告F(以下,被告D,被告E及び被告Fを併せて「被告Dら」という。)は同月22日から,被告Gは同月27日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告B株式会社の請求被告らは,原告B株式会社に対し,それぞれ55万円及びこれに対する被告 C及び被告Dは平成31年3月21日から,被告E及び被告Fは同月22日から,被告Gは同月27日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 平成29年6月に,神奈川県の東名高速道路において,いわゆるあおり運転 を発端とする死傷事故(以下「本件事故」という。)が発生し,原告Aと同姓の男性(以下「本件男性」という。)が,本件事故等に係る行為について危険運転致死傷罪等の被疑事実で逮捕された。 本件は,原告らが,被告らに対し,被告らにおいてインターネット上に開設された電子掲示板等に,本件男性が原告Aの子であり,原告Aが代表取締役を 務める原告B株式会社に勤務するという虚偽の情報(以下「本件虚偽情報」という。)をそれぞれ投稿したことにより,原告らの名誉ないし信用を毀損し,原告B株式会社の業務を妨害したとして,被告らに対し,不法行為に基づき,原告Aにおいては,それぞれ損害金55万円及びこれらに対する訴状送達日の翌日(被告C及び被告Dにつき平成31年3月21日,被告E及び被告Fにつ き同月22日,被告Gにつき同月27日)から各支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅 き平成31年3月21日,被告E及び被告Fにつ き同月22日,被告Gにつき同月27日)から各支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の各支払を求め,原告B株式会社においては,それぞれ損害金55万円及びこれらに対する訴状送達の日の翌日(前同)から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の各支払を求めた事案である。 2 前提事実(当事者間に争いがないか,証拠〈事実の後に掲記〉及び弁論の全 趣旨により容易に認定できる事実)⑴ 当事者ア原告Aは,原告B株式会社の代表取締役を務める男性であり,本件男性と同姓であるが,本件男性との親族関係はない。 原告B株式会社は,設備建設業を営む株式会社であり,本件男性が原告 B株式会社で勤務したことはない。 イ被告らは,本件事故に関連し,インターネット上でそれぞれ後記各投稿をした者である。 ⑵ 本件事故の発生及び本件男性の逮捕平成29年6月,神奈川県の東名高速道路において,乗用車を運転する本 件男性が,上記高速道路を走行するワゴン車(以下「被害車両」という。)に対していわゆるあおり運転を行い,被害車両に乗車する運転手等が死傷する交通事故(本件事故)が発生した。 本件男性は,同年10月10日,本件事故等に係る行為について危険運転致死傷罪等の被疑者として逮捕された。 ⑶ 被告らによる投稿ア被告Cによる投稿被告Cは,同月11日午前7時52分,インターネット上に開設され,不特定多数の者が閲覧可能な電子掲示板「5ちゃんねる」(以下「本件掲示板」という。)上の「【東名夫婦死亡事故】H容疑者,『なぜPAから 追いかけて行った?』との質問に『やっぱこっちもカチ れ,不特定多数の者が閲覧可能な電子掲示板「5ちゃんねる」(以下「本件掲示板」という。)上の「【東名夫婦死亡事故】H容疑者,『なぜPAから 追いかけて行った?』との質問に『やっぱこっちもカチンとくるけん』★13」と題する一連の投稿(以下「スレッド」という。)において,「>>793(中略)これ?違うかな。(URL省略)」という,別紙2「記述目録1」記載の記述(以下「本件記述1」という。)を投稿した。 なお,本件記述1のうち「>>793」の部分は,先行して同日午前7 時34分に投稿されたレス番号(投稿番号)793,本件男性「の親って a区で建設会社社長をしてるってマジ?息子逮捕で会社を守るために社員からアルバイトに降格したの?」という記述(以下「本件返信元記述」という。)に対する返信であることを意味する。 本件記述1のうちURL(UniformResourceLocator の略。情報の所在を表す符号)の部分は,同部分をクリックすると,地図ポータルサイト 「NAVITIME」において原告B株式会社の情報が掲載されたウェブページ(以下「本件検索結果ページ」という。)に移動するようハイパーリンク(文書中の文字や画像にURLを設定する機能。一定の操作により別のウェブサイトが表示される。)が設定されており,本件検索結果ページには,原告B株式会社の所在地,電話番号等が表示されていた。 (甲45)イ被告Gによる投稿被告Gは,同日午前7時58分,本件掲示板上の「【東名停車死亡事故】建設作業員のH(25)を逮捕★3」と題するスレッドにおいて,別紙3「記述目録2」記載の記述(以下「本件記述2」という。)を投稿し た。 本件記述2のうち「>>313」の部分は,先行して同日午前7時54分に投稿さ 逮捕★3」と題するスレッドにおいて,別紙3「記述目録2」記載の記述(以下「本件記述2」という。)を投稿し た。 本件記述2のうち「>>313」の部分は,先行して同日午前7時54分に投稿されたレス番号313,本件男性の「親兄弟の勤務先を特定するまでが祭りだ北海道の危険運転致死事件では実家特定までできたからな」という記述に対する返信であることを意味する。 本件記述2のうちURL部分は,本件検索結果ページに移動するようハイパーリンクが設定されていた。 (甲36,37)ウ被告Dによる投稿被告Dは,同月11日頃,不特定多数の者が閲覧可能なインターネット 上のブログサイト(日記や意見の発表にしばしば利用されるウェブページ の種類)において,別紙4「記述目録3」記載の記述(以下「本件記述3」という。)を投稿した。 (甲23,26)エ被告Eによる投稿被告Eは,同月12日午前9時06分から同日午後2時56分頃までの 間,インターネットに開設され,不特定多数の者が閲覧可能な電子掲示板「まちBBS」において,別紙5「記述目録4」記載の記述を投稿し,また,本件掲示板上のスレッド等に上記と同内容の記述を投稿した(少なくとも合計3件。以下,これらを併せて「本件記述4」という。)。 (甲28ないし30) オ被告Fによる投稿について被告Fは,同日午前11時56分及び同月14日午後2時35分,本件掲示板上の「【朝倉魂】がまだせ九州アウトロー【大分魂】[無断転載禁止]©2ch.net」と題するスレッドにおいて,別紙6「記述目録5」記載の2件の記述(以下,2件の上記記述を併せて「本件記述5」と いい,本件記述1から本件記述5までを併せて「本件各記述」という。)を投稿し t」と題するスレッドにおいて,別紙6「記述目録5」記載の2件の記述(以下,2件の上記記述を併せて「本件記述5」と いい,本件記述1から本件記述5までを併せて「本件各記述」という。)を投稿した。 (甲1,32,33) 3 争点⑴ 原告らの社会的評価が低下したか ⑵ 故意過失の有無⑶ 損害額 4 争点に対する当事者の主張⑴ 争点⑴(原告らの社会的評価が低下したか)について(原告らの主張) ア原告らの社会的評価が低下したこと 罪を犯した者の使用者又は親族であるという事実は,当該犯罪者との間に社会生活上密接な関連性を有する事実があることを想起させるもので,既に確立された一定の社会的評価,すなわち,犯罪者が被用者ないし親族にいないことを毀損する。 本件男性に対しては,平成30年12月18日,横浜地方裁判所におい て懲役18年の実刑判決が言い渡されたところ,本件事故は,本件男性が逮捕された当時,社会の関心が高く,本件男性について悪感情を抱く市井の人々が多くいた。このような状況の中,被告らは,真実性の調査をせず漫然と,それぞれ本件虚偽情報を原告B株式会社の所在地及び電話番号等と併せて掲載する方法で,本件掲示板等に公然と摘示したもので,当時の 上記状況に照らして,本件各記述は,虚偽の事実(本件虚偽情報)を摘示し,読み手にこれを真実と誤信させ,原告らの社会的評価を低下させるものである。 