【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 被告人を懲役九月に処する。 原判決確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。 理 由 検事総長伊藤栄樹の非常上告
主 文 原判決を破棄する。 被告人を懲役九月に処する。 原判決確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。 理 由 検事総長伊藤栄樹の非常上告趣意について 記録によると、福島地方裁判所白河支部は、昭和五九年一二月二四日、被告人に 対する道路交通法違反、道路運送車両法違反、自動車損害賠償保障法違反被告事件 (同庁昭和五九年(わ)第一二二号、一六七号)について、「被告人は、第一 公 安委員会の運転免許を受けず、かつ、法定の除外事由がないのに、昭和五九年七月 三日午後三時三七分ころ、福島県いわき市a町bc付近道路において、運輸大臣の 委任を受けた福島県知事の行う検査を受けておらず、有効な自動車検査証の交付を 受けているものでなく、かつ、自動車損害賠償責任保険の契約が締結されていない 普通貨物自動車(いわき四四す七九九三号)を運転して運行の用に供し、第二 前 記日時、道路標識によりその最高速度が四〇キロメートル毎時と指定されている前 記場所において、その最高速度を一八キロメートル超える五八キロメートル毎時の 速度で前記自動車を運転して進行し、第三 公安委員会の運転免許を受けないで、 同年一〇月二三日午後五時四六分ころ、同市d町ef番地付近道路において、普通 貨物自動車(福島四四ま九三六四号)を運転したものである。」との事実を認定し、 第一の所為につき、道路交通法六四条、一一八条一項一号、道路運送車両法五八条 一項、六二条一項、一〇八条一号、同法施行令八条三項、自動車損害賠償保障法五 条、八七条一号、刑法五四条一項前段、一〇条、第二の所為につき、道路交通法二 二条一項、四条一項、一一八条一項二号、同法施行令一条の二第一項、第三の所為 につき、道路交通法六四条、一一八条一項一号を適用し、以上の各罪は刑法四五条 - 1 - 前段 第二の所為につき、道路交通法二 二条一項、四条一項、一一八条一項二号、同法施行令一条の二第一項、第三の所為 につき、道路交通法六四条、一一八条一項一号を適用し、以上の各罪は刑法四五条 - 1 - 前段の併合罪の関係にあるから、同法四七条本文、一〇条により併合罪加重をした うえ、同法二五条一項を適用して、「被告人を懲役一〇月に処する。この裁判確定 の日から三年間右刑の執行を猶予する。」との判決を言い渡し、この判決は、上訴 提起期間の経過により、昭和六〇年一月八日確定したことが認められる。 しかしながら、道路交通法一一八条一項一号、二号、道路運送車両法一〇八条一 号及び自動車損害賠償保障法八七条一号によれば、懲役刑を選択した場合における 各法定刑の長期はいずれも懲役六月であり、刑法四五条前段の併合罪として、同法 四七条本文により刑の加重をしても、その処断刑の長期は懲役九月であるから、こ れを超過して被告人を懲役一〇月に処した原判決は、法令に違反したものであり、 しかも、被告人のため不利益であるといわなければならない。よつて、刑訴法四五 八条一号但書により、原判決を破棄し、被告事件について更に判決することとする。 原判決の確定した各事実に原判決の掲げる各法条を適用し、その刑期の範囲内で 被告人を懲役九月に処することとし、刑の執行猶予につき刑法二五条一項を適用し、 裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 検察官秋田清夫 公判出席 昭和六二年六月三〇日 最高裁判所第三小法廷 裁判長裁判官 長 島 敦 裁判官 伊 藤 正 己 裁判官 安 岡 滿 彦 裁判官 坂 上 壽 夫 - 2 - 裁判官 伊 藤 正 己 裁判官 安 岡 滿 彦 裁判官 坂 上 壽 夫 - 2 -
▼ クリックして全文を表示