号証拠隠滅被告事件 主文 被告人を懲役6月に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,平成26年4月1日から平成29年11月27日までの間,A警察署交通課事故捜査係所属の巡査部長として勤務していたものであるが,平成28年7月9日,同警察署管内で発生したBに係る自動車人身事故に関し,同発生場所付近において,Bが飲酒運転して人身事故を起こし,事故後に飲酒したとする過失運転致傷アルコール等影響発覚免脱罪の嫌疑を認め,Bの呼気中のアルコール保有量を検査して呼気1リットル当たり0.5ミリグラムのアルコール測定値を示す飲酒検知管を作成し,同飲酒検知管を窓あき封筒に入れて封かんしたが,同嫌疑での捜査を見合わせるため,同年8月15日頃,同警察署交通課事務室において,前記飲酒検知管在中の窓あき封筒を開封して同飲酒検知管を取り出し,検挙以外で使用した飲酒検知管を廃棄するため回収手続を担当する同課指導取締係所属警察官に対し,検挙以外の使用であることを記載した飲酒検知管使用簿とともに前記飲酒検知管を交付し,さらに,同窓あき封筒をシュレッダーで裁断して廃棄し,もって他人の刑事事件に関する証拠を隠滅した。 (証拠の標目)記載省略(法令の適用)罰条刑法104条 刑種の選択懲役刑刑の全部執行猶予刑法25条1項訴訟費用の負担刑事訴訟法181条1項本文(量刑の理由)被告人は,交通事件被疑者の態度や事件内容からして,適正な事件処理に要する捜査の業務量の多さを懸念するあまり,飲酒関連の捜査を見合わせるために本件犯行に及んだというのであり, (量刑の理由)被告人は,交通事件被疑者の態度や事件内容からして,適正な事件処理に要する捜査の業務量の多さを懸念するあまり,飲酒関連の捜査を見合わせるために本件犯行に及んだというのであり,警察官としてあるまじき短絡的な犯行である。本件犯行により,実際に捜査が阻害されたことも見過ごすことができない。他方で,被告人が本件犯行を率直に認め,懲戒処分を受けて自ら辞職するなど,反省の態度を示し,一定の社会的制裁を受けたといえること,前科がなく,再犯のおそれもないことも踏まえると,その刑の執行を猶予するのが相当である。 (求刑懲役6月)平成30年5月31日名古屋地方裁判所刑事第2部 裁判官齋藤千恵
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