したがって,被告らの本件各記述は,原告らの社会的評価を低下させる。 イ被告Cに対する反論本件記述1が,疑問符を付して真実として断定されていないとしても,本件記述1の読み手は,本件虚偽情報が真実である可能性があると受け取るから,本件記述1は,原告らの社会的評価を害するに足りる事実 論本件記述1が,疑問符を付して真実として断定されていないとしても,本件記述1の読み手は,本件虚偽情報が真実である可能性があると受け取るから,本件記述1は,原告らの社会的評価を害するに足りる事実を摘示したものである。 ウ被告Dらに対する反論信用毀損罪(刑法233条)の客体である「信用」とは,人の支払能力・意思に関する信用及び商品の品質に対する社会的信頼であるところ,本件で問題となる民事上の法的保護を受ける社会的評価は,概念として信用毀損罪の「信用」よりも広い。したがって,警察が信用毀損被疑事件とし ての立件を見送ったから原告B株式会社の信用が低下しないということは できない。そして,社会の耳目を引く事故態様によって危険運転致死傷罪で逮捕された本件男性を雇用するという虚偽の事実(本件虚偽情報)は,原告B株式会社の従業員の質に関わるもので,社会的信頼を毀損する。 (被告Cの主張)本件記述1は,本件返信元記述に対して返信する形式でされたものにすぎ ない上,文末に「?」を付けて疑問文の体裁をとっており,原告らの社会的評価を低下させる事実の摘示ということはできない。また,会社が,従業員による業務と無関係の犯罪行為に対する責任まで共有すべきであるとか,親が,民法上監督責任のない成人した子の犯罪行為の責任を負うべきであるという共通認識はないから,本件記述1により原告らの名誉は毀損されない。 インターネット上に流布された情報は,そもそも不確かなものであるところ,原告B株式会社が受けた電話は,その内容をみると,原告B株式会社が本件男性の勤務先であるかを確認する趣旨のものばかりであり,これは,本件記述1により原告らの社会的評価が毀損されなかったことの証左である。 (被告Gの主張) 内容をみると,原告B株式会社が本件男性の勤務先であるかを確認する趣旨のものばかりであり,これは,本件記述1により原告らの社会的評価が毀損されなかったことの証左である。 (被告Gの主張) 認める。 (被告Dらの主張)本件記述3から本件記述5までは,原告らが違法な行為をしたとか,反道徳的な行為をしたとするものではなく,本件男性の立ち回り先に関する情報,すなわち,原告B株式会社が本件男性の勤務先であり,原告B株式会社 の代表者である原告Aが本件男性の実父であるとした上で,原告B株式会社の所在地や電話番号を摘示したにすぎず,これらにより原告らの社会的評価が下がったということはできない。 また,被告Dは,本件記述3を投稿するに際し,他者の投稿内容を引用し,「?」や「様」を付けて,未確認情報であることを明らかにしたもので ある上,本件記述3から本件記述5までが投稿された当時,これらの投稿以 外にも未確認情報であることを示す投稿が多数あったと考えられることに照らすと,通常人を標準にすれば,被告Dらの投稿によって原告らの社会的評価が低下したとはいうことはできない。 さらに,本件記述3から本件記述5までの内容は,財産的な問題とは無関係であるから信用毀損には当たらないところ,原告B株式会社は,刑事事件 の報告書において「経済的側面に対する信用失墜までは至っていなかった」とされたのであるから,原告B株式会社の信用が被告Dらの各投稿により低下したということはできない。 なお,被告Dは,本件記述3に記載した内容が事実と異なるという情報を得た後即座に本件記述3を訂正する投稿をし,これに加えて,削除の要請が される前に本件記述3を削除した上,同月18日,謝罪の記事を掲載した。 ⑵ 争点⑵ した内容が事実と異なるという情報を得た後即座に本件記述3を訂正する投稿をし,これに加えて,削除の要請が される前に本件記述3を削除した上,同月18日,謝罪の記事を掲載した。 ⑵ 争点⑵(故意過失の有無)について(原告らの主張)被告らは,それぞれ,刑事事件の取調べにおいて,本件各記述を投稿するに際し原告らの名誉を毀損することについて故意ないし過失があることを自 認したのであるから,被告らは,故意又は過失により原告らの名誉ないし信用を毀損し,業務を妨害したというべきである。また,疑問符が付されても,読み手が事実として受け取り拡散することは容易に予見できるから,断定的表現でないからといって,被告らの名誉毀損に係る故意又は過失は否定されない。 そして,本件各記述は,本件虚偽情報に加えて原告B株式会社の所在地や電話番号を摘示したものであるところ,これは,原告らに対して悪感情を抱いた者が苦情や嫌がらせの電話をかけることを企図したとしか考えられず,悪性が高い。 (被告Cの主張) 否認ないし争う。被告Cは,原告らの名誉を毀損する意図があったもので はない。 (被告Dらの主張)被告Dらは,本件掲示板等において既に拡散されていた本件虚偽情報を見て,それを真実と誤信したために,本件虚偽情報を含む本件記述3から本件記述5までの各投稿をしたのであって,故意に虚偽の事実を摘示したもので はない上,本件記述3から本件記述5までは,上記のとおり,原告らの名誉に関する情報ではないから,被告Dらは,原告らの名誉を毀損するとは認識しておらず,認識可能性もない。また,原告らに対する嫌がらせがあることを予見することはできなかった。 なお,被告Dらの供述調書は,誘導的ないし高圧的な尋問により取調官が 誉を毀損するとは認識しておらず,認識可能性もない。また,原告らに対する嫌がらせがあることを予見することはできなかった。 なお,被告Dらの供述調書は,誘導的ないし高圧的な尋問により取調官が その意とする供述を押し付けた結果作成されたものであり,信用性がない。 ⑶ 争点⑶(損害額)について(原告らの主張)原告Aは,本件各記述により精神的損害を受け,また,報道機関に対し事実が異なる旨の報道をするよう依頼した上,捜査機関に対して掲示板管理者 に対する削除要請を求めるなどする必要があった。さらに,原告Aは,子に対して学校を休ませ,家族の防犯対策として150万円を支出するなどした。原告Aが受けたこのような精神的苦痛を慰謝するに足りる金額は,被告らそれぞれについて50万円を下らない。また,原告Aに生じた弁護士費用相当損害金として,被告らそれぞれについて5万円が認められるべきであ る。 原告B株式会社は,建設業を営み,企業努力によって取引先との間で相応の信頼を築いてきたところ,本件各記述により,信用毀損による無形の経済的損害を受け,日本国内の取引先を回って事情を説明して弁解することを余儀なくされた上,本件各記述を見た者により原告B株式会社に対する電話が 数多くあり,平成29年10月12日から同月13日まで休業を余儀なくさ れた。原告B株式会社が本件各記述により受けた損害は,被告らそれぞれについて50万円を下らない。また,原告B株式会社に生じた弁護士費用相当損害金として,被告らそれぞれについて5万円が認められるべきである。 ア被告Cに対する反論原告B株式会社は,注文者に対して当該仕事に従事する原告B株式会社 の従業員及び原告B株式会社の下請会社の従業員の名簿を届け出 が認められるべきである。 ア被告Cに対する反論原告B株式会社は,注文者に対して当該仕事に従事する原告B株式会社 の従業員及び原告B株式会社の下請会社の従業員の名簿を届け出ていたことから,届け出ていない本件男性を原告B株式会社が従業員として雇用しているという虚偽の事実を注文者が知った場合,疑念が払しょくされるまでの間,原告B株式会社が当該仕事から排除される可能性があった。そのため,原告Aは,原告B株式会社が円滑に仕事を遂行できるよう注文者に 対し原告らと本件男性が無関係であることを自発的に説明する必要があった。また,一つ一つの仕事が数千万円という高額なものであるため,電話連絡で済ませることはできず,原告Aは,注文者の代表者等に対面で説明をし,信頼を維持ないし回復させる必要があった。 そして,被告Cは,原告B株式会社の所在地や連絡先等が閲覧できる本 件検索結果ページのURLを付した投稿をしたもので,原告B株式会社を特定するに足りる情報を最初に公にしたのであるから,独自に情報を発信した拡散元というべきで,悪質性が高い。 イ被告Gに対する反論被告Gは,原告B株式会社の所在地等が掲載された本件検索結果ページ のURLを添付して本件記述2をしたもので,原告B株式会社を特定するに足りる情報を公にしたのであるから,本件記述2は,独自に情報を発信した拡散元として悪質性が高い。 ウ被告Dらに対する反論本件記述3から本件記述5までがなければ,原告らの社会的評価の低下 はなく,「あれなければこれなし」の関係がある。 被告Dらは,刑事事件の取調べにおいて,本件男性及びその家族への社会的制裁や原告B株式会社の評価が下がることなどを目的 はなく,「あれなければこれなし」の関係がある。 被告Dらは,刑事事件の取調べにおいて,本件男性及びその家族への社会的制裁や原告B株式会社の評価が下がることなどを目的として本件各記述を行ったことを認めた上,本件各記述により更に拡散して本件会社への嫌がらせ電話等があることも認識したと供述しているのであって,被告Dらの企図するとおり,原告らの業務妨害等の結果が生じた。 (被告Cの主張)被告Cが本件記述1をした当時,本件記述1と同じような内容の投稿をした者は他にも多数存在した。また,被告Cは,本件返信元記述から得られた情報を基に,インターネット上で検索をして原告B株式会社を特定したところ,本件返信元記述は,質問を装って,本件返信元記述から得られた情報を 基にインターネット上で原告B株式会社を探し当てるよう誘導する目的でされたものであるから,本件返信元記述こそが本件虚偽情報の拡散元というべきであって,本件記述1が,他の多くの投稿の引用元になったという根拠はない。 被告Cは,本件虚偽情報の拡散元ではないから,原告らについて生じた損 害の全てを被告らが負うものではない。そして,原告B株式会社が主張する損害は,第三者による多数の迷惑電話がかかってきたことであるところ,そのような迷惑電話をかけた者こそその責任を追及されるべきであって,被告らがその者らの責任を負ういわれはない。 また,本件各記述の内容が虚偽であることは報道されたのであるから,原 告Aが原告B株式会社の取引先に直接出向く必要性には疑問がある。 (被告Gの主張)争う。 被告Gは,本件虚偽情報の拡散元ではない。また,本件記述2は,「ハッキリしたわけではないが」として不確定な情報である旨を明示したも 出向く必要性には疑問がある。 (被告Gの主張)争う。 被告Gは,本件虚偽情報の拡散元ではない。また,本件記述2は,「ハッキリしたわけではないが」として不確定な情報である旨を明示したものであ るから,他の明白な虚偽の情報を投稿した者と同等の損害賠償義務を負うと するのは不合理であり,請求額が高額にすぎる。 (被告Dらの主張)被告Dらは,原告らに対して苦情や嫌がらせ電話をしたことはなく,そのような意図はなかった。仮に,原告らが主張する嫌がらせ電話があったとしても,それは嫌がらせ電話をした者が自分の判断に基づいてしたものであっ て,業務妨害の責任を負うのは電話をした者であり,被告Dらの各投稿を見たことからそのような行動に及んだことの立証はないから,被告Dらの各投稿と上記嫌がらせ電話等との間の自然的因果関係,条件関係がない。また,被告Dは,削除要請前に,本件記述3の訂正や削除を行った。 捜査報告書(甲1)によれば,被告Cの投稿がなければ,本件虚偽情報が 拡散することはなかったと思われるものの,被告Dらの投稿がなければ誤った情報が拡散することはなかったということはできない。 したがって,原告らの主張する損害は存在しないか,存在するとしても本件記述3から本件記述5までと因果関係がない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提事実のほか,証拠(事実の後に掲記)及び弁論の全趣旨並びに当裁判所に顕著な事実及び公知の事実によれば,以下の事実が認められる。 ⑴ 本件事故の発生及び本件男性の逮捕本件事故は,本件男性が,平成29年6月,神奈川県の東名高速道路にお いて,夫婦とその子らが乗車する被害車両の進路を自己の運転する車両でふさいで通行を妨害し,追い越 生及び本件男性の逮捕本件事故は,本件男性が,平成29年6月,神奈川県の東名高速道路にお いて,夫婦とその子らが乗車する被害車両の進路を自己の運転する車両でふさいで通行を妨害し,追い越し車線上に被害車両を停止させ,その後,後続のトラックが被害車両に追突し,被害車両の夫婦が死亡し,同乗する子らが傷害を負ったものである。 本件男性は,同年10月10日,本件事故について危険運転致死傷罪等の 被疑者として逮捕された。本件事件及び本件男性の逮捕は,報道機関が大々 的に取り上げて報道し,本件事故に至るまでの本件男性の行為が悪質であるなどとして,その頃,インターネット上などにおいて,本件男性に対する批判的な意見が数多く出るなど,本件男性に対する社会的非難の度合いは強いものであった。 (甲1〔3 丁目〕,24〔4・5 頁〕,29〔3 頁〕,30〔1・2 頁〕,33 〔2・3 頁〕,37〔3・4 頁〕,38〔1・2 頁〕,43〔6~8 丁目〕,45〔4・5 頁〕,46〔2 頁〕,原告兼原告B株式会社代表者A本人〈以下「原告A本人」という。〉〔6~7 頁〕)⑵ 被告らによる本件各記述ア被告Cによる本件記述1 被告Cは,同月11日午前7時34分に本件掲示板に投稿されたレス番号793の「Hの親ってa区で建設会社社長をしてるってマジ?息子逮捕で会社を守るために社員からアルバイトに降格したの?」(本件返信元記述)を見て,インターネット上で「a区」「建設会社」「(Hの名字)」「建設作業員」「中間市」などで検索したところ,検索結果として原告B 株式会社の所在地等が掲載された本件検索結果ページが表示された。 被告Cは,本件検索結果ページを見て,原告B株式会社は本件男性の勤務先であり,本件男 たところ,検索結果として原告B 株式会社の所在地等が掲載された本件検索結果ページが表示された。 被告Cは,本件検索結果ページを見て,原告B株式会社は本件男性の勤務先であり,本件男性の父親が経営する会社であろうと考え,本件男性と原告B株式会社との関係性について調べることなく,同日午前7時52分,不特定多数の者が閲覧可能な本件掲示板において本件返信元記述に対 する返信の形式で,本件掲示板に本件検索結果ページのハイパーリンク(URLの貼り付けにより自動設定)が設定されたURLを含む本件記述1を投稿した。本件記述1の前後の投稿は,本件男性に対し批判的な内容ばかりであった。 本件男性について,原告B株式会社の所在地や電話番号等の情報を関連 付けて投稿したのは,被告Cによる本件記述1が最初であった。 (甲1〔9~11丁目〕,45,被告C本人〔1・5・6頁〕)イ被告Gによる本件記述2被告Gは,同日,本件事故について本件男性が逮捕された旨の報道を見て,本件男性に対して怒りを感じるなどしたところ,被告Cによる本件記述1を見て,原告B株式会社は本件男性の勤務先であると考え,本件虚偽 情報が真実であるかの確認をすることなく,同日午前7時58分,不特定多数の者が閲覧可能な本件掲示板において先行して投稿されたレス番号313の,本件男性の「親兄弟の勤務先を特定するまでが祭りだ北海道の危険運転致死事件では実家特定までできたからな」に対する返信の形式で,本件検索結果ページのハイパーリンク(URLの貼り付けにより自動 設定)が設定されたURLを含む本件記述2を本件掲示板に投稿した。 (甲37,38)ウ被告Dによる本件記述3被告Dは,同月10日,本件事故に RLの貼り付けにより自動 設定)が設定されたURLを含む本件記述2を本件掲示板に投稿した。 (甲37,38)ウ被告Dによる本件記述3被告Dは,同月10日,本件事故について本件男性が逮捕された旨の報道を見て,本件男性に対して怒りを感じるなどしたことから,インターネ ット上で本件事故及び本件男性について調べたところ,同月11日,短文のメッセージ等を投稿することができるソーシャルネットワーキングサービスであるツイッターにおいて,本件男性について「25歳自分の父親が立ち上げた会社に勤務している様」との記載とともに,原告B株式会社の名称,所在地及び電話番号を記載した投稿を発見した。被告Dは,上記投 稿を見て,原告B株式会社は本件男性の勤務先であり,本件男性の父親が経営する会社であると考え,本件虚偽情報が真実であるかの確認をすることなく,不特定多数の者が閲覧可能なインターネット上のブログサイトにおいて,同日午後0時頃,「東名高速妨害追突死亡事故! H容疑者の住所が判明,晒されていた! 容疑者の実家は会社を経営? B株式会社に 勤務?」「容疑者の勤務先も特定されている!?」との記述をした上で, 原告B株式会社の名称,所在地,電話番号とともに,本件会社が本件男性の父親の立ち上げた会社であり,本件男性が勤務している旨の内容の別の投稿を引用して掲示した本件記述3を投稿した。 (甲19,24ないし26,被告D本人〔1・8頁〕)エ被告Eによる投稿 被告Eは,同月10日,本件事故について本件男性が逮捕された旨の報道を見て,本件男性に対して怒りを覚えたため,インターネット上で本件事故及び本件男性について調べたところ,同月12日頃,インターネット上に開設され,不特定多数の者 について本件男性が逮捕された旨の報道を見て,本件男性に対して怒りを覚えたため,インターネット上で本件事故及び本件男性について調べたところ,同月12日頃,インターネット上に開設され,不特定多数の者が閲覧可能なウェブサイトである「爆サイ」上において,本件記述4と同内容の投稿を発見した。被告Eは,上記 投稿を見て,原告B株式会社は本件男性の勤務先であり,本件男性の父親が経営する会社であると考え,本件虚偽情報が真実であるかの確認をすることなく,同日午前9時6分から同日午後2時56分までの間,不特定多数の者が閲覧可能な本件掲示板及び電子掲示板「まちBBS」に,上記投稿をコピーして貼り付けたものである本件記述4(少なくとも合計3件) を投稿した。 (甲29ないし31)オ被告Fによる本件記述5被告Fは,同年10月上旬頃,本件事故について本件男性が逮捕された旨の報道を見て,本件男性に対して怒りを覚え,インターネット上で本件 事故及び本件男性についての記述を見て,同月12日,本件掲示板上において,本件記述5と同内容の投稿を見た。被告Fは,上記投稿を見て,原告B株式会社は本件男性の勤務先であり,本件男性の父親が経営する会社であると考え,本件虚偽情報が真実であるかの確認をすることなく,同日午前11時56分及び同月14日午後2時35分,不特定多数の者が閲覧 可能な本件掲示板に,上記投稿をコピーして貼り付けたものである本件記 述5(合計2件)を投稿した。 (甲32ないし35)⑶ 原告B株式会社及び原告Aへの誹謗中傷等原告B株式会社が本件男性の勤務先であり,その代表者である原告Aが本件男性の実父であるという虚偽の情報(本件虚偽情報)は,同月11日の本 件記述1の投稿以降,原告 原告Aへの誹謗中傷等原告B株式会社が本件男性の勤務先であり,その代表者である原告Aが本件男性の実父であるという虚偽の情報(本件虚偽情報)は,同月11日の本 件記述1の投稿以降,原告Aの実名及び原告B株式会社の情報とともに拡散され,それとともにインターネット上では,原告B株式会社及び原告Aに対し,不特定多数の者が誹謗中傷をする状況となり,その中には,原告Aに対し本件男性とともに死んでくれという内容のものがあった。 原告B株式会社に対しては,同日以降,原告B株式会社が本件男性と関係 があることを前提とする非難の電話や無言電話等が,多い日で1日当たり100を超える件数かかってくる状況となった。その中には,原告B株式会社に対する襲撃予告のようなものまであったことから,原告B株式会社は,2日間の休業をした。そのほか,原告Aは,取引先等に出向き,原告B株式会社及び原告Aが本件男性とは無関係である旨の説明をした。 また,原告Aは,家族に危害が及ぶことを危惧し,子に対して学校を2日間休ませるなどした。 (甲4,33〔5頁〕,35〔3頁〕,44〔9~10頁〕,原告A本人〔1~7・11・19・20頁〕,被告C本人〔5頁〕)⑷ 被告Dによる訂正文の投稿 被告Dは,同月13日,原告B株式会社が本件男性と関係がない旨のメールを受信し,インターネット上で確認すると,本件男性と原告B株式会社は無関係という投稿が多く見られたため,被告Dは,同日,本件記述3をしたブログサイト上に「訂正 H容疑者の勤務先はB株式会社ではない!」と題する訂正記事を掲載したところ,上記ブログサイト宛てに被告Dに対する誹 謗中傷のメールが殺到した。 被告Dは,同月16日,本件記述3を削除し,同 B株式会社ではない!」と題する訂正記事を掲載したところ,上記ブログサイト宛てに被告Dに対する誹 謗中傷のメールが殺到した。 被告Dは,同月16日,本件記述3を削除し,同月18日,上記ブログサイト上に「H容疑者の勤務先がBと誤って掲載した件についての謝罪」と題する謝罪記事を掲載した。 (甲24〔10~12頁〕,25〔11・14・15頁〕,26〔4頁〕,被告D本人〔4・6頁〕) ⑸ 原告Aの本件虚偽情報に対する対応等原告Aは,同月16日,福岡県a警察署を訪れ,対応した警察官に対し,本件虚偽情報がインターネット上で拡散され,苦情の電話等が殺到して原告B株式会社の信用を失墜させられたなどと被害を申告した。 また,原告Aは,同月19日以降,報道機関に対し,本件虚偽情報が拡散 されたことについて,本件虚偽情報により誹謗中傷等されていることを報道するよう求め,報道機関からの取材を受けるなどし,本件虚偽情報が事実と異なる旨が繰り返し報道された。 さらに,原告Aは,同月26日,福岡県a警察署において,本件虚偽情報が拡散され原告B株式会社の名誉が毀損されたとする被害届を提出した。捜 査によりインターネット上において本件虚偽情報を投稿したと特定されたのは,被告らを含む11名であり,被告らは,捜査機関による取調べを受けるなどした。 本件虚偽情報が事実と異なる旨の上記報道を受け,原告B株式会社に対する非難の電話等は,次第に減少し,同年12月末頃までに,原告B株式会社 に対して非難の電話等がかかることはなくなった。 原告B株式会社は,本件虚偽情報が拡散されたことにより,従業員及び原告Aが本件虚偽情報へ対応することを余儀なくされた上,2日間休業したものの,受注中であった 話等がかかることはなくなった。 原告B株式会社は,本件虚偽情報が拡散されたことにより,従業員及び原告Aが本件虚偽情報へ対応することを余儀なくされた上,2日間休業したものの,受注中であった請負工事等を失うことはなかった。 (甲1〔4丁目〕,3,4〔1頁〕,原告A本人〔4・7~9・18・19・20 頁〕) ⑹ 刑事告訴原告らは,同年3月30日,被告らを含む11名について,原告B株式会社の名誉を毀損したとして刑事告訴をした。 上記11名は,同年6月,福岡地方検察庁b支部へ書類送検されたところ,福岡地方検察庁b支部検察官は,上記11名について不起訴処分とし た。 原告らは,上記書類送検の後,上記11名のうち1名との間で,100万円の支払を受ける旨の示談合意をし,同人から100万円の支払を受けた。 また,上記11名のうち1名は,死亡した。 原告らは,不起訴処分となった被告らを含む上記11名のうち,示談合意 した1名及び死亡した1名を除く9名に係る上記不起訴処分について,b検察審査会に対し,審査を申し立てた。 (甲16ないし18,原告A本人〔14・15・18頁〕)⑺ 本件訴訟の提起及び和解等原告らは,平成31年3月7日,福岡地方裁判所c支部に対し,被告らを 含む8名に対する損害賠償請求事件(本件訴訟)を提起し,本件訴訟は,同年4月,当裁判所に回付された。 原告らは,令和元年6月25日,分離前相被告1名との間で,同人が原告らに対し,各50万円を分割して支払う旨の内容の裁判上の和解をした。 また,当裁判所は,同年7月10日,別の分離前相被告1名について,同 人が原告らに対し,各50万円を分割して支払う旨の民事調停法17条に基 分割して支払う旨の内容の裁判上の和解をした。 また,当裁判所は,同年7月10日,別の分離前相被告1名について,同 人が原告らに対し,各50万円を分割して支払う旨の民事調停法17条に基づく調停に代わる決定をし,同決定は,同月29日の経過により確定した。 (当裁判所に顕著な事実)⑻ 刑事事件の経過等b検察審査会は,令和元年10月8日,被告らを含む9名について,起訴 を相当とする旨の議決をした。 これを受け,福岡地方検察庁b支部検察官は,令和2年3月31日,被告Cについて「起訴(公判請求)」とし,被告D,被告F,被告G,被告E及び外1名について「起訴(略式命令請求)」とし,原告らと裁判上の和解をした者及び17条決定が確定した者を含むその余の3名について不起訴処分とした。 被告D,被告F,被告G,被告E及び外1名は,それぞれ,罰金30万円の略式命令を受け,被告Cは,名誉毀損の公訴事実について争ったものの,令和2年12月10日,福岡地方裁判所b支部において罰金30万円の判決宣告を受け,上訴したものの,上記判決が確定した。 (甲8ないし13,16ないし18,46,52,被告C本人〔3・6頁〕) ⑼ 被告ら以外の者との裁判上の和解原告らは,令和3年6月18日,本件訴訟において,前記⑺とは別の分離前相被告1名との間で,同人が原告らに対して各50万円の支払義務があり,分割して支払を受ける旨及び同年7月30日までに原告らに対し各40万円を支払ったときは,その余の支払義務を免除する旨などを内容とする裁 判上の和解をした。 (当裁判所に顕著な事実)⑽ 賠償金の支払原告らは,本件虚偽情報に係る名誉毀損等に関して,被告ら以外の者から,前記⑹の100万円を含めて,こ を内容とする裁 判上の和解をした。 (当裁判所に顕著な事実)⑽ 賠償金の支払原告らは,本件虚偽情報に係る名誉毀損等に関して,被告ら以外の者から,前記⑹の100万円を含めて,これまでに合計約230万円の支払を受 けた。 (原告A本人〔24・25頁〕)⑾ 本件男性の刑事裁判本件男性は,本件事故に係る行為等について,危険運転致死傷罪等の罪で起訴され,平成30年12月14日,横浜地方裁判所において,危険運転致 死傷罪等が成立するとして懲役18年の判決宣告を受けたところ,本件男性 が上記判決について控訴をした。 2 争点⑴(原告らの社会的評価が低下したか)について⑴ ある記述の意味内容が人の社会的評価を低下させるものであるかどうかは,一般読者の普通の注意と読み方を基準として判断するのが相当であり(最高裁判所昭和29年(オ)第634号同31年7月20日第二小法廷判 決・民集10巻8号1059頁参照),これを判断するにおいては,単に当該記述の断片的な文言だけをみるのではなく,当該記述がされた当時の状況や当該記述の前後の文脈等を総合的に考慮するのが相当である。 ⑵ 被告Cによる本件記述1についてア前記前提事実及び前記認定のとおり,本件記述1は,不特定多数の者が 閲覧可能な本件掲示板のスレッドに,本件男性の「親ってa区で建設会社社長をしてるってマジ? 息子逮捕で会社を守るために社員からアルバイトに降格したの?」という内容の本件返信元記述に対する返信の形式で,原告B株式会社の所在地や電話番号等が表示される本件検索結果ページへのハイパーリンクが設定されたURLを付して,「これ? 違うかな。」 と掲記したものであること,そして,スレッド(一連の投稿)は,その形式に照ら 地や電話番号等が表示される本件検索結果ページへのハイパーリンクが設定されたURLを付して,「これ? 違うかな。」 と掲記したものであること,そして,スレッド(一連の投稿)は,その形式に照らし,個々の投稿だけ読まれるのではなく,一続きのものとして読まれる体裁であることに照らせば,一般読者の普通の注意と読み方を基準とすると,本件記述1は,単に原告B株式会社の存在を摘示するだけでなく,本件返信元記述の内容を前提に原告B株式会社の情報を摘示したもの ということができる。そして,本件返信元記述は,本件男性の親がa区で建設会社の社長をしているか,当該会社を守るために本件男性を社員からアルバイトに降格させたかを問いかける内容であるところ,これに対する返信の形式で本件記述1をすることは,一般読者の普通の注意と読み方を基準とすると,本件返信元記述において摘示された会社が原告B株式会社 として実在し,本件男性が原告B株式会社に勤務し,原告B株式会社の代 表者が本件男性の親であるとの事実を摘示するものというのが相当である。 これに対し,被告Cは,本件記述1は「?」をつけて疑問文の体裁をとっており,原告らの社会的評価を低下させる事実を摘示したということはできないと主張する。 しかし,前記認定のとおり,本件記述1は「これ? 違うかな」として断定した表現を避けてはいるものの,本件返信元記述の問いかけに答えるもので,本件返信元記述の記載内容の真実性に対して何ら疑問を呈することなく,かつ,本件記述1を投稿した経緯の説明を付すことなく,本件返信元記述の内容を前提に,これに沿った原告B株式会社の情報を摘示した ものであるから,本件返信元記述の信用性を高め,かつ,会社の名称や所在地を明らかにするハイパーリンクが設定されたUR 本件返信元記述の内容を前提に,これに沿った原告B株式会社の情報を摘示した ものであるから,本件返信元記述の信用性を高め,かつ,会社の名称や所在地を明らかにするハイパーリンクが設定されたURLを掲記し,情報の精度を上げるもので,本件記述1の読者に対し,本件男性が本件会社に勤務し,原告B株式会社の代表者が本件男性の親であるとの印象を与えるというべきである。したがって,被告Cの上記主張を採用することはできな い。 イそして,前記認定のとおり,本件記述1が投稿された当時,報道機関が本件事件及び本件男性の逮捕を大々的に取り上げて報道し,本件事故に至るまでの本件男性の行為が悪質であるなどとして,インターネット上などにおいて,本件男性に対する批判的な意見が多く上がっており,本件男性 は,社会的な非難を受ける状況にあった。また,前記認定のとおり,本件記述1がされたスレッド名は,「【東名夫婦死亡事故】H容疑者,『なぜPAから追いかけて行った?』との質問に『やっぱこっちもカチンとくるけん』★13」というものであって,本件事故及び本件男性を主題とするものであるところ,本件記述1の前後の投稿は,本件男性に対し批判的な内 容の投稿ばかりであった。 以上のとおりの本件記述1がされた当時の状況及び本件記述1の前後の投稿における文脈に照らせば,本件記述1は,社会的非難を受ける本件男性が原告Aの子であり,原告B株式会社が本件男性の勤務先であることを示すものであって,原告Aが子に対し適切な教育を施すことができない人物である旨及び原告B株式会社が社会的非難の対象となる人物を代表者の 子であるからといって採用し,当該人物が稼働する会社であるという印象を抱かせ,読者がそれまで原告らを知っていたか否かにかかわらず,原告ら び原告B株式会社が社会的非難の対象となる人物を代表者の 子であるからといって採用し,当該人物が稼働する会社であるという印象を抱かせ,読者がそれまで原告らを知っていたか否かにかかわらず,原告らの当時の社会的評価や信用に疑問や誤解を生じさせるものということができる。実際に,前記認定のとおり,本件各記述がされ,本件虚偽情報が拡散された後,インターネット上では,原告B株式会社及び原告Aに対 し,不特定多数の者が誹謗中傷をする状況となるなどした。 ウしたがって,本件記述1は,原告らの社会的評価を低下させるというのが相当である。 ⑶ 被告Gによる本件記述2について本件記述2により原告らの社会的評価が低下したことは,原告らと被告G との間で争いはない。 ⑷ 被告Dによる本件記述3についてア前記前提事実及び前記認定のとおり,被告Dは,インターネット上の不特定多数の者が閲覧可能なブログサイトにおいて,本件記述3を投稿したものであるところ,本件記述3は,本件男性が原告Aの子であり,原告B 株式会社に勤務する事実を摘示するものであって,前判示のとおり,本件記述3がされた当時の状況に照らして,上記事実の摘示は,原告Aが子に対し適切な教育を施すことができない人物である旨及び原告B株式会社が社会的非難の対象である人物を代表者の子であるからといって採用し,当該人物が稼働する会社であるという印象を抱かせ,原告らの当時の社会的 評価や信用に疑問や誤解を生じさせるものということができる。 したがって,本件記述3は,原告らの社会的評価を低下させるものというのが相当である。 イこれに対し,被告Dらは,本件記述3が本件男性の立ち回り先に関する情報にすぎず,これにより原告らの社会的評価は低下しないと主 記述3は,原告らの社会的評価を低下させるものというのが相当である。 イこれに対し,被告Dらは,本件記述3が本件男性の立ち回り先に関する情報にすぎず,これにより原告らの社会的評価は低下しないと主張するが,上記のとおり,被告Dらの上記主張を採用することはできない。 ウまた,被告Dらは,本件記述3が「?」や「様」をつけて未確認情報であることを明らかにしたものであり,当時,本件記述3以外に本件虚偽情報が未確認情報であることを示す投稿が多数あったことから,本件記述3により原告らの社会的評価は低下しないと主張する。 しかし,本件記述3は「東名高速妨害追突死亡事故! H容疑者の住所 が判明,晒されていた!」などとして,本件男性の住所が判明したことを断定的に記載した上で,「?」や「様」を用いてはいるものの,本件記述3をした経緯の説明を付すことなく,本件男性の父親が設立した会社が原告B株式会社であり,本件男性が原告B株式会社に勤務している旨を摘示するものであって,一般読者の普通の注意と読み方を基準とすると,原告 Aが子に対し適切な教育を施すことができない人物である旨及び原告B株式会社が社会的非難の対象となる人物を代表者の子であるからといって採用し,当該人物が稼働する会社であるという印象を与えるというべきである。 したがって,被告Dらの上記主張を採用することはできない。 エさらに,被告Dらは,本件記述3の内容は財産的な問題とは無関係であるから原告B株式会社の信用毀損には当たらないと主張する。 しかし,自然人のみならず,法人においても,顕在する取引先及び潜在的な取引先に対する社会的評価が観念されるのであって,前判示のとおり,本件記述3は,原告B株式会社が社会的非難の対象である人物を代表 者の子であるからとい 人においても,顕在する取引先及び潜在的な取引先に対する社会的評価が観念されるのであって,前判示のとおり,本件記述3は,原告B株式会社が社会的非難の対象である人物を代表 者の子であるからといって採用し,当該人物が稼働する会社であるという 印象を抱かせ,原告B株式会社の当時の社会的評価や信用に疑問や誤解を生じさせるというのが相当であることに照らせば,本件記述3は,原告B株式会社の社会的評価を低下させるものというべきである。 したがって,被告Dらの上記主張を採用することはできない。 ⑸ 被告Eによる本件記述4について 前記前提事実及び前記認定のとおり,被告Eは,本件掲示板等に本件記述4を投稿したものであるところ,本件記述4は,本件男性の勤務先が原告B株式会社であり,原告Aの実名をもって,原告Aが本件男性の実父であることを摘示するなどし,実名等の詳細な情報を付加して情報の精度を上げて,一連の原告A及び原告B株式会社に関する情報の信用性を高めるものであっ て,前判示のとおり,本件記述4がされた当時の状況に照らして,本件男性が原告Aの子であり,原告B株式会社で勤務するという事実の摘示は,原告Aが子に対し適切な教育を施すことができない人物である旨及び原告B株式会社が社会的非難の対象である人物を代表者の子であるからといって採用し,当該人物が稼働する会社であるという印象を抱かせ,原告らの当時の社 会的評価や信用に疑問や誤解を生じさせるものということができる。 したがって,本件記述4は,原告らの社会的評価を低下させるものということができる。 また,本件記述4についてのその余の本件記述3と同じ被告Dらの主張についても,当裁判所の判断は前判示のとおりであり,これを採用することは できない。 ⑹ 被告 のということができる。 また,本件記述4についてのその余の本件記述3と同じ被告Dらの主張についても,当裁判所の判断は前判示のとおりであり,これを採用することは できない。 ⑹ 被告Fによる本件記述5について前記前提事実及び前記認定のとおり,被告Fは,本件掲示板に本件記述5を投稿したものであるところ,本件記述5は,本件男性の住所,本籍,勤務先,その所在地,その電話番号,従業員数といった詳細な情報を掲記し,本 件男性の勤務先が原告B株式会社であり,原告Aの実名をもって,原告Aが 本件男性の実父であることを摘示するものであって,前判示のとおり,本件記述5がされた当時の状況に照らして,本件男性が原告Aの子であり,原告B株式会社で勤務するという事実の摘示は,原告Aが子に対し適切な教育を施すことができない人物である旨及び原告B株式会社が社会的非難の対象である人物を代表者の子であるからといって採用し,当該人物が稼働する会社 であるという印象を抱かせ,原告らの当時の社会的評価や信用に疑問や誤解を生じさせ,詳細な記述によってそれを信じさせるものということができる。 したがって,本件記述5は,原告らの社会的評価を低下させるものということができる。 また,本件記述5についてのその余の本件記述3と同じ原告Dらの主張についても,当裁判所の判断は前判示のとおりであり,これを採用することはできない。 3 争点⑵(故意過失の有無)について⑴ 被告らの故意について 原告らは,被告らには本件各記述により原告らの社会的評価を低下させることについての故意があった旨主張し,これに沿う証拠として,刑事事件における各供述調書が存在する。しかし,その信用性を補完する証拠(公判供述等)は見当たらず,被告C及び被告 の社会的評価を低下させることについての故意があった旨主張し,これに沿う証拠として,刑事事件における各供述調書が存在する。しかし,その信用性を補完する証拠(公判供述等)は見当たらず,被告C及び被告Dは,本件訴訟においてこれに反する供述をする(被告C本人〔4・5頁〕,被告D本人〔5頁〕)。したがって, 本件において被告らに故意があったとまで認めることはできない。 以下,被告らの過失について検討する。 ⑵ 被告Cについて前判示のとおり,本件記述1は,本件返信元記述に対する返信の形でなされたもので,本件男性が原告B株式会社で勤務し,原告B株式会社の代表者 が本件男性の親であるとの事実を摘示するものであることに照らせば,本件 記述1及び本件返信元記述の内容を認識する被告Cは,より詳細な情報を付加することにより本件記述1の読者がそのような事実を真実であると理解する可能性があると認識していたと認めるのが相当である。 そして,前判示のとおり,本件各記述がされた当時,本件事故は報道機関が大々的に大きく取り上げて報道し,本件男性が社会的非難を受ける状況に あった。また,証拠(甲45〔7丁目〕)によれば,本件記述1の直前である平成29年10月11日午前7時33分,本件記述1がされたスレッドにおいてレス番号787「社会に出していい水準じゃない放し飼いにすんなよ」との投稿がされたことが認められるところ,同投稿は,その内容に照らし,本件男性の親族など本件男性に関連のある者に対して否定的,批判的な 評価の下にされたものということができ,さらに,同投稿の直後に投稿された本件返信元記述は,「Hの親ってa区で建設会社社長をしてるってマジ? 息子逮捕で会社を守るために社員からアルバイトに降格したの?」などとして,本件男 ということができ,さらに,同投稿の直後に投稿された本件返信元記述は,「Hの親ってa区で建設会社社長をしてるってマジ? 息子逮捕で会社を守るために社員からアルバイトに降格したの?」などとして,本件男性の勤務先ないし本件男性の親に対して否定的な評価を有することが推察される内容である。このように,本件男性に対して社会的非難がさ れているだけでなく,本件男性の親族など,本件男性に関連のある会社に対して否定的,批判的な評価がされる状況であったことに加え,掲示板の投稿は1つだけを読むことはなく,前後のものと併せて読まれるという性質に照らせば,被告Cは,上記一連の投稿がなされているスレッドに本件記述1を加えることにより,このスレッドを通して読む読者における原告らの社会的 評価を低下させることを認識し得たというのが相当である。 以上によれば,本件記述1により原告らの社会的評価を低下させることについて,被告Cには過失があったというべきである。 ⑶ 被告Gについて被告Gが本件記述2により原告らの社会的評価を低下させることについて 少なくとも過失があることについて,明らかに争わないから,これを自白し たものとみなす。なお,故意については損害論についての主張に照らし争わないものということはできない。 ⑷ 被告Dについて前判示のとおり,本件各記述がされた当時,本件男性は社会的非難を受ける状況にあった。そして,前記認定のとおり,被告Dは,本件記述3を投稿 する前に,本件事故及び本件男性についてインターネット上で調べたのであるから,前判示のとおり,本件各記述がされた当時,本件男性の親族など本件男性に関連のある者に対して否定的,批判的な評価がされていることを認識したと認めることができる。そうすると,被告Dは, たのであるから,前判示のとおり,本件各記述がされた当時,本件男性の親族など本件男性に関連のある者に対して否定的,批判的な評価がされていることを認識したと認めることができる。そうすると,被告Dは,本件記述3により,原告らの社会的評価を低下させる可能性を認識し得たというのが相当であ る。 以上によれば,本件記述3により原告らの社会的評価を低下させることについて,被告Dには過失があったというべきである。 ⑸ 被告Eについて前判示のとおり,本件各記述がされた当時,本件男性は社会的非難を受け る状況にあった。そして,前記認定のとおり,被告Eは,本件記述4をする前に,本件事故及び本件男性についてインターネット上で調べたのであるから,前判示のとおり,本件各記述がされた当時,本件男性の親族など本件男性に関連のある者に対して否定的,批判的な評価がされていることを認識したと認めることができる。そして,原告らの社会的信用を低下させる記述を 不特定多数の者が閲覧可能な本件掲示板等に記述したものである。そうすると,被告Eは,本件記述4により,原告らの社会的評価を低下させることを認識し得たというのが相当である。 以上によれば,本件記述4により原告らの社会的評価を低下させることについて,被告Eには過失があったというべきである。 ⑹ 被告Fについて 前判示のとおり,本件各記述がされた当時,本件男性は社会的非難を受ける状況にあった。そして,前記認定のとおり,被告Fは,本件男性に怒りを覚え,本件記述5をする前に,本件事故及び本件男性についての記述をインターネット上で見たのであるから,前判示のとおり,本件各記述がされた当時,本件男性の親族など本件男性に関連のある者に対して否定的,批判的な 評価がされていること 及び本件男性についての記述をインターネット上で見たのであるから,前判示のとおり,本件各記述がされた当時,本件男性の親族など本件男性に関連のある者に対して否定的,批判的な 評価がされていることを認識したと認めることができる。そして,原告らの社会的信用を低下させる記述を不特定多数の者が閲覧可能な本件掲示板に記述したものである。そうすると,被告Eは,本件記述5により,原告らの社会的評価を低下させることを認識し得たというのが相当である。 以上によれば,本件記述5により原告らの社会的評価を低下させることに ついて,被告Fには過失があったというべきである。 4 争点⑶(損害額)について前判示のとおり,本件各記述がされた当時,本件男性に対する社会的非難がされており,本件男性の親族に対しても否定的,批判的な評価がされる状況であったもので,本件各記述により,原告らの社会的評価が低下したということ ができる。 他方で,前記認定のとおり,原告Aが報道機関に働きかけ,本件各記述の掲示からそれほど間をおかず本件虚偽情報が事実と異なる旨が繰り返し報道されるなどしたことにより,本件虚偽情報が事実と異なるものである旨が広く周知されるに至ったこと,原告Aは,原告B株式会社とともに,本件虚偽情報に係 る名誉毀損に関して,被告ら以外の者から合計約230万円の支払を受け,本件虚偽情報について一定の慰謝を受けたこと,また被告らは,原告Aの告訴等を受けて本件各記述について,原告B株式会社に対する名誉毀損罪が成立するとして,それぞれ罰金30万円の判決を受けたことがそれぞれ認められる。 以下では,被告らそれぞれについて,上記のような事情を考慮して検討す る。 ⑴ 被告Cについてア原告Aについて前記前提事 判決を受けたことがそれぞれ認められる。 以下では,被告らそれぞれについて,上記のような事情を考慮して検討す る。 ⑴ 被告Cについてア原告Aについて前記前提事実及び前記認定のとおり,本件返信元記述は,「Hの親ってa区で建設会社社長をしてるってマジ?息子逮捕で会社を守るために社員からアルバイトに降格したの?」との事実を摘示するのみで,本件返信元 記述の内容のみから原告B株式会社や原告Aについて推察できるものではない。そうであるにもかかわらず,前記認定のとおり,被告Cは,インターネット上で独自にキーワードを設定して検索した上で,原告B株式会社の情報が掲載された本件検索結果ページを探索し,ハイパーリンクが設定されたURLを含む本件記述1を投稿したものであって,本件記述1は, 本件虚偽情報が拡散する契機となったというべきである。 このような本件記述1の投稿の態様,内容等その他本件に顕れた一切の事情を考慮すると,被告Cによる本件記述1により原告Aに生じた精神的損害に対する慰謝料は,20万円というのが相当であり,本件記述1の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は2万円が相当である。 これに対し,被告Cは,本件記述1は,本件虚偽情報の拡散元ではないと主張するが,前記認定事実に照らし,被告Cの上記主張を採用することはできない。 イ原告B株式会社について本件記述1の態様,内容等その他本件に顕れた一切の事情を考慮する と,被告Cによる本件記述1により原告B株式会社に生じた損害は,20万円というのが相当であり,本件記述1の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は2万円が相当である。 これに対し,被告Cは,原告B株式会社の損害は,第三者による迷惑電話がかかってきたことであり,被 万円というのが相当であり,本件記述1の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は2万円が相当である。 これに対し,被告Cは,原告B株式会社の損害は,第三者による迷惑電話がかかってきたことであり,被告Cがその者らの責任を負ういわれはな い旨を主張する。しかし,前判示のとおり,原告B株式会社は,本件記述 1により社会的評価ないし信用が低下したものであって,上記迷惑電話はそれが顕在化したものであるにすぎない。被告Cの上記主張を採用することはできない。 ⑵ 被告Gについてア原告Aについて 前記前提事実及び前記認定のとおり,被告Gは,本件記述1を見た後,本件掲示板に本件記述2をしたものであるところ,本件記述2がされた際,既に本件記述1により本件虚偽情報がインターネット上に存在したということができ,この点で本件記述1とは異なるということができる。 そうすると,このような本件記述2の投稿の態様,内容等その他本件に 顕れた一切の事情を考慮すると,被告Gによる本件記述2により原告Aに生じた精神的損害に対する慰謝料は,15万円というのが相当であり,本件記述2の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は1万5000円が相当である。 イ原告B株式会社について 本件記述2の態様,内容等その他本件に顕れた一切の事情を考慮すると,被告Gによる本件記述2により原告B株式会社に生じた損害は,15万円というのが相当であり,本件記述2の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は1万5000円が相当である。 ⑶ 被告Dらについて ア原告Aについて前記認定のとおり,被告Dらは,既にインターネット上に存在した本件虚偽情報を見てそれぞれ本件記述3ないし5をしたものであり,この点で本件記述1と Dらについて ア原告Aについて前記認定のとおり,被告Dらは,既にインターネット上に存在した本件虚偽情報を見てそれぞれ本件記述3ないし5をしたものであり,この点で本件記述1とは異なるということができる。 そうすると,このような本件記述3ないし5の各投稿の態様,内容等そ の他本件に顕れた一切の事情を考慮すると,被告Dらによる本件記述3な いし5により原告Aに生じた精神的損害に対する慰謝料は,各15万円というのが相当であり,本件記述3ないし5の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は各1万5000円というのが相当である。 イ原告B株式会社について本件記述3ないし5の態様,内容等その他本件に顕れた一切の事情を考 慮すると,被告Dらによる本件記述3ないし5により原告B株式会社に生じた損害は,各15万円というのが相当であり,本件記述3ないし5の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は各1万5000円が相当である。 ウ被告Dらの主張について被告Dらは,被告Dによる本件記述3ないし5がなければ本件虚偽情報 が拡散することがなかったということはできないと主張する。 しかし,前判示のとおり,本件各記述がされた当時の本件男性に対する社会的非難の度合いは強いものがあり,これに比例するように,本件男性の親族等の関係者に対する否定的,批判的な意見も強かったこと及びより詳細な情報を掲示ないし拡散させることにより,その虚偽情報の精度が上 がり,信用性が増すことに照らすと,このような状況において本件記述3ないし5を投稿することは,本件記述3ないし5それぞれによって原告らの社会的評価を一層低下させるというのが相当である。 したがって,被告Dらの上記主張を採用することはできない。 いて本件記述3ないし5を投稿することは,本件記述3ないし5それぞれによって原告らの社会的評価を一層低下させるというのが相当である。 したがって,被告Dらの上記主張を採用することはできない。 第4 結論 以上によれば,①原告Aの請求は,不法行為に基づき,被告Cに対し,損害金22万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成31年3月21日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,被告D,被告E,被告F及び被告Gに対し,損害金各16万5000円及びこれに対する訴状送達の日の翌日(被告Dにつき同日,被告E及び被告Fにつき同 月22日,被告Gにつき同月27日)から各支払済みまで民法所定の年5分の 割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり,②原告B株式会社の請求は,不法行為に基づき,被告Cに対し,損害金22万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である同月21日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,被告D,被告E,被告F及び被告Gに対し,損害金各16万5000円及びこれに対する訴状送達の日の翌日(被告D につき同日,被告E及び被告Fにつき同月22日,被告Gにつき同月27日)から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。 よって,原告らの請求を上記の限度で認容し,原告らのその余の請求は,いずれも理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 福岡地方裁判所第3民事部 裁判長裁判官松葉佐隆之 裁判官吉田達二 裁判官 裁判長 裁判官松葉佐隆之 裁判官吉田達二 裁判官合六水希 別紙1当事者目録(略) 別紙2記述目録1 1 URL https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1507667075/ 2 スレッド名 【東名夫婦死亡事故】H容疑者,「なぜPAから追いかけて行った?」との質問に「やっぱこっちもカチンとくるけん」★13 3 レス番号 990 4 投稿日時平成29年10月11日午前7時52分19秒 5 投稿記事 >>793(中略)これ?違うかな。 (URL省略) 別紙3記述目録2 1 URL https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1507645153/31 2 スレッド名 【東名停車死亡事故】建設作業員のH(25)を逮捕★3 3 レス番号 316 4 投稿日時平成29年10月11日午前7時58分54秒 5 投稿記事 >>313ハッキリしたわけではないが(URL省略) 別紙4記述目録3 1 URL http://yokayoka-life.com/news/ 2 ブログの題名モノローグ 3 投稿記事東名高速妨害追突死亡事故!H容疑者の住所が判明,晒されていた!容疑者の実家は会社を経営?B株式会社に勤務? (中略)容疑者の ーグ 3 投稿記事東名高速妨害追突死亡事故! H容疑者の住所が判明,晒されて いた! 容疑者の実家は会社を経営? B株式会社に勤務? (中略)容疑者の勤務先も特定されている!? (中略)東名高速の福岡糞DQN 車は白のホンダストリーム住所福岡県中間市(中略)本籍 (中略)氏名 H(フリガナ)25歳自分の父親が立ち上げた会社に勤務してる様,B株式会社,福岡県北九州市a区(住所省略)(中略) ―(アカウント名省略)2017年10月11日 別紙5記述目録4 1 スレッド名 ■■小倉北区■■[29] 2 レス番号 944 3 投稿日時平成29年10月12日午前9時6分 4 投稿記事 >>943■H 容疑者(フリガナ)25歳 2017年10月10日逮捕(電話番号省略)[住居地]:福岡県中間市(中略)[本籍地]:(中略) [勤務先]:B株式会社? [代表者]:A(※実父)[勤務先所在地]:福岡県北九州市a区(住所省略)[勤務先電話番号]:(中略)[従業員数]:15名[事業内容]:全国の発電プラントの電気設備工事全般? [事件時使用車]ホンダストリーム白色 (車両番号省略) 別紙6記述目録51⑴ スレッド名 【朝倉魂】がまだせ九州アウトロー【大分魂】[無断転載禁止]©2ch.net⑵ レス番号 73 ⑶ 投稿日時平成 両番号省略) 別紙6記述目録51⑴ スレッド名 【朝倉魂】がまだせ九州アウトロー【大分魂】[無断転載禁止]©2ch.net⑵ レス番号 73 ⑶ 投稿日時平成29年10月12日午前11時56分⑷ 投稿記事 ■H 容疑者(フリガナ)25歳 2017年10月10日逮捕(電話番号省略)[住居地]:福岡県中間市(中略) [本籍地]:(中略)[勤務先]:B株式会社[代表者]:A(※実父)[勤務先所在地]:福岡県北九州市a区(住所省略)[勤務先電話番号]:(中略)[従業員数]:15名 [事業内容]:全国の発電プラントの電気設備工事全般[事件時使用車]ホンダストリーム白色 (車両番号省略)2⑴ スレッド名同上⑵ レス番号 74⑶ 投稿日時平成30年10月14日午後2時35分 ⑷ 投稿記事同上
